JP5737147B2 - 液体現像剤 - Google Patents

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本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる液体現像剤に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像剤としては、種々のものが知られている。たとえば、黒色の画像を得るための黒色現像剤として、カーボンブラックと金属フタロシアニン等の他の顔料とを併用したものが知られている(特開平03−024560号公報(特許文献1)、特開2006−003499号公報(特許文献2)、特表2007−528006号公報(特許文献3))。
特開平03−024560号公報 特開2006−003499号公報 特表2007−528006号公報
上記のような現像剤は、顔料を樹脂に分散させたトナー粒子を含むものであるが、通常、トナー粒子や磁性体等の粉体のみからなる乾式現像剤とトナー粒子を液体中に分散させた液体現像剤との2種に大別される。
一般的な乾式現像剤の場合、トナー粒子の樹脂中に含まれる顔料の含有割合は、樹脂100質量部に対して10質量部以下である。この含有割合は、トナー粒子の粒径(すなわち画像膜厚)に対する画像濃度の関係で決定される。一方、液体現像剤においては、トナー粒子の粒径が乾式現像剤に比べて一般的に小さいため、顔料の含有割合を乾式現像剤の場合に比べて増加させなければ必要な画像濃度が得られない。
このため、黒色画像を得るための黒色液体現像剤において、黒色顔料としてカーボンブラックを使用する場合、画像濃度確保に必要なカーボンブラックの含有割合は、樹脂100質量部に対して、おおよそ15質量部以上となる(ただし、乾式現像剤の場合と同様に、適正な顔料含有割合はトナー粒子の粒径により異なる)。しかし、顔料の含有割合を増加させるとトナー粒子表面への顔料の露出が顕著となり、またトナー粒子中での顔料分散性の不良と相俟ってトナー粒子の電荷が漏えいし、その結果トナー粒子の電気抵抗が低下する。そして、このようにトナー粒子の抵抗が低下するとトナー粒子の転写性が悪化し、画像濃度が低下する。特に、カーボンブラック顔料は、導電性を有するため、このような傾向が顕著に現れる。
上記特許文献1は、カーボンブラックと銅フタロシアニン顔料とを併用することを開示しているが、乾式現像剤に関するものであり、顔料の併用は鮮明な画質を得るためとされ、上記のような液体現像剤に関する問題を解決するものではない。
上記特許文献2は、カーボンブラックと金属フタロシアニン顔料とを併用することを開示しているが、乾式現像剤に関するものであり、特定構造の樹脂を使用することによりカーボンブラックの分散性を向上させているが、上記のような液体現像剤に関する問題を解決するものではない。
上記特許文献3は、カーボンブラックとフタロシアニン顔料等の他の顔料とを併用することを開示しているが、顔料の併用はあくまでも色相の調整を目的とするものであり、上記のような液体現像剤に関する問題を解決するものではない。
本発明は、このような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、トナー粒子中において顔料含有量を増加させても良好な顔料分散性が得られ、このためトナー粒子の電気抵抗が向上し、以って良好な転写性が得られるとともに高い画像濃度を提供することができる液体現像剤を提供することにある。
本発明の液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体とを含み、該トナー粒子は、樹脂と顔料と顔料分散剤とを含み、該顔料は、酸性カーボンブラックと塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体とを含み、該顔料分散剤は、塩基性分散剤であることを特徴とする。
ここで、上記顔料分散剤は、ε−カプロラクトン由来の構成単位を含む塩基性高分子分散剤であることが好ましい。
本発明の液体現像剤は、良好な転写性が得られるとともに高い画像濃度を示す。
電子写真方式の画像形成装置の概略概念図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、さらに詳細に説明する。
<液体現像剤>
本実施の形態の液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体とを少なくとも含み、トナー粒子は絶縁性液体中に分散している。かかる液体現像剤は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえばトナー分散剤(トナー粒子に含まれる後述の顔料分散剤とは異なり、トナー粒子を分散させるために絶縁性液体中に含まれる分散剤であり、本実施の形態では便宜上「トナー分散剤」という)、荷電制御剤、増粘剤等を挙げることができる。
液体現像剤の配合割合は、たとえばトナー粒子を1〜50質量%とし、残部を絶縁性液体等とすることができる。トナー粒子の配合量が1質量%未満では、トナー粒子の沈降が生じやすく、長期保管時の経時的な安定性が低下する傾向を示し、また必要な画像濃度を得るためには多量の液体現像剤を供給する必要があり、紙等の記録材上に付着する絶縁性液体の量が増加し、定着時にそれを乾燥させる必要が生じるとともに発生したその蒸気により環境上の問題が生じる可能性がある。一方、トナー粒子の配合量が50質量%を超えると、液体現像剤の粘度が高くなりすぎ、製造上および取り扱い上、困難になる傾向を示す。
また、液体現像剤の粘度は、25℃において0.1mPa・s以上10000mPa・s以下とすることが好ましい。10000mPa・sを超えると、液体現像剤を撹拌することが困難となり、絶縁性液体中にトナー粒子を均一に分散させることができず液体現像剤を得るための装置面での負担が大きくなる場合がある。一方、0.1mPa・s未満では、トナー粒子の沈降が生じやすく、長期保管時の経時的な安定性が低下し、画像濃度が不安定となる場合がある。
このような液体現像剤は、電子写真方式の画像形成装置用の黒色の現像剤として有用である。
<トナー粒子>
本実施の形態の液体現像剤に含まれるトナー粒子は、樹脂と顔料と顔料分散剤とを含み、該顔料は、酸性カーボンブラックと塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体とを含み、該顔料分散剤は、塩基性分散剤であることを特徴とする。本実施の形態のトナー粒子は、このような構成を有することにより、トナー粒子中での顔料の分散性が顔料を高含有量で含むにもかかわらず非常に良好となる。そして、これによりトナー粒子の電気抵抗が上昇し、以って転写性が向上するとともに画像濃度も高くなる。以下、この効果について更に詳細に説明する。
液体現像剤では、画質向上のためトナー粒子が小粒径化され、これに伴いトナー粒子中の顔料の含有量を高める必要がある。これは、色目、すなわちイエロー、マゼンタ、シアン、および黒において共通し、特に黒色用の液体現像剤ではそれに含まれる顔料の導電性が高いことから、顔料の高含有によりトナー粒子表面に露出した顔料や顔料の分散性不良に起因して電荷の漏えいが起こり易く転写性が悪化する傾向にある。
このため、転写性を向上させるためには、トナー粒子表面への顔料の露出の低減とトナー粒子中での顔料の分散性の向上が必要であると考えられる。そこで、本実施の形態のトナー粒子においては、顔料として酸性カーボンブラックと塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体とを少なくとも含み、更に顔料分散剤として塩基性分散剤を使用したことにより、顔料の分散性を飛躍的に向上させることに成功したものである。
すなわち、塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体は樹脂中での分散性が良好であり、この塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体を起点としてその周りに酸性カーボンブラックが配向し、更に酸性カーボンブラックに対して塩基性分散剤が配向するという構造が構築されると考えられ、これによりトナー粒子中での顔料の分散性が向上すると考えられる。その結果、トナー粒子表面への顔料の露出が低減されるとともにトナー粒子中での顔料の分散性不良が改善され、以ってトナー粒子の転写性が向上する。上記のような配向構造は、塩基性物質は酸性物質に配向し易く、また酸性物質は塩基性物質に配向し易いという原理に基づくものである。
一方、記録材上へのトナー粒子の付着量を低く設定しても高い画像濃度を得るためには、やはりトナー粒子中において顔料の含有量を高める必要がある。しかし、上記のように顔料の含有量を高めるとトナー粒子の転写性が低下するため、従来のトナー粒子では付着量を低減させつつ画像濃度を高めることは困難であった。本実施の形態のトナー粒子においては、上記のように転写性が向上したため、記録材上へのトナー粒子の付着量を低く設定しても高い画像濃度を得ることが可能になったものである。
本実施の形態のトナー粒子は、上記のように樹脂と顔料と顔料分散剤とを含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえばワックス、荷電制御剤等の他、塩基性分散剤以外の顔料分散剤等を挙げることができる。また、このようなトナー粒子は、0.1〜5μm、より好ましくは0.5〜3μmの平均粒径を有することが好ましい。なお、ここでいう平均粒径とは、体積平均粒径をいう。
以下、このようなトナー粒子を構成する各構成要素について説明する。
<顔料>
本実施の形態の顔料は、酸性カーボンブラックと塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体とを含むものであり、これらのみで構成されていても良いし、他の顔料や染料を含んでいても良い。他の顔料や染料としては、たとえばキナクリドン系、キナクリドンキノン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ジケトピロロピロール系、ペリレン系、ペリノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、アントラキノン系、ピランスロン系、アンスアンスロン系、フラバンスロン系、インダンスロン系、金属錯体系等の縮合多環系顔料、ベンズイミダゾロン系、不溶性アゾ系、縮合アゾ系、溶性アゾ系等の各種有機顔料等を挙げることができる。
なお、トナー粒子中における顔料の含有量は、8〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。
<酸性カーボンブラック>
本実施の形態における酸性カーボンブラックとは、カーボンブラックと純水とを1:1の割合で混合した混合物を5分間煮沸したのち室温まで冷却し、泥状のpHが6以下になるものをいう。該pHは、より好ましくは5以下である。なお、カーボンブラックとは、炭素を主成分とする黒色微粒子の総称であり、化学的には炭素の単体として分類されることもあるが、周知の通り各種の官能基を含み得るものである。
このような特性を示すカーボンブラックは、通常カーボンブラック表面に酸性の酸素含有官能基からなる揮発成分を付与させることにより得られるものである。
このような特性を示すカーボンブラックとしては、たとえばMONARCH 1400、MONARCH 1300、MONARCH 1000、MOGUL L、REGAL 400R(以上、キャボット・スペシャリティー・ケミカルズ・インク社の製品の商品名)、#2650、#2350、#1000、#970、MA77、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA100S、MA230、MA220、MA14(以上、三菱カーボンブラック社の製品の商品名)、Color Black FW200、Color Black FW2、Color Black FW1、Color Black FW18、Special Black 6、Special Black S170、Special Black S160、Special Black 5、Special Black 4、Special Black 4A、Printex 150T、Printex U/V、Printex140U/V、Special Black 550、Special Black 350、Special Black 250、Special Black 100(以上、EVONIK DEGUSSA社の製品の商品名)、トーカブラック#8300/F、トーカブラック#8500/F(以上、東海カーボン社の製品の商品名)等を挙げることができる。
このような酸性カーボンブラックは、1種単独でまたは2種以上のものを組合わせて用いることができ、トナー粒子中における含有量は、6〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜35質量%である。
<塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体>
本実施の形態における塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体とは、銅フタロシアニンを母体骨格とし、その母体骨格に塩基性基を1または2以上導入した化合物である。ここで塩基性基とは、塩基性化合物から少なくとも1つの原子を取り除いて形成される基を意味し、塩基性化合物とは、たとえば1級、2級または3級モノアミン、ジアミン、飽和環状アミン、不飽和環状アミン、カルボキシル基含有飽和環状アミン、カルボキシル基含有不飽和環状アミン、水酸基含有飽和環状アミン、水酸基含有不飽和環状アミン、あるいは環状ジアミン等を挙げることができる。
このような塩基性化合物としては、より具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、2,6−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、2−ピペリジンエタノール、ピペリジン、2−ピペコリン、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピルモルホリン等を挙げることができる。
また、塩基性基とは、好ましくは、ジアルキルアミノ基、モルホリノ基、ピペラジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピリジル基、トリアジニル基等を挙げることができる。
このような塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体は、従来公知の方法によって合成することができ、特にその製造方法が限定されるものではないが、たとえば銅フタロシアニン顔料に反応性置換基を導入した後、塩基性置換基を有する化合物と反応させることによって得ることができる。
このような塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体の市販品としては、たとえばFASTOGEN Blue GNPS-G(商品名、DIC製)、Astra Blue 6GLL(商品名、供給元:Sigma Aldrich)等を挙げることができる。
このような塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体は、1種単独でまたは2種以上のものを組合わせて用いることができ、トナー粒子中における含有量は、2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは4〜15質量%である。
<顔料分散剤>
本実施の形態の顔料分散剤は、トナー粒子中に顔料を均一に分散させる作用を有するものであり、塩基性分散剤が使用される。ここで、塩基性分散剤とは、以下に定義されるものをいう。すなわち、顔料分散剤0.5gと蒸留水20mlとをガラス製スクリュー管に入れ、それをペイントシェーカーを用いて30分間振り混ぜた後、ろ過することにより得られたろ液のpHをpHメータ(商品名:「D−51」、堀場製作所社製)を用いて測定し、そのpHが7より大きい場合を塩基性分散剤とする。なお、そのpHが7より小さい場合は、酸性分散剤と呼ぶものとする。
このような塩基性分散剤は、その種類は特に限定されない。たとえば、分散剤の分子内にアミン基、アミノ基、アミド基、ピロリドン基、イミン基、イミノ基、ウレタン基、四級アンモニウム基、アンモニウム基、ピリジノ基、ピリジウム基、イミダゾリノ基、およびイミダゾリウム基等の官能基を有する化合物(分散剤)を挙げることができる。なお分散剤とは、通常、分子中に親水性の部分と疎水性の部分とを有するいわゆる界面活性剤が該当するが、上記の通り顔料を分散させる作用を有する限り、種々の化合物を用いることができる。
そしてこのような顔料分散剤としては、特にε−カプロラクトン由来の構成単位を含む塩基性高分子分散剤が好ましい。顔料分散剤としてこのような塩基性高分子分散剤を用いることにより、当該顔料分散剤が接着成分としても作用し、紙等の記録材に対するトナー粒子の定着強度が飛躍的に向上するためである。
ここで、「ε−カプロラクトン由来の構成単位を含む」とは、モノマーが重合(開環重合や重縮合を含む)してなる重合体である塩基性高分子分散剤において、そのようなモノマーの少なくとも一種としてε−カプロラクトンが含まれることを意味し、ε−カプロラクトンは重合反応後においてその重合体(すなわち塩基性高分子分散剤)の構成単位となる。そして、「ε−カプロラクトン由来の構成単位を含む塩基性高分子分散剤」とは、より具体的には基本骨格(たとえば主鎖)としてε−カプロラクトン由来の構成単位を含み、かつ上記の塩基性の官能基(すなわち塩基性基)を有する高分子化合物を挙げることができる。具体例としては、たとえば上記の塩基性基を有するポリカプロラクトン、上記の塩基性基を有するポリカプロラクトン−ウレタングラフト重合体等を挙げることができる。なお、高分子化合物中の塩基性の官能基の含有割合や、含有位置は特に限定されることはない。
なお、このようなε−カプロラクトン由来の構成単位を含む塩基性高分子分散剤の構造は、NMR等により特定することができる。
このようなε−カプロラクトン由来の構成単位を含む塩基性高分子分散剤の市販品としては、たとえば味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−821」(商品名)、「アジスパーPB−822」(商品名)、「アジスパーPB−881」(商品名)や日本ルーブリゾール社製の「ソルスパーズ28000」(商品名)、「ソルスパーズ32000」(商品名)、「ソルスパーズ32500」(商品名)、「ソルスパーズ35100」(商品名)、「ソルスパーズ37500」(商品名)等を挙げることができる。
このような顔料分散剤は、1種単独でまたは2種以上のものを組合わせて用いることができ、トナー粒子中において顔料の総量に対して1〜100質量%、好ましくは1〜40質量%の割合で含有されることができる。顔料分散剤の含有量が1質量%未満の場合、顔料の分散性が不良となる場合があり、100質量%を超えると、トナー化後のトナー粒子の粘弾性が低下する恐れがある。
<樹脂>
本実施の形態のトナー粒子に含まれる樹脂としては、トナー粒子(顔料)を記録材上に定着させる作用を主として有するものであり、このようなトナー粒子を構成する樹脂として用いられる従来公知の樹脂を特に限定することなく用いることができる。しかしながら、そのような樹脂の中でも特にポリエステル樹脂を用いることが好ましい。広範囲に熱特性等の物性を変化させることができるだけではなく、延展性や粘弾性に優れるために定着後の樹脂膜が強靱で、紙等の記録材と良好な接着性が示されるからである。なお、トナー粒子中における樹脂の含有量は、30質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50〜90質量%である。
このようなポリエステル樹脂は熱可塑性のもので、多価アルコールと多塩基酸(多価カルボン酸)との重縮合により得られる。
多価アルコールとしては、特に限定されるものではないが、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール等のプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、4−ブタンジオール等のブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1、6−ヘキサンジオール等のヘキサンジオール等のアルキレングリコール(脂肪族グリコール)およびこれらのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール等のビスフェノール類およびこれらのアルキレンオキサイド付加物のフェノール系グリコール類、単環あるいは多環ジオール等の脂環式または芳香族ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール等を挙げることができる。これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。特に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド2〜3モル付加物が、生成物であるポリエステル樹脂の溶解性、安定性の点で液体現像剤のトナー粒子用樹脂に適し、また低コストであることからも好ましい。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
多塩基酸(多価カルボン酸)としては、特に限定されるものではないが、たとえばマロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸またはその変性酸(たとえば、ヘキサヒドロ無水フタル酸)、イソフタル酸、テレフタル酸等の2価塩基酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、メチルナディック酸等の3官能以上の多価塩基酸、およびこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等を挙げることができる。これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
特に、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、メチルナディック酸等の3官能以上の多価塩基酸を含むことにより、ポリエステル樹脂が架橋による立体構造を有するため、絶縁性液体(キャリア液)による膨潤性を抑制することができるため好ましい。また、低コストで入手が可能であることからトリメリット酸を使用することが有利である。
縮合の方法としては、通常公知の重縮合の方法を用いることができる。原料モノマーの種類によっても異なるが、一般的には150℃〜300℃程度の温度下で行なわれる。また、雰囲気ガスとして不活性ガスを用いたり、各種の溶媒を使用したり、反応容器内圧力を常圧または減圧にする等、任意の条件で行なうことができる。また、反応促進のためにエステル化触媒を用いてもよい。エステル化触媒としては、テトラブチルジルコネート、ジルコニウムナフテネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、3/1しゅう酸第1スズ/酢酸ナトリウムのような金属有機化合物等を使用できるが、生成物であるエステルを着色しないものが好ましい。
生成物であるポリエステル樹脂の重量平均分子量を調整するためには、一般的には反応時間を調整すればよい。ポリエステルの重縮合反応は、低分子量物質が次第に分子量を増大させていく逐次反応であるため、時間とともに分子量が増大する。反応時間と分子量の関係はモノマー原料の種類、重合条件、ロットスケール等により異なるが、たとえば、ヘキサンジオールとセバシン酸のポリエステル化反応の場合、温度200℃で、窒素気流中、1〜2時間反応させると数平均分子量(Mn)約1000の生成物が得られ、4〜5時間反応させるとMnが約2000の生成物が得られ、7〜8時間反応させるとMnが約3000の生成物が得られる。また、高分子量の樹脂を得る場合は、多価アルコールと多塩基酸との混合モル比をほぼ等量にすることにより、重合度が高くなる。さらに、反応温度をやや低くして長時間反応させると、より効率良く高分子量の生成物が得られる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3万以上20万未満が好ましく、より好ましくは4万以上8万未満である。Mwが3万より小さいものは絶縁性液体と相互作用しやすくなり、保管安定性が悪化し好ましくない。Mwが20万以上になるとトナー粒子の製造性が悪化する。具体的には、造粒法でトナー粒子を製造する場合には樹脂を溶剤に溶解する際の溶解性が悪くなるために所望のトナー粒子の粒径および形状に制御できなくなる。一方、粉砕法でトナー粒子を製造する場合にはトナー粒子の粉砕性が悪化し、所望の粒径に制御できなくなる。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50〜85℃が好ましい。Tgが50℃より低くなると保管安定性が悪化し、85℃以上になると定着に必要な熱量が著しく増加すると共に光沢度が低下し好ましくない。
なお、トナー粒子に含まれる樹脂としては、上記のポリエステル樹脂以外のものとして、たとえばエチレン性アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、各単独でまたは2種以上のものを組合わせて用いることができる。
<絶縁性液体>
本実施の形態の液体現像剤に含まれる絶縁性液体は、静電潜像を乱さない程度の抵抗値(1011〜1016Ω・cm程度)を有するものが好ましい。また、臭気および毒性が無いものが好ましい。
このような絶縁性液体としては、たとえば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン等を挙げることができる。特に、臭気、無害性、コストの点から、ノルマルパラフィン系溶媒、イソパラフィン系溶媒が好ましい。具体的には、モレスコホワイト(商品名、松村石油研究所社製)、アイソパー(商品名、エクソン化学社製)、シェルゾール(商品名、シェル石油化学社製)、IPソルベント1620、IPソルベント2028(いずれも商品名、出光石油化学社製)等を挙げることができる。
<トナー分散剤>
本実施の形態の液体現像剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に安定に分散させるために、絶縁性液体に可溶な分散剤(トナー分散剤)を含むことが好ましい。このようなトナー分散剤は、トナー粒子を安定に分散させるものであれば特に種類は限定されない。トナー粒子に含まれる樹脂として用いられるポリエステル樹脂の酸価が比較的高い場合は、塩基性の高分子分散剤を用いることが好ましい。
このようなトナー分散剤は、絶縁性液体に溶解するものであっても良いし、分散するものであっても良い。また、このようなトナー分散剤は、トナー粒子に対して0.5質量%〜20質量%の範囲で添加することが好ましい。0.5質量%未満では分散性が低下し、20質量%を超えるとトナー分散剤が絶縁性液体を捕捉するため、トナー粒子の定着強度が低下する場合がある。
<製造方法>
本実施の形態の液体現像剤は、たとえば造粒法、粉砕法等の従来公知の方法に基づいて製造することができるが、その製造方法は特に限定されるものではない。しかしながら、造粒法は、粉砕法に比べエネルギー効率に優れ、工程数も少なくなるため最も好適な製造方法の一つである。このような造粒法は、均一な粒径分布の小径のトナー粒子を容易に得ることができるという観点からも好適な製造方法である。
このような造粒法は、より詳細には懸濁重合法、乳化重合法、微粒子凝集法、樹脂溶液に貧溶媒を添加し析出する法、スプレードライ法等がある。また、重合法も、連続相を水系にし、トナー粒子を作成後、液をオイル(絶縁性液体)に置換する方法や、直接オイル(絶縁性液体)中で重合する方法等が知られている。
そして、上記した種々の造粒法の中でも、特に均一な粒径分布の小径のトナー粒子を得られることから、樹脂を第1溶媒に溶解してなる樹脂溶液中に顔料を分散させた分散液を分散相とし、第2溶媒を連続相とする2相系において、該分散相から該第1溶媒を揮発させることによりトナー粒子を得る方法が好ましい。この場合、該分散相は、顔料分散剤を含み、該第1溶媒は、該第2溶媒とは異なった溶解度パラメータ値を有することが好ましい。換言すれば、本実施の形態のトナー粒子は、樹脂を第1溶媒に溶解してなる樹脂溶液中に顔料を分散させた分散液を分散相とし、第2溶媒を連続相とする2相系において、該分散相から該第1溶媒を揮発させることにより得られ、該分散相は、顔料分散剤を含み、該第1溶媒は、該第2溶媒とは異なった溶解度パラメータ値を有することが好ましい。
上記第1溶媒は、樹脂を溶解するものであることから、9〜12の範囲の溶解度パラメータ値(SP値)を有していることが好ましく、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、THF等を用いることができる。これらの中でも、特にアセトンが好ましい。
上記第2溶媒は、通常上記の絶縁性液体をそのまま用いることができ、特に7〜9の範囲の溶解度パラメータ値(SP値)を有しているものを用いることが好ましい。
より具体的には、まず、顔料、樹脂、顔料分散剤と第1溶媒とを混合し、樹脂を第1溶媒に溶解させる。その後、ビーズミル等を用いて顔料を粉砕し、第1溶媒からなる樹脂溶液中に顔料が分散した分散液(分散相)を調製する。
次に、第2溶媒である絶縁性液体にトナー分散剤を溶解または分散させ、連続相を形成する。引続き、上記で得られた分散相をこの連続相に混合し、ホモミキサー等を用いて十分に撹拌することにより、連続相中に分散相が分散した2相系を調製する。次いで、この2相系において、分散相から第1溶媒を揮発させることにより、分散相がトナー粒子となり、トナー粒子が連続相である第2溶媒(絶縁性液体)中に分散した液体現像剤を得ることができる。
<画像形成方法>
本実施の形態の液体現像剤は、複写機、プリンタ、デジタル印刷機、簡易印刷機などの電子写真方式の画像形成装置において用いられ、画像が形成される。これらの画像形成装置は、一般的に電子写真方式の画像形成プロセスが共通して用いられている。以下、図1を参照して、本実施の形態の液体現像剤を用いた画像形成方法を説明する。
図1は、画像形成装置の全体構成例を示す。なお、図1は、主として画像形成プロセスに関わる構成要素のみを示し、記録材の給紙、搬送、排紙に関わる構成要素は簡略的に示した。
図1の画像形成装置10は、像担持体としての感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、湿式現像装置4、クリーニング装置6を備える。さらに、画像形成装置10は、中間転写体としての中間転写ローラ5と、二次転写ローラ7をも備えている。
なお、図1においては、湿式現像装置4が一台のみ配置されているが、カラー画像形成のために複数台配置されていてもよい。カラー現像の方式、中間転写の有無などは任意に設定すればよく、それに合わせた任意の配置構成をとることができる。
本画像形成装置では中間転写ローラ5を用いているが、中間転写ベルトの形態であってもよい。感光体ドラム1は、表面に感光体層(不図示)が形成された円筒形状であって、図1における矢印A方向に回転する。感光体ドラム1の外周には、クリーニング装置6、帯電装置2、露光装置3、湿式現像装置4、および中間転写ローラ5が、その感光体ドラム1の回転方向に沿って順次配置されている。なお、このようなシステムは通常100〜1000mm/secで作動することができる。
帯電装置2は、感光体ドラム1の表面を所定電位に帯電させる。露光装置3は、感光体ドラム1の表面に光を照射し照射領域内の帯電レベルを低下させて静電潜像を形成する。
湿式現像装置4は、感光体ドラム1上に形成された潜像を現像する。すなわち、感光体ドラム1の現像領域へ液体現像剤を搬送し、その液体現像剤に含まれるトナー粒子を感光体ドラム1の表面の静電潜像に供給してトナー画像を形成する。
湿式現像装置4は、一般的には、表面に液体現像剤の薄層を担持し、像担持体である感光体ドラム1上の潜像を現像する現像ローラ41、現像ローラ41に当接して、その表面に液量調整された液体現像剤を転移させる搬送ローラ42、そしてその搬送ローラ42に当接して、その表面に現像剤槽44内の液体現像剤8を供給する供給ローラ43、および液体現像剤8の供給量を調整する規制ブレード45を備える。
現像のプロセスにおいては、湿式現像装置4の現像ローラ41に電源(不図示)からトナー粒子と同極性の現像バイアス電圧が印加される。同じくトナー粒子と同極性の感光体ドラム1上の潜像の電位とのバランスで電界の大小差が形成され、潜像に従って現像剤中のトナー粒子が感光体ドラム1に静電吸着され、感光体ドラム1上の潜像が現像される。
中間転写ローラ5は、感光体ドラム1と対向するように配置されており、感光体ドラム1と接触しながら矢印B方向に回転する。これら中間転写ローラ5と感光体ドラム1とのニップ部で、感光体ドラム1から中間転写ローラ5への一次転写が行なわれる。
一次転写プロセスにおいては、中間転写ローラ5に、電源(不図示)からトナー粒子と逆極性の転写バイアス電圧が印加される。これにより、一次転写位置における中間転写ローラ5と感光体ドラム1との間に電界が形成され、感光体ドラム1上のトナー像が、中間転写ローラ5に静電吸着され、中間転写ローラ5上に転写される。
トナー画像が中間転写ローラ5に転写されると、クリーニング装置6が感光体ドラム1上の残存トナー粒子を除去し、次の画像形成が行なわれる。中間転写ローラ5と二次転写ローラ7とは、記録材11を挟んで対向するように配置されており、記録材11を介して接触回転する。これら中間転写ローラ5と二次転写ローラ7とのニップ部で、中間転写ローラ5から記録材11への二次転写が行なわれる。
記録材11は、二次転写のタイミングに合わせて二次転写位置へ矢印C方向に搬送される。二次転写プロセスにおいては、二次転写ローラ7に、電源(不図示)からトナー粒子と逆極性の転写バイアス電圧が印加される。これにより、中間転写ローラ5と二次転写ローラ7との間に電界が形成され、中間転写ローラ5と二次転写ローラ7との間を通過させた記録材11上へ中間転写ローラ5上のトナー画像が静電吸着され、記録材11上に転写される。トナー画像が記録材11上に転写されると、クリーニング装置6が中間転写ローラ5上の残存トナー粒子を除去し、次の画像形成が行なわれる。
定着部9は、対向配置され接触回転する少なくとも一対のローラを備え、記録材11が高温下で加圧される。これにより、記録材11上でトナー画像を形成するトナー粒子が記録材11に融着し定着する。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中「部」とあるのは特に断らない限り「質量部」を示す。
<樹脂の製造>
トナー粒子に含まれる樹脂としてポリエステル樹脂を以下のようにして製造した。
かきまぜ棒、パーシャルコンデンサー、窒素ガス導入管、温度計を備えた四つ口フラスコ中にモノマーとして、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(以下の一般式(I))を800部(多価アルコール)、テレフタル酸を320部(多塩基酸)、トリメリット酸を40部(多塩基酸)入れ、攪拌しながら窒素ガスを導入し、約170℃の温度で重縮合を行なった。重量平均分子量(Mw)が約19000になったところで温度を100℃程度に下げ、重合禁止剤としてヒドロキノンを0.012部添加して重縮合を停止させた。
このようにしてポリエステル樹脂を得た(以下、これを「ポリエステル樹脂A」という)。ポリエステル樹脂AのMwを測定したところ21000であり、酸価は34.2mgKOH/gであり、ガラス転移温度(Tg)は67℃であった。
Figure 0005737147
式(I)中、R1およびR2は、プロピレン基を示し、mおよびnは、それぞれ独立して、0または正の整数を示し、両者の和が1〜16である混合物である。
なお、重量平均分子量(Mw)、酸価、ガラス転移温度(Tg)は次のようにして測定した。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により下記の条件に従って測定した。
DETECTOR:RI(屈折率)検出器
COLUMN:ShodexKF-404HQ+ShodexKF-402HQ(昭和電工社製)
溶 媒:テトラヒドロフラン
流 速:0.3ml/min
較正曲線:標準ポリスチレン
<酸価の測定>
酸価は、JIS K5400法に準拠した条件で測定した。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(商品名:「DSC−6200」、セイコーインスツルメンツ社製)を用い、試料量20mg、昇温速度10℃/minの条件で測定した。
<実施例1>
ポリエステル樹脂Aを100部、アセトン500部、上記規定のpHが2.5である酸性カーボンブラック(商品名:「Mogul L」、キャボット・スペシャリティー・ケミカルズ・インク社製)を20部、塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体(商品名:「FASTOGEN Blue GNPS-G」、DIC社製)を10部、顔料分散剤である塩基性分散剤(商品名:「アジスパーPB−821」、味の素ファインテクノ社製、吸着基としてアミン基を有し、主鎖にカプロラクトン基を有する化合物)10部にガラスビーズ500部を加え、ペイントコンディショナーを用いて2時間分散することにより樹脂中に顔料が分散した樹脂溶解液Xを作製した。
次いで、トナー分散剤としてN−ビニルピロリドン基を有する塩基性の高分子分散剤であるN−ビニルピロリドン/アルキレン共重合体(商品名:「Antaron V−216」、GAF/ISP Chemicals社製)5部を絶縁性液体(商品名:「IPソルベント2028」、出光石油化学社製)70部中に溶解させ、ホモジナイザーを起動させた。起動中のホモジナイザーに上記の樹脂溶解液X150部を投入し、5分間分散させ、液体現像剤前駆体を作製した。
引続き、エバポレーターにより上記の液体現像剤前駆体からアセトンを除去したところ、トナー粒子の体積平均粒径は2.2μmとなった。その後、この液体現像剤前駆体を50℃の恒温槽に4時間保管することにより、本発明の液体現像剤を得た。
なお、トナー粒子の体積平均粒径は、粒径分布測定装置(商品名:「SALD−2200」、島津製作所社製)を用いて測定した(以下の実施例において同じ)。
<実施例2〜11および比較例1〜5>
実施例2〜11および比較例1〜5の液体現像剤を次のようにして製造した。すなわち、実施例1で用いた酸性カーボンブラック、塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体、および顔料分散剤を、それぞれ以下の表1に示したカーボンブラック、銅フタロシアニン誘導体、および顔料分散剤に置き換えることを除き、他は全て実施例1と同様にして各液体現像剤を製造した。
なお、以下の表1において、「カーボンブラック」は比較例3および4(塩基性カーボンブラック)を除き全て酸性カーボンブラックであり、「銅フタロシアニン誘導体」は比較例1および4(酸性銅フタロシアニン顔料誘導体)を除き全て塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体であり、顔料分散剤は比較例2(酸性分散剤)を除き全て塩基性分散剤であり(ただし比較例5は顔料分散剤を含まない)、「量」とは添加部数(質量部)を示す。
Figure 0005737147
表1中の詳細は以下の通りである。
MA100S:商品名、三菱カーボンブラック社製
Regal 400R:商品名、キャボット社製
トーカブラック#8300/F:商品名、東海カーボン社製
Regal 330R:商品名、キャボット社製
GNPS-G:FASTOGEN Blue GNPS-G(商品名)、DIC社製
Astra Blue 6GLL:商品名、供給元:Sigma Aldrich
GBK-18SD:商品名、DIC社製
ソルスパーズ11200:商品名、日本ルーブリゾール社製
ソルスパーズ32500:商品名、日本ルーブリゾール社製
ソルスパーズ36000:商品名、日本ルーブリゾール社製
なお、表1中の「pH」は、実施例1と同様に上記規定のpHを示し、「極性」は各化合物の極性を示し、「粒径」はトナー粒子の体積平均粒径を示す。
<評価>
上記の実施例および比較例で得られた各液体現像剤について、以下のようにして画像濃度および転写性を評価した。
<画像濃度の評価>
図1の画像形成装置を用い、各液体現像剤により単色ソリッド(ベタ)パターン(10cm×10cm、付着量:1.2mg/m2)を記録材であるコート紙上に形成した。定着部による定着は180℃でニップ時間を50msecとした。プロセス条件は以下の通りである。
システム速度:40cm/s
感光体:負帯電OPC
帯電電位:−700V
現像電圧(現像ローラ印加電圧):−450V
1次転写電圧(転写ローラ印加電圧):+600V
2次転写電圧:+1200V
現像前コロナCHG:針印加電圧−3〜5kVで適宜調整。
そして、このようにして得られた単色ソリッドパターン(すなわち定着画像)のブラック・ソリッド部の画像濃度を反射濃度計(商品名:「X−Rite model 404」、X−Rite社製)を用いて測定し、以下の3段階のランク評価を行なった。数値が高いものほど、画像濃度が高いことを示している。結果を以下の表2に示す。
A:画像濃度1.8以上
B:画像濃度1.7以上1,8未満
C:画像濃度1.7未満
<転写性の評価>
図1の画像形成装置を用い、各液体現像剤により上質紙(商品名:「金菱」(81g/m2)、三菱製紙社製)に上記と同様にしてソリッド画像(単色ソリッドパターン)を印字した(トナー粒子の付着量:約1.2g/m2)。中間転写体上の転写前トナー粒子の量をXg/m2、転写後の中間転写体上に残存したトナー粒子の量をYg/m2とした。なお、中間転写体上の転写前後のトナー粒子量は、現像剤を回収し絶縁性液体を乾燥させた後、重量を測定した。そして、転写効率=((X−Y)/X)が0.95以上のものを「A」、0.9以上0.95未満のものを「B」、0.9未満のものを「C」とした。((X−Y)/X)の数値が高いものほど、転写性に優れていることを示している。結果を以下の表2に示す。
Figure 0005737147
表2より明らかなように、実施例の液体現像剤は、比較例の液体現像剤に比べ、画像濃度および転写性に優れていた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 感光体ドラム、2 帯電装置、3 露光装置、4 湿式現像装置、5 中間転写ローラ、6 クリーニング装置、7 二次転写ローラ、8 液体現像剤、9 定着部、10 画像形成装置、11 記録材、41 現像ローラ、42 搬送ローラ、43 供給ローラ、44 現像剤槽、45 規制ブレード。

Claims (2)

  1. トナー粒子と絶縁性液体とを含み、
    前記トナー粒子は、樹脂と顔料と顔料分散剤とを含み、
    前記顔料は、酸性カーボンブラックと塩基性銅フタロシアニン顔料誘導体とを含み、
    前記顔料分散剤は、塩基性分散剤である、液体現像剤。
  2. 前記顔料分散剤は、ε−カプロラクトン由来の構成単位を含む塩基性高分子分散剤である、請求項1記載の液体現像剤。
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