JP2012058389A - 液体現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚紙定着性とドキュメントオフセット性の両方に優れた液体現像剤を提供すること。
【解決手段】トナー粒子、絶縁性液体および分散剤を含む液体現像剤であって、トナー粒子は樹脂と顔料を含み、樹脂は炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン及び又は(メタ)アクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)及び又はアクリル酸およびメタクリル酸からなるビニル系共重合体樹脂と、酸成分として3官能以上の芳香族化合物を全酸成分に対して5モル%以上50モル%以下の割合で含むポリエステル樹脂を1:9〜9:1の比率で含み、分散剤は塩基性の高分子分散剤である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる液体現像剤に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像剤としては、従来より粉体状の現像剤が用いられてきた。このような粉体状の現像剤(所謂トナー)は、顔料を樹脂中に分散したものであるが、取扱い時に生じるトナー粒子の粉塵が人体に吸入されるという問題があることから、その粒径の下限値を5〜6μm以上にする必要があった。しかしながら、当該装置により形成される画像は、上記粒径が小さいものほど高画質となるため、その粒径をより小さくすることが求められていた。
このため、取扱い時に粉塵の発生がないことからトナー粒子の粒径をより小さくすることが可能な液体現像剤が注目されている。このような液体現像剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に分散させた構成を有し、トナー粒子の粒径を乾式トナーよりも小さくすることができるため高画質を実現できるという利点がある。
かかる液体現像剤のトナー粒子を構成する樹脂としては、樹脂間または樹脂内で水素結合するため樹脂強度が高く、耐オフセット性に優れた性質をもつポリエステル樹脂が一般的に用いられている。しかし、ポリエステル樹脂は分子内のアルコール成分が絶縁性液体に相溶し、樹脂が絶縁性液体に膨潤してトナー粒子が半溶解状態になる場合がある。その場合、メディア上にトナーを転写後、熱による定着工程を経た後も、絶縁性液体がトナー中から抜けきらない。これは、膨潤してトナー粒子を構成する樹脂と相溶している絶縁性液体がトナー粒子から離れにくいからであると考えられる。このような状態のトナーが付着したメディアの画像面と画像面を重ねると、トナー中のごく微量の残存液により、画像面が接着する現象であるドキュメントオフセットが発生するという問題があった。
このドキュメントオフセット性を改善する方法として、トナー粒子を構成する樹脂にビニル系共重合体樹脂を用いる方法がある。ビニル系共重合体樹脂は、ポリエステル樹脂と違い、分子内に水酸基を持たないため、ポリエステル樹脂と比較してドキュメントオフセットが発生しにくい(ドキュメントオフセット性が良い)。しかし、分子量分布が広いためシャープメルト性が悪く、特にメディアが定着時の紙の温度が高温まで上がらない厚紙である場合におけるトナーの定着性(厚紙定着性)に問題があった。
ドキュメントオフセット性を改善する別の方法として、トナー粒子を構成する樹脂の酸価を上げる方法がある。トナー粒子を構成する樹脂の酸価を上げて樹脂の極性を増やすことで、樹脂の液保持性を低くすることができトナー粒子の絶縁性液体に対する膨潤を防ぐことができる。このようにトナー粒子を構成する樹脂として酸化の高い樹脂を用いた液体現像剤が、特許文献1、2に開示されている。
特許文献1には、トナー粒子を構成する樹脂として酸価が高いポリエステル樹脂やスチレンアクリル樹脂を用いた液体現像剤が開示されている。この場合、酸化の高い樹脂を用いていることにより樹脂中の極性部分が増すためドキュメントオフセット性が改善され、また、シャープメルト性が高いため厚紙定着性にも優れている。しかし、酸価が高い樹脂を用いる場合、極性部分が多い樹脂を極性が低い絶縁性液体中で安定に分散させることが困難であるため、高温で保管するとトナーと液が分離するなど、保管安定性に問題があった。
特許文献2には、トナー粒子を構成する樹脂として酸価が高いポリエステル樹脂を用い、分散剤として塩基性分散剤を用いた液体現像剤が開示されている。かかる液体現像剤は、シャープメルト性が高く極性が高いことから、定着性が良好であり、ドキュメントオフセット性にも優れている。また、特許文献1の液体現像剤では、分散剤として界面活性剤等を用いているため、液中で酸価が高いトナー粒子を構成する樹脂を安定に分散させることが出来なかったが、特許文献2の液体現像剤は、分散剤として塩基性分散剤を用いることにより保管安定性にも優れたものとなっている。しかしながら、ポリエステル樹脂だけを用いた場合は、ポリエステル樹脂中の水酸基に絶縁性液体が保持されやすく、酸化が高いポリエステル樹脂を用いてもトナー粒子が膨潤しやすいため、ドキュメントオフセットの発生を十分に抑制することができなかった。
なお、特許文献3には、トナー粒子を構成する樹脂としてエチレン系樹脂を用いた液体現像剤が開示されている。しかし、エチレン系樹脂を用いた場合には、エチレン系樹脂が極性の側鎖を持たないため絶縁性液体に膨潤し、絶縁性液体がトナー樹脂の結着を阻害するために定着性が悪くなるという問題と、定着後にドキュメントオフセットが発生するという問題がある。
特開2007−114226号公報 特開2009−251087号公報 特開昭64−66666号公報
本発明は、このような状況下においてなされたものであって、その目的は、厚紙定着性とドキュメントオフセット性の両方に優れた液体現像剤を提供することにある。また、本発明の別の目的は、厚紙定着性とドキュメントオフセット性に加えて、さらに保管安定性にも優れた液体現像剤を提供することにある。
本発明は、トナー粒子、絶縁性液体および分散剤を含む液体現像剤であって、
上記トナー粒子は、少なくとも、樹脂と、該樹脂中に分散された顔料とを含み、
上記樹脂は、樹脂Iおよび樹脂IIを含み、
上記樹脂Iと上記樹脂IIの質量比は、樹脂I:樹脂II=1:9〜9:1であり、
上記樹脂Iは、上記炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン、アクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)、およびメタクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第1モノマーと、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第2モノマーと、を含む複数のモノマーを構成モノマーとするビニル系共重合体樹脂であり、
上記第2モノマーの比率は、上記第1モノマーおよび上記第2モノマーの総量に対して5〜25モル%であり、
上記樹脂IIは、酸成分として3官能以上の芳香族化合物を全酸成分に対して5モル%以上50モル%以下の割合で含む、ポリエステル樹脂であり、
上記分散剤は塩基性の高分子分散剤である、液体現像剤である。
上記樹脂Iと上記樹脂IIの質量比は、樹脂I:樹脂II=1:2〜2:1であることが好ましい。
上記3官能以上の芳香族化合物は、トリメリット酸であることが好ましい。
上記塩基性の高分子分散剤は、ピロリドン基を有することが好ましい。
本発明において、樹脂I(ビニル系共重合体樹脂)は、その中に含まれる第2モノマーの比率が、第1モノマーおよび第2モノマーの総量に対して5〜25モル%であることにより、第2モノマーの酸成分の影響で樹脂Iの極性が高くなるため、絶縁性液体との相溶性が減少する。また、極性基による架橋により、絶縁性液体が樹脂に侵入しにくくなる。これらの結果、トナー粒子の絶縁性液体に対する膨潤が抑制され、ドキュメントオフセット性が改善される。本発明の液体現像剤は、この樹脂Iと、シャープメルト性を有し厚紙定着性に優れた樹脂II(酸成分として3官能以上の芳香族化合物を含むポリエステル樹脂)とを、上記割合で混合することにより作製したトナー粒子を用いており、ドキュメントオフセット性と厚紙定着性の両方に優れている。
また、本発明の液体現像剤は、分散剤として塩基性の高分子分散剤を用いることにより、保管安定性にも優れている。さらに、分散剤の塩基性基が樹脂IIの酸性基に強く吸着することから、極性が少ない絶縁性液体中でも少ない量の分散剤で酸性樹脂を安定に分散させることができ、分散剤量を減らすことでトナー粒子の周囲に存在する絶縁性液体の量が減ることになるため、ドキュメントオフセット性がさらに改善される。
電子写真方式の画像形成装置の概略概念図である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<液体現像剤>
本発明の液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体と分散剤とを含む。かかる液体現像剤は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえば荷電制御剤、増粘剤等を挙げることができる。ここで、液体現像剤中の各成分の配合割合は、たとえば、トナー粒子を10〜50質量%、絶縁性液体を50〜89.99質量%、および、分散剤をトナー粒子の質量に対して0.1〜10質量%とすることができる。
このような液体現像剤は、電子写真方式の画像形成装置用の現像剤として有用である。
<トナー粒子>
本発明の液体現像剤に含まれるトナー粒子は、通常絶縁性液体に相溶せず絶縁性液体中に分散された状態で存在し、少なくとも、樹脂と、該樹脂中に分散された顔料とを含む。かかるトナー粒子は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえばワックス、荷電制御剤等を挙げることができる。ここで、樹脂の配合割合は、トナー粒子の総量に対して好ましくは50〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%である。樹脂の配合割合が50質量%未満の場合は、トナー粒子同士の結合力が弱まり、定着強度が小さくなる傾向を示す。また、顔料の配合割合は、トナー粒子の総量に対して好ましくは5〜50質量%である。顔料の配合割合が5質量%未満の場合は、一層のトナー粒子薄層で実現できる顔料濃度が低いため所望の色味を実現することが困難になる場合がある。
このようなトナー粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、高画質の画像を得ることを目的として、0.1〜3.5μm、より好ましくは0.5〜2.5μmとすることが好適である。これらの粒径は、従来用いられていた粉体状現像剤(乾式現像剤)のトナー粒子の粒径に比べて小さく、本発明の特徴の一つとなるものである。
なお、本発明でいう粒径とは、平均粒径を意味し、各種の粒度分布計により体積平均粒径として特定することができる。
<樹脂>
本発明においてトナー粒子を構成する樹脂は、後述の樹脂I(熱可塑性のビニル系共重合体樹脂)および樹脂II(ポリエステル樹脂)を含み、樹脂Iと樹脂IIの質量比は、樹脂I:樹脂II=1:9〜9:1であり、より好ましくは1:2〜2:1である。具体的には、例えば、樹脂Iと樹脂IIとを上記比率で混合した樹脂で構成される。二種の樹脂を上記割合で混合することにより、各樹脂の利点を生かしたまま欠点を補うことができるため、定着性とドキュメントオフセット性の両者に優れたトナー粒子を作製できる。なお、トナー粒子を構成する樹脂は、樹脂Iおよび樹脂IIのみで構成されることが好ましいが、本発明の効果が示される限り、他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリオレフィン共重合体樹脂(特にエチレン系共重合体樹脂)、エポキシ樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、パラフィンワックス等の樹脂が挙げられる。
<樹脂I:ビニル系共重合体樹脂>
トナー粒子を構成する樹脂に用いられる樹脂Iは、炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン、アクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)、およびメタクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第1モノマーと、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第2モノマーと、を含む複数のモノマーを構成モノマーとするビニル系共重合体樹脂であり、該第1モノマーと該第2モノマーとの比率は、これら両者の全量に対する該第2モノマーの比率が5〜25モル%である。なお、本発明において、「炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン」とは、スチレンを含むとともに、スチレンを構成するベンゼン環に炭素数1〜4のアルキル基が1または2個置換基として置換した化合物が含まれる。また、「構成モノマー」とは、それが重合することによりビニル系重合体樹脂を構成し、その構成単位となるものである。
第1モノマーおよび第2モノマーの総量が樹脂I中に占める割合は、90モル%以上であることが好ましい。90モル%未満では、樹脂が絶縁性液体に膨潤しやすくなり、ドキュメントオフセット性向上の効果が得にくくなる。
このようなビニル系共重合体樹脂は、第2モノマーとして酸成分を含むことから、上記のような一般的な特性に加えて、高濃度にカーボンブラックを含む場合においても可塑化することがなく、以ってこのビニル系共重合体樹脂により構成されるトナー粒子は絶縁性液体に対する膨潤性が抑制されることにより保管安定性に優れる。さらに、この第2モノマーの含有率を上記範囲内で高めることにより、記録媒体への画像の定着性を向上できる。また、第1モノマーとして、少なくとも炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレンを含む場合、芳香環によって樹脂が固くなりトナー樹脂の強度が高くなるため、トナー面の耐擦傷性が向上するという効果を得ることができる。
ここで、第1モノマーと第2モノマーの比率を表わす第2モノマーの含有率(モル%)は、第1モノマーと第2モノマーとの合計量に占める第2モノマーのモル比として表わされ、このモル比が上記のとおり5〜25モル%になることを要する。上記第2モノマーのモル比が5モル%未満では、ビニル系共重合体樹脂の極性が低くなり、SP(ソルビリティーパラメータ)値が下がり、絶縁性液体との相溶性が上がり、絶縁性液体に膨潤しやすくなることから、液体現像剤の保管安定性が低下する。また、架橋による膨潤防止の効果も下がり、その結果ドキュメントオフセット性に対し悪影響を及ぼす。一方、25モル%を超えると、ガラス転移点(Tg)が高くなって熱に融けにくくなり、記録媒体への画像の定着が不可能となったり、極めて高温の定着温度が必要となり画像形成装置に対する負荷が大きくなるという不都合が生じる。より好ましい第2モノマーの含有率は、8〜20モル%である。
なお、本発明のビニル系共重合体樹脂は、その構成モノマーとして、第1モノマーおよび第2モノマーのみで構成されることが好ましいが、本発明の効果が示される限り、他のモノマーが含まれていても差し支えない。このような他のモノマーとしては、たとえば酢酸ビニル、アルキル基の炭素数が5以上のアクリル酸アルキル、アルキル基の炭素数が5以上のメタクリル酸アルキル等を挙げることができる。
なお、構成モノマーの種類および第1モノマーと第2モノマーのモル比は、ビニル系共重合体樹脂を合成する際の原料モノマーの使用量を制御することにより調整することが可能であるが、液体現像剤中のトナー粒子または画像中のビニル系共重合体樹脂成分を、フーリエ変換核磁気共鳴装置(FT−NMR)を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定することができる。
また、本発明のビニル系共重合体樹脂は、重量平均分子量(Mw)が10000以上1000000以下であることが好ましく、より好ましくは50000以上200000以下である。重量平均分子量が10000未満では顔料との均一分散が困難となり保管性が悪化する場合がある。一方、重量平均分子量が1000000を超えると、記録媒体への定着時に要するエネルギが大きくなり熱による溶融が困難となる場合がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
また、本発明のビニル系共重合体樹脂は、熱可塑性を示し、40℃以上85℃以下のガラス転移点(Tg)を有することが好ましい。ガラス転移点が40℃未満の場合、保管安定性が悪化する場合があり、85℃を超えると、画像を定着させるエネルギが著しく増加し経済的に不利であるばかりか画像形成装置の各部に熱的ダメージを与えやすく、また定着温度が低い場合には画像の光沢が低下する場合がある。
ここで、上記第1モノマーとしては、たとえば、スチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン(以上、炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン)、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル(以上、アクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4))、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル(以上、メタクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4))等を挙げることができるが、これらのみに限定されるものではない。
上記例示中、第1モノマーとしては、スチレンを含むことが好ましく、熱物性の制御の観点、特に画像の定着性の観点から第1モノマーと第2モノマーとの合計量に対して、スチレンを50〜90モル%含むことが特に好ましい。なお、第1モノマーおよび第2モノマーは、それぞれ1種または複数のものを使用することができる。特に第1モノマーとしては、スチレンを単独で用いるか、スチレンとアクリル酸エステルまたはスチレンとメタクリル酸エステルを組み合わせて用いることが好ましい。
このような本発明のビニル系共重合体樹脂は、通常通りの方法、すなわちビニル系共重合体のラジカル重合反応により得ることができる。
<樹脂II:ポリエステル樹脂>
トナー粒子を構成する樹脂に用いられる樹脂IIは、酸成分として、3官能以上の芳香族化合物を全酸成分に対して5モル%以上50モル%以下の割合で含むポリエステル樹脂である。本発明のポリエステル樹脂は、かかる組成を有することにより樹脂の液保持性を低くすることができ、トナー粒子の絶縁性液体に対する膨潤を防ぐことができる。
ここで、本発明の「3官能以上の芳香族化合物」とは、ポリエステル樹脂を構成するエステル結合を形成するために多価アルコール成分と反応し得る「反応部位」を、その芳香族化合物中に3以上有する芳香族化合物をいう。このような「反応部位」としては、通常「官能基」がその機能を奏し、「3官能以上」とは通常このような「官能基」が当該芳香族化合物中に3個以上含まれることを意味する(なお、多価アルコール成分と反応する成分を一般に酸成分(多塩基酸)と称する)。上記の官能基としては、たとえばカルボキシル基等をその具体例として挙げることができる。また、酸無水物もこのような官能基に含まれるものとし、たとえば隣り合う2個のカルボキシル基が脱水して酸無水物を形成するような場合は、2官能(官能基数を2個)として数えるものとする。
3官能以上の芳香族化合物としては、たとえば、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、メチルナディック酸、およびこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等を挙げることができる。これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。これらの中でも、低コストで入手できるトリメリット酸が好ましい。このような3官能以上の芳香族化合物を上記のように特定の配合割合で含むことにより、絶縁性液体に対する膨潤が防止される。
上記モル%は、ポリエステル樹脂を構成する酸成分(多塩基酸)の全量(すなわち全酸成分)に占める3官能以上の芳香族化合物のモル比率を示す。なお、上記モル比率が5モル%未満では、極性が少なく樹脂が絶縁性液体に膨潤しやすいため所望のドキュメントオフセット性が得られない。上記モル比率が50モル%を超えると、ガラス転移点が高くなりすぎることから、画像を定着させるエネルギが著しく増加し経済的に不利であるばかりか画像の光沢が低下する。より好ましいモル比率は、10モル%以上45モル%以下である。
なお、このようなモル比率は、ポリエステル樹脂を合成する際の原料モノマーの使用量を制御することにより調整することが可能であるが、液体現像剤中のトナー粒子または画像中のポリエステル成分に含まれる実際の3官能以上の芳香族化合物の割合(モル比率)は、フーリエ変換核磁気共鳴装置(FT−NMR)を用いて、1H−NMR分析を行ないその積分比を決定することにより測定することができる。
このような本発明のポリエステル樹脂は、熱可塑性を示し、40℃以上80℃以下のガラス転移点(Tg)を有することが好ましい。ガラス転移点が40℃未満の場合、トナー粒子の粉砕性および保管性が悪化する場合があり、80℃を超えると、画像を定着させるエネルギが著しく増加し経済的に不利であるばかりか画像形成装置の各部に熱的ダメージを与えやすく、定着温度が低い場合には画像の光沢が低下する場合がある。
本発明で採用するポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3000以上200000以下であることが好ましく、より好ましくは5000以上100000以下である。重量平均分子量が3000未満では保管性が悪化し、200000を超えると、熱による溶融が困難となる。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
また、本発明のポリエステル樹脂は、酸成分(多塩基酸)として、3官能以上の芳香族化合物を全酸成分に対して5モル%以上50モル%以下の割合で含む限り、通常通りの方法、すなわち多価アルコールと多塩基酸(典型的には多カルボン酸)とを重縮合することにより得ることができる。
ここで、多価アルコールとしては、特に限定されず、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール等のプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のヘキサンジオール等のアルキレングリコール(脂肪族グリコール)およびこれらのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール等のビスフェノール類およびこれらのアルキレンオキサイド付加物のフェノール系グリコール類、単環あるいは多環ジオール等の脂環式および芳香族ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール等が挙げられる。これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
これらの中でも、特に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(以下の式(I)で示される多価アルコール)が、生成物であるポリエステル樹脂の溶解性、安定性の点で液体現像剤のトナー粒子用樹脂として適し、かつ低コストであることからも好ましい。
Figure 2012058389
式(I)中、m、nはそれぞれ0または正の整数であり、両者の和は1〜16である。好ましくはm、nはそれぞれ2または3である。またR1、R2は、それぞれ独立して、炭素数2または3のアルキレン基である。
また、酸成分として、3官能以上の芳香族化合物以外の多塩基酸(多カルボン酸)としては、たとえばマロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸およびその変性酸(たとえば、ヘキサヒドロ無水フタル酸)、イソフタル酸、テレフタル酸等の飽和または不飽和(あるいは芳香族)の2価塩基酸およびこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等を挙げることができ、これらを各単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、イソフタル酸、テレフタル酸が、生成物であるポリエステル樹脂の溶解性、安定性の点で液体現像剤のトナー粒子用樹脂として適し、かつ低コストであることからも好ましい。
(ポリエステル樹脂の重合)
上記ポリエステル樹脂の重合は、用いる原料モノマーの種類に応じて異なるものの、一般的には150〜300℃の温度範囲で行なうことができる。また、雰囲気ガスとして不活性ガスを用いたり、各種の溶媒を任意に選択したり、反応容器内圧力を常圧または減圧にする等、任意の条件を採用することができる。
また、反応を促進させるために、エステル化触媒を用いてもよい。エステル化触媒としては、たとえばテトラブチルジルコネート、ジルコニウムナフテネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、3/1しゅう酸第1スズ/酢酸ナトリウム等の金属有機化合物等を挙げることができるが、生成物であるポリエステルを着色しないものが好ましい。
なお、反応生成物であるポリエステル樹脂の分子量は、反応時間を調整することにより調整することができる。ポリエステル樹脂を得る重縮合反応は、低分子量物質が時間の経過に伴って分子量を増大させていく逐次反応であるからである。このような反応時間と分子量との関係は、原料モノマーの種類、各種の重合条件、ロットスケール等により異なるため、これらの諸条件を考慮し、所望の分子量が得られる反応時間を調節することが好ましい。
<顔料>
本発明のトナー粒子に含まれる顔料は、上記の樹脂中に分散されている。このような顔料の粒径は、0.3μm以下であることが好ましい。顔料の粒径が0.3μmを超えると顔料の分散が悪くなり、光沢度が低下し所望の色目を実現できなくなる場合がある。
また、トナー粒子中における顔料の添加量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは8〜50質量部程度であり、より好ましくは10〜30質量部である。顔料の添加量が8質量部未満では、十分な着色効果を得ることができない場合があり、50質量部を超えると、顔料の均一分散が難しくなり、顔料の凝集による光沢度の低下を引き起こす場合がある。好適な量は顔料の色種によって異なり、例えば、シアン顔料では10質量部以上40質量部以下、マゼンタ顔料では15質量部以上50質量部以下、イエロー顔料では8質量部以上30質量部以下が好ましい。適量は粒径によっても異なり小粒径になるほど顔料コンテンツを高くする効果が顕著となる。
このような顔料としては、従来公知の顔料を特に限定することなく使用することができるが、コスト、耐光性、着色性等の観点から、たとえば以下の顔料を使用することが好ましい。なお、色彩構成上、これらの顔料は、通常ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料に分類され、基本的にブラック以外の色彩(カラー画像)はイエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料の減法混色により調色される。
ブラック顔料:カーボンブラック。
シアン顔料:C.I.(カラーインデックス)Pigment Blue15:1、同15:3等の銅フタロシアニンブルー系シアン顔料、フタロシアニングリーン系顔料。なお、主成分として、銅フタロシアニンブルー系シアン顔料を含むことが好ましいが、これ以外の顔料を含むこともできる。
マゼンタ顔料:C.I.Pigment Red48、同57(カーミン6B)、同5、同23、同60、同114、同146、同186等のアゾレーキ系マゼンタ顔料や不溶性アゾ系マゼンタ顔料、C.I.Pigment Red88、C.I.Pigment Violet36、同38等のチオインジゴ系マゼンタ顔料、C.I.Pigment Red122、同209等のキナクリドン系マゼンタ顔料、C.I.Pigment Red269等のナフトール系マゼンタ顔料。なお、これらのうちキナクリドン系顔料、カーミン系顔料、ナフトール系顔料のうち少なくとも1つを含むことが好ましく、これら3種のうち2種類ないし3種類が含まれていてもよい。
イエロー顔料:C.I.Pigment Yellow12、同13、同14、同17、同55、同81、同83、同180等のジスアゾ系イエロー顔料。
<分散剤>
本発明の液体現像剤に含まれる分散剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に安定的に分散させる作用を有するものであり、このため、通常はトナー粒子の表面部に存在(吸着)している。このような分散剤は、絶縁性液体に対して可溶性であることが好ましい。
このような分散剤としては、トナー粒子を安定に分散させるものである限り特に限定されるものではないが、本発明においては、トナー粒子を構成する樹脂として上述の通りのものを使用することから、分散剤として塩基性の高分子分散剤が用いられる。塩基性の高分子分散剤を用いることにより、トナー粒子の良好な分散性が長期間に亘り安定化されるからである。これは、トナー粒子を構成する樹脂の酸価が高くなるために塩基性の高分子分散剤を用いることにより、これら両者の相互作用によりトナー粒子の良好な分散性が長期間に亘り安定化されるためではないかと考えられる。このように塩基性の高分子分散剤を用いることにより、少ない量の分散剤で安定な分散を実現できるため、更なるドキュメントオフセット性の向上にもつながる。なお、本発明の塩基性の高分子分散剤とは、塩基性基を有する高分子分散剤をいい、重量平均分子量が3000〜10000程度のものをいう。
このような塩基性の高分子分散剤としては、分子内にアミン、アミド、イミン、ピロリドンを含む含窒素樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、ポリエステルアミン、変性ポリウレタン、ポリアルキレンポリアミン、変性ポリウレタン、ポリエステルポリアミンが挙げられる。
塩基性の高分子分散剤の最も好適な具体例としては、下記式(2)で示される長鎖アルキル基を持ったビニル化合物(C1)とN−ビニルピロリドン(C2)との共重合体(オレフィン−ビニルピロリドン共重合体)が挙げられる。このような分散剤は、ISP社製の「V−216(商品名)」、「V−220(商品名)」、「W−660(商品名)」などの市販品として入手することができる。
Figure 2012058389
式(II)中、R5は、炭素数10〜30の長鎖アルキル基である。また、式(II)中のC1とC2の共重合比(モル比)は任意であるが、好ましくは20:80〜90:10、より好ましくは50:50〜90:10である。C2の割合が減ると、分散性が悪化する。また、炭素数10未満では分散性が悪化し、炭素数30を超えるとキャリア液に溶解しにくくなる。
塩基性の高分子分散剤の他の具体例としては、BYK Chemie社製の「Disperbyk−109」(アルキロールアミノアマイド)、「Disperbyk−130」(不飽和ポリカルボン酸ポリアミノアマイド)が挙げられる。また、アビシア社製の「S13940」(ポリエステルアミン系)や、「S17000」、「S18000」および「S19000」(脂肪酸アミン系)、「S11200」等も挙げられる。
以上の高分子分散剤をトナー粒子に対して添加するが、分散剤の長鎖アルキル量は0.5%〜10%が好ましい。ここで、長鎖アルキル量とは、トナー粒子を構成する樹脂の全量に対する、炭素数10以上のアルキル基を有する分散剤の量の比率を意味する。長鎖アルキル量が0.5%未満では、分散性が悪化し、10%を超えると、ドキュメントオフセット性の悪化や絶縁性の悪化の懸念がある。
本発明の液体現像剤中には、必要に応じて、本発明の効果や品質に影響を及ぼさない範囲で他の分散剤や添加剤を添加しても構わない。
<絶縁性液体>
本発明の液体現像剤に含まれる絶縁性液体とは、常温で不揮発性であり、電気的に絶縁性を示すもの(たとえば抵抗値が1011〜1016Ω・cmの範囲のもの)が好ましい。この範囲の抵抗値を有すれば、通常静電潜像を乱すことがないためである。さらに、このような絶縁性液体としては、臭気および毒性がないものが好ましい。
このような絶縁性液体としては、たとえば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン等を挙げることができる。特に、臭気、無害性、コストの観点から、ノルマルパラフィン系溶媒、イソパラフィン系溶媒が好ましい。より具体的には、松村石油研究所社製のモレスコホワイトP40(商品名、引火点:140℃)、同P60(引火点:170℃)、同P120(引火点:200℃)、アイソパー(商品名、エクソン化学社製)、シェルゾール71(商品名、シェル石油化学社製)、IPソルベント1620(商品名、出光石油化学社製)、IPソルベント2028(商品名、引火点:84℃、出光石油化学社製)等を挙げることができる。
なお、通常、低分子量樹脂と絶縁性液体を混合した場合、絶縁性液体の引火点が低いほど樹脂との相溶性が高くなり、樹脂が膨潤しやすくなるため高温での保管性が悪化する。しかし、本発明のポリエステル樹脂は上記の通りの組成を有することから、このような膨潤を防止することができ、引火点が低い絶縁性液体と混合しても保管性は低下しない。
<製造方法>
まず、上述のような樹脂I(ビニル系共重合体樹脂)、樹脂II(ポリエステル樹脂)、顔料などを用いてトナー粒子が製造される。トナー粒子の製造は、従来公知の技法に基づいて行なうことができる。たとえば、加圧ニーダ、ロールミル、3本ロール等の混練機を用いて、ビニル系共重合体樹脂(樹脂I)とポリエステル樹脂(樹脂II)と顔料とを所定の配合比で溶融混練し、ビニル系共重合体樹脂とポリエステル樹脂を混合するとともに樹脂中に顔料を均一に分散させることにより顔料−樹脂分散体を得る。
続いて、上記で得られた顔料−樹脂分散体を冷却し、冷却後これを粗粉砕する。引き続き、粗粉砕された顔料−樹脂分散体(これを「粗粉砕トナー」ということもある)をさらに所望の粒径となるまで粉砕することにより、トナー粒子を得る。
上記で用いることができる粉砕方法としては、乾式粉砕法と湿式粉砕法を挙げることができるが、省エネルギで所望の粒径まで粉砕できる方法であれば特に限定されるものではない。
たとえば、カッターミルにより粗粉砕トナーを得、引き続き乾式粉砕法としてジェットミルを用いて、粗粉砕トナーを所望の粒径となるまでさらに粉砕することによりトナー粒子を得る。そして、このトナー粒子を絶縁性液体および分散剤と混合することにより液体現像剤を調製することができる。
一方、湿式粉砕法を採用する場合は、たとえば上記方法で得られた粗粉砕トナー、絶縁性液体、および分散剤を混合し、サンドミルを用いてこの混合物を粉砕することによりトナー粒子を所望の粒径とし、液体現像剤を調製することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中「部」とあるのは特に断らない限り「質量部」を示す。
<樹脂I:ビニル系共重合体樹脂>
表1に記載した組成および分子量を有するビニル系共重合体樹脂A〜Hを準備した。
Figure 2012058389
表1において、各ビニル系共重合体の組成は、原料モノマーの化合物名とその配合比率(第1モノマーの原料総量に対するモル百分率)で示している。第2モノマー成分の含有比率実測値、および、重量平均分子量(Mw)は、トナー粒子を製造する前の各ビニル系共重合体樹脂を後述の方法で分析することにより得られた値である。表1に示されるように、第2モノマー成分の含有比率実測値は、原料モノマーの組成と一致するものであった。
<樹脂II:ポリエステル樹脂>
表2に記載した組成および分子量を有するポリエステル樹脂I〜Nを準備した。
Figure 2012058389
表2において、各ポリエステル樹脂の組成は、原料モノマーの化合物名とその配合割合(モル部)で示している。3官能以上の芳香族化合物であるトリメリット酸(TMA)成分の含有比率(多価アルコールに対するモル百分率)実測値、および、重量平均分子量(Mw)は、トナー粒子を製造する前の各ビニル系共重合体樹脂を後述の方法で分析することにより得られた値である。表2に示されるように、TMA成分の含有比率実測値は、原料モノマーの組成と一致するものであった。
<トナー粒子の製造>
樹脂Iとして60部のビニル系共重合体樹脂Aを、樹脂IIとして40部のポリエステル樹脂G、および、顔料として銅フタロシアニンブルー系シアン顔料である25部の「Fastgen Blue GNPT」(商品名、DIC社製)をヘンシェルミキサーに投入し、十分に混合した。その後、ロール内加熱温度を100℃に設定した同方向回転二軸押出し機を用いて、この混合物を溶融混練し、冷却後、これをカッターミルを用いて粗粉砕することにより粗粉砕トナーaを得た。
次いで、この粗粉砕トナーaをカウンタジェットミル200AFG(商品名、ホソカワミクロン社製)を用いてさらに粉砕することにより、トナー粒子aを得た。トナー粒子aの平均粒径は2.5μmであった。このとき、粉砕条件は空圧量2.3m3/min.、空気圧力0.8kPa、ノズル径3mm、回転速度13000rpmで行なった。
また、トナー粒子を構成する樹脂組成として表3に記載の樹脂Iおよび樹脂IIの組合せを用いたこと以外は全て上記と同様にして、トナー粒子b〜rを得た。得られたトナー粒子の粒径を表3に示す。
Figure 2012058389
<液体現像剤の製造>
以下、実施例1〜13および比較例1〜7の液体現像剤を製造した。
<実施例1>
絶縁性液体として「IPソルベント2028」(商品名、出光石油化学社製)70部、トナー粒子aを30部、N−ビニルピロリドン基を有する塩基性の高分子分散剤であるN−ビニルピロリドン/アルキレン共重合体「Antaron V−216」(商品名、GAF/ISP Chemicals社製)1部を混合し、ペイントシェーカーにて1時間分散することにより、液体現像剤を得た。
<実施例2〜13および比較例1〜7>
実施例1におけるトナー粒子aに代えて、表4に記載したトナー粒子をそれぞれ用いる以外は全て実施例1と同様にして、実施例2〜13および比較例1〜7の液体現像剤を得た。
ただし、実施例13については、分散剤を「Antaron V−216」に代えて、ピロリドン基を有さない塩基性の高分子分散剤である「ソルスパーズS13940」(商品名、日本ルーブリゾール社製)を用いた。また、比較例7は酸性分散剤として「ソルスパーズS3000」(商品名、日本ルーブリゾール社社製)を用いた。
<評価>
<全樹脂中の第2モノマーおよび3官能以上の芳香族化合物の比率の評価>
全樹脂中の第2モノマーおよび3官能以上の芳香族化合物(トリメリット酸)の含有比率は、フーリエ変換核磁気共鳴装置(FT−NMR)(商品名:「Lambda400」、日本電子社製)を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。測定溶媒はクロロホルムD溶剤とした。
<分子量の測定>
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により、ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mw)を測定した。測定条件は以下の通りである。
DETECTOR:RI
COLUMN:KF-404HQ(商品名、Shodex社製)、KF-402HQ(商品名、Shodex社製)
溶 媒:テトラヒドロフラン(THF)
流 速:0.3ml/min.
較正曲線:標準ポリスチレン
<厚紙定着性の評価>
図1に示した画像形成装置を用い、実施例および比較例の各液体現像剤のベタパターン(10cm×10cm、付着量:2mg/m2)を360g/cm2のコート紙厚紙上に形成し、引き続き、ヒートローラで定着した(180℃×ニップ時間80msec.)。
その後、オフセットがない部位に対し消しゴム(商品名:砂消し「LION 26111」、ライオン事務器社製)を押圧荷重1kgfで2回擦り、画像濃度の残存率を反射濃度計「X−Rite model 404」(商品名、X−Rite社製)により測定し、以下の4段階のランク評価を行なった。
A:画像濃度残存率が90%以上。
B:画像濃度残存率が80%以上90%未満。
C:画像濃度残存率が70%以上80%未満。
D:画像濃度残存率が70%未満。
画像濃度残存率が高いものほど、画像の定着強度が大きく、厚紙定着性に優れることを示す。その結果を表4(「定着性」の項)に示す。
<保管安定性の評価>
20ccガラス瓶に10ccの液体現像剤を入れて、40℃に設定した恒温槽で24時間保管した。保管前後の粒径を粒度分布計(商品名:「SALD−2200」、島津製作所社製)にて測定した。
保管後の平均粒径/保管前の平均粒径が1以上1.1未満のものを「A」、1.1以上1.2未満のものを「B」、1.2以上1.3未満のものを「C」、1.3以上のものを「D」とした。
上記比が小さいものほど、保管性に優れていることを示す。その結果を表4(「保管性」の項)に示す。
<ドキュメントオフセット性の評価>
図1に示した画像形成装置を用い、実施例および比較例の液体現像剤のベタパターン(10cmx10cm、付着量:2mg/m2)を128g/cm2のコート紙上に形成した。引き続き、ヒートローラで定着した(180℃×ニップ時間80msec)。各サンプルについて同様のサンプルを2枚作製し、サンプルのベタ画像同士を重なるようにセットし、10g/cm2の重りを上に乗せた状態で50℃に設定した恒温槽で1週間放置する。
放置後サンプルを取り出し、室温まで冷却し、剥がして以下の4段階のランク評価を行った。
A:剥がれなし。
B:トナーもしくは紙のコート層が僅かに剥落する。
C:トナーもしくは紙のコート層が全体的に剥落する。
D:紙が破れる。
その結果を表4(「DO」の項)に示す。
なお、画像形成装置のプロセス条件およびプロセスの概略は以下の通りである。
<プロセス条件>
システム速度:40cm/s
感光体:負帯電OPC
帯電電位:−700V
現像電圧(現像ローラ印加電圧):−450V
転写電圧(転写ローラ印加電圧):+600V
現像前コロナCHG:針印加電圧−3〜5kVで適宜調整
<プロセスの概略>
図1は、電子写真方式の画像形成装置1の概略概念図である。まず、液体現像剤2は、供給ローラ3によりくみあげられ、規制ブレード4によりすりきられることにより、供給ローラ3上で所定厚みの液体現像剤の薄層が形成される(なお、アニロックスローラの場合は、ローラの掘り込みに液体現像剤が充填されており、規制ローラによって規定量が計量される)。
次いで、供給ローラ3から現像ローラ5上に液体現像剤の薄層が移動し、現像ローラ5と感光体6とのニップでトナー粒子が感光体6上に移動することにより、感光体6上にトナー画像が形成される。その後、感光体6とバックアップローラ10とのニップで記録媒体11上にトナー画像が転写され、ヒートローラ12によりその画像が定着される。なお、画像形成装置1は、上記以外にもクリーニングブレード7、クリーニングブレード8、荷電装置9を備えている。
Figure 2012058389
表4に示されるように、樹脂I(ビニル系共重合体樹脂)中の第2モノマーの比率、および、樹脂II(ポリエステル樹脂)中に含まれる3官能以上の芳香族化合物の割合が、本発明の範囲内にある実施例1〜13の液体現像剤は、定着性、保管安定性(保管性)、ドキュメントオフセット(DO)が一定のレベル(各評価のA〜Cの範囲内)に維持されている。これに対して、樹脂I中の第2モノマーの比率、および、樹脂II中に含まれる3官能以上の芳香族化合物の割合が、本発明の範囲外である比較例1〜4の液体現像剤は、定着性、保管性、DOのうち、いずれかの評価がDであり、定着性、保管性、DOのいずれかにおいて問題があった。
なお、実施例7においては、樹脂I(ビニル系共重合体樹脂)の比率が少ないため液体保持性が高くなり、ドキュメントオフセットがやや悪化したものと考えられる。比較例5では、さらに樹脂Iの比率が少ないためドキュメントオフセット性がさらに悪化している。一方、実施例12においては、樹脂II(ポリエステル樹脂)の比率が少ないためシャープメルト性が低くなり、厚紙定着性がやや悪化したものと考えられる。比較例6では、さらに樹脂IIの比率が少ないため厚紙定着性がさらに悪化している。
また、実施例13においては、分散剤としてピロリドン基を有していない分散剤を使用したため、保管安定性がやや悪化したものと考えられる。酸性の分散剤を使用した比較例7においては、保管安定性がさらに悪化している。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置、2 液体現像剤、3 供給ローラ、4 規制ブレード、5 現像ローラ、6 感光体、7 クリーニングブレード、8 クリーニングブレード、9 荷電装置、10 バックアップローラ、11 記録媒体、12 ヒートローラ。

Claims (4)

  1. トナー粒子、絶縁性液体および分散剤を含む液体現像剤であって、
    前記トナー粒子は、少なくとも、樹脂と、該樹脂中に分散された顔料とを含み、
    前記樹脂は、樹脂Iおよび樹脂IIを含み、
    前記樹脂Iと前記樹脂IIの質量比は、樹脂I:樹脂II=1:9〜9:1であり、
    前記樹脂Iは、前記炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン、アクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)、およびメタクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第1モノマーと、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第2モノマーと、を含む複数のモノマーを構成モノマーとするビニル系共重合体樹脂であり、
    前記第2モノマーの比率は、前記第1モノマーおよび前記第2モノマーの総量に対して5〜25モル%であり、
    前記樹脂IIは、酸成分として3官能以上の芳香族化合物を全酸成分に対して5モル%以上50モル%以下の割合で含む、ポリエステル樹脂であり、
    前記分散剤は塩基性の高分子分散剤である、液体現像剤。
  2. 前記樹脂Iと前記樹脂IIの質量比は、樹脂I:樹脂II=1:2〜2:1である、請求項1記載の液体現像剤。
  3. 前記3官能以上の芳香族化合物は、トリメリット酸である、請求項1または2に記載の液体現像剤。
  4. 前記塩基性の高分子分散剤は、ピロリドン基を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の液体現像剤。
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JP2016038403A (ja) * 2014-08-05 2016-03-22 富士ゼロックス株式会社 液体現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP2016090843A (ja) * 2014-11-06 2016-05-23 東洋インキScホールディングス株式会社 液体現像剤、及び印刷物
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