JP4116770B2 - プロテクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管等に穿刺される針体に装着されるプロテクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
患者に対し採血や薬液の投与を行う際などには、シリンジの先端部に注射針を装着し、注射針を患者の血管に穿刺しこれを行う。このような注射針は、先端に鋭利な針先を有する針(針体)と、針の基端に固着されたハブとで構成されている。
【0003】
患者から採血する場合には、シリンジが備えるプランジャを操作し、シリンジ内部に血液を吸引する。また、患者に薬液を投与する場合には、プランジャを操作し、シリンジ内部に収納された薬液を患者の血管内に注入する。
【0004】
ところで、患者に対し採血や薬液の投与を終了した注射針およびシリンジは、不要となるため、それぞれ別個に廃棄に供されるが、注射針をそのまま廃棄すると、廃棄作業者等が誤って針先で指等を刺すという事故が起きるおそれがある。特に、針の表面や内部には、血液が付着、残留しているため、このような誤刺により、感染を起こすおそれもある。
【0005】
従って、使用済みの注射針は、針先が刺さらないような硬質の頑丈な専用容器に収納して廃棄することが好ましいが、そのような専用容器を常に携帯して各患者のもとに持ち運ぶことは、業務の効率化の観点から困難であるため、現状では、使用済みの注射針は、針にキャップを被せて破棄するなどの対策がとられている。
【0006】
しかしながら、このような針にキャップを被せる作業に際しても、針に付着、残留している血液が作業者の手に着いたり、針先で作業者の手を刺したりしないようにするために、細心の注意を払わねばならず、使用後の注射針の廃棄処理に多大な手間を要するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、小型かつ簡単な構造で、特別な構造を持たない通常の針体にも装着して使用することができ、また簡単な操作で使用後の針体の針先を収納することができ、廃棄処理等に際し安全性の高いプロテクタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 先端に鋭利な針先を有する針体の長手方向に沿って相対的に移動可能な第1の姿勢と、前記針体の針先を覆った状態で、前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止される第2の姿勢とに変位可能なプロテクタであって、
弾性を有する板状部材を変形してなるものであり、全体形状としてほぼS字状をなす本体部と、
前記本体部の少なくとも一部を覆うカバー部とを備え、
前記本体部に、前記針体が貫通可能な第1の孔と、前記第1の孔よりも基端側に配置され、前記針体が貫通可能な第2の孔と、前記第1の孔よりも先端側に配置され、前記針体と係合する係合部とがそれぞれ形成されており、
前記本体部は、前記係合部近傍の板状部材と、前記第1の孔近傍の板状部材と、前記第2の孔近傍の板状部材と、前記係合部近傍の板状部材と前記第1の孔近傍の板状部材とを接続する前方接続部と、前記第1の孔近傍の板状部材と前記第2の孔近傍の板状部材とを接続する後方接続部とを有し、
前記第1の姿勢のとき、前記針体が前記第1の孔および前記第2の孔を貫通し、前記係合部が前記針体と係合しており、その状態から前記針体に対して先端方向に移動して前記係合部と前記針体との係合を解除することにより、前記第1の孔および前記第2の孔のうち少なくとも前記第1の孔近傍の板状部材の前記針体に対する傾斜角度が前記第1の姿勢のときより小さくなるように弾性的に変形して前記第2の姿勢となり、これにより、前記第1の孔の内面と前記針体の外周面との間の摩擦力が発生または増大して前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止されるよう構成されており、
前記第2の姿勢において、前記カバー部に基端方向および/または先端方向の外力を付与したとき、前記第1の孔近傍の板状部材に対し、前記針体に対するその傾斜角度がより小さくなるような力を作用する手段と、前記カバー部に基端方向および/または先端方向の外力を付与したとき、前記第2の孔近傍の板状部材に対し、前記針体に対するその傾斜角度がより小さくなるような力を作用する手段と、本体部の先端部を基端方向に押圧したとき、前記第1の孔近傍の板状部材に対して、前記針体に対するその傾斜角度がより小さくなるような力を作用する手段とを有しており、
前記カバー部は、前記第2の姿勢において前記本体部の先端部を先端方向に移動させる操作を妨げる機能を有することを特徴とするプロテクタ。
【0010】
(2) 前記第1の孔は、前記本体部の中央部に形成されており、前記第2の孔は、前記本体部の針元側に形成されている上記(1)に記載のプロテクタ。
【0011】
(3) 前記カバー部は、前記針体が貫通可能な貫通部を有し、
前記第1の姿勢のとき、前記針体が前記貫通部を貫通しており、その状態から前記針体に対し先端方向に移動して前記貫通部と前記針体との係合が解除されることにより、前記針体に対する前記第2の孔近傍の板状部材の傾斜角度が前記第1の姿勢のときより小さくなるように弾性的に変形する上記(1)または(2)に記載のプロテクタ。
【0012】
(4) 前記カバー部は、前記第2の孔近傍の板状部材から連続して設けられている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のプロテクタ。
【0013】
(5) 前記係合部と前記第1の孔との間に位置し、前記第2の姿勢において前記針体の針先を覆うキャップ部材を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のプロテクタ。
(6) 前記本体部は、前記針体が貫通していない状態における前記第1の孔近傍の板状部材と前記後方接続部とのなす角度が、前記第2の姿勢における前記第1の孔近傍の板状部材と前記後方接続部とのなす角度よりも小さく設定されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のプロテクタ。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプロテクタを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
<第1実施形態>
図1および図2は、それぞれ、本発明プロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第1実施形態を示す部分断面側面図である。なお、以下では、図1および図2中の右側を「先端」、左側を「基端」、上側を「一端」、下側を「他端」として説明する。
【0016】
図1および図2に示すプロテクタ1は、穿刺具2に装着して使用される。まず、この穿刺具2の構成について説明する。
【0017】
穿刺具2は、先端部に鋭利な針先21を有する針管(針体)20と、この針管20の基端部に固定されたハブ22とを備えている。
【0018】
針管20は、中空針であり、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料で構成されている。針管20の先端部には、鋭利な針先21が形成されている。この針先21の形状は特に限定されず、本実施形態では、針管20の軸線に対し所定角度傾斜した刃面を有する形状をなしている。
【0019】
針管20の基端部には、ハブ22が液密に固着(固定)され、針管20の内腔とハブ22の内部とが連通している。
【0020】
針管20のハブ22に対する固着方法としては、例えば、カシメ、融着(熱融着、高周波融着等)、接着剤による接着等の方法が挙げられる。
【0021】
ハブ22は、ほぼ筒状の部材で構成され、好ましくは透明(無色透明)、着色透明または半透明の樹脂で構成され、内部の視認性が確保されている。
【0022】
このハブ22は、基端方向に向かってその外径および内径が漸増するテーパ状をなしている。このテーパ状部分には、例えば、シリンジ(図示せず)の先端部が挿入、嵌合され、穿刺具2がシリンジに装着される。
【0023】
ハブ22の構成材料は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0024】
プロテクタ1は、弾性を有する板状部材を変形して(曲げ加工して)形成されたプロテクタ本体(本体部)3と、該プロテクタ本体3を覆うカバー部4とを有している。
【0025】
プロテクタ本体3は、ほぼ中央に位置する第1の部位(ブレーキ部)21と、針元側(基端側)に位置する第2の部位32と、針先側(先端側)に位置する第3の部位33と、第1の部位31と第2の部位32との他端部同士を接続する後方接続部34と、第1の部位31と第3の部位33との一端部同士を接続する前方接続部35とを有している。これにより、プロテクタ本体3は、全体形状としてほぼS字状をなしている。
【0026】
プロテクタ本体3の第1の部位31には、ほぼ円形をなす第1の孔11が設けられており、第2の部位32には、第2の孔12が設けられており、第3の部位33には、第3の孔(係合部)13が設けられている。これら第1の孔11、第2の孔12および第3の孔13は、それぞれ、針管20が貫通可能な孔になっている。
【0027】
また、図示の構成では、第3の部位33の他端部には、内側(基端側)に湾曲する湾曲部36が形成されている。
【0028】
カバー部4は、このようなプロテクタ本体3を覆うように設けられた部分であり、対向する一対の側壁部(側板)41、41と、両側壁部41、41を連結する連結壁42とで構成されている。
【0029】
側壁部41、41は、それぞれ、プロテクタ本体3を形成する板状部材に対してほぼ垂直に配置されている。すなわち、両側壁部41、41は、ぼほ平行に設置されており、それらの間に、空間43が形成されている。
【0030】
この空間43内には、プロテクタ本体3の第1の部位31、第3の部位33および前方接続部35が挿入、収納されている。また、後述するプロテクタ1の第2の姿勢(図2に示す状態)においては、これらに加え、湾曲部36が空間43内に収納されるようになっている。すなわち、側壁部41、41は、プロテクタ本体3のうちの前述した部分を側方から覆っている。
【0031】
連結壁42は、第2の部位32の一端部から屈曲(または湾曲)してほぼ先端方向に延びるように、第2の部位32の一端部から連続して形成されている。すなわち、連結壁42は、プロテクタ本体3を一端側から覆っている。この連結壁42は、側壁部41、41の一端部同士を連結しており、かつこれらを支持している。
このような構成により、カバー部4は、正面視で略「コ」字状をなしている。
【0032】
また、図示の構成では、連結壁42は、後述する第2の姿勢における前方接続部35の傾斜に合わせ、先端方向に向かって針管20との距離が漸増するように針管20に対し傾斜して設けられている。
【0033】
このようなカバー部4が設けられていることにより、プロテクタ1が針管20の針先21を覆う状態のときに、針先21の周りに付着した血液(体液)を指などで触れることを防止することができ、血液(体液)による汚染を効果的に防止することができる。
【0034】
このようなプロテクタ1は、穿刺具2の使用時(生体などに穿刺するとき)には、図1に示す姿勢、すなわち第1の孔11、第2の孔12および第3の孔13を針管20が貫通(挿通)した姿勢(この姿勢を以下、「第1の姿勢」と言う。)とされる。この第1の姿勢のとき、プロテクタ1は、針管20に対しその長手方向に沿って移動可能である。通常は、図1に示すように、プロテクタ1が針管20の基端部に位置する状態(この状態を以下、「使用状態」と言う。)で穿刺具2を使用する。
【0035】
図示の構成では、第1の姿勢のとき、第1の部位31、第2の部位32および第3の部位33は、それぞれ針管20に対しほぼ垂直になっており、後方接続部34および前方接続部35は、それぞれ針管20とほぼ平行になっている。これにより、第1の姿勢において第1の部位31と後方接続部34とのなす角度は、ほぼ直角になっている。
【0036】
これに対し、プロテクタ1の自然状態(外力を付与しない状態)においては、第1の部位31と後方接続部34とのなす角度は、図2に示す状態よりも小さく設定されている。すなわち、プロテクタ1は、第1の部位31と後方接続部34とが開くように変形(弾性変形)させられた状態で、針管20に装着されている。
【0037】
この変形により、プロテクタ1が針管20に装着された状態では、第1の部位31は、針管20に対する傾斜角度(図1中のθ1および図2中のθ1’で示す角度)が小さくなるような方向に付勢されている。換言すれば、プロテクタ1における第1の部位31と後方接続部34との間の部分は、その弾性によって第1の部位31の針管20に対する傾斜角度が小さくなるような方向に第1の部位31を付勢する付勢手段となっている。
【0038】
ここで、第1の部位31の針管20に対する傾斜角度は、第1の部位31と針管20とがなす角のどちら側を選択するかによって2つの大きさで表すことができるが、本明細書において「第1の部位31の針管20に対する傾斜角度」とは、第2の姿勢のときに90°未満になる角(小さい方の角)の角度を指すものとする。すなわち、本実施形態においては、図1中のθ1および図2中のθ1’で示す角度である。この角度を以下、「第1の部位傾斜角度」と言う。
【0039】
図1に示す第1の姿勢においては、第3の部位33に形成された第3の孔13を針管20が貫通し、第3の孔13と針管20とが係合していることにより、前記付勢手段の付勢力によって第1の部位傾斜角度が小さくなるようにプロテクタ1が変形することが阻止され、前述したように第1の姿勢における第1の部位傾斜角度θ1は、ほぼ直角に保たれている。換言すれば、第3の孔13は、第1の姿勢において、針管20と係合することにより、第1の部位傾斜角度θ1をほぼ直角に規定する係合部(傾斜規定手段)となっている。
【0040】
なお、この係合部は、第3の孔13のような貫通孔に限らず、第1の姿勢において針管20と係合することにより第1の部位傾斜角度を規定し得るものであればいかなるものでもよい。すなわち、この係合部は、貫通孔のほかに、例えば、周方向の一部が欠損したフック状の部位や、針先21を通過して針管20との係合が解除された後に針先21を先端側から覆うシャッター状の部位などで構成されたものであってもよい。
【0041】
このような使用状態(第1の姿勢)から、プロテクタ1を針管20に対し先端方向に移動させていき、針先21が第3の部位33の第3の孔13を通過すると、針管20と第3の孔13との係合が解除される。これにより、プロテクタ1は、前記付勢手段の付勢力によって、弾性的に図2に示す姿勢(この姿勢を以下、「第2の姿勢」と言う。)に変位(変形)する。
【0042】
すなわち、第2の姿勢では、プロテクタ1は、第1の姿勢のときと比べ、第1の部位31が後方接続部34(針管20)に対し図1中反時計方向に回動するように変位(変形)している。これにより、第1の部位傾斜角度は、第1の姿勢のときより小さくなっており、θ1’<θ1なるθ1’となっている。
【0043】
これに伴なって、第3の部位33、前方接続部35および湾曲部36も後方接続部34(針管20)に対し変位(回動)しており、針管20の針先21の末端は、湾曲部36によって覆われた状態となっている。このように、プロテクタ1が針管20の針先21を覆った状態、すなわち図2に示す状態を以下、「針先収納状態」と言う。この針先収納状態においては、針先21は、空間43内に挿入されている。
【0044】
このような第2の姿勢(針先収納状態)のとき、プロテクタ1の第1の部位31が針管20に対してブレーキとして機能することにより、プロテクタ1は、針管20の長手方向に沿った相対的な移動が禁止(阻止)される。すなわち、前記付勢手段の付勢力によって第1の部位傾斜角度が第1の姿勢のときより小さくなることにより、第1の孔11の内面が針管20の外周面に圧接され、第1の孔11の内面と針管20の外周面との間の摩擦力が発生または増大する。この摩擦力が、プロテクタ1に制動力として作用し、針管20の長手方向に沿ったプロテクタ1の移動を禁止(阻止)する。
【0045】
このような構成により、穿刺具2においては、一旦針先収納状態になると、針管20の針先21がプロテクタ1を超えて突出することがない。これにより、廃棄処理等に際し、誤刺を防止することができ、安全性が高い。
【0046】
また、プロテクタ1は、第1の部位31のブレーキ作用によって針管20に対する長手方向の移動が禁止されるので、針管20にプロテクタ1を係止するための特別な構造(例えば、局所的に外径を太くしたり、外周部に凸部を設けたり、ハブ22とプロテクタ1とをヒモで結んだりするような構造)が不要である。これにより、針管20の先端部を特別な加工等を施さない円滑な外周面を有するものとすることができ、強度の低下や刺通抵抗の増大等を招くことがない。また、同様の理由からプロテクタ1は、既存の針体と組み合わせて使用することもでき、汎用性が高い。
【0047】
第1の姿勢における第1の部位傾斜角度θ1は、特に限定されないが、60°以上であるのが好ましく、本実施形態のようにほぼ直角であるのがより好ましい。また、第1の孔11の内径Dは、針管20の外径dによってもその好ましい大きさは異なるが、通常、針管20の外径dより0.01〜1mm程度大きいのが好ましく、0.05〜0.2mm程度大きいのがより好ましい。
【0048】
第1の姿勢における第1の部位傾斜角度θ1や第1の孔11の内径Dが前記範囲にあることにより、第2の姿勢において、第1の孔11の内面と針管20の外周面との間の摩擦力(プロテクタ1に作用する制動力)が大きくなり、針管20の長手方向に沿った相対的な移動がより確実に禁止(阻止)される。
【0049】
なお、本発明においては、第1の孔11は、周方向の一部が欠損したもの(C字状のものなど)であってもよい(第2の孔12についても同様)。
【0050】
また、第2の孔12や第3の孔13の形状は、針管20に対し摺動可能であれば円形に限らないが、円形である場合には、その内径は、第1の姿勢における摺動抵抗を軽減する観点から、第1の孔11の内径Dより0.05〜1mm程度大きいのが好ましい。
【0051】
プロテクタ本体3を形成する板状部材(第1の部位31)の厚さは、その構成材料や針管20の外径等によってもその好ましい値は異なるが、通常、0.05〜2mm程度であるのが好ましく、0.06〜0.2mm程度であるのがより好ましい。前記範囲において、比較的厚いものとした場合には、第2の姿勢においてプロテクタ1に作用する制動力や針先21の保護性が特に優れたものとなり、比較的薄いものとした場合には、加工性や第1の姿勢における針管20に対する摺動のし易さが特に優れたものとなる。
【0052】
プロテクタ1の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられるが、各種金属材料であるのが好ましい。また、上述したような材料を2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0053】
また、プロテクタ本体3と、カバー部4とは、別個の部品を組み合わせて連結されていても、一体的に形成されていてもよい。
【0054】
このようなプロテクタ1におけるカバー部4は、第2の姿勢のときにプロテクタ本体3の先端部(第3の部位33等)を先端方向に移動させる操作を妨げる機能を有する。
【0055】
すなわち、プロテクタ本体3の先端部(第3の部位33等)に対し、例えば図2中の矢印Aで示すような引っ張り力を指などで加えようとしたとき、プロテクタ本体3の先端部(第3の部位33等)は、その側方がカバー部4の側壁部41、41に覆われているため、これを指などで触れることはできず、よって、この操作を行うことはできない。
【0056】
このような構成と異なり、プロテクタ本体3の先端部(第3の部位33等)に前記引っ張り力Aを加えることが可能である場合には、この引っ張り力Aは、前方接続部35を介して第1の部位31に伝達され、第1の部位傾斜角度θ1’が大きくなるように作用する。これにより、第1の孔11の内面と針管20の外周面との間の摩擦力(プロテクタ1に作用する制動力)が減少し、プロテクタ1が針管20から離脱する(抜ける)ことが起こり得る。
【0057】
これに対し、プロテクタ1では、前述したように、カバー部4が設けられていることにより、前記引っ張り力Aのような外力を加える操作が妨げられるため、上述したようなプロテクタ1の離脱を防止することができるという利点がある。
【0058】
一方で、カバー部4は、プロテクタ本体3の先端部(第3の部位33等)を先端側からは覆っていないため、第2の姿勢において、空間43内に先端側から例えば棒状のものを挿入するなどすることにより、プロテクタ本体3の先端部に基端方向の外力を作用することは(故意に行えば)可能である。
【0059】
プロテクタ1は、このような場合、すなわち、第2の姿勢においてプロテクタ本体3の先端部(第3の部位33等)を基端方向に押圧したとき、第1の部位31(第1の孔11近傍の板状部材)に対し、第1の部位傾斜角度θ1’がより小さくなるような力を作用する手段を有する。
【0060】
すなわち、プロテクタ本体3の先端部(第3の部位33等)に対し図2中の矢印Bで示すような押圧力を加えたとき、この押圧力Bは、前方接続部35を介して第1の部位31に伝達され、第1の部位傾斜角度θ1’が小さくなるように作用する。これにより、第1の孔11の内面と針管20の外周面との間の摩擦力(プロテクタ1に作用する制動力)がさらに増大して前記押圧力Bに対抗し、プロテクタ1の移動をより確実に禁止(阻止)する。
【0061】
このため、プロテクタ本体3の先端部に万一前記押圧力Bのような外力が作用した場合にも、針先21がプロテクタ1を超えて突出することがより確実に防止され、特に安全性が高い。よって、第2の姿勢において、プロテクタ本体3の先端部(第3の部位33等)がカバー部4によって先端側からは覆われていなくても、問題とはならない。
【0062】
また、このようなプロテクタ1は、第2の姿勢においてカバー部4に基端方向または先端方向の外力が作用したときに、第2の部位32(第2の孔12近傍の板状部材)の前記針管20に対する傾斜角度が小さくなるような力を作用する手段を有している。
【0063】
すなわち、例えばカバー部4の先端部に図2中の矢印Cで示すような引っ張り力が付加されることによりカバー部4に先端方向の外力が作用すると、この引っ張り力Cは、側壁部41、連結壁42を介して第2の部位32に伝達され、第2の部位32の針管20に対する傾斜角度(図2中のβで示す角度)が小さくなるように作用する。
【0064】
これにより、第2の孔12の内面と針管20の外周面との間の摩擦力(プロテクタ1に作用する制動力)が発生または増大して引っ張り力Cに対抗する。すなわち、第1の部位31に加えて第2の部位32も針管20に対するブレーキ作用を奏し、プロテクタ1の移動をより確実に禁止(阻止)する。なお、プロテクタ1の基端部に対し例えば図2中の矢印Eで示すような押圧力を加えたときにも、同様に、第2の部位32の針管20に対する傾斜角度βが小さくなるように作用する。
【0065】
逆に、例えばカバー部4の先端に図2中の矢印Bで示すような押圧力が付加されることによりカバー部4に基端方向の外力が作用すると、この押圧力Dは、側壁部41、連結壁42を介して第2の部位32に伝達され、第2の部位32の針管20に対する傾斜角度(図2中のαで示す角度)が小さくなるように作用する。
【0066】
これにより、第2の孔12の内面と針管20の外周面との間の摩擦力(プロテクタ1に作用する制動力)が発生または増大して前記押圧力Dに対抗する。すなわち、第1の部位31に加えて第2の部位32も針管20に対するブレーキ作用を奏し、プロテクタ1の移動をより確実に禁止(阻止)する。
【0067】
また、前記押圧力Dは、第2の部位32から後方接続部34を介して第1の部位31に伝達され、第1の部位傾斜角度θ1’がより小さくなるようにも作用する。
【0068】
このようなことから、カバー部4に対し基端方向または先端方向の外力が作用した場合にも、針先21がプロテクタ1を超えて突出したり、プロテクタ1が針管20から離脱するようなことがより確実に防止され、特に安全性が高い。
【0069】
なお、特に強い押圧力Dが作用して、プロテクタ1が万一基端方向に僅かに移動した場合にも、針先21は、湾曲部36の内面に当接するため、針先21がプロテクタ1を超えて突出することはない。
【0070】
次に、穿刺具2およびプロテクタ1の使用方法の一例について、詳細に説明する。
【0071】
[1] 穿刺具2およびプロテクタ1を使用状態(図1に示す状態)とし、ハブ22の基端部にシリンジ(図示せず)の先端突出部を挿入、嵌合し、穿刺具2をシリンジに装着する。
【0072】
[2] この状態で、針管20を患者の血管(生体)に穿刺し、シリンジが備えるプランジャを操作し、患者に対して血液の採取あるいは薬液を注入する。
【0073】
[3] 血液の採取あるいは薬液の注入を終了すると、針管20を患者の血管から抜き取る。
【0074】
[4] 次いで、シリンジを支持している手の他方の手またはピンセット等を用いて、プロテクタ1を針管20に対し先端方向に移動させる。
【0075】
ここで、従来の穿刺操作では、針先21を生体から抜き取った後、針管20にキャップを被せていたが、キャップの一端部の開口内に針管20をその針先21から挿入して行うため、針先21が該開口を外れた場合には、キャップを摘んでいる指を針管20の針先21で誤刺するという事故が生じるおそれがあった。しかし、本発明では、プロテクタ1が針管20の先端方向に移動して針先21を覆うため、前述したような誤刺を有効に防止することができる。
【0076】
[5] プロテクタ1の先端方向への移動により、針管20の針先21が第3の孔13を通過すると、針管20と第3の孔13との係合が解除され、プロテクタ1は、弾性的に(自身の弾性により)変形して、図2に示す第2の姿勢となる。
【0077】
プロテクタ1が第2の姿勢となると、第1の部位31のブレーキ作用によって、プロテクタ1は、針管20の長手方向に沿った移動が禁止(阻止)され、針先21が第1の孔11を通過する前に針管20に対し停止(静止)する。これにより、プロテクタ1および穿刺具2は、図2に示す針先収納状態となる。
【0078】
[6] 針管20の針先21がプロテクタ1内に収納されたら、ハブ22からシリンジの先端突出部を抜き取り、穿刺具2とシリンジとを分離する。そして、穿刺具2およびシリンジは、それぞれ別個に廃棄に供される。また、シリンジに穿刺具2が装着された状態のままで廃棄してもよい。
【0079】
このとき、穿刺具2は、前述したように、針先21がプロテクタ1内に収納されており、針先21がプロテクタ1を超えて突出したり、プロテクタ1が針先21から離脱することがない。これにより、廃棄処理等に際し、針先21で誤って手指等を刺すという事故が防止される。
【0080】
<第2実施形態>
図3は、本発明のプロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第2実施形態(穿刺具の使用状態)を示す部分断面側面図、図4は、本発明のプロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第2実施形態(針先収納状態)を示す部分断面側面図である。なお、以下の説明では、図3および図4中の右側を「先端」、左側を「基端」、上側を「一端」、下側を「他端」と言う。
【0081】
以下、これらの図を参照して本発明の第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0082】
本実施形態のプロテクタ1’におけるカバー部4は、一対の側壁部41、41と、両側壁部41、41を連結する連結壁42と、該連結壁42から連続して設けられた先端壁44とで構成されている。
【0083】
先端壁44は、連結壁42の先端から他端方向に伸びるように形成されているとともに、側壁部41、41の先端部同士を連結している。すなわち、先端壁44は、プロテクタ本体3の先端部(第3の部位33等)を先端側から覆っている。
【0084】
また、先端壁44には、針管20が貫通可能な第4の孔14(貫通部)が形成されている。
【0085】
このようなプロテクタ1’は、穿刺具2の使用時には、図3に示すように第2の孔12、第1の孔11、第3の孔13および第4の孔14を針管20がこの順に貫通した状態(第1の姿勢)にされている。
【0086】
図示の構成では、この第1の姿勢において、先端壁44は、針管20に対しほぼ垂直になっており、連結壁42は、針管20に対しほぼ平行になっている。また、第2の部位32と後方接続部34とのなす角度(図3中のθ3で示す角度)は、ほぼ直角になっている。
【0087】
このようなプロテクタ1’は、その自然状態(外力を付与しない状態)において、第2の部位32と後方接続部34とのなす角度が図4に示す状態よりも大きくなるように設定されている。すなわち、図示の構成では、自然状態(外力を付与しない状態)において第2の部位32と後方接続部34とがなす角度は、θ3’(図4参照)よりも大きくなっている。
【0088】
そして、プロテクタ1’は、第1の姿勢においては、第4の孔14を針管20が貫通することにより、第2の部位32と後方接続部34とが閉じるように変形(弾性変形)させられた状態になっている。すなわち、第4の孔14は、第1の姿勢において、針管20と係合することにより、第2の部位32の針管20に対する傾斜角度をθ3<θ3’なるθ3に規定する規定手段となっている。
【0089】
プロテクタ1’を第1の姿勢(図3に示す状態)から針管20に対し先端方向に移動させていき、針先21が第4の孔14および第3の孔13を通過すると、これらの孔と、針管20との係合がそれぞれ解除される。これにより、プロテクタ1’は、弾性的に図4に示す第2の姿勢に変位(変形)する。
【0090】
この第2の姿勢では、プロテクタ1’は、第1の姿勢の時と比べ、第2の部位32およびカバー部4が後方接続部34(針管20)に対し図3中反時計方向に回動するように変位している。これにより、第2の姿勢では、第2の部位32の針管20に対する傾斜角度は、第1の姿勢のときのθ2から、θ2’<θ2なるθ2’に変化している。
【0091】
これにより、第2の孔12の内面が針管20の外周面に圧接され、第2の孔12の内面と針管20の外周面との間の摩擦力が発生または増大し、この摩擦力がプロテクタ1’に対し制動力として作用する。
【0092】
すなわち、本実施形態においては、第1の部位31(第1の孔11)に加えて、第2の部位32(第2の孔12)もが針管20の長手方向に沿ったプロテクタ1’の移動を禁止(阻止)するブレーキ部として機能する。これにより、プロテクタ1’に対し基端方向または先端方向の特に強い外力が作用したような場合にも、針先21がプロテクタ1’を超えて突出したり、プロテクタ1’が針管20から離脱したりするようなことをより確実に防止することができる。
【0093】
<第3実施形態>
図5は、本発明のプロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第3実施形態(穿刺具の使用状態)を示す部分断面側面図、図6は、本発明のプロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第3実施形態(針先収納状態)を示す部分断面側面図である。なお、以下の説明では、図5および図6中の右側を「先端」、左側を「基端」、上側を「一端」、下側を「他端」と言う。
【0094】
以下、これらの図を参照して本発明の第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0095】
本実施形態のプロテクタ1'' は、第2の姿勢において針管20の針先21を覆うキャップ部材としての筒状部材5を有すること、および、プロテクタ本体3に湾曲部36に代えて先端封止部37が形成されていること以外は、前記第1実施形態のプロテクタ1と同様である。
【0096】
前記キャップ部材としての筒状部材5は、針管20が貫通(挿通)可能な中空部51を有する円筒状をなし、プロテクタ本体3の第3の部位33に形成された第3の孔13と第1の部位31に形成された第1の孔11との間に位置している。
【0097】
この筒状部材5の基端面は、針管20と垂直な面に対して傾斜した傾斜面52となっている。この傾斜面52の傾斜方向は、図6に示す第2の姿勢(針先収納状態)における第1の部位31の傾斜方向と同じになっている。
【0098】
なお、プロテクタ1'' には、筒状部材5のプロテクタ本体3に対する回転を防止する図示しない回転防止手段が設けられている。
【0099】
プロテクタ本体3の先端封止部37は、第3の部位33の他端から連続して平板状に形成されている。図示の構成では、この先端封止部37は、第3の部位33に対し、基端方向に僅かに屈曲して設けられている。
【0100】
このようなプロテクタ1'' は、図5に示す第1の姿勢(穿刺具2の使用状態)においては、針管20が第2の孔12、第1の孔11、筒状部材5の中空部51および第3の孔13をこの順に貫通した状態となっている。
【0101】
そして、図6に示すプロテクタ1'' の第2の姿勢(針先収納状態)においては、針先21は、筒状部材5の中空部51内に位置し、筒状部材5で覆われた状態となっている。
【0102】
この第2の姿勢において、筒状部材5の先端開口53は、プロテクタ本体3の先端封止部37により覆われて、封止される。
【0103】
このような構成により、本実施形態では、第2の姿勢において針先21の全体(全面)が筒状部材5および先端封止部37で覆われるので、針先21の周りや内部に残留した血液(体液)が垂れ落ちるのを防止(抑制)することができ、血液(体液)による汚染を効果的に防止することができる。
【0104】
また、筒状部材5は、第2の姿勢において針先21の横ずれを防止する横ずれ防止部材としての機能をも併せ持っている。すなわち、筒状部材5が設けられていることにより、第2の姿勢において、針先21が横方向(長手方向と垂直な方向)にずれることが防止される。これにより、本実施形態では、針先収納状態において、プロテクタ5に対し例えば横方向に強い外力が作用したような場合であっても針先21の突出をより確実に防止することができ、より安全性が高い。
【0105】
このような筒状部材5は、第2の姿勢においてプロテクタ本体3に対し図6中の矢印Fで示すような押圧力が作用したとき、すなわちプロテクタ本体3の先端を基端方向に押圧したときに、第1の部位31(第1の孔11近傍の板状部材)に対し、第1の部位傾斜角度θ1’がより小さくなるような力を作用する手段(傾斜面52)を有する。
【0106】
すなわち、前記押圧力Fは、筒状部材5の傾斜面52を介して第1の部位31に伝達され、第1の部位傾斜角度θ1’が小さくなるように作用する。これにより、第1の孔11の内面と針管20の外周面との間の摩擦力(プロテクタ1'' に作用する制動力)がさらに増大して押圧力Fに対抗し、プロテクタ1'' の移動をより確実に禁止(阻止)する。このため、押圧力Fを加えた場合にも、針先21がプロテクタ1'' を超えて突出することがより確実に防止され、特に安全性が高い。
【0107】
筒状部材5の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料や、各種ゴム材料、各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらの材料を2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0108】
筒状部材5の構成材料を各種ゴム材料や各種熱可塑性エラストマーを含むものとした場合には、第2の姿勢において先端封止部37が筒状部材5の先端開口53に対してより密着し、針先21の周りや内部に残留した血液(体液)が垂れ落ちるのをより効果的に防止することができる。
【0109】
以上、本発明のプロテクタを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、プロテクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0110】
例えば、プロテクタの本体部は、全体形状としてほぼS字状のものに限らず、例えばほぼ「の」字状のものなどであってもよい。
【0111】
また、プロテクタの本体部は、複数の部品で構成されるようなものであってもよい。例えば、板状のブレーキ部と、該ブレーキ部を針体に対する傾斜角度が小さくなる方向に付勢する付勢部材(バネ)とが別部品で構成されるようなものでもよい。
【0112】
また、図示の実施形態では、カバー部は、プロテクタの本体部を側方および一端側から覆うものなどを挙げたが、本発明においては、カバー部は、プロテクタの本体部をいずれの方向から覆うものであってもよく、また、プロテクタの本体部を少なくとも一方向から覆うものであればよい。
【0113】
また、本発明のプロテクタは、各種注射針に限らず、例えば、留置針(外針)と組み合わせて用いる留置針組立体にも装着して使用することができる。
【0114】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、簡単な操作で、迅速かつ安全に、使用後の針体をプロテクタで覆うことができ、廃棄処理等に際し、誤って針先で手指等を刺すという事故がなく、衛生面、安全面で極めて優れた穿刺具を提供することができる。
【0115】
また、本発明によれば、簡単な構造、かつ極めて小型のプロテクタで上記効果を達成することができ、プロテクタは、使用状態では針元部の僅かなスペースに収まる。このため、プロテクタ設置スペースの確保が容易で、各種の穿刺具に適用することができる。また、同様の理由から、本発明のプロテクタを備えた穿刺具は、プロテクタを有さない従来のものに対し遜色ない操作感が得られ、高い操作性を有する。
【0116】
また、本発明のプロテクタは、特別な構造を持たない通常の針体に装着して使用することができる。このため、既存の針体と組み合わせて使用することもできる。
【0117】
さらに、プロテクタの本体部を覆うカバー部により、針先収納状態において、針先の周りに付着した血液(体液)を指などで触れることが防止され、血液(体液)による汚染を防止(抑制)することができる。
【0118】
また、カバー部が、第2の姿勢(針先収納状態)において、プロテクタの本体部の先端部を先端方向に移動させる操作を妨げる機能を有することにより、針先がプロテクタを超えて突出したり、プロテクタが針体から離脱したりすることをより確実に防止することができる。
【0119】
また、第2の姿勢において針体の針先を覆うキャップ部材を有する場合には、針先の周りや内部に残留した血液(体液)が垂れ落ちるのを防止(抑制)することができ、血液(体液)による汚染をより効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第1実施形態(穿刺具の使用状態)を示す部分断面側面図である。
【図2】本発明のプロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第1実施形態(針先収納状態)を示す部分断面側面図である。
【図3】本発明のプロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第2実施形態(穿刺具の使用状態)を示す部分断面側面図である。
【図4】本発明のプロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第2実施形態(針先収納状態)を示す部分断面側面図である。
【図5】本発明のプロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第3実施形態(穿刺具の使用状態)を示す部分断面側面図である。
【図6】本発明のプロテクタを穿刺具(注射針)に装着した状態の第3実施形態(針先収納状態)を示す部分断面側面図である。
【符号の説明】
1、1’、1'' プロテクタ
11 第1の孔
12 第2の孔
13 第3の孔
14 第4の孔
2 穿刺具
20 針管
21 針先
22 ハブ
3 プロテクタ本体
31 第1の部位
32 第2の部位
33 第3の部位
34 後方接続部
35 前方接続部
36 湾曲部
37 先端封止部
4 カバー部
41 側壁部
42 連結壁
43 空間
44 先端壁
5 筒状部材
51 中空部
52 傾斜面
53 先端開口
Claims (6)
- 先端に鋭利な針先を有する針体の長手方向に沿って相対的に移動可能な第1の姿勢と、前記針体の針先を覆った状態で、前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止される第2の姿勢とに変位可能なプロテクタであって、
弾性を有する板状部材を変形してなるものであり、全体形状としてほぼS字状をなす本体部と、
前記本体部の少なくとも一部を覆うカバー部とを備え、
前記本体部に、前記針体が貫通可能な第1の孔と、前記第1の孔よりも基端側に配置され、前記針体が貫通可能な第2の孔と、前記第1の孔よりも先端側に配置され、前記針体と係合する係合部とがそれぞれ形成されており、
前記本体部は、前記係合部近傍の板状部材と、前記第1の孔近傍の板状部材と、前記第2の孔近傍の板状部材と、前記係合部近傍の板状部材と前記第1の孔近傍の板状部材とを接続する前方接続部と、前記第1の孔近傍の板状部材と前記第2の孔近傍の板状部材とを接続する後方接続部とを有し、
前記第1の姿勢のとき、前記針体が前記第1の孔および前記第2の孔を貫通し、前記係合部が前記針体と係合しており、その状態から前記針体に対して先端方向に移動して前記係合部と前記針体との係合を解除することにより、前記第1の孔および前記第2の孔のうち少なくとも前記第1の孔近傍の板状部材の前記針体に対する傾斜角度が前記第1の姿勢のときより小さくなるように弾性的に変形して前記第2の姿勢となり、これにより、前記第1の孔の内面と前記針体の外周面との間の摩擦力が発生または増大して前記針体の長手方向に沿った相対的な移動が禁止されるよう構成されており、
前記第2の姿勢において、前記カバー部に基端方向および/または先端方向の外力を付与したとき、前記第1の孔近傍の板状部材に対し、前記針体に対するその傾斜角度がより小さくなるような力を作用する手段と、前記カバー部に基端方向および/または先端方向の外力を付与したとき、前記第2の孔近傍の板状部材に対し、前記針体に対するその傾斜角度がより小さくなるような力を作用する手段と、本体部の先端部を基端方向に押圧したとき、前記第1の孔近傍の板状部材に対して、前記針体に対するその傾斜角度がより小さくなるような力を作用する手段とを有しており、
前記カバー部は、前記第2の姿勢において前記本体部の先端部を先端方向に移動させる操作を妨げる機能を有することを特徴とするプロテクタ。 - 前記第1の孔は、前記本体部の中央部に形成されており、前記第2の孔は、前記本体部の針元側に形成されている請求項1に記載のプロテクタ。
- 前記カバー部は、前記針体が貫通可能な貫通部を有し、
前記第1の姿勢のとき、前記針体が前記貫通部を貫通しており、その状態から前記針体に対し先端方向に移動して前記貫通部と前記針体との係合が解除されることにより、前記針体に対する前記第2の孔近傍の板状部材の傾斜角度が前記第1の姿勢のときより小さくなるように弾性的に変形する請求項1または2に記載のプロテクタ。 - 前記カバー部は、前記第2の孔近傍の板状部材から連続して設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のプロテクタ。
- 前記係合部と前記第1の孔との間に位置し、前記第2の姿勢において前記針体の針先を覆うキャップ部材を有する請求項1ないし4のいずれかに記載のプロテクタ。
- 前記本体部は、前記針体が貫通していない状態における前記第1の孔近傍の板状部材と前記後方接続部とのなす角度が、前記第2の姿勢における前記第1の孔近傍の板状部材と前記後方接続部とのなす角度よりも小さく設定されている請求項1ないし5のいずれかに記載のプロテクタ。
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