JP2012242557A - 液体現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー粒子中の着色剤濃度を高めることにより高い着色濃度の画像を得ることが可能な液体現像剤を提供する。
【解決手段】液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体と分散剤とを含み、トナー粒子は、着色剤と樹脂とを含み、着色剤は、特定構造式で表わされる亜鉛フタロシアニン顔料を含み、着色剤と樹脂との含有割合は、樹脂100質量部に対して、着色剤が10〜40質量部である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる液体現像剤に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像剤としては、従来より粉体状の現像剤が用いられてきた(特許文献1)。このような粉体状の現像剤(所謂トナー)は、着色剤である顔料を樹脂中に分散したものであるが、粒径を小さくすると分散性が悪くなり、均一に帯電することが困難になるという問題があることから、その粒径の下限値を5〜6μm以上にする必要があった。しかしながら、当該装置により形成される画像は、上記粒径が小さいものほど高画質となるため、その粒径をより小さくすることが求められていた。
このため、液体中で分散性を制御することができ、トナー粒子の粒径をより小さくすることが可能な液体現像剤が注目されている。
特開2003−302792号公報
液体現像剤に含まれるトナー粒子は、上記のような技術背景からその粒径としては1〜4μm程度の微小粒径のものが求められ、特にオフセット印刷ライクの商品写真や背景画像のように豊かな階調のカラー画質においてその傾向が顕著である。
しかしながら、このような微小粒径のトナー粒子において、所望とする高い着色力を実現するためにトナー粒子に含まれる着色剤の濃度を高めると、着色剤として通常の顔料を用いた場合、その顔料濃度を増加させても、着色濃度は飽和してしまい、ある濃度以上の着色濃度を得ることはできなかった。しかも、顔料濃度を過度に増加させると、着色濃度の増加が得られないにもかかわらず、逆に彩度や光沢が低下するという問題があった。このため、従来技術においては、トナー粒子に含まれる顔料の濃度は、樹脂100質量部に対して10質量部未満とされ、10質量部以上では透明性が低下するなどの理由から不適とされていた(特許文献1の段落[0062])。
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、トナー粒子中の着色剤濃度を高めることにより高い着色濃度の画像を得ることが可能な液体現像剤を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために様々な検討を繰り返したところ、顔料濃度を増加させても着色濃度が飽和してしまう原因は、トナー粒子中において顔料粒子の分散性が低下し、顔料粒子の凝集が発生するためであるとの知見が得られ、この知見に基づき、顔料粒子の分散性の改善を種々検討した結果、ある種の顔料を用いるとトナー粒子中における分散性が飛躍的に改善されるとの知見が得られた。本発明は、この知見に基づき、さらに検討を重ねることにより完成されたものである。
すなわち、本発明の液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体と分散剤とを含み、該トナー粒子は、着色剤と樹脂とを含み、該着色剤は、以下の構造式(1)で表わされる亜鉛フタロシアニン顔料を含み、該着色剤と該樹脂との含有割合は、該樹脂100質量部に対して、該着色剤が10〜40質量部であることを特徴とする。
Figure 2012242557
(式中R1、R2、R3、R4は、それぞれ水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルキレン基、または炭素数1〜8のアルコキシ基のいずれかを示し、m、n、p、qは、それぞれ1または2を示す)。
ここで、該着色剤は、該亜鉛フタロシアニン顔料と他の顔料とを含むことが好ましく、該他の顔料は、銅フタロシアニン顔料であることが好ましい。
また、該亜鉛フタロシアニン顔料は、5以下のアスペクト比を有することが好ましく、また、50〜300nmの平均一次粒子径を有することが好ましい。
本発明の液体現像剤は、上記のような構成を有することにより、トナー粒子中の着色剤濃度を高めることにより高い着色濃度の画像を得ることが可能であるという優れた効果を示す。
画像形成装置の断面図である。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
<液体現像剤>
本発明の液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体と分散剤とを含む。かかる液体現像剤は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえば荷電制御剤、粘度調整剤等を挙げることができる。ここで、各成分の含有割合は、たとえばトナー粒子を10〜50質量%、絶縁性液体を50〜89.9質量%、および分散剤をトナー粒子の質量に対して0.1〜10質量%とすることができる。
トナー粒子の配合割合が10質量%未満の場合、トナー粒子の沈降が生じやすく、長期保管時の経時的な安定性が低下する場合がある。また、必要な画像濃度を得るため、多量の液体現像剤を供給する必要があり、紙上に付着する絶縁性液体が増加し、定着時に乾燥する必要があり絶縁性液体の蒸気が発生し環境上の問題が生じる場合がある。一方、トナー粒子の配合割合が50質量%を超える場合には、液体現像剤の粘度が高くなりすぎ、製造上および取扱い上困難になる場合がある。
また、このような液体現像剤の粘度は、25℃において0.1mPa・s以上10000mPa・s以下であることが好ましい。10000mPa・sを超えると、絶縁性液体とトナー粒子とを撹拌させることが困難となる場合があり、均一な液体現像剤を得るための装置面での負担が大きくなる場合がある。また、0.1mPa・s未満では、現像プロセスでのトナー粒子の薄層形成が困難となる場合がある。
このような液体現像剤は、電子写真方式の画像形成装置用の現像剤として有用である。
<トナー粒子>
本発明の液体現像剤に含まれるトナー粒子は、通常絶縁性液体に相溶せず絶縁性液体中に分散された状態で存在し、少なくとも、着色剤と樹脂とを含む。かかるトナー粒子は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえばワックス、荷電制御剤等を挙げることができる。
このようなトナー粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、高画質の画像を得ることを目的として、0.5〜4μm、より好ましくは1〜3μmとすることが好適である。これらの粒径は、従来用いられていた粉体状現像剤(乾式現像剤)のトナー粒子の粒径に比べて小さく、本発明の特徴の一つとなるものである。
トナー粒子の粒径が0.5μm未満の場合、着色剤を樹脂中に充分に分散させることが困難となる場合があり、製造時の粒径および形状の制御が困難となるとともに現像性等の特性が悪化する場合がある。一方、粒径が4μmを超えると画像の品質が低下する。
なお、本発明でいうトナー粒子の粒径とは、平均粒径を意味し、各種の粒度分布計により体積平均粒径として特定することができる。
<着色剤>
本発明の着色剤は、上記の構造式(1)で表わされる亜鉛フタロシアニン顔料を含むことを特徴とする。本発明の着色剤は、トナー粒子中において樹脂中に分散された状態で存在するが、構造式(1)で表わされる亜鉛フタロシアニン顔料を含むことにより、トナー粒子中で顔料粒子の凝集が防止され顔料粒子の良好な分散性が得られるようになる。したがって、本発明のトナー粒子においては、樹脂100質量部に対して、着色剤を10〜40質量部というように極めて高濃度で含有することができ、以って本発明の液体現像剤を用いて得られる画像は極めて高い着色濃度を備えたものとなる。
本発明の着色剤が、上記の構造式(1)で表わされる亜鉛フタロシアニン顔料を含むことにより、なぜ上記のような優れた効果を示すのか、その詳細なメカニズムは未だ明らかではないが、恐らく亜鉛フタロシアニン顔料は、平均一次粒子径が小さく微細でかつ粗大粒子が少なく、また、アスペクト比が従来使用される針状等のシアニン系顔料と比較して小さく形状が整っており、顔料粒子自身の凝集性が小さくほぐれ易いためではないかと推察される。このことにより、トナー粒子中での分散性が良好となると考えられる。また、トナー粒子の作成方法、たとえば粉砕法あるいは造粒法等の製法によらず、トナー粒子表面の顔料粒子の存在確率が小さくなり、現像剤としての特性(たとえば、帯電性等)も安定したものとなる。
ここで、上記の構造式(1)で表わされる亜鉛フタロシアニン顔料としては、R1、R2、R3、R4が、それぞれ水素原子、もしくは炭素数が1〜8のアルキル基、炭素数が1〜8のアルキレン基、炭素数が1〜8のアルコキシ基であるものが好ましく、水素原子、もしくは炭素数が1〜4のアルキル基、炭素数が1〜4のアルキレン基、炭素数が1〜4のアルコキシ基であるものが更に好ましい。特に無置換亜鉛フタロシアニン顔料(すなわち、構造式(1)においてR1、R2、R3、R4が全て水素原子であるもの)がより好ましい。なお、構造式(1)において、R1、R2、R3、R4それぞれの置換位置は特に限定されることはない。また、R1、R2、R3、R4は同一の置換基であっても良いし、それぞれ異なった置換基を示しても良い。また、m、n、p、qは、全て同じ数字であっても良いし、異なっていても良い。
また、本発明の亜鉛フタロシアニン顔料は、以下のような物性値および特性を有することにより、上述の画像性能に加えて、液体現像剤に要求される安全性および製造安定性が改善されるとともに、上述の分散性能の向上と相俟って、トナー粒子の帯電性、現像性、転写性等が改善され、長期に渡る保管安定性や高温環境下での耐久安定性も確保されることとなる。
すなわち、まず本発明の亜鉛フタロシアニン顔料は、50〜300nmの平均一次粒子径を有していることが好ましく、100〜200nmの平均一次粒子径を有していることがより好ましい。平均一次粒子径が300nmを超えると着色剤を高濃度で使用した場合に所望の画像濃度(ID)、彩度、光沢度が得られない場合がある。また、平均一次粒子径が50nm未満の場合は、亜鉛フタロシアニン顔料粒子が凝集する傾向を示し、トナー粒子中での分散性が悪化する。ここで、平均一次粒子径とは、一次粒子の粒子径の平均値をいい、一次粒子とは、結晶粒子が他の結晶粒子と凝集することなく、単独で存在している粒子をいう。
また、このような亜鉛フタロシアニン顔料において、350nm以上の粒子径を有する一次粒子の個数が、全亜鉛フタロシアニン顔料粒子中、10%以下となることが好ましい。より好ましくは、5%以下である。これにより、トナー粒子中の亜鉛フタロシアニン顔料濃度を高めることができ、また着色濃度が飽和するという現象をも防止することができる。
また、本発明の亜鉛フタロシアニン顔料は、5以下のアスペクト比を有していることが好ましく、3以下のアスペクト比を有していることがより好ましい。ここで、アスペクト比とは、一次粒子の短径と長径の比をいう。アスペクト比が5を超える場合はトナー粒子中の着色剤の分散性が不十分となる場合が多く、またトナー粒子表面に亜鉛フタロシアニン顔料粒子が露出しやすくなり帯電性等に悪影響を及ぼす場合がある。
また、本発明の亜鉛フタロシアニン顔料は、ハロゲンを含む官能基を有していないことが好ましく、樹脂に実質的に可溶な成分を含まないことが好ましい。
なお、本発明において、上記平均一次粒子径とアスペクト比とは、それぞれ以下のようにして求めることができる。すなわち、平均一次粒子径は、公知の方法により測定、算出が可能であり、たとえば、透過型電子顕微鏡により撮影された亜鉛フタロシアニン顔料の写真画像により算出することが可能である。具体的には以下の手順で行なうことができる。
(1)透過型電子顕微鏡を用いて倍率3万倍の写真撮影を行ない、この写真画像をスキャナにて以下の画像処理解析装置に取り込む。
(2)画像処理解析装置(商品名:「LUZEX AP」、ニレコ社製)にて、上記写真画像中の顔料粒子について2値化処理し、100個の顔料粒子について水平フェレ径を算出し、その平均値を平均一次粒子径とする。ここで、水平フェレ径とは、写真画像中の顔料粒子の外郭を、画像の縦方向の2本の平行な直線で挟んだときに得られる2本の直線間の距離を意味する。
また、アスペクト比は、100個の顔料粒子について上記の水平フェレ径とともに垂直フェレ径を求め、両者の長短をそのまま長径および短径とし、その両者の平均値の比をアスペクト比とする。ここで、垂直フェレ径とは、写真画像中の顔料粒子の外郭を、画像の横方向の2本の平行な直線で挟んだときに得られる2本の直線間の距離を意味する。
なお、350nm以上の粒子径を有する一次粒子の個数は、上記100個の顔料粒子について、上記水平フェレ径が350nm以上となるものの個数を示すものとする。
本発明の着色剤は、トナー粒子中において、樹脂100質量部に対して、10〜40質量部というように極めて高濃度で含有されることを特徴とするものであるが、より好ましくは12〜35質量部、さらに好ましくは15〜30質量部である。また、この着色剤のうち亜鉛フタロシアニン顔料の含有量は、樹脂100質量部に対して、0.5〜40質量部、より好ましくは1〜35質量部、さらに好ましくは2〜33質量部であり、所望とする色調、濃度、光沢度、彩度により適宜調整が可能である。亜鉛フタロシアニン顔料の含有割合が0.5質量部未満では、着色剤の分散性向上等の所望の効果が得られない場合があり、30質量部を超えるとトナー粒子の付着量に対する画像濃度(ID)の改善効果が小さくなり、また定着性能、光沢度等が悪化する。
上記のような含有割合からも明らかなように、本発明の着色剤は、亜鉛フタロシアニン顔料のみで構成されていても良いし、亜鉛フタロシアニン顔料と他の顔料とを含んでいても良い。
このような他の顔料としては、たとえば次のような顔料を挙げることができる。
ブラック系の顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。
シアン系の顔料としては、銅フタロシアニン顔料、フタロシアニングリーン顔料、アルミニウムフタロシアニン顔料等を挙げることができ、より具体的には、C.I.ピグメントブルー15:1、同15:3、同15:4、同16、同60、C.I.ピグメントグリーン7等を挙げることができる。
マゼンタ系の顔料としては、C.I.ピグメントレッド23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同202、同206、同207、同209、同220、C.I.ピグメントバイオレット19等を挙げることができる。
イエロー系の顔料としては、C.I.ピグメントイエロー3、同17、同74、同93、同101、同108、同109、同111、同120、同128、同138、同151、同154、同173、同174、同180、同185、同199等を挙げることができる。
上記のような他の顔料の中でも、特に銅フタロシアニン顔料を用いることが好ましく、亜鉛フタロシアニン顔料と銅フタロシアニン顔料とを併用してシアントナーとして好適に用いることができる。このように亜鉛フタロシアニン顔料と銅フタロシアニン顔料とを併用する場合、従来特に高含有化が困難とされていた銅フタロシアニン顔料を高濃度で含有することができ、従来困難とされたブルーからグリーン領域での画像の色域を広げることが可能となる。このように本発明の亜鉛フタロシアニン顔料は、それ自体が良好な分散性を示すことにより、優れた着色力と透明性を有するばかりではなく、他の顔料、特に銅フタロシアニン顔料に対して良好な分散作用を示すという特徴を有している。
ここで、特に好ましい銅フタロシアニン顔料としてはC.I.ピグメントブルー15:3である。C.I.ピグメントブルー15:3はブルーの色域の再現に優れており、本発明の亜鉛フタロシアニン化合物がグリーンの色域の再現に優れていることから、本発明の亜鉛フタロシアニン顔料1質量部に対してC.I.ピグメントブルー15:3を0.1〜10質量部用いることで優れた色再現性が得られる。このC.I.ピグメントブルー15:3の混合量が10質量部を超えると、グリーンの色再現が劣化して好ましくない。なお、本発明の亜鉛フタロシアニン顔料とC.I.ピグメントブルー15:3は別々に組み合わせて用いることが可能であるが、固溶体を形成して用いることも可能である。
また、上記の他の顔料としては、カーボンブラック等の黒色顔料を併用することも好ましく、黒トナーとして好適に用いることができる。
なお、本発明の着色剤は、染料を含むことができる。たとえば、シアン用染料として、C.I.ソルベントブルー63、同67、同70、C.I.ソルベントグリーン28等を挙げることができ、前記のシアン系の顔料と同様に本発明の亜鉛フタロシアニン顔料と組み合わせて用いることが可能である。これらの染料は、樹脂100質量部に対し0.2〜15質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が好ましい。10質量部を超える場合は、樹脂のガラス転移温度を低下させる場合があり、液体現像剤としての耐熱保管性が悪化したり、現像不良等が発生する場合があり、また、帯電ローラ、定着ローラ等に染料が移行することによる画像欠陥が発生する場合もある。
なお、本発明の着色剤は、上記のように染料を含むことができるが、コスト、耐光性、着色性等の観点から、染料よりも顔料を使用することが好ましい。
本発明で用いる亜鉛フタロシアニン顔料は、たとえば尿素法(ワイラー法)あるいはニトリル法と呼ばれる公知の方法により粗製亜鉛フタロシアニンを合成した後、顔料化(一次粒子の制御)、後処理(二次粒子の制御)を行なった後、濾過・洗浄を行なった上でプレスケーキ状態であるいはパウダー化して使用される。
<樹脂>
本発明のトナー粒子に含まれる樹脂は、結着樹脂とも呼ばれ、着色剤をその樹脂中に均一に分散させる機能と、記録材に定着される際の結着剤としての機能とを主として奏するものである。このような樹脂としては、この種の樹脂として従来公知の樹脂を特に限定することなく使用できるが、非晶質および/または結晶性のポリエステル樹脂を用いることが好ましい。熱特性等の特性を広範囲に変化させることができ、耐熱保管性(非晶質の場合はガラス転移温度確保)と低温定着性(低軟化温度)の両立が図り易く、透光性、延展性、粘弾性に優れるためである。
また、このような樹脂としては、ポリエステル樹脂以外にも、たとえば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることもできる。これらの樹脂は、各単独で用いても良いし、複数のものを混合して用いても良い。
<絶縁性液体>
本発明の液体現像剤に含まれる絶縁性液体は、常温で不揮発性であり、電気的に絶縁性を示すもの(たとえば抵抗値が1011〜1016Ω・cmの範囲のもの)が好ましい。この範囲の抵抗値を有すれば、通常静電潜像を乱すことがないためである。さらに、このような絶縁性液体としては、臭気および毒性がないものが好ましい。
このような絶縁性液体としては、たとえば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン等を挙げることができる。特に、臭気、無害性、コストの観点から、ノルマルパラフィン系溶媒、イソパラフィン系溶媒が好ましい。より具体的には、松村石油研究所社製のモレスコホワイトP40(商品名)、同P60(商品名)、同P120(商品名)、アイソパー(商品名、エクソン化学社製)、シェルゾール71(商品名、シェル石油化学社製)、IPソルベント1620(商品名、出光石油化学社製)、IPソルベント2028(商品名、出光石油化学社製)等を挙げることができる。
<分散剤>
本発明の液体現像剤に含まれる分散剤は、通常トナー粒子の表面に吸着し、これを絶縁性液体中に安定的に分散させる作用を有するものである。このような分散剤は、絶縁性液体に対して可溶性であることが好ましい。
このような分散剤としては、トナー粒子を安定に分散させるものである限り特に限定されるものではなく、たとえば界面活性剤、高分子分散剤等の一般的な油溶性分散剤を用いることができる。
なお、上記の樹脂として酸価が比較的高いポリエステル樹脂を用いる場合は、塩基性の高分子分散剤を用いることが好ましい。特に、長期に渡り保管安定性を満足するものとしては、N−ビニルピロリドン基を有する塩基性高分子分散剤を好適な例として挙げることができる。
N−ビニルピロリドン基を有する塩基性高分子分散剤としては、たとえばN−ビニル−2−ピロリドンとメタクリル酸エステルとのランダム共重合体またはグラフト共重合体などを挙げることができる。この場合、メタクリル酸エステルに変えて、アクリル酸エステルやアルキレン化合物等との共重合体であっても良い。このようなメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルのアルキル基の炭素数は10〜20程度が好ましく、アルキレン化合物の炭素数は10〜30程度が好ましい。
さらに、N−ビニルピロリドン基を有する塩基性高分子分散剤として、市販品を用いることも可能である。一例として、「Antaron V−216」、「Antaron V−220」(いずれもGAF/ISP Chemicals社製の商品名)等がある。
<調製方法>
本発明の液体現像剤の調製方法としては、一般に用いられる技法に基づいて調製することができる。たとえば、加圧ニーダ、ロールミルなどを用いて、樹脂と着色剤とを所定の含有割合で溶融混練し、着色剤を樹脂中に均一に分散させる。次いで、このようにして得られた分散体を、たとえばジェットミル(ジェット粉砕機)により微粉砕する。そして、微粉砕された粉末を、たとえば風力分級機などにより分級することによって、所定の粒径のトナー粒子を得る。
続いて、分散剤の共存下、得られたトナー粒子を絶縁性液体と所定の配合比で混合する。この混合物をボールミルやサンドミル等の分散手段を用いて均一に分散させることにより、液体現像剤が得られる。
一方、水および/または有機溶媒液(混合媒体を含む)中でトナー粒子を造粒する方法を採用することもできる。この場合、液体現像剤中の絶縁性液体を有機溶媒として用いることができるとともに、この絶縁性液体と容易に置換可能な有機溶媒を用いることもできる。
<画像形成方法>
本発明の液体現像剤は、複写機、簡易印刷機、プリンタなどの電子写真方式の画像形成装置において用いられ、画像が形成される。これらの画像形成装置は、一般的に電子写真方式の画像形成プロセスが共通して用いられている。以下、図1を参照して、本発明の液体現像剤を用いた画像形成方法を説明する。
図1は、画像形成装置の全体構成例の一例を示している。ただし、画像形成プロセスに係わる構成要素のみを図示している。このため、記録材の給紙、搬送、排紙に係わる構成要素は簡略的に示されている。
図1の画像形成装置10は、像担持体としての感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、湿式現像装置4、クリーニング装置6を備えている。さらに、画像形成装置10は、中間転写体としての中間転写ローラ5と、二次転写ローラ7とを備えている。
図1においては、湿式現像装置4が一台のみ配置されているが、カラー画像形成のために複数台配置されていても良い。カラー現像の方式や中間転写の有無などは任意に設定すれば良く、それに合わせた任意の配置構成をとることができる。本画像形成装置10では、中間転写ローラ5を用いているが、これに変えて中間転写ベルトの形態をとることもできる。
感光体ドラム1は、表面に感光体層(図示せず)が形成された円筒形状であって、図1における矢印A方向に回転する。感光体ドラム1の外周には、クリーニング装置6、帯電装置2、露光装置3、湿式現像装置4、および中間転写ローラ5が、この感光体ドラム1の回転方向に沿って順次配置されている。
帯電装置2は、感光体ドラム1の表面を所定電位に帯電させる。露光装置3は、感光体ドラム1の表面に光を照射し照射領域内の帯電レベルを低下させて静電潜像を形成する。
湿式現像装置4は、感光体ドラム1上に形成された潜像を現像する。すなわち、感光体ドラム1の現像領域へ液体現像剤8を搬送し、その液体現像剤8に含まれるトナー粒子(図示せず)を感光体ドラム1の表面の静電潜像に供給してトナー画像を形成する。
この湿式現像装置4は、一般的には、表面に液体現像剤8の薄層(図示せず)を担持し、像担持体である感光体ドラム1上の潜像を現像する現像ローラ41、現像ローラ41に当接して、その表面に液量調整された液体現像剤8を転移させる搬送ローラ42、そしてその搬送ローラ42に当接して、その表面に現像剤槽44内の液体現像剤8を供給する供給ローラ43、および液体現像剤8の供給量を調整する規制ブレード45を備える。
現像のプロセスにおいては、湿式現像装置4の現像ローラ41に電源(図示せず)からトナー粒子と同極性の現像バイアス電圧が印加される。同じくトナー粒子と同極性の感光体ドラム1上の潜像の電位とのバランスで電界の大小差が形成され、潜像に従って液体現像剤8中のトナー粒子が感光体ドラム1に静電吸着され、感光体ドラム1上の潜像が現像される。
中間転写ローラ5は、感光体ドラム1と対向するように配置されており、感光体ドラム1と接触しながら矢印B方向に回転する。この中間転写ローラ5と感光体ドラム1とのニップ部で、感光体ドラム1から中間転写ローラ5への一次転写が行なわれる。
一次転写プロセスにおいては、中間転写ローラ5に、電源(不図示)からトナー粒子と逆極性の転写バイアス電圧が印加される。これにより、一次転写位置における中間転写ローラ5と感光体ドラム1との間に電界が形成され、感光体ドラム1上のトナー像が、中間転写ローラ5に静電吸着され、中間転写ローラ5上に転写される。
トナー画像が中間転写ローラ5に転写されると、クリーニング装置6が感光体ドラム1上の残存トナーを除去し、次の画像形成が行なわれる。
中間転写ローラ5と二次転写ローラ7とは、記録材9を挟んで対向するように配置されており、記録材9を介して接触回転する。この中間転写ローラ5と二次転写ローラ7とのニップ部で、中間転写ローラ5から記録材9への二次転写が行なわれる。
記録材9は、二次転写のタイミングに合わせて二次転写位置へ矢印C方向に搬送される。
二次転写プロセスにおいては、二次転写ローラ7に、電源(図示せず)からトナー粒子と逆極性の転写バイアス電圧が印加される。これにより、中間転写ローラ5と二次転写ローラ7との間に電界が形成され、中間転写ローラ5と二次転写ローラ7との間を通過させた記録材9上へ中間転写ローラ5上のトナー画像が静電吸着され、記録材9上に転写される。ここで、記録材9としては、紙、コート紙、樹脂フィルム、金属フィルム等を挙げることができる。
定着部は、対向配置され接触回転する一対の定着ローラ9a、9bを備える。定着ローラ9a、9bには、それぞれ熱源(図示せず)が設けられており、この定着ローラ9a、9b間を記録材9が通過すると、その記録材9が高温下で加圧される。これにより、記録材9上でトナー画像を形成するトナー粒子が記録材9に融着し定着する。このようにして、記録材9上に画像が形成される。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<樹脂の合成>
還流冷却器、水・アルコール分離装置、窒素ガス導入管、温度計および攪拌装置を備えた丸底フラスコに、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を1600質量部(多価アルコール)、テレフタル酸を550質量部(多価塩基酸)、そしてトリメリット酸を340質量部入れ、攪拌しながら窒素ガスを導入し、230℃の温度で脱水重縮合または脱アルコール重縮合を行なった。さらに重縮合反応を1時間熟成させた後、210℃、40kPaの条件にて所望の分子量となるまで反応させたところで反応系の温度を100℃以下に下げ、重縮合を停止させた。このようにして熱可塑性ポリエステル樹脂(「ポリエステル樹脂A」と記す)を得た。
得られたポリエステル樹脂Aは、Mw=7500、Mn=2700、Tg=62.3℃、酸価=64.0mgKOH/gであった。なお、上記Mwは「質量平均分子量」を表わし、Mnは「数平均分子量」を表わす。またTgはガラス転移温度である。
上記MwおよびMnは、それぞれゲルパーミエイションクロマトグラフィーの結果から算出した。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーは、高速液体クロマトグラフポンプ(商品名:「TRI ROTAR−V型」、日本分光社製)、紫外分光検出器(商品名:「UVDEC−100−V型」、日本分光社製)、50cm長さのカラム(商品名:「Shodex GPC A−803」、昭和電工社製)を用いて行なった。そのクロマトグラフィーの結果から、被検試料の分子量をポリスチレンを標準物質として算出することにより、ポリスチレン換算MwおよびMnとして求めた。
なお、被検試料はポリエステル樹脂A0.05gを20mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたものを用いた。
上記Tgは、示差走査熱量計(商品名:「DSC−6200」、セイコーインスツルメンツ(株)製)を用い、試料量20mg、昇温速度10℃/minの条件で測定した。
上記酸価は、JIS K5400法の条件で測定した。
<亜鉛フタロシアニン顔料Aの合成>
下記一般式(2)の化合物(式中Rは水素原子であり、nは1である)を13g、臭化亜鉛を5.9g、ジメチルホルムアミド100mlを混合して100℃に加熱後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン42mlを2時間かけて添加し、さらに100℃で4時間撹拌した。反応混合物からジメチルホルムアミド層を分液して採り、ここにメタノール375ml、水125mlの混合溶媒を1時間かけて添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をメタノールで洗浄することにより、亜鉛フタロシアニン顔料Aを得た。
Figure 2012242557
このようにして得られた亜鉛フタロシアニン顔料Aは、上記の式(1)中のR1、R2、R3、R4の全てが水素原子であり(便宜上m、n、p、qは全て1とする)、アスペクト比が1.8であり、平均一次粒子径は77nmであり、350nm以上の粒子径を有する一次粒子の個数は0%であった。
<亜鉛フタロシアニン顔料Bの合成>
亜鉛フタロシアニン顔料Aの合成においてメタノール/水の混合溶媒を45分かけて添加すること以外は同様の方法で合成することにより、亜鉛フタロシアニン顔料Bを得た。
このようにして得られた亜鉛フタロシアニン顔料Bは、上記の式(1)中のR1、R2、R3、R4の全てが水素原子であり(便宜上m、n、p、qは全て1とする)、アスペクト比が2.2であり、平均一次粒子径は120nmであり、350nm以上の粒子径を有する一次粒子の個数は0%であった。
<亜鉛フタロシアニン顔料Cの合成>
上記一般式(2)の化合物(式中Rはt−ブチル基であり、nは1である)を18.6g、臭化亜鉛を5.9g、ジメチルホルムアミド100mlを混合して100℃に加熱後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン42mlを2時間かけて添加し、さらに100℃で4時間撹拌した。反応混合物からジメチルホルムアミド層を分液して採り、ここにメタノール375ml、水125mlの混合溶媒を1.5時間かけて添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をメタノールで洗浄することにより、亜鉛フタロシアニン顔料Cを得た。
このようにして得られた亜鉛フタロシアニン顔料Cは、上記の式(1)中のR1、R2、R3、R4の全てがt−ブチル基であり、m、n、p、qの全てが1であり(ただし置換位置は任意)、アスペクト比が2.6であり、平均一次粒子径は170nmであり、350nm以上の粒子径を有する一次粒子の個数は0.5%であった。
<亜鉛フタロシアニン顔料Dの合成>
上記一般式(2)の化合物(式中Rはt−ブトキシ基であり、nは2である)を20.2g、臭化亜鉛を5.9g、ジメチルホルムアミド100mlを混合して100℃に加熱後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン42mlを2時間かけて添加し、さらに100℃で4時間撹拌した。反応混合物からジメチルホルムアミド層を分液して採り、ここにメタノール375ml、水125mlの混合溶媒を1.5時間かけて添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をメタノールで洗浄することにより、亜鉛フタロシアニン顔料Dを得た。
このようにして得られた亜鉛フタロシアニン顔料Dは、上記の式(1)中のR1、R2、R3、R4の全てがt−ブトキシ基であり、m、n、p、qの全てが2であり(ただし置換位置は任意)、アスペクト比が2.6であり、平均一次粒子径は170nmであり、350nm以上の粒子径を有する一次粒子の個数は12%であった。
<亜鉛フタロシアニン顔料Eの合成>
上記一般式(2)の化合物(式中Rはt−ブトキシ基であり、nは2である)を27.5g、臭化亜鉛を5.9g、ジメチルホルムアミド100mlを混合して100℃に加熱後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン42mlを2時間かけて添加し、さらに100℃で4時間撹拌した。反応混合物からジメチルホルムアミド層を分液して採り、ここにメタノール375ml、水125mlの混合溶媒を1.5時間かけて添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をメタノールで洗浄することにより、亜鉛フタロシアニン顔料Eを得た。
このようにして得られた亜鉛フタロシアニン顔料Eは、上記の式(1)中のR1、R2、R3、R4の全てがt−ブトキシ基であり、m、n、p、qの全てが2であり(ただし置換位置は任意)、アスペクト比が2.8であり、平均一次粒子径は210nmであり、350nm以上の粒子径を有する一次粒子の個数は5%であった。
<液体現像剤1>
樹脂として上記のポリエステル樹脂Aを100質量部、および着色剤として亜鉛フタロシアニン顔料A20質量部と銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)40質量部とをヘンシェルミキサーで十分混合した後、二軸押出混練機で十分溶融混練した後、冷却した。その後、2mmの開口径をパスするようにこの混合物を粗粉砕し、上記樹脂と上記着色剤とからなるマスターバッチを得た。
次いで、上記で得られたマスターバッチにさらにポリエステル樹脂A100質量部を加えて、上記同様ヘンシェルミキサーで十分混合した後、二軸押出混練機で十分溶融混練し、その後、冷却した。続いて、この混合物を粗粉砕した後、ジェット粉砕機にて体積平均粒径が5μmとなるように微粉砕することにより、上記樹脂と上記着色剤とを含むトナー粒子を得た。
次いで、上記で得られたトナー粒子34質量部、分散剤として塩基性高分子分散剤(商品名:「ソルスパースS13940」、日本ルーブリゾール社製)0.25質量部、および絶縁性液体として流動パラフィン(商品名:「IP−2028」、引火点84℃、出光興産社製)100質量部と、分散メディアとしてのジルコニアビーズ(直径0.5mm)100質量部とを混合し、サンドミルにて120時間撹拌することにより、液体現像剤1を得た。この液体現像剤1におけるトナー粒子の体積平均粒径は2.4μmであった。
<液体現像剤2>
上記の液体現像剤1に対して、亜鉛フタロシアニン顔料Aに変えて上記の亜鉛フタロシアニン顔料Bを用いることを除き、他は全て液体現像剤1と同様にして液体現像剤2を得た。この液体現像剤2におけるトナー粒子の体積平均粒径は2.7μmであった。
<液体現像剤3>
上記の液体現像剤1に対して、亜鉛フタロシアニン顔料Aに変えて上記の亜鉛フタロシアニン顔料Cを用いることを除き、他は全て液体現像剤1と同様にして液体現像剤3を得た。この液体現像剤3におけるトナー粒子の体積平均粒径は2.6μmであった。
<液体現像剤4>
上記の液体現像剤1に対して、亜鉛フタロシアニン顔料Aに変えて上記の亜鉛フタロシアニン顔料Dを用いることを除き、他は全て液体現像剤1と同様にして液体現像剤4を得た。この液体現像剤4におけるトナー粒子の体積平均粒径は2.7μmであった。
<液体現像剤5>
上記の液体現像剤1に対して、亜鉛フタロシアニン顔料Aに変えて上記の亜鉛フタロシアニン顔料Eを用いることを除き、他は全て液体現像剤1と同様にして液体現像剤5を得た。この液体現像剤5におけるトナー粒子の体積平均粒径は3.1μmであった。
<液体現像剤6>
樹脂として上記のポリエステル樹脂Aを100質量部、および着色剤として亜鉛フタロシアニン顔料A60質量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、二軸押出混練機で十分溶融混練した後、冷却した。その後、2mmの開口径をパスするようにこの混合物を粗粉砕し、上記樹脂と上記着色剤とからなるマスターバッチを得た。
次いで、上記で得られたマスターバッチにさらにポリエステル樹脂A100質量部を加えて、上記同様ヘンシェルミキサーで十分混合した後、二軸押出混練機で十分溶融混練し、その後、冷却した。続いて、この混合物を粗粉砕した後、ジェット粉砕機にて体積平均粒径が5μmとなるように微粉砕することにより、上記樹脂と上記着色剤とを含むトナー粒子を得た。
次いで、上記で得られたトナー粒子34質量部、分散剤として塩基性高分子分散剤(商品名:「ソルスパースS13940」、日本ルーブリゾール社製)0.25質量部、および絶縁性液体として流動パラフィン(商品名:「IP−2028」、引火点84℃、出光興産社製)100質量部と、分散メディアとしてのジルコニアビーズ(直径0.5mm)100質量部とを混合し、サンドミルにて120時間撹拌することにより、液体現像剤6を得た。この液体現像剤6におけるトナー粒子の体積平均粒径は2.2μmであった。
<液体現像剤7>
樹脂として上記のポリエステル樹脂Aを100質量部、および着色剤として銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)60質量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、二軸押出混練機で十分溶融混練した後、冷却した。その後、2mmの開口径をパスするようにこの混合物を粗粉砕し、上記樹脂と上記着色剤とからなるマスターバッチを得た。
次いで、上記で得られたマスターバッチにさらにポリエステル樹脂A100質量部を加えて、上記同様ヘンシェルミキサーで十分混合した後、二軸押出混練機で十分溶融混練し、その後、冷却した。続いて、この混合物を粗粉砕した後、ジェット粉砕機にて体積平均粒径が5μmとなるように微粉砕することにより、上記樹脂と上記着色剤とを含むトナー粒子を得た。
次いで、上記で得られたトナー粒子34質量部、分散剤として塩基性高分子分散剤(商品名:「ソルスパースS13940」、日本ルーブリゾール社製)0.25質量部、および絶縁性液体として流動パラフィン(商品名:「IP−2028」、引火点84℃、出光興産社製)100質量部と、分散メディアとしてのジルコニアビーズ(直径0.5mm)100質量部とを混合し、サンドミルにて120時間撹拌することにより、液体現像剤7を得た。この液体現像剤7におけるトナー粒子の体積平均粒径は3.1μmであった。
<液体現像剤8>
上記の液体現像剤1に対して、顔料の添加量を亜鉛フタロシアニン化合物A6質量部および銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)12質量部に変えることを除き、他は全て液体現像剤1と同様にして液体現像剤8を得た。この液体現像剤8におけるトナー粒子の体積平均粒径は2.5μmであった。
<液体現像剤9>
上記の液体現像剤1に対して、顔料の添加量を亜鉛フタロシアニン化合物A33質量部および銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)66質量部に変えることを除き、他は全て液体現像剤1と同様にして液体現像剤9を得た。この液体現像剤9におけるトナー粒子の体積平均粒径は2.8μmであった。
<液体現像剤10>
上記の液体現像剤1に対して、顔料の添加量を亜鉛フタロシアニン化合物A26質量部および銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)52質量部に変えることを除き、他は全て液体現像剤1と同様にして液体現像剤10を得た。この液体現像剤10におけるトナー粒子の体積平均粒径は2.8μmであった。
なお、上記の液体現像剤中、液体現像剤1〜6および10が本発明の実施例であり、液体現像剤7〜9が比較例である。
<評価>
<画像の形成>
上記で得られた液体現像剤1〜10のそれぞれを、図1に示した画像形成装置10の現像剤槽44に充填することにより、記録材9上に画像を形成した。
上記記録材としては、コート紙(商品名:OKトップコート・+(A3−2000s 127.9g)、株式会社立川紙業製)を用い、画像は液体現像剤の付着量が1.0g/m2、1.25g/m2、1.5g/m2というように異なる3種類のソリッド画像とした。画像の形成条件は、以下の通りである。
システム速度を180mm/sとし、感光体は負帯電のOPC(有機感光体)を用いた。感光体の帯電電位は−700Vとし、現像電圧は−450Vとし、転写電圧は+600Vとした。定着はヒートローラ定着とし、定着温度は170℃と190℃の2種類設定し、それぞれニップ時間は40msとした。
このようにして、各液体現像剤毎に、3種類の付着量および2種類の定着温度を採用した、合計6種のソリッド画像を得た。
<光沢評価>
上記で得られたそれぞれのソリッド画像について、光沢評価装置(商品名:「Gloss Meter」、村上色彩工学研究所社製)を用い、かつ入射角を75°に設定することにより光沢度を測定した。光沢度は、ソリッド画像の中央部および四隅の5点を測定し、その平均値として求めた。評価は以下のようにして行ない、Aが最も光沢度が優れており、B、C、Dの順に光沢度が低下することを示している。
A:光沢度が60以上でかつ定着温度が異なる(170℃と190℃)2種のソリッド画像における光沢度の差異が10以下の場合。
B:光沢度が60以上でかつ定着温度が異なる(170℃と190℃)2種のソリッド画像における光沢度の差異が15以下の場合。
C:光沢度が60以上でかつ定着温度が異なる(170℃と190℃)2種のソリッド画像における光沢度の差異が20未満の場合。
D:光沢度が60以上でかつ定着温度が異なる(170℃と190℃)2種のソリッド画像における光沢度の差異が20以上の場合、または光沢度が60未満の場合。
結果を以下の表1に示す。
<画像濃度>
画像を形成していない上記のコート紙について、透過濃度計(商品名:「TD−904」、マクベス社製)を用いて、光沢度の測定同様に、中央部および四隅の5点の濃度(絶対画像濃度)を測定し、その平均値を求めることにより、その平均値を白紙濃度とした。
次に、上記で形成したソリッド画像のそれぞれについて、上記と同様、中央部および四隅の5点の濃度(絶対画像濃度)を測定し、その平均値を求め、その平均値と上記白紙濃度との差を画像濃度とした。評価は以下のようにして行ない、Aが最も高い着色濃度を有しており、B、C、Dの順に着色濃度が低下することを示している。
A:透過濃度(ID)が1.3以上でかつ定着温度が異なる(170℃と190℃)2種のソリッド画像における透過濃度の差異が0.2以下の場合。
B:透過濃度(ID)が1.2以上でかつ定着温度が異なる(170℃と190℃)2種のソリッド画像における透過濃度の差異が0.2以下の場合。
C:透過濃度(ID)が1.1以上でかつ定着温度が異なる(170℃と190℃)2種のソリッド画像における透過濃度の差異が0.2以下の場合。
D:透過濃度(ID)が1.1未満または定着温度が異なる(170℃と190℃)2種のソリッド画像における透過濃度の差異が0.2を超える場合。
結果を以下の表1に示す。
Figure 2012242557
表1より明らかなように、実施例の液体現像剤は、比較例の液体現像剤に比し、高い着色濃度が得られた。また、実施例の液体現像剤は、比較例の液体現像剤に比し、光沢度が優れていることから、実施例の液体現像剤中のトナー粒子において顔料が良好に分散していることが示された。
なお、液体現像剤8では、所望の着色濃度が得られなかったため、液体現像剤の付着料を2.0g/m2に増加させたところ、定着性の悪化が確認された。これは、液体現像剤の付着量の増加に伴い絶縁性液体の付着量も増加するため、絶縁性液体を揮発させるために必要なエネルギー量が増加したこと、および記録材上のトナー粒子の付着量が増加したことにより折り曲げ強度が低下したことが原因と考えられる。
また、液体現像剤9においても、上記の液体現像剤8と同様に所望の定着性が得られず、折り曲げ強度およびこすり強度がともに低下し、光沢度の著しい低下が確認された。これは、トナー粒子中において着色剤の含有割合が高いことにより、樹脂への均一な分散が困難となり、所謂フィラー効果が発現したこと(溶融困難となったこと)、およびトナー粒子の表面に着色剤が露出する割合が増加したことにより、記録材への定着時に樹脂と記録材とが接触する割合が低下し、これにより定着性が低下したことが原因と考えられる。さらに、上記の結果として記録材上の画像(トナー粒子)表面の平滑性が低下したこと(粗くなったこと)により、光沢度が著しく低下したものと考えられる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 感光体ドラム、2 帯電装置、3 露光装置、4 湿式現像装置、5 中間転写ローラ、6 クリーニング装置、7 二次転写ローラ、8 液体現像剤、9 記録材、9a,9b 定着ローラ、10 画像形成装置、41 現像ローラ、42 搬送ローラ、43 供給ローラ、44 現像剤槽、45 規制ブレード。

Claims (5)

  1. トナー粒子と絶縁性液体と分散剤とを含み、
    前記トナー粒子は、着色剤と樹脂とを含み、
    前記着色剤は、以下の構造式(1)で表わされる亜鉛フタロシアニン顔料を含み、
    前記着色剤と前記樹脂との含有割合は、前記樹脂100質量部に対して、前記着色剤が10〜40質量部である、液体現像剤。
    Figure 2012242557
    (式中R1、R2、R3、R4は、それぞれ水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルキレン基、または炭素数1〜8のアルコキシ基のいずれかを示し、m、n、p、qは、それぞれ1または2を示す)。
  2. 前記着色剤は、前記亜鉛フタロシアニン顔料と他の顔料とを含む、請求項1記載の液体現像剤。
  3. 前記他の顔料は、銅フタロシアニン顔料である、請求項2記載の液体現像剤。
  4. 前記亜鉛フタロシアニン顔料は、5以下のアスペクト比を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の液体現像剤。
  5. 前記亜鉛フタロシアニン顔料は、50〜300nmの平均一次粒子径を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の液体現像剤。
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