JP5599118B2 - 粘着剤及びラベル - Google Patents

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Description

この発明は粘着剤及びラベルに係り、特に、青果物等の食品に直接貼付させるラベル等の粘着剤層に使用する粘着剤において、可食性であり、耐湿性や耐老化性にも優れ、青果物等の食品に対して長期にわたって安定した十分な接着力が得られるようにした点に特徴を有するものである。
ラベル基材の片面に粘着剤層が設けられたラベルが様々な分野で使用されており、近年においては、生産者等を表示したラベルを、直接青果物等の食品に貼付させることが行われている。
ここで、ラベルの粘着剤層に用いる粘着剤としては、一般に、アクリル酸エステル共重合体のエラストマーを用いたアクリル系の粘着剤や、天然ゴム等のエラストマーを用いたゴム系の粘着剤が使用されている。
しかし、上記のような粘着剤は、食品添加物として認可されたものではなく、口に入れて食するには不向きな材料である。そして、このような粘着剤を用いたラベルを青果物等の食品に直接貼付させた場合、このラベルを剥がす際に、粘着剤の一部が青果物等の食品に残る可能性があり、このような食品をそのまま食することは、食の安全・安心の点から問題となるおそれがある。
また、近年においては、コラーゲン加水分解物と乳酸ナトリウムとを用いた可食性の粘着剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、上記の粘着剤は、必ずしも十分な接着力を有しているとはいえず、このような粘着剤を用いたラベルを、上記のように青果物等の食品に直接貼付した場合、ラベルが簡単に剥がれたりするという問題があった。
さらに、可食性で青果物等の食品に対する接着力を高めた粘着剤として、本出願人は、乳酸ナトリウム及び/又はグリセリンを用いた溶剤に、少なくとも多糖類を溶解させた粘着剤を開発した(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、このような粘着剤においても、耐湿性や耐老化性が必ずしも十分ではなく、食品等に対して長期にわたって安定した十分な接着力を得ることは困難であった。
特開2003−238934号公報 特開2006−117724号公報
この発明は、ラベル等を青果物等の食品に直接貼付させる場合における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、可食性であり、耐湿性や耐老化性にも優れ、青果物等の食品に対して長期にわたって安定した十分な接着力が得られる粘着剤及びこのような粘着剤を用いたラベルを提供することを課題とするものである。
の発明に係る粘着剤においては、グリセリン及び/又は乳酸ナトリウムと水とを含む溶剤に、少なくともエーテル化された多糖類を溶解させた。
また、この発明に係るラベルにおいては、ラベル基材の片面に設ける粘着剤層に上記のような粘着剤を用いるようにしたのである。
の発明の粘着剤においては、上記のようにグリセリン及び/又は乳酸ナトリウムを含む溶剤に、少なくともエーテル化された多糖類を溶解させたため、上記のように粘着剤の老化が抑制されて、青果物等の食品に対して長期にわたって安定した十分な接着力が得られるようになる。
また、この発明に係るラベルにおいては、ラベル基材の片面に設ける粘着剤層に上記のような粘着剤を用いるようにしたため、このラベルを青果物等の食品に直接貼付させた場合に、十分な接着力が長期にわたって得られ、このラベルが簡単に剥がれるのが防止される。
また、このラベルを青果物等の食品から剥がす際に、粘着剤の一部が青果物等の食品に残ったとしても、この粘着剤が可食性で安全性が高いため、このような食品をそのまま食しても、食の安全・安心の点から問題となることもない。
この発明の一実施形態に係るラベルの概略正面図である。 この発明の実験例A1〜A5の各粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を示した図である。 この発明の実験例B1〜B3の各粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を示した図である。 この発明の実験例C1,C2の各粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を示した図である。
以下、この発明の実施形態に係る粘着剤及びラベルについて具体的に説明する。なお、この発明に係る粘着剤及びラベルは、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
ここで、この実施形態における粘着剤において、多糖類を溶解させる溶剤にグリセリン及び/又は乳酸ナトリウムを含む溶剤を用いるようにしたのは、これらの溶剤が優れた保水能力を有し、上記の多糖類を可塑化すると同時に、粘着性を発揮させることができるためである。
そして、上記のような溶剤に溶解させる多糖類としては、各種の多糖類を用いることができ、例えば、ワキシスターチ,馬鈴薯系澱粉,米系澱粉,タピオカ系澱粉などの各種澱粉、グリコーゲン、グアーガム、ローカストビーンガム、プルラン、デキストラン、アラビアガラクタンなどを用いることができるが、耐水性の高い各種澱粉を用いることが好ましく、特に、前記のように耐老化性に優れたワキシスターチを用いることが好ましい。
また、粘着剤の耐老化性をさらに向上させるために、前記のようにエーテル化させた多糖類を用いる。ここで、多糖類をエーテル化させる割合については特に限定されないが、エーテル化度が低いと、粘着剤の耐老化性を向上させる効果が少ない一方、エーテル化度が高くなりすぎると、粘着剤の接着力が低下するおそれがあるため、好ましくはエーテル化度を0.5〜15%程度にし、より好ましくは1〜10%程度にする。
そして、上記のような多糖類をグリセリン及び/又は乳酸ナトリウムを含む溶剤に溶解させるにあたり、溶解させる多糖類の量が少ないと、十分な接着力が得られなくなる一方、溶解させる多糖類の量が多くなりすぎると、この粘着剤の粘度が高くなり過ぎて、ラベル基材等への塗工が困難になるため、上記の溶剤と多糖類との重量比が、好ましくは9:1〜6:4の範囲、より好ましくは85:15〜65:35の範囲になるようにする。
また、上記の粘着剤における耐老化性をさらに向上させるためには、前記のように粘着剤にpH調整剤を加えるなどにより、粘着剤をアルカリ性に調整することが好ましい。そして、粘着剤のpHを調整するアルカリ側のpH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウムNaOH、リン酸三ナトリウムNa3PO4、リン酸三カリウムK3PO4、リン酸水素二ナトリウムNa2HPO4、リン酸水素二カリウムK2HPO4、ピロリン酸ナトリウムNa427、ピロリン酸カリウムK427、トリポリリン酸ナトリウムNa5310、炭酸ナトリウムNa2CO3、アルカリイオン水などを用いることができ、特に、安全性の観点からは、食品への添加が認められているリン酸三ナトリウムNa3PO4又はリン酸三カリウムK3PO4を用いることが好ましく、また酸性側のpH調整剤としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸などを用いることができる。
また、上記の第1の粘着剤においては、耐湿性を向上させるために、上記の溶剤にアルギン酸塩やカードランを溶解させるようにする。
ここで、アルギン酸塩としては、粘着剤の耐湿性をさらに向上させるため、前記のように架橋させたものを用いることが好ましく、アルギン酸塩を架橋させる架橋剤としては、例えば、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの2価以上のカチオン性金属塩を用い
ることができ、特に、反応性や溶剤への溶解性の点からクエン酸カルシウムを用いることが好ましい。
また、上記のようにアルギン酸塩やカードランを溶解させるにあたり、これらの溶解量が少ないと、耐湿性を向上させる効果が少ない一方、これらの溶解量が多くなりすぎると、粘着剤の接着力が低下するおそれがあるため、アルギン酸塩の場合には、上記の多糖類に対して0.2〜15重量%の範囲、カードランの場合には、上記の多糖類に対して1〜20重量%の範囲にすることが好ましい。
特に、カードランを用いた場合には、粘着剤の粘度の上昇が抑制されて、ラベル基材などへの塗工が容易になると共に、耐湿性に加えて粘着剤の接着力も向上する点で好ましい。
また、上記の粘着剤の粘度を調整したり、接着力を向上させたりするために、上記の溶剤に単糖類及び/又は少糖類を溶解させることができる。そして、上記の単糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等を用いることができる。また、上記の少糖類としては、例えば、トレハロース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、マルトトリオース、ラフィノース、澱粉を分解させた各種のデキストリン等のオリゴ糖を用いることができる。
また、上記のように単糖類及び/又は少糖類を溶解させるにあたり、単糖類及び/又は少糖類の量が少ないと、粘着剤における粘度の調整が十分に行えなくなり、また接着力を高める効果が十分に得られなくなる一方、単糖類及び/又は少糖類の量が多くなりすぎると、粘着剤の粘度が高くなりすぎて、ラベル基材等への粘着剤の塗工が困難になるため、上記の多糖類と、単糖類及び/又は少糖類との重量比を、好ましくは6:1〜1:5の範囲、より好ましくは3:1〜1:4の範囲になるようにする。
また、上記の粘着剤においては、必要に応じて、モルノンなどの防腐剤、ソルビン酸カリウム,ソルビン酸などの保存剤、キトサンなどの抗菌剤を添加させることもできる。
また、この発明の実施形態に係るラベル10においては、図1に示すように、ラベル基材11の片面に上記のような粘着剤を用いた粘着剤層12を設けるようにしている。
そして、この実施形態のラベル10においては、粘着剤層12に上記のような粘着剤を用いたため、このラベル10を青果物等の食品(図示せず)に直接貼付させた場合においても、この粘着剤が老化したり、水分によって接着性が低下したりするのが防止され、このラベル10が青果物等の食品から簡単に剥がれるということがなく、長期にわたって十分な接着力が得られると共に、このラベル10を青果物等の食品から剥がす際に、粘着剤の一部が青果物等の食品に残ったとしても、この粘着剤が可食性で安全性が高いため、このような食品をそのまま食しても、食の安全・安心の点から問題となることもない。
次に、この発明の実施例に係る具体的な粘着剤を説明する前に、参考例に係る具体的な粘着剤について説明し、参考例の粘着剤が優れた特性を示すことを、比較例を挙げて明らかにする。
参考例1)
参考例1においては、グリセリン35gと水35gとからなる溶剤に、多糖類として、架橋及びα化されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:スターチMH-A)30gを加
えて攪拌し、これを糊化させた後、これに4重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液12.5g(アルギン酸ナトリウム0.5g)と、アルギン酸ナトリウムの架橋剤であるクエン酸カルシウム0.07g(アルギン酸ナトリウムに対して0.3当量)とを加えて攪拌し、参考例1の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは6.5であった。
参考例2)
参考例2においては、上記の参考例1において、上記の4重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液を25g(アルギン酸ナトリウム1g)、アルギン酸ナトリウムの架橋剤であるクエン酸カルシウムを0.14g(アルギン酸ナトリウムに対して0.3当量)加えるようにし、それ以外は、上記の参考例1と同様にして、参考例2の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは6.5であった。
参考例3)
参考例3においては、上記の参考例1において、上記の4重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液を37.5g(アルギン酸ナトリウム1.5g)、アルギン酸ナトリウムの架橋剤であるクエン酸カルシウムを0.21g(アルギン酸ナトリウムに対して0.3当量)加えるようにし、それ以外は、上記の参考例1と同様にして、参考例3の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは6.6であった。
参考例4)
参考例4においては、グリセリン35gと水35gとからなる溶剤に、多糖類として、架橋及びα化されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:スターチMH-A)27gを加
えて攪拌し、これを糊化させた後、これに1重量%の水酸化ナトリウムと6重量%のカードランを含む水溶液62.6g(カードラン3.75g)を加えて攪拌し、さらにアルカリ側のpH調整剤である水酸化ナトリウムを全体に対して0.5重量%加えて、参考例4の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは12.5であった。
参考例5)
参考例5においては、グリセリン35gと水35gとからなる溶剤に、多糖類として、架橋及びα化されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:スターチMH-A)27gを加
えて攪拌し、これを糊化させた後、これに1重量%のリン酸三ナトリウムNa3PO4と6重量%のカードランを含む水溶液62.6g(カードラン3.75g)を加えて攪拌し、さらにアルカリ側のpH調整剤であるリン酸三ナトリウムNa3PO4を全体に対して1重量%加えて、参考例5の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは11.2であった。
(比較例1)
比較例1においては、グリセリン35gと水35gとからなる溶剤に、多糖類として、架橋及びα化されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:スターチMH-A)30gを加
えて攪拌し、これを糊化させて、比較例1の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは5.5であった。
次に、上記のように調製した参考例1〜5及び比較例1の各粘着剤をそれぞれラベル基材の片面に付与した各ラベルをトマトに貼り付け、これを5℃に設定した冷蔵庫で1日冷却させた後、これを常温で放置させて結露させ、この状態で各ラベルをトマトから剥離させて、各粘着剤の耐湿性の評価を行い、その結果を下記の表1に示した。
なお、耐湿性の評価については、トマトから剥離させた時における、各粘着剤の糸引き状態を調べ、糸引きがなかった場合を○、糸引きが生じた面積が4割以下の場合を△、糸引きが生じた面積が4割を超える場合を×で示した。
なお、カードランを加えた参考例5の粘着剤において、糸引きが生じた面積は1割未満
であった。
この結果、アルギン酸ナトリウムやカードランを加えた参考例1〜5の各粘着剤は、アルギン酸ナトリウムやカードランを加えていない比較例1の粘着剤に比べて、トマトから剥離させた時における粘着剤の糸引きが少なくなって、耐湿性が改善されていた。
次に、粘着剤にアルギン酸ナトリウムを加えると共に使用する多糖類の種類を変更させた実験を行い、エーテル化させた多糖類を用いたこの発明の実施例に係る具体的な粘着剤において、粘着剤の耐老化性が向上して、長期にわたって十分な接着力が得られることを明らかにする。
(実験例A1)
実験例A1においては、グリセリン35gと水35gとからなる溶剤に、多糖類として、エーテル化されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:デリカSE エーテル化度5%)27gと、エーテル化及び架橋されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:アミコールA エーテル化度5%)3gとを加えて攪拌し、これを糊化させた後、これに4重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液12.5g(アルギン酸ナトリウム0.5g)と、アルギン酸ナトリウムの架橋剤であるクエン酸カルシウム0.07g(アルギン酸ナトリウムに対して0.3当量)とを加えて攪拌し、さらに酸性側のpH調整剤であるリンゴ酸を全体に対して0.2重量%加えて、実験例A1の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは3.4であった。
(実験例A2)
実験例A2においては、多糖類として、エーテル化及び架橋された馬鈴薯系澱粉(日澱化学(株)製:デリカM9 エーテル化度5%)27gと、エーテル化及び架橋されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:アミコールA エーテル化度5%)3gとを用いるようにし、それ以外は、上記の実験例A1と同様にして、実験例A2の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは3.6であった。
(実験例A3)
実験例A3においては、多糖類として、エーテル化された米系澱粉(日澱化学(株)製:デリカRB エーテル化度4%)27gと、エーテル化及び架橋されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:アミコールA エーテル化度5%)3gとを用いるようにし、それ以外は、上記の実験例A1と同様にして、実験例A3の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは3.6であった。
(実験例A4)
実験例A4においては、多糖類として、エーテル化されたタピオカ系澱粉(日澱化学(株)製:G800 エーテル化度5%)27gと、エーテル化及び架橋されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:アミコールA エーテル化度5%)3gとを用いるようにし、それ以外は、上記の実験例A1と同様にして、実験例A4の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは3.1であった。
(実験例A5)
実験例A5においては、多糖類として、架橋及びα化されているがエーテル化されていない前記のワキシスターチ(日澱化学(株)製:スターチMH-A)30gを用いるよう
にし、それ以外は、上記の実験例A1と同様にして、実験例A5の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは3.3であった。
そして、上記のように調製した実験例A1〜A5の各粘着剤を温度25℃、湿度50%の雰囲気下において保管し、所定の保管日を経過した時点において、各粘着剤の接着力を調べ、その結果を図2に示した。
ここで、各粘着剤の接着力については、ホットメルト粘着剤の溶融粘度試験方法(JIS Z0237)に規定される180度引き剥がし法に準拠し、試験片にSUSを用い、それぞれ引張り速度300mm/minの条件でSUS接着力(g/25mm)を測定した。
そして、実験例A1の粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を太線で、実験例A2の粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を細線で、実験例A3の粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を1点鎖線で、実験例A4の粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を2点鎖線で、実験例A5の粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を破線で示した。
この結果、エーテル化された多糖類を用いた実験例A1〜A4の各粘着剤は、エーテル化されていない多糖類を用いた実験例A5の粘着剤に比べて、耐老化性が向上し、長期にわたって安定した接着力が得られた。特に、エーテル化されたワキシスターチを多く使用した実験例A1の粘着剤は、長期の保管後においても高い接着力が得られた。
次に、エーテル化された多糖類を用いると共に、カードランを加えた粘着剤におけるpHを調整してアルカリ性、酸性、中性に変更させた実験を行い、カードランを加えた粘着剤をアルカリ性にした場合に、粘着剤の耐老化性が向上して、長期にわたって十分な接着力が得られることを明らかにする。
(実験例B1)
実験例B1においては、グリセリン35gと水35gとからなる溶剤に、多糖類として、エーテル化及び架橋された馬鈴薯系澱粉(日澱化学(株)製:デリカM9 エーテル化度5%)27gと、エーテル化及び架橋されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:アミコールA エーテル化度5%)3gとを加えて攪拌し、これを糊化させた後、これに1重量%のリン酸三ナトリウムNa3PO4と6重量%のカードランを含む水溶液62.6g(カードラン3.75g)を加えて攪拌し、さらに酸性側のpH調整剤であるリンゴ酸を全体に対して0.07重量%加えて、実験例B1の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは9.8でアルカリ性であった。
(実験例B2)
実験例B2においては、酸性側のpH調整剤であるリンゴ酸を全体に対して0.17重量%加えるようにし、それ以外は、上記の実験例B1と同様にして、実験例B2の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは7.1で中性であった。
(実験例B3)
実験例B3においては、酸性側のpH調整剤であるリンゴ酸を全体に対して0.60重量%加えるようにし、それ以外は、上記の実験例B1と同様にして、実験例B3の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは4.0で酸性であった。
そして、上記のように調製した実験例B1〜B3の各粘着剤を、上記の場合と同様に、温度25℃、湿度50%の雰囲気下において保管し、所定の保管日を経過した時点において、各粘着剤のSUS接着力(g/25mm)を測定し、実験例B1のアルカリ性の粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を実線で、実験例B2の中性の粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を1点鎖線で、実験例B3の酸性の粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を破線で図3に示した。
この結果、エーテル化された多糖類を用いると共に、カードランを加えた粘着剤をアルカリ性に調整した実験例B1の粘着剤は、上記の粘着剤を中性や酸性に調整した実験例B2,B3の粘着剤に比べて、接着力が高くなると共に、耐老化性が向上し、長期にわたって安定した接着力が得られた。
次に、エーテル化された多糖類を用いた粘着剤に、カードランを加えた場合と、アルギン酸ナトリウムを加えた場合とについて実験を行い、粘着剤における耐老化性の評価を行った。
(実験例C1)
実験例C1においては、グリセリン35gと水35gとからなる溶剤に、多糖類として、エーテル化及び架橋された馬鈴薯系澱粉(日澱化学(株)製:デリカM9 エーテル化度5%)27gと、エーテル化及び架橋されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:アミコールA エーテル化度5%)3gとを加えて攪拌し、これを糊化させた後、これに1重量%のリン酸三ナトリウムNa3PO4と5重量%のカードランを含む水溶液50g(カードラン2.5g)を加えて攪拌し、実験例C1の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは10.10であった。
(実験例C2)
実験例C2においては、グリセリン35gと水35gとからなる溶剤に、多糖類として、エーテル化及び架橋された馬鈴薯系澱粉(日澱化学(株)製:デリカM9 エーテル化度5%)27gと、エーテル化及び架橋されたワキシスターチ(日澱化学(株)製:アミコールA エーテル化度5%)3gとを加えて攪拌し、これを糊化させた後、これに4重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液12.5g(アルギン酸ナトリウム0.5g)と、アルギン酸ナトリウムの架橋剤であるクエン酸カルシウム0.07g(アルギン酸ナトリウムに対して0.3当量)とを加えて攪拌し、実験例C2の粘着剤を調製した。なお、この粘着剤のpHは3.57であった。
そして、上記のように調製した実験例C1,C2の各粘着剤を、上記の場合と同様に、温度25℃、湿度50%の雰囲気下において保管し、所定の保管日を経過した時点において、各粘着剤のSUS接着力(g/25mm)を測定し、実験例C1のカードランを加えた粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を太線で、実験例C2のアルギン酸ナトリウムを加えた粘着剤におけるSUS接着力の経時変化を細線で図4に示した。
この結果、エーテル化された多糖類を用いると共に、カードランを加えた実験例C1の粘着剤は、高い接着力を示すと共に、耐老化性が向上し、長期にわたって安定した接着力が得られた。また、エーテル化された多糖類を用いると共に、アルギン酸ナトリウムを加えた実験例C2の粘着剤は、耐老化性が向上し、初期の接着力を超えるような高い接着力が長期にわたって得られた。
10 ラベル
11 ラベル基材
12 粘着剤層

Claims (2)

  1. 酸ナトリウムと水とを含む溶剤に、少なくともエーテル化された多糖類と、アルギン酸塩及び/又はカードランとを溶解させたことを特徴とする粘着剤。
  2. ラベル基材の片面に粘着剤層が設けられたラベルにおいて、上記の粘着剤層に請求項1に記載の粘着剤を用いたことを特徴とするラベル。
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