JP4252799B2 - プロテクタおよび留置針組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、プロテクタおよび留置針組立体に関する。より詳しくは、例えば、輪液や採血の際に血管等に穿刺して使用される針体のプロテクタ、および、これを備えた留置針組立体に関する。
患者に対し輪液を行う際などには、輸液ラインと接続される留置針を患者の血管に穿刺し、留置してこれを行う。このような留置針は、中空の外針と、外針の基端に固着された外針ハブと、前記外針内に挿入され、先端に鋭利な針先を有する内針と、内針の基端に固着された内針ハブとで構成されている。
この留置針を患者の血管に穿刺する際には、内針を外針内に挿入し、内針の針先を外針の先端から突出させた状態で穿刺操作を行う。そして、内針の針先が血管内に到達すると、針先の開口より流入した血液は、内針の内腔を通り、透明な内針ハブの内部に流入する(フラッシュバック)。これにより、内針が血管を確保したことが確認できる。
このフラッシュバックを確認したら、内針および外針をわずかに進め、外針の先端を血管内に挿入する。次いで、外針を手で把持しつつ、内針を外針から抜き取り、外針ハブに輪液ラインのコネクタを接続する。そして、接続された輸液ラインおよび外針を介して輸液の投与を行う。
ところで、外針から抜き取られた内針は、不要となるため、廃棄に供されるが、これをそのまま廃棄すると、廃棄作業者等が誤って内針の針先で指等を指すという事故が起きるおそれがある。特に、内針の表面や内部には、血液が付着、残留しているため、このような誤刺により、感染を起こすおそれもある。
従って、使用済みの内針は、針先が刺さらないような硬質の頑丈な専用容器に収納して廃棄することが好ましいが、そのような専用容器を常に携帯して各患者のもとに持ち運ぶことは、業務の効率化の観点から困難であるため、現状では、使用済みの内針は、留置針キットを収納していた開封済みの包材に入れて廃棄するか、あるいは、針先にキャップを被せて破棄するなどの対策がとられている。
しかしながら、このような内針を包材で包む作業やキャップを被せる作業に際しても、内針の針先で作業者の手を誤刺したりしないようにするために、細心の注意を払わねばならず、使用後の内針の廃棄処理に多大な手間を要するという問題がある。
本発明の目的は、簡単な操作で使用後の針体の針先を収納することができ、廃棄処理等に際し安全性の高いプロテクタ、および、これを備えた留置針組立体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
) 先端に鋭利な針先を有する針体の長手方向に沿って相対的に移動可能な第1の姿勢と、前記針体の針先を覆った状態で、前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止される第2の姿勢とに変位可能なプロテクタであって、
弾性を有する板状部材を変形してなる本体部を有し、
前記本体部は、その中央部に、前記針体が貫通可能な第1の孔が形成された第1の部位を有し、
その針元側に、前記針体が貫通可能な前記第2の孔が形成された第2の部位を有し、
その針先側に、前記針体が貫通可能な貫通部が形成された第3の部位を有し、さらに前記第1の部位および第2の部位の端部同士を接続する後方接続部と、前記第1の部位および前記第3の部位の端部同士を接続する前方接続部とを有し、それにより前記本体部は、全体形状としてほぼS字状をなしており、
前記第1の部位と前記後方接続部との接続部分は、前記第1の部位と前記後方接続部とのなす角度が小さくなる方向に付勢されており、
前記第1の姿勢のとき、前記針体が前記第1の孔、前記第2の孔および前記貫通部を貫通しており、
その状態から前記針体に対して先端方向に移動して前記貫通部と前記針体との係合が解除されることにより、前記第1の部位と前記後方接続部とのなす角度が小さくなり、それにより針体に対する前記第1の部位の傾斜角度が前記第1の姿勢のときより小さくなるように弾性的に変形して前記第2の姿勢となり、これにより前記第1の孔の内面と前記針体の外周面との間の摩擦力が発生または増大して前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止されるよう構成されていることを特徴とするプロテクタ。
) 前記第2の姿勢のとき、前記本体部の先端部が前記針体の針先を覆う上記()に記載のプロテクタ。
) 前記貫通部と前記第1の孔との間に位置し、前記第2の姿勢において前記針体の針先を覆うキャップ部材を有する上記(1)または(2)に記載のプロテクタ。
) 先端に鋭利な針先を有する針体の長手方向に沿って相対的に移動可能な第1の姿勢と、前記針体の針先を覆った状態で、前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止される第2の姿勢とに変位可能なプロテクタであって、
金属材料で構成された板状体を変形してなり、
前記針体が貫通可能な第1の孔が形成された第1の部位と、前記第1の部位より針元側に位置し、前記針体が貫通可能な第2の孔が形成された第2の部位と、前記第1の部位および前記第2の部位を端部同士を接続する第3の部位と、を有しており、全体として略「コ」形状をなすプロテクタ本体と、
前記第1の部位と前記第3の部位との接続部分における前記第1の部位と前記第3の部位とのなす角度が小さくなり、それにより前記第1の部位の前記針体に対する傾斜角度が小さくなるように前記第1の部位を付勢する付勢手段と、
前記第1の部位より針先側に設けられ、前記第1の姿勢のとき前記針体に当接することにより前記第1の部位の前記針体に対する傾斜角度が変化することを防止する機能を有し、樹脂材料で構成された針体当接部とを備えており、
前記第1の姿勢のとき、前記針体が前記第1の孔および前記第2の孔を貫通しており、
前記第1の姿勢から、前記針体に対して相対的に先端方向に移動し、前記針体当接部が前記針先を通過して前記針体から離反することにより、前記付勢手段によって前記第1の部位と前記第3の部位とのなす角度が小さくなり、それにより前記針体に対する前記第1の部位の傾斜角度が前記第1の姿勢のときより小さくなるように変形して前記第2の姿勢となり、これにより前記孔の内面と前記針体の表面との間の摩擦力が発生または増大して前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止されるよう構成されていることを特徴とするプロテクタ。
) 前記第2の姿勢において、前記針先を先端側から覆う針先受け部を有する上記()に記載のプロテクタ。
) 前記第2の姿勢において前記プロテクタの先端部を基端方向に押圧したとき、前記第1の部位に対し、前記傾斜角度がより小さくなるような力を作用する手段を有する上記(1)ないし()のいずれかに記載のプロテクタ。
) 先端に鋭利な針先を有する内針と、
前記内針に装着された上記(1)ないし()のいずれかに記載のプロテクタと、
前記内針の基端側に設置された内針ハブと、
前記内針が挿入可能な中空の外針と、
前記外針の基端側に設置された外針ハブとを備えることを特徴とする留置針組立体。
本発明によれば、簡単な操作で、迅速かつ安全に、使用後の針体をプロテクタで覆うことができ、廃棄処理等に際し、誤って針先で手指等を刺すという事故がなく、衛生面、安全面で極めて優れたプロテクタおよび留置針組立体を提供することができる。
また、本発明によれば、極めて小型のプロテクタで上記効果を達成することができ、プロテクタは、使用状態では針元部の僅かなスペースに収まる。このため、プロテクタ設置スペースの確保が容易で、特別な構造を持たない通常の針体に装着して使用することができる。
また、樹脂材料で構成された針体当接部を有する本発明のプロテクタは、第1の姿勢において針体に対し円滑に(比較的小さい操作力で)移動可能である。よって、プロテクタで針先を覆う操作を迅速、容易かつ確実に行うことができる。
また、プロテクタの本体部を板状部材を変形して形成した場合には、極めて簡単な構造で上記効果を達成することができる。
また、横ずれ防止部材を有する場合には、プロテクタに対し強い横方向の外力が作用したような場合にも、針先の突出をより確実に防止することができる。
また、本発明の留置針組立体では、内針(針体)に対しプロテクタが離脱するのを防止するための加工(凹部や凸部を形成するなど)が不要である。これにより、内針の先端部を円滑な外周面を有するものとすることができ、内針の強度の低下や刺通抵抗の増大等を招くことがないとともに、製造が容易である。
また、本発明の留置針組立体において連結手段を設けた場合には、より簡単な操作で、より確実に内針の針先をプロテクタで覆うことができ、安全性、操作性のさらなる向上が図れる。
以下、本発明のプロテクタを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<プロテクタの第1実施形態>
図1および図2は、それぞれ、本発明の第1実施形態のプロテクタを示す側面図である。なお、以下では、図1および図2中の針先側を「先端」、ハブ側を「基端」とし、先端を上にした場合の左側を「一端」、右側を「他端」として説明する。
図1および図2に示す穿刺具1Aは、先端部に鋭利な針先41を有する針管(針体)4と、この針管4に装着され、針管4の針先41を収納可能なプロテクタ2Aと、針管4の基端部に固定されたハブ5とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
針管4は、中空針であり、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料で構成されている。針管4の先端部には、鋭利な針先41が形成されている。この針先41の形状は特に限定されず、本実施形態では、針管4の軸線に対し所定角度傾斜した刃面を有する形状をなしている。
針管4の基端部には、ハブ5が液密に固着(固定)され、針管4の内腔とハブ5の内部とが連通している。
針管4のハブ5に対する固着方法としては、例えば、カシメ、融着(熱融着、高周波融着等)、接着剤による接着等の方法が挙げられる。
ハブ5は、ほぼ筒状の部材で構成され、好ましくは透明(無色透明)、着色透明または半透明の樹脂で構成され、内部の視認性が確保されている。
このハブ5は、基端方向に向かってその外径および内径が漸増するテーパ状をなしている。このテーパ状部分には、例えば、シリンジ(図示せず)の先端部が挿入され、穿刺具1Aがシリンジに装着される。
ハブ5の構成材料は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられる。
プロテクタ2Aは、弾性を有する板状部材を変形して(曲げ加工して)形成されており、長手方向ほぼ中央に位置する第1の部位(ブレーキ部)21と、針元側(基端側)に位置する第2の部位22と、針先側(先端側)に位置する第3の部位23と、第1の部位21と第2の部位22との他端部同士を接続する後方接続部24と、第1の部位21と第3の部位23との一端部同士を接続する前方接続部25とを有している。これにより、プロテクタ2Aは、全体形状としてほぼS字状をなしている。
プロテクタ2Aの第1の部位21には、ほぼ円形をなす第1の孔31が設けられており、第2の部位22には、第2の孔32が設けられており、第3の部位23には、第3の孔33が設けられている。これら第1の孔31、第2の孔32および第3の孔33は、針管4が貫通可能な孔である。
また、図示の構成では、第3の部位23の他端部には、内側に湾曲(屈曲)するカバー部26が設けられている。
このようなプロテクタ2Aは、穿刺具1Aの使用時(生体などに穿刺するとき)には、図1に示す姿勢、すなわち第1の孔31、第2の孔32および第3の孔33を針管4が貫通(挿通)した姿勢(この姿勢を以下、「第1の姿勢」と言う。)になっている。この第1の姿勢のとき、プロテクタ2Aは、針管4に対し長手方向に移動可能である。通常は、図1に示すように、プロテクタ2Aが針管4の基端部に位置する状態(この状態を以下、「使用状態」と言う。)で穿刺具1Aを使用する。
図示の構成では、第1の姿勢のとき、第1の部位21、第2の部位22および第3の部位23は、それぞれ針管4に対しほぼ垂直になっており、後方接続部24および前方接続部25は、それぞれ針管4とほぼ平行になっている。これにより、第1の姿勢において第1の部位21と後方接続部24とのなす角度は、ほぼ直角になっている。
これに対し、プロテクタ2Aが針管4に装着されず外力がかかっていない自然状態(外力を付与しない状態)においては、第1の部位21と後方接続部24とのなす角度は、図2に示す状態よりも小さく設定されている。すなわち、プロテクタ2Aは、第1の部位21と後方接続部24とが開くように変形(弾性変形)させられた状態で、針管4に装着されている。
この変形により、プロテクタ2Aが針管4に装着された状態では、第1の部位21と後方接続部24との接続部分は、第1の部位21と後方接続部24とのなす角度が小さくなる方向に付勢されており、第1の部位21は、針管4に対する傾斜角度(図1中のθおよび図2中のθ' で示す角度)が小さくなるような方向に付勢されている。換言すれば、プロテクタ2Aにおける第1の部位21と後方接続部24との間の部分は、その弾性によって第1の部位21の針管4に対する傾斜角度が小さくなるような方向に第1の部位21を付勢する付勢手段となっている。
ここで、第1の部位21の針管4に対する傾斜角度は、第1の部位21と針管4とがなす角のどちら側を選択するかによって2つの大きさで表すことができるが、本明細書において「第1の部位21の針管4に対する傾斜角度」とは、後述する第2の姿勢のときに90°未満になる角(小さい方の角)の角度を指すものとする。すなわち、本実施形態においては、図1中のθおよび図2中のθ' で示す角度である。この角度を以下、「第1の部位傾斜角度」と言う。
図1に示す第1の姿勢においては、第3の部位23に形成された第3の孔33を針管4が貫通していることにより、前記付勢手段の付勢力によって第1の部位傾斜角度が小さくなるようにプロテクタ2Aが変形することが阻止され、前述したように第1の姿勢における第1の部位傾斜角度θは、ほぼ直角に保たれている。換言すれば、第3の孔33は、第1の姿勢において、針管4と係合することにより、第1の部位傾斜角度θをほぼ直角に規定する傾斜規定手段となっている。
なお、本実施形態における前記傾斜規定手段は、第3の孔33に限らず、針管4が貫通して係合可能な貫通部であればよく、例えば周の一部が欠損したフック状のものとなっていてもよい。
このような使用状態(第1の姿勢)から、プロテクタ2Aを針管4に対し先端方向に移動させていき、針先41が第3の部位23の第3の孔33を通過すると、針管4と第3の孔33との係合が解除される。これにより、プロテクタ2Aは、前記付勢手段の付勢力によって、弾性的に図2に示す姿勢(この姿勢を以下、「第2の姿勢」と言う。)に変位(変形)する。
すなわち、第2の姿勢では、プロテクタ2Aは、第1の姿勢のときと比べ、第1の部位21が後方接続部24(針管4)に対し図1中反時計方向に回動するように変位(変形)している。これにより、第1の部位傾斜角度は、第1の姿勢のときより小さくなっており、θ'<θなるθ'となっている。
これに伴なって、第3の部位23、前方接続部25およびカバー部26も後方接続部24(針管4)に対し変位(回動)しており、針管4の針先41の末端は、カバー部26によって覆われた状態となっている。このように、プロテクタ2Aが針管4の針先41を覆った状態、すなわち図2に示す状態を以下、「針先収納状態」と言う。
このような第2の姿勢(針先収納状態)のとき、プロテクタ2Aの第1の部位21が針管4に対してブレーキとして機能することにより、プロテクタ2Aは、針管4の長手方向に沿った相対的な移動が禁止(阻止)される。すなわち、前記付勢手段の付勢力によって第1の部位傾斜角度が第1の姿勢のときより小さくなることにより、第1の孔31の内面が針管4の外周面に圧接され、第1の孔31の内面と針管4の外周面との間の摩擦力が発生または増大する。この摩擦力が、プロテクタ2Aに制動力として作用し、針管4の長手方向に沿ったプロテクタ2Aの移動を禁止(阻止)する。
このような構成により、穿刺具1Aにおいては、一旦針先収納状態になると、針管4の針先41がプロテクタ2Aを超えて突出することがない。これにより、廃棄処理等に際し、誤刺を防止することができ、安全性が高い。
また、プロテクタ2Aは、第1の部位21のブレーキ作用によって針管4に対する長手方向の移動が禁止されるので、針管4にプロテクタ2Aを係止するための特別な構造(例えば、局所的に外径を太くしたり、外周部に凸部を設けたり、ハブ5とプロテクタ2Aとをヒモで結んだりするような構造)が不要である。これにより、針管4の先端部を特別な加工等を施さない円滑な外周面を有するものとすることができ、強度の低下や刺通抵抗の増大を招くことがない。また、同様の理由からプロテクタ2Aは、既存の針体と組み合わせて使用することもでき、汎用性が高い。
また、本実施形態のプロテクタ2Aは、第2の姿勢においてプロテクタ2Aの先端部を基端方向に押圧したとき、第1の部位21(第1の孔31近傍の板状部材)に対し、第1の部位傾斜角度θ' がより小さくなるような力を作用する手段を有する。
すなわち、プロテクタ2Aに対し図2中の矢印Aで示すような押圧力を加えたとき、この押圧力Aは、第3の部位23および前方接続部25を介して第1の部位21に伝達され、第1の部位傾斜角度θ' が小さくなるように作用する。これにより、第1の孔31の内面と針管4の外周面との間の摩擦力(プロテクタ2Aに作用する制動力)がさらに増大して押圧力Aに対抗し、プロテクタ2Aの移動をより確実に禁止(阻止)する。このため、押圧力Aを加えた場合にも、針先41がプロテクタ2Aを超えて突出することがより確実に防止され、特に安全性が高い。
なお、特に強い押圧力Aが作用して、万一プロテクタ2Aが基端方向に僅かに移動した場合にも、針先41は、カバー部26の内面に当接するため、針先41がプロテクタ2Aを超えて突出することはない。
また、プロテクタ2Aに対し図2中の矢印Bで示すような押圧力を加えたときにも、同様に、第1の部位傾斜角度θ' が小さくなるように作用する。これにより、押圧力Bを加えた場合にも、プロテクタ2Aが針先41から離脱する(抜け落ちる)ことがより確実に防止され、特に安全性が高い。
第1の姿勢における第1の部位傾斜角度θは、特に限定されないが、60°以上であるのが好ましく、本実施形態のようにほぼ直角であるのがより好ましい。
また、第1の孔31の内径Dは、針管4の外径dによってもその好ましい大きさは異なるが、通常、針管4の外径dより0.01〜1mm程度大きいのが好ましく、0.05〜0.2mm程度大きいのがより好ましい。
第1の姿勢における第1の部位傾斜角度θや第1の孔31の内径Dが前記範囲にあることにより、第2の姿勢において、第1の孔31の内面と針管4の外周面との間の摩擦力(プロテクタ2Aに作用する制動力)が大きくなり、針管4の長手方向に沿った相対的な移動がより確実に禁止(阻止)される。
なお、本発明においては、第1の孔31は、周の一部が欠損したもの(C字状のものなど)であってもよい(第2の孔32についても同様)。
また、第2の孔32や第3の孔33の形状は、針管4に対し摺動可能であれば円形に限らないが、円形である場合には、その内径は、第1の姿勢における摺動抵抗を軽減する観点から、第1の孔31の内径Dより0.05〜1mm程度大きいのが好ましい。
プロテクタ2Aを形成する板状部材(第1の部位21)の厚さは、その構成材料や針管4の外径等によってもその好ましい値は異なるが、通常、0.05〜2mm程度であるのが好ましく、0.06〜0.2mm程度であるのがより好ましい。前記範囲において、比較的厚いものとした場合には、第2の姿勢においてプロテクタ2Aに作用する制動力や針先41の保護性が特に優れたものとなり、比較的薄いものとした場合には、加工性や第1の姿勢における針管4に対する摺動のし易さが特に優れたものとなる。
プロテクタ2Aを形成する板状部材の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、鉄、ニッケル合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられるが、各種金属材料であるのが好ましい。また、上述したような材料を2種以上組み合わせて使用してもよい。
次に、穿刺具1Aの使用方法の一例について、図1および図2に基づいて詳細に説明する。
まず、穿刺具1Aを使用状態(図1に示す状態)とし、ハブ5の基端部にシリンジ(図示せず)の先端部を挿入し、穿刺具1Aをシリンジに装着する。この状態で、針管4を患者の血管(生体)に穿刺し、シリンジが備えるプランジャを操作し、患者に対して血液の採取あるいは薬液を注入する。
次に、血液の採取あるいは薬液の注入を終了すると、針管4を患者の血管から抜き取る。
この後、ハブ5を手で把持して固定し、他方の手またはピンセット等を用いて、プロテクタ2Aを針管4に対し先端方向に移動させる。
ここで、従来の穿刺操作では、針先41を生体から抜き取った後、針管4にキャップを被せていたが、キャップの一端部の開口内に針管4をその針先41から挿入して行うため、針先41が該開口を外れた場合には、キャップを摘んでいる指を針管4の針先41で誤刺するという事故が生じるおそれがあった。しかし、本発明では、プロテクタ2Aが針管4の先端方向に移動して針先41を覆うため、前述したような誤刺を有効に防止することができる。
プロテクタ2Aの先端方向への移動により、針管4の針先41が第3の孔33を通過すると、針管4と第3の孔33との係合が解除され、プロテクタ2Aは、弾性的に(自身の弾性により)変形して、図2に示す第2の姿勢となる。
プロテクタ2Aが第2の姿勢となると、第1の部位21のブレーキ作用によって、プロテクタ2Aは、針管4の長手方向に沿った移動が禁止(阻止)され、針先41が第1の孔31を通過する前に針管4に対し停止(静止)する。これにより、第2の穿刺具1Aは、図2に示す針先収納状態となる。
針管4の針先41がプロテクタ2A内に収納されたら、ハブ5に装着しているシリンジを取り外し、穿刺具1Aとシリンジとを分離する。そして、穿刺具1Aおよびシリンジは、それぞれ別個に廃棄に供される。この穿刺具1Aは、前述したように、針先収納状態では針先41がプロテクタ2A内に収納されており、針先41がプロテクタ2Aを超えて突出したり、プロテクタ2Aが針先41から離脱することがない。これにより、廃棄処理等に際し、針先41で誤って手指等を刺すという事故が防止され、安全性が高い。
<プロテクタの第2実施形態>
図3および図4は、それぞれ、本発明の第2実施形態のプロテクタを有する穿刺具(注射針)を示す側面図である。なお、以下の説明では、図3および図4中の針先側を「先端」、ハブ側を「基端」とし、先端を上にした場合の左側を「一端」、右側を「他端」として説明する。
以下、これらの図を参照して本発明のプロテクタの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態のプロテクタ2Bは、第2の姿勢において針管4の針先41の横ずれを防止する横ずれ防止部材としての筒状部材6を有すること以外は、前記第1実施形態のプロテクタ2Aと同様である。すなわち、本実施形態のプロテクタ2Bは、前記第1実施形態のプロテクタ2Aと同様のプロテクタ本体(本体部)2'と、筒状部材6とで構成されている。
また、本実施形態の穿刺具1Bは、このようなプロテクタ2Bと、前記第1実施形態と同様の針管4およびハブ5とで構成されている。
前記横ずれ防止部材としての筒状部材6は、針管4が貫通(挿通)可能な中空部を有する円筒状をなし、プロテクタ本体2' の第3の部位23に形成された第3の孔33と第1の部位21に形成された第1の孔31との間に位置している。
すなわち、図3に示す第1の姿勢(使用状態)においては、針管4は、プロテクタ2Bの第2の孔32、第1の孔31、筒状部材6の中空部および第3の孔33をこの順に貫通した状態となっている。
そして、図4に示す第2の姿勢(針先収納状態)においては、針先41は、筒状部材6の内部に位置し、筒状部材6で覆われた状態となっている。
また、筒状部材6の先端開口は、プロテクタ本体2' のカバー部26により覆われて、封止されている。すなわち、筒状部材6は、第2の姿勢において針先41を覆うキャップ部材としての機能も併せ持っている。
このような構成により、本実施形態のプロテクタ2Bでは、前記第1実施形態のプロテクタ2Aと同様の効果が得られるとともに、第2の姿勢において、針先41が横方向(長手方向と垂直な方向)にずれることが防止される。これにより、針先収納状態において、プロテクタ2Bに対し例えば横方向に強い外力が作用したような場合であっても針先41の突出をより確実に防止することができ、より安全性が高い。
また、針先41の全体が筒状部材6およびカバー部26で覆われているので、針先41の周りや内部に残留した血液(体液)が垂れ落ちるのを防止(抑制)することができ、血液(体液)による汚染を効果的に防止することができる。
筒状部材6の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、鉄、ニッケル合金、銅または銅系合金等の各種金属材料や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料や、各種ゴム材料、各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらの材料を2種以上組み合わせて使用してもよい。
筒状部材6の構成材料を各種ゴム材料や各種熱可塑性エラストマーを含むものとした場合には、第2の姿勢においてカバー部26が筒状部材6の先端開口に対してより密着し、針先41の周りや内部に残留した血液(体液)が垂れ落ちるのをより効果的に防止することができる。
<プロテクタの第3実施形態>
図5および図6は、それぞれ、本発明の第3実施形態のプロテクタを有する穿刺具(注射針)を示す側面図である。なお、以下の説明では、図5および図6中の針先側を「先端」、ハブ側を「基端」とし、先端を上にした場合の左側を「一端」、右側を「他端」として説明する。
以下、これらの図を参照して本発明のプロテクタの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態のプロテクタ2Cは、前記横ずれ防止部材としての筒状部材の形状が異なること以外は、前記第2実施形態のプロテクタ2Bと同様である。すなわち、本実施形態のプロテクタ2Cは、前記第1実施形態のプロテクタ2Bと同様のプロテクタ本体(本体部)2''と、筒状部材6とで構成されている。
また、本実施形態の穿刺具1Cは、このようなプロテクタ2Cと、前記第1実施形態と同様の針管4およびハブ5とで構成されている。
前記横ずれ防止部材としての筒状部材6は、針管4が貫通(挿通)可能な中空部を有する円筒状をなし、プロテクタ本体2''の第3の部位23に形成された第3の孔33と第1の部位21に形成された第1の孔31との間に位置している。
すなわち、図5に示す第1の姿勢(使用状態)においては、針管4は、プロテクタ2の第2の孔32、第1の孔31、筒状部材6の中空部および第3の孔33をこの順に貫通した状態となっている。
この筒状部材6の基端面は、針管4と垂直な面に対して傾斜した傾斜面61となっている。この傾斜面61の傾斜方向は、図6に示す第2の姿勢(針先収納状態)における第1の部位21の傾斜方向と同じになっている。
なお、図示を省略するが、プロテクタ2Cには、筒状部材6のプロテクタ本体2''に対する回転を防止する回転防止手段が設けられている。
このような構成により、本実施形態のプロテクタ2Cでは、前記第1実施形態のプロテクタ2Aと同様の効果が得られるとともに、前記第2実施形態のプロテクタ2Bと同様に、第2の姿勢において針先41が横方向(長手方向と垂直な方向)にずれることが防止される効果が得られる。
さらに、本実施形態においては、第2の姿勢においてプロテクタ2Cに対し図6中の矢印Cで示すような押圧力が作用したとき、すなわち筒状部材6の先端部を基端方向に押圧したときに、第1の部位21(第1の孔31近傍の板状部材)
に対し、第1の部位傾斜角度θ' がより小さくなるような力を作用する手段(傾斜面61)を有する。
すなわち、前記押圧力Cは、筒状部材6の傾斜面61を介して第1の部位21に伝達され、第1の部位傾斜角度θ' が小さくなるように作用する。これにより、第1の孔31の内面と針管4の外周面との間の摩擦力(プロテクタ2Cに作用する制動力)がさらに増大して押圧力Cに対抗し、プロテクタ2Cの移動をより確実に禁止(阻止)する。このため、押圧力Cを加えた場合にも、針先41がプロテクタ2を超えて突出することがより確実に防止され、特に安全性が高い。
なお、本実施形態においても前記第2実施形態と同様に、第2の姿勢においてカバー部26が筒状部材6の先端開口を封止するような構成としてもよい。
<プロテクタの第4実施形態>
図7および図10は、本発明の第4実施形態のプロテクタを示す断面側面図であり、図8および図9は、それぞれ図7に示すプロテクタの側面図と斜視図である。なお、以下の説明では、図7、図8および図10において、針先側を「先端」、ハブ側を「基端」とし、先端を上にした場合の左側を「一端」、右側を「他端」として説明する。
これらの図において、プロテクタ7Aは、先端部に鋭利な針先41を有し、その基端部がハブ(示されていない)に固定された針管(針体)4に装着されて穿刺具の一部をなしている。
図7ないし図9において、本実施形態のプロテクタ7Aは、上記第1〜第3の実施形態のプロテクタの第1の姿勢に相当する姿勢、すなわち、針管4の長手方向(軸方向)に沿って相対的に移動可能な姿勢(本実施形態を含めて以下の実施形態でも第1の姿勢と呼ぶ。)で示されている。
一方、図10において、本実施例のプロテクタ7Aは、上記第1〜第3の実施形態のプロテクタの第2の姿勢に相当する姿勢、すなわち、針管4の針先41を覆った状態で、針管4の長手方向に沿った相対的な移動が禁止される姿勢(本実施形態を含めて以下の実施形態でも第2の姿勢と呼ぶ。)で示されている。
本実施形態のプロテクタ7Aは、金属材料で構成された板状部材を変形して(曲げ加工して)形成されたプロテクタ本体7’と、該プロテクタ本体7’に固定(固着)されたプラスチック部材10とを有している。
図7に示すように、プロテクタ本体7’は、第1の孔(孔)81が形成された第1の部位(ブレーキ部)71と、該第1の部位71の基端側(針元側)に設けられ、第2の孔82が形成された第2の部位72と、第1の部位71と第2の部位72との他端部同士をつなぐ第3の部位73とを有している。
すなわち、側面視(図7)において、第1の部位71と、第2の部位72と、第3の部位73とは、全体として略「コ」字状(または略「C」字状)をなすように形成されている。
第1の孔81および第2の孔82には、針管4が貫通している。第1の孔81の形状は、円形であることが好ましい。
また、プロテクタ本体7’は、第1の部位71の一端部から先端方向に延びるように設けられた第4の部位74と、該第4の部位74の両方の側部からそれぞれ他端方向にほぼ平行に延びるように設けられた第5の部位75、75とを有している。
すなわち、図7の側面視に対して針先側から正面視した場合に、第4の部位74と、第5の部位75、75とは、全体として略「コ」字状をなすように形成されており、両第5の部位75、75は、針管4を両側から挟むように位置している。これらの位置関係は、図9に明確に示されている。
図8および図9に示すように、第5の部位75、75には、それぞれ、略長方形状(楕円形状)の長孔751が形成されている。
また、図7ないし図9に示すように、本実施形態では、第4の部位74は、第1の姿勢において先端方向に向かって針管4に近づくように傾斜して設けられている。これにより、図10に示すように、第2の姿勢に変位(変形)したときに、第4の部位74が外側に張り出すことがないため、プロテクタ7A全体の小型化に寄与する。
このようなプロテクタ本体7’は、金属材料で構成されている。これにより、第2の姿勢において、第1の孔81の内面と、針管4の表面との摩擦力が十分に大きくなり、第1の部位71(ブレーキ部)のブレーキ作用が確実に発揮される。プロテクタ本体7’を構成する金属材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、鉄、ニッケル合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料が挙げられる。
なお、本実施形態では、プロテクタ本体7’は、その各部が一体的に形成されたものとなっているが、本発明では、プロテクタ本体7’が2以上の部品で構成されていてもよい。
プロテクタ本体7’の両第5の部位75、75の間には、プラスチック部材10が設置されている。図7に示すように、プラスチック部材10は、第5の部位75、75の内側にそれぞれ配置された側壁部101、101と、両側壁部101、101の他端部同士を連結する連結壁102とを有している。
側壁部101、101は、それぞれ、第5の部位75、75とほぼ平行に設けられている。すなわち、側壁部101、101と、連結壁102とは、正面視した場合に、全体として略「コ」字状をなすように形成されている。
このような構成により、本実旗形態のプロテクタ7Aは、側壁部101、101と、連結壁102とで囲まれて形成される針先収納空間9を有している。図10に示すように、第2の姿勢のとき、針管4の針先41は、この針先収納空間9に収納される。
また、針先41は、第2の姿勢において針先収納空間9に収納されたとき、第1の部位71と、第4の部位74と、側壁部101、101と、連結壁102とによって、はぼ全周から覆われる。これにより、針先41の表面や内部に残留した血液などが作業者や周囲の物に付着することが防止され、汚染を防止することができる。
側壁部101、101からは、外側に突出する突出部105、105がそれぞれ設けられている。図8および図9に示すように、この突出部105は、第5の部位75の長孔751に対応した形状をなしており、各突出部105、105は、それぞれ、長孔751、751に挿入(嵌合)している。これにより、プラスチック部材10は、プロテクタ本体7’に対し固定(固着)されている。なお、プラスチック部材10とプロテクタ本体7’との固定方法は、このような構成に限らず、例えば、接着剤による接着等、いかなる方法であってもよいことは言うまでもない。
プラスチック部材10は、さらに、針先収納空間9を先端側から覆う先端壁103を有している。図9および図10に示すように、この先端壁103の図7中の上側には、切欠き部106が形成されている。第1の姿勢のとき、針管4は、この切欠き部106を通過して、プロテクタ7Aから先端方向に突出する。
切欠き部106の縁部は、第1の姿勢のとき針管4に当接する針体当接部104となっている。針体当接部104は、針体表面に対応するような円弧状の湾曲面形状であることが好ましい。
針体当接部104は、第1の姿勢のとき、針管4に当接する。すなわち、後述するように、プロテクタ本体7’の第1の部位71と第3の部位73との一部の弾性(バネ性)により、プラスチック部材10は、図7中の反時計方向に回動するような方向に付勢されており、この付勢力により、第1の姿勢のとき、針体当接部104は、針管4に圧接された状態になっている。
なお、プラスチック部材10は、図示のような構成に限らず、例えば、針体当接部を孔として有する筒状の形状をなすようなものであってもよい。
このような針体当接部104を含むプラスチック部材10は、樹脂材料(合成樹脂材料)で構成されている。これにより、第1の姿勢において、針体当接部104と針管4の表面との間の摩擦抵抗が軽減され、プロテクタ7Aの針管4に対する摺動抵抗が小さくなる。その結果、第1の姿勢のとき、プロテクタ7Aは、針管4の長手方向(軸方向)に沿って円滑に(比較的小さい操作力で)移動することができる。
プラスチック部材10(針体当接部104)を構成する樹脂材料としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ABS樹脂、AS樹脂、フツ素系樹脂、ポリアセタール等の各種樹脂材料が挙げられる。
なお、本発明では、好ましくは、少なくとも針体当接部104が前述したような樹脂材料で構成されていればよい。また、例えば前述したフツ素系樹脂のような特に摩擦係数(摩擦抵抗)の小さい材料で針体当接部104の表面を構成(被覆)してもよい。
なお、針体当接部104の針管4に対する接触面は、例えば、平面状、「・」字状、「コ」字状などであってもよい。
このようなプロテクタ7Aは、穿刺具の使用時(生体などに穿刺するとき)には、図7ないし図9に示す第1の姿勢で、針管4の針元側に位置した状態とされる。
この第1の姿勢においては、針管4は、第2の孔82および第1の孔81を貫通し、さらに、針先収納空間9および切欠き部106を通過してプロテクタ7Aの先端から突出する。
また、第1の姿勢のとき、第1の部位71と、第2の部位72とは、それぞれ、針管4に対しほぼ垂直な姿勢になっている。
プロテクタ7Aは、このような第1の姿勢から図10に示す第2の姿勢に変位(変形)して、針先41を覆うことができる。この第2の姿勢においては、プロテクタ本体7’における第1の部位71と第3の部位73とのなす角度が第1の姿勢のときよりも小さくなる。すなわち、プロテクタ7Aは、第1の部位71と第3の部位73とが閉じるように(第1の部位71が第3の部位73に近づくように)変形することにより、第1の姿勢から第2の姿勢に変位(変形)する。
このような第1の姿勢から第2の姿勢への変位(変形)は、プロテクタ本体7’における第1の部位71と第3の部位73との一部の弾性(弾性力)によって生じるようになっている。
すなわち、プロテクタ7Aに外力を付与しない自然状態(プロテクタ7Aを針管4に装着していない状態)においては、第1の部位71と第3の部位73とのなす角度は、図10に示す状態よりもさらに小さくなっており、プロテクタ7Aは、このような自然状態から第1の部位71と第3の部位73とが開くように(第1の部位71が第3の部位73から遠ざかるように)変形(弾性変形)した状態とされて針管4に装着されている。
このような構成により、プロテクタ7Aが針管4に装着された状態では、第1の部位71と第3の部位73の接続部分は、第1の部位71と第3の部位73のなす角度が小さくなるように付勢されており、第1の第1の部位71は、針管4に対する傾斜角度(図8中のθ1 および図10中のθ1 ’で示す角度)が小さくなるような方向に付勢されている。すなわち、プロテクタ7Aにおける第1の部位71と第3の部位73との一部は、その弾性によって第1の部位71の針管4に対する傾斜角度θが小さくなるような方向に第1の部位71を付勢する付勢手段となっている。
図7に示すように、第1の姿勢においては、針体当接部104が針管4の表面に当接していることにより、前記付勢手段の付勢力によって第1の部位傾斜角度が小さくなるようにプロテクタ7Aが変形することが阻止されており、これにより、前述したように第1の姿勢における第1の部位傾斜角度θ1 は、ほぼ直角に保たれている。本明細書において、「第1の部位71の針管4に対する傾斜角度」は、上記第1実施形態における「第1の部位21の針管4に対する傾斜角度」と同様に定義する。
よって、第1の姿勢では、第1の孔81と、針管4との間には、隙間が形成されており、第1の孔81の内面と、針管4の表面との間の摩擦力は、実質的に作用していないか、または、比較的小さい状態になっている。すなわち、第1の姿勢では、第1の部位71がブレーキ作用を生じないようになっている。
このように、針体当接部104は、第1の姿勢のとき針管4に当接することにより、第1の部位傾斜角度が小さくなる(変化する)ことを防止して、第1の部位71のブレーキ作用を留保する機能を有している。
すなわち、第1の姿勢では、プロテクタ7Aは、針体当接部104が針管4に当接することにより、ブレーキ作用留保状態になっている。
このように、第1の姿勢では、針体当接部104は、前記付勢手段の付勢力により、針管4の表面に圧接された状態となっているが、本発明では、前述したように針体当接部104が樹脂材料で構成されていることから、プロテクタ7Aは、針管4に対し円滑に(比較的小さい操作力で)移動可能になっている。
第1の姿勢から、プロテクタ7Aを針管4に対し相対的に先端方向に移動させていき、針体当接部104が針先41を通過すると、針体当接部104が針管4から離反(離間)する。これにより、プロテクタ7Aは、ブレーキ作用留保状態が解除され、前記付勢手段の付勢力によって、弾性的に第2の姿勢に変位(変形)する。
第2の姿勢では、プロテクタ7Aは、第1の姿勢のときと比べ、第1の部位71が第3の部位73(針管4)に対し図7および図8中反時計方向に回動するように変位(変形)している。これにより、図10に示すように、第1の部位傾斜角度は、第1の姿勢のときより小さくなっており、θ1 ' <θ1 なるθ1 ' となっている。
これに伴なって、第4の部位74、第5の部位75およびプラスチック部材10、第3の部位73(針管4)に対し変位(回動)しており、針先41の先端は、先端壁103によって先端側から覆われた状態となっている。
このような第2の姿勢においては、プロテクタ7Aの第1の部位71が針管4に対してブレーキとして機能することにより、プロテクタ7Aは、針管4の長手方向に沿った相対的な移動が禁止(阻止)される。すなわち、前記付勢手段の付勢力によって第1の部位傾斜角度が第1の姿勢のときより小さくなることにより、第1の孔81の内面が針管4の表面(外周面)に圧接され、第1の孔81の内面と針管4の表面(外周面)との間の摩擦力が発生または増大する。この摩擦力が、プロテクタ7Aに制動力として作用し、針管4の長手方向に沿ったプロテクタ7Aの移動を禁止(阻止)する。
このような構成により、針先41が針先収納空間9に収納される(第2の姿勢になる)と、針先41は、プロテクタ7Aを超えて突出することがない。
第1の姿勢における第1の部位傾斜角度θ1 は、特に限定されないが、60°以上であるのが好ましく、本実施形態のようにほぼ直角であるのがより好ましい。
また、第1の孔81の内径Dは、針管4の外径dによってもその好ましい大きさは異なるが、通常、針管4の外径dより0.01〜1mm程度大きいのが好ましく、0.05〜0.2mm程度大きいのがより好ましい。
第1の姿勢における第1の部位傾斜角度θ1 や第1の孔81の内径Dが前記範囲にあることにより、第2の姿勢において、第1の孔81の内面と針管4の表面との間の摩擦力(プロテクタ7Aに作用する制動力)が大きくなり、針管4の長手方向に沿った相対的な移動がより確実に禁止(阻止)される。
なお、本発明においては、第1の孔81は、周方向の一部が欠損したもの(C字状のものなど)であってもよい(第2の孔82についても同様)。
また、第2の孔82の形状は、針管4に対し摺動可能であれば円形に限らないが、円形である場合には、その内径は、第1の姿勢における摺動抵抗を軽減する観点から、第1の孔81の内径Dより0.05〜1mm程度大きいのが好ましい。
また、本発明では、第2の孔82の近傍の部位(針管4との接触面)を前述したような樹脂材料で構成したり、曲げ加工を施すこと等により針管4との接触面を滑らかにしてもよい。これにより、第2の孔82の内面と、針管4の表面との間の摩擦力が軽減される。よって、第1の姿勢におけるプロテクタ7Aの針管4に対する摺動抵抗をより軽減することができ、その結果、プロテクタ7Aを針管4に対し相対的に先端方向に移動する操作(プロテクタ7Aで針先41を覆うする操作)をさらに容易、円滑に行うことができる。
プロテクタ本体7’を形成する板状部材(特に、第1の部位71)の厚さは、その構成材料や針管4の外径等によってもその好ましい値は異なるが、通常、0.05〜2mm程度であるのが好ましく、0.06〜0.2mm程度であるのがより好ましい。前記範囲において、比較的厚いものとした場合には、第2の姿勢においてプロテクタ7Aに作用する制動力や針先41の保護性が特に優れたものとなり、比較的薄いものとした場合には、加工性や第1の姿勢における針管3に対する摺動のし易さが特に優れたものとなる。
このようなプロテクタ7Aは、第2の姿勢においてその先端部(プラスチック部材10等)を基端方向に押圧したとき、第1の部位71(第1の孔81近傍の板状部材)に対し、第1の部位傾斜角度θ1'がより小さくなるような力を作用する手段を有する。
すなわち、例えばプラスチック部材10の先端部に対し図10中の矢印Aで示すような押圧力を加えたとき、この押圧力Aは、第4の部位74を介して第1の部位71に伝達され、第1の部位傾斜角度θ1 ' が小さくなるように作用する。これにより、第1の孔81の内面と針管4の表面との間の摩擦力(プロテクタ7Aに作用する制動力)がさらに増大して前記押圧力Aに対抗し、プロテクタ7Aの移動をより確実に禁止(阻止)する。
なお、特に強い押圧力Aが作用して、プロテクタ7Aが万一基端方向に僅かに移動した場合にも、針先41は、連結壁102と先端壁103との角部の内側(針先受け部)に当接するため、針先41がプロテクタ7Aを超えて突出することはない。
次に、プロテクタ7Aの使用方法の一例について、詳細に説明する。
[1] 第1の姿勢にあるプロテクタ7Aを針管4の基端側に位置させた状態で、針管4を患者の血管(生体)等に穿刺し、血液の採取や薬液の注入を行う。
[2] 血液の採取あるいは薬液の注入を終了したら、針管4を患者の血管から抜き取る。
[3] 次いで、手またはピンセット等を用いて、プロテクタ7Aを針管4に対し先端方向に移動させる。このとき、本発明では、前述したように、針体当接部104が樹脂材料で構成されていることにより、プロテクタ7Aを比較的小さい操作力で針管4に対し先端方向に移動させることができ、この操作を円滑、迅速かつ容易に行うことができる。
[4] プロテクタ7Aの先端方向への移動により、針体当接部104が針先41を通過して、針管4から離反すると、プロテクタ7Aは、弾性的に(自身の弾性により)変形して、図10に示す第2の姿勢となる。
プロテクタ7Aが第2の姿勢となると、第1の部位71のブレーキ作用によって、プロテクタ7Aは、針管4の長手方向に沿った移動が禁止(阻止)され、針先41が第1の孔81を通過する前に針管4に対し停止(静止)する。
[5] 針管4の針先41がプロテクタ7A内(針先収納空間9)に収納されたら、これらは、廃棄に供される。
このとき、前述したように、針先41は、プロテクタ7A内に収納されており、針先41がプロテクタ7Aを超えて突出したり、プロテクタ7Aが針先41から離脱することがない。これにより、廃棄処理等に際し、針先41で誤って手指等を刺すという事故が防止される。
<プロテクタの第5実施形態>
図11は、本発明の第5実施形態のプロテクタを示す断面側面図であり、プロテクタは第2の姿勢で示されている。
以下、同図を参照して本発明のプロテクタの第5実施形態について説明するが、前述した第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態のプロテクタ7Bは、プラスチック部材10(針体当接部104近傍の部位)を覆うカバー部1000、1000を有していること以外は、前記第4実施形態と同様である。
カバー部1000、1000は、第2の部位72の一端部から先端方向に延びるように設けられた第6の部位76の両方の側部からそれぞれ他端方向(図10中の下方向)に延びるように設けられており、第1の部位71や第2の部位72等に対してほぼ垂直に配置されている。すなわち、両カバー部1000、1000は、ぼは平行に設置されている。
すなわち、第6の部位76と、カバー部1000、1000とは、正面視で、全体として略「コ」字状をなしている。
このカバー部1000、1000は、それぞれ、第1の部位71、第4の部位74、第5の部位75およびプラスチック部材10を側方から覆っている。
このようなカバー部1000、1000は、第2の姿勢のときに針体当接部104近傍の部位を先端方向に移動させる操作を妨げる機能を有する。
すなわち、プラスチック部材10の先端部(針体当接部104近傍の部位)に対し、例えば図11中の矢印Bで示すような引っ張り力を指などで加えようとしたとき、プラスチック部材10の先端部は、その側方がカバー部1000、1000に覆われているため、これを指などで触れることはできず、よって、この操作を行うことはできない。
このような構成と異なり、プラスチック部材10の先端部に前記引っ張り力Bを加えることが可能である場合には、この引っ張り力Bは、第4の部位74を介して第1の部位71に伝達され、第1の部位傾斜角度θ1'が大きくなるように作用する。これにより、第1の孔81の内面と針管4の表面との間の摩擦力(プロテクタ7Bに作用する制動力)が減少し、プロテクタ7Bが針管4から離脱する(抜ける)ことが起こり得る。
これに対し、プロテクタ7Bでは、前述したように、カバー部1000、1000が設けられていることにより、前記引っ張り力Bのような外力を加える操作が妨げられるため、上述したようなプロテクタ7Bの離脱を防止することができるという利点がある。よって、プロテクタ7Bでは、例えば、故意に針管4から離脱させようとしたような場合であっても、針管4からの分離を防止することができ、特に安全性が高い。
また、このようなプロテクタ7Bは、第2の姿勢においてカバー部1000、1000に基端方向または先端方向の外力が作用したときに、第2の部位72(第2の孔82近傍の板状部材)の前記針管4に対する傾斜角度が小さくなるような力を作用する手段を有している。
すなわち、例えばカバー部1000、1000の先端部に図11中の矢印Cで示すような引っ張り力が付加されることによりカバー部1000、1000に先端方向の外力が作用すると、この引っ張り力Cは、第6の部位76を介して第2の部位72に伝達され、第2の部位72の針管4に対する傾斜角度(図11中のβで示す角度)が小さくなるように作用する。
これにより、第2の孔82の内面と針管4の表面との間の摩擦力(プロテクタ7Bに作用する制動力)が発生または増大して引っ張り力Cに対抗する。すなわち、第1の部位71に加えて第2の部位72も針管4に対するブレーキ作用を奏し、プロテクタ7Bの移動をより確実に禁止(阻止)する。なお、プロテクタ7Bの基端部に対し例えば図11中の矢印Eで示すような押圧力を加えたときにも、同様に、第2の部位72の針管4に対する傾斜角度βが小さくなるように作用する。
また、前記引っ残り力Cは、第2の部位72から第3の部位73を介して第1の部位71に伝達され、第1の部位傾斜角度θ1 ' がより小さくなるようにも作用する。
なお、第2の孔82の大きさを適宜選択することで、前記傾斜角度α、βを任意に調節することができる。
このようなことから、本実施形態では、カバー部1000、1000に対し先端方向の外力が作用した場合にも、プロテクタ7Bが針管4から離脱するようなことがより確実に防止される。
なお、カバー部1000、1000は、少なくとも針体当接部104近傍の部位を覆うものであればよい。
<留置針組立体の実施形態>
図12および図13は、それぞれ、本発明の留置針組立体の実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図12および図13中の針先側を「先端」、ハブ側を「基端」とし、先端を上にした場合の左側を「一端」、右側を「他端」として説明する。
以下、これらの図を参照して本発明の留置針組立体の実施形態について説明するが、前述したプロテクタの実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
これらの図に示す留置針組立体11は、外針と内針とを備えるもので、特に、輪液用の留置針組立体を構成するものであり、留置針である外針121と、外針121の基端側に設けられた外針ハブ122とで構成されたハブ付き外針12と、外針121内に挿入して使用される内針131と、内針131の基端側に設けられた内針ハブ132とで構成されたハブ付き内針13と、内針131に装着された前記第4実施形態のプロテクタ7Aとを備えている。以下、各部の構成について説明する。
外針121は、中空状をなし、ある程度の可撓性を有するものが好ましく用いられる。外針121の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリウレタン、ポリエーテルナイロン樹脂等の各種軟質樹脂が好ましい。
外針121の先端部は、生体への穿刺を容易かつ低侵襲で行うために、外径が先端方向に向かって漸減するテーパ状をなしている。
外針121の基端部には、外針ハブ122が液密に固着され、外針121の内腔と外針ハブ122の内部とが連通している。外針ハブ122は、ほぼ筒状の部材であり、基端方向に向かってその外径および内径が漸増するテーパ状をなしている。
内針(針体)131は、前記第1実施形態における針管4と同様の材料、形状等からなる。
この内針131は、外針121の内腔に挿入された状態、すなわち図12に示す状態で使用される。以下、この状態を「組み立て状態」と言う。
内針131の長さは、組み立て状態としたとき、少なくとも針先1311が外針121の先端開口1211から突出する程度の長さとされる。
内針131の基端部は、内針ハブ132の先端部と固着され、内針131の内腔は、内針ハブ132の内部空間と連通している。
内針ハブ132は、ほば円筒状の中空部材で構成されており、本体部1321と、該本体部1321の先端側に設けられ、本体部1321より細径な細径部1322とを有している。
この内針ハブ132は、好ましくは透明(無色透明)、着色透明または半透明の樹脂で構成され、内部の視認性が確保されている。これにより、針先1311が血管を確保した際、内針131を介して流入する血液のフラッシュバックを目視で確認することができる。
また、内針ハブ132の基端部の開口には、該開口を覆うように、気体は透過するが液体は遮断する性質を有する通気フィルタ14が設置されている。
外針ハブ122および内針ハブ132の構成材料は、特に限定されず、各種樹脂材料が使用できる。
プロテクタ7Aは、内針131に装着されており、図12に示すように、組み立て状態においては、外針ハブ122の内部空間に収納されている。
本実施形態の留置針組立体11は、組み立て状態においてプロテクタ7Aと外針ハブ122とを連結する連結手段15を有している。この連結手段15は、円筒状をなす円筒部材(当接部材)151と、該円筒部材151と外針ハブ122とを連結するテープ152とを有している。
円筒部材151は、基端開口を有しており、組み立て状態においては、該基端開口から円筒部材151の内側に内針ハブ132の細径部1322が挿入、遊嵌した状態になっている。
円筒部材151の先端部には、先端壁(底部)1511が設けられている。先端壁1511の中央には、孔が形成されており、内針131は、該孔を貫通している。
組み立て状態においては、円筒部材151の先端側の一部は、外針ハブ122の内側に挿入、遊嵌した状態になっている。また、組み立て状態においては、円筒部材151の先端部(先端壁1511の外面)は、プロテクタ7Aの基端部に当接または近接した状態になっている。
テープ152は、可撓性を有するシート状の部材であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、紙、不織布などから構成され、その基端部は、円筒部材151の外面に熱融着または粘着されており、その先端部は、外針ハブ122の外面に熱融着または粘着されている。すなわち、テープ152は、外針ハブ122の基端外周に設けられたフランジ1221をまたぐように設けられている。
テープ152には、プロテクタ7Aと外針ハブ122とが分離するときに破断する破断部として、ミシン目1521がテープ152を横断するように形成されている。
このような構成により、組み立て状態では、外針ハブ122とプロテクタ7Aとは、連結手段15を介して連結されている。
このような連結手段15が設けられていることにより、留置針組立体11の組み立て状態からハブ付き内針13をハブ付き外針12に対し相対的に基端方向に移動すると(ハブ付き内針13の内針131をハブ付き外針12の外針121から引き抜くと)、プロテクタ7Aは、円筒部材151の先端部に当接することにより基端方向への移動が防止され、ハブ付き外針12の方に残存する。すなわち、プロテクタ7Aは、内針131に対しては、第1の姿勢を維持しつつ相対的に先端方向に移動し、内針131の針先1311が針体当接部104を通過すると、該第1の姿勢から、内針131の針先1311を覆う第2の姿勢へと変位する。
プロテクタ7Aは、前述したように、第2の姿勢になると、内針131に対する相対的な移動が禁止(阻止)される。よって、プロテクタ7Aが第2の姿勢となった状態から、さらにハブ付き内針13をハブ付き外針12に対し相対的に基端方向に移動すると、その操作力(引き抜き力)が円筒部材151を介してテープ152に作用し、ミシン目1521が破断する。これにより、プロテクタ7Aは、ハブ付き外針12(外針ハブ122)から分離して、内針131の先端に残存し、その針先1311をガードする(覆う)。
このように、留置針組立体11では、ハブ付き内針13をハブ付き外針12に対し相対的に基端方向に移動する操作のみによって、プロテクタ7Aで内針131の針先1311を覆うことおよびプロテクタ7Aをハブ付き外針12から離反することができ、プロテクタ7Aで内針131の針先1311を覆うための別途の操作が不要である。これにより、内針131の針先1311をプロテクタ7Aで極めて容易かつ確実に覆う(収納する)ことができる。
次に、留置針組立体11の使用方法の一例について、詳細に説明する。
[1] 留置針組立体11を組み立て状態とし、内針ハブ132等を手で把持しつつ、内針131および外針121を患者の血管(静脈または動脈)に穿刺する。
[2] 内針131の針先1311が血管に穿刺されると、血管の内庄(血圧)により血液が内針131内を基端方向へ逆流し、内針ハブ132内に導入され、視認性を有する内針ハブ132を介してこのフラッシュバックを視認することができる。これにより内針131の針先1311が血管を確保したことを知ることができる。
なお、この血液の流入に伴い、内針ハブ132内の空気は、通気フィルタ14を通って排出されるが、血液は、通気フィルタ14を通過できず、外部への漏れ出しは生じない。
[3] さらに内針131および外針121を微小距離先端方向へ進めると、外針121の先端開口1211が血管内に挿入される。これにより、外針121が血管を確保する。
[4] 血管に留置されている外針121を手で押さえつつ、他方の手で内針ハブ132を把持し、基端方向へ引っ張る。これにより、内針131が外針121から抜き取られる。このとき、プロテクタ7Aは、外針ハブ122と連結されていることから、ハブ付き外針12の方に残存する。すなわち、プロテクタ7Aは、内針131に対しては、相対的に先端方向に移動する。
本発明では、前述したようにプロテクタ7Aが針管4に対し円滑に移動可能になっていることから、僅かな操作力で内針131を外針121から抜き取ることができ、この操作を容易、迅速に行うことができる。また、プロテクタ7Aが第2の姿勢になる前に連結手段15による連結が解除されてしまう(ミシン目1521が破断してしまう)ような不都合を防止することもできる。
[5] さらに内針ハブ132を基端方向へ引っ張ると、前述したように、内針131の針先1311が針体当接部104を通過し、針体当接部104によるブレーキ作用留保状態が解除される。これにより、プロテクタ7Aは、弾性的に(自身の弾性により)変形して、図13に示す第2の姿勢となる。
プロテクタ7Aが第2の姿勢となると、第1の部位71のブレーキ作用によって、プロテクタ7Aは、針先1311が第1の孔81を通過する前に内針131に対し停止(静止)する。これにより、プロテクタ7Aは、内針131の長手方向に沿った移動が禁止(阻止)され、内針131の針先1311を覆った(収納した)状態を維持する。
[6] プロテクタ7Aが第2の姿勢となった状態から、さらに内針ハブ132を基端方向に引っ張ると、その引っ張り力が連結手段15に作用し、ミシン目1521が破断する。これにより、プロテクタ7Aは、ハブ付き外針12(外針ハブ122)から分離して、内針131の先端に残存する(図13参照)。
[7] 内針131が抜き取られたハブ付き外針12の外針ハブ122には、輪液セットのコネクタ等(図示せず)を素早く接続し、定法に従い、輪液の投与を開始する。
このようにして外針121から内針131を抜き取った後は、ハブ付き内針13は不要となるため、廃棄処分に供される。
以上説明したように、この留置針組立体11によれば、ハブ付き外針12から取り外されたハブ付き内針13の針先1311がプロテクタ7A内に収納され、特に、針先1311がプロテクタ7Aの先端から突出することや、プロテクタ7Aが内針131から外れてしまうことがないため、廃棄処理を行う者等が針先1311で誤って手指等を刺すという事故が防止される。
図14は、プロテクタの他の構成例を示す図であり、図12のプロテクタ7Aの代わりに、第1実施形態のプロテクタ2Aが使用されている。このように、留置針組立体11は、前記第1実施形態ないし第3実施形態および第5実施形態のプロテクタを備えるものであってもよい。
図15は、連結手段の他の構成例を示すための図であり、組み立て状態における外針ハブ付近の縦断面図である。
以下、同図を参照して本発明の留置針組立体における連結手段の他の構成例について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態の留置針組立体における連結手段は、内針131が貫通(挿通)する孔1531を有する円環状(円板状)または略C字形状のリング部材153で構成されている。
このリング部材153の外周部は、組み立て状態においては、外針ハブ122の内側に形成された凹部1222(溝部)に挿入(係止)しており、その先端面は、プロテクタ7Aの基端部に当接または近接している。また、リング部材153は、プロテクタ7Aに基端側から当接し得る当接部材としての機能をも有するものである。
このような組み立て状態からハブ付き内針13をハブ付き外針12に対し相対的に基端方向に移動すると、プロテクタ7Aは、リング部材153の先端面に当接することにより基端方向への移動が防止され、ハブ付き外針12の方に残存する。すなわち、プロテクタ7Aは、内針131に対しては、第1の姿勢を維持しつつ相対的に先端方向に移動し、内針131の針先1311が針体当接部104を通過すると、該第1の姿勢から、内針131の針先1311を覆う第2の姿勢へと変位する。
この状態からさらにハブ付き内針13をハブ付き外針12に対し相対的に基端方向に移動すると、その操作力(引き抜き力)により、リング部材153は、みかけの外径が小さくなるように変形し、凹部1222から外れ、外針ハブ122に対し基端方向に移動する。この移動により、リング部材153の外針ハブ122に対する係止が解除され、プロテクタ7Aは、外針ハブ122から分離して、内針131の先端に残存し、その針先1311をガードする。
以上、本発明のプロテクタおよび留置針組立体を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、プロテクタおよび留置針組立体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
例えば、前記第1実施形態ないし第3実施形態のプロテクタの本体部は、全体形状としてほぼS字状のものに限らず、例えばほぼ「の」字状のものなどであってもよい。
また、前記第1実施形態ないし第3実施形態のプロテクタについても、プロテクタの本体部が、複数の部品で構成されるようなものであってもよい。例えば、板状のブレーキ部と、該ブレーキ部を針体に対する傾斜角度が小さくなる方向に付勢する付勢部材(バネ)とが別部品で構成されるようなものでもよい。
また、本発明のプロテクタは、各種注射針に限らず、例えば、留置針(外針)と組み合わせて用いる留置針組立体にも装着して使用することができる。
また、本発明の留置針組立体における連結手段は、図示のような構成に限らず、プロテクタが第1の姿勢から第2の姿勢に変位(変形)するまでプロテクタと外針ハブとの連結状態を維持することができるものであれば、いかなるものでもよい。また、そのような連結手段を有しないものであってもよい。
本発明の第1実施形態のプロテクタを有する穿刺具(注射針)を示す側面図(使用状態)である。 本発明の第1実施形態のプロテクタを有する穿刺具(注射針)を示す側面図(針先収納状態)である。 本発明の第2実施形態のプロテクタを有する穿刺具(注射針)を示す側面図(使用状態)である。 本発明の第2実施形態のプロテクタを有する穿刺具(注射針)を示す側面図(針先収納状態)である。 本発明の第3実施形態のプロテクタを有する穿刺具(注射針)を示す側面図(使用状態)である。 本発明の第3実施形態のプロテクタを有する穿刺具(注射針)を示す側面図(針先収納状態)である。 本発明の第4実施形態のプロテクタを針体に装着した状態を示す断面側面図であり、プロテクタは第1の姿勢で示されている。 本発明の第4実施形態のプロテクタを針体に装着した状態を示す側面図であり、プロテクタは第1の姿勢で示されている。 本発明の第4実施形態のプロテクタを針体に装着した状態を示す斜視図であり、プロテクタは第1の姿勢で示されている。 図7に示すプロテクタを第2の姿勢で示した断面側面図である。 本発明の第5実施形態のプロテクタを針体に装着した状態を示す断面側面図であり、プロテクタは第2の姿勢で示されている。 本発明の留置針組立体(組み立て状態)の実施形態を示す縦断面図である。 図12に示す留置針組立体において、内針ハブを外針ハブに対し相対的に基端方向に移動した状態を示す縦断面図である。 プロテクタの他の構成例を示すための本発明の留置針組立体の実施形態を示す縦断面図である。 連結手段の他の構成例を示すための組み立て状態における外針ハブ付近の縦断面図である。
符号の説明
1A、1B、1C 穿刺具
7A、7B プロテクタ
11 留置針組立体

Claims (7)

  1. 先端に鋭利な針先を有する針体の長手方向に沿って相対的に移動可能な第1の姿勢と、前記針体の針先を覆った状態で、前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止される第2の姿勢とに変位可能なプロテクタであって、
    弾性を有する板状部材を変形してなる本体部を有し、
    前記本体部は、その中央部に、前記針体が貫通可能な第1の孔が形成された第1の部位を有し、
    その針元側に、前記針体が貫通可能な前記第2の孔が形成された第2の部位を有し、
    その針先側に、前記針体が貫通可能な貫通部が形成された第3の部位を有し、さらに前記第1の部位および第2の部位の端部同士を接続する後方接続部と、前記第1の部位および前記第3の部位の端部同士を接続する前方接続部とを有し、それにより前記本体部は、全体形状としてほぼS字状をなしており、
    前記第1の部位と前記後方接続部との接続部分は、前記第1の部位と前記後方接続部とのなす角度が小さくなる方向に付勢されており、
    前記第1の姿勢のとき、前記針体が前記第1の孔、前記第2の孔および前記貫通部を貫通しており、
    その状態から前記針体に対して先端方向に移動して前記貫通部と前記針体との係合が解除されることにより、前記第1の部位と前記後方接続部とのなす角度が小さくなり、それにより針体に対する前記第1の部位の傾斜角度が前記第1の姿勢のときより小さくなるように弾性的に変形して前記第2の姿勢となり、これにより前記第1の孔の内面と前記針体の外周面との間の摩擦力が発生または増大して前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止されるよう構成されていることを特徴とするプロテクタ。
  2. 前記第2の姿勢のとき、前記本体部の先端部が前記針体の針先を覆う請求項に記載のプロテクタ。
  3. 前記貫通部と前記第1の孔との間に位置し、前記第2の姿勢において前記針体の針先を覆うキャップ部材を有する請求項1または2に記載のプロテクタ。
  4. 先端に鋭利な針先を有する針体の長手方向に沿って相対的に移動可能な第1の姿勢と、前記針体の針先を覆った状態で、前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止される第2の姿勢とに変位可能なプロテクタであって、
    金属材料で構成された板状体を変形してなり、
    前記針体が貫通可能な第1の孔が形成された第1の部位と、前記第1の部位より針元側に位置し、前記針体が貫通可能な第2の孔が形成された第2の部位と、前記第1の部位および前記第2の部位を端部同士を接続する第3の部位と、を有しており、全体として略「コ」形状をなすプロテクタ本体と、
    前記第1の部位と前記第3の部位との接続部分における前記第1の部位と前記第3の部位とのなす角度が小さくなり、それにより前記第1の部位の前記針体に対する傾斜角度が小さくなるように前記第1の部位を付勢する付勢手段と、
    前記第1の部位より針先側に設けられ、前記第1の姿勢のとき前記針体に当接することにより前記第1の部位の前記針体に対する傾斜角度が変化することを防止する機能を有し、樹脂材料で構成された針体当接部とを備えており、
    前記第1の姿勢のとき、前記針体が前記第1の孔および前記第2の孔を貫通しており、
    前記第1の姿勢から、前記針体に対して相対的に先端方向に移動し、前記針体当接部が前記針先を通過して前記針体から離反することにより、前記付勢手段によって前記第1の部位と前記第3の部位とのなす角度が小さくなり、それにより前記針体に対する前記第1の部位の傾斜角度が前記第1の姿勢のときより小さくなるように変形して前記第2の姿勢となり、これにより前記孔の内面と前記針体の表面との間の摩擦力が発生または増大して前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止されるよう構成されていることを特徴とするプロテクタ。
  5. 前記第2の姿勢において、前記針先を先端側から覆う針先受け部を有する請求項に記載のプロテクタ。
  6. 前記第2の姿勢において前記プロテクタの先端部を基端方向に押圧したとき、前記第1の部位に対し、前記傾斜角度がより小さくなるような力を作用する手段を有する請求項1ないしのいずれかに記載のプロテクタ。
  7. 先端に鋭利な針先を有する内針と、
    前記内針に装着された請求項1ないしのいずれかに記載のプロテクタと、
    前記内針の基端側に設置された内針ハブと、
    前記内針が挿入可能な中空の外針と、
    前記外針の基端側に設置された外針ハブとを備えることを特徴とする留置針組立体。
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