JP4639243B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は画像形成装置に関し、とくに形成される画像のずれ(色ずれ)を補正する機能を備えたカラー画像形成装置に関する。
この発明に関連する背景技術としては、被記録媒体上に、少なくとも2色以上の単色画像を重ね合わせて複数色の画像を形成するため、各単色画像間の色ずれの補正を行う画像形成装置において、像担持体上に各色ごとに単色画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって前記像担持体上に形成された前記単色画像を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定される前記単色画像の測定情報が異常となる前記像担持体上の位置を記憶した異常位置記憶手段と、前記異常位置記憶手段に記憶された位置を除いた単色画像に対する測定情報に基づいて、色ずれの補正を行う色ずれ補正手段とを備えた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−294471号公報
従来のカラー画像形成装置において画質を最良に保つには、定期的に調整用パターンをテスト印字してパターン位置を検出し、画像形成位置を調整する処理(色ずれ調整処理)を行なう必要がある。しかし、色ずれ調整には時間がかかり、その間はプリント処理ができない。従って、調整時間を短くする技術が求められている。また、調整用パターン作成にはトナー消費が伴い、特に、複数感光体の回転位相調整を行う場合、位相差を検出するために多くの調整用パターンを作成する必要がある。従って、少ないパターン数で効率よく調整を行う技術が求められている。
この発明は、複数の感光体ドラムと、各感光体ドラムに静電潜像を形成する潜像形成部と、前記静電潜像を現像する現像部と、現像された各感光体ドラムの画像を移動する記録媒体上に重ねて転写する転写部と、各転写画像の記録媒体上の位置を測定する測定部と、前記感光体ドラムと潜像形成部と現像部と転写部とを制御する制御部とを備え、制御部は、測定部によって測定された位置からサインカーブフィッティング法により記録媒体上の画像の位置ずれに関連する値を算出する算出部と、算出された値を補正する補正部を備え、制御部は、各感光体ドラムに所定回転角度ごとに調整用パターンの静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像して記録媒体上に転写するように、潜像形成部と現像部と転写部を制御すると共に、測定部によって測定される各調整用パターンの位置yをサインカーブフィッティング法によりy=Asin(θ+τ)+C(θは感光体ドラムの回転角)で表して位相差τと色ずれCを求め、算出された値が一方の感光体ドラムに対する他方の感光体ドラムの位相差τであるとき、前記補正部は感光体ドラムの停止時に一方の感光体ドラムに対して他方の感光体ドラムを前記位相差に対応する時間だけずらせて停止させることにより位相差τを補正し、算出された値が色ずれCであるとき画像形成位置を副走査方向にCだけ補正することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
サインカーブフィッティング法により各画像の位置ずれに関連する値が算出され、算出された値に基づいて位置ずれが補正されるので、位置ずれの補正処理を少ない調整パターンによって簡単に効率よく行うことができ、位置ずれ補正処理時間および補正用トナーの消費量を最小にすることができる。
この発明による画像形成装置は、複数の感光体ドラムと、各感光体ドラムに静電潜像を形成する潜像形成部と、前記静電潜像を現像する現像部と、現像された各感光体ドラムの画像を移動する記録媒体上に転写する転写部と、各転写画像の記録媒体上の位置を測定する測定部と、前記感光体ドラムと潜像形成部と現像部と転写部とを制御する制御部とを備え、制御部は、測定部によって測定された位置からサインカーブフィッティング法により記録媒体上の画像の位置ずれに関連する値を算出する算出部と、算出された値から位置ずれを補正する補正部をさらに備えることを特徴とする。
サインカーブフィッティング法とは、測定で得られた値(測定値)の組を、三角関数(例えば正弦関数、余弦関数)を用いて近似するときに、三角関数が測定値に対してよい近似となるように、三角関数の係数である振幅(A)、位相差(τ)、オフセット(C)を決定する方法である。
本発明では、調整用パターンの検出タイミングを基準のタイミングと比較して求めた偏差を前述の測定値として用いている。
この発明においては、制御部は、各感光体ドラムに所定回転角度ごとに調整用パターンの静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像して記録媒体上に転写するように、潜像形成部と現像部と転写部を制御すると共に、測定部によって測定される各調整用パターンの位置yをサインカーブフィッティング法によりy=Asin(θ+τ)+C(θは感光体ドラムの回転角)で表してτとCを求め、求めたτとCに基づいて位置ずれを補正するようにしてもよい。
前記所定回転角度は120度であることが好ましい。
複数の感光体ドラムが第1および第2感光体ドラムからなり、記録媒体上に第1および第2感光体ドラムによる調整用パターンが交互に形成されてもよい。
複数の感光体ドラムが第1,第2,第3および第4感光体ドラムからなり、移動する記録媒体上に第1感光体ドラムによって形成される調整用パターンの間に第2,第3,第4感光体ドラムによる調整パターンが形成されてもよい。
調整用パターンは、記録媒体の移動方向に直交する両エッジに形成されてもよい。
調整用パターンは、記録媒体の移動方向に対して傾斜するように形成されてもよい。
各感光体ドラムは独立した駆動源により駆動されてもよい。
複数の感光体ドラムが少なくとも3つの感光体ドラムからなり、1つをのぞいて他の感光体ドラムが共通の駆動源によって駆動されてもよい。
各感光体ドラムの回転位相を検出する位相センサをさらに備え、制御部は位相センサの出力に基づいて、補正部の補正結果を確認する機能を備えてもよい。
各感光体ドラムの回転位相を検出する位相センサをさらに備え、制御部は位相センサの出力に基づいて、補正部の補正結果を調整する機能を備えてもよい。
以下、図面に示す実施形態を用いてこの発明を詳述する。
(画像形成装置の全体的な機構的構成)
図1は、この発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す説明図である。画像形成装置100は、外部から受け入れた画像データに応じて、用紙等の記録シートに対して多色および単色の画像を形成する電子写真方式のカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、露光ユニット64、感光体ドラム10Y、10M、10C、10K、現像ユニット24Y、24M、24C、24K、帯電ローラ103Y、103M、103C、103K、クリーニングユニット104Y、104M、104C、104K、中間転写ベルト(中間記録媒体)30、中間転写ローラ(以下、転写ローラという)13Y、13M、13C、13K、2次転写ローラ36、定着装置38、給送カセット16、手差しトレイ17及び排出トレイ18等を備えている。
画像形成装置100は、カラー画像の減法混色の3原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)にブラック(K)を加えた4色の各色成分に対応した画像データを用いて画像形成を行う。感光体ドラム10Y、10M、10C、10K、現像ユニット24Y、24M、24C、24K、帯電ローラ103Y、103M、103C、103K、転写ローラ13Y、13M、13C、13K及びクリーニングユニット104Y、104M、104C、104Kは、各色成分に応じて設けられており、それぞれ4つの画像形成部PY,PM、PC、PKを構成している。画像形成部PK,PC、PM、PYは、中間転写ベルト30の周回方向(副走査方向に対応する)に一列に配列されている。前記各部の各符号の末尾に付与されたアルファベットY、M、C、Kは、各色成分に対応する。即ち、Yはイエロー、Mはマゼンタ、Cはシアン、Kはブラックにそれぞれ対応する。
帯電ローラ103Y〜103Kは、感光体ドラム10Y〜10Kの表面を所定の電位に均一に帯電させる接触方式の帯電器である。帯電ローラ103Y〜103Kに代えて、帯電ブラシを用いた接触方式の帯電器、又は、帯電チャージャを用いた被接触方式の帯電器を用いることもできる。露光ユニット(以下LSUという)64は、レーザダイオード42Y、42M、42C、42K(図2)、ポリゴンミラー40及び反射ミラー46Y、46M、46C、46K等を備えている。
レーザダイオード42Y〜42Kは、各色成分に対応して設けられ、それぞれのレーザダイオードからは、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色成分の画像データによって変調されたレーザビームが照射される。各レーザビームは、帯電ローラ103Y〜103Kによって均一に帯電した感光体ドラム10Y〜10Kの表面をそれぞれ照射する。これにより、感光体ドラム10Y〜10Kには、その表面に各色成分の画像データに応じた静電潜像が形成される。即ち、感光体ドラム10Y、10M、10C、10Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各画像データに対応する静電潜像がそれぞれ形成される。
現像ユニット24Y〜24Kは、各感光体ドラム10Y〜10Kに形成された静電潜像を各色成分に対応したトナーで現像する。この結果、各感光体ドラム10Y〜10Kの表面に、各色成分の可視化された画像(トナー画像)が形成される。モノクロ画像を形成する場合は、感光体ドラム10Kのみに静電潜像を形成し、ブラックのトナー像のみを形成する。カラー画像を形成する場合は、感光体ドラム10Y、10M、10C、10Kにそれぞれ静電潜像を形成し、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー画像を形成する。
中間転写ローラ13Y〜13Kは、それに印加された転写電圧の作用で、各トナー像を中間転写ベルト30上に転写する。中間転写ベルト30は、中間転写ローラ13Yから13Kの方へ周回する。カラー画像を形成する場合、中間転写ベルト30の周回に伴って、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に各トナー画像が中間転写ベルト30上に重ね合わされる。重ね合わされたトナー画像は、2次転写ローラ36の配置された部分を通過する。
このとき、トナー画像が通過するタイミングに同期するように、給送カセット16もしくは手差しトレイ17から記録シートが給送される。給送された記録シートは、中間転写ベルト30と2次転写ローラ36との間に搬送され、トナー画像に接触する。2次転写ローラ36は、それに印加された2次転写電圧の作用で、トナー画像を記録シートに転写する。トナー画像が転写された記録シートは、定着装置38を経て排出トレイ18へ排出される。定着装置38は、記録シートが通過するとき、トナー画像を溶融させて記録シート上に定着させる。
無端状の中間転写ベルト30は、時計方向に回転するベルト駆動ローラ32によって駆動される。中間ベルト30の周回方向に沿って感光体ドラム10Kよりも下流側、即ち、中間転写ベルト30の上側には、その表面と対向するように、フォトセンサ34が配置されている。
また、中間転写ベルト30を挟んでベルト駆動ローラ32と対向するように2次転写ローラ36が配置されている。給送カセット16あるいは手差しトレイ17から給送された記録シート50は、2次転写ローラ36と中間転写ベルト30との間を通過する。
ここで、感光体ドラム10Kと中間転写ベルト30が接する位置(K転写部)から、フォトセンサ34までの距離L1は280mmである。
図2は、図1に示す画像形成装置の制御系を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置100は、入力部としてフォトセンサ34および画像入力部62を含む。また、制御対象としてLSU64および駆動部66を含む。さらに、入力部からの信号あるいはデータを処理し、かつ、制御対象を制御するための制御部60、RAM68およびROM70を含む。さらに、画像形成装置100は、駆動負荷としての感光体ドラム10K、10C、10M、10Y、ベルト駆動ローラ32およびLSU64のポリゴンミラー40を含む。
フォトセンサ34は、中間転写ベルト30上に形成される調整用パターンを読み取るためのセンサである。画像入力部62は、出力すべき画像の画像データを外部から取得する。画像データを提供するソースは、通信線を介して画像形成装置100に接続される機器である。前記機器の一例は、パーソナルコンピュータなどのホストである。他の一例は、イメージスキャナである。取得された画像データは、印刷処理のためにRAM68に格納される。
制御部60は、具体的にはCPUもしくはマイクロコンピュータである。RAM68は、制御部に対して作業用のワークエリアおよび画像データを格納する画像メモリとしての領域を提供する。画像入力部62から取得される画像データには、その属性を示す情報が付与されている。付与された属性には、各画像の縦横のサイズ、モノクロ画像とカラー画像の種別等が含まれる。
制御部60は、取得された画像データを、付与された属性に対応付けてRAM68に格納する。画像データは、ジョブ単位でRAM68に格納され、さらに一つのジョブが複数ページからなる場合は、ページ単位で格納される。画像データが、外部のホストから、ページ記述言語の形式で入力される場合、制御部60は、入力された画像データを展開して画像メモリ領域に格納する。
ROM70は、制御部60が実行する処理手順を定めたプログラムを格納する。さらに、ROM70は、調整用パターンを生成するためのパターンデータを格納する。制御部60は、図2に示す種々の駆動負荷の駆動を制御する。さらに、画像形成装置100の構成部であって、図1、図2に図示されていない各部の動作を制御する。
LSU64は、図示しない画像処理部を介して、RAM68内の画像メモリ領域に格納された画像データに基づく信号(画素信号)を受領する。前記画像処理部は、画像データを処理して出力すべき画像の各画素に応じた変調信号をLSU64に提供する。なお、前記変調信号は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに提供される。イエローの変調信号は、LSU64内に配置されたレーザダイオード42Yの発光を変調するために用いられる。マゼンタ、シアン、ブラックの各変調信号は、LSU64内のレーザダイオード42M、42C、42Kの発光をそれぞれ変調するために用いられる。
駆動部66は、感光体ドラム10K、10C、10M、10Yをそれぞれ駆動するドラム駆動モータ26K,26C、26M、26Yと、ベルト駆動ローラ32を駆動するベルト駆動モータ28とを含む。ベルト駆動モータ28は、ベルト駆動ローラ32を介してベルト30を駆動する。さらに、駆動部66は、ポリゴンミラー40を駆動する図示しないモータを含む。なお、制御部60は、感光ドラム10の周面と中間転写ベルト30の周面が互いに等しい一定の速度で周回するように、それらを駆動するモータを制御する。
(調整用パターンの形成、測定、調整手順の概要)
調整用パターンを形成する場合、制御部60は、ROM70に予め格納されているパターンデータを取得する。取得したパターンデータを画像メモリ領域に展開して調整用パターンを準備する。その後、制御部60は、展開されたパターンのデータをLSU64に転送する。データを受領した色成分のレーザダイオードは、感光体ドラム上にパターンの静電潜像を形成する。
現像ユニット24Y〜24Kは、形成された静電潜像を現像して調整用パターンのトナー像を形成する。各色成分のトナー像は、中間転写ベルト30上に転写される。
フォトセンサ34は、形成された各色成分の調整用パターンを読み取る。制御部60は、読み取られた各色成分の調整用パターンから得られる情報に基づいて、画像の調整を行う。
以下に、色ずれ調整の例を説明する。制御部60は、フォトセンサ34で読み取られた各色成分の調整用パターンの検出タイミングを基準のタイミングと比較して偏差を求める。タイミングの偏差は、中間転写ベルト30の周の移動速度を用いて位置の偏差に換算することができる。ここで、制御部60は、特定の色成分を基準色とし、基準色の調整用パターンを偏差を求める上での基準としてもよい。
調整用パターンを形成する場合、制御部60は、例えば、各色成分のレーザダイオード42をそれぞれ発光させ、各感光ドラム10上を露光するように制御する。
図1に示すように、感光体ドラム10Kと10Cとの軸間距離はP1である。感光体ドラム10Cと10Mとの軸間距離はP2である。また、感光体ドラム10Mと10Yとの軸間距離はP3である。ここでは、距離P1、P2およびP3はそれぞれ100mm、各感光体ドラム10の直径はそれぞれ30mmとしている。
ここで、制御部60が各色成分のパターンの形成位置を得る手順の例を説明する。
図3は、中間転写ベルト30上に形成される調整用のパターンの一例を示す説明図である。図3は、転写ベルト30を上方からみた図である。中間転写ベルト30は、矢印X方向へ移動する。図1に示すフォトセンサ34は2つのフォトセンサ34f、34rからなり、それらは反射型のフォトセンサであり、中間転写ベルト30の上面に対向して配置されている。また、2つのフォトセンサ34f、34rは、ベルト30の幅方向(主走査方向)に延びる直線上に整列し、かつ、中間転写ベルト30の幅方向の両端部に形成される2つの調整用パターンP、又はいずれか一方のエッジに形成される調整用パターンPに対向するように配置されている。
以下に、各調整用パターンを用いてどのように画像の色ずれの調整がなされるかについて説明する。
この実施形態に係る画像形成装置は、色ずれの3つの要素を測定し、測定結果に基づいて調整を行う。
1:感光体ドラム間の位相ズレ(副走査AC成分)
本発明では、各色それぞれについて基準位相を有しており、基準位相からのズレ(τ)を求めて、このズレに基づいて感光体間の位相ズレを算出して、回転位相の補正を行う。具体的には、感光体回転停止時に停止までの回転時間を調整することで補正する。
2:副走査方向の画像形成位置ズレ(副走査DC成分)
本発明では、副走査方向ズレは主走査方向に平行に伸びる調整用パターンの位置を測定して、サインカーブフィッティング法により値Cとして算出できる。
この要素は、主としてポリゴンミラー40など露光光学系の熱膨張に起因するものと考えられる。この要素に対しては、各色の副走査ラインの書き出しタイミングを変えることによって調整される。
3:主走査方向の画像形成位置ズレ(主走査DC成分)
本発明では、斜め調整パターンにより調整用パターンの位置を測定して、サインカーブフィッティング法により主+副走査方向ズレを算出して、先に求めた副走査方向のズレCを減算して求めることができる。この要素も、主としてポリゴンミラー40など露光光学系の熱膨張に起因するものと考えられる。この要素に対しては、各色の主走査ラインの書き出し位置、即ち、レーザダイオード42の発光開始タイミングを変えることによって調整が可能である。
図4はこの実施形態における特徴的な調整用パターンの作成例である。
本発明では図4に示すように感光体ドラムの回転角度に換算して120°ごとに、転写ベルト30の移動方向Xに対して3つの調整用パターンP1、P2、P3を作成する。なお、この実施形態では、調整用パターン数を最小値の3にしているが、4以上であってもよい。
(回転位相の調整)
以下では、色ずれの第1の要素である副走査AC成分とそれを抑制するための回転位相の調整について、図7と図8を用いて詳述する。
色別に各感光体で形成された画像には、各感光体ドラムの偏心によるピッチ変動成分が含まれる。このピッチ変動に不一致があると、画像の色ずれとして認識される。
図7は、一例としてシアンの感光体ドラム10Cにおける各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
以下、角度、距離が混在して記載されているが、いずれも時間に換算して解釈される。
調整開始信号S0は、任意のタイミングで制御部60から出力される、調整処理におけるスタート基準となる信号である。
調整開始信号S0によりレーザ発光信号CS1、CS2、CS3が感光体ドラム10Cの回転角120°ごとに出力される。レーザ発光信号CS1、CS2、CS3は、短冊状の調整用パターンP1、P2、P3(図4)に対応している。
基準位置は、基準の調整用パターンの検出信号C1、C2、C3が検出されるべき時間であり、レーザ発光信号CS1、CS2、CS3からそれぞれ遅延時間TL後に対応する。遅延時間TLは感光体ドラム10Cがレーザビームによる露光位置から転写位置まで回転する時間と、転写ベルト30がシアン画像の転写位置からフォトセンサ34までの移動する時間の合計時間に相当する(図1参照)。
測定位置はシアンの調整用パターンの検出信号C1、C2、C3が実際に検出された時間であり、基準調整用パターンとのずれがΔ1、Δ2、Δ3で表わされる。
再現波形(a)は、後述のサインカーブフィッティング計算式により、Δ1、Δ2、Δ3に基づいて計算して得られる波形であり、y=Ac・sin(θ+τc)+Ccで示される。
基準正弦波(b)つまりy=A・sinθは、再現波形(a)との位相差τcを示すための比較対象として記載されている。この場合、基準位置がθ=0に相当する。
図8は、シアンとブラックの感光体ドラム10C、10Kにおけるタイミングの関係を示すタイミングチャートである。
図8においてシアンの感光体ドラム10Cにおけるタイミングチャートは図7と同様である。
この実施形態において、シアンの感光体ドラム10Cに対してブラックの感光体ドラム10Kの位相ずれのない状態で転写ベルト30に両者の調整用パターンが形成されると、調整用パターンが重なり合ってフォトセンサ34f、34rで検知できない。そこで、実際には、隣接する調整用パターン間をたとえば3mm開けている。すなわちパターン間間隔=3mmとしている。
従って、図8に示すように、ブラックのレーザ発光信号KS1、KS2、KS3は、調整開始信号S0から、感光体間距離P1(図1)−パターン間間隔3mmをプロセス速度Vで除した時間Tbに相当する時間後に出力される。
ブラックの感光体ドラム10Kにおいては、基準位置は、基準の調整用パターンの検出信号K1、K2、K3が検出されるべき時間であり、レーザ発光信号KS1、KS2、KS3からそれぞれ遅延時間TL後に対応する。測定位置はブラックの調整用パターンの検出信号K1、K2、K3が実際に検出された時間であり、基準調整用パターンとのずれがΔ1、Δ2、Δ3で表される。
再現波形(c)は後述のサインカーブフィッティング計算式により、Δ1、Δ2、Δ3に基づいて計算して得られる波形であり、y=Ak・sin(θ+τk)+Ckで示される。
また、パターン間間隔を回転角に換算したときの値がψである。
前述のように、パターン間間隔3mmのとき、感光体ドラムの直径が30mmであれば、ψは約11.5゜である。
つまり、ブラックとシアンの調整パターンが重ならないよう、ψだけ早い時間、調整用パターンの印字を開始している。
従って、ブラックの調整用パターンPK1〜PK3を先に形成し、シアンの調整用パターンPC1〜PC3を後に形成した場合において、位相ずれのない状態は
τc=τk+ψ
である。
一方、位相ずれが生じて、たとえばτkは+30゜(再現波形が基準正弦波に対し図面左方向へのズレたら+、右方向へズレたら−)、τcが+50゜であるとすると、ψ=11.5゜であるので、
50゜+σ=30゜+11.5゜
位相ズレ角σ=−8.5゜
即ち、シアンの感光体ドラム10Cが位相ズレ角σだけ位相が進んでいるか、もしくはブラックの感光体ドラム10Kがσだけ位相が遅れているので、σをゼロにするには、シアンの感光体ドラム10Cの回転をσ=8.5゜遅らせるか、もしくはブラックの感光体ドラム10Kの回転をσ=8.5゜進める必要がある。
ここで、ブラックは文字が印字される色であるので、文字原稿の色ずれの低減を考えると、ブラックを基準色として他の色つまりイエロー、マゼンダ、シアンを合わせることが望ましい。
上記の例はシアンとブラックの例であるが、イエロー、マゼンダの場合についても同様である。
感光体ドラムの回転位相を調整するには、画像形成後のドラム駆動モータの停止タイミングを調整することで実現する。以降、回転位相の調整について詳述する。
(感光体ドラムの回転位相調整)
図9に各感光体ドラムの回転位相を調整する手法について、詳細に説明する。
ブラックの感光体ドラム10Kとシアンの感光体ドラム10Cとの位相が合った状態であれば、両感光体を図9(a)に示すように両者の駆動信号Dk、Dcを同時にONからOFFにして同時に停止させる。通常の使用時は、位相が合った状態であるので、このように同時に停止させる。
もしくは、何れかの感光体ドラムを停止させてから、n周回転後(nは整数)に他の感光体ドラムを停止させることで位相関係を変化させずに、停止させることができる。
シアンの感光体ドラム10Cの位相がブラックの感光体ドラム10Kよりもσだけ進んだ状態であれば、図9(b)のようにシアンの感光体ドラム10Cの停止をブラックの感光体ドラム10Kよりσ早めて停止させることで補正できる。
逆に、シアンの感光体ドラム10Cの位相がブラックの感光体ドラム10Kよりもσだけ遅れた状態であれば、図9(c)のようにシアンの感光体ドラム10Cの停止をブラックの感光体ドラム10Kよりσ遅らせて余分に駆動することで補正できる。
また、何れかの感光体を停止させてから、n周回転後(nは整数)に同様にσの補正を施して停止させることで、回転位相調整が可能である。
図6は、感光体ドラム10Y〜10Kの1つ、例えば、シアンの感光体ドラム10Cと、それを駆動するドラム駆動モータ26Cの駆動機構を示す説明図である。感光体ドラム10Cの一端には、感光体ドラム10Cのフランジと一体に被駆動ギア147が設けられている。
ドラム駆動モータ26Cは、制御部60(図2)によってその回転が制御される。ドラム駆動モータ26Cの出力軸には駆動ギア146が嵌められている。駆動ギア146は、被駆動ギア147と係合している。
感光体ドラム10Cは、回転位相を検知するために基準信号を発生する位相センサ143Cが配置されている。被駆動ギア147には、突起部144が設けられている。位相センサ143Cは、感光体ドラム10Cが一回転して突起部144がその検知部を通過するごとに基準信号を出力する。位相センサ143Cとしては、例えば、フォトインタラプタを用いることができる。基準信号は制御部60へ入力される。他の感光体ドラム10Y、10M、10Kも同様の構成を用いて位相センサ143K、143M、143Y(図2参照)により回転位相が検出される。
図10は図6の位相センサ143が出力する基準信号を示すタイミングチャートである。位相調整前にブラックの感光体10Kとシアンの感光体10Cの基準信号TkとTcの時間差Tpを測定し、位相調整後に再度Tpを測定して、前後のTpを比較することで、位相調整が確実に行われているか否かを確認することができる。もし、位相調整後のTpが位相調整前のTpと比較して所定の時間差だけ変化していないことを確認したら、位相調整前の時間差と位相調整後の時間差との差分を算出して、再度位相調整つまり感光体停止タイミング調整を実施することで正確に位相調整できる。
(サインカーブフィッティング計算式について)
図11に調整用パターンのサンプリングポイントでの基準正弦波の総和が0となる位置を示す。
たとえば、感光体ドラム回転角度で120゜おき(0゜、120゜、240゜)に3点が作成される。このことにより、調整用パターンの作成数及び同パターン間距離を最小にすることができる。
別の例として、感光体ドラム回転角度で90゜おき(0゜、90゜、180゜、270゜)に4点作成してもよい。
サンプリングポイントでの基準正弦波の総和が0となるとは、図11の例では、3つのサンプリングポイントでの、基準正弦波におけるそれぞれの偏差(Δ1、Δ2、Δ3)の合計が0になることをいう。図11では0゜での偏差は0、120゜での偏差と240゜での偏差はΔ2=−Δ3の関係にあり、Δ1+Δ2+Δ3=0となる。このような条件でサンプリングすることにより、後述の値Cを偏差Δnの平均値から取得することができ、好都合である。そして、以下のサインカーブフィッティング計算法を適用することで、位相差及び振幅を最も短時間かつ最小の調整用パターン数で取得することができる。
図7,8に示す再現波形(以下、y=f(θ)で表わす)は以下の式で表わされる。
y=f(θ)=a×sin(θ)+b×cos(θ)+C=A・sin(θ+τ)+C ……(1)
そこで、以下の数式を用いて、調整用パターンK1,K2,K3の偏差Δn(=Δ1、Δ2、Δ3)及びθn(θ1=0、θ2=120°、θ3=240゜)から上記式(1)のa,b,CおよびA、τを求める。
Δ1、Δ2、Δ3は、基準位置に対する時間差として検出した値(Δt)を用いることができる。
また、Δtにベルト搬送速度Vを乗じて、距離ΔLに変換して計算することもできる。
また、距離ΔLを1ドットの大きさ(約42μm)で除して、ドット数に変換して計算することもできる。ドット数に変換して計算した場合、計算値の振幅や色ずれがドット数で算出されるので、テストパターンをプリントアウトして目視確認するとき、計算結果との照合が容易であり好都合である。
ここで、a、b、Cは
Figure 0004639243
で表される。ここで、Nは調整用パターンの数であり、この実施形態ではN=3である。
また、図5に示すように振幅Aは
Figure 0004639243
で表される。
また、位相差τは、
τ1=arcsin(b/A)
を表1の補正式により変換して求める。これは、a,bの符号を、図18に示すI〜IV象限に対応させて変換する必要があるためである。また、補正式の計算結果におけるτの数値範囲は、
0≦τ<360
で示される。
Figure 0004639243
図19は、調整パターンを感光体ドラムの360°の回転角度において、0°,120°,240°の3点を含む17点で作成し、偏差Δ1〜Δ17を実測した結果を示す。
図20は、図19から0°,120°,240°の3点のみにおける偏差(0,-0.8,-3.1)を抽出して示したものである。
図20に示すデータを前述の各式に適用して算出すると、
a=1.33
b=1.30
A=1.86
τ1=44.3°
τ=44.3°
C=-1.3
が得られる。
これらの値に対応する再現波形(サインカーブ)は図21のようになる。なお、図21に示すサインカーブは、τ=44.3°だけシフトしていることを分かり易く表すため、C=0として描かれている。
このようにして、基準位置に対する位相ズレτ及び基準位置に対する副走査方向の色ずれCを求めることができる。
従って、副走査方向に画像がC(dot)分だけ正方向(画像後端方向)にずれているときには画像形成位置を負方向(画像先端方向)に修正することで色ずれを解消できる。
別の方法として、ある一色、例えばブラックの画像形成位置を基準として、ブラックの画像形成位置に合わせるよう他の色の画像形成位置を補正しても良い。例えばブラックの画像が50dot分だけ正方向にずれており、シアンの画像が30dot分だけ正方向にずれていた場合、ブラックの画像形成位置に合わせるよう、シアンの画像を正方向に更に20dotずらすように修正しても良い。イエロー、マゼンタも同様である。
図12は、ブラック調整用パターンをPK1〜PK3を矢印X方向に搬送されるベルト30の両エッジに設けた例を示す。
この場合、一方のエッジでの算出値a,b,Cと他方のエッジでの算出値a,b,Cの平均値を採用する。
図13は、図12に示す調整用パターンPK1、PK2、PK3を副走査方向にそれぞれ複数設けた例を示す。
この場合、1番目の算出値a,b,Cと2番目の算出値a,b,Cの平均値を採用する。
図14は、調整用パターンを4色分(PK1、PC1、PM1、PY1)、(PK2、PC2、PM2、PY2)、(PK3、PC3、PM3、PY3)設けた例を示す。
この場合、4色それぞれに対してa,b,Cをそれぞれ算出し、適用する。
図15は、図14の調整用パターンに4色分の主走査用調整用パターンPK4、PC4、PM4、PY4を追加した例を示す。
この場合、主走査方向の色ずれが生じていた場合、主走査方向の色ずれは先に求めた副走査方向の色ずれ値Cに加算して発生するので、基準位置からの色ずれを検出した後、先に求めた副走査方向の色ずれを減算することによって、主走査方向の色ずれを求めることができる。
図16は、この発明の他の実施形態を示す図2対応図であり、この実施形態では、感光体ドラム10C、10M、10Yを共通の駆動モータ26CLで駆動する例を示す。この場合、位相センサは1つの共通の位置センサ143CLにすることができる。このとき、位相センサ143CLは感光体ドラム10C、10M、10Yの何れかに対して設ければよい。感光体ドラム10C、10M、10Yのそれぞれの回転位相は工場での製品製造時に調整され、変化することはない。この場合ブラックの感光体ドラム10Kと他の感光体ドラム10C、10M、10Yとの位相差が生じないよう、本発明を適用する。
図17は図16に示す実施形態においてにブラック調整用パターンPK1、PK2、PK3でブラックの感光体ドラム10Kを位相制御し、シアン調整用パターンPC1、PC2、PC3で3種類のカラー感光体ドラム10C、10M、10Yの位相制御を行う調整用パターンの例を示す。
なお、副走査方向の位置ズレ、主走査方向の位置ずれについては、やはり感光体ドラム10C、10M、10Yのそれぞれについて検知する必要がある。図16の例は、位相制御のみを行う場合に可能な調整パターンの作成形態である。
この発明の実施形態の画像形成装置を示す構成説明図である。 図1に示す画像形成装置の制御系を示すブロック図である。 図1に示す画像形成装置の要部説明図である。 図1に示す画像形成装置の要部説明図である。 図1に示す画像形成装置の制御方法を説明するための説明図である。 図1に示す画像形成装置の感光体ドラムの駆動系を示す説明図である。 図1に示す画像形成装置の動作を説明するタイミングチャートである。 図1に示す画像形成装置の動作を説明するタイミングチャートである。 図1に示す画像形成装置の動作を説明するタイミングチャートである。 図1に示す画像形成装置の動作を説明するタイミングチャートである。 図1に示す画像形成装置の動作を説明するタイミングチャートである。 図1に示す画像形成装置の要部説明図である。 図1に示す画像形成装置の要部説明図である。 図1に示す画像形成装置の要部説明図である。 図1に示す画像形成装置の要部説明図である。 この発明の他の実施形態を示す図2対応図である。 図16に示す実施形態の要部説明図である。 この発明に係るサインカーブフィッティング法を説明する説明図である。 この発明に係るサインカーブフィッティング法を説明する説明図である。 この発明に係るサインカーブフィッティング法を説明する説明図である。 この発明に係るサインカーブフィッティング法を説明する説明図である。
符号の説明
10Y、10M、10C、10K 感光体ドラム
13Y、13M、13C、13K 中間転写ローラ
24Y、24M、24C、24K 現像ユニット
30 中間転写ベルト
34 フォトセンサ
36 2次転写ローラ
42Y、42M、42C、42K レーザダイオード
64 露光ユニット
100 画像形成装置
103Y、103M、103C、103K 帯電ローラ
PY、PM、PC、PK 画像形成部

Claims (11)

  1. 複数の感光体ドラムと、各感光体ドラムに静電潜像を形成する潜像形成部と、前記静電潜像を現像する現像部と、現像された各感光体ドラムの画像を移動する記録媒体上に重ねて転写する転写部と、各転写画像の記録媒体上の位置を測定する測定部と、前記感光体ドラムと潜像形成部と現像部と転写部とを制御する制御部とを備え、制御部は、測定部によって測定された位置からサインカーブフィッティング法により記録媒体上の画像の位置ずれに関連する値を算出する算出部と、算出された値を補正する補正部を備え、制御部は、各感光体ドラムに所定回転角度ごとに調整用パターンの静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像して記録媒体上に転写するように、潜像形成部と現像部と転写部を制御すると共に、測定部によって測定される各調整用パターンの位置yをサインカーブフィッティング法によりy=Asin(θ+τ)+C(θは感光体ドラムの回転角)で表して位相差τと色ずれCを求め、算出された値が一方の感光体ドラムに対する他方の感光体ドラムの位相差τであるとき、前記補正部は感光体ドラムの停止時に一方の感光体ドラムに対して他方の感光体ドラムを前記位相差に対応する時間だけずらせて停止させることにより位相差τを補正し、算出された値が色ずれCであるとき画像形成位置を副走査方向にCだけ補正することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記所定回転角度が120度である請求項記載の画像形成装置。
  3. 複数の感光体ドラムが第1および第2感光体ドラムからなり、記録媒体上に第1および第2感光体ドラムによる調整用パターンが交互に形成される請求項記載の画像形成装置。
  4. 複数の感光体ドラムが第1,第2,第3および第4感光体ドラムからなり、移動する記録媒体上に第1感光体ドラムによって形成される調整用パターンの間に第2,第3,第4感光体ドラムによる調整パターンが形成される請求項記載の画像形成装置。
  5. 調整用パターンは、記録媒体の移動方向に直交する両エッジに形成される請求項記載の画像形成装置。
  6. 調整用パターンは、記録媒体の移動方向に対して傾斜するように形成される請求項記載の画像形成装置。
  7. 各感光体ドラムは独立した駆動源により駆動される請求項1記載の画像形成装置。
  8. 複数の感光体ドラムが少なくとも3つの感光体ドラムからなり、1つをのぞいて他の感光体ドラムが共通の駆動源によって駆動される請求項1記載の画像形成装置。
  9. 各感光体ドラムの回転位相を検出する位相センサをさらに備え、制御部は位相センサの出力に基づいて、補正部の補正結果を確認する機能を備える請求項1記載の画像形成装置。
  10. 各感光体ドラムの回転位相を検出する位相センサをさらに備え、制御部は位相センサの出力に基づいて、補正部の補正結果を調整する機能を備える請求項1記載の画像形成装置。
  11. 調整パターンの基準正弦波における総和が0になるように前記所定回転角度が決定される請求項記載の画像形成装置。
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