JP2005232234A - 荷電制御剤の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
帯電の立ち上がりが速く、優れた帯電特性を発現させ、鮮明で高解像度の画像を形成させることができ、簡便に製造できる荷電制御剤の製造方法、およびそれを含有する静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】
混合重量比が80/20〜99/1の水/アルコールの混合溶媒中でモノアゾ化合物に、金属化剤を反応させて、下記式
【化1】
Figure 2005232234

で示されるアゾ系含金錯塩からなる荷電制御剤の製造方法。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーや粉体塗料に使用されるアゾ系含金錯体が含まれている荷電制御剤を製造する方法に関するものである。
複写機、プリンター、ファクシミリ等に利用されている電子写真システムは、摩擦帯電させたトナーにより感光体上の静電潜像を現像し、記録紙上に転写し定着させるものである。
トナーの帯電の立ち上がり速度を速めたり、トナーを十分に帯電させその荷電量を適切に制御しつつ安定化して帯電特性を高めたり、静電潜像の現像速度を早めつつ鮮明な画像を形成させたりするため、予めトナーに荷電制御剤が添加される。
このような荷電制御剤として例えば、特許文献1に記載のアゾ系含金錯塩が用いられる。
特開昭61−155464号公報
複写機やプリンターの解像度向上等の高性能化、電子写真システムでの高速現像のみならず低速現像等の用途の拡大に伴い、一層、トナーの帯電の立ち上がりを速くし、鮮明で高解像度の画像を形成させ、優れた帯電特性を発現させる荷電制御剤が求められている。また、構造体表面の電荷に、静電気帯電した粉体塗料を引き付けて焼き付ける静電粉体塗装に使用される粉体塗料にも用いることができ、優れた帯電特性を発現させる荷電制御剤が求められている。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、帯電の立ち上がりが速く、優れた帯電特性を発現させ、鮮明で高解像度の画像を形成させることができ、簡便に製造できる荷電制御剤の製造方法、およびそれを含有する静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた請求項1に係る発明は、混合重量比が80/20〜99/1の水/アルコールの混合溶媒中で化学式(1)
Figure 2005232234
(式(1)中、R〜Rは夫々同一または異なり、水素原子、炭素数1〜18の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、置換基を有してもよいスルホンアミド基、メシル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜18のアルコキシル基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、または置換基を有してもよいアリール基、R〜R10は夫々同一または異なり、水素原子、炭素数1〜18の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、炭素数1〜18のアルコキシル基、または−NHCOO−R11(R11は置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基)である)で示されるモノアゾ化合物に、金属化剤を反応させて、化学式(2)
Figure 2005232234
(式(2)中、R〜R、並びにR〜R10は化学式(1)に同じ、pは1〜4、qは0〜3、p+qは1〜6の整数、LおよびLは−O−結合基、LおよびLは、一方が−O−結合基、他方が−OH基または−Oイオン基、Mは鉄、クロム、ニッケル、アルミニウム、チタン、珪素またはジルコニウム、xはMの原子価(2以上の整数)、mは1乃至4の整数、Z−は括弧内の負電荷、Aは水素イオンまたはアルカリ金属イオン、アンモニウム、有機アンモニウムまたはそれらの混合物、n=Zである。)で示されるアゾ系含金錯塩からなる荷電制御剤の製造方法である。
水/アルコールの混合溶媒の溶媒中で、モノアゾ化合物を金属化することにより潤沢にに反応が進行し、得られるアゾ系含金錯塩は4μm以下と微細になる。また純度は85〜100%となる。水/アルコールの混合溶媒の混合重量比が前記範囲から外れると、荷電制御剤は平均粒径4μmを超える。
より好ましくは水/アルコール混合重量比=90/10〜99/1である。
水/アルコールの混合溶媒のアルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール及びイソブチルアルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコールのような炭素数1〜18のアルキルアルコールである。
同じく請求項2に記載の荷電制御剤の製造方法は、請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法において、前記化学式(2)のアゾ系含金錯塩が化学式(3)
Figure 2005232234
(式(3)中、R〜R、並びにR〜R10は化学式(1)に同じ)
で示されるアゾ系含金錯塩であることを特徴とする。
請求項3に記載の荷電制御剤の製造方法は、請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法において、前記アルコールの炭素数が1〜6であることを特徴とする。
炭素数1〜6の低級アルコールの水/アルコールの混合溶媒中で反応させることにより得られた荷電制御剤は、高純度で平均粒径が微細で、僅かに溶媒が残存するためトナーに配合される際に微細なまま均一に分散する。さらに好ましくはプロピルアルコールまたはブチルアルコールである。
請求項4に記載の荷電制御剤の製造方法は、請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法において、前記水/アルコールの混合溶媒中における化学式(1)で示されるモノアゾ化合物の濃度が0.01〜0.40mol/Lであることを特徴とする。
モノアゾ化合物の濃度がこの範囲内で製造したアゾ系含金錯塩の粒径は、荷電制御剤として適切な平均粒径1〜4μmになる。さらには平均粒径が0.1〜3μmとなる。この濃度範囲外で製造したアゾ系含金錯塩の粒径は5μm以上となり、攪拌ミルや乳鉢等を用いた弱い力では微細に解砕することができないので、ジェットミルのような強力な高速気流下で粉砕して平均粒径1〜4μmにする。
請求項5に記載の荷電制御剤の製造方法は、請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法において、前記水/アルコールの混合溶媒中に存するアルコールは、水との共沸温度が80℃以上99℃以下であることを特徴とする。
請求項6に記載の荷電制御剤の製造方法は、請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法において、前記金属化剤が硫酸第二鉄または/および塩化第二鉄であることを特徴とする。
金属化剤として、例えば蟻酸クロム、硫酸クロム、塩化クロム、及び硝酸クロム等のクロム化合物;塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄等の鉄化合物;硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム等のアルミニウム化合物;塩化ニッケル、塩化チタン(III)、塩化チタン(IV)、塩化ジルコニウム(III)、塩化ジルコニウム(IV)、塩化珪素等の金属塩化物、アルミニウムイソプロポキシド、チタニウムブトキシド、テトライソプロポキシシランなど金属アルコキシドが使用できる。好ましいのは、本発明の目的、材料コスト、安全性及び取扱性の観点から、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、特に硫酸第二鉄または塩化第二鉄の水溶液である。
請求項7に記載の荷電制御剤の製造方法は、請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法において、前記化学式(1)で示されるモノアゾ化合物1モルに対し、前記金属化剤0.455〜0.495モルを反応させることを特徴とする。
また請求項8に記載の荷電制御剤は、請求項1〜7の何れかに記載された方法で得られるアゾ系含金錯塩の純度が85〜100%であり、1次粒径の平均粒径が0.1〜3μmであることを特徴とする。
請求項9に記載の静電荷像現像用トナーは、請求項8に記載された荷電制御剤を含むことを特徴とする。
本発明の荷電制御剤の製造方法によれば、アンモニウム対イオンを高比率で含有するアゾ系含金錯塩を微細で、高純度に効率良く製造することができる。
本発明の荷電制御剤の製造方法により得られた荷電制御剤は、粒径が微細であるため、トナー中の分散性が良い。この荷電制御剤で調製した静電荷像現像用トナーは、静電潜像を現像する際に低速であっても高速であっても帯電の立ち上がりが速い。さらに十分な荷電量を帯電させることができ、安定して帯電を維持できる。トナーは、粒径が微細な荷電制御剤を含有するので、帯電性が均質となり、ムラのない鮮明な静電潜像を形成することができる。このトナーを摩擦して帯電させて、複写した画像は鮮明で高品質である。このトナーは、帯電の立ち上がりが速いので、高速複写のみならず、最大周速度600cm/分以下の低速複写の際にも、明瞭な静電潜像を形成して、鮮明で高解像度の画像をカブリがなく形成することができ、広範な電子写真システムにおける現像に用いられる。さらに、この荷電制御剤は、静電粉体塗装用の粉体塗料にも使用できる。
発明を実施するための好ましい形態
本発明の荷電制御剤の製造方法は、水/アルコールの混合溶媒中で化学式(1)で示されるモノアゾ化合物と金属化剤とを反応させて、式(2)のアゾ系含金錯塩を得る主反応工程を必須的に包含し、その前工程としてモノアゾ化合物を製造する工程、並び後工程として得られたアゾ系含金錯塩の対イオンを交換する工程を有し得る。
前工程、主反応工程、後工程は、連続または(および)同一反応系で行うことができる。各工程毎に別々な反応器で行うこともできる。例えば各工程で反応ごとに生成物を濾取し、ウエットケーキを得て、このウエットケーキを乾燥した乾燥品を、次の工程の原料とする。主反応工程で使用される水/アルコールの混合溶媒中のアルコール分は前工程、および(または)後工程にておいて存在してもよい。
前工程として、モノアゾ化合物を製造する工程の反応はジアゾカップリング反応で、水中、または水−有機溶剤混合溶媒中、好ましくは水/アルコール混合溶媒中である。常法のジアゾ化カップリング反応によりモノアゾ化合物を得るものであってもよい。主工程(金属化反応)に用いるアルコールを事前に前工程のジアゾカップリング反応時に入れておいてもよい。
主工程である金属化反応においては、公知の反応条件を用いることができる。例えば金属化剤は、配位子となるモノアゾ化合物1モルに対して、0.4〜0.7モル、好ましくは0.455〜0.495モルが用いられる。アルカリ成分でpHを調節しつつ、50℃から混合溶剤の沸点近くまでの温度で、1〜5時間撹拌する。鉄化反応であるとpHは2〜4で、ナトリウム対イオンおよび/またはプロトン対イオン含有アゾ系錯塩が得られ、pHが8以上でナトリウム対イオン含有アゾ系錯塩を得ることが出来る。
後工程は、得られたアゾ系含金錯塩をろ過し、水洗する。このとき、電導度を300μS/cm以下にすることが好ましい。このことにより、荷電制御剤中の無機塩を減少させることができる。水洗の後、アゾ系含金錯塩のウェットケーキを乾燥し、解砕する。
前記のアゾ系含金錯塩の金属化後、ウェットケーキを処理する工程において、所望の対イオンに変換する工程を含むことができる。
このような対イオン交換工程、下記の(1)〜(3)の3つタイプを挙げることができる。
(1)アンモニウム対イオン化工程:
主工程で得られたナトリウム対イオンおよび/またはプロトン対イオン含有アゾ系錯塩は、イオン交換して所望のアンモニウム対イオン含有アゾ系錯塩とすることができる。アンモニウム化剤として、無機アンモニウム塩、アンモニア水、有機アンモニウム塩が例示できる。好ましくは無機アンモニウム塩とアンモニア水とを含むアンモニウム対イオン形成剤により、pH8.0よりも高いアルカリ性にして反応させ、イオン交換させる。
(2)プロトン対イオン化工程:
主工程で得られたナトリウム対イオン含有アゾ系錯塩は、イオン交換して所望のプロトン対イオン含有アゾ系錯塩とすることができる。プロトン対イオン化剤として、塩酸、硫酸、酢酸など無機酸が例示できる。好ましくは塩酸を含むプロトン対イオン形成剤により、pH1.5よりも低い酸性にして反応させ、イオン交換させる。
(3)ナトリウム対イオン化工程:
主工程工程で得られたプロトン対イオン含有アゾ系錯塩は、イオン交換して所望のナトリウム対イオン含有アゾ系錯塩とすることができる。ナトリウム対イオン化剤として、水酸化ナトリウムが例示できる。pH10よりも高いアルカリ性にして反応させ、イオン交換させる。
このような対イオン変換工程は乾燥後、有機溶剤を用いたりして相溶性を挙げてから変換することもできるが、ウェットケーキを処理する方が好ましい。
得られた荷電制御剤を乾燥すると、静電気等で引き寄せられ1mm〜数cm程度の塊状となるので、軽度の粉砕処理である解砕を施すこと、例えば攪拌ミルのような解砕機や乳鉢により、数mmの凝集粒子に解砕してもよい。この凝集粒子は、粒径が微細であり、形状が揃っているので、軽度の粉砕処理である解砕を施すことによって、充分に安定な品質を示す。
得られた荷電制御剤は、静電荷像現像用トナーや粉体塗料に含有させる。トナーは、トナー用樹脂100重量部に対して、荷電制御剤0.1〜10重量部が含有される。また、着色剤として公知の染料、顔料、また染料や顔料に高級脂肪酸や合成樹脂等で加工したものを添加できる。これらは、単独で又は2種以上配合して使用してもよい。また、前記のトナーの品質を向上させるために、磁性材料、オフセット防止剤、流動性改良剤、クリーニング助剤等の添加剤を、トナーに内添または外添させてもよい。トナー用樹脂は、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂である。高速機器用のトナーとするために、酸価の高いトナー用樹脂を用いてもよい。酸価値は20〜100mgKOH/gであることが好ましい。
前記のトナーを摩擦帯電させて、複写した画像は、微細な荷電制御剤がトナー中に均一に分散していることから鮮明で高品質である。このトナーは、帯電の立ち上がりが速いので、高速複写のみならず、最大周速度600cm/分以下の低速複写の際にも、鮮明で高解像度の画像を形成することができ、現像特性が優れている。
このトナーは、キャリア粉と混合した後、2成分磁気ブラシ現像法により現像する際に用いることができる。キャリア粉としては、公知のものが全て使用可能であり特に限定されない。1成分現像剤のトナーとして用いるには、上記のようにしてトナーを製造する際に、例えば鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉等の強磁性材料製の微粉体を添加分散させる。1成分現像剤の現像法として、例えば接触現像法、ジャンピング現像法等が挙げられる。
また、重合トナーを製造するには、例えば、次のようなものである。重合性単量体中に離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモミキサー、超音波分散機等を用いて、均一に溶解又は分散させた単量体組成物とした後、分散安定剤を含有する水相中で、ホモミキサー等により分散させる。単量体組成物からなる液滴が、所望のトナー粒子のサイズとなった時点で、造粒を停止する。その後、分散安定剤の作用により、その粒径の粒子状態が維持され、また粒子の沈降が防止される程度の緩やかな撹拌を行う。重合反応は、40℃以上、好ましくは50〜90℃の温度で、行われる。重合反応の後半で昇温してもよい。さらに、未反応の重合性単量体や副生成物等を除去するために、重合反応の後半に、または重合反応終了後に、水系媒体を一部留去してもよい。なお、このような懸濁重合法においては、重合性単量体組成物100重量部に対して水300〜3000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。重合反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄して濾別し、乾燥すると、重合トナーが得られる。
以下に、本発明の荷電制御剤の製造方法を実施した例を実施例1〜6を示す。
(実施例1)
2−アミノ−4−スルホンアミドフェノール97.92g(0.510mol)と、濃塩酸170.77g(1.660mol)とを水1020gに加え、次いで反応系の外部から氷冷しながら36%の亜硝酸ナトリウム水溶液98.88g(0.520mol)を徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。β―ナフトール(以下はBLという)73.24g(0.500mol)と20.5%の水酸化ナトリウム水溶液253.91g(1.300mol)とを水1200mlに溶解させた水溶液に前記ジアゾニウム塩溶液を滴下し、一晩、ジアゾカップリング反応させた。その後、析出したモノアゾ化合物(化学式(A))を濾取、水洗し、含水率56.0%のウエットケーキ376.09gを得た。
Figure 2005232234
このモノアゾ化合物のウエットケーキ200.0g(0.251mol)が分散した水/n−ブタノール(2006.65g:53.34g)混合溶媒に、ウエットケーキの固形分に対して20.5%の水酸化ナトリウム水溶液47.23g(0.242mol)を加え、80℃まで加熱し、30分攪拌分散させた。次いで41%の硫酸第二鉄水溶液61.16g(0.063mol)を滴下した。その後、95℃まで加熱し、2時間加熱還流し、アゾ系含金錯塩(化学式(B))を合成した。
Figure 2005232234
これを棚型乾燥すると、1mm〜数cm程度の塊状となるので、攪拌ミルで解砕したり、乳鉢で擂り潰したりして、粉末にした。
この荷電制御剤について、以下の理化学分析、および物性評価を行った。
(アンモニウム対イオン量またはナトリウム対イオン量の測定)
原子吸光測定器AA−660(島津製作所社製の商品名)と、元素分析測定器2400 II CHNS/O(パーキンエルマー社製の商品名)とを用い、荷電制御剤中の対イオン含有量を測定した結果、対イオンとしての存在比率は、ナトリウム対イオンが3.97mol%であった。
(走査電子顕微鏡観察)
走査電子顕微鏡S2350(日立製作所社製の商品名)を用い、荷電制御剤の粒径と形状を観察した。拡大して観察したところ、一次粒径が最大4μmであった。
(荷電制御剤を微細分散させた一次粒子結晶の平均粒径)
凝集粒子である荷電制御剤約20mgを、活性剤 スコアロール100(花王社製の商品名)2mLおよび水20mLの溶液に加え混合溶媒とし、10分間超音波振動させたこの混合溶媒の1〜2滴を、粒度分布測定器 LA−910(堀場製作所社製の商品名)内の分散水約120mLに加え、更に1分間超音波振動させ凝集粒子を一次粒子結晶に微細分散させた後、粒度分布を測定した。このときの粒度分布測定結果が、走査電子顕微鏡による粒径の観察結果と大きく異なる場合、さらに5分間超音波振動させ十分に一次粒子結晶に微細分散させてから、再度粒度分布を測定した。荷電制御剤の一次粒子結晶の平均粒径は1.6μmであった。
(実施例2)
2−アミノ−4−スルホンアミドフェノール195.83g(1.02mol)と、濃塩酸170.77g(1.660mol)とをイソプロピルアルコール(以下はIPAという)2040mlに加え、次いで反応系の外部から氷冷しながら36%の亜硝酸ナトリウム水溶液197.76g(1.04mol)を徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。7−tert−オクチル−2−ナフトール(以下はOBLという)257.46g(1.00mol)と20.5%の水酸化ナトリウム水溶液507.81g(2.60mol)とをIPAの2000mlに加え、47℃まで加熱し、溶解させた溶液に前記ジアゾニウム塩溶液を滴下し、一晩、ジアゾカップリング反応させた。その後、析出したモノアゾ化合物(化学式(C))を濾取、水洗し、含水率56.01%のウエットケーキ660.02gを得た。
Figure 2005232234
このモノアゾ化合物のウエットケーキ260.0gが分散した水/n−ブタノール(2006.31g:42.51g)混合溶媒に、ウエットケーキの固形分に対し20.5%の水酸化ナトリウム水溶液50.97g(0.261mol)を加え、80℃まで加熱し、30分攪拌分散させた。次いで41%の硫酸第二鉄水溶液61.15g(0.063mol)を滴下した。その後、96℃まで加熱し、2時間加熱還流し、アゾ系含金錯塩(化学式(D))を合成した。
Figure 2005232234
このアゾ系含金錯塩を実施例1と同様に処理して得た荷電制御剤について、理化学分析、および物性評価を行ったところ、Na対イオンの含有比率が41.20mol%であった。結果は表1に示してある。
(実施例3)
モノアゾ化合物(化学式(E)の化合物)は、実施例2のモノアゾ化合物と同様に合成した。このモノアゾ化合物のウエットケーキ1440.0g(2.00mol)が分散した水/n−ブタノール(7989.44g:639.16g)混合溶媒に、ウエットケーキの固形分に対し20.5%の水酸化ナトリウム水溶液549.66g(2.813mol)を加え、80℃まで加熱し、30分攪拌分散させた。
Figure 2005232234
次いで41%の硫酸第二鉄水溶液487.01g(0.499mol)を滴下した。その後、93℃まで加熱し、2時間加熱還流し、アゾ系含金錯塩(化学式(F))を合成した。
Figure 2005232234
荷電制御剤について、アゾ系含金錯塩を実施例1と同様に処理して得た荷電制御剤について、理化学分析、および物性評価を行ったところ、Na対イオンの含有比率が0mol%であった。対イオンはHであった。結果は表1に示してある。
(実施例4)
4−クロロ−アミノフェノール72.58g(0.50mol)と、濃塩酸174.89g(1.70mol)とを水750mlに加え、次いで反応系の外部から氷冷しながら36%の亜硝酸ナトリウム水溶液96.94g(0.51mol)を徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。BL76.90g(0.525mol)と、20.5%の水酸化ナトリウム水溶液246.09g(1.26mol)とを水1050mlに加えた水溶液に前記ジアゾニウム塩溶液を滴下し、一晩、ジアゾカップリング反応させた。その後、析出したモノアゾ化合物(化学式(G))を濾取、水洗し、含水率67.00%のウエットケーキ511.10gを得た。
Figure 2005232234
このモノアゾ化合物のウエットケーキ91g(0.10mol)が分散した水/n−ブタノール(398.08g:24.27g)混合溶媒に、このウエットケーキの固形分に対して、20.5%の水酸化ナトリウム水溶液28.45g(0.146mol)を、加え、80℃まで加熱し、30分攪拌分散させた。次いで41%の硫酸第二鉄水溶液24.27g(0.025mol)を滴下した。その後、94℃まで加熱し、2時間加熱還流し、アゾ系含金錯塩(化学式(H))を合成した。
このアゾ系含金錯塩を実施例1と同様に処理して得た荷電制御剤について、理化学分析、および物性評価を行った。結果は表1に示してある。
Figure 2005232234
(実施例5)
化学式(E)のモノアゾ化合物のウエットケーキを水/3−メチル−1−ブタノール(2004.38g:55.62g)混合溶媒を用い、実施例1と同様の操作によりにアゾ系含金錯塩(化学式(F))を合成した。
このアゾ系含金錯塩を実施例1と同様に処理して得た荷電制御剤について、理化学分析、および物性評価を行った。結果は表1に示してある。
(実施例6)
2−アミノ−4−スルホンアミドフェノール97.92g(0.510mol)と、濃塩酸170.77g(1.660mol)とを、水1010gに加え、次いで反応系の外部から氷冷しながら36%の亜硝酸ナトリウム水溶液98.88g(0.520mol)を徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。β−ナフトール73.24g(0.500mol)と20.5%の水酸化ナトリウム水溶液253.91g(1.300mol)とを水1000gに溶解させた水溶液に前記ジアゾニウム塩溶液を短時間で滴下し、2時間反応させた。その後、析出したモノアゾ化合物(化学式(A))の反応液にブタノール66.77gと41%の硫酸第二鉄水溶液121.92g(0.125mol)を滴下した。その後、2時間加熱還流し、アゾ系含金錯塩(化学式(B))を合成した。反応終了後、還流物を40.57g抜き取った。更に室温まで放冷後、硫酸アンモニウム132.14g(1.000mol)および25%アンモニア水99.49g(1.500mol)を加え、97℃で2時間加熱還流させカウンターイオン交換反応を行った。反応終了後、放冷し生成したアンモニウム対イオン含有アゾ系含金錯塩(化学式(I))を濾取、水洗し、所望の荷電制御剤として、180.40g得た。
Figure 2005232234
このアゾ系含金錯塩を実施例1と同様に処理して得た荷電制御剤について、理化学分析、および物性評価を行った。結果は表1に示してある。
(比較例1)
n−ブタノール400ml中に、モノアゾ化合物(化学式(A)の化合物)のウエットケーキ200.0g(0.251mol)を分散させ、ウエットケーキの固形分に対し20.5%の水酸化ナトリウム水溶液47.23g(0.242mol)を加え、80℃まで加熱し、30分攪拌分散させた。次いで41%の硫酸第二鉄水溶液61.16g(0.063mol)を滴下した。その後、95℃まで加熱し、2時間加熱還流し、アゾ系含金錯塩(化学式(B))を合成した。
このアゾ系含金錯塩を実施例1と同様に処理して得た荷電制御剤について、理化学分析、および物性評価を行った。結果は表1に示してある。
(比較例2)
水400ml中に、モノアゾ化合物(化学式(A)の化合物)のウエットケーキ200.0g(0.251mol)を分散させ、ウエットケーキの固形分に対し、残存するNa量を控除して、20.5%の水酸化ナトリウム水溶液47.23g(0.242mol)を加え、80℃まで加熱し、30分攪拌分散させた。次いで41%の硫酸第二鉄水溶液61.16g(0.063mol)を滴下した。その後、95℃まで加熱し、2時間加熱し、アゾ系含金錯塩(化学式(B))を合成した。
このアゾ系含金錯塩を実施例1と同様に処理して得た荷電制御剤について、理化学分析、および物性評価を行った。結果は表1に示してある。
Figure 2005232234
表1から明らかなとおり、実施例1〜6の含有アゾ系含金錯塩を含む荷電制御剤は、小粒径であり、純度・収率ともに優れていた。
(トナーの性能の比較実験)
実施例1の荷電制御剤の1重量部、スチレン−アクリル共重合樹脂 CPR−600B(三井化学社製の商品名)の100重量部、カーボンブラック MA−100(三菱化学社製の商品名)の6重量部、低重合ポリプロピレン ビスコール550P(三洋化成社製の商品名)の2重量部を予備混合しプレミックスを調製した。このプレミックスを加熱ロールで溶融混練し、混練物を冷却した後、超遠心粉砕器で粗粉砕した。得られた粗粉砕品を、分級器付きのエアージェットミルにより微粉砕すると、粒径5〜15μmの本発明は黒色トナーが得られた。
このトナー5重量部と、鉄粉キャリアTEFV200/300(パウダーテック社製の商品名)95重量部とを、3つのドラム内に装填した。現像ローラーの周速度を1200cm/分、900cm/分、600cm/分で回転させ、経時的なトナーの摩擦荷電量について、ブローオフ帯電量測定器TB−200(東芝ケミカル社製の商品名)を使用したブローオフ法により測定した。その結果を表2示すとともにグラフ化して図1、図2、図3に示す。
比較のため、比較例1の荷電制御剤を用いたこと以外は、上記と同様に試作した比較例のトナーについても、同じようにして摩擦荷電量を測定した。その結果を表2、図1、図2、図3に併せて示す。
Figure 2005232234
現像ローラーの周速度1200cm/分におけるトナーの摩擦荷電量のグラフである。 現像ローラーの周速度900cm/分におけるトナーの摩擦荷電量のグラフである。 現像ローラーの周速度600cm/分におけるトナーの摩擦荷電量のグラフである。

Claims (9)

  1. 混合重量比が80/20〜99/1の水/アルコールの混合溶媒中で化学式(1)
    Figure 2005232234
    (式(1)中、R〜Rは夫々同一または異なり、水素原子、炭素数1〜18の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、置換基を有してもよいスルホンアミド基、メシル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜18のアルコキシル基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、または置換基を有してもよいアリール基、R〜R10は夫々同一または異なり、水素原子、炭素数1〜18の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、炭素数1〜18のアルコキシル基、または−NHCOO−R11(R11は置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基)である)
    で示されるモノアゾ化合物に、金属化剤を反応させて、化学式(2)
    Figure 2005232234
    (式(2)中、R〜R、並びにR〜R10は化学式(1)に同じ、pは1〜4、qは0〜3、p+qは1〜6の整数、LおよびLは−O−結合基、LおよびLは、一方が−O−結合基、他方が−OH基または−Oイオン基、Mは鉄、クロム、ニッケル、アルミニウム、チタン、珪素またはジルコニウム、xはMの原子価(2以上の整数)、mは1乃至4の整数、Z−は括弧内の負電荷、Aは水素イオンまたはアルカリ金属イオン、アンモニウム、有機アンモニウムまたはそれらの混合物、n=Zである。)
    で示されるアゾ系含金錯塩からなる荷電制御剤の製造方法。
  2. 前記化学式(2)のアゾ系含金錯塩が化学式(3)
    Figure 2005232234
    (式(3)中、R〜R、並びにR〜R10は化学式(1)に同じ)
    で示されるアゾ系含金錯塩であることを特徴とする請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法。
  3. 前記アルコールの炭素数が1〜6であることを特徴とする請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法。
  4. 前記水/アルコールの混合溶媒中における化学式(1)で示されるモノアゾ化合物の濃度が0.01〜0.40mol/Lであることを特徴とする請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法。
  5. 前記水/アルコールの混合溶媒中に存するアルコールは、水との共沸温度が80℃以上99℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法。
  6. 前記金属化剤が硫酸第二鉄または/および塩化第二鉄であることを特徴とする請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法。
  7. 前記化学式(1)で示されるモノアゾ化合物1モルに対し、前記金属化剤0.455〜0.495モルを反応させることを特徴とする請求項1に記載の荷電制御剤の製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載された方法で得られるアゾ系含金錯塩の純度が85〜100%であり、1次粒径の平均粒径が0.1〜3μmであることを特徴とする1次粒径の平均粒径が0.1〜3μmの荷電制御剤。
  9. 請求項8に記載された荷電制御剤を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017071657A (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 大日精化工業株式会社 顔料分散剤、顔料組成物、及び顔料着色剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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