JP4366073B2 - 顔料分散剤、顔料分散組成物、トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

顔料分散剤、顔料分散組成物、トナー及びトナーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料の分散性を向上させるための顔料分散剤及びそれを用いた顔料分散組成物に関する。また、本発明は、電子写真、静電印刷の如き画像形成方法において静電荷像を現像するためのトナー、又は、トナージェット方式の画像形成方法においてトナー像を形成するためのトナー及びその製造方法に関する。特に、本発明は、トナーで形成されたトナー像を転写材に加熱加圧定着させる定着方式に供されるトナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、塗料、インキ、トナー、樹脂成型品の如き製品の製造方法において、顔料分散剤は顔料の粒径を細かくし、色材としての性能(着色力、透明性、光沢など)を十分に発現させるための添加剤として有効に利用されている。
【0003】
顔料分散剤は、その機能を発揮するためには、分子中に顔料に強固に吸着する化学構造と、顔料を分散する際に用いる溶媒や樹脂への親和性を持ち、顔料の再凝集を防ぐための立体障害となりうる化学構造が必要である。フタロシアニン系顔料やカーボンブラックには、フタロシアニン系色素の誘導体が用いられている。さまざまな溶媒や樹脂に対して汎用性をもたせるために、顔料に対して吸着性を持つ材料と、溶媒や樹脂への親和性を持ち立体障害となりうる樹脂とを混合し、それぞれを酸塩基相互作用により結合させて調製した顔料分散剤が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0004】
しかしながら、このような2成分系の顔料分散剤を用いる場合には、両者を結合している酸塩基による結合を切断しない条件で顔料分散体を作製し、その条件を維持することが必要である。特に、水系溶媒での顔料の分散においては、溶媒のpHや添加される樹脂の官能基に十分な注意が必要となる。また、両者が解離した状態で顔料分散を行った場合でもフタロシアニン誘導体の極性基の作用によりある程度の分散状態は得られるが、乾燥、成型、重合反応の如き後工程における顔料の再凝集や極性基の存在による顔料の浮きだしが問題となる場合がある。
【0005】
一方、プリンターや複写機に使用されるトナーは、主成分が結着樹脂、着色剤(磁性体、カーボンブラック、染料、顔料等)、及びワックス類から形成されるトナー粒子を有し、通常トナー粒子の重量平均粒径は4〜20μmである。所望の粒子径を有するトナー粒子は、一般に熱可塑性樹脂と着色剤を混合、溶融し、着色剤を熱可塑性樹脂に均一に分散させた後、溶融物を冷却し、冷却物を微粉砕し、分級することにより得られる。着色剤を均一に熱可塑性樹脂に分散させる方法としては、混練法、フラッシング法等が用いられている。これらの方法において、顔料分散剤を熱可塑性樹脂及び着色剤と一緒に混合することにより顔料の分散性の向上が期待されるが、顔料に対し、20〜50wt%の分散剤を必要とするため、トナー粒子の帯電特性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0006】
粉砕方法によるトナー粒子の製造方法に対して、懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。着色剤、帯電制御剤及びワックスを重合性単量体に溶解、あるいは分散させて重合性単量体組成物を調製し、この重合性単量体組成物を分散安定剤を含有する水系媒体に分散装置により分散させ、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子を生成し、この重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合させて固化することによって所望の粒径を有し、所望の組成を有するトナー粒子を得るものである。
【0007】
この方法は粉砕工程が無いためエネルギーの節約、工程収率の向上、コスト削減といった効果が期待されるものであるが、重合性単量体中で顔料を微分散させても、重合過程で顔料の凝集が起こってしまい、定着画像の着色力、透明性を損なうことがある。また、顔料分散剤を併用することも考えられるが、顔料分散剤を顔料に対して20〜50wt%含有させる必要があり、トナー粒子の帯電特性に悪影響を生じやすい。
【0008】
このような問題を解決する目的で、顔料に吸着する部分と、溶媒や樹脂への親和性をもち立体障害となりうる樹脂材料部分とを共有結合させた顔料分散剤が提案されている(例えば、特許文献5参照)。ポリマー中に銅フタロシアニン骨格をグラフト化した化合物を分散剤として用いることにより、顔料に対して極微量の添加量で分散効果を発揮することができ、重合過程での顔料の再凝集や、トナーとしての帯電特性を維持することに成功している。しかしながら、このような顔料分散剤を合成するためには多段階の合成経路が必要となることから、生産性の良好な顔料分散剤が待望されている。
【0009】
また、シアン顔料の色味を調整する意味でトナーに亜鉛フタロシアニンを含有させることが提案されている(特許文献6参照)。この場合の様に亜鉛フタロシアニンだけを含有させたとしても、顔料表面に亜鉛フタロシアニンが吸着したところで、顔料の再凝集を防止し、かつ分散媒への親和性を向上させることはできず、顔料の分散効果は得られない。また、上記提案において、亜鉛フタロシアニンの含有量は顔料に対して5〜80質量%が好ましい範囲となっているが、さらに少量で、効果のある顔料分散剤が待望されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平06−122835号公報
【特許文献2】
特開平09−005989号公報
【特許文献3】
特表2002−514263号公報
【特許文献4】
特開平05−197193号公報
【特許文献5】
特開2002−226727号公報
【特許文献6】
特開2000-302993号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解消した顔料分散剤を提供することを課題とする。即ち、本発明は、少量で顔料を分散媒中に微分散させることができる顔料分散剤を提供することを課題とする。
【0012】
また、本発明は、複雑な合成経路を有しない安価な顔料分散剤を提供することを課題とする。
【0013】
また、本発明は、顔料が原料中に投入された後の様々な工程においても安定的に顔料の分散状態を維持しうる顔料分散組成物を提供することを課題とする。
【0014】
また、本発明は、トナー粒子中に顔料を微分散させることができ、着色力、透明性に優れたトナー及びトナーの製造方法を提供することを課題とする。
【0015】
さらに、本発明の目的は、トナー粒子表面に着色剤の浮きだしがなく、帯電性や環境安定性に優れているトナー及びトナーの製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、中心金属が五配位構造又は六配位構造をとることのできる、金属フタロシアニン又は金属フタロシアニン誘導体と、前記金属フタロシアニン又は金属フタロシアニン誘導体の中心金属に配位可能なn−電子供与性化合物と、を少なくとも含有することを特徴とする顔料分散剤に関する。
また、本発明は、下記一般式(I)
【0017】
【化2】
Figure 0004366073
〔式中、X1〜X4は、それぞれ独立に、窒素原子又はC-R(Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12個のアルキル基又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を示す)を示す。Y1〜Y8は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12個のアルキル基を示す。また、Y1とY2、Y3とY4、Y5とY6、及びY7とY8は、それぞれ相互に連結して芳香族炭化水素環を形成してもよく、この場合、該芳香族炭化水素環は置換基を有してもよい。Mは五配位構造をとることのできる中心金属を示す。〕
【0018】
で表される金属化合物と、
該金属化合物の中心金属に配位可能なn−電子供与性化合物と、を少なくとも含有することを特徴とする顔料分散剤に関する。
【0019】
また、本発明は、上記本発明の顔料分散剤と、顔料と、分散媒とを少なくとも含有することを特徴とする顔料分散組成物に関する。
【0020】
また、本発明は、上記本発明の顔料分散剤と、顔料と、結着樹脂とを少なくとも含有するトナー粒子を有することを特徴とするトナーに関する。
【0021】
さらに、本発明は、上記本発明の顔料分散剤と、顔料とを混合する工程を有することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の構造を有する金属化合物とその中心金属に配位結合しうる化合物とを有する顔料分散剤を用いることにより、顔料を分散媒体中で容易に微分散させることができることを見出し、本発明に到達したものである。
【0023】
本発明の顔料分散剤は、塗料、インキ、トナー、樹脂成型品の如き製品の製造工程で用いられ、顔料の分散性を向上させるための顔料処理剤として用いられるものである。本発明の顔料分散剤は、中心金属が五配位構造又は六配位構造をとることのできる特定の構造を有する金属化合物と、金属化合物の中心金属に配位可能なn−電子供与性化合物とを含有することを特徴とする。
【0024】
すなわち、本発明の顔料分散剤は、顔料に吸着するための金属化合物の中心金属と、顔料の再凝集を防止し、分散効果を有するn−電子供与性化合物とを混合し、分散することにより、金属化合物の中心金属とn−電子供与性化合物とが配位結合することによって顔料分散剤が調製される。この配位子となりえるn−電子供与性化合物が分散媒体に対して親和性を示すことによって優れた分散効果を発揮する。
【0025】
上記本発明で用いられる中心金属が五配位構造又は六配位構造をとることのできる特定の構造を有する金属化合物は、金属フタロシアニン又は金属フタロシアニン誘導体、又は下記一般式(I)
【0026】
【化3】
Figure 0004366073
〔式中、X1〜X4は、それぞれ独立に、窒素原子又はC-R(Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12個のアルキル基又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を示す)を示す。Y1〜Y8は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12個のアルキル基を示す。また、Y1とY2、Y3とY4、Y5とY6、及びY7とY8は、それぞれ相互に連結して芳香族炭化水素環を形成してもよく、この場合、該芳香族炭化水素環は置換基を有してもよい。Mは五配位構造をとることのできる中心金属を示す。〕
【0027】
で表される構造を有する化合物である。
【0028】
上記金属フタロシアニン又は金属フタロシアニン誘導体の中心金属は配位子の存在下で五配位構造又は六配位構造をとることのできる金属であり、五配位構造をとることのできる金属であることが好ましい。このような中心金属としては2価の金属あるいは3〜4価の置換金属又はオキシ金属であり、例えばクロム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マンガン、マグネシウム、アルミニウム等の金属、TiCl2、SnCl2などの金属塩化物、TiO、MnOなどの金属酸化物等が挙げられるが、軸配位子の取り込み易さを考慮するとクロム、鉄、コバルト、亜鉛、マンガンが好ましい。さらには、顔料との吸着性を考慮すると五配位構造をとる亜鉛が好ましい。
【0029】
また、金属フタロシアニン誘導体としては、公知のものを用いることができる。すなわち、フタロシアニンの基本骨格を有するものであれば特に限定されない。例えば、4つあるイソインドール部分にカルボン酸、スルフォン酸等の官能基を導入したものや、その他の芳香族系基、脂肪族基、エーテル基、アルコール基等の置換基を導入したものが挙げられる。ただし、顔料との吸着性や軸配位子の取り込み易さに対して障害となるものは好ましくない。例えば、アミン等のそれ自体が配位子となりえる官能基や、顔料との吸着面に立体障害となるような側鎖を持つものである。
【0030】
また、上記(I)式で表される金属化合物において、X1〜X4及び/又はY1〜Y8に導入されうる置換基としては特に限定されないが、カルボン酸基又はスルフォン酸基や、芳香族系基、脂肪族基、エーテル基又はアルコール基等が挙げられる。ただし、顔料との吸着性や軸配位子の取り込み易さに対して障害となるものは好ましくない。例えば、アミンそれ自体が配位子となりえる官能基や、顔料との吸着面に立体障害となるような側鎖を持つものは好ましくない。
【0031】
さらに、顔料との吸着性を考慮すると、前記金属化合物が、一般式(I)中のX1〜X4がすべて窒素原子であり、Y1とY2,Y3とY4,Y5とY6及びY7とY8が、それぞれ互いに連結して、置換基を有してもよい芳香族炭化水素環を形成しているフタロシアニン骨格を有する化合物であることが好ましい。
【0032】
前記金属化合物の中心金属Mとしては、軸方向への配位子が配位可能であることを考慮するとアルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ゲルマニウム、パラジウム、カドミウム、インジウム、すず、白金、鉛が挙げられる。顔料との吸着面と配位結合が可能であることを考慮すると五配位構造をとることが特に好ましい。上記の金属の中で最も容易に五配位構造をとるものとしては亜鉛が具体的に挙げられる。
【0033】
さらに、顔料分散剤としての堅牢性、フタロシアニン顔料との吸着性を考慮した場合に、上記一般式(I)で表される金属化合物として、亜鉛を中心金属に持つ前記金属化合物の中でも下記式(II)
【0034】
【化4】
Figure 0004366073
【0035】
で示される亜鉛フタロシアニン(Znフタロシアニン)を使用することが最も好ましい。本発明において、亜鉛フタロシアニンは顔料分散剤の顔料吸着部材として含有させるため、非常に少ない使用量(5質量%以下でも十分に効果を発揮する)で目的は達成される。この使用量は亜鉛フタロシアニン自体が持つ色味調整の効果は無視できる範囲である。
【0036】
また、上記金属フタロシアニン又は金属フタロシアニン誘導体若しくは上記一般式(I)で表される金属化合物の中心金属に配位可能なn−電子供与性化合物としては、上記中心金属に配位可能であり、非共有電子対を有する化合物であれば特に限定はされないが、優れたn−電子供与性を持つものとして、第1〜第3級アミン、イミン、第1〜第3アミド、イミド、芳香族イミド(ピリジン等)、チオール、チオエステル、チオニル、スルフィド、スルフォキシドの中から選ばれる少なくとも一つ以上の骨格を有することが好ましい。これらの骨格中の窒素原子もしくは硫黄原子にある非共有電子対は優れた配位能を示し、かつ配位子として設計しやすい。
【0037】
さらに、上記のn−電子供与体化合物としては、分散媒体に対して親和性を示し、顔料に対して立体障害となり顔料に分散性を持たせるために、オリゴマー又はポリマーであることが好ましい。例えば、スチレンモノマーとn−電子供与性を持つモノマーとから生成されるスチレン共重合体;アクリルモノマーとn−電子供与性を持つモノマーとから生成される共重合体;メタクリルモノマーとn−電子供与性を持つモノマーとから生成される共重合体;エステル系モノマーとn−電子供与性を持つモノマーとから生成される共重合体;エーテル系モノマーとn−電子供与性を持つモノマーとから生成される共重合体;ビニルアルコールモノマーとn−電子供与性を持つモノマーとから生成される共重合体;ビニルブチラールモノマーとn−電子供与性を持つモノマーとから生成される共重合体が挙げられる。その他ポリウレタンやポリペプチドであってもよい。
【0038】
本発明に用いられる顔料としては、公知の顔料が利用できるが、特にフタロシアニン系顔料の如き有色顔料及びカーボンブラックに対して本発明の顔料分散剤を効果的に用いることができる。
フタロシアニン系顔料としては、下記式(3)
【0039】
【化5】
Figure 0004366073
【0040】
で示される銅フタロシアニン顔料(Cuフタロシアニン顔料)が好ましい。
【0041】
本発明に用いることのできる分散媒は、顔料分散組成物の目的用途に応じて決められるものであり、特に限定されない。具体的には、水;メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールの如きアルコール;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコール、モノブチルエーテルの如きエーテルアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートの如きエステル;ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き炭化水素;四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラブロムエタンの如きハロゲン化炭化水素;エチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサンテトラヒドロフランの如きエーテル;メチラール、ジエチルアセタールの如きアセタール;ギ酸、酢酸、プロピオン酸の如き有機酸;又は、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドの如き硫黄・窒素含有有機化合物が挙げられる。
【0042】
さらに、分散媒は、樹脂であってもよい。具体的には、ポリスチレン、スチレン共重合体;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリレート共重合体、メタクリレート共重合体;ポリエステル;ポリビニルエーテル、ポリビニルメチルエーテル;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールが挙げられる。その他ポリウレタンやポリペプチドが挙げられる。またこれらの分散媒を2種類以上混合して用いることもできる。
【0043】
また、上記本発明で用いる分散媒は、重合性単量体であることが好ましい。分散媒として本発明に用いることができる重合性単量体は、付加重合系あるいは縮合重合系単量体である。好ましくは、付加重合系単量体である。具体的にはスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン;塩化ビニル、塩化ビリニデン、臭化ビニル、ヨウ化ビニルの如きハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエスエル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸誘導体を挙げることができる。
【0044】
上述したように、本発明の顔料分散剤は、中心金属が五配位構造又は六配位構造をとることのできる特定の構造を有する金属化合物と、金属化合物の中心金属に配位可能なn−電子供与性化合物とを含有してなる。このような本発明の顔料分散剤は配位結合を利用することにより、分散媒中に顔料を分散させる前に、上記金属化合物と、配位子となる上記n−電子供与性化合物とを、上記分散媒中に個別に投入することにより得ることができる。これは、顔料吸着部位である金属化合物部分と分散性をもたせるための配位子部分(n−電子供与性化合物)とを個別に調製できることを意味し、これにより本発明の顔料分散剤の合成が容易に達成できるものである。
【0045】
また、本発明の顔料分散組成物は、分散媒と顔料と上述した本発明の顔料分散剤とを少なくとも含有するものである。すなわち、本発明の顔料分散組成物は、公知の顔料及び公知の分散媒を用いることができる。また、本発明の顔料分散組成物に用いられる顔料及び分散媒は、上述のものを好適に用いることができる。
【0046】
本発明の顔料分散組成物は例えば以下のようにして得られる。分散媒中に顔料分散剤、及び必要に応じて樹脂を溶かし込み、撹拌しながら顔料粉末を徐々に加え十分に分散媒になじませる。さらにボールミル、ペイントシェーカー、ディゾルバー、アトライター、サンドミル、ハイスピードミルの如き分散機により機械的剪断力を加えることで顔料の粒子表面に顔料分散剤を吸着させ、顔料を安定に均一な微粒子状に微分散することができる。
【0047】
本発明のトナーは、静電荷像を現像するためのトナー、又は、トナージェット方式の画像形成方法におけるトナー像を形成するためのトナーである。本発明のトナーは、特に、トナー像を転写材に加熱加圧定着させる定着方式を用いた画像形成方法に好ましく使用される。
【0048】
本発明のトナーは、結着樹脂と、顔料と、本発明の顔料分散剤とを少なくとも含有するトナー粒子を有することを特徴とする。
【0049】
上記本発明のトナーを好適に製造することができる方法である、本発明のトナーの製造方法は、顔料と上記本発明の顔料分散剤とを混合する工程を有することを特徴とする。即ち、顔料の分散工程において本発明の顔料分散剤を用いることを特徴とするものである。
【0050】
粉砕法によりトナーを製造する際には、まず、本発明の顔料分散剤と顔料とを、分散媒である結着樹脂や他の添加剤とともにヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分混合する。得られた混合物をニーダー、エクストルーダーの如き熱及び機械的剪断力による熱混練機を用いて溶融混練して樹脂を溶融させる。この段階で顔料が顔料分散剤によって表面処理されるとともに溶融物中に微分散される。溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕及び微粉砕し、微粉砕物を分級してトナー粒子が得られる。
【0051】
また、本発明のトナーに含まれるトナー粒子は、結着樹脂を生成するための重合性単量体と、顔料と、本発明の顔料分散剤とを少なくとも含有する重合性単量体組成物をラジカル重合開始剤、光又は熱により重合させる重合工程を有する重合法により製造されることが、本発明の顔料分散剤の効果をより発揮できるので特に好ましい。
【0052】
即ち、本発明のトナーの製造方法は、重合性単量体と、顔料と、上記本発明の顔料分散剤とを混合して重合性単量体組成物を調製し、得られた重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する方法(即ち、重合法)であることが好ましい。また、上記方法において、重合性単量体組成物を水系媒体中で分散して造粒し、この造粒された重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合することが好ましい。
【0053】
このような本発明のトナーの製造方法としては、上記重合法の中でも懸濁重合法を用いることが特に好ましい。懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法においては、重合性単量体を分散媒として用いた顔料分散組成物を分散機により処理し、重合性単量体、顔料及び顔料分散剤を有する顔料分散ペーストを調製する。得られた顔料分散ペーストを、さらに重合性単量体及び重合開始剤、更にワックスや必要に応じた他の添加剤とともに、攪拌機によって均一に溶解混合又は分散させ、重合性単量体組成物を調製する。こうして得られた重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する分散媒体(好ましくは水系媒体)中に添加し、攪拌装置として高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用してトナー粒子径まで重合性単量体組成物を微分散させる(造粒工程)。そして、重合工程において微分散された重合性単量体組成物中の重合性単量体をラジカル重合開始剤、光又は/及び熱により重合反応させて、トナー粒子を得ることができる。
【0054】
本発明のトナーは、必要に応じてトナー粒子に添加剤を外添してもよい。
【0055】
トナー粒子に含有される、結着樹脂を生成するための重合性単量体としては、分散媒としての重合性単量体と同様のものが使用可能である。
【0056】
本発明のトナーに用いることのできる顔料としては、公知の顔料が利用できるが、特にフタロシアニン系顔料及びカーボンブラックの如き有色顔料を好ましく用いることができる。顔料の添加量は、重合性単量体100質量部当たり3〜20質量部であることが好ましい。
【0057】
本発明のトナーに含有される顔料は、上述した本発明の顔料分散剤により表面処理されたものである。本発明の顔料分散組成物を種々の顔料分散機により処理することによって、本発明の顔料分散剤で表面処理された顔料を含む顔料分散ペーストを得ることができる。顔料分散剤の最適量は所望の顔料の分散粒径により決まるが、顔料吸着部である前記金属化合物を顔料の粒子表面に十分に吸着させるためには、顔料100質量部に対して0.3質量部以上使用するのが好ましい。しかしながら、含有量が多くなりすぎる場合には前記金属化合物自体の発色によって色相に影響が出てしまう。これらを考慮すると、トナー中に含有される顔料分散剤を構成する前記金属化合物の含有量はトナーの質量を基準にして0.01〜2.5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1.0質量%である。
【0058】
また、該金属化合物の中心金属に配位することによって立体障害となり顔料の粒子同士の再凝集を防ぐためのn−電子供与性化合物は、トナーにおいてはポリマーであることが好ましい。特にトナーの定着性能を損なわずに分散効果を得るためには該ポリマーはゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)法による測定において重量平均分子量Mwが2000〜10万であることが好ましく、2500〜5万であることがより好ましい。またn−電子供与性化合物の最適量は該金属化合物への配位効率という観点からすれば多い方がよいが、トナー物性への影響を配慮すれば過剰になるのは好ましくない。これらを考慮すると、トナー中に含有されるn−電子供与性化合物の量はトナーの質量を基準にして好ましくは0.05〜10質量%である。
【0059】
さらに、顔料分散媒がトナーの結着樹脂又はトナーの結着樹脂を形成するための重合性単量体である場合には、該n−電子供与性化合物が、該結着樹脂を構成する重合性単量体ユニットの内少なくとも1種と、n−電子供与性の重合性単量体ユニットとを有する重合体ユニットを有する共重合体であることが好ましい。何故なら、分散媒に対する親和性という点において優れた顔料分散効果が得られ、さらに重合工程においても顔料分散が維持しやすいからである。なお、本明細書において、「重合性単量体ユニット」とは、結着樹脂を構成する重合性単量体に由来する骨格部分及びn−電子供与性の重合性単量体に由来する骨格部分を表す。
【0060】
例えば、結着樹脂が、スチレン−ブチルアクリレート共重合体である場合は、n−電子供与性化合物は、スチレン−ビニルピリジン共重合体が好ましいポリマーとして挙げられる。また、n−電子供与性化合物の物性を結着樹脂の物性に近づけることができ、トナーの物性への悪影響を抑制できる。また、配位効率という観点を含めて考えた場合には、配位可能な官能基は多い方がよい。これらを考慮するとトナーに適用する場合、該n−電子供与性化合物は、n−電子供与性の重合性単量体ユニットを0.1〜30質量%有するポリマーであることが好ましく、より好ましくは1.0〜10質量%である。
【0061】
懸濁重合法によるトナーの製造方法では、本発明の顔料分散剤を含有する顔料分散ペーストを、重合性単量体、重合開始剤、その他の添加剤とともに混合し、重合性単量体組成物として水系分散媒体に分散させることにより、本発明の顔料分散剤により表面処理された顔料を含有するトナーを得ることができる。
【0062】
懸濁重合法を用いた本発明のトナーの製造方法に用いることのできる水系分散媒体は、主として重合性単量体及び重合体の溶解性から決められるものである。具体的には、例えば水;メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールの如きアルコール;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの如きエーテルアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートの如きエステル;ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き炭化水素;四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラブロムエタンの如きハロゲン化炭化水素;エチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサンテトラヒドロフランの如きエーテル;メチラール、ジエチルアセタールの如きアセタール;ギ酸、酢酸、プロピオン酸の有機酸;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドの如き硫黄含有有機化合物又は窒素含有有機化合物が挙げられる。また、これらの溶媒を2種類以上混合して用いることもできる。溶媒に対する重合性単量体の濃度は、溶媒の質量を基準にして重合性単量体1〜80質量%、好ましくは10〜65質量%である。
【0063】
懸濁重合法を用いた本発明のトナーの製造方法に用いることのできるトナー粒子の分散安定化剤は公知のものが使用可能である。具体例としては、無機化合物として、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプンが挙げられる。分散安定化剤の濃度は重合性単量体100質量%に対して0.2〜20質量%が好ましい。
【0064】
懸濁重合法を用いた本発明のトナーの製造方法に用いる重合開始剤としては公知の重合開始剤を挙げることができる。具体的には、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート、4,4−アゾビス−4−シアノバレロニトリル、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)の如きアゾ系化合物;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイドの如き過酸化物;アルカリ金属;金属水酸化物;グリニャール試薬の如き求核試薬;プロトン酸;ハロゲン化金属;安定カルボニウムイオンが挙げられる。重合開始剤の濃度は単量体の質量を基準にして0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
【0065】
また、本発明のトナーの製造方法に用いる連鎖移動剤としては公知の連鎖移動剤を挙げることができる。
【0066】
さらに、本発明ではトナーへの様々な特性付与を目的として、以下に示すようなトナーの添加剤を用いることもできる。
【0067】
トナーの摩擦帯電特性を安定化するために、あらかじめ樹脂に荷電制御剤を含有させておいても良い。この場合、トナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。重合法によりトナーを製造する場合には、重合阻害性がない荷電制御剤を用いることが特に好ましい。具体的には、ネガ系制御剤としては、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き金属化合物;スルホン酸、カルボン酸を側鎖にもつ高分子型化合物;ホウ素化合物;尿素化合物;ケイ素化合物;カリークスアレーンが好ましい。ポジ系制御剤としては、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が好ましい。これら荷電制御剤は、結着樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部添加することが好ましい。
【0068】
また、本発明のトナーは、流動性付与剤、研磨剤、滑剤、荷電制御粒子等の如き添加剤をトナー粒子に外添してもよい。
【0069】
流動性付与剤としては、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等)が好適に用いられる。これらは疎水化処理を行ったものがより好ましい。研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム等)、窒化物(窒化ケイ素等)、炭化物(炭化ケイ素等)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)が好適に用いられる。滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)が好適に用いられる。荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)、カーボンブラックが好適に用いられる。
【0070】
これらの添加剤は、トナー粒子100質量部に対し0.1〜10質量部用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部が用いられる。これらの添加剤は、単独で使用しても良いし、複数を併用しても良い。
【0071】
本発明のトナーはトナーのみからなる一成系分現像剤として用いることもできるし、キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることもできる。
【0072】
本発明で使用するブローオフ法による摩擦帯電量の測定方法を記載する。トナーとキャリアとを、100ミリリットルのポリエチレン製容器に入れ、現像剤として用いる場合に適当な混合量(2〜15質量%)となるように混合し、ターブラミキサーで180秒混合する。この混合粉体(現像剤)を、底部に635メッシュの導電性スクリーンを装着した金属製の容器にいれ、吸引機で吸引し、吸引前後の質量差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位とから摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmHgとする。この方法によって、摩擦帯電量を下記式を用いて算出する。
【0073】
【数1】
Q(μC/g)=(C×V)/(W1−W2)
(式中、W1は吸引前の質量を、W2は吸引後の質量、Cはコンデンサーの容量、Vはコンデンサーに蓄積された電位を、それぞれ表す。)
【0074】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例中で使用する部はすべて質量部を示す。
【0075】
〈n−電子供与性化合物の製造例1〉
以下に示す方法によりスチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体Aの合成を行った。
【0076】
テトラヒドロフラン250mlを1リットル反応容器に仕込み、テトラヒドロフランの温度を68℃した。次に、スチレン70g、4−ビニルピリジン3g、2,2−アゾイソブチロニトリル6.15g、テトラヒドロフラン80mlの混合溶液を作製し、混合溶液を反応容器内に2時間かけて滴下した。滴下後、68℃で4時間還流させた。これを室温に冷却し、メタノール1リットルを加えた。析出した結晶を濾過し、メタノール洗浄、水洗を行った。得られた粉体を温度30℃で24時間減圧乾燥させ、スチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体Aを16.3g得た。得られたスチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体Aは、IRスペクトル、元素分析及び分子量測定を行ったところ、スチレン/4−ビニルピリジン共重合質量比が96/4であり、数平均分子量(Mn)が2040であり、重量平均分子量(Mw)が4470であることが分かった。
【0077】
〈n−電子供与性化合物の製造例2〉
以下に示す方法によりスチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体Bの合成を行った。
【0078】
n−電子供与性化合物の製造例1において、4−ビニルピリジンの使用量を1.5gに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、スチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体Bを62.0g得た。得られたスチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体Bは、IRスペクトル、元素分析及び分子量測定を行ったところ、スチレン/4−ビニルピリジン共重合質量比が98/2であり、Mnが2340であり、Mwが5470であることが分かった。
【0079】
〈n−電子供与性化合物の製造例3〉
以下に示す方法によりスチレン−(4−アクリロイルモルフォリン)共重合体の合成を行った。
【0080】
n−電子供与性化合物の製造例1において、4−ビニルピリジン3gの代わりに4−アクリロイルモルフォリン1.5gを使用した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、スチレン−(4−アクリロイルモルフォリン)共重合体56.5gを得た。得られたスチレン−(4−アクリロイルモルフォリン)共重合体は、IRスペクトル、元素分析及び分子量測定を行ったところ、スチレン/4−アクリロイルモルフォリン共重合質量比が98/2であり、Mnが2170であり、Mwが5360であることが分かった。
【0081】
〈n−電子供与性化合物の製造例4〉
以下に示す方法により(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)−(4−ビニルピリジン)共重合体の合成を行った。
【0082】
テトラヒドロフラン250mlを1リットル反応容器に仕込み、テトラヒドロフランの温度を68℃とした。次に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート70g、4−ビニルピリジン1.5g、2,2−アゾイソブチロニトリル6.15g、テトラヒドロフラン80mlの混合溶液を作製し、混合溶液を反応容器内に2時間かけて滴下した。滴下後、温度68℃で4時間還流させた。これを室温に冷却し、水1リットルを加えた。析出した結晶を濾過し、水洗を行った。得られた粉体を30℃で24時間減圧乾燥させ、(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)−(4−ビニルピリジン)共重合体48.3gを得た。得られた(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)−(4−ビニルピリジン)共重合体は、IRスペクトル、元素分析及び分子量測定を行ったところ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/4−ビニルピリジン共重合質量比が98/2であり、Mnが2620であり、Mwが5630であることが分かった。
【0083】
〈実施例1〉
・Znフタロシアニン 0.225部
・スチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体A 2.25部
・スチレンモノマー 100部
・Cuフタロシアニン顔料(PigmentBlue15:3) 15部
・ガラスビーズ(直径1mm) 150部
上記材料をガラス瓶中で混合し、空冷しながらペイントシェーカーで10時間振とうした。その後ナイロンメッシュによりガラスビーズを除去し、顔料分散ペーストaを得た。得られた顔料分散ペーストaをガラス板上にワイヤーバーを用いて均一に塗布し、自然乾燥した後、光沢度計(入射角75°、日本電色社製PG−3D)により光沢値を測定したところ112であり、良好な平滑性を示した。また、上記顔料分散ペーストaをアルミ箔上に同様に塗布したものを電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒径は約50nmであり、顔料が細かく均一に分散されていることがわかった。
【0084】
さらに、水500部及びポリビニルアルコール3部を3リットルのフラスコ(撹拌羽根、冷却管付き)中で混合して水系媒体を調製し、そこに顔料分散ペーストaを100部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部を混合した後、超音波ホモジナイザーにより水系媒体中で懸濁造粒を行った。さらに撹拌しながら80℃で20時間重合反応を行った。得られた重合物を濾取し、水により十分に洗浄したのち、60℃で減圧乾燥を24時間行った。得られた着色樹脂粒子の表面を電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、顔料粒子の浮き出しはほとんど観察されなかった。
【0085】
〈実施例2〉
・Znフタロシアニン 0.18部
・スチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体B 1.8部
・スチレン 100部
・カーボンブラック 15部
・ガラスビーズ(直径1mm) 150部
上記材料をガラス瓶中で混合し、空冷しながらペイントシェーカーで10時間振とうした。その後ナイロンメッシュによりガラスビーズを除去し、顔料分散ペーストbを得た。得られた顔料分散ペーストbをガラス板上にワイヤーバーを用いて均一に塗布し、自然乾燥した後、光沢度計(入射角75°、日本電色社製PG−3D)により光沢値を測定したところ134であり、良好な平滑性を示した。また、上記顔料分散ペーストbをアルミ箔上に同様に塗布したものを電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒径は約50nmであり、顔料が細かく均一に分散されていることがわかった。
【0086】
さらに、水500部及びポリビニルアルコール3部を3リットルのフラスコ(撹拌羽根、冷却管付き)中で混合して水系媒体を調製し、そこに顔料分散ペーストbを100部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部を混合した後、超音波ホモジナイザーにより水系媒体中で懸濁造粒を行った。さらに撹拌しながら80℃で20時間重合反応を行った。得られた重合物を濾取し、水により十分に洗浄したのち、60℃で減圧乾燥を24時間行った。得られた着色樹脂粒子を電子走査顕微鏡(SEM)観察したところ、顔料粒子の浮き出しはほとんど観察されなかった。
【0087】
〈実施例3〉
実施例1において、Znフタロシアニン0.225部をZn〔5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン〕(ZnTPP)0.225部に変えた以外は実施例1と同様の方法を用いて顔料分散ペーストcを得た。得られた顔料分散ペーストcをガラス板上にワイヤーバーを用いて均一に塗布し、自然乾燥した後、光沢度計(入射角75°、日本電色社製PG−3D)により光沢値を測定したところ110であり、良好な平滑性を示した。また、上記顔料分散ペーストcをアルミ箔上に同様に塗布したものを電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒径は約50nmであり、顔料が細かく均一に分散されていることがわかった。
【0088】
さらに、水500部及びポリビニルアルコール3部を3リットルのフラスコ(撹拌羽根、冷却管付き)中で混合して水系媒体を調製し、そこに顔料分散ペーストcを100部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2部を混合した後、超音波ホモジナイザーにより水系媒体中で懸濁造粒を行った。さらに撹拌しながら80℃で20時間重合反応を行った。得られた重合物を濾取し、水により十分に洗浄したのち、60℃で減圧乾燥を24時間行った。得られた着色樹脂粒子をSEMで観察したところ、顔料粒子の浮き出しはほとんど観察されなかった。
【0089】
〈実施例4〉
実施例2において、Znフタロシアニン0.18部をZnTPP0.18部に変えた以外は実施例2と同様の方法を用いて顔料分散ペーストdを得た。得られた顔料分散ペーストdをガラス板上にワイヤーバーを用いて均一に塗布し、自然乾燥した後、光沢度計(入射角75°、日本電色社製PG−3D)により光沢値を測定したところ131であり、良好な平滑性を示した。また、該顔料分散ペーストdをアルミ箔上に同様に塗布したものを電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒径は約50nmであり、顔料が細かく均一に分散されていることがわかった。
【0090】
さらに、水500部及びポリビニルアルコール3部を3リットルのフラスコ(撹拌羽根、冷却管付き)中で混合して水系媒体を調製し、そこに顔料分散ペーストdを100部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2部を混合した後、超音波ホモジナイザーにより水系媒体中で懸濁造粒を行った。さらに撹拌しながら80℃で20時間重合反応を行った。得られた重合物を濾取し、水により十分に洗浄したのち、60℃で減圧乾燥を24時間行った。得られた着色樹脂粒子をSEM観察したところ、顔料粒子の浮き出しはほとんど観察されなかった。
【0091】
〈実施例5〉
実施例2において、スチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体B1.8部をスチレン−(4−アクリロイルモルフォリン)共重合体1.8部に変えた以外は実施例2と同様の方法を用いてで顔料分散ペーストeを得た。得られた顔料分散ペーストeをガラス板上にワイヤーバーを用いて均一に塗布し、自然乾燥した後、光沢度計(入射角75°、日本電色社製PG−3D)により光沢値を測定したところ132であり、良好な平滑性を示した。また、該顔料分散ペーストeをアルミ箔上に同様に塗布したものを電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒径は約50nmであり、顔料が細かく均一に分散されていることがわかった。
【0092】
さらに、水500部及びポリビニルアルコール3部を3リットルのフラスコ(撹拌羽根、冷却管付き)中で混合して水系媒体を調製し、そこに顔料分散ペーストe100部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2部を混合した後、超音波ホモジナイザーにより水系媒体中で懸濁造粒を行った。さらに撹拌しながら80℃で20時間重合反応を行った。得られた重合物を濾取し、水により十分に洗浄したのち、60℃で減圧乾燥を24時間行った。得られた着色粒子をSEMで観察したところ、顔料粒子の浮き出しはほとんど観察されなかった。
【0093】
〈実施例6〉
Figure 0004366073
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度150℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物の超薄切片を透過型電子顕微鏡(TEM)観察したところ、約50nmの顔料粒子が均一に微分散されていることが確認された。
【0094】
〈実施例7〉
Figure 0004366073
上記材料をガラス瓶中で混合し、空冷しながらペイントシェーカーで10時間振とうした。その後ナイロンメッシュによりガラスビーズを除去し、顔料分散ペーストfを得た。得られた顔料分散ペーストfをガラス板上にワイヤーバーを用いて均一に塗布し、自然乾燥した後、光沢度計(入射角75°、日本電色社製PG−3D)により光沢値を測定したところ106であり、良好な平滑性を示した。また、上記顔料分散ペーストfをアルミ箔上に同様に塗布したものを電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒径は約50nmであり、顔料が細かく均一に分散されていることがわかった。
【0095】
〈比較例1〉
・スチレン 100部
・Cuフタロシアニン顔料(PigmentBlue15:3) 15部
・ガラスビーズ(直径1mm) 150部
上記材料をガラス瓶中で混合し、空冷しながらペイントシェーカーで10時間振とうした。その後ナイロンメッシュによりガラスビーズを除去し、顔料分散ペーストgを得た。得られた顔料分散ペーストgをガラス板上にワイヤーバーを用いて均一に塗布し、自然乾燥した後、上記実施例1と同様の方法を用いて光沢値を測定したところ72であり、平滑性に乏しかった。また、上記顔料分散ペーストgをアルミ箔上に同様に塗布したものを電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、一次粒子と考えられる約50nmの粒子と、それらが凝集した100〜200nmの粗大粒子との混合物により構成されていた。
【0096】
〈比較例2〉
・Znフタロシアニン 0.225部
・スチレン 100部
・Cuフタロシアニン顔料(PigmentBlue15:3) 15部
・ガラスビーズ(直径1mm) 150部
上記材料をガラス瓶中で混合し、空冷しながらペイントシェーカーで10時間振とうした。その後ナイロンメッシュによりガラスビーズを除去し、顔料分散ペーストhを得た。得られた顔料分散ペーストhをガラス板上にワイヤーバーを用いて均一に塗布し、自然乾燥した後、上記実施例1と同様の方法を用いて光沢値を測定したところ74であり、平滑性に乏しかった。また、上記顔料分散ペーストhをアルミ箔上に同様に塗布したものを電子走査顕微鏡(SEM)観察したところ、一次粒子と考えられる約50nmの粒子と、それらが凝集した100〜200nmの粗大粒子との混合物により構成されていた。
【0097】
〈比較例3〉
・ソルスパース5000(アビシア社製) 0.5部
・ソルスパース17000(アビシア社製) 2部
・スチレン 100部
・Cuフタロシアニン顔料(PigmentBlue15:3) 15部
・ガラスビーズ(直径1mm) 150部
上記材料をガラス瓶中で混合し、空冷しながらペイントシェーカーで10時間振とうした。その後ナイロンメッシュによりガラスビーズを除去し、顔料分散ペーストiを得た。得られた顔料分散ペーストiをガラス板上にワイヤーバーを用いて均一に塗布し、自然乾燥した後、上記実施例1と同様の方法を用いて光沢値を測定したところ115であり、良好な平滑性を示した。また、上記顔料分散ペーストiをアルミ箔上に同様に塗布したものを電子走査顕微鏡(SEM)観察したところ、粒径は約50nmであり、顔料が細かく均一に分散されていることがわかった。
【0098】
さらに、水500部及びポリビニルアルコール3部を3リットルのフラスコ(撹拌羽根、冷却管付き)中で混合して水系媒体を調製し、pHを9に調整した。そこに顔料分散ペーストiを100部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部を混合した後、実施例1と同様に超音波ホモジナイザーにより懸濁乳化及び重合反応を行った。得られた重合物を濾取し、水により十分に洗浄し、乾燥を行った。得られた粒子を電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子表面に多くの顔料粒子が存在していた。さらに粒子の超薄切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、内部に顔料が細かく分散していたが、粒子表面近傍に顔料の凝集層が存在した。
【0099】
〈実施例8〉
[顔料分散ペーストjの作製]
・スチレンモノマー 340部
・Znフタロシアニン 0.3部
・スチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体A 3部
・Cuフタロシアニン(PigmentBlue15:3) 20部
上記材料を容器中でよくプレミクスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで約4時間分散し、顔料分散ペーストjを作製した。
【0100】
得られた顔料分散ペーストjをガラス板上にワイヤーバーを用いて均一に塗布し、自然乾燥した後、上記実施例1と同様の方法を用いて光沢値を測定したところ113であり、良好な平滑性を示した。また、上記顔料分散ペーストjをアルミ箔上に同様に塗布したものを電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒径は約50nmであり、顔料が細かく均一に分散されていることがわかった。
【0101】
[トナー粒子1の作製]
イオン交換水710部に0.1M−Na3PO4水溶液450部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて11,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液70部を徐々に添加し、Ca3(PO42を含む水系分散媒体を得た。
・顔料分散ペーストj 182部
・2−エチルヘキシルアクリレート 30部
・パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 5部
・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3部
上記材料を60℃に加温し、溶解・分散して単量体混合物とした。さらに60℃に保持しながら、重合開始剤として2,2'−アゾビスイソブチロニトリル10部を加えて溶解し、重合性単量体組成物を調製した。前記ホモミキサーの2リットルフラスコ中で調製した水系分散媒体に、該重合性単量体組成物を投入した。60℃で、窒素雰囲気としたTKホモミキサーを用いて10000rpmで20分間撹拌し、該重合性単量体組成物を該水系分散媒体中で造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で3時間反応させた後、80℃で10時間重合させた。重合反応終了後、反応生成物を冷却し、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解し、濾過・水洗・乾燥することによりシアン色の重合トナー粒子1を得た。
【0102】
[トナー粒子1の評価]
得られたトナー粒子1の粒径をコールターカウンターで測定したところ、重量平均径が8.0μmであった。トナー粒子1の表面を電子走査型顕微鏡(SEM)により観察したところ、顔料粒子は観察されなかった。さらに、このトナー粒子1の断面を染色超薄切片法により透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、スチレン−アクリル共重合体を主体とする表層部とワックスを主体とする中心部に分かれており、カプセル構造が確認された。また、スチレン−アクリル共重合体層には約50nmの顔料粒子が均一に微分散されていることが確認された。
【0103】
[現像剤1の作製及び評価]
得られたトナー粒子1を100部に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ0.7部を外添してトナー1を得た。このトナー1を7部に対し、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体で表面被覆した、粒径45μmのフェライトキャリア93部を混合し、現像剤1とした。得られた現像剤1の1gをブローオフ法により帯電量を測定したところ、−19.2μC/gであった。
【0104】
キヤノン製フルカラー複写機CLC−500に特開平6−301242号公報に記載された以下の改造を行った。現像器及び感光ドラムの距離を400μmとし、現像スリーブと感光ドラムの周速比を1.3:1とした。現像器においては、現像極の磁場の強さ1000エルステッド、交番電界2000Vpp、周波数3000Hzであり、現像スリーブと感光ドラムとの距離は500μmとした。
【0105】
上記CLC−500改造機に上記現像剤1を用いて画像出しを行った。現像条件は温度23℃/湿度60%RHの環境下で現像コントラストを300Vとした。得られた画像はトナー載り量も適当であって、濃度も高く、細線の再現性も良好で、高品質な画像が得られた。本評価を、低温低湿(15℃/相対湿度15%)、高温高湿(30℃/75%)でも行ったところ、いずれもカブリの発生もなく、濃度変化も少なく、トナーが良好な帯電特性を示していることがわかった。また、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)用シートに同様に画像出しを行い、OHPにて投影してみたところ、透明性の高いシアン色の投影画像が得られた。
【0106】
〈実施例9〉
[顔料分散ペーストkの作製]
・スチレンモノマー 320部
・n−ブチルアクリレート 80部
・Znフタロシアニン 0.24部
・スチレン−(4−ビニルピリジン)共重合体B 2.4部
・カーボンブラック 20部
上記材料を容器中でよくプレミクスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで約4時間分散し、顔料分散ペーストkを作製した。
【0107】
得られた顔料分散ペーストkの光沢値を実施例1と同様の方法を用いて測定したところ135であり、良好な平滑性が得られた。また、この顔料分散ペーストkを実施例8と同様にアルミ箔上に塗布したものをSEMで観察したところ、粒径は約50nmであり、顔料が細かく均一に分散されていることがわかった。
【0108】
[トナー粒子2の作製]
実施例8と同様の方法を用いて、Ca3(PO42を含む水系分散媒体を得た。
・顔料分散ペーストk 212部
・パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部
・スチレン−メタクリル酸共重合体(95:5,Mw5万) 5部
・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3部
上記材料を60℃に加温し、溶解・分散して重合性単量体混合物とした。さらに実施例8と同様の重合開始剤を加え、実施例8と同様に造粒及び重合、洗浄、乾燥を経て、黒色の重合トナー粒子2を得た。
【0109】
[トナー粒子2の評価]
得られたトナー粒子2の粒径をコールターカウンターで測定したところ、重量平均径が8.2μmであった。実施例8と同様にトナー粒子2の表面をSEMにより観察したところ、実施例8と同様に顔料粒子は観察されなかった。さらに、実施例8と同様にトナー粒子2の断面をTEMにより観察したところ、実施例8と同様のカプセル構造が確認され、スチレン−アクリル樹脂層には約50nmの顔料粒子が均一に微分散されていることが確認された。
【0110】
[現像剤2の作製及び評価]
実施例8と同様の方法を用いて現像剤2を作製したところ、帯電量は−25.8μC/gであった。キヤノン製フルカラー複写機CLC−500改造機に上記現像剤2を用いて実施例8と同様の画像出しを行った。得られた画像はトナー載り量も適当であって、濃度も高く、細線の再現性も良好で、高品質な画像が得られた。同様の評価を低温低湿(15℃/15%)、高温高湿(30℃/75%)環境下でも行ったところ、いずれもカブリの発生もなく、トナーが良好な帯電特性を示していることがわかった。
【0111】
〈比較例4〉
[顔料分散ペーストlの作製]
・スチレンモノマー 320部
・n−ブチルアクリレート 80部
・Cuフタロシアニン(PigmentBlue15:3) 20部
上記材料を容器中でよくプレミクスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで約4時間分散し、顔料分散ペーストlを作製した。
【0112】
得られた顔料分散分散ペーストlの光沢値を実施例1と同様の方法を用いて測定したところ68であり、平滑性が得られなかった。また、この顔料分散ペーストlを実施例8と同様にアルミ箔上に塗布したものをSEM観察したところ、粒径は200nm程度の粗粒から50nm程度の微粉まで存在し、顔料の凝集による粒度分布のばらつきが顕著であった。
【0113】
[トナー粒子3の作製]
実施例8と同様の方法を用いて、Ca3(PO42を含む水系分散媒体を得た。
・顔料分散ペーストl 212部
・パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部
・スチレン−メタクリル酸共重合体(95:5,Mw5万) 5部
・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3部
上記材料を60℃に加温し、溶解・分散して重合性単量体混合物とした。さらに実施例8と同様の重合開始剤を加え、実施例8と同様に造粒及び重合、洗浄、乾燥を経て、シアン色の重合トナー粒子3を得た。
【0114】
[トナー粒子3の評価]
得られたトナー粒子3の粒径をコールターカウンターで測定したところ、重量平均径が8.2μmであった。実施例8と同様にトナー粒子表面をSEMにより観察したところ、実施例8と同様に顔料粒子は観察されなかった。さらに、実施例8と同様にトナー粒子3の断面をTEMにより観察したところ、実施例8と同様のカプセル構造が確認され、スチレン−アクリル樹脂層には50〜200nm程度の大きさの針状の顔料粒子が分散されていた。また、ワックスとスチレンアクリル樹脂との界面に顔料粒子が多く堆積していることが観察された。
【0115】
[現像剤3の作製及び評価]
実施例8と同様の方法を用いて現像剤3を作製したところ、帯電量は−21.4μC/gであった。キヤノン製フルカラー複写機CLC−500改造機に上記現像剤3を用いて実施例8と同様の画像出しを行った。得られた画像はトナー載り量も適当であり、細線の再現性も良好であった。同様の評価を低温低湿(15℃/15%)、高温高湿(30℃/75%)環境下でも行ったところ、いずれもカブリの発生もなく、トナーが良好な帯電特性を示していることがわかった。しかし、OHPシートに同様に画像出しを行い、OHPにて投影してみたところ、実施例8に比べ透明性にわずかに劣る投影画像となり、彩度も実施例8ほど得られなかった。
【0116】
〈比較例5〉
[顔料分散ペーストmの作製]
・ソルスパース5000(アビシア社製) 0.5部
・ソルスパース17000(アビシア社製) 2部
・スチレンモノマー 320部
・n−ブチルアクリレート 80部
・Cuフタロシアニン(PigmentBlue15:3) 20部
上記材料を容器中でよくプレミクスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで約4時間分散し、顔料分散ペーストmを作製した。
【0117】
得られた顔料分散ペーストmの光沢値を実施例1と同様の方法を用いて測定したところ114であり、良好な平滑性を示した。また、この顔料分散ペーストmを実施例8と同様にアルミ箔上に塗布したものをSEM観察したところ、粒径は約50nmであり、顔料が細かく均一に分散されていることがわかった。
【0118】
[トナー粒子4の作製]
実施例8と同様の方法を用いて、Ca3(PO42を含む水系分散媒体を得た。
・顔料分散ペーストm 212部
・パラフィンワックス(m.P.75℃) 60部
・スチレン−メタクリル酸共重合体(95:5,Mw5万) 5部
・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3部
上記材料を60℃に加温し、溶解・分散して重合性単量体混合物とした。さらに実施例8と同様の重合開始剤を加え、実施例8と同様に造粒及び重合、洗浄、乾燥を経て、シアン色の重合トナー粒子4を得た。
【0119】
[トナー粒子4の評価]
得られたトナー粒子4の粒径をコールターカウンターで測定したところ、重量平均径が8.0μmであった。実施例8と同様にトナー粒子表面をSEMにより観察したところ、約50nmの粒径をもつ顔料粒子が多数観察された。さらに、実施例8と同様にトナー粒子4の断面をTEMにより観察したところ、スチレン−アクリル樹脂層には約50nmの顔料粒子が凝集気味に散在していることが確認された。また、ワックスの一部がトナー表面に析出していることも確認された。
【0120】
[現像剤4の作製及び評価]
実施例8と同様の方法を用いて現像剤4を作製したところ、帯電量は−15.2μC/gであった。キヤノン製フルカラー複写機CLC−500改造機に上記現像剤4を用いて実施例8と同様の画像出しを行った。得られた画像はトナー載り量も適当であったが、若干のカブリが発生した。同様の評価を低温低湿(15℃/15%)、高温高湿(30℃/75%)環境下でも行ったところ、高温高湿(30℃/75%)環境下では、カブリが悪化するのが観察され、実施例8の現像剤1に比べて環境特性に劣っていることが明らかになった。一方、OHPシートへの画像出しでは、実施例8に比べ若干くすんだシアン色の画像が得られた。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、顔料を分散媒中で容易に微分散させることができる。また、複雑な合成経路を必要とせず、安価な顔料分散剤を提供することができる。
【0122】
また、様々な後工程にも安定的に分散状態を維持しうる顔料分散組成物を提供することができる。
【0123】
また、粒度分布がシャープでかつ、着色効率に優れ、帯電特性に優れたトナー及びその製造方法を提供することができる。さらに、水系の分散媒体を用いた重合法によるトナーにおいて、トナー表面に着色剤の浮きだしがなく、帯電性や環境安定性に優れたトナー及びその製造方法を提供することができる。

Claims (18)

  1. 中心金属が五配位構造又は六配位構造をとることのできる、金属フタロシアニン又は金属フタロシアニン誘導体と、前記金属フタロシアニン又は金属フタロシアニン誘導体の中心金属に配位可能なn−電子供与性化合物と、を少なくとも含有することを特徴とする顔料分散剤であって、
    前記n−電子供与性化合物は、重量平均分子量(Mw)が2000〜10万のポリマーであることを特徴とする、顔料分散剤。
  2. 下記一般式(I)
    Figure 0004366073
    〔式中、X1〜X4は、それぞれ独立に、窒素原子又はC−R(Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12個のアルキル基又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を示す)を示す。Y1〜Y8は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12個のアルキル基を示す。また、Y1とY2、Y3とY4、Y5とY6、及びY7とY8は、それぞれ相互に連結して芳香族炭化水素環を形成してもよく、この場合、該芳香族炭化水素環は置換基を有してもよい。Mは五配位構造をとることのできる中心金属を示す。〕で表される金属化合物と、
    該金属化合物の中心金属に配位可能なn−電子供与性化合物と、を少なくとも含有し、前記n−電子供与性化合物は、重量平均分子量(Mw)が2000〜10万のポリマーであることを特徴とする顔料分散剤。
  3. 前記金属化合物が、下記式(I)中のX〜Xがすべて窒素原子であり、YとY、YとY、YとY及びYとYがそれぞれ互いに連結して、置換基を有してもよい芳香族炭化水素環を形成しているフタロシアニン骨格を有する化合物であることを特徴とする請求項2記載の顔料分散剤。
  4. 前記金属化合物の中心金属が亜鉛であることを特徴とする請求項2又は3記載の顔料分散剤。
  5. 前記金属化合物が亜鉛フタロシアニンであることを特徴とする請求項4記載の顔料分散剤。
  6. 前記n−電子供与性化合物が、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、イミン、第1級アミド、第2級アミド、第3級アミド、イミド、芳香族イミド、チオール、チオエステル、チオニル、スルフィド及びスルフォキシドからなるグループから選択される少なくとも一つ以上の骨格を有するポリマーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の顔料分散剤。
  7. 顔料と、分散媒と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の顔料分散剤とを少なくとも含有することを特徴とする顔料分散組成物。
  8. 前記分散媒が重合性単量体を少なくとも含有することを特徴とする請求項7に記載の顔料分散組成物。
  9. 結着樹脂と、顔料と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の顔料分散剤とを少なくとも含有するトナー粒子を有することを特徴とするトナー。
  10. 前記トナー粒子が、水系媒体中で生成されたトナー粒子であることを特徴とする請求項9記載のトナー。
  11. 前記トナー粒子が、懸濁重合法を用いて生成されたトナー粒子であることを特徴とする請求項9又は10記載のトナー。
  12. トナーが、トナーの質量基準で前記金属化合物を0.01〜2.5質量%含有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載のトナー。
  13. 前記n−電子供与性化合物を0.05〜10質量%含有していることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載のトナー。
  14. 前記n−電子供与性化合物が、トナーの結着樹脂を構成するポリマーを生成している重合性単量体ユニットの内の少なくとも1種の重合性単量体ユニットと、n−電子供与性の重合性単量体の重合体ユニットとを有する共重合体であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載のトナー。
  15. 前記n−電子供与性化合物が、n−電子供与性の重合性単量体ユニットをユニット単位で0.1〜30質量%有する共重合体であることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載のトナー。
  16. 結着樹脂と顔料とを少なくとも含有するトナーの製造方法であって、顔料と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の顔料分散剤とを混合する工程を有することを特徴とするトナーの製造方法。
  17. 前記顔料と顔料分散剤とを混合する工程は、少なくとも重合性単量体と、顔料と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の顔料分散剤とを混合して重合性単量体組成物を調製する工程であり、前記重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する工程を更に有することを特徴とする請求項16記載のトナーの製造方法。
  18. 前記重合性単量体組成物を調製する工程において得られた重合性単量体組成物を水系媒体中で分散して造粒する工程を更に有し、前記トナー粒子を生成する工程は前記造粒された重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合する工程であることを特徴とする請求項17記載のトナーの製造方法。
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