JP4282649B2 - 画像形成装置及び画像形成調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、異なる色成分の画像が夫々形成される複数の像担持体及び該像担持体を回転させる駆動手段を備え、各像担持体の1回転の周期長に対応する画像形成領域に所定間隔となるように複数の調整用画像の形成を行い、前記所定間隔と各調整用画像の検出間隔とのずれを検出して各像担持体の回転に関する基準位相の決定を行い、決定した各基準位相が一致するように駆動手段を制御する画像形成装置及び画像形成調整方法に関する。
カラー画像を用紙に形成する装置として、例えばブラック用、シアン用、マゼンタ用、イエロー用の各感光ドラムに各色成分画像を形成し、転写ベルトに重ねて転写する画像形成装置がある。各感光ドラムへの色成分画像の形成は、各感光ドラムに対応する複数の各レーザダイオードから出力されたレーザビームを、各感光ドラムに対応する複数の各ポリゴンミラーで反射して各感光ドラムへ照射しているが、複数のレーザダイオードのレーザビームを共通のポリゴンミラーに照射し、ポリゴンミラーで反射した各レーザビームを夫々対応する感光ドラムへ照射することで、ポリゴンミラーを削減したものもある。
このような画像形成装置においては、転写ベルトに転写された色成分画像の位置ずれにより、画質の低下が生じるという問題がある。そのため、画像形成のタイミング調整用の画像(以下、マークという)を形成し、形成したマークの位置を検出し、検出した位置に基づいて、画像形成のタイミング調整を行っている。マークの形成は、例えばブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色成分のマークを転写ベルトに順番に形成しており、マークの形成タイミングは主にレーザビームの出力タイミングで決まる。
しかし、レーザビームの出力タイミングとは別に、例えば駆動ギアの偏心などによる感光ドラムの回転速度の変動などによって、マークの形成位置にずれが生じるという問題がある。このような感光ドラムの回転速度の変動によるノイズは、周期性を有する場合が多い。この問題を解決するため、各感光ドラムの1回転(1周期)の基準となる基準位相を一致させることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
図9(a)は基準位置とマーク位置とのずれの例を示す概念図であり、図9(b)は基準位相を一致させた2種類のマーク位置の例を示す概念図である。図9(a)及び(b)において、基準位置は感光ドラム表面の1回転の周期長に対応する画像形成領域を等間隔に分割した位置を表している。また、マークは、基準位置に形成しようとしているが、感光ドラムの回転速度の変動などによって形成位置にずれが生じている。図9(a)に示すように、マークの中には搬送方向にずれているものもあれば、逆方向にずれているものもあり、感光ドラムの回転位相に対するマークのずれ(搬送方向が負)は、理想的にはサインカーブとなる。よって、前記ずれの曲線の例えば山(正のピーク)と谷(負のピーク)との中央部分を基準位相とすることが可能である。各感光ドラムの基準位相を一致させることにより、図9(b)に示すように、感光ドラムの回転速度の変動などによる各マークの形成位置が同じようにずれ、形成位置のずれが目立ち難くなる。
特開2003−177588号公報
しかし、前記ずれの曲線は、図9(a)に示すように理想的なサインカーブの場合は正及び負のピークを正確に検出できるが、実際は歪みが生じるなどして理想的なサインカーブになっておらず、正及び負のピークを誤検出する場合も多く、安定して基準位相を正確に求めるのが困難という問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、画像形成領域を4以上の偶数の分割領域に分けて各分割領域毎のずれ量を算出し、半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差と、前記分割領域から1/4周期長離れると共に互いに半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差の絶対値との差が最小となる分割領域に基づいて前記最大部分を決定して、像担持体の回転に関する基準位相を決定するようにしたことにより、前記基準位相を正確に決定することができる画像形成装置及び画像形成調整方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記画像形成領域内の分割領域の設定位置を変更し、設定位置が異なる各分割領域のずれ量を算出するように構成したことにより、前記最大部分をより正確に決定することができる画像形成装置を提供することを他の目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、異なる色成分の画像が夫々形成される複数の像担持体及び該像担持体を回転させる駆動手段を備え、各像担持体の1回転の周期長に対応する画像形成領域に所定間隔となるように複数の調整用画像の形成を行い、前記所定間隔と各調整用画像の検出間隔とのずれの最大部分に基づいて各像担持体の回転に関する基準位相の決定を行い、決定した各基準位相が一致するように駆動手段を制御する画像形成装置において、前記画像形成領域を4以上の偶数の分割領域に分けて各分割領域毎のずれ量を算出する算出手段と、半周期長離れた分割領域同士のずれ量に基づいて前記最大部分を決定する決定手段とを備え、該決定手段は、半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差が最大となる分割領域に基づいて前記最大部分を決定し、さらに、半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差と、前記分割領域から1/4周期長離れ、互いに半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差の絶対値との差が最大となる分割領域に基づいて前記最大部分を決定し、該最大部分に基づいて基準位相を決定することを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、前記算出手段は、前記画像形成領域内の分割領域の設定位置を変更し、設定位置が異なる各分割領域のずれ量を算出するように構成してあることを特徴とする。
本発明に係る画像形成方法は、異なる色成分の画像が夫々形成される複数の像担持体及び該像担持体を回転させる駆動手段を備え、各像担持体の1回転の周期長に対応する画像形成領域に所定間隔となるように複数の調整用画像の形成を行い、前記所定間隔と各調整用画像の検出間隔とのずれの最大部分に基づいて各像担持体の回転に関する基準位相の決定を行い、決定した各基準位相が一致するように駆動手段を制御する画像形成調整方法において、前記画像形成領域を4以上の偶数の分割領域に分けて各分割領域毎のずれ量を算出するステップと、半周期長離れた分割領域同士のずれ量に基づいて前記最大部分を決定するステップとを有し、該決定するステップは、半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差が最大となる分割領域に基づいて前記最大部分を決定し、さらに、半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差と、前記分割領域から1/4周期長離れ、互いに半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差の絶対値との差が最大となる分割領域に基づいて前記最大部分を決定し、該最大部分に基づいて基準位相を決定することを特徴とする。
本発明においては、像担持体の1回転の周期長に対応する画像形成領域を4以上の偶数の分割領域に分割して各分割領域毎のずれ量を算出手段で算出し、半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差と、前記分割領域から1/4周期長離れると共に互いに半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差の絶対値との差が最大となる分割領域に基づいてずれの最大部分を決定するため、前記最大部分を正確に決定することができる。像担持体の1回転の周期長にわたる調整用画像のずれ(所定間隔に対する各調整用画像の検出間隔のずれ)は、山(正のピーク)及び谷(負のピーク)を有する周期的な曲線となる場合が多いが、正のピークが含まれる分割領域と負のピークが含まれる分割領域とは半周期長離れていると考えられ、前記分割領域のずれ量の差は他の分割領域のずれ量の差よりも大きく最大となる。また、正のピークが含まれる分割領域と負のピークが含まれる分割領域と1/4周期長離れ、互いに半周期長離れた分割領域には共に振幅ゼロとなる中心点が含まれていると考えられ、前記分割領域のずれ量の差は他の分割領域のずれ量の差よりも小さく、最小となる。分割領域毎にずれ量を算出するため、個々の調整用画像の形成誤差又は検出誤差などの影響を受け難くなる。そのため、ずれの正のピークを含む分割領域及び負のピークを含む分割領域を正確に検出することができる。よって、各像担持体に関する基準位相を正確に決定でき、各像担持体に関する基準位相を正確に一致させることができる。ここで、ずれ量としては、例えば分割領域に含まれる各調整用画像のずれの合計値を用いることが可能である。また、基準位相は、例えばずれの正のピーク、負のピーク、又は、正のピークと負のピークとの中央値などに決定することが可能である。
本発明においては、分割領域の設定位置を変更し、設定位置が異なる各分割領域のずれ量を算出手段で算出するため、前記最大部分をより正確に決定することができる。像担持体の1回転の周期長にわたる調整用画像のずれ(所定間隔に対する各調整用画像の検出間隔のずれ)は、山(正のピーク)及び谷(負のピーク)を有する周期的な曲線となる場合が多いが、正のピークが含まれる分割領域と負のピークが含まれる分割領域とは半周期長離れていると考えられる。分割領域の設定位置を変更した場合、正のピークを含む分割領域及び負のピークを含む分割領域において、分割領域内に含まれる正のピーク及び負のピークの位置が変化するが、正のピーク及び負のピークが分割領域中央付近に含まれるのが好ましく、その場合は、正のピークが含まれる分割領域と負のピークが含まれる分割領域とのずれ量の差が最大となり、中心点を含む半周期長離れた分割領域のずれ量の差は最小となる。よって、正のピーク及び負のピークが分割領域中央付近にある好ましい状態で正のピークを含む分割領域及び負のピークを含む分割領域を正確に検出することが可能となり、前記最大部分をより正確に決定することができる。
本発明によれば、像担持体の回転に関する基準位相を正確に決定することができる。
本発明によれば、像担持体の1回転の周期長にわたる調整用画像の形成位置のずれの最大部分を正確に決定することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の要部構成を示す模式図である。画像形成装置は、主要構成として、画像が形成される感光ドラム(像担持体)10と、レーザビームを出力するレーザダイオード42と、レーザダイオード42から出力されたレーザビームを感光ドラム10へ導く第1ミラー44、ポリゴンミラー40、及び第2ミラー46と、レーザビームによって感光ドラム10に形成された潜像を現像する現像ローラ24と、感光ドラム10に形成された画像が転写される転写ベルト30とを備える。
感光ドラム10は、ブラック用の感光ドラム10Kと、シアン用の感光ドラム10Cと、マゼンタ用の感光ドラム10Mと、イエロー用の感光ドラム10Yとを含む。同様に、現像ローラ24は、ブラック用の現像ローラ24Kと、シアン用の現像ローラ24Cと、マゼンタ用の現像ローラ24Mと、イエロー用の現像ローラ24Yとを含む。また、レーザダイオード42は、ブラック用のレーザダイオード42Kと、シアン用のレーザダイオード42Cと、マゼンタ用のレーザダイオード42Mと、イエロー用のレーザダイオード42Yとを含む。
第1ミラー44は、シアン用のレーザダイオード42C、マゼンタ用のレーザダイオード42M、イエロー用のレーザダイオード42Yの夫々から出力されたレーザビームをポリゴンミラー40へ導くシアン用の第1ミラー44C、マゼンタ用の第1ミラー44M、イエロー用の第1ミラー44Yを含む。また、第2ミラー46は、ポリゴンミラー40で反射されたレーザビームを、ブラック用の感光ドラム10K、シアン用の感光ドラム10C、マゼンタ用の感光ドラム10M、イエロー用の感光ドラム10Yの夫々に導くブラック用の第2ミラー46K、シアン用の第2ミラー46C、マゼンタ用の第2ミラー46M、イエロー用の第2ミラー46Yを含む。このように複数のミラーを組み合わせることにより、間隔を開けて配置された複数のレーザダイオード42から照射されるレーザビームの照射位置(ビームスポット)を近接させ、ポリゴンミラー40の同一の反射面に各レーザビームを照射することができる。
転写ベルト30はループ状であり、転写ベルト30の表面と対向するように各色成分の感光ドラム10K,10C,10M,10Yが並んで配置されている。また、転写ベルト30に転写された画像は、転写ベルト30に内接するベルト駆動ローラ32により、感光ドラム10に対して図中右から左へ移動する。また、転送ベルト30の表面と対向するように、CCD(Charge Coupled Device)34が配置されている。なお、CCD34は、感光ドラム10よりもベルト移動方向側に配置されている。また、感光ドラム10は、CCD34からベルト移動方向と逆方向に、ブラック用の感光ドラム10K、シアン用の感光ドラム10C、マゼンタ用の感光ドラム10M、イエロー用の感光ドラム10Yの順に配置されている。
また、転写ベルト30を挟んでベルト駆動ローラ32と対向するように転写ローラ36が配置されており、転写ローラ36を通過する用紙50に、転写ベルト30から画像が転写され、定着ローラ38によって定着される。
図2は、画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。画像形成装置は、レーザダイオード42K,42C,42M,42Y及びポリゴンミラー40を含むLSU(Laser Scanning Unit)64と、転写ベルト30に形成された、画像形成タイミング又は基準位相などの調整用画像(以下、マークという)を検出するCCD34と、ドラム10,ベルト駆動ローラ32及びポリゴンミラー40を駆動する駆動部(駆動手段)66と、イメージスキャナなどの原稿画像を読取る画像入力部62と、上述したCCD34,LSU64,駆動部66及び画像入力部62に接続されたCPU(Central Processing Unit)などの制御部60と、制御部60に接続されたRAM68及びROM70とを備える。制御部60は、ROM70に記憶されているプログラム及びデータに基づいて、装置内の各構成部の制御を行う。
駆動部66は、ポリゴンミラー40を駆動するモータ及びベルト駆動ローラ32を駆動するモータと、各感光ドラム10K,10C,10M,10Yを夫々駆動する個別モータ(駆動手段)26K,26C,26M,26Yとを備える。図3は、感光ドラム及び各感光ドラムを駆動するモータの構成例を示す模式図である。感光ドラム10K,10C,10M,10Yは、回転中心となる軸歯車12K,12C,12M,12Yと、軸歯車12K,12C,12M,12Yに噛合されたウォーム歯車14K,14C,14M,14Yとを備え、各ウォーム歯車14K,14C,14M,14Yには個別モータ26K,26C,26M,26Yによって駆動されるウォーム16K,16C,16M,16Yが噛合されている。
また、各軸歯車12K,12C,12M,12Yには、夫々リブ20K,20C,20M,20Yが設けられており、各感光ドラム10K,10C,10M,10Yに対して夫々リブセンサ22K,22C,22M,22Yが設けられている。リブセンサ22K,22C,22M,22Yは、例えば発光部及び受光部を備え、発光部及び受光部間をリブ20K,20C,20M,20Yが通過して遮光されたことを検出することが可能である。
LSU64は、基準となるブラック(基準色)の基準マーク及び調整対象であるシアン,マゼンタ,イエロー(調整色)の調整マークを、各色成分に対応する感光ドラム10に形成する画像形成手段として動作し、CCD34及び制御部60によって、転写ベルト30に転写された各マークの位置を検出し、基準マークを基準にして各調整マークの検出位置と規定位置とのずれが所定値以下になるように制御部60でLSU64を制御し、画像形成のタイミング調整を行う。ただし、前記所定値は、色成分に応じて異なる。例えば、前記所定値はイエローが最も大きく、マゼンタが最も小さい。
制御部60は、基準マーク(ブラック)とシアンの調整マークとの間隔が規定間隔範囲内になるように、シアンに関する形成タイミングを調整する。同様に、制御部60は、基準マーク(ブラック)とマゼンタの調整マークとの間隔が規定間隔範囲内になるように、マゼンタに関する形成タイミングを調整し、また、基準マーク(ブラック)とイエローの調整マークとの間隔が規定間隔範囲内になるように、イエローに関する形成タイミングを調整する。ここで、各色成分画像の位置は、CCD34で検出されたマークの移動方向に対する先端位置と後端位置との平均値を制御部60で求めてRAM68に記憶し、記憶した平均値をマークの位置に用いている。ここで、マークの位置は、CCD34で検出された時間で表される。
また、感光ドラム10は円筒状であり、制御部60は、各感光ドラム(像担持体)10の回転の基準位相を検出し、基準色に対する基準位相と各調整色の基準位相とが一致するように画像形成のタイミング調整を行う。ここで、基準位相は、リブセンサ22がリブを検出した時点からの経過時間とすることが可能である。なお、感光ドラム10及びベルト駆動ローラ32は一定速度で回転しており、基準位相の差又はマークの間隔は、時間で表すことも長さで表すことも可能である。
基準位相を検出する場合、制御部60の制御により、基準マーク及び調整マークは、各色毎に感光ドラム10の1周期長(1回転の周期長)に対応する画像形成領域に所定間隔で複数形成される。例えば図9(a)に示すように、1周期長にわたって16個のマークが形成される。CCD34及び制御部60は、基準マークおよび調整マークを各色ごとに検出し、各マークについて、マークが形成されるべき基準位置に対する実際にマークが検出された検出位置のずれを各々算出し、RAM68に記憶する。ただし、本説明では、搬送方向を負方向としており、搬送方向のずれは負の数となる。ここで、マークの検出位置と基準位置とのずれは、マークを検出した時間と、マークが検出されるべき時間との時間差で表すことが可能である。なお、マークの間隔は、時間で表す以外に、時間に対応する距離で表したり、時間に対応するドット数で表すことも可能である。
制御部60は、感光ドラム10の1周期長に対応する画像形成領域を4以上の偶数の領域(分割領域)に分割して各領域毎のずれ量を算出する算出手段、及び、半周期長離れた領域同士のずれ量に基づいて、マークのずれの最大部分(正のピーク及び負のピーク)を決定する決定手段として動作する。図4は半周期長離れた領域同士のずれ量の例を簡略化して示す説明図である。図の例では、1周期の曲線が8つの領域に分けられており、各領域のずれ量を簡略してずれP1,Q1,R1,S1,P2,Q2,R2,S2で表している。ここで、ずれP1とP2は半周期離れており、ずれQ1とQ2、ずれR1とR2、ずれS1とS2も半周期離れている。半周離れたずれの差ΔP=|P1−P2|、ΔQ=|Q1−Q2|、ΔR=|R1−R2|、ΔS=|S1−S2|に関しては、図4に示すように、曲線の山(正のピーク)に近い領域と谷(負のピーク)に近い領域とのずれの差の絶対値(図の例ではΔQ)が最大になり、曲線の中心に近い領域同士のずれの差の絶対値(図の例ではΔS)が最小になる。よって、半周期離れた領域同士のずれの差に基づいて、曲線の最大部分(正のピーク及び負のピーク)及び曲線の中心部分を決定することができる。
本実施の形態においては、図9(a)に示したずれの曲線に対し、感光ドラム10の1周期長(1回転の周期長)に対応する画像形成領域に、4つの領域A,B,C,Dを等間隔で設定する。ただし、領域Aが先頭である。図5(a)及び(b)は領域の設定例を示す概念図である。曲線の横軸の「位相」は感光ドラムの回転角度に対応する時間であり、縦軸の「ずれ」は基準位置とマークとのずれに対応する時間である。
また、本実施の形態では、ずれ量a,b,c,dとして、各領域A,B,C,D内のずれの合計(以下、ずれ合計という)を夫々算出する。ずれ合計(ずれ量)は、図5(a)に示すように、ずれの曲線の山(正のピーク)を含む領域では最大となり、谷(負のピーク)を含む領域では最小となり、他の領域では最大及び最小の中央となる。よって、4つの領域の中から、正のピークを含む領域としてずれ合計が最大の領域を選定し、負のピークを含む領域としてずれ合計が最小の領域を選定することが可能である。
ただし、図5(a)に示すように曲線の正のピーク及び負のピークが領域の中央に含まれる場合もあれば、図5(b)に示すように曲線の正のピーク及び負のピークが領域の端部付近に含まれる場合もある。よって、制御部(確定手段、決定手段)60は、領域の設定位置を変更した場合の夫々での各領域毎のずれ合計を算出し、ずれ量の差が最大となる互いに半周期長離れた2つの領域を確定し、確定した2つの領域に基づいて基準位相を決定する。本実施の形態では、感光ドラム10の1回転の周期長に16個のマークを形成しており、各マークが領域Aの先頭になるように、16通りの領域の設定を行う。
以下、検出した16個のマークを、検出順にマークNo.1〜16と記載する。また、領域Aの先頭がマークNo.n(n=1〜16)となっている領域の設定を設定No.nと記載する。例えば領域の設定No.1においては、領域AはマークNo.1〜4に設定され、領域B,C,Dの夫々はマークNo.5〜8,マークNo.9〜12,マークNo.13〜16に設定される。なお、マークNo.16の次はマークNo.1に循環する。図6は16個のマークのずれの検出値の例を示す図である。図の例では、領域の設定No.7であり、領域Aの先頭はマークNo.7となっている。また、各マークのずれの値を表1に示す。ここで、ずれの単位はドットであるが、時間を単位にしたり(1ドット=0.341ms)、距離を単位にする(1ドット=0.0423mm)ことも可能である。
Figure 0004282649
制御部60は、半周期長離れた領域同士のずれ合計の差と、前記領域から1/4周期長離れ、互いに半周期長離れた領域同士のずれ合計の差の絶対値との差が最大となる領域に基づいてずれの最大部分(正のピークを含む領域及び負のピークを含む領域)を決定し、該最大部分に基づいて基準位相を決定する。また、領域の各設定に対して、図5(a)に示すように曲線の正のピーク、負のピークが夫々領域A,Cの中央に含まれる場合、領域Aと領域Cとの差(a−c)は最大となり、領域Bと領域Dとの差の絶対値(|b−d|)は最小となる。よって、制御部60は、領域の設定No.1〜16の中から、(a−c)−|b−d|が最大となる設定を選択する。制御部40は、選択した領域の設定において、領域Aと領域Cとの間の領域D(又は領域B)に含まれるマークのうち、中央のマークの検出位置に対応する位相を基準位相に決定する。なお、中央のマークが2つある場合は、平均を求めたり、ゼロに近い方に決定することが可能である。また、基準位相は、領域A(又は領域C)に含まれるマークのうち、中央のマークの検出位置に対応する位相を基準位相に決定することも可能である。
表1のずれ合計a,b,c,d及び(a−c)−|b−d|の算出結果を表2に示す。表2の例では、(a−c)−|b−d|が最大である領域の設定No.7が選択され、領域Dの中央のマークNo.4,5のうち、ゼロに近いマークNo.5の検出位置に対応する位相を基準位相に決定する。
Figure 0004282649
図7は基準位相に関する画像形成のタイミング調整手順の例を示すフローチャートである。制御部60の制御により、基準マークおよび調整マークを各色毎に所定間隔で複数形成する。本実施の形態では、感光ドラム10の1回転の周期長に対して、16個のマークを等間隔で形成する。制御部60は、CCD34から送られた転送ベルト30表面の画像から、各色成分のマークの先端位置及び後端位置を検出し、検出位置に基づいてマークのセンタ位置を算出し(S10)、RAM68に記憶する。制御部60は、基準マーク(ブラック)および他の色成分(シアン,マゼンタ,イエロー)の夫々に対し、検出位置に基づいて算出した各センタ位置とマークが形成されるべき基準位置とのずれを算出し(S12)、RAM68に記憶する。また、制御部60は、各色成分のずれの振幅(ピーク・ピーク値の半分)を求め(S14)、RAM68に記憶する。
制御部60は、シアンに対応する振幅が所定値以上の場合(S16:YES)、シアンに対応する基準位相を決定(S18)してRAM68に記憶し、マゼンタに対応する振幅が所定値以上の場合(S20:YES)、マゼンタに対応する基準位相を決定(S22)してRAM68に記憶し、イエローに対応する振幅が所定値以上の場合(S24:YES)、イエローに対応する基準位相を決定(S26)してRAM68に記憶し、その後ブラックに対応する基準位相を決定(S28)してRAM68に記憶する。そして、基準位相が決定されている調整色に対しては、調整色に対応する基準位相が基準色に対応する基準位相と合うように、調整色に関する形成タイミングを調整する(S30)。このようにすることで、感光ドラムの偏心による周期的な色ずれが基準色と調整色との間に生じていても、それらが同じ周期でずれるように調整されるので、色ずれが目立つことを抑制できる。
図8は基準位相の決定手順の例を示すフローチャートである。制御部60は、領域A,B,C,Dの設定を行う(S40)。例えば、初期設定として領域の設定No.1として、マークNo.1〜4を領域Aに設定し、マークNo.5〜8、マークNo.9〜12、マークNo.13〜16を夫々領域B、C,Dに設定する。
制御部60は、領域A,B,C,D毎にずれ合計a,b,c,dを算出し(S42)、RAM68に記憶する。例えば領域の設定No.1の場合は、ずれ合計aとしてマークNo.1〜4のずれの合計を算出し、各ずれ合計b,c,dとして夫々マークNo.5〜8,マークNo.9〜12,マークNo.13〜16のずれの合計を算出する。続いて、制御部60は、(a−c)−|b−d|を算出し(S44)、RAM68に記憶する。
(a−c)−|b−d|の算出は、領域の設定No.1〜16の夫々に対して行う。そのため、領域の設定変更が1周期分終了していない場合(S46:NO)、制御部60は、領域の設定No.を1増加させ、ずれ合計a,b,c,d及び(a−c)−|b−d|の算出を同様に行う。領域の設定変更が1周期分終了した場合(S46:YES)、制御部60は、領域の設定NO.1〜16の中から(a−c)−|b−d|が最大となる領域の設定を求める(S48)。そして、制御部40は、求めた設定の例えば領域Dに含まれるマークNo.を求め(S50)、求めたマークNo.に基づいて基準位相を決定し(S52)、RAM68に記憶する。
ずれの正のピーク値及び負のピーク値を検出せずに、正のピークを含む領域及び負のピークを含む領域を検出することにより、各マークの形成誤差又は検出誤差などの影響を低減し、ずれの最大部分を正確に検出することができ、最大部分に基づく基準位相を正確に決定でき、基準位相を安定して正確に一致させることができる。
ここで、ずれ合計a,b,c,dに関しては、領域の設定No.1のずれ合計a,b,c,dは、
ずれ合計a=マークNo.1〜4の合計
ずれ合計b=マークNo.5〜8の合計
ずれ合計c=マークNo.9〜12の合計
ずれ合計d=マークNo.13〜16の合計
である。一方、領域の設定No.5のずれ合計a,b,c,dは、
ずれ合計a=マークNo.5〜8の合計
ずれ合計b=マークNo.9〜12の合計
ずれ合計c=マークNo.13〜16の合計
ずれ合計d=マークNo.1〜4の合計
であり、何れのずれ合計も領域の設定No.1で既に算出されている。よって、16の領域の設定のうち、ずれ合計は、最初の4つの領域の設定については算出を行い、残りの12の領域の設定については算出を行わず、最初の4つの領域の設定で算出済みのずれ合計を用いることが可能である。また、ずれ量は、ずれの合計に限定はされず、ずれの平均値を用いること等も可能である。
上述した実施の形態では4つの領域を設定したが、例えば8,16などの4の倍数の領域を設定することも可能である。8つの領域(領域1〜領域8)を設定した場合は、領域1,3,5,7を夫々上述した領域A,B,C,Dに対応させて処理を行うことが可能である。この場合、マーク数が16のときは各領域には2個のマークが含まれ、データを間引くことになるため、演算速度は向上するが、最大部分の検出精度は低下する。
また、領域は等分割に分けずに、例えばマークNo.1〜5を領域A、マークNo.6〜8を領域B、マークNo.9〜13を領域C、マークNo.14〜16を領域Dに分けるなど、不等分割することも可能である。ただし、不等分割する場合は、例えばマークを等分するように領域A及びBと領域C及びDとに分け、領域A及びCのマーク数が同じ、かつ、領域B及びDのマーク数が同じになるように各領域を分けるなど、1周期を等分し、各半周期の領域の比及び並び順が同一パターンになるように領域を分ける。また、上述した実施の形態においては、領域の設定を1マーク単位でずらして、マークNo.1,2,3,・・・,13,14,15,16の夫々を領域の先頭にしたが、例えば2マーク単位でずらして、マークNo.1,3,・・・,13,15の夫々を領域の先頭にするなど、領域の設定は任意単位でずらすことが可能である。
上述した実施の形態においては、(a−c)−|b−d|が最大となる領域の設定を求めたが、(a−c)が最大となる領域の設定を求めることも可能である。また、(a−c)が最大となる領域の設定を求める場合、4つの領域を設定する以外に、例えば6,10などの偶数の領域を設定することも可能である。6つの領域(領域1〜領域6)を設定した場合は、半周期長離れている領域1,4を夫々上述した領域A,Cに対応させて処理を行うことが可能である。
また、本発明においては、ずれ量を算出することで精度良く基準位相を決定しているが、通常得られるずれの値の数倍のノイズがまれに発生した場合、基準位相の決定に影響を及ぼす可能性がある。そのため、ずれに上限値を設け、上限値以上のずれが検出された場合は上限値とするようにしても良い。例えばずれの上限値を2ドットに設定した場合、2ドット以上のずれが検出された際は、ずれを上限値である2ドットとする。このようにして上述したノイズによる影響を防止し、精度良く基準位相を決定することができる。
本発明に係る画像形成装置の要部構成を示す模式図である。 画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。 感光ドラム及び各感光ドラムを駆動するモータの構成例を示す模式図である。 半周期長離れた領域同士のずれ量の例を簡略化して示す説明図である。 領域の設定例を示す概念図である。 16個のマークのずれの検出値の例を示す図である。 基準位相に関する画像形成のタイミング調整手順の例を示すフローチャートである。 基準位相の決定手順の例を示すフローチャートである。 (a)は基準位置とマーク位置とのずれの例を示す概念図であり、(b)は基準位相を一致させた2種類のマーク位置の例を示す概念図である。
符号の説明
10K,10C,10M,10Y 感光ドラム
12K,12C,12M,12Y 軸歯車
14K,14C,14M,14Y ウォーム歯車
16K,16C,16M,16Y ウォーム
20K,20C,20M,20Y リブ
22K,22C,22M,22Y リブセンサ
24K,24C,24M,24Y 現像ローラ
26K,26C,26M,26Y 個別モータ
30 転写ベルト
32 ベルト駆動ローラ
34 CCD
40 ポリゴンミラー
42K,42C,42M,42Y レーザダイオード
60 制御部
62 画像入力部
64 LSU
66 駆動部

Claims (3)

  1. 異なる色成分の画像が夫々形成される複数の像担持体及び該像担持体を回転させる駆動手段を備え、各像担持体の1回転の周期長に対応する画像形成領域に所定間隔となるように複数の調整用画像の形成を行い、前記所定間隔と各調整用画像の検出間隔とのずれの最大部分に基づいて各像担持体の回転に関する基準位相の決定を行い、決定した各基準位相が一致するように駆動手段を制御する画像形成装置において、
    前記画像形成領域を4以上の偶数の分割領域に分けて各分割領域毎のずれ量を算出する算出手段と、
    半周期長離れた分割領域同士のずれ量に基づいて前記最大部分を決定する決定手段と
    を備え
    該決定手段は、
    半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差が最大となる分割領域に基づいて前記最大部分を決定し、
    さらに、半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差と、前記分割領域から1/4周期長離れ、互いに半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差の絶対値との差が最大となる分割領域に基づいて前記最大部分を決定し、該最大部分に基づいて基準位相を決定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記算出手段は、
    前記画像形成領域内の分割領域の設定位置を変更し、設定位置が異なる各分割領域のずれ量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 異なる色成分の画像が夫々形成される複数の像担持体及び該像担持体を回転させる駆動手段を備え、各像担持体の1回転の周期長に対応する画像形成領域に所定間隔となるように複数の調整用画像の形成を行い、前記所定間隔と各調整用画像の検出間隔とのずれの最大部分に基づいて各像担持体の回転に関する基準位相の決定を行い、決定した各基準位相が一致するように駆動手段を制御する画像形成調整方法において、
    前記画像形成領域を4以上の偶数の分割領域に分けて各分割領域毎のずれ量を算出するステップと、
    半周期長離れた分割領域同士のずれ量に基づいて前記最大部分を決定するステップと
    を有し、
    該決定するステップは、
    半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差が最大となる分割領域に基づいて前記最大部分を決定し、
    さらに、半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差と、前記分割領域から1/4周期長離れ、互いに半周期長離れた分割領域同士のずれ量の差の絶対値との差が最大となる分割領域に基づいて前記最大部分を決定し、該最大部分に基づいて基準位相を決定することを特徴とする画像形成調整方法。
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