JP3459936B2 - 食用シート - Google Patents
食用シートInfo
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Description
し、詳細には、焼肉や野菜、ハム等の具材を包んで食す
る食用シートに関する。
る食用シートは公知である。食用シートは、小麦粉と飲
料水とを主原料とし、それらにアルコール製剤や植物油
脂、食塩等の食品添加物を所与の割合で加えて混練した
ペースト状の混合物を、皮帯成形機の焼成ドラム周面に
薄く引き伸ばし、焼成ドラムにおいて加熱処理をしてシ
ート状に焼成することによって作ることができる。食用
シートは、それが多数まとめられた状態で個袋やパック
に収納され、市販されている。
シートは、混合物の加熱処理の過程において、小麦粉に
含まれるアミロース成分が一時非結晶化するが、その
後、時間とともに再結晶化が起こって保水性を失い、水
分が遊離して食用シートの表面に滲出する。それにより
食用シートが短期間のうちに老化してしまう。食用シー
トは、老化が進むにつれて、乾燥して硬くなる。
造後、0〜10℃の温度で保冷する場合があるが、食用
シートは、2〜4℃の温度において最も老化し易い。食
用シートの老化速度は、食用シートの組成や保冷温度に
もよるが、早いもので1日、遅くとも5日以内であり、
5日を越すと食用シートが硬化して食用として適さなく
なってしまう。
軟性を維持し、長期間にわたって食用に供することがで
きる食用シートを提供することにある。
ために、本発明が前提とするところは、小麦粉と飲料水
とを主原料とするペースト状の混合物を加熱処理するこ
とでシート状に焼成した食用シートである。
ところは、前記混合物が、前記小麦粉の全質量を100
%と仮定したときの該小麦粉100%に対し、90〜1
60%の前記飲料水と、5〜20%の食用油脂または食
用加工油脂と、10〜40%の水飴または糖アルコール
と、エーテル化,アセチル化,エーテル化リン酸架橋,
アセチル化リン酸架橋,のうちのいずれかの加工が施さ
れた6〜50%の第1加工澱粉とを含有していることに
ある。
混合物が、前記小麦粉の全質量を100%と仮定したと
きの該小麦粉100%に対し、グリセリン脂肪酸エステ
ル,ショ糖脂肪酸エステル,のうちの少なくとも一つか
らなる乳化剤を0.25〜2.5%の範囲で含有してい
る。
前記混合物が、前記小麦粉の全質量を100%としたと
きの該小麦粉100%に対し、グアガム,ペクチン,キ
サンタンガム,ローカストビーンガム,カラギーナン,
のうちの少なくとも一つからなる増粘剤を0.1〜1.
0%の範囲で含有している。
前記混合物が、前記小麦粉の全質量を100%と仮定し
たときの該小麦粉100%に対し、前記第1加工澱粉を
アルファー化処理した第2加工澱粉を1.0〜8.0%
の範囲で含有している。
説明すると、以下のとおりである。
とし、食用油脂または食用加工油脂、水飴または糖アル
コール、第1加工澱粉、食塩からなる食品添加物を加え
て混練したペースト状の混合物から作られている。
面に混合物を薄く引き伸ばし、焼成ドラムにおいて加熱
処理をしてシート状に焼成したものである。食用シート
は、焼肉や野菜、ハム等の具材を包む皮として使用され
る。
仮定したときの該小麦粉100%に対し、飲料水が90
〜160%、食用油脂または食用加工油脂が5〜20
%、水飴または糖アルコールが10〜40%、第1加工
澱粉が6〜50%、食塩が0.5〜3%、の範囲で含ま
れている。
粉、中力粉、薄力粉、のいずれかまたはそれらを所与の
割合で混合したものを使用することができる。混合物で
は、それら小麦粉の蛋白質含有量および吸水量によりそ
の粘度が変化してしまう。混合物では、小麦粉による粘
度の変化に対応するため、飲料水と食品添加物との割合
を前記範囲内に設定している。
植物性油脂を使用することが好ましい。小麦粉100%
に対して食用油脂が5%未満の場合では、食用シートの
粘性が低下し、食用シートが脆弱になってしまう。小麦
粉100%に対して食用油脂が20%を超過する場合で
は、食用シートが油っぽくなってしまう。食用油脂とし
ては、動物性油脂を使用することもできる。
ルチトール、マルトトリイトール、オリゴ糖アルコー
ル、のいずれかまたはそれらを所与の割合で混合したも
のを使用することができる。水飴または糖アルコール
は、食用シートにおける保水性を向上させ、食用シート
の乾燥を抑制させる作用を有する。小麦粉100%に対
して水飴または糖アルコールが10%未満の場合では、
食用シートにおける保水性が低下し、食用シートが硬化
し易くなってしまう。小麦粉100%に対して水飴また
は糖アルコールが40%を超過する場合では、食用シー
トに粘着性が発現してしまう。
化,エーテル化リン酸架橋,アセチル化リン酸架橋,の
うちのいずれかの加工が施されている。それらの加工が
施された加工澱粉では、官能基が付加されることで親水
性が増し、澱粉分子の再配列に立体障害を生じるので、
澱粉における老化耐性が向上する。それら加工澱粉は、
自己が有する水分子の遊離を防止する機能があると同時
に、それら加工澱粉に隣接する小麦粉の澱粉成分に保水
性を付与する機能を有する。ゆえに、混合物にそれら加
工澱粉を混入することによって、食用シートにおける老
化を抑制することができる。小麦粉100%に対して第
1加工澱粉が6%未満の場合では、食用シートにおける
老化抑制効果が少ない。小麦粉100%に対して第1加
工澱粉が50%を超過する場合では、小麦粉の食味より
も澱粉の食味が勝ってしまう。
粉のアルコール性水酸基と無機酸または有機酸とを脱水
結合)させることである。エーテル化リン酸架橋は、澱
粉の水酸基どうしをエステル結合させることである。ア
セチル化は、官能基をアセチル結合(澱粉の水酸基の水
素原子をアルキル基に置換)させることである。アセチ
ル化リン酸架橋は、澱粉の水酸基どうしをアセチル結合
させることである。
ルと澱粉とによってその老化が抑制され、その製造日か
ら略30日を経過したとしても、柔軟性が失われること
はなく、長期間にわたって食用に供することができる。
また、この食用シートは、それを2〜4℃の温度で保冷
したとしても、老化し難く、その硬化を遅らせることが
できる。
粉の全質量を100%と仮定したときの該小麦粉100
%に対し、乳化剤が0.25〜2.5%の範囲で含まれ
ていてもよい。乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル、のいずれかまたはそれら
を所与の割合で混合したものを使用することができる。
それら乳化剤は、乳化作用を有することはもちろんのこ
と、糊化した第1加工澱粉中のアミロース成分と結合
し、アミロース成分が再結晶化することを防ぎ、加工澱
粉の老化を抑制する。ゆえに、第1加工澱粉と相俟って
食用シートの老化を一層抑制することができる。小麦粉
100%に対して乳化剤が0.25%未満の場合では、
食用シートにおける老化抑制効果が少ない。小麦粉10
0%に対して乳化剤が2.5%を超過する場合では、食
用シートにおいて特有の臭気が発生してしまう。
粉の全質量を100%と仮定したときの該小麦粉100
%に対し、増粘剤が0.1〜1.0%の範囲で含まれて
いてもよい。増粘剤としては、グアガム、ペクチン、キ
サンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、
のいずれかまたはそれらを所与の割合で混合したものを
使用することができる。増粘剤は、混合物の粘性を適度
に保持する作用を有する。混合物の粘性は、それを焼成
ドラムにおいて焼成する際の重要な要素である。すなわ
ち、混合物の粘性が低いと、食用シートの厚みが薄くな
って破損し易く、シート形状を保持することができな
い。混合物の粘性が高いと、食用シートの厚みが増して
しまう。小麦粉100%に対して増粘剤が0.1%未満
の場合では、混合物に粘性を付与することができない。
小麦粉100%に対して増粘剤が1.0%を超過する場
合では、混合物において粘性が高くなりすぎてしまう。
粉の全質量を100%と仮定したときの該小麦粉100
%に対し、第1加工澱粉をアルファー化処理した第2加
工澱粉を1.0〜8.0%の範囲で含まれていてもよ
い。第2加工澱粉は、増粘剤と同様に、混合物の粘性を
適度に保持する作用を有する。小麦粉100%に対して
第2加工澱粉が1.0%未満の場合では、混合物に粘性
を付与することができない。小麦粉100%に対して第
2加工澱粉が8.0%を超過する場合では、混合物にお
いて粘性が高くなりすぎてしまう。
粘剤、第2加工澱粉のすべてを加えることは必ずしも必
要ではなく、乳化剤、増粘剤、第2加工澱粉のうちの少
なくとも乳化剤が加えられていればよい。
30日間経過後におけるそれら食用シートの柔軟性と形
態保持性とを比較した。その結果を以下の表に示す。そ
れら食用シートは、混合物を160±2℃の焼成ドラム
で焼成し、その周縁部を切り取って正方形に成形した
後、プラスチック製の袋に入れて封をし、4℃の温度で
30日間保存した。それら食用シートのうち、第1〜第
4食用シートは、本発明における食用シートであり、第
5食用シートは、従来技術における食用シートである。
なお、表における数値の単位はgである。
および第2食用シートは、高い柔軟性と形態保持性とを
有し、第3および第4食用シートは、第1および第2食
用シートよりも一層高い柔軟性と形態保持性とを有す
る。
よび飲料水を主原料とし、それらに食用油脂または加工
食用油脂、水飴または糖アルコール、第1加工澱粉から
なる食品添加物を加えて混練したペースト状の混合物
を、加熱処理することでシート状に焼成したものであ
り、第1加工澱粉にエーテル化,アセチル化,エーテル
化リン酸架橋,アセチル化リン酸架橋,のうちのいずれ
かの加工が施されているので、従来技術の食用シートと
比較し、水飴または糖アルコールと第1加工澱粉とが食
用シートの老化を抑制し、食用シートにおいて柔軟性を
維持することができ、長期間にわたって食用に供するこ
とができる(請求項1に対応)。
た混合物からなる食用シートでは、乳化剤が糊化した第
1加工澱粉中のアミロース成分と結合し、アミロース成
分が再結晶化することを防ぎ、加工澱粉の老化を抑制す
るので、第1加工澱粉と相俟って食用シートの老化を一
層抑制することができる(請求項2に対応)。
加工澱粉をアルファー化処理した第2加工澱粉を加えた
混合物からなる食用シートでは、混合物の粘性を適度に
保持することができ、食用シートの形態維持性を向上さ
せることができる(請求項3、4に対応)。
具材を包んで食する皮として使用するのに好適である。
Claims (4)
- 【請求項1】 小麦粉と飲料水とを主原料とするペース
ト状の混合物を加熱処理することでシート状に焼成した
食用シートにおいて、 前記混合物が、前記小麦粉の全質量を100%と仮定し
たときの該小麦粉100%に対し、90〜160%の前
記飲料水と、5〜20%の食用油脂または食用加工油脂
と、10〜40%の水飴または糖アルコールと、エーテ
ル化,アセチル化,エーテル化リン酸架橋,アセチル化
リン酸架橋,のうちのいずれかの加工が施された6〜5
0%の第1加工澱粉とを含有していることを特徴とする
前記食用シート。 - 【請求項2】 前記混合物が、前記小麦粉の全質量を1
00%と仮定したときの該小麦粉100%に対し、グリ
セリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,のうち
の少なくとも一つからなる乳化剤を0.25〜2.5%
の範囲で含有している請求項1記載の食用シート。 - 【請求項3】 前記混合物が、前記小麦粉の全質量を1
00%と仮定したときの該小麦粉100%に対し、グア
ガム,ペクチン,キサンタンガム,ローカストビーンガ
ム,カラギーナン,のうちの少なくとも一つからなる増
粘剤を0.1〜1.0%の範囲で含有している請求項1
または請求項2に記載の食用シート。 - 【請求項4】 前記混合物が、前記小麦粉の全質量を1
00%と仮定したときの該小麦粉100%に対し、前記
第1加工澱粉をアルファー化処理した第2加工澱粉を
1.0〜8.0%の範囲で含有している請求項1ないし
請求項3いずれかに記載の食用シート。
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