JP3993881B2 - 荷電制御剤の製造方法 - Google Patents

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本発明は、静電荷像現像用トナーや粉体塗料に使用されるアゾ系鉄錯塩が含まれている負帯電性荷電制御剤の製造方法に関するものである。
複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真システムによる画像形成方法は、摩擦帯電させたトナーにより感光体上の静電潜像を現像し、記録紙上に転写し定着させるというものである。
トナーの帯電の立ち上がり速度を速めたり、トナーを十分に帯電させその荷電量を適切に制御しつつ安定化して帯電特性を高めたり、静電潜像の現像速度を早めつつ鮮明な画像を形成したりするため、予めトナーに荷電制御剤が添加される。このような荷電制御剤として、例えば特許文献1に記載されている負帯電性の金属錯塩が用いられている。
近年の複写機やプリンターの解像度向上等の高性能化、電子写真システムでの高速現像のみならず低速現像等の用途の拡大に伴い、トナーの帯電の立ち上がりをより速くし、より優れた帯電特性を発現させ、鮮明で高解像度の画像を形成させることができ、簡便に製造できる荷電制御剤が求められていた。また、構造体表面の電荷に、静電気帯電した粉体塗料を引き付け、焼き付ける静電粉体塗装に使用される粉体塗料にも用いることができる荷電制御剤が求められていた。
特開昭61−155464号公報
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、帯電の立ち上がりが速く、優れた帯電特性を発現させ、鮮明で高解像度の画像を形成させることができる荷電制御剤の簡便な製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた荷電制御剤の製造方法は、ジアゾ化カップリング反応をして、下記化学式[V]
Figure 0003993881
(式[V]中、R−〜R−は、夫々同一または異なり、水素原子、炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜18で直鎖または分岐鎖のアルケニル基、置換基を有していてもよいスルホンアミド基、メシル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよいアリール基、R−は水素原子、炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、R−は水素原子、炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、炭素数1〜18のアルコキシ基)で示されるモノアゾ化合物を得る第1工程、
該モノアゾ化合物を鉄化し、対イオンを調製して、下記化学式[I]
Figure 0003993881
(式[I]中、R−〜R−は前記に同じ、モル%比x=0.6〜0.9)、
または下記化学式[II]
Figure 0003993881
(式[II]中、R−〜R−は前記に同じ、モル%比y=0〜0.2)
で示されるアゾ系鉄錯塩を得る第2工程、
該アゾ系鉄錯塩を濾取水洗し、乾燥する第3工程
を有し、アゾ系鉄錯塩が含まれている凝集粒子である荷電制御剤の製造方法であって少なくとも70重量%の水と1.5〜8.5重量%のブタノールとを含んでいる混合溶媒中で、該モノアゾ化合物を鉄化するというものである。
この荷電制御剤は、下記化学式[VI]
Figure 0003993881
(式[VI]中、R−〜R−は、夫々同一または異なり、水素原子、炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜18で直鎖または分岐鎖のアルケニル基、置換基を有していてもよいスルホンアミド基、メシル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよいアリール基、R−は水素原子、炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、R−は水素原子、炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、炭素数1〜18のアルコキシ基、Bは、(H(Na1−xであってモル%比x=0.6〜0.9、または(H(Na1−yであってモル%比y=0〜0.2である。)で示されるアゾ系鉄錯塩が含まれている凝集粒子であって、凝集粒子の平均粒径が0.5〜5.0μmであり、前記凝集粒子を形成する一次粒子結晶の粒径が最大4μmであり、前記一次粒子結晶の平均粒径から得た比表面積が少なくとも10m/gである。一次粒子結晶は、凝集粒子を超音波振動により微細分散させると、得られる。
この存在比の水素イオンとナトリウムイオンとを有するアゾ系鉄錯塩が含まれた荷電制御剤を用いて調製した静電荷像現像用トナーは、静電潜像を現像する際に高速であっても低速であっても帯電の立ち上がりが速い。さらに十分な荷電量を帯電させることができ、安定して帯電を維持できる。モル%比xおよびyがこの範囲から外れると、静電潜像を現像する際に低速なほど帯電の立ち上がりが遅くなり、荷電量が少なくなってしまう。モル%比x=0.8〜0.9、またはモル%比y=0.05〜0.2であると一層好ましい。
このアゾ系鉄錯塩のアニオン成分の共通な中心骨格は、下記構造式[VII]
Figure 0003993881
に示すとおり、鉄原子を中心金属に有し、モノアゾ化合物2モル当量に対し鉄原子の1モル当量で金属化した構造を有している。このモノアゾ化合物はナフチル環を有し、このナフチル環は下記の基[VIII]、
Figure 0003993881
で示されるアニリド基で置換されている。このようなアニリド基で置換されたナフチル環を有するモノアゾ化合物、およびそれから誘導されるアゾ系鉄錯塩は、いずれも非油溶性が高まり、顔料化する。このようなアゾ系鉄錯塩は、固体と固体との反応になり易いため反応し難く、さらに結晶化が難しい。また、トナー樹脂との相溶性が低下するので、結晶の分散が不均一になり易い。そのため、アゾ系鉄錯塩とトナー樹脂とを混練してトナーを得る際、アゾ系鉄錯塩をより微細な粒子にして、均一に分散させることが、荷電制御性に優れた良好な現像特性を有するトナーとするのに、重要である。
次に、前記式[VI]で示されるアゾ系鉄錯塩を例示する。
置換基R−〜R−は、それぞれ、同じであっても異なっていてもよく、水素原子;炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基例えばメチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基;炭素数2〜18で直鎖または分岐鎖のアルケニル基例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基;置換基を有していても有していなくてもよいスルホンアミド基;メシル基;ヒドロキシ基;炭素数1〜18のアルコキシ基例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基;アセチルアミノ基;ベンゾイルアミノ基;ハロゲン原子例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子;ニトロ基;フッ素原子や塩素原子や臭素原子のようなハロゲン原子、水酸基、アルキル基、またはアリール基で例示される置換基を有していてもよく有していなくてもよいアリール基例えばフェニル基、ナフチル基である。
−は、水素原子;炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基例えばメチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基;ヒドロキシ基;炭素数1〜18のアルコキシ基例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基である。
−は、水素原子;炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基例えばメチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基;ヒドロキシ基;カルボキシル基;ハロゲン原子;炭素数1〜18のアルコキシ基例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基である。
前記式[VI]に示されるアゾ系鉄錯塩は、具体的な化合物として下記化学式[I]
Figure 0003993881
で示されるものである。
式[I]に示されるアゾ系鉄錯塩は、より具体的な化合物として下記化学式[III]
Figure 0003993881
(化学式[III]中、xは前記と同じ)で示される化合物が挙げられる。
また、式[I]に示されるアゾ系鉄錯塩は、下記化学式[IX]〜[XVI]
Figure 0003993881
(化学式[IX]中、t−C−はターシャリーブチル基)
Figure 0003993881
Figure 0003993881
Figure 0003993881
Figure 0003993881
Figure 0003993881
(化学式[XIV]中、t−C17−はターシャリーオクチル基)
Figure 0003993881
Figure 0003993881
(化学式[IX]〜[XVI]中、xは前記と同じ)で示される化合物であってもよい。中でも、前記化学式[III]で示されるものが特に好ましい。
前記式[VI]に示されるアゾ系鉄錯塩は、具体的な化合物として下記化学式[II]
Figure 0003993881
で示されるものであってもよい。
式[II]に示されるアゾ系鉄錯塩は、より具体的な化合物として下記化学式[IV]
Figure 0003993881
(化学式[IV]中、yは前記と同じ)で示される化合物が挙げられる。
また、式[II]に示されるアゾ系鉄錯塩は、下記化学式[XVII]〜[XXIV]
Figure 0003993881
(化学式[XVII]中、t−C−はターシャリーブチル基)
Figure 0003993881
Figure 0003993881
Figure 0003993881
Figure 0003993881
Figure 0003993881
(化学式[XXII]中、t−C17−はターシャリーオクチル基)
Figure 0003993881
Figure 0003993881
(化学式[XVII]〜[XXIV]中、yは前記と同じ)で示される化合物であってもよい。中でも、前記化学式[IV]で示されるものが特に好ましい。
凝集粒子である荷電制御剤は、その平均粒径が0.5〜5μmである。平均粒径がこの範囲にある微細な荷電制御剤とトナー用樹脂とを例えば溶融混練して得た粒径数μmの静電荷像現像用トナーは、走査電子顕微鏡で観察したとき、トナー粒子中に荷電制御剤が万遍なく分散しており、その結果、トナー粒子表面に多くの荷電制御剤が露出し、均一で、優れた帯電特性を発現する。荷電制御剤は、平均粒径が1〜3μmであると一層好ましい。また重合トナー作成に於ける分散性が高い。平均粒径が5μmを超えると、分散性が低下し、トナーの帯電特性が悪くなってしまう。
この荷電制御剤を走査電子顕微鏡で拡大すると、揃った形状として観察される。揃った形状の荷電制御剤を含有するトナーは、帯電性が均質となるので、ムラのない鮮明な静電潜像を形成することができる。
荷電制御剤は、極微細な複数の一次粒子結晶が会合して凝集粒子を形成している。このような荷電制御剤を超音波振動させて微細分散させ、得られた一次粒子結晶の粒径は、最大4μmであることが好ましい。一次粒子結晶がこの範囲より大きいと、前記の凝集粒子である荷電制御剤は、平均粒径5μmを超えてしまう。
一次粒子結晶の平均粒径から得た比表面積が少なくとも10m/gであることが好ましい。この範囲であると、荷電制御剤の帯電制御性がよくなる結果、高解像の画像が得られる。15m/g以上であると一層好ましい。この比表面積は、一次粒子の粒径に範囲があるため、その平均粒径を算出し、その平均粒径から得た比表面積である。
荷電制御剤は、ブタノールを0.01〜1.00重量%含有していることが好ましい。ブタノールを用いて反応させることにより、平均粒径が微細な荷電制御剤が得られ、また少量のブタノールを含有する荷電制御剤は凝集が起こりにくいうえ、トナー中に微細に分散する結果優れたトナーが得られるものと推測される。
荷電制御剤は、荷電制御剤中の残存硫酸イオンが最大100ppmであることが好ましい。更に残存塩素イオンが、最大200ppmであることが好ましい。この量は、アゾ系鉄錯塩の残存イオンとして測定したものである。荷電制御剤は、純度が高いほど帯電特性が向上する。
荷電制御剤は、示差熱分析(differential
thermal analysis;DTA)により、290℃以上に2つの発熱ピークが観察されることが好ましい。300〜360℃と、400〜470℃とに各々観測されるとなお好ましい。
本発明の前記化学式[VI]で示されるアゾ系鉄錯塩を含んでいる荷電制御剤の製造方法は、ジアゾ化カップリング反応をして、下記化学式[V]
Figure 0003993881
(式[V]中、R−〜R−は、前記と同じ)
で示されるモノアゾ化合物を得る第1工程、このモノアゾ化合物を鉄化し、対イオンを調製して、前記アゾ系鉄錯塩を得る第2工程、このアゾ系鉄錯塩を濾取水洗し、乾燥する第3工程を有している。水を少なくとも70重量%含んでいる炭素数1〜6の低級アルコールとの混合溶媒中で、該モノアゾ化合物を鉄化することが好ましい。
この製造方法によれば、反応速度が速く、生成するモノアゾ化合物、およびアゾ系鉄錯塩の生成率が高い。この製造方法の各工程で、反応物および生成物の結晶の粒径が微細となる。このように微細にコントロールすることが、反応収率、およびアゾ系鉄錯塩が含まれた凝集粒子である荷電制御剤やそれの一次粒子結晶の粒子を得るために、大きく影響する要因である。この製造方法において、反応を水系で行う場合に、炭素数1〜6の低級アルコールを添加することにより、高収率に反応が進み、アゾ系鉄錯塩の結晶を微細な粒子に調整することができる。
第2工程において、モノアゾ化合物を鉄化し、対イオンの調製を同時に行ってもよく、先ずモノアゾ化合物を鉄化し、その後に対イオンの調製を行ってもよい。対イオンの調製の際に、先ず対イオンを全てNaまたはHとし、その後、前記化学式[VI]の所望の対イオン比xやyとなるよう調製してもよい。対イオンの調製は、水系または/および非水系で行うことができるが、水系の方が低コストであり、反応物と生成物とが結晶化し易くなるうえ、これらの結晶の粒径を微細にコントロールすることができる。
第1工程および第2工程を、連続して同一反応器内で行ってもよく、各工程を別々な反応器で行ってもよい。また、各工程で反応液を取り出すことなくワンポットで行ってもよい。各工程で反応ごとに中間生成物を濾取し、中間生成物のウエットケーキを得たり、このウエットケーキを乾燥して乾燥品を得たりして、ウエットケーキや乾燥品を中間体として次の反応に用いてもよい。
第1工程後、一度反応液を取り出し濾取し、中間生成物のウエットケーキを得る製造方法において重要な点は、生成物であるアゾ系鉄錯塩の対イオンのNaの存在量を、所望の量に調整することである。そのために先ず、第1工程で例えば亜硝酸ナトリウムを用いジアゾ化カップリング反応させて得られる反応液、およびモノアゾ化合物中のNa量の測定をする必要がある。モノアゾ化合物に残存するNa量を控除して、水酸化ナトリウム量を調整し、第2工程でモノアゾ化合物を分散させた炭素数1〜6の低級アルコール−水混合液に加え、更に鉄化剤を加え、鉄化反応することにより、所望の対イオンの存在比のアゾ系鉄錯塩を簡便に得ることができる。
得られた荷電制御剤は、粒径が微細であり、形状が揃っているので、解砕すなわち極めて軽く粉砕処理を施すことによって、充分に安定な品質のものとなっている。
また、各工程で反応液を取り出すことなくワンポットで行う場合、反応液中に残存するNa量を考慮する必要が無く、第2工程に於ける反応pHを調整することによりカウンターイオンの制御を行うことができる。
各工程で反応液を取り出すことなくワンポットで行う場合、第2工程に於ける反応液が酸性であればカウンターイオンは、主としてHであって(H(Na1−xでありモル%比x=0.6〜0.9として得られる。このときの反応液のpHは、約2〜6が好ましい。
一方、この反応液がアルカリ性であればカウンターイオンは、主としてNaであって(H(Na1−yでありモル%比y=0〜0.2として得られる。このときの反応液のpHは、約8.0〜13が好ましい。
第2工程で炭素数1〜6の低級アルコールを添加することにより、平均粒径が微細な荷電制御剤を得ることができる。第2工程での水−炭素数1〜6の低級アルコールの混合溶媒が水:炭素数1〜6の低級アルコールの重量比で99.9:0.1〜70:30である溶媒系で、結晶を析出させると、小粒径の荷電制御剤が得られる。炭素数1〜6の低級アルコール、好ましくはブタノール(例えば、n−ブタノール、iso−ブタノールなど)が、1.5〜8.5重量%であると、一層好ましい。
前記鉄化剤としては、例えば硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硝酸第二鉄等が挙げられる。
荷電制御剤は、この製造方法で製造されていることが好ましい。
荷電制御剤は、静電荷像現像用トナーや粉体塗料に含有させるものである。
静電荷像現像用トナーは、前記の荷電制御剤、およびトナー用樹脂が含有されている。トナー用樹脂は、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂である。着色剤、磁性材料、流動性改善剤、オフセット防止剤が含有されていてもよい。高速機器用のトナーとするために、酸価の高いトナー用樹脂を用いてもよい。酸価値は20〜100mgKOH/gであることが好ましい。
トナーには、例えばトナー用樹脂100重量部に対して、荷電制御剤0.1〜10重量部、着色剤0.5〜10重量部が含まれている。
このトナーを摩擦して負に帯電させて、複写した画像は鮮明で高品質である。このトナーは、帯電の立ち上がりが速いので、高速複写のみならず、最大周速度600cm/分の低速複写の際にも、明瞭な静電潜像を形成して、鮮明で高解像度の画像を形成することができ、コピー特性が優れている。
この静電荷像現像用トナーにおいては、着色剤として公知の多数の染料、顔料を用いることができる。用い得る着色剤は、具体例には、キノフタロンイエロー、イソインドリノンイエロー、ペリノンオレンジ、ペリノンレッド、ペリレンマルーン、ローダミン6Gレーキ、キナクリドンレッド、アンスアンスロンレッド、ローズベンガル、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、ジケトピロロピロール系の有機顔料;カーボンブラック、チタンホワイト、チタンイエロー、群青、コバルトブルー、べんがら、アルミニウム粉、ブロンズ等の無機顔料、及び金属粉などが挙げられる。また染料や顔料が高級脂肪酸や合成樹脂等で加工されたものが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上配合して使用してもよい。
また、トナーの品質を向上させるために、オフセット防止剤、流動性改良剤(例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン等の各種金属酸化物、又はフッ化マグネシウム等)、クリーニング助剤(例えば、ステアリン酸等の金属石鹸;フッ素系合成樹脂微粒子、シリコーン系合成樹脂微粒子、スチレン−(メタ)アクリル系合成樹脂微粒子等の各種合成樹脂微粒子等)で例示される添加剤を、トナーに内添または外添させてもよい。
このトナーは、キャリア粉と混合した後、2成分磁気ブラシ現像法等により現像する際に用いることができる。キャリア粉としては、公知のものが全て使用可能であり特に限定されない。キャリア粉として、具体的には、粒径50〜200μm程度のもので、鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、およびガラスビーズ等が挙げられ、またこれらの表面をアクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、またはフッ化エチレン系樹脂等でコーティングしたものが挙げられる。
このトナーは、1成分現像剤として用いることができる。そのようなトナーは、上記のようにしてトナーを製造する際に、例えば鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉等の強磁性材料製の微粉体を添加分散させたものである。この場合の現像法として、例えば接触現像法、ジャンピング現像法等が挙げられる。
このトナーを製造する方法として、例えばいわゆる粉砕方法が挙げられる。この方法は具体的には次のようなものである。樹脂、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤等を、加圧ニーダー、エクストルーダー、またはメディア分散機を用いて、均一に分散させた後、機械的に粉砕し、またはジェット気流下でターゲットに衝突させて粉砕し、所望のトナー粒径に微粉砕化させ、次いで分級工程を経ることにより粒度分布を狭めてシャープ化すると、所望のトナーが得られる。
また、重合トナーを製造する方法は、例えば、次のようなものである。重合性単量体中に離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモミキサー、超音波分散機等を用いて、均一に溶解又は分散させた単量体組成物とした後、分散安定剤を含有する水相中で、ホモミキサー等により分散させる。単量体組成物からなる液滴が、所望のトナー粒子のサイズとなった時点で、造粒を停止する。その後、分散安定剤の作用により、その粒径の粒子状態が維持され、また粒子の沈降が防止される程度の緩やかな撹拌を行う。重合反応は、40℃以上、好ましくは50〜90℃の温度で、行われる。重合反応の後半で昇温させてもよい。さらに、未反応の重合性単量体や副生成物等を除去するために、重合反応の後半に、または重合反応終了後に、水系媒体を一部留去させてもよい。なお、このような懸濁重合法においては、重合性単量体組成物100重量部に対して水300〜3000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。重合反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄して濾別し、乾燥すると、重合トナーが得られる。
画像形成方法は、前記の静電荷像現像用トナーが含まれている現像剤で、静電潜像担持体上の静電潜像を現像する工程を有している。
この画像形成方法は、例えば、間隙をあけて静電潜像担持体に対峙して配置されているような最大900cm/分の周速度で回転している現像剤担持体上に、前記トナーが含まれている現像剤を吸着させて層を形成する工程と、該層中のトナーを前記静電潜像担持体に吸着させてそれの静電潜像を現像する工程とを有しているというものである。
以下、本発明の製造方法により製造した荷電制御剤、およびそれを含有する静電荷像現像用トナーの実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
前記化学式[III]で示されるアゾ系鉄錯塩を含む荷電制御剤の製造方法について、この錯塩の合成の一例である下記化学反応式を参照しながら説明する。
Figure 0003993881
始発物質である2−アミノ−4−クロロフェノール(化学式[XXV])171gと、濃塩酸275gとを、1.3Lの水に加え、次いで反応系の外部から氷冷しながら36%の亜硝酸ナトリウム水溶液228gを徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。ナフトールAS(化学式[XXVI])263gと20.5%の水酸化ナトリウム水溶液587gとを水1960mLに溶解させた水溶液に、前記ジアゾニウム塩溶液を短時間で滴下し、2時間反応させた。その後、析出したモノアゾ化合物(化学式[XXVII])を濾取、水洗し、含水率77.4%のウエットケーキ1863gを得た。
このモノアゾ化合物(化学式[XXVII])のウエットケーキ63gを乾燥し、Na含有量を原子吸光にて測定したところ1.56%であった。このウエットケーキの固形分に対して、色素に残存するNa量を控除して、20.5%の水酸化ナトリウム水溶液226gを、このモノアゾ化合物(化学式[XXVII])のウエットケーキ1800gを分散させたn−ブタノール−水(312g:3894g)混合液に加え、80℃まで加熱し、30分攪拌分散させた。次いで41%の硫酸第二鉄水溶液237gを滴下した。この時の反応液のpHは、3.3であった。その後、93℃まで加熱し、2時間加熱還流し、アゾ系鉄錯塩(化学式[III])を合成した。沈殿したこのアゾ系鉄錯塩を濾取、水洗し、所望の荷電制御剤として、416g得た。
この荷電制御剤について、以下の理化学分析、および物性評価を行った。
(走査電子顕微鏡観察)
走査電子顕微鏡 S2350((株)日立製作所製の商品名)を用い、荷電制御剤を拡大し、粒径と形状とを観察した。荷電制御剤は、揃った形状であり、その一次粒子結晶の最大粒径が4μm以下であると観察された。
(凝集粒子である荷電制御剤の平均粒径の測定)
荷電制御剤約20mgを、活性剤 スコアロール100(花王(株)製の商品名)2mLおよび水20mLの溶液に加え混合液とし、粒度分布測定器 LA−910((株)堀場製作所製の商品名)内の分散水約120mLに、この混合液の約1mLを加え、1分間超音波振動させた後、粒度分布を測定した。凝集粒子である荷電制御剤の平均粒径は2.1μmであった。
(荷電制御剤を微細分散させた一次粒子結晶の平均粒径)
凝集粒子である荷電制御剤約20mgを、活性剤 スコアロール100(花王(株)製の商品名)2mLおよび水20mLの溶液に加え混合液とし、10分間超音波振動させたこの混合液の1〜2滴を、粒度分布測定器 LA−910((株)堀場製作所製の商品名)内の分散水約120mLに加え、更に1分間超音波振動させ凝集粒子を一次粒子結晶に微細分散させた後、粒度分布を測定した。このときの粒度分布測定結果が、走査電子顕微鏡による粒径の観察結果と大きく異なる場合、さらに5分間超音波振動させ十分に一次粒子結晶に微細分散させてから、再度粒度分布を測定した。荷電制御剤の一次粒子結晶の平均粒径は1.7μmであった。
(荷電制御剤の比表面積)
比表面積測定器 NOVA−1200(QUANTACHROME社製の商品名)を用い、荷電制御剤の比表面積(BET)を測定した。空セル(9mm−大)を秤量した後、セルの4/5程度(約0.2g)サンプルを入れた。乾燥室にセルをセットし、120℃にて1時間、加熱脱気した。セルを放冷後、秤量し、サンプル重量を算出した後に、分析ステーションに取り付けて測定した。その結果、荷電制御剤の一次粒子結晶の平均粒径から算出される比表面積は、21.2m/gであった。
(水素イオン量およびナトリウムイオン量の測定)
原子吸光測定器AA−660((株)島津製作所製の商品名)と、元素分析測定器2400
II CHNS/O(パーキンエルマー社製の商品名)とを用い、荷電制御剤中のNa含有量等を測定した結果、対イオンとしての存在モル%比率は水素イオンが76.2%であり、ナトリウムイオンが23.8%であった。
(残存塩素イオン量および残存硫酸イオン量の測定)
イオンクロマト測定器 DX−300(DIONEX社製の商品名)を用い、荷電制御剤に残存する塩素イオン量と硫酸イオン量を測定した。その結果、塩素イオン量は181ppmであった。硫酸イオン量の検出限界は100ppmであるが、硫酸イオン量はこの検出限界以下であった。
これらの結果を、表1に示す。
Figure 0003993881
(有機溶剤含有量の測定)
ガスクロマト測定器SERIES II 5890(HEWLETT PACKARD社製の商品名)を用い、荷電制御剤中の有機溶剤含有量を測定した。その結果、n−ブタノール含有量は、0.42重量%であった。
(示差熱分析)
次に、示差熱分析測定器EXSTAR6000(SEIKO INSTRUMENTS社製の商品名)を用い、荷電制御剤の示差熱分析を行った。その結果を図1に示す。荷電制御剤は、309℃と409℃とに発熱ピークを有している。
(X線結晶回折)
次に、X線回折測定装置MXP18(ブルカーエイエックス社製の商品名)を用いX線結晶回折を行なった。その結果を図2に示す。
(実施例2)
始発物質である2−アミノ−4−クロロフェノール(化学式[XXV])174gと、濃塩酸280gとを、1.33Lの水に加え、次いで反応系の外部から氷冷しながら36%の亜硝酸ナトリウム水溶液233gを徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。ナフトールAS(化学式[XXVI])269gと20.5%の水酸化ナトリウム水溶液600gとを水2Lに溶解させた水溶液に、前記ジアゾニウム塩溶液を短時間で滴下し、2時間反応させた。その後、n−ブタノールを125g添加し、更に41%の硫酸第二鉄水溶液239gを加えた後、2時間加熱還流し、アゾ系鉄錯塩(化学式[III])を合成した。室温まで冷却した後、この時のpHは3.2であった。その沈殿したこのアゾ系鉄錯塩を濾取、水洗し、所望の荷電制御剤として、403g得た。
得られた荷電制御剤中のNa含有量等を測定した結果、対イオンとしての存在モル%比率は水素イオンが72.6%であり、ナトリウムイオンが27.4%であった。また凝集粒子の平均粒径を表1に示した。
(実施例3)
実施例1のモノアゾ化合物(化学式[XXVII])の合成方法と同様にして、モノアゾ化合物(高速液体クロマトグラフ(HPLC)の純度99.00%、含水率68.45%)を合成後、このウエットケーキ少量を乾燥し、Na含有量を原子吸光にて測定したところ4.26%であった。このウエットケーキの固形分に対して、色素に残存するNa量を控除して、20.5%の水酸化ナトリウム水溶液7.1gを、このモノアゾ化合物のウエットケーキ70.0gを分散させた1−ペンタノール−水(11.53g:424.27g)混合液に加え、80℃まで加熱し、30分攪拌分散させた。次いで41%の硫酸第二鉄水溶液12.76gを滴下した。この時の反応液のpHは、2.67であった。その後、97℃まで加熱し、3時間加熱還流し、アゾ系鉄錯塩(化学式[III])を合成した。沈殿したこのアゾ系鉄錯塩を濾取、水洗し、乾燥後、所望の荷電制御剤として、20.1g得た。
得られた荷電制御剤中のNa含有量等を測定した結果、対イオンとしての存在モル%比率は水素イオンが69.8%であり、ナトリウムイオンが30.2%であった。また凝集粒子の平均粒径を表1に示した。
(実施例4)
実施例1のモノアゾ化合物(化学式[XXVII])の合成方法と同様にして、下記式[XXVIII]で示されるモノアゾ化合物(HPLCの純度99.00%、含水率68.45%)
Figure 0003993881
を合成後、このモノアゾ化合物のウエットケーキ少量を乾燥し、Na含有量を原子吸光にて測定したところ4.20%であった。このウエットケーキ(HPLCの純度97.04%、含水率58.3%)の固形分に対して、色素に残存するNa量を控除して、20.5%の水酸化ナトリウム水溶液9.37g(0.048mol)を、このモノアゾ化合物のウエットケーキ57.00g(0.050mol)を分散させたn−ブタノール−水(24.24g:409.02g)混合液に加え、80℃まで加熱し、30分攪拌分散させた。次いで41%の硫酸第二鉄水溶液12.24g(0.013mol)を滴下した。この時の反応液のpHは、3.83であった。その後、97℃まで加熱し、3時間加熱還流し、アゾ系鉄錯塩(下記化学式[X])を合成した。沈殿したこのアゾ系鉄錯塩を濾取、水洗し、所望の荷電制御剤として、22.3g得た。
得られた荷電制御剤中のNa含有量等を測定した結果、対イオンとしての存在モル%比率は水素イオンが82.3%であり、ナトリウムイオンが17.7%であった。また凝集粒子の平均粒径を表1に示した。
Figure 0003993881
(実施例5)
始発物質である2−アミノ−4−クロロフェノール(化学式[XXV])16.2gと、濃塩酸26.1gとを、124mLの水に加え、次いで反応系の外部から氷冷しながら36%の亜硝酸ナトリウム水溶液21.7gを徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。ナフトールAS(化学式[XXVI])25.0gと20.5%の水酸化ナトリウム水溶液55.9gとを水186mLに溶解させた水溶液に、前記ジアゾニウム塩溶液を短時間で滴下し、2時間反応させた。その後、n−ブタノールを12.0g及び20.5%の水酸化ナトリウム水溶液18.2g添加し、更に41%の硫酸第二鉄水溶液22.7gを加えた後、2時間加熱還流し、アゾ系鉄錯塩(化学式[IV])を合成した。室温まで冷却した。この時のpHは11.8であった。その沈殿したこのアゾ系鉄錯塩を濾取、水洗、乾燥し、所望の荷電制御剤として、43.2g得た。
得られた荷電制御剤中のNa含有量等を測定した結果、対イオンとしての存在モル%比率は水素イオンが1.3%であり、ナトリウムイオンが98.7%であった。また凝集粒子の平均粒径を表1に示した。
得られた荷電制御剤の示差熱分析を行った。荷電制御剤は、345℃と455℃とに発熱ピークを有している。その結果を図3に示す。
(実施例6)
始発物質である2−アミノ−4−クロロフェノール(化学式[XXV])17.4gと、濃塩酸28gとを、160mLの水に加え、次いで反応系の外部から氷冷しながら36%の亜硝酸ナトリウム水溶液23.29gを徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。ナフトールAS(化学式[XXVI])26.86gと20.5%の水酸化ナトリウム水溶液59.96gとを水200mLに溶解させた水溶液に、前記ジアゾニウム塩溶液を短時間で滴下し、2時間反応させた。その後、n−ブタノールを13.55g及び20.5%の水酸化ナトリウム水溶液9.77g添加し、更に41%の硫酸第二鉄水溶液24.38gを加えた後、2時間加熱還流し、アゾ系鉄錯塩(化学式[IV])を合成し、室温まで冷却した。この時のpHは約8であった。その沈殿したこのアゾ系鉄錯塩を濾取、水洗、乾燥し、所望の荷電制御剤として、41.9g得た。
得られた荷電制御剤中のNa含有量等を測定した結果、対イオンとしての存在モル%比率は水素イオンが14.7%であり、ナトリウムイオンが85.3%であった。また凝集粒子の平均粒径を表1に示した。
(比較例1)
比較のため、この実施例1の対イオンに代えアンモニウムイオンが主である荷電制御剤T−77(保土谷化学社製の商品名)について、同一条件で理化学分析、および物性評価を行った。その結果を、表1に示す。走査電子顕微鏡を用い、粒径と形状とを観察したところ、粒径がばらつき不揃いな形状で、その一次粒子結晶の粒径が1〜5μmであった。一次粒子結晶の比表面積は、8.8m/gであった。また、対イオンとしての存在モル%比率はアンモニウムイオンが91.3%であり、ナトリウムイオンが8.7%であった。残存塩素イオン量は336ppm、残存硫酸イオン量は766ppmであった。その結果を表1に示す。また、同様に示差熱分析を行ったところ、442.9℃のみに発熱ピークを有していた。
次に、この荷電制御剤を用いた静電荷像現像用トナーを試作した例について説明する。
(実施例7)
実施例1の荷電制御剤の1重量部、
スチレン−アクリル共重合樹脂 CPR−600B(三井化学社製の商品名)の100重量部、
カーボンブラック MA−100(三菱化学社製の商品名)の6重量部、
低重合ポリプロピレン ビスコール550P(三洋化成社製の商品名)の2重量部を予備混合しプレミックスを調製した。このプレミックスを加熱ロールで溶融混練し、この混練り物を冷却した後、超遠心粉砕器で粗粉砕した。得られた粗粉砕品を、分級器付きのエアージェットミルにより微粉砕すると、粒径5〜15μmの黒色トナーが得られた。
このトナー5重量部と、鉄粉キャリアTEFV200/300(パウダーテック社製の商品名)95重量部とを、3つのドラム内に装填した。現像ローラーの周速度を各々(A)1200cm/分、(B)900cm/分、(C)600cm/分で回転させ、経時的なトナーの摩擦荷電量について、ブローオフ帯電量測定器TB−200(東芝ケミカル社製の商品名)を使用したブローオフ法により測定した。その結果を図4の(A)〜(C)に示す。
(実施例8)
実施例7で使用した実施例1の荷電制御剤を、実施例5で得られた荷電制御剤に代えたこと以外は、実施例7と同様にして黒色トナーを作成し、ブローオフ法により摩擦荷電量を測定した。その結果を図4の(A)〜(C)に示す。
(比較例2)
保土谷化学社製の荷電制御剤T−77を用いたこと以外は、実施例3と同様に試作した比較例のトナーについても、同じようにして摩擦荷電量を測定した。その結果を図4の(A)〜(C)に示す。
図4から明らかなとおり、実施例のトナーは、高速回転であるか低速回転であるかに係わらず、帯電の立ち上がりが速く、さらに荷電量が高かった。
(実施例9)
イオン交換水710重量部に、0.1モル/L濃度のNaPO水溶液450重量部を投入し、60℃に加熱後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)にて5000rpmで攪拌しつつ1.0モル/L濃度のCaCl水溶液68重量部を徐々に加え、Ca(POの分散水液を得た。
一方、スチレン単量体170重量部、カーボン25重量部、分散液4重量部、実施例1にて得られたアゾ鉄化合物(化学式[III])9重量部をダイノーミルECM−PILOT((株)シンマルエンタープライゼス製)に添加し、0.8mmのジルコニアビーズ用いて攪拌羽根周速10m/secにて3時間分散を行い、分散溶液を得た。次に、得られた分散液を60℃で保ちつつ2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を添加し重合性単量体組成物を調製した。
上記重合性単量体組成物をCa(PO分散水液に投入し10000rpmで15分間攪拌造粒し、その後、パドル攪拌翼にて80℃にて10時間重合を行った。反応終了後、減圧下、残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えCa(POを溶解させ、ろ過水洗乾燥し黒色トナーを得た。
得られた黒色トナー5重量部に対しフェライトキャリア95重量部を混合し現像剤とした。この現像剤を用い温度26〜29℃、湿度55〜63%の環境下で画だし試験を行った。結果、5000枚印刷する耐久試験においても、初期と耐久後との画像は何れも、濃度に変化が無く、中抜けもない高画質なものが得られた。
以上、詳細に説明したように、この荷電制御剤は、形状が揃っており、解砕するだけで十分に微細となるためジェットミル等を用いた強力な粉砕の必要がなく、簡便に製造できる。さらに、帯電立ち上がりが速く、荷電量が高い。そのため、低速複写から高速複写に至る幅広い用途の静電荷像現像用トナーに、使用される。また、静電粉体塗装に使用される粉体塗料にも使用できる。荷電制御剤は、有害な重金属を含まず、安全性が高く、環境を汚染しない。
この荷電制御剤を含有する静電荷像現像用トナーは、帯電の立上がりが速い。このトナーは、荷電制御剤がトナー中に均等に分散しており、負電荷に帯電し均一で高い荷電量のまま長時間安定して維持できる。このトナーは、電子写真システムのような画像形成方法により、静電潜像を現像する際に用いられる。この像を転写して記録紙に形成した画像は、安定して鮮明で高解像度であり、カブリがなく綺麗である。
実施例1で得られた本発明を適用する製造方法で製造した荷電制御剤の示差熱分析の熱スペクトルを示す図である。 実施例1で得られた本発明を適用する製造方法で製造した荷電制御剤のX線回折のスペクトルを示す図である。 実施例5で得られた本発明を適用する製造方法で製造した荷電制御剤の示差熱分析の熱スペクトルを示す図である。 本発明を適用する製造方法で製造した荷電制御剤を用いた静電荷像現像用トナーの摩擦荷電量と、現像ローラーの周速度毎の回転時間との相関関係を示す図である。

Claims (2)

  1. ジアゾ化カップリング反応をして、下記化学式[V]
    Figure 0003993881
    (式[V]中、R−〜R−は、夫々同一または異なり、水素原子、炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜18で直鎖または分岐鎖のアルケニル基、置換基を有していてもよいスルホンアミド基、メシル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよいアリール基、R−は水素原子、炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、R−は水素原子、炭素数1〜18で直鎖または分岐鎖のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、炭素数1〜18のアルコキシ基)で示されるモノアゾ化合物を得る第1工程、
    該モノアゾ化合物を鉄化し、対イオンを調製して、下記化学式[I]
    Figure 0003993881
    (式[I]中、R−〜R−は前記に同じ、モル%比x=0.6〜0.9)、
    または下記化学式[II]
    Figure 0003993881
    (式[II]中、R−〜R−は前記に同じ、モル%比y=0〜0.2)
    で示されるアゾ系鉄錯塩を得る第2工程、
    該アゾ系鉄錯塩を濾取水洗し、乾燥する第3工程
    を有し、アゾ系鉄錯塩が含まれている凝集粒子である荷電制御剤の製造方法であって
    少なくとも70重量%の水と1.5〜8.5重量%のブタノールまたはペンタノールとを含んでいる混合溶媒中で、該モノアゾ化合物を鉄化することを特徴とする荷電制御剤の製造方法。
  2. 前記ブタノールまたはペンタノールが、n−ブタノール又はiso−ブタノールであることを特徴とする請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法。
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