JP4227853B2 - 可食性フィルムおよびフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は可食性フィルム、可食性フィルムの製造方法および可食性フィルムを含むフィルムに関し、詳しくは、澱粉を主成分とするフィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
可食性フィルムとしては、従来より種々のものが開発されており、このうち速溶性の可食性フィルムとしては、ゼラチンやプルラン,アルギン酸ナトリウムを主成分とするものが知られている。このうちゼラチンは、主にウシ由来のものが用いられていることからBSE感染等の問題が指摘されている。また、プルラン及びアルギン酸ナトリウムは、価格が高いために原料コストが高くなる問題がある。
【0003】
一方、植物性の原料であり価格が比較的安い澱粉を可食性フィルムの主成分として用いることもおこなわれている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示される澱粉を主成分とするフィルムは、澱粉を主成分とするフィルムが強度や柔軟性及び厚さ形成に劣る問題を解決する目的で発明されたものであり、水溶液濃度が原料澱粉よりも低下したヒドロキシルプロピル化澱粉を主成分とすることで、得られるフィルムの強度や柔軟性及び厚さ形成を向上させ、さらに、多価アルコールや糖アルコール,単糖類,多糖類,二糖類,オリゴ糖類及び澱粉分解物等を添加することで、フィルムの柔軟性と冷水可溶性とを向上させるものである。
【0004】
しかし、この特許文献1に記載されるような可食性フィルムにおいても、フィルムの強度や形成性などのフィルム特性は充分なものではなく、フィルム特性のより向上した可食性フィルムの開発が望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−342193号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、フィルム強度や形成性,フィルムの安定性等のフィルム特性をより向上させるとともに低コストで製造することができる可食性フィルム、可食性フィルムの製造方法、および可食性フィルムを含むフィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の可食性フィルムは、澱粉を主成分とする可食性フィルムであって、該可食性フィルムは、アルギン酸ナトリウムと、該アルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.1〜0.5重量部のカルシウムイオンとを含み、水溶性であることを特徴とする。
【0008】
可食性フィルムをアルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンを含むものとすることによって、アルギン酸ナトリウムがカルシウムイオンによって架橋されて可食性フィルムの強度を向上させることができる。また、一般にカルシウムイオンによって架橋されたアルギン酸ナトリウムは加熱・冷却しても溶解しないゲルとなるため、このようなゲルを含む材料をフィルム状に成形することは非常に困難である。しかし、本発明においてアルギン酸ナトリウムに対するカルシウムイオンの配合割合を、アルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.1〜0.5重量部とすることで、カルシウムイオンによるアルギン酸ナトリウムの架橋の割合を制御して、良好な形状のフィルムを容易に成形することが可能となる。
【0009】
また、上記アルギン酸ナトリウムは、pH6.0〜8.0,温度20℃の条件下で10重量%水溶液のB型粘度計による粘度が1000Pa・s〜1重量%水溶液のB型粘度計による粘度が100Pa・sの範囲であることが好ましい。
【0010】
上記アルギン酸ナトリウムは、上記澱粉100重量部に対して1〜50重量部含まれることが好ましい。
【0011】
本発明の可食性フィルムは、さらに、フィルム可塑剤としてラクチトール,マルチトール,エリスリトール,マンニトールから選ばれる少なくとも1種の糖アルコールを含むことが好ましい。
【0012】
本発明の可食性フィルムは、さらに、水分調整剤としてトレハロースを含むことが好ましい。
【0013】
本発明の可食フィルムは、さらに、フィルム強化剤として多糖類を含むことが好ましい。
【0014】
本発明の可食性フィルムは、さらに、フレーバーおよびキシリトール,エリスリトール,ネオテーム,パラチノース,ステビア,スクラロース,アスパルテーム,アセサルフェムカリウムから選ばれる甘味料を含み、D相乳化法によって該フレーバーが分散されていることが好ましい。
【0015】
本発明の可食性フィルムは、少なくとも表面に凹凸が形成されていることが好ましい。
【0016】
本発明の可食性フィルムは、型抜き加工により所定形状に形成されているものとすることができる。
【0017】
また、本発明の可食性フィルムは、機能層が積層されているものとすることができる。
【0018】
本発明のフィルムは、上記可食性フィルムの何れかの材料に非可食性の材料が配合されてなるか、または、上記可食性フィルムの何れかに非可食性の層が積層されてなることを特徴とする。以下、本発明のフィルムを可食性フィルムを含むフィルムと呼ぶ。
【0019】
フィルムを可食性フィルムを含むものとすることで、フィルムに可食性フィルムに由来するフィルム特性を付与することができる。
【0020】
他の可食性フィルムの製造方法として、以下の方法が挙げられる。以下、この可食性フィルムの製造方法を参考製造方法と呼ぶ。参考製造方法は、澱粉を主成分とする可食性フィルムの製造方法であって、澱粉及びカラギーナンを含むフィルム材料の水溶液を調製する第1の工程と、該フィルム材料の水溶液を60℃以上の温度条件で基体上にキャスティングして該基体上に液体膜を形成する第2の工程と、該液体膜を40℃以下に冷却し該液体膜中のカラギーナンをゲル化する第3の工程と、該ゲル化された液体膜を加熱・乾燥して該ゲル化された液体膜中の水分を除去し、フィルムを形成する第4の工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
カラギーナンは水に溶解し加熱・冷却によってゲル化する特性を有する。したがって、第1の工程で水に溶解させ、第2の工程で60℃以上の温度条件でキャスティングし、第3の工程で40℃以下に冷却することで、フィルム材料中のカラギーナン水溶液のゲル化がおこなわれる。このカラギーナンのゲル化によって得られた可食性フィルムの強度を向上させることができる。さらに、第3の工程でキャスティングをおこなっている状態ではカラギーナンのゲル化は生じていないため、良好な形状のフィルム状に形成することが可能であり、かつ、第3の工程ではゲル化が生じていないため、フィルムを厚膜に形成することが可能となる。
【0022】
また、上記カラギーナンはκカラギーナンおよび/またはιカラギーナンであることが好ましい。
【0023】
本発明の可食性フィルムの製造方法においては、上記カラギーナンを上記澱粉100重量部に対して2〜9重量部配合することが好ましい。
【0024】
本発明の可食性フィルムの製造方法は、さらに、少なくとも表面に凹凸を形成する凹凸形成工程を有することが好ましい。
【0025】
本発明の可食性フィルムの製造方法は、さらに、上記第4の工程で形成された上記フィルムに型抜き加工を施して、上記可食性フィルムの外縁を所定形状に形成する型抜き工程を有する方法とすることができる。
【0026】
本発明の可食性フィルムの製造方法は、さらに、機能層を積層する積層工程を有する方法とすることができる。
【0027】
本発明の可食性フィルムは、上記可食性フィルムの製造方法の何れかで製造されていることを特徴とする。
【0028】
本発明の可食性フィルムを含むフィルムは、上記可食性フィルムを含むことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる可食性フィルムは、澱粉を主成分とする可食性フィルムである。澱粉としては、タピオカ澱粉やワキシコーンスターチ等の通常用いられるものを使用することができる。
【0030】
本発明において可食性フィルムとは、単に食用を目的とするもののみならず、健康食品や医薬品等が配合あるいは積層されたフィルムや、カプセル状や袋状等の形状に形成されて医薬品等を被覆するためのフィルムなどの、喫食あるいは服用されて体内に摂取されるフィルムを含むものである。また、本発明の可食性フィルムは、その用途が食用のみに限定されるものではなく、例えば、化粧品、農薬、種苗等の非可食性のものを被覆する用途に用いることもできる。
【0031】
本発明の可食性フィルムは、アルギン酸ナトリウムと、該アルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.05〜0.5重量部のカルシウムイオンとを含むことを特徴とするものである。
【0032】
アルギン酸ナトリウムは、2価の金属イオンであるカルシウムイオンによって架橋されることでゲル状になる。このため、このゲル構造によって可食性フィルムの強度を向上させることができる。このゲル化は、アルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとの架橋によって瞬時におこなわれる。このとき、アルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとによるゲルの骨格内に、澱粉その他のフィルム構成材料が配置される。このため、強度の確保が困難な澱粉を主成分とする場合にも、可食性フィルムの強度をこの骨格によって確保することができるため、得られた可食性フィルムの強度を向上させることが可能となる。
【0033】
また、一般にカルシウムイオンによって架橋されたアルギン酸ナトリウムは加熱・冷却しても溶解しないゲルとなるため、上述したように、このようなゲルを含む材料を薄膜のフィルム状に成形することは非常に困難である。しかし、本発明においては、アルギン酸ナトリウムに対するカルシウムイオンの配合割合を、アルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.05〜0.5重量部とすることで、カルシウムイオンによるアルギン酸ナトリウムの架橋密度をフィルム形成に好適な範囲に制御することができ、例えば50μm程度の薄膜から500μm程度の厚膜を容易に形成することができる。フィルム材料中にカルシウムイオンを供給するための材料としては、リン酸カルシウム,乳酸カルシウム等の既知のカルシウム材料を用いることができる。
【0034】
ここで、アルギン酸ナトリウムに対するカルシウムの配合割合がこの範囲を超えると、カルシウムイオンによるアルギン酸ナトリウムの架橋密度が高くなりすぎるために、アルギン酸ナトリウム及びカルシウムイオンを含み澱粉を主成分とするフィルム材料をフィルム状に形成することが困難となる。また、アルギン酸ナトリウムに対するカルシウムイオンの配合割合がこの範囲に満たないと、カルシウムイオンによるアルギン酸ナトリウムの架橋密度が低くなりすぎるために、フィルム材料のゲル化が良好なものとならなくなるため、可食性フィルムの強度を充分なものとすることが困難になる。
【0035】
本発明の可食性フィルムにおいて、アルギン酸ナトリウムは、pH6.0〜8.0,温度20℃の条件下で10重量%水溶液のB型粘度計による粘度が1000Pa・s〜1重量%水溶液のB型粘度計による粘度が100Pa・sであることが好ましい。B型粘度計による粘度がこの範囲であるアルギン酸ナトリウムは、重合度が約650となるものである。アルギン酸ナトリウムとして、B型粘度計による粘度がこの範囲にあるものを用いることで、上述したカルシウムイオンによるアルギン酸ナトリウムの架橋がより好適におこなわれる。
【0036】
本発明の可食性フィルムにおいて、アルギン酸ナトリウムは、澱粉100重量部に対して1〜50重量部含まれることが好ましく、2〜20重量部含まれることがより好ましい。澱粉に対するアルギン酸ナトリウムの配合割合をこの範囲内とすることで、アルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとが部分的に架橋して得られたゲルの骨格内における澱粉の分散を、好適なフィルム強度が保たれる範囲とすることができる。
【0037】
本発明の可食性フィルムは、フィルム強化剤として多糖類を含むことが好ましい。フィルム強化剤と使用される多糖類としては、カラギーナン、寒天、ガラクトース等が挙げられる。これら多糖類は可食性フィルムの溶解性を低くする作用や可食性フィルムの強度を向上させる作用等がある。
【0038】
本発明の可食性フィルムにおいて、フィルム可塑剤としてラクチトール,マルチトール,エリスリトール,マンニトールから選ばれる少なくとも1種の糖アルコールを含むことが好ましい。
【0039】
フィルム可塑剤としては、一般にグリセリンやソルビトールが添加されるが、グリセリンやソルビトールは吸湿性が高いことから、フィルムが空気中の水分を吸収することでべたつきが生じる場合がある。フィルム可塑剤として、一般に用いられるグリセリンやソルビトールに代えてこれら糖アルコールを用いることで、フィルムの吸湿を抑え、フィルムを長期間の保存後にも良好な形状が維持されるものとすることができる。
【0040】
本発明の可食性フィルムは、水分調整剤としてトレハロースを含むことが好ましい。
【0041】
トレハロースは水分を保持する作用があり、このトレハロースを水分調整剤として配合することで、乾燥条件下におけるフィルムのひび割れを防止する効果が得られるとともに、澱粉の老化防止効果が得られる。
【0042】
本発明の可食性フィルムは、フレーバーおよびキシリトール,エリスリトール,ネオテーム,パラチノース,ステビア,スクラロース,アスパルテーム,アセサルフェムから選ばれる甘味料を含み、D相乳化法によって該フレーバーが分散されているものとすることができる。
【0043】
本発明においてフレーバーとは、可食性フィルムに色,匂い,味を付加するための添加剤を指すものである。本発明において、フレーバーは有機物,無機物を問わず使用することができ、また、天然物,合成物の何れでもよい。可食性フィルムにフレーバーを添加することで、可食性フィルムの味,色,匂い等を喫食者の嗜好に合わせた種々のものとすることができる。
【0044】
また、例えば本発明の可食性フィルムで医薬品を被覆する場合には、服用分量を水無しで摂取することができるため、寝たきりの患者や幼児にも簡単に経口で投薬することが可能となる。
【0045】
ここで、フレーバーとして水に難溶性の液状のものを用いる場合は、通常は、レシチン,グリセリン脂肪酸エステル,ソルビン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖エステル等の乳化剤を添加し乳化させて水中に分散して用いることがおこなわれている。しかし、フレーバーとして例えばテルペン類等の油を用いる場合には、上述したような通常用いられる乳化剤で乳化することが困難である。この場合、水と多価アルコールとを含んだ界面活性剤溶液中に油であるフレーバーを分散させることによりエマルジョンを作成するD相乳化法を用いることによって、フレーバーの乳化を好適におこなうことが可能となる。
【0046】
ここで用いられる多価アルコールとしては、キシリトール,エリスリトール,ネオテーム,パラチノース,ステビア,スクラロース,アスパルテーム,アセサルフェムから選ばれる甘味料が好ましく、さらに、高HLBのポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル及びキラヤサポニンから選ばれる糖類を乳化剤として用いることもできる。
【0047】
また、フレーバーの種類によっては、フィルム強度が弱くなる場合がある。このような場合には、フィルムの安定剤としてアルギン酸ナトリウム,カラギーナン,ローカストビーンガム,グルコマンナン,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,大豆水溶性多糖を配合するか、澱粉として高分子の澱粉を用いることが有効である。
【0048】
また、澱粉が老化するとゲル化が生じフィルム材料をキャスティングしてフィルムを成形することが困難になるため、フィルムが脆くなることが知られている。澱粉の老化は水分の共存下で低温条件に曝されることによって生じ、澱粉の老化によって可食性フィルムの強度が低下する場合がある。澱粉の老化を抑制するためには、例えば、老化し難い澱粉であるタピオカやワキシコーンスターチを用いることが好ましい。また、タピオカやワキシコーンスターチは、水に分散させ糊化した後に冷却する際の粘度の上昇が少ないために、取り扱いが容易であることからも澱粉として好適に使用することができる。また、老化を抑制するために、アルギン酸塩,レシチン,グリセリン脂肪酸エステル,ソルビン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖エステル等の既知の乳化剤やトレハロース,糖アルコールを配合することもできる。
【0049】
また、フィルム形成の際に、フィルム材料の水溶液を加熱して澱粉を糊化した後に澱粉の液温を下げると澱粉が老化して白濁・ゲル化するために、均一なフィルムを形成することが困難となる。このため、フィルム材料の水溶液は糊化した後40℃以上の液温に保つことが好適である。
【0050】
また、本発明の可食性フィルムには、さらに、カラギーナンを添加することで、可食性フィルムの強度を向上するとともに、可食性フィルムに柔軟性を付与することもできる。
【0051】
本発明の可食性フィルムは、少なくとも表面に凹凸が形成されていることが好ましい。可食性フィルムの少なくとも表面に凹凸が形成されていることで、可食性フィルムの反りを防止することや、例えば保存時等に可食性フィルム同士がくっつくことを防止することができる。
【0052】
この凹凸は、後述する種々の方法で形成することができ、凹凸の形状や大きさは特に限定されない。また凹凸は、例えば可食性フィルムの表面にのみ形成されるものであっても良いし、例えば可食性フィルムの肉厚方向の全体で形成されるものであっても良い。
【0053】
また、この凹凸によって意匠を表示することもできる。この場合には、可食性フィルムを意匠性に優れたものとすることもできる。また、可食性フィルムに配合されるフレーバーや薬剤等の材料毎に異なる凹凸のパターンを表示することもできる。この場合には、凹凸によって可食性フィルムに識別性を付与することができるとともに、可食性フィルムを視覚のみならず触覚によっても識別可能なものとすることができ、例えば使用者が視覚障害者である場合にも好適に使用できるものとすることができる。
【0054】
本発明の可食性フィルムは、型抜き加工により所定形状に形成されているものとすることができる。型抜き加工は、例えばシーリング刃、トムソン刃、腐食刃等の既知の種々の抜き型を用いておこなうことができる。この型抜き加工によって、可食性フィルムの外縁が所定形状に形成される。
【0055】
ここでいう所定形状は特に限定されるものではなく、例えば、ハート型、星型、楕円型、円型、三角型、四角型等に代表される種々の形状とすることができる。可食性フィルムを種々の形状に形成することで、可食性フィルムに形状による意匠性を付与することができる。また、形状による意匠性が付与された可食性フィルムは、例えば他の食品を装飾するための装飾材として使用することもできる。さらに、可食性フィルムの外縁を円形や楕円形等の形状に形成する場合、使用者が口腔内に違和感を感じることなく喫食できるものとなる。
【0056】
また、可食性フィルムの内側に型抜き加工による所定の意匠を形成することもできる。この場合には、2箇所以上の複数箇所を型抜きし、可食性フィルム全体に所定の模様を形成することもできる。
【0057】
また、本発明の可食性フィルムは、さらに機能層が積層されているものとすることができる。以下、本明細書において可食性フィルムのうち機能層以外の部分を可食性フィルム本体と呼ぶ。
【0058】
機能層は、可食性フィルムに種々の機能を付与する層であれば良く、例えば可食性フィルムに意匠を付与する層であっても良いし、薬効を付与する層であっても良いし、抗菌性、耐摩耗性、難接着性、難溶性、呈味性等を付与する層であっても良い。さらに、これに限らず種々の機能を付与する層であっても良い。このような機能層は、可食性フィルムに種々の機能を付与できる材料からなる層であっても良いし、あるいは、可食性フィルムに種々の機能を付与できる材料を含む層であっても良い。以下、本明細書において可食性フィルムに種々の機能を付与できる材料を機能性材料と呼ぶ。
【0059】
機能性材料は、例えば、可食性フィルムを構成する材料自体であっても良いし、各種フレーバー、色素、薬剤、金属等の可食性フィルム以外の材料であっても良い。何れの場合にも、機能層は可食性フィルム本体に積層されて可食性フィルムの一部を構成する。
【0060】
機能層は、可食性フィルム本体の一面にのみ積層することもできるし、例えば対向する二面など多面に積層することもできる。また、可食性フィルム本体の全ての面を覆うように積層することもできる。更には、部分的に積層することもできる。
【0061】
本発明における機能層は、膜状に互いに固着し合って層を形成するものに限定されず、例えば、可食性フィルム本体に粉末状、顆粒状、或いは種子のような固形物の機能性材料を付着させ、この付着した粉末状の機能性材料の集合を機能層とすることもできる。
【0062】
可食性フィルムを、可食性フィルム本体に機能層が積層されているものとすることで、機能層に由来する種々の機能を可食性フィルムに付与することができる。
【0063】
可食性フィルムを、可食性フィルム本体と機能層とを有するものとすることで、例えば、混合すると性質や状態が変化する等の理由で1層の可食性フィルムに同時に配合できない組み合わせの材料を、同一の可食性フィルムに配合することもできる。この場合、可食性フィルム本体と機能層とに別々の機能性材料を配合し、あるいは、可食性フィルム本体に配合できない材料を機能層に配合して、各々の層を形成した後に積層し多層化することで、1層の可食性フィルムに同時に配合できない組み合わせの2種以上の機能性材料を同一の可食性フィルムに容易に配合することができる。
【0064】
例えば、柿渋は硫化物に対する消臭作用を持ち、ルイボスは窒化物に対する消臭作用を持つ。このため、可食性フィルムに柿渋とルイボスとを共に配合する場合には、アンモニアやアミン等の窒化物および硫化水素やメタンチオール等の硫化物に対する消臭効果を可食性フィルムに付与することができる。しかし、柿渋とルイボスとを一層の可食性フィルムに配合する場合には、柿渋とルイボスとが反応しその効果が互いにうち消される問題がある。しかし、柿渋またはルイボスの何れか一方を可食性フィルム本体に配合し他方を機能層に配合して、可食性フィルム本体と機能層とを積層し多層化することで、一層の可食性フィルムに同時に配合できない柿渋とルイボスとを同一の可食性フィルムに容易に配合することが可能となる。
【0065】
また、例えばクエン酸やリンゴ酸等の機能性材料は食品に添加する酸味剤として一般に用いられるが、クエン酸やリンゴ酸などの強酸性物質と澱粉とを同時に配合する場合、強酸性物質によって澱粉が分解される問題が生じる。この場合には、クエン酸やリンゴ酸等を機能層に配合し、澱粉が配合されている可食性フィルム本体にこの機能層を積層することで、可食性フィルム本体に含まれる澱粉を分解することなく可食性フィルムに酸味料を容易に配合することが可能となる。
【0066】
さらに、これに限らず種々の組み合わせについても同様に多層化することで同一の可食性フィルムに配合することができる。
【0067】
また、機能層と可食性フィルム本体とに異なるフィルム特性を付与することもできる。例えば、機能層を可食性フィルム本体とは溶解時間の異なる層とすることもできる。この場合、溶解時間が短い可食性フィルム本体を溶解時間が長い機能層で被覆することで、可食性フィルム本体の溶解開始時期を遅延させることもできる。可食性フィルム本体や機能層の溶解時間は、可食性フィルム本体や機能層に配合されるアルギン酸ナトリウムおよびカルシウムイオンの配合量を調整することで適宜設定することができる。例えば、アルギン酸ナトリウムおよびカルシウムイオンの配合量を多くしてアルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとの架橋部分を多くすることで溶解時間を長く設定することができるし、アルギン酸ナトリウムおよびカルシウムイオンの配合量を少なくしてアルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとの架橋部分を少なくすることで溶解時間を短く設定することができる。また例えば、上述したκカラギーナン、寒天(ガラクトース)、ローカストビーンガム等の多糖類に代表されるフィルム強化剤を可食性フィルム本体又は機能層に配合することで可食性フィルム本体や機能層の溶解時間を長くすることもできる。
【0068】
例えば、溶解時間が長い可食性フィルム本体に溶解時間が短い機能層を積層するとともに可食性フィルム本体と機能層とに異なるフレーバーや色素等を配合することで、喫食時に可食性フィルムの味や色を経時変化させることもできる。
【0069】
さらに、可食性フィルム本体と機能層とを異なる溶解時間を持つものに形成し、可食性フィルム本体と機能層とに別々の薬剤等を配合することで、各々の薬剤の体内における吸収部位を異なる部位とすることもできる。
【0070】
また、例えば、溶解時間が長い可食性フィルム本体を溶解時間が短い機能層で被覆するとともに、可食性フィルム本体に薬剤等を配合し機能層に甘味料や各種フレーバーを配合することもできる。この場合には可食性フィルムを子供にも服用しやすい医薬品とすることができる。
【0071】
機能層を、金、銀、プラチナ、二酸化珪素等の金属からなる機能性材料から構成することもできる。この場合、金属に由来して機能層が硬度の高いものとなり、この硬度の高い機能層を可食フィルム本体に積層することで、可食性フィルム全体に耐摩耗性を付与することができるとともに、可食性フィルムに防腐性および抗菌性を付与することができる。
【0072】
また、金属や色素、パール粉、卵殻カルシウムに代表されるような種々の色彩を有する機能性材料から機能層を構成する場合、これらの各種機能性材料に由来する色彩によって機能層を種々の意匠を持つ層とすることもできる。この場合、機能層によって可食性フィルムに意匠性を付与することができる。また、意匠によって文字を表示する場合等には、可食性フィルムに識別性を付与することもできる。これら色彩に優れる機能性材料は、上述した可食性フィルムから構成される機能層に配合することもできる。
【0073】
本発明の可食性フィルムにおいて、機能層は、可食性フィルム本体の全体に積層されるものであっても良いし、一部のみが積層されるものであっても良い。例えば、大形の可食性フィルム本体に小形の機能層が積層されるようなものであっても、上述した1層の可食性フィルムに同時に配合できない機能性材料を同一のフィルムに配合できる効果や、可食性フィルムに意匠性等の各種機能を付与する効果や、可食性フィルムを2種以上の異なる溶解時間を持つものとする効果が得られるからである。
【0074】
また、機能層によって可食性フィルムに種々の意匠を付与するような場合には、機能層を種々の形状に形成することで、可食性フィルムに色彩による意匠性と形状による意匠性との両方を付与することができる。さらに、種々の異なる機能を持つ機能層を同一の可食性フィルムに設けることもでき、この場合には、異なる機能を同一の可食性フィルムに付与することが可能となる。
【0075】
本発明の可食性フィルムは、上述したように種々の用途に使用することができるが、非可食性のものを被覆するフィルムとして用いることもできる。例えば、本発明の可食性フィルムで農薬を被覆する場合には、農薬が使用時に直接人体に接触することが防止されて、人体に対して有害な農薬を安全に使用することが可能となる。なおこの場合、散水して可食性フィルムを溶解させることで、可食性フィルムに被覆されていた農薬が露出して、その作用が発揮される。
【0076】
また、種苗を本発明の可食性フィルムで被覆する場合には、例えば種苗と固形の肥料等とを本発明の可食性フィルムで被覆して播種するとともに散水して可食性フィルム部分を溶解させることで、播種と肥料の散布とを種苗毎に効率的に行うこともできる。
【0077】
本発明の可食性フィルムを含むフィルムは、上述した種々の可食性フィルムを含むフィルムである。この可食性フィルムを含むフィルムは、例えば、上述した種々の可食性フィルムに種々の非可食性の材料を配合したものとすることもできるし、上述した種々の可食性フィルムの上層に非可食性の層をさらに積層したものとすることもできる。
【0078】
何れの場合にも、可食性フィルムを含むフィルムは、可食性フィルムの部分によって、上述した可食性フィルムと同様に薄肉かつ高強度のものとなる。また、少なくとも可食性フィルムの部分は経口摂取できる程度に安全であるため、フィルム全体の安全性を高めることができ、例えば化粧パック等の人体に直接接触させて使用するフィルムとして好適に使用することができる。
【0079】
そして、少なくとも可食性フィルムの部分は水に溶解するため、可食性フィルムを含むフィルムは、使用時あるいは使用後に水に溶解させて廃棄可能なものとなる。
【0080】
可食性フィルムを含むフィルムを化粧パックとする場合には、例えば可食性フィルムの内部に種々の薬剤等を配合して可食性フィルムを含むフィルムを形成することもできる。また、可食性フィルムの上層に薬剤からなる層を積層して可食性フィルムを含むフィルムを形成することもできる。この場合、化粧パックとして使用する際に顔面に接触する部位毎に薬剤の種類を変えることで、パック効果をより高めることができる。さらに、顔面に接触する面と対向する面に薬剤からなる層を積層することで、化粧パックに薬剤の徐放性を付与することもできる。この場合、可食性フィルムの部分に薬剤がとおる孔を適宜穿設することで、顔面への薬剤の接触時間や濃度を調整することができる。
【0081】
さらに、本発明の可食性フィルムを含むフィルムは、非可食性の材料として農薬や種苗等を配合することもできる。例えば農薬を可食性フィルムに配合する場合には、粉末状の農薬であっても使用者が吸入すること等を防止することができ、人体に有害な農薬であっても安全に使用することができる。また、農薬を含む層の上層に農薬を含まない層を積層することによって、使用者が農薬に直接触れることが防止される。
【0082】
また、本発明の可食性フィルムを含むフィルムは、上述したような、少なくとも表面に凹凸が形成されているものとすることもできるし、型抜き加工により所定形状に形成されているものとすることもできる。
【0083】
参考製造方法は、澱粉を主成分とする可食性フィルムの製造方法であって、澱粉及びカラギーナンを含むフィルム材料の水溶液を調製する第1の工程と、フィルム材料の水溶液を60℃以上の温度条件で基体上にキャスティングして該基体上に液体膜を形成する第2の工程と、液体膜を40℃以下に冷却し該液体膜中のカラギーナンをゲル化する第3の工程と、ゲル化された液体膜を加熱・乾燥して該ゲル化された液体膜中の水分を除去し、フィルムを形成する第4の工程と、を有する。
【0084】
上述したように、カラギーナンは水溶性であり、加熱・冷却によってゲル化する性質を持つ。
【0085】
第1の工程は、澱粉を主成分とするフィルム材料を水に溶解あるいは分散させるとともに、フィルム材料中のカラギーナンを水に溶解させる工程である。
【0086】
第2の工程は、フィルム材料中の澱粉及びカラギーナンを60℃以上の温度条件で加熱し、澱粉の糊化とカラギーナンの加熱とをおこなうとともに、フィルム材料をキャスティングして基体上にフィルム材料からなる液体膜を形成する工程である。
【0087】
第3の工程は、第2の工程で形成された液体膜を40℃以下に冷却することでカラギーナンをゲル化させる工程である。カラギーナンのゲル化によって、フィルム材料はカラギーナンのゲル骨格の間隙に分散され、キャスティングされ形成された液体膜の形状が保持される。
【0088】
第4の工程は、第3の工程でゲル化された液体膜を加熱・乾燥してゲル化された液体膜中の水分を除去し、フィルムを形成する工程である。液体膜は、第3の工程でカラギーナンがゲル化されることによって固定されていることから、本第4の工程で加熱・乾燥をおこなった場合にも、このカラギーナンによるゲルの骨格は残存することとなり、フィルムの形状はキャスティングされた状態のまま保持されることとなる。
【0089】
ここで、通常は、フィルムを厚膜に形成する場合には、加熱・乾燥する工程によってフィルムは表面から乾燥される。したがって、フィルムの表面と内部とに乾燥のむらが生じるため、フィルムの表面に皺が形成されるとともにフィルムに反りが生じる場合がある。参考製造方法によると、フィルムはカラギーナンのゲル骨格によって支持されるため、フィルム表面と内部とに乾燥のむらが生じる場合でも、フィルム形状はゲル骨格によって固定されることから、皺や反り等の不具合が解消あるいは軽減され、例えば100μm以上の厚膜であって良好な形状の可食性フィルムを容易に形成することができる。
【0090】
参考製造方法において、カラギーナンはκカラギーナンおよび/またはιカラギーナンであることが好ましい。
【0091】
κカラギーナンを配合する場合、ゲルは強固なものとなるためフィルムの強度が高くなる。また、強固なゲルが形成されることによってフィルムの形状がより良好に保たれるため、フィルムを厚膜に形成した場合にもフィルムの形状が良好に保たれ、皺や反り等の不具合がより確実に解消あるいは軽減される。
【0092】
ιカラギーナンを配合する場合、ゲルは弾性に優れたものとなる。
【0093】
また、κカラギーナンまたはιカラギーナンの少なくとも一方を配合する場合、上述したフィルムの安定剤としての機能を発現するため、フレーバー等を添加する場合にもフィルムの安定性を好適に保つことが可能となる。参考製造方法においては、所望するフィルムの厚さ等のフィルム形状や、種々の添加物等の配合によるフィルム構成に応じて、κカラギーナンとιカラギーナンとをともに配合することもできる。
【0094】
また、参考製造方法においては、フィルム材料として、さらにアルギン酸ナトリウムを混合して、フレーバー等の配合成分の乳化の安定性等の特性を付与することもできるし、さらに、カルシウムイオンを配合することでアルギン酸ナトリウムをカルシウムイオンによって架橋して、上述した効果と同様のフィルム強度の向上効果を付与することもできる。
【0095】
さらに、参考製造方法においては、上述した可食性フィルムに配合されるフィルム可塑剤としての糖アルコール、保湿剤としてのトレハロース、嗜好性向上のためのフレーバー、安定剤としてのアルギン酸ナトリウム,カラギーナン,ローカストビーンガム,グルコマンナン,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,大豆水溶性多糖等、乳化剤としてのアルギン酸塩,レシチン,グリセリン脂肪酸エステル,ソルビン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖エステル等の各種配合剤を配合することも可能である。そして、主成分となる澱粉は上述した可食性フィルムと同様に、所望するフィルム特性に応じて既知のものから適宜選択して使用することが可能である。
【0096】
参考製造方法において、カラギーナンを澱粉100重量部に対して2〜9重量部配合することが好ましい。澱粉100重量部に対してカラギーナンが2重量部未満である場合には、可食性フィルムの成形性が低下し、カラギーナンが9重量部を超える場合には可食性フィルムの溶解性が低くなる。カラギーナンのより好ましい配合割合は、澱粉100重量部に対して3〜8重量部であり、特に好ましい配合割合は澱粉100重量部に対して4〜6重量部である。
【0097】
参考製造方法は、さらに、可食性フィルムの少なくとも表面に凹凸を形成する凹凸形成工程を有することが好ましい。上述したように、フィルムの少なくとも表面に凹凸を形成することで、可食性フィルムの反りを防止することや、保存時等に可食性フィルム同士がくっつくことを防止すること、凹凸によって文字や絵柄等の意匠を表示すること等ができる。
【0098】
また、上述と同様に、この凹凸の形状や大きさは特に限定されない。例えば、第2の工程に用いる基体として、プラズマの照射により基体表面に微細な凹凸が形成されたコロナ処理フィルムを用いることや、表面に凹凸を有するマット状のPETフィルムを用いることで、第2の工程と同時に凹凸形成工程をおこない、可食性フィルムの表面に微細な凹凸を形成することもできる。すなわち、これらの基体を用いることで、キャスティングされたフィルム材料の表面にも微細な凹凸が形成されて、第4の工程で乾燥された場合にも、可食性フィルムが基体より剥離することが抑制され、可食性フィルムの反りを防止することができる。さらに、得られた可食性フィルムは表面に微細な凹凸を有するものとなり、フィルム同士のすべりが良くなるために、例えば可食性フィルムを重ねて収納する場合にも個々の可食性フィルムの取り出しを容易におこなうことが可能となる。また、例えば可食性フィルムを重ねて保存した場合等にも、可食性フィルム表面の微細な凹凸により可食性フィルム同士の接触面が小さくなるために、可食性フィルム同士がくっつくことが防止される。
【0099】
また、既知のトムソン式、箔押式、ロール式などのエンボス機やシール印刷機などを用いてエンボス加工を施すことで可食性フィルムに凹凸を形成することもできる。例えばエンボス加工用ローラを用いゲル化した液体膜にエンボス加工を施すことで、第3の工程や第4の工程と同時に凹凸形成工程をおこなうこともできる。さらには、第1の工程〜第4の工程によって得られた可食性フィルムにシール印刷機によりエンボス加工を施すこともできる。この場合凹凸形成工程は第4の工程の後におこなわれる。シール印刷機を用いて凹凸形成工程をおこなう場合には、凹凸を容易且つ精巧に形成することができるため、例えば凹凸によって意匠を表示する場合等により好ましく使用できる。エンボス加工で凹凸を形成する場合には、凹凸は可食性フィルムの表面および内部に形成される。しかしこの場合にも、上述した微細な凹凸と同様にフィルムの反りを防止する効果や、フィルム同士のくっつきを防止する効果、可食性フィルムに識別性を付与して医薬品を含む可食性フィルムの誤飲を防止する効果等が得られる。
【0100】
なお、これに限らず凹凸形成工程は種々の方法およびタイミングでおこなうことができる。
【0101】
参考製造方法は、さらに、第4の工程で形成されたフィルムに型抜き加工を施して、可食性フィルムの外縁を所定形状に形成する型抜き工程を有する方法とすることができる。
【0102】
型抜き工程は、上述したように、例えばシーリング刃、トムソン刃、腐食刃等の既知の種々の抜き型を用いておこなうことができる。型抜き工程を設けることで、上述したような、可食性フィルムに形状による意匠性を付与することや、得られた可食性フィルムを違和感なく使用可能なものとすることが可能となる。また、上述と同様に可食性フィルムの内側に型抜き加工を施して可食性フィルムに所定の種々の意匠を形成することもできる。
【0103】
参考製造方法は、さらに、機能層を積層する積層工程を有する方法とすることができる。
【0104】
積層工程は、上述した可食性フィルムと同様の機能層を可食性フィルム本体に積層する工程である。なお、ここでいう可食性フィルム本体は第2の工程から第4の工程に至る何れかの段階の液状膜の状態であっても良いし、第4の工程後に得られた可食性フィルムであっても良い。すなわち、積層工程は、第2の工程の後におこなうこともできるし、第3の工程の後におこなうこともできるし、第4の工程の後におこなうこともできる。
【0105】
また、第1の工程〜第4の工程で得られた可食性フィルムを可食性フィルム本体とし、別の第1の工程〜第4の工程で得られた可食性フィルムを機能層として、可食性フィルム本体と機能層とを既知の方法で積層し一体化することで可食性フィルムを形成することもできる。このような積層工程は2回以上おこなうこともでき、上述した種々のタイミングの組み合わせでおこなうこともできる。
【0106】
参考製造方法を、積層工程を有する方法とすることで、可食性フィルム本体に機能層を積層することができ、上述と同様に可食性フィルムに種々の機能を付与することができ、さらに、上述と同様に1層のフィルムに同時に配合しがたい2種以上の材料を同一の可食性フィルムに容易に配合することが可能となる。なお、機能層は、上述した種々の機能性材料を含む層であっても良いし、種々の機能性材料からなる層であっても良い。更には、上述したアルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとを含む可食性フィルムを機能層とすることもできる。
【0107】
例えば、セルロースは可食性フィルムの安定性を向上させ、可食性フィルムの強度を向上させるとともに可食性フィルムを硬質のものとし、形成された可食性フィルム同士のくっつきを防止するための機能性材料として用いられるが、参考製造方法で可食性フィルムを製造する場合には、セルロースを配合することで可食性フィルムの成形性が低下する場合がある。
【0108】
セルロースは低温で溶解する性質を持ち、カラギーナンは高温で溶解する性質を持つ。このため、セルロースが溶解する温度ではカラギーナンが溶解し難いか或いは一旦溶解したカラギーナンがゲル化し、カラギーナンが溶解する温度ではセルロースが溶解し難い。したがって、カラギーナンとセルロースとを同時に配合する場合には、カラギーナンとセルロースとがともに均一に溶解した液体膜を形成することは困難であり、特に、セルロースの配合量が多い場合にはカラギーナンとセルロースとがともに均一に溶解した液体膜を形成することは非常に困難となる。しかし、セルロースをカラギーナンを含まない機能層に配合し、カラギーナンを含む可食性フィルム本体にこの機能層を積層することで、カラギーナンとセルロースとを容易に同一のフィルムに配合することができる。
【0109】
積層工程は、例えば、印刷、コーティング、箔押し、蒸着、塗布、吹付、ふりかけ、接着、浸漬等の既知の方法でおこなうことができる。
【0110】
機能性材料が粉末状であり、印刷等の方法に適さない場合等には、既知の液状媒体に溶解或いは分散させて上記の方法による積層工程に供することもできる。ここで用いる液状媒体としては、食用インキ、流動澱粉、セラック(ラックカイガラムシ抽出物)、ツェイン、水、油脂等の既知の可食性のものが挙げられる。
【0111】
例えば印刷により積層工程をおこなう場合には、グラビア印刷やシルク印刷、箔押印刷等の既知の方法で可食性フィルム本体に印刷することで、機能層を積層することができる。蒸着により積層工程をおこなう場合には、金属からなる機能性材料をターゲットとし、真空蒸着法等の方法によって可食性フィルム本体に機能性材料を蒸着して、機能性材料からなる機能層を積層することができる。吹付により積層工程をおこなう場合には、スプレーガン等の吹付装置を用いて機能性材料を可食性フィルム本体に吹付して可食性フィルム本体に機能層を積層することができる。ふりかけによって積層工程をおこなう場合には、単に可食性フィルム本体に機能性材料をふりかけて付着させることで可食性フィルム本体に機能層を積層することができる。
【0112】
また、印刷や蒸着等の方法によって予め他の基体上に機能層を形成し、そののちに機能層を可食性フィルム本体に転写することで可食性フィルム本体に機能層を積層することもできる。
【0113】
機能層を可食性フィルムからなる層とし、可食性フィルム本体と機能層との溶解時間を異なる時間とする場合には、可食性フィルム本体や機能層の肉厚を適宜調整することやカラギーナンの配合量を適宜調整することで可食性フィルム本体や機能層の溶解時間等を所望のものとすることができる。例えば、可食性フィルム本体や機能層を厚肉に形成するほど各々の層の溶解時間は長くなるし、カラギーナンのうちκカラギーナンの配合割合を多くすることで溶解時間を長くすることができるし、ιカラギーナンの配合割合を多くすることで溶解時間を短くすることができる。
【0114】
カラギーナンを含む可食性フィルムは、上述した参考製造方法によって製造される。上述したように、本発明の可食性フィルムの製造方法によって製造された可食性フィルムは、厚膜かつ良好な形状を持つものとなる。この可食性フィルムは、上述したアルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとを含むフィルムと同様に、可食性・非可食性を問わず種々のものを被覆するためのフィルムとして用いることもできる。
【0115】
参考製造方法によって製造された可食性フィルムを含むフィルムは、上述したアルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとを含む可食性フィルムを含むフィルムと同様に、例えば、種々の非可食性の材料を配合したものとすることもできるし、非可食性の層をさらに積層したものとすることもできる。この可食性フィルムを含むフィルムは、可食性フィルムの部分によって、厚肉かつ良好な形状のものとなる。そして、上述したアルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとを含む可食性フィルムを含むフィルムと同様にフィルム全体の安全性が高められたものとなり、さらに、使用時あるいは使用後に水に溶解させて廃棄可能なものとなる。
【0116】
さらに、本発明の可食性フィルムおよび可食性フィルムを含むフィルムは、種々の形状に加工して用いることもできる。例えば、可食性フィルムおよび可食性フィルムを含むフィルムを適宜裁断してテープ状の形状に形成することもできるし、テープ状の可食性フィルムをより合わせて糸状や紐状の形状に形成することもできる。さらに、糸状や紐状の可食性フィルムや可食性フィルムを含むフィルムをさらに加工して、網状や布状の形状に形成することもできる。
【0117】
例えば、テープ状に形成された可食性フィルムは、食品を束ねる為のテープとして好ましく用いることができる。特に冷や麦やそうめん等の乾麺を束ねているテープは、乾麺を茹でる際に取り除く必要があるが、通常用いられている紙製のテープは破れにくく剥がし難いため、テープを取り除く操作は煩雑なものとなる。テープ状の可食性フィルムを乾麺を束ねるためのテープとして用いる場合には、可食性フィルムの溶解時間を短く設定し、乾麺を茹でる際に即時に溶解するものとすることで、上述した煩雑な操作をおこなうことなく容易に乾麺を茹でることができる。なお、本発明の可食性フィルムは70℃程度の温度では変性しない特性を持つ。このため、テープ状に形成された本発明の可食性フィルムは、乾麺等の比較的長期間保存する食品を束ねるためのテープとして好ましく使用される。
【0118】
また例えば、紐状に形成された可食性フィルムは、食品を束ねたり縛ったりする際の紐として好ましく用いることができる。例えばハムやソーセージは製造時に紐で縛って整形するが、調理の際にこの整形用の紐が料理に混入する場合がある。ここで、整形用の紐として通常は綿製の非可食性のものが用いられているため、料理に混入した紐は異物として認識され、一旦口中に入ると喫食者に不快感を与える。しかし、本発明の可食性フィルムを紐状に形成して整形用の紐等に用いた場合には、紐自体が可食性のものとなるため上述した喫食者の不快感を低減することができる。
【0119】
可食性フィルムからなるテープを撚ったり編んだりして紐状に加工する場合には、可食性フィルムを強度に優れた紐状に形成することができる。特にセルロースを配合した可食性フィルムを用いる場合には、高温条件下でも強度に優れる特性を発揮し、例えば500g程度の荷重にも耐えうる可食性の紐となる。さらに、可食性フィルムを紐状に形成することで、可食性フィルムの溶解時間が長くなる。このような紐状に形成された可食性フィルムは、上述したハムやソーセージを縛るための紐以外にも、例えば餅巾着の開口やロールキャベツを縛る紐など、食品に特定の形状を付与し食品と同時に喫食可能な紐としても好ましく用いられる。
【0120】
さらに、糸状に形成された可食性フィルムは、医療用の縫合糸として好ましく使用される。糸状に形成された可食性フィルムは、体内の水分によって溶解するため抜糸を要さない縫合糸となる。この場合、体内の水分と体温および縫合部分の治癒に要する期間を勘案して、可食性フィルムの溶解時間を適宜設定することが好ましい。さらに、加工前の可食性フィルムの表面や、糸状に形成された可食性フィルムの表面を純金や医療用ステンレス等の金属箔で被覆することで、糸状に形成された可食性フィルムの強度はより向上するため、医療用の縫合糸としてより好ましく用いることができる。
【0121】
また、上述した糸状や紐状に形成された可食性フィルムをさらに網状に加工して用いることもできる。網状の可食性フィルムは、さらに袋状に形成して用いることもでき、煮干しやコーン等種々の食品を1食分ずつ小分けする際の小分け袋として好ましく用いられる。この場合、この小分け袋を構成する可食性フィルムが水に可溶であることから、食品を可食性フィルムの袋ごと湯中に投入すると可食性フィルムは溶解し食品部分のみが残るため、袋を開封したり袋中より食品を取り出したりする煩雑な作業は不要となる。
【0122】
また、網状の可食性フィルムは、皿や発泡トレー等と食品との間に敷く下敷として使用することもできる。この場合には、喫食者が誤食した場合にも安全であり、かつ捨てる際にも容易に分解される下敷として好ましく使用される。なお、種々の色素や香料、防腐剤等が配合された可食性フィルムを下敷に用いる場合には、下敷上に載置された料理に色彩や香り防腐性等の機能性を付与することができるため、より好ましく用いられる。
【0123】
さらに、カプサイシンなど刺激性の高い防虫剤や防禽獣剤を可食性フィルム配合し、得られた可食性フィルムを含むフィルムを網状や袋状等に形成する場合には、例えば果実等に被せておくことで果実等を虫害や禽獣害から防御することができる。本発明の可食性フィルムは弾性が高いものであるとともに、網状に形成することで伸縮性がより大きくなっていることから、例えば未熟果に網状の可食性フィルムを被せておく場合でも、果実の成長に応じて伸縮するため、破断や脱落等なく長期間の使用が可能である。
【0124】
さらに、本発明の可食性フィルムおよび可食性フィルムを含むフィルムは、上述した用途に限らず種々の用途に用いることも可能である。
【0125】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を基にして説明する。
【0126】
(試験例1)
試験例1の可食性フィルムは、澱粉を主成分とするフィルムであり、アルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとを含むものであり、アルギン酸ナトリウム及びリン酸カルシウムを以下の配合量で配合し、以下の工程で形成されたものである。
【0127】
(配合1)配合1の可食性フィルムは、澱粉26重量部,アルギン酸ナトリウム4重量部,フィルム安定剤としてのカラギーナン1重量部,可塑剤としてのグリセリン4重量部,フィルム可塑剤としてのラクチトール1重量部,保湿剤としてのトレハロース1重量部,乳化剤としてHLB16以上のグリセリン脂肪酸エステル0.2重量部,フレーバーとしてのL−メントール1.5重量部,香料1重量部,甘味料0.6重量部,色素(2%溶液)0.1重量部を水で100重量部としたものをフィルム材料としたものである。なお、本実施例1では、アルギン酸ナトリウムとしては、pH6.0〜8.0,温度20℃の条件下で10重量%水溶液のB型粘度計による粘度が1000Pa・s〜1重量%水溶液のB型粘度計による粘度が100Pa・sのものを用いた。
【0128】
(配合2)配合1に加えて0.05重量部のリン酸カルシウムを配合したものである。
【0129】
(配合3)配合1に加えて0.1重量部のリン酸カルシウムを配合したものである。
【0130】
(配合4)配合1に加えて0.3重量部のリン酸カルシウムを配合したものである。
【0131】
(配合5)配合1に加えて0.5重量部のリン酸カルシウムを配合したものである。
【0132】
本試験例1の可食性フィルムは以下の工程で形成した。
【0133】
先ず、上記の配合1〜配合5のフィルム材料のうち香料以外の材料を含む水溶液と乳化した香料とを調製した。水溶液を80℃で加熱して糊化したのち40℃にまで冷却し、これに乳化した香料を加え、ホモミキサーにて混合してフィルム材料の水溶液を得た。
【0134】
次に、上記の工程で得たフィルム材料の水溶液を室温でマット状のペットフィルム上にキャスティングするとともに熱風にて加熱・乾燥させて、このペットフィルム上に配合1〜配合5の可食性フィルムを形成した。なお、本試験例1においてフィルム厚さは50μmであった。
【0135】
本試験例1の可食性フィルムの各フィルム材料の配合を表1に示す。なお。表1中リン酸カルシウムの量は、カルシウムイオンの状態でのアルギン酸ナトリウム100重量部に対する配合量(重量部)を示すものである。
【0136】
【表1】
【0137】
(フィルム強度評価試験)
上記工程で形成された配合1〜配合5の可食性フィルムを用いて、フィルム強度の評価試験を行った。試験方法は以下の通りである。
【0138】
試験例1で得られた可食性フィルムを、温度23℃、湿度50%r.h.雰囲気下に24時間放置した後、島津製作所製オートグラフ10TBを使用して試験を行った。(試験片;ダンベル型,試験速度;200mm/min,グリップ間距離;80mm)本フィルム強度評価試験の結果を表すグラフを図1に示す。
【0139】
本フィルム強度試験によると、アルギン酸をゲル化しない程度にカルシウムイオンで架橋することによって、フィルムの引張強度が上昇する。これらの結果から、アルギン酸ナトリウム100重量部に対してカルシウムイオンが0.1重量部以上含まれることでフィルムの強度が向上することがわかる。また、カルシウムイオンの配合量がアルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.5重量部を超えるとフィルム形成が困難となることから、アルギン酸ナトリウム100重量部に対してカルシウムイオンが0.05〜0.5重量部となる範囲内において、アルギン酸ナトリウムのカルシウムイオンによる架橋はフィルム形成およびフィルムの強度向上に好適となるように制御されることがわかる。
【0140】
(試験例2)
試験例2の可食性フィルムは、澱粉を主成分としフレーバーとしてL−メントールを含むものであり、L−メントールの添加によりフィルムの安定性が低下することを防止する目的で、種々の安定剤が添加されている。本試験例2の可食性フィルムは試験例1と同じ工程で形成されたものである。
【0141】
(配合6)配合6の可食性フィルムは、澱粉 30重量部,グリセリン 4重量部,L−メントール 1重量部,乳化剤 0.2重量部を水で100重量部としたものである。なお、本配合6及び下記の配合7〜11,13〜18において、澱粉はタピオカ澱粉分解物を用いた。
【0142】
(配合7)配合7の可食性フィルムは、配合6に加えて0.5重量部のローカストビーンガムを配合したものである。
【0143】
(配合8)配合8の可食性フィルムは、配合6に加えて0.5重量部のカラギーナンを配合したものである。
【0144】
(配合9)配合9の可食性フィルムは、配合6に加えて1.5重量部のカラギーナンを配合したものである。
【0145】
(配合10)配合10の可食性フィルムは、配合6に加えて0.8重量部のセルロース(MC,CMC,HPMC)を配合したものである。
【0146】
(配合11)配合11の可食性フィルムは、配合6に加えて2重量部の大豆水溶性多糖を配合したものである。
【0147】
(配合12)配合12の可食性フィルムは、配合6に加えて2重量部の高粘度ワキシコーンスターチ分解物を配合したものである。
【0148】
(配合13)配合13の可食性フィルムは、配合6に加えて1重量部のアルギン酸ナトリウムと、このアルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.3重量部のカルシウム量となるリン酸カルシウムを配合したものである。なお、本配合13で用いたアルギン酸ナトリウムは、pH6.0〜8.0,温度20℃の条件下で10重量%水溶液の粘度が500Pa・sとなるものである。
【0149】
(配合14)配合14の可食性フィルムは、配合6に加えて3重量部のアルギン酸ナトリウムと、このアルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.3重量部のカルシウム量となるリン酸カルシウムを配合したものである。なお、本配合14で用いたアルギン酸ナトリウムは、配合13で用いたものと同じものである。
【0150】
(配合15)配合15の可食性フィルムは、配合6に加えて1重量部のアルギン酸ナトリウムと、このアルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.3重量部のリン酸カルシウムを配合したものである。なお、本配合15で用いたアルギン酸ナトリウムは、pH6.0〜8.0,温度20℃の条件下で10重量%水溶液の粘度が2000Pa・sとなるものである。
【0151】
(配合16)配合16の可食性フィルムは、配合6に加えて3重量部のアルギン酸ナトリウムと、このアルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.3重量部のリン酸カルシウムを配合したものである。なお、本配合16で用いたアルギン酸ナトリウムは、配合15で用いたものと同じものである。
【0152】
(配合17)配合17の可食性フィルムは、配合6に加えて1重量部のアルギン酸ナトリウムと、このアルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.3重量部のリン酸カルシウムを配合したものである。なお、本配合17で用いたアルギン酸ナトリウムは、pH6.0〜8.0,温度20℃の条件下で10重量%水溶液の粘度が7000Pa・sとなるものである。
【0153】
(配合18)配合18の可食性フィルムは、配合6に加えて3重量部のアルギン酸ナトリウムと、このアルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.3重量部のリン酸カルシウムを配合したものである。なお、本配合18で用いたアルギン酸ナトリウムは、配合17で用いたものと同じものである。
【0154】
(安定性試験)
本試験例2の配合6〜18の可食性フィルムを、25℃,相対湿度55%の条件下で12時間放置した後に2つ折りにし、この状態での強度を目視にて確認した。評価は、非常に脆い(少し折り曲げただけで割れる),脆い(2つ折りで割れる),少し脆い(割れにくい),柔軟(2つ折りで割れない)の4段階でおこなった。本安定性試験の結果を表2に示す。
【0155】
【表2】
【0156】
表2に示すように、安定剤としてpH6.0〜8.0,温度20℃の条件下で10重量%水溶液の粘度が1000Pa・s〜1重量%水溶液の粘度が100Pa・sの範囲であるアルギン酸ナトリウムを添加した配合15〜18は、安定剤を添加しない配合6及び他の安定剤を添加した配合7〜14と比較してフレーバー配合時のフィルムの安定性を向上させることがわかる。
【0157】
(試験例3)
試験例3の可食性フィルムの製造方法は、澱粉を主成分とする厚膜の可食性フィルムを製造する方法である。本試験例3の可食性フィルムの製造方法において、フィルム材料は配合19〜配合28のとおり配合され、第1の工程〜第4の工程によって可食性フィルムが形成される。
【0158】
(配合19)澱粉 21重量部,増粘剤 6重量部,保湿剤としてのトレハロース 3重量部,可塑剤としてのグリセリン 5重量部,可塑剤としてのプロピレングリコール 1重量部,可塑剤としてのソルビット 1重量部,乳化剤としてのシュガーエステル 0.2重量部を、水で100重量部とした。
【0159】
第1の工程;上記各フィルム材料を混合し、80℃で1時間加熱してフィルム材料の水溶液を調製した。
【0160】
第2の工程;図2に示す装置を用い、ポリエステルフィルムを基体としてこのフィルム上に第1の工程で調製したフィルム材料の水溶液をキャスティングし、液体膜を形成した。このときの温度条件は60℃であり、図2中aで示すスリット幅は0.4mmであった。この第2の工程は、図2に示す装置に限らず種々の装置を用いておこなうことができ、例えば図3に示すような装置を用いておこなうこともできる。
【0161】
第3の工程;第2の工程で形成した液体膜を35℃に冷却した。
【0162】
第4の工程;第3の工程で冷却された液体膜を温風乾燥機を用いて60℃の温度条件で加熱・乾燥し液体膜中の水分を除去して可食性フィルムを形成した。
【0163】
(配合20)配合19と同じフィルム材料を用い、第2の工程でスリット幅aを0.5mmとした以外は配合19と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0164】
(配合21)配合19と同じフィルム材料を用い、第2の工程でスリット幅aを0.6mmとした以外は配合19と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0165】
(配合22)配合19のフィルム材料に0.5重量部のκカラギーナンを配合した以外は配合19と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0166】
(配合23)配合19のフィルム材料に0.5重量部のκカラギーナンを配合し、第2の工程でスリット幅aを0.5mmとした以外は配合19と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0167】
(配合24)配合19のフィルム材料に0.5重量部のκカラギーナンを配合し、第2の工程でスリット幅aを0.6mmとした以外は配合19と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0168】
(配合25)配合19のフィルム材料に0.5重量部のκカラギーナンを配合し、第2の工程でスリット幅aを0.7mmとした以外は配合19と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0169】
(配合26)配合19のフィルム材料に1重量部のκカラギーナンを配合し、第2の工程でスリット幅aを0.7mmとした以外は配合19と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0170】
(配合27)配合19のフィルム材料に1重量部のκカラギーナンを配合し、第2の工程でスリット幅aを0.8mmとした以外は配合19と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0171】
(配合28)配合19のフィルム材料に1重量部のκカラギーナンを配合し、第2の工程でスリット幅aを0.9mmとした以外は配合19と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0172】
(フィルム形状試験)
配合19〜28で形成した可食性フィルムをの形状を下記方法により評価し、フィルムを基体から剥がした後にフィルムの厚さをマイクロメータにて測定することでフィルム形状試験をおこなった。本フィルム形状試験の評価は、乾燥面に皺(皺により凹凸ができる),乾燥面に小皺(フィルム一面に小さな皺ができる),良好(皺がない)の3段階でおこなった。
本安定性試験の結果を表3に示す。
【0173】
【表3】
【0174】
κカラギーナンを配合した配合22〜28の可食性フィルムは、100μm以上の厚膜に形成した場合にも良好な表面形状を保ち、κカラギーナンの配合量が0.5重量部以上で100μm以上の厚膜に形成することができた。このことから、カラギーナンを添加し、かつ、上記の第1から第4の工程でフィルムを形成することでフィルム形状が良好な厚膜のフィルムを形成することが可能となることがわかる。
【0175】
(試験例4)
試験例4の可食性フィルムの製造方法は、試験例3と同様に澱粉を主成分とする可食性フィルムを製造する方法である。本試験例4の可食性フィルムの製造方法において、フィルム材料は配合29〜配合32のとおり配合され、第1の工程〜第4の工程によって可食性フィルムが形成される。
【0176】
(配合29)澱粉 21重量部,増粘剤 6重量部,保湿剤としてのトレハロース 3重量部,可塑剤としてのグリセリン 5重量部,可塑剤としてのプロピレングリコール 1重量部,可塑剤としてのソルビット 1重量部,乳化剤としてのシュガーエステル 0.2重量部,κカラギーナン 0.5重量部を、水で100重量部とした。
【0177】
第1の工程;上記各フィルム材料を混合し80℃で1時間加熱してフィルム材料の水溶液を調製した。
【0178】
第2の工程;図2に示す装置を用い、ポリエステルフィルムを基体としてこのフィルム上に第1の工程で調製したフィルム材料の水溶液をキャスティングし、液体膜を形成した。このときの温度条件は60℃であり、図2中aで示すスリット幅は0.8mmであった。
【0179】
第3の工程;第2の工程で形成した液体膜を35℃に冷却した。
【0180】
第4の工程;第3の工程で冷却された液体膜を温風乾燥機を用いて60℃の温度条件で加熱・乾燥し、液体膜中の水分を除去して可食性フィルムを形成した。
【0181】
(配合30)κカラギーナンの配合量を1重量部とした以外は配合29と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0182】
(配合31)κカラギーナンの配合量を1.5重量部とした以外は配合29と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0183】
(配合32)κカラギーナンの配合量を2.0重量部とした以外は配合29と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0184】
(フィルム溶解性試験I)
配合29〜32で形成した可食性フィルムを20mm×100mmの小片に裁断し各々の小片についてマイクロメーターによってフィルムの厚さを測定した。このフィルムを図4に示すように、27℃及び37℃の精製水中に浸漬深さが40mmとなるように浸漬し、完全に溶けるまでの時間を測定した。試験は各々のフィルムについて3回づつおこなった。本フィルム溶解性試験Iの結果を表4および図5に示す。なお、表4における数値は3回測定の平均±標準偏差を示す。
【0185】
【表4】
【0186】
表4及び図5に示すように、カラギーナンの配合量を多くすることで可食性フィルムの溶解時間を長くすることができる。また、フィルム厚さがほぼ等しい配合30及び配合32の可食性フィルムにおいて、κカラギーナンの配合量が多い配合32の可食性フィルムの溶解時間が長くなっていることから、この溶解時間はフィルム厚さのみに依存するのではなくカラギーナンの配合量に依存するものであることがわかる。
【0187】
(試験例5)
試験例5の可食性フィルムの製造方法は、試験例3と同様に澱粉を主成分とする厚膜の可食性フィルムを製造する方法である。本試験例5の可食性フィルムの製造方法において、フィルム材料は配合33〜配合44のとおり配合され、第1の工程〜第4の工程によって可食性フィルムが形成される。本試験例5においては、可食性フィルムは厚さ約200μmに形成される。
【0188】
(配合33)澱粉 21重量部,増粘剤 6重量部,保湿剤としてのトレハロース 3重量部,可塑剤としてのグリセリン 5重量部,可塑剤としてのプロピレングリコール 1重量部,可塑剤としてのソルビット 1重量部,乳化剤としてのシュガーエステル 0.2重量部,ιカラギーナン 2.0重量部を、水で100重量部とした。
【0189】
第1の工程;上記各フィルム材料を混合し80℃で1時間加熱してフィルム材料の水溶液を調製した。
【0190】
第2の工程;図2に示す装置を用い、ポリエステルフィルムを基体としてこのフィルム上に第1の工程で調製したフィルム材料の水溶液をキャスティングし、液体膜を形成した。このときの温度条件は60℃であり、図2中aで示すスリット幅は0.8mmであった。
【0191】
第3の工程;第2の工程で形成した液体膜を35℃に冷却した。
【0192】
第4の工程;第3の工程で冷却された液体膜を温風乾燥機を用いて60℃の温度条件で加熱・乾燥して、液体膜中の水分を除去して可食性フィルムを形成した。
【0193】
(配合34)ιカラギーナンの配合量を3.0重量部とした以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0194】
(配合35)ιカラギーナンを配合せず、さらに、κカラギーナンを0.5重量部を配合した以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0195】
(配合36)ιカラギーナンの配合量を0.5重量部とし、さらに、κカラギーナンを0.5重量部配合した以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0196】
(配合37)ιカラギーナンの配合量を1.0重量部とし、さらに、κカラギーナンを0.5重量部配合した以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0197】
(配合38)ιカラギーナンの配合量を1.5重量部とし、さらに、κカラギーナンを0.5重量部配合した以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0198】
(配合39)ιカラギーナンを配合せず、さらに、κカラギーナンを1.0重量部配合した以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0199】
(配合40)ιカラギーナンの配合量を0.5重量部とし、さらに、κカラギーナンを1.0重量部配合した以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0200】
(配合41)ιカラギーナンの配合量を1.0重量部とし、さらに、κカラギーナンを1.0重量部配合した以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0201】
(配合42)ιカラギーナンを配合せず、さらに、κカラギーナンを1.5重量部配合した以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0202】
(配合43)ιカラギーナンの配合量を0.5重量部とし、さらに、κカラギーナンを1.5重量部配合した以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
【0203】
(配合44)ιカラギーナンを配合せず、さらに、κカラギーナン(ソアギーナMV101)を02.0重量部配合した以外は配合33と同じ方法で可食性フィルムを形成した。
ルムを形成した。
【0204】
(フィルム溶解性試験II)
配合33〜44で形成した厚さ約200μmの可食性フィルムをフィルム溶解性試験Iと同様に20mm×100mmの小片に裁断し各々の小片について37℃の精製水中に浸漬深さが40mmとなるように浸漬し、完全に溶けるまでの時間を測定した。試験は各々のフィルムについて3回づつおこなった。
【0205】
また、各々の小片について上述と同様の方法により引張強度試験をおこなった。このフィルム溶解性試験IIの結果を表5および図6に示す。
【0206】
【表5】
【0207】
表5に示すように、κカラギーナン及びιカラギーナンの配合比を適宜調節することでフィルムの溶解時間を所望の溶解時間に設定することが可能となる。また、表5に示すように、少量のκカラギーナン及びιカラギーナンの添加でも、フィルムの引張強度を大きく向上させることができる。
【0208】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明の可食性フィルムおよびフィルムによると、フィルム強度や形成性,フィルムの安定性等のフィルム特性をより向上させるとともに低コストで製造することができる可食性フィルムおよびフィルムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1のフィルム強度評価試験の結果を表すグラフである。
【図2】試験例3〜試験例5の第2の工程を模式的に表す模式図である。
【図3】第2の工程の他の例を模式的に表す模式図である。
【図4】試験例4のフィルム溶解性試験Iを模式的に表す模式図である。
【図5】試験例4のフィルム溶解性試験Iの結果を表すグラフである。
【図6】試験例5のフィルム溶解性試験IIの結果を表すグラフである。
Claims (11)
- 澱粉を主成分とする可食性フィルムであって、
該可食性フィルムは、アルギン酸ナトリウムと、該アルギン酸ナトリウム100重量部に対して0.05〜0.5重量部のカルシウムイオンとを含み、水溶性であることを特徴とする可食性フィルム。 - 前記アルギン酸ナトリウムは、pH6.0〜8.0,温度20℃の条件下で10重量%水溶液のB型粘度計による粘度が1000Pa・s〜1重量%水溶液のB型粘度計による粘度が100Pa・sである請求項1に記載の可食性フィルム。
- 前記アルギン酸ナトリウムは、前記澱粉100重量部に対して1〜50重量部含まれる請求項1又は請求項2に記載の可食性フィルム。
- さらに、フィルム強化剤として多糖類を含む請求項1〜3の何れかに記載の可食性フィルム。
- さらに、フィルム可塑剤としてラクチトール,マルチトール,エリスリトール,マンニトールから選ばれる少なくとも1種の糖アルコールを含む請求項1〜4の何れかに記載の可食性フィルム。
- さらに、水分調整剤としてトレハロースを含む請求項1〜5の何れかに記載の可食性フィルム。
- さらに、フレーバーおよび、キシリトール,エリスリトール,ネオテーム,パラチノース,ステビア,スクラロース,アスパルテーム,アセサルフェムカリウムから選ばれる甘味料を含み、D相乳化法によって該フレーバーが分散されている請求項1〜6の何れかに記載の可食性フィルム。
- 少なくとも表面に凹凸が形成されている請求項1〜7の何れかに記載の可食性フィルム。
- 型抜き加工により所定形状に形成されている請求項1〜8の何れかに記載の可食性フィルム。
- さらに、機能層が積層されている請求項1〜9の何れかに記載の可食性フィルム。
- 請求項1〜10の何れかに記載の可食性フィルムの材料に非可食性の材料が配合されてなるか、または、請求項1〜10の何れかに記載の可食性フィルムに非可食性の層が積層されてなることを特徴とするフィルム。
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