JP6269211B2 - 液体現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置等に用いられる液体現像剤に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる静電潜像現像用トナーにおいて、黄色の画像を得るものとしては、C.I.Pigment No.(カラーインデックスピグメントナンバー)で特定されるイエロー着色剤が広く知られている。このようなイエロー着色剤の種類は極めて多い。たとえば、特開平5−19538号公報(特許文献1)には、C.I.ピグメントイエロー180を含有するトナー粒子を含む液体現像剤が開示されており、特開2010−277074号公報(特許文献2)には、特定の構造を有する色素化合物とC.I.ピグメントイエロー155とを含む乾式トナーが開示されている。また、特開2006−113295号公報(特許文献3)には、C.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー139とを含む乾式トナーが開示されている。
特開平5−19538号公報 特開2010−277074号公報 特開2006−113295号公報
電子写真方式の画像形成装置に用いられる一般的な乾式トナー(乾式現像剤ともいう)は、樹脂と着色剤とを主成分として含むが、樹脂中に含まれる着色剤の割合は乾式トナーの全質量に対して通常10質量%以下である。この割合は、トナー粒子の粒径と画像濃度との関係で決まる。紙等の記録媒体上のトナー粒子の付着量、すなわち画像膜厚は、通常トナー粒子単層の厚みとほぼ等しいことから、トナー粒子の粒径が画像濃度に反映されるためである。
一方、液体現像剤(湿式現像剤ともいう)は、高画質および安全性等の観点からトナー粒子の粒径が乾式現像剤に比べて小さいという特徴がある。この液体現像剤に含まれるトナー粒子も樹脂と着色剤とを主成分とするが、記録媒体上の画像濃度を確保するためにはトナー粒子の粒径が小さくなるのに相応して着色剤の割合を高める必要がある。また、近年の高画質および低コストの要求を満たすためには、紙等の記録媒体上のトナー粒子の付着量をより減少させる必要があることから、低付着量でも適正な画像濃度を満たすことのできる液体現像剤が望まれる。
このような要望を満たすためには、着色力の高い着色剤を高濃度で含有させる必要があると考えられる。着色力の高いイエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー185(C.I.Pigment Yellow 185)が挙げられる。しかし、C.I.ピグメントイエロー185は、分散性および分散安定性が悪い。このため、C.I.ピグメントイエロー185を着色剤として用い、その含有量を増加させた場合にはトナー粒子の定着性が低下するという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、C.I.ピグメントイエロー185を含みながらも、定着性の低下が抑制され、かつ適正な画像濃度が得られる液体現像剤を提供することにある。
本発明者らは、C.I.ピグメントイエロー185の分散性の向上と適正な画像濃度の維持とを両立するためには、着色剤用分散剤の添加量を増やして分散性を向上させるという思想では足りないと考えた。この場合、画像濃度の低下が引き起こされたり、樹脂の可塑化が引き起こされ、定着強度が低下したりするためである。そこで、本発明者らは着色能力を有するものを用いてトナー粒子中でのC.I.ピグメントイエロー185の分散性を向上させるべく鋭意研究を行ったところ、C.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー139(C.I.Pigment Yellow 139)とを併用することによってC.I.ピグメントイエロー185の分散性が向上することを知見した。本発明は、この知見に基づいてさらに鋭意検討を重ねることによって完成されたものである。
すなわち、本発明は、樹脂と着色剤とを含むトナー粒子が絶縁性液体に分散されてなる液体現像剤であって、着色剤は、C.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー139とを含み、トナー粒子における、C.I.ピグメントイエロー185の含有量とC.I.ピグメントイエロー139の含有量との合計含有量は、25〜60質量%である。
上記絶縁性液体において、C.I.ピグメントイエロー185の含有量とC.I.ピグメントイエロー139の含有量との合計含有量に対するC.I.ピグメントイエロー139の含有量の比率は、2〜40%であることが好ましい。
上記絶縁性液体において、トナー粒子は着色剤用分散剤を含み、絶縁性液体100gに対する着色剤用分散剤の溶解度は0.1〜10mgであることが好ましい。
上記絶縁性液体において、着色剤用分散剤のアミン価は10〜80mgKOH/gであることが好ましい。
上記絶縁性液体において、分散剤はカプロラクトン構造を有することが好ましい。
本発明の液体現像剤は、C.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー139とを併用することによって、これらのトナー粒子における含有量を20〜60質量%という高濃度にすることができ、もって、C.I.ピグメントイエロー185を含みながらも、定着性の低下が抑制され、かつ適正な画像濃度が得られる。
電子写真方式の画像形成装置の概略概念図である。
以下、本発明に係る実施の形態についてさらに詳細に説明する。
[液体現像剤の構成]
本実施の形態の液体現像剤は、樹脂と着色剤とを含むトナー粒子が絶縁性液体に分散されてなる液体現像剤であって、着色剤は、C.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー139とを含み、トナー粒子における、C.I.ピグメントイエロー185の含有量とC.I.ピグメントイエロー139の含有量との合計含有量は、25〜60質量%である。なお、トナー粒子における「A」の含有量とは、トナー粒子の全量に対して、トナー粒子中に含まれる「A」の質量%を意味する。
かかる液体現像剤は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえばトナー分散剤(トナー粒子に含まれる後述の着色剤用分散剤とは異なり、トナー粒子を分散させるために絶縁性液体中に含まれる分散剤であり、本実施の形態では便宜上「トナー分散剤」という)、荷電制御剤、増粘剤等を挙げることができる。
液体現像剤の配合割合は、たとえばトナー粒子を1〜50質量%とし、残部を絶縁性液体等とすることができ、より好ましいトナー粒子の配合割合は10〜50質量%である。トナー粒子の配合量が1質量%未満では、トナー粒子の沈降が生じやすく、長期保管時の経時的な安定性が低下する傾向を示す。また必要な画像濃度を得るためには多量の液体現像剤を供給する必要があり、紙等の記録媒体上に付着する絶縁性液体の量が増加し、定着時にそれを乾燥させる必要が生じるとともに発生したその蒸気により環境上の問題が生じる可能性がある。一方、トナー粒子の配合量が50質量%を超えると、液体現像剤の粘度が高くなりすぎ、その取扱いが困難になる傾向を示す。
また、液体現像剤の粘度は、25℃において0.1mPa・s以上10000mPa・s以下とすることが好ましい。10000mPa・sを超えると、液体現像剤を撹拌することが困難となり、絶縁性液体中にトナー粒子を均一に分散させることができず液体現像剤を得るための装置面での負担が大きくなる場合がある。一方、0.1mPa・s未満では、トナー粒子の沈降が生じやすく、長期保管時の経時的な安定性が低下し、画像濃度が不安定となる場合がある。
本実施形態の液体現像剤は、複写機、プリンタ、デジタル印刷機もしくは簡易印刷機等の電子写真方式の画像形成装置において用いられる電子写真用液体現像剤、塗料、静電記録用液体現像剤、インクジェットプリンタ用油性インク、または、電子ペーパー用インクとして有用である。
以下、液体現像剤に含まれる各成分について説明する。
<トナー粒子>
トナー粒子は、樹脂と、樹脂に分散された着色剤とを含む。紙等の記録媒体へのトナー粒子の付着量を所定の範囲内とした場合に所望の画像濃度が得られるように、トナー粒子における樹脂および着色剤のそれぞれの含有量を決定することが好ましい。トナー粒子は、樹脂および着色剤以外に、着色剤用分散剤、ワックスまたは荷電制御剤等を含んでも良い。
トナー粒子は、そのメジアン径D50が0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。かかるメジアン径D50は、従来の乾式現像剤のトナー粒子の粒径よりも小さく、本実施形態の特徴の一つである。トナー粒子のメジアン径D50が0.5μm以上であれば、電界でのトナー粒子の移動性が良好となるので、現像性が高く維持される。一方、トナー粒子のメジアン径D50が5.0μm以下であれば、トナー粒子の粒径が均一となるので、画質に優れた画像が得られる。より好ましくは、トナー粒子のメジアン径D50は0.5μm以上2.0μm以下である。なお、「トナー粒子のメジアン径D50」は、トナー粒子の粒度分布を体積基準で測定したときのメジアン径D50を意味する。
トナー粒子は、その円形度の平均値(平均円形度)が0.85以上0.95以下であることが好ましく、その円形度の標準偏差が0.01以上0.1以下であることが好ましい。これにより、転写率が高くなり、クリーニング性が向上する。「トナー粒子の円形度」は、トナー粒子の投影面積と等しい面積を有する円の周囲長を、検知されたトナー粒子の周囲長さで除した値を意味する。「トナー粒子の平均円形度」は、トナー粒子の円形度の相加平均値を意味する。
トナー粒子のメジアン径D50、トナー粒子の平均円形度、および、トナー粒子の円形度の標準偏差は、いずれも、フロー式粒子像分析装置(たとえばシスメックス株式会社製の商品名「FPIA−3000S」)を用いて求めることができる。この装置では、絶縁性液体を分散媒体として使用できる。そのため、この分析装置を用いれば、水を分散媒体として使用して測定する場合に比べてトナー粒子が絶縁性液体に分散している状態での当該トナー粒子のメジアン径D50等を測定できる。
(着色剤)
本実施の形態のトナー粒子に含まれる着色剤は、少なくともC.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー139とを含み、トナー粒子における、C.I.ピグメントイエロー185の含有量とC.I.ピグメントイエロー139の含有量との合計含有量は25〜60質量%であることを特徴とする。C.I.ピグメントイエロー185は、高い着色力を有するものの分散性が低く自己凝集し易いという特徴がある。一方、C.I.ピグメントイエロー139は、前者に比べて着色力は劣るものの、分散性が高く、経時安定性も高い。
なお、本発明において単に「着色剤」という場合は、このようなC.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー139を含む包括的表現(トナー粒子に含まれる着色剤成分の全体を表わす表現)とする。また、トナー粒子における着色剤の含有量とは、トナー粒子の全量に対する着色剤の含有量(質量%)を意味する。
本実施の形態に係る液体現像剤は、C.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー139とを含むことにより、単独では分散性の低いC.I.ピグメントイエロー185の分散性を向上させることができるため、C.I.ピグメントイエロー185を高濃度に含有させても定着性の低下を抑制することができる。より具体的には、本実施の形態のトナー粒子における、C.I.ピグメントイエロー185の含有量とC.I.ピグメントイエロー139の含有量との合計含有量を25〜60質量%という極めて高濃度に設計することができ、これにより、紙等の記録媒体上へのトナー粒子の付着量が約3.0g/m2以下という低付着量であっても、適正な画像濃度が得られるという優れた効果を有する。
ここで、C.I.ピグメントイエロー185は上述のように分散性が低いため、トナー粒子中にC.I.ピグメントイエロー139を含有させずにC.I.ピグメントイエロー185のみを含有させた場合では、分散性(すなわちトナー粒子の定着性)とのバランスの観点から、その適正値は8質量%程度となる。この程度の含有量では、適正な画像濃度を得ることは難しく、ましてや、上記のような低付着量の場合には画像濃度はさらに低下する。また、C.I.ピグメントイエロー139は分散性は高いものの、着色力の点でC.I.ピグメントイエロー185に劣るため、その含有量のみを増加させても十分な画像濃度を得ることは難しい。
これに対し、トナー粒子中にC.I.ピグメントイエロー185とともにC.I.ピグメントイエロー139を含有させることにより、C.I.ピグメントイエロー185の分散性を向上させることができる。このため、C.I.ピグメントイエロー185とともにC.I.ピグメントイエロー139とを併用することにより、トナー粒子におけるC.I.ピグメントイエロー185の含有割合を高めることができ、故に、その合計含有量を上記のような高濃度にすることができる。
この理由は明確ではないが、高い分散性を有するC.I.ピグメントイエロー139の化学構造がC.I.ピグメントイエロー185の化学構造と類似していることが関係していると考えられる。なお、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー139は、ともにイソインドリン顔料である。
また、本実施の形態において、トナー粒子におけるC.I.ピグメントイエロー185の含有量は10〜45質量%であることが好ましく、20〜45質量%であることがより好ましい。この場合、さらに上記効果に優れることができる。一方、トナー粒子におけるC.I.ピグメントイエロー185の含有量が10質量%未満の場合、画像濃度が低下する傾向があり、45質量%を超えると定着性が低下する傾向がある。
また、本実施の形態において、トナー粒子におけるC.I.ピグメントイエロー139の含有量は0.5〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。この場合、さらに上記効果に優れることができる。一方、トナー粒子におけるC.I.ピグメントイエロー139の含有量が0.5質量%未満の場合、定着性が低下する傾向があり、15質量%を超えると画像濃度が低下する傾向がある。
さらに、本実施の形態において、上記合計含有量に対するC.I.ピグメントイエロー139の含有量の比率は、2〜40%であることが好ましく、4〜40%であることがより好ましい。この場合、さらに上記効果に優れることができる。この理由は明確ではないが、C.I.ピグメントイエロー139によるC.I.ピグメントイエロー185の分散性の向上と、C.I.ピグメントイエロー185による高い着色力のバランスに優れるためと考えられる。
液体現像剤のトナー粒子中にC.I.ピグメントイエロー185が含まれるかどうかは、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴により得られたスペクトル、GCMS(Gas Chromatograph Mass Spectrometer)、熱分解GCMSにより確認することができる。液体現像剤のトナー粒子中にC.I.ピグメントイエロー139が含まれるかどうかについても同様の方法により確認することができる。
また、液体現像剤のトナー粒子中におけるC.I.ピグメントイエロー185の含有量は次のようにして測定することができる。まず、遠心分離等を用いて液体現像剤を固液分離することによりトナー粒子を得る。得られたトナー粒子を熱分解GCMSに供し、C.I.ピグメントイエロー185由来のピーク面積から、その含有量を算出する。液体現像剤のトナー粒子中におけるC.I.ピグメントイエロー139の含有量も同様の方法により測定することができる。
本実施の形態において、トナー粒子に含まれる着色剤は、少なくともC.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー139とを含む限り、他の公知の着色剤を任意に含むことができる。
たとえば、黒色の着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックを挙げることができる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同6、同7、同15、同16、同48:1、同53:1、同57:1、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同149、同150、同163、同166、同170、同177、同178、同184、同202、同206、同207、同209、同222、同238、同269等を挙げることができる。
オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー12、同14、同15、同17、同74、同83、同93、同94、同138、同155、同162、同180等を挙げることができる。
グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2、同3、同15、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17、同60、同62、同66、C.I.ピグメントグリーン7等を挙げることができる。
染料としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同33、同44、同56、同61、同77、同79、同80、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を挙げることができる。
上述のような着色剤は、トナー粒子に含まれる樹脂中に分散しており、所望の色調を発現するという作用を有する。このような着色剤の粒径は、500nm以下が好ましく、より好ましくは300nm以下であり、さらに好ましくは200nm以下である。着色剤の粒径が500nmを超えると画像の色彩値がずれ、所望の色彩が得られない場合がある。さらに、着色剤の分散性が悪くなり、所望の画像濃度が得られない場合がある。着色剤の粒径の下限値は特に限定されない。着色剤の粒径は、超音波方式粒度分布・ゼータ電位測定装置(商品名:「DT1200」、Dispertion Technology社製)により測定できる。
トナー粒子中に含まれる着色剤の総含有量は、20〜60質量%であることが好ましい。着色剤の総含有量が60質量%を超えると、相対的に樹脂の含有量が低下するため、トナー粒子の定着性が低下する傾向がある。一方、着色剤の総含有量が20質量%未満であると、十分な着色効果を得られ難い傾向がある。
(樹脂)
トナー粒子に含まれる樹脂は、主として着色剤を記録媒体上に定着させる作用を有するものであり、熱可塑性であればいかなる樹脂でも良い。たとえばポリスチレン樹脂、スチレンアクリル系共重合樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アニリン樹脂、ユリア樹脂、ケイ素樹脂等を挙げることができる。
その中でも、シャープメルト性を有するポリエステル樹脂が好ましく用いられる。ポリエステル樹脂は、熱特性等の特性を広範囲に変化させることができるとともに、透光性、延展性、粘弾性に優れるためである。このようにポリエステル樹脂は、透光性に優れることから、カラー画像を得る場合に美しい色彩を得ることができ、また延展性および粘弾性に優れることから紙等のメディア上に形成された画像(樹脂膜)が強靭で、しかもそのメディアと強力に接着することができる。
ポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が500以上5000以下であることが好ましく、より好ましくは500以上3500以下である。数平均分子量が500未満では顔料との均一分散が困難となる場合がある。一方、数平均分子量が5000を超えると、記録媒体への定着時に要するエネルギが大きくなり好ましくない場合がある。樹脂のMnは、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
また、ポリエステル樹脂は、熱可塑性を示し、60℃以上85℃以下のガラス転移点(Tg)を有することが好ましい。ガラス転移点が60℃未満の場合、保管安定性が悪化する場合があり、85℃を超えると、画像を定着させるエネルギが著しく増加し経済的に不利であるばかりか画像形成装置の各部に熱的ダメージを与えやすく、また定着温度が低い場合には画像の光沢が低下する場合がある。より好ましいガラス転移点は、60℃以上75℃以下である。本実施の形態において、樹脂のガラス転移温度は示差走査熱量計「DSC−6200」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて測定される値である。
さらに、樹脂中へ絶縁性液体が浸入しにくくなること、樹脂が膨潤しにくいこと、トナー粒子の凝集を抑制することといった観点から、酸価を有するポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは30mgKOH/g以上である。酸価が高い方が、架橋構造を有するようになり、樹脂の剛直性が増し、対向するローラ間でのトナー粒子の凝集に対してより優位になるからである。ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K5400に規定された条件で測定される。
上述の樹脂は、1種単独で、または2種以上を組合わせて用いることができ、コア/シェル型の構造を有するものであってもよい。樹脂がコア/シェル型の構造を有する場合は、通常トナー粒子全体としてコア/シェル型の構造となり、着色剤はそのコア部分およびシェル部分のいずれに含まれていてもよく、またコア部分とシェル部分の双方に含まれていてもよい。トナー粒子がコア/シェル構造を有することにより、トナー粒子のメジアン径D50およびトナー粒子の円形度等を制御し易くなる。
(着色剤用分散剤)
本実施の形態の液体現像剤において、上記のようにC.I.ピグメントイエロー185はC.I.ピグメントイエロー139と共存させることにより分散性が向上するものであるが、樹脂中において着色剤をさらに均一に分散させるために、トナー粒子中に着色剤用分散剤を含むことができる。
本実施の形態において、着色剤用分散剤は塩基性高分子からなる塩基性分散剤が好ましい。C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー139は上述のようにイソインドリン顔料であり、その化学構造から塩基性高分子化合物に分散され易いためである。
ここで、塩基性分散剤とは、以下に定義されるものをいう。すなわち、着色剤用分散剤0.5gと蒸留水20mlとをガラス製スクリュー管に入れ、ペイントシェーカーを用いて30分間振り混ぜた後、ろ過することにより得られた濾液のpHをpHメータ(商品名:「D−51」、堀場製作所社製)を用いて測定し、そのpHが7より大きい場合を塩基性分散剤とする。なお、そのpHが7より小さい場合は、酸性分散剤と呼ぶものとする。
このような塩基性分散剤は、その種類は特に限定されない。たとえば、分散剤の分子内にアミン基、アミノ基、アミド基、ピロリドン基、イミン基、イミノ基、ウレタン基、四級アンモニウム基、アンモニウム基、ピリジノ基、ピリジウム基、イミダゾリノ基、およびイミダゾリウム基等の官能基を有する化合物(分散剤)を挙げることができる。なお分散剤とは、通常、分子中に親水性の部分と疎水性の部分とを有するいわゆる界面活性剤が該当するが、着色剤を分散させる作用を有する限り、種々の化合物を用いることができる。
また、本実施形態において、絶縁性液体100gに対する着色剤用分散剤の溶解度は0.1〜10mgであることが好ましい。溶解度が10mgを超える場合、着色剤用分散剤が絶縁性液体に溶解することによって絶縁性液体の電気抵抗が低くなり、これにより液体現像剤の荷電量が低下するために現像特性が悪化する傾向がある。なお、上記溶解度とは、25℃における絶縁性液体100gに対する着色剤用分散剤の溶解する質量(mg)である。
着色剤用分散剤の溶解度は次のようにして算出することができる。すなわち、まず絶縁性液体100gを25℃で撹拌しながら、着色剤用分散剤を連続的に滴下する。着色剤用分散剤が絶縁性液体に溶解しなくなった時点で滴下を終了し、絶縁性液体中に滴下された着色剤用分散剤の総量が、絶縁性液体100gに対する着色剤用分散剤の溶解度(mg)である。
上記溶解度は絶縁性液体の種類によって変化するが、たとえば味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−821」(商品名)、「アジスパーPB−822」(商品名)、「アジスパーPB−881」(商品名)、「アジスパーPB−817」(商品名)や日本ルーブリゾール社製の「ソルスパーズ32000」(商品名)、「ソルスパーズ32500」(商品名)、「ソルスパーズ35100」(商品名)、「ソルスパーズ37500」(商品名)、「ソルスパーズ39000」(商品名)、「ソルスパーズ13240」(商品名)、「ソルスパーズ13940」(商品名)、「ソルスパーズ41000」(商品名)、「ソルスパーズ71000」(商品名)等であれば、一般的に液体現像剤に用いられる絶縁性液体の全てに対し、上記範囲の溶解度を示す。
また、本実施形態において、着色剤用分散剤のアミン価は10〜80mgKOH/gであることが好ましい。このような着色剤用分散剤を用いることにより、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー139の分散性がより効果的に向上する。一方、アミン価が80mgKOH/gを超える場合、着色剤の分散性が悪化することによって定着性や色再現性が低下する傾向があり、10mgKOH/g未満の場合、着色剤用分散剤が絶縁性液体中に溶解し易くなり、これにより液体現像剤の荷電量が低下するために現像特性や転写特性が悪化する傾向がある。
着色剤用分散剤のアミン価とは、着色剤用分散剤をトルエン等の有機溶媒に溶解させて、塩酸(HCl)にて中和滴定する際の、塩基性分散剤1gの中和滴定に必要なHClと当量のKOHの質量(mg)を意味する。したがって、着色剤用分散剤のアミン価は、HClを用いてこれを中和滴定することにより算出することができる。
上記アミン価を満たす着色剤用分散剤の市販品としては、たとえば味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−821」(商品名)、「アジスパーPB−822」(商品名)、「アジスパーPB−881」(商品名)、「アジスパーPB−817」(商品名)や日本ルーブリゾール社製の「ソルスパーズ32000」(商品名)、「ソルスパーズ35100」(商品名)、「ソルスパーズ39000」(商品名)、「ソルスパーズ71000」(商品名)等を挙げることができる。
また、本実施形態において、着色剤用分散剤は、カプロラクトン構造を有することが好ましい。このような着色剤用分散剤を用いることにより、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー139の分散性がより効果的に向上する。
カプロラクトン構造を有する市販品としては、たとえば味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−821」(商品名)、「アジスパーPB−822」(商品名)、「アジスパーPB−881」(商品名)、「アジスパーPB−817」(商品名)等を挙げることができる。
上述の着色剤用分散剤の添加量は、着色剤に対して、1〜100質量%添加することが好ましい。より好ましくは、1〜40質量%である。1質量%未満では、着色剤の分散性が不十分となる場合があり、必要なID(画像濃度)が達成できないとともに、転写性、定着強度が低下する場合がある。また100質量%を超えると、着色剤の分散に対する必要量以上の着色剤用分散剤が添加されることになり、トナー粒子の荷電性や定着強度に悪影響を及ぼす場合がある。
また、着色剤用分散剤は、2種以上を用いても良い。たとえば、C.I.ピグメントイエロー185の分散に特に優れた着色剤用分散剤(A)と、C.I.ピグメントイエロー139の分散に特に優れた着色剤用分散剤(B)とを併用してもよい。C.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー139とはその化学構造が類似しているため、たとえば、上記着色剤用分散剤(A)によってC.I.ピグメントイエロー185の分散性が低下したり、上記着色剤用分散剤(B)によってC.I.ピグメントイエロー139の分散性が低下したりする可能性が極めて低い。このため、上記着色剤用分散剤(A)および上記着色剤用分散剤(B)を併用することにより、さらに着色剤の分散性を向上させることができる。着色剤用分散剤(A)としては、味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−821」(商品名)、「アジスパーPB−822」(商品名)を挙げることができ、着色剤用分散剤(B)としては味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−817」(商品名)を挙げることができる。
なお、液体現像剤中に含まれるトナー粒子中に含まれる顔料分散剤は、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴により得られたスペクトル、GCMS等により、その化学構造を特定することができる。また、顔料分散剤の化学構造が特定されれば、そのアミン価および絶縁性液体に対する溶解度は、特定された顔料分散剤を入手し、これを用いて上述のそれぞれの方法で測定することにより得ることができる。
<絶縁性液体>
絶縁性液体は、静電潜像を乱さない程度(1011〜1016Ω・cm程度)の抵抗値を有する溶媒であって臭気および毒性が低い溶媒であることが好ましい。絶縁性液体としては、一般に、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、または、ポリシロキサン等を挙げることができ、臭気、毒性およびコスト等の観点から、ノルマルパラフィン系溶媒またはイソパラフィン系溶媒等を用いることが好ましい。
たとえば、松村石油研究所社製の「モレスコホワイト」(商品名)、エクソンモービル社製の「アイソパー」(商品名)、シェル石油化学社製の「シェルゾール」(商品名)、出光興産社製の「IPソルベント1620」、「IPソルベント2028」または「IPソルベント2835」(いずれも商品名)などを挙げることができる。なお、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<その他の添加剤>
本実施の形態の液体現像剤は、さらにトナー分散剤を含んでもよい。トナー分散剤は、上述のようにトナー粒子を絶縁性液体中に安定的に分散させる作用を有するものであり、このため、通常はトナー粒子の表面部に存在(吸着)している。このような分散剤は、絶縁性液体に対して可溶性であることが好ましく、たとえば界面活性剤、高分子分散剤等を用いることができる。
なかでも、トナー粒子を構成する樹脂との関係から、トナー分散剤としては塩基性の高分子分散剤を用いることが好ましい。これは、恐らくトナー粒子を構成するポリエステル樹脂の酸価が高くなる場合において、塩基性の高分子分散剤を用いることにより、これら両者の相互作用によりトナー粒子の良好な分散性が長期間に亘り安定化されるためではないかと考えられる。
トナー分散剤の市販品としては、たとえばGAF/ISP Chemicals社製の「Antaron V−216」(商品名)、「Antaron V−220」(商品名)、「Antaron WP−660」(商品名)、日本ルーブリゾール社製の「ソルスパーズ11200」(商品名)、「ソルスパーズ13940」(商品名)、「ソルスパーズ28000」(商品名)、等を挙げることができる。
<製造方法>
本実施の形態の液体現像剤は、たとえば造粒法、粉砕法等の従来公知の方法に基づいて製造することができ、その製造方法は特に限定されるものではない。しかしながら、造粒法は、粉砕法に比べエネルギー効率に優れ、工程数も少なくなるため最も好適な製造方法の一つである。このような造粒法は、均一な粒径分布の小径のトナー粒子を容易に得ることができるという観点からも好適な製造方法である。
このような造粒法は、より詳細には懸濁重合法、乳化重合法、微粒子凝集法、樹脂溶液に貧溶媒を添加し析出する法、スプレードライ法等がある。また、重合法も、連続相を水系にし、トナー粒子を作成後、液をオイル(絶縁性液体)に置換する方法や、直接オイル(絶縁性液体)中で重合する方法等を挙げることができる。
また、小径でシャープな粒度分布を有するトナー粒子を得るためには、造粒法を用いてトナー粒子を製造することが好ましい。溶融性の高い樹脂や結晶性の高い樹脂は、常温でも柔らかい。そのため、このような樹脂と顔料等の着色剤とが混練されたものを粉砕し難い。一方、造粒法であれば、このような樹脂を含むトナー粒子の粒径を所望の大きさにすることができる。
特に、コア/シェル構造のトナー粒子を得るためには、造粒法の中でも、次に示す方法を用いてトナー粒子を製造することが好ましい。まず、良溶媒に樹脂を溶解させてコア樹脂形成用溶液を得る。次に、良溶媒とはSP値の異なる貧溶媒に上記コア樹脂形成用溶液を界面張力調整剤(シェル樹脂の材料)とともに混合し、せん断を与えて液滴を形成する。その後、良溶媒を揮発させる。このようにして、コア樹脂からなる粒子を得る。この方法では、せん断の与え方、界面張力差または界面張力調整剤等を変えることにより、トナー粒子の粒径またはトナー粒子の形状を容易に制御できる。
<画像形成>
本実施の形態に係る液体現像剤は、画像形成装置を用いて画像を形成することができる。画像形成装置の構成は、特に限定されず、たとえば、単色の液体現像剤が感光体から中間転写体へ一次転写後に記録媒体に二次転写される単色画像形成装置、単色の液体現像剤が感光体から記録媒体に直接転写される画像形成装置、または、複数種の液体現像剤を重ね合わせてカラー画像を形成する多色画像形成装置などであることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中「部」とあるのは特に断らない限り「質量部」を示す。
[液体現像剤の製造]
<ポリエステル樹脂1の製造>
トナー粒子に含まれる樹脂として、ポリエステル樹脂1を以下のようにして製造した。
かきまぜ棒、パーシャルコンデンサー、窒素ガス導入管、温度計を備えた四つ口フラスコ中に原料モノマーとして、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(以下の一般式(I))を750部(多価アルコール)、テレフタル酸を300部(多塩基酸)、トリメリット酸を20部(多塩基酸)入れ、攪拌しながら窒素ガスを導入し、約170℃の温度で重縮合を行なった。Mnが約3000になったところで温度を100℃程度に下げ、重合禁止剤としてヒドロキノンを0.012部添加して重縮合を停止させた。
Figure 0006269211
式(I)中、R1およびR2は、プロピレン基を示し、mおよびnは、それぞれ独立して、0または正の整数を示し、両者の和が1〜16の混合物である。
このようにしてポリエステル樹脂1を得た。ポリエステル樹脂1のMnを測定したところ3500であり、酸価は20.6mgKOH/gであり、ガラス転移温度(Tg)は66℃であった。なお、樹脂のMn、酸価およびガラス転移温度の測定方法は、下記<評価>に述べる。
<ポリエステル樹脂2の製造>
トナー粒子に含まれる樹脂として、ポリエステル樹脂2を以下のようにして製造した。
かきまぜ棒、パーシャルコンデンサー、窒素ガス導入管、温度計を備えた四つ口フラスコ中に原料モノマーとして、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(上記の一般式(I))を750部(多価アルコール)、テレフタル酸を320部(多塩基酸)、トリメリット酸を60部(多塩基酸)入れ、攪拌しながら窒素ガスを導入し、約170℃の温度で重縮合を行なった。Mnが約2800になったところで温度を100℃程度に下げ、重合禁止剤としてヒドロキノンを0.012部添加して重縮合を停止させた。
このようにしてポリエステル樹脂2を得た。ポリエステル樹脂2のMnを測定したところ2900であり、酸価は42.3mgKOH/gであり、ガラス転移温度(Tg)は68℃であった。
<実施例1>
ポリエステル樹脂1を65部、イエロー着色剤としてのC.I.ピグメントイエロー185(商品名:「Paliotol Yellow D1155」、BASF社製)24.5部、イエロー着色剤としてのC.I.ピグメントイエロー139(商品名:「Paliotol Yellow D1819」、BASF社製)0.5部、アセトン450部、着色剤用分散剤(商品名:「アジスパーPB−822」、味の素ファインテクノ社製)5部に対し、ガラスビーズ450部を加え、ペイントコンディショナーを用いて3時間分散した。その後、ガラスビーズを取り除くことにより、着色剤(C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー139)がポリエステル樹脂Aに分散された樹脂溶解液Xを作製した。
次いで、トナー分散剤としてN−ビニルピロリドン/アルキレン共重合体(商品名:「Antaron V-216」、GAF/ISP Chemicals社製)5部を絶縁性液体(商品名:「IPソルベント2028」、出光石油化学社製)500部中に溶解させ、ホモジナイザーを起動させた。起動中のホモジナイザーに上記の樹脂溶解液Xを500部投入し、5分間分散させることにより、液体現像剤前駆体を作製した。
次いで、エバポレーターにより上記の液体現像剤前駆体からアセトンを除去した後、50℃の恒温槽にて5時間保管することにより、トナー粒子と絶縁性液体とを含む本発明の液体現像剤を作製した。トナー粒子は、樹脂(ポリエステル樹脂1)とC.I.ピグメントイエロー185(トナー粒子の全量に対して24.5質量%)とC.I.ピグメントイエロー139(トナー粒子の全量に対して0.5質量%)と着色剤用分散剤(トナー粒子の全量に対して5質量%)とを含み(トナー粒子中の着色剤の合計含有量は25質量%)、平均粒径が1.6μmであった。
なお、トナー粒子の体積平均粒径は、粒径分布測定装置(商品名:「FPIA−3000S」、マルバーン社製)を用いて測定した(以下において同じ)。
<実施例2〜9>
樹脂の種類、樹脂の添加量(含有量)、C.I.ピグメントイエロー185の添加量、C.I.ピグメントイエロー139の添加量、着色剤用分散剤の種類、着色剤用分散剤の添加量を表1に記載したものとすることを除き、実施例1と同様にして液体現像剤を作製した。各液体現像剤に含まれる各トナー粒子の平均粒径もほぼ1.6μmであった。
Figure 0006269211
表1中、各種の符号は以下の内容を意味する。
PES1:ポリエステル樹脂1
PES2:ポリエステル樹脂2
PY185:C.I.ピグメントイエロー185
PY139:C.I.ピグメントイエロー139
PB821:味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−821」(商品名)
PB822:味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−822」(商品名)
PB817:味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−817」(商品名)
S35100:日本ルーブリゾール社製の「ソルスパーズ35100」(商品名)
S32000:日本ルーブリゾール社製の「ソルスパーズ32000」(商品名)
S71000:日本ルーブリゾール社製の「ソルスパーズ71000」(商品名)
S13940:日本ルーブリゾール社製の「ソルスパーズ13940」(商品名)
なお、表1中、空欄(「−」)は、該当物を含んでいない、または未測定であることを示す。また、表1に示される各着色剤用分散剤の「溶解度」は絶縁性液体(商品名:「IPソルベント2028」、出光石油化学社製)に対する溶解度を示す。
<実施例10>
実施例1〜9では造粒法を用いたが、実施例10では粉砕法を用いて液体現像剤を作製した。
具体的には、まず、30部のポリエステル樹脂1、45部のC.I.ピグメントイエロー185(商品名:「Paliotol Yellow D1155」、BASF社製)、15部のC.I.ピグメントイエロー139(商品名:「Paliotol Yellow D1819」、BASF社製)、5部の着色剤用分散剤(商品名:「アジスパーPB−822」、味の素ファインテクノ社製)をヘンシェルミキサーで十分混合した後、ロール内加熱温度100℃の同方向回転二軸押出し機を用い溶融混練を行ない、得られた混合物を冷却、粗粉砕して粗粉砕トナーを得た。
この粗粉砕トナーをカウンタジェットミル200AFG(ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕し、乾式粉砕トナーY(D50:2.1μm)を得た。このとき、粉砕条件は空圧量2.3m3/min、空気圧力0.8kPa、ノズル径3mm、回転速度11500rpmとした。
次いで、絶縁性液体(商品名:「IPソルベント2028」、出光石油化学社製)300部、乾式粉砕トナーY95部、トナー分散剤としてN−ビニルピロリドン/アルキレン共重合体(商品名:「Antaron V-216」、GAF/ISP Chemicals社製)5部を混合し、ペイントシェーカーにて2時間処理することにより、トナー粒子と絶縁性液体とを含む本発明の液体現像剤を作製した。この液体現像剤に含まれる各トナー粒子の平均粒径は2.1μmであった。
<比較例1〜4>
樹脂の種類、樹脂の添加量(含有量)、C.I.ピグメントイエロー185の添加量、C.I.ピグメントイエロー139の添加量、着色剤用分散剤の種類、着色剤用分散剤の添加量を表1に記載したものとすることを除き、実施例1と同様にして液体現像剤を作製した。各液体現像剤に含まれる各トナー粒子の平均粒径もほぼ1.6μmであった。
[評価]
<分子量の測定方法>
ポリエステル樹脂のMnは、GPCにより測定した。測定条件は以下の通りである。
DETECTOR:RI(屈折率)検出器
COLUMN:ShodexKF-404HQ(商品名、昭和電工社製)+ShodexKF-402HQ(商品名、昭和電工社製)
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.4ml/min.
較正曲線:標準ポリスチレン。
<酸価の測定>
ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K2501に規定された条件で測定した。
<ガラス転移点の測定>
ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計「DSC−6200」(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、試料量20mg、昇温速度10℃/min.の条件で測定した。
<アミン価の測定>
着色剤用分散剤のアミン価は、JIS K2501に規定された条件で測定したもの、またはカタログに記載される値とした。
<溶解度の測定>
着色剤用分散剤の絶縁性液体に対する溶解度は次のようにして測定した。すなわち、まず絶縁性液体(商品名:「IPソルベント2028」、出光石油化学社製)100gを25℃で100rpmで撹拌しながら、各絶縁性液体に各着色剤用分散剤を滴下した。着色剤用分散剤が絶縁性液体に溶解しなくなった時点で滴下を終了し、絶縁性液体中に滴下された着色剤用分散剤の総量から着色剤用分散剤の溶解度(mg)を求めた。なお、着色剤用分散剤が絶縁性液体に溶解しているか否かは、目視により決定した。
<画像濃度の評価>
図1に示した画像形成装置を用い、実施例および比較例の各液体現像剤の単色ソリッド(ベタ)パターン(10cm×10cm、トナー粒子の付着量:1.0g/m2)を記録媒体(コート紙)上に形成し、引き続き、ヒートローラで定着した(180℃×ニップ時間30msec.)。
その後、上記で得られた定着画像のイエローソリッド部の画像濃度を反射濃度計「X−Rite model 404」(商品名、X−Rite社製)により測定し、以下の3段階のランク評価を行なった。
A:画像濃度1.1以上
B:画像濃度0.9以上1.1未満
C:画像濃度0.9未満
画像濃度の数値が高いものほど、画像濃度が高いことを示す。その結果を表2に示す。
<定着性の評価>
図1の画像形成装置を用い、実施例および比較例の各液体現像剤により上記と同様にしてコート紙上に単色ソリッド(ベタ)パターンを形成した。
その後、上記で得られた単色ソリッドパターンに対して消しゴム(商品名:砂消し「LION 26111」、ライオン事務器社製)を押圧荷重1kgfで2回擦り、画像濃度の残存率を反射濃度計「X−Rite model 404」(商品名、X−Rite社製)により測定し、以下の4段階のランク評価を行なった。
A:画像濃度残存率が95%以上
B:画像濃度残存率が90%以上95%未満
C:画像濃度残存率が80%以上90%未満
D:画像濃度残存率が80%未満
画像濃度残存率が高いものほど、画像の定着強度に優れ、高い定着性を有することを示す。その結果を表2に示す。
<色相の評価>
図1の画像形成装置を用い、実施例および比較例の各液体現像剤により上記と同様にしてコート紙上に単色ソリッド(ベタ)パターンを形成した。
そして、色彩色差計(商品名:「CM−3700d」、コニカミノルタ社製)を用いて、この単色ソリッドパターンの色相評価を行なった。具体的には、この単色ソリッドパターンとオフセット枚葉印刷色標準 Japan Color色再現印刷 2007チャート(用紙種:コート紙、態様:イエロー単色ソリッド部)との色差ΔEを算出してその平均値を求めた。各平均値に対し、以下の3段落のランク評価を行った。なお、色差ΔEは、JIS Z 8729で規定されているL***表色系の均等色空間における、L*軸、a*軸、b*軸の差をそれぞれ二乗したものの和の平方根とした。
A:色差ΔEが3未満
B:色差ΔEが3以上6未満
C:色差ΔEが6以上
色差ΔEが小さいものほど、色相に優れていることを示している。その結果を表2に示す。
画像形成装置のプロセス条件およびプロセスの概略は以下の通りである。
<プロセス条件>
システム速度:40cm/s
感光体:負帯電OPC
帯電電位:−700V
現像電圧(現像ローラ印加電圧):−450V
1次転写電圧(転写ローラ印加電圧):+600V
2次転写電圧:+1200V
現像前コロナCHG:針印加電圧−3〜5kVで適宜調整。
<プロセスの概略>
図1は、電子写真方式の画像形成装置1の概略概念図である。まず、液体現像剤2が規制ブレード4によりすりきられ、現像ローラ3上に液体現像剤2の薄層が形成される。その後、現像ローラ3と感光体5とのニップでトナー粒子が移動し、感光体5上にトナー画像が形成される。
次いで、感光体5と中間転写体6とのニップでトナー粒子が移動し、中間転写体6上にトナー画像が形成される。続いて、中間転写体6上でトナーは重ね合わせられ、記録媒体10上へ画像が形成される。そして、記録媒体10上の画像がヒートローラ11で定着される。なお、画像形成装置1は、上記以外にもクリーニングブレード7、荷電装置8、バックアップローラ9を備えている。
Figure 0006269211
表2を参照して、比較例1の液体現像剤(C.I.ピグメントイエロー139を含まず、C.I.ピグメントイエロー185のみを含む)は、画像濃度には優れるものの定着性が劣っていた。また、比較例2の液体現像剤(C.I.ピグメントイエロー185を含まず、C.I.ピグメントイエロー139のみを含む)は、定着性には優れるもの画像濃度が劣っていた。また、比較例3の液体現像剤(トナー粒子に対する着色剤の合計含有量が25質量%未満)および比較例4の液体現像剤(トナー粒子に対する着色剤の合計含有量が60質量%超)は、それぞれ画像濃度および定着性で劣っていた。
これに対し、実施例1〜10の液体現像剤は、画像濃度および定着性のいずれにも優れていた。よって、本発明におけるトナー粒子中の着色剤(C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー139)の合計含有量が適正であることが実証された。なお、画像濃度の評価において、「A」または「B」であれば実用上問題がなく、定着性の評価において、「A」〜「C」であれば実用上問題がない。
また、表2を参照し、上記合計含有量に対するC.I.ピグメントイエロー139の含有量の比率が4〜40%の場合に、さらに上記特性に優れることが分かった。また、実施例8の液体現像剤においては、上記比率が12%であるにも関わらず、定着性が低かった。これは、着色剤用分散剤のアミン価が高いために、着色剤の分散性がやや低下し、定着性と色再現性も低下してしまったためと考えられる。
また、表2を参照し、実施例1〜10の液体現像剤の全ては、実用上問題のない色再現性を示した。これに対し、比較例1および2の液体現像剤の色再現性は低く、実用に耐え得ないことが分かった。
以上のように、本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置、2 液体現像剤、3 現像ローラ、4 規制ブレード、5 感光体、6 中間転写体、7 クリーニングブレード、8 荷電装置、9 バックアップローラ、10 記録媒体、11 ヒートローラ。

Claims (3)

  1. 樹脂と着色剤とを含むトナー粒子が絶縁性液体に分散されてなる液体現像剤であって、
    前記着色剤は、C.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー139とを含み、
    前記トナー粒子における、前記C.I.ピグメントイエロー185の含有量と前記C.I.ピグメントイエロー139の含有量との合計含有量は、25〜60質量%であり、
    前記トナー粒子は着色剤用分散剤を含み、前記絶縁性液体100gに対する前記着色剤用分散剤の溶解度は0.1〜10mgであり、
    前記着色剤用分散剤のアミン価は、10〜80mgKOH/gである、液体現像剤。
  2. 前記合計含有量に対する前記C.I.ピグメントイエロー139の含有量の比率は、2〜40%である、請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記着色剤用分散剤は、カプロラクトン構造を有する、請求項1または請求項2に記載の液体現像剤。
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