JP5061897B2 - カプセル皮膜用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、(A)植物性多糖類と(B)ポリグルタミン酸とを含有するカプセル皮膜製造用組成物(カプセル皮膜用組成物ともいう)、さらに、(A)植物性多糖類と(B)ポリグルタミン酸のほか、C)水、(D)可塑剤、(E)グリセリン脂肪酸エステル類、及び(F)油剤から選ばれる少なくとも1種を含有するカプセル皮膜用組成物、及びカプセル皮膜シート、さらにはカプセル製剤に関する。
カプセルの皮膜は、一般的にゼラチンを主成分として製造されている。しかし、近年、ゼラチンは動物由来であることから、宗教関係者やベジタリアン、更には、狂牛病の恐れから必ずしも好まれる素材とは呼べなかった。
また、ゼラチンを主成分とするソフトカプセルを製造するためには、溶解から製造中まで長時間に渡り加温する必要があり、この加温によりゼラチンの構造が変化し、液の粘性低下などが起こることにより一定の品質のソフトカプセルを得ることが困難であるという問題もあった。
このような背景から、植物由来のものを用いたカプセルが幾つか開発されてきていた。
特表2003−504326号公報には、植物性原料としてのイオターカラギーナンと改質澱粉を用いたソフトカプセルが開示されている。しかし、原料となる澱粉とイオターカラギーナンの組み合わせによる配合は、原料の溶解に多量の水が必要であるため、カプセルの乾燥工程に負荷が大きく、必ずしも生産性の良いものとは言えなかった。
特開2003−55198号公報には、植物性原料としての水溶性エーテル化デンプンと可塑剤を組み合わせたカプセルが開示されている。しかし、カプセル成形時にカプセル皮膜シート同士の接着性が不十分なため、必ずしもカプセル成形時に十分な強度が得られるとは言えなかった。
特開2003−221323号公報には、ヒドロキシプロピルエーテル化デンプンの分解物を含有するソフトカプセル皮膜シートが開示されている。しかし、ソルビト−ルなどの可塑剤と組み合わせても、十分な接着性が得られず、カプセル皮膜シートにも弾力性がないため、成形することが必ずしも容易ではなかった。
国際公開第03/049771号パンフレットには、ポリグルタミン酸(PGA)を含有するカプセル皮膜シートが開示されている。しかし、PGAからなるカプセルの調製においては、まずPGAの皮膜液から成形したカプセル皮膜シートを長時間かけて乾燥させる必要があるため、連続的にカプセルを製造できないことや、カプセルに吸湿性があり、乾燥剤を用いないと保存時にケーキングするといった問題があり、必ずしも満足いくものではなかった。
本発明が解決しようとしている課題は、カプセル皮膜として十分な強度と伸びを併せ持ち、接着性と透明度が優れた、乾燥工程負荷が少ない、植物由来の実用的なカプセル皮膜シートを得るのに適した皮膜用組成物と、該皮膜用組成物を用いて得られるカプセル皮膜シート、さらにはカプセル製剤を提供することである。
上記のような課題を解決するために、鋭意検討した結果、(A)植物性多糖類と(B)ポリグルタミン酸、さらには(C)水、あるいは、必要に応じて(D)可塑剤、(E)グリセリン脂肪酸エステル類、(F)油剤から選ばれる少なくとも一種を含有させることによって、目的とするカプセル皮膜用組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
〔1〕(A)植物性多糖類と(B)ポリグルタミン酸とを含有することを特徴とするカプセル皮膜用組成物。
〔2〕更に(C)水を含有することを特徴とする、〔1〕に記載のカプセル皮膜用組成物。
〔3〕更に(D)可塑剤を含有することを特徴とする、〔1〕または〔2〕のいずれか一に記載のカプセル皮膜用組成物。
〔4〕更に(E)グリセリン脂肪酸エステル類を含有することを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれか一に記載のカプセル皮膜用組成物。
〔5〕更に(F)油剤を含有することを特徴とする、〔1〕〜〔4〕のいずれか一に記載のカプセル皮膜用組成物。
〔6〕該(A)が澱粉であることを特徴とする、〔1〕〜〔5〕のいずれか一に記載のカプセル皮膜用組成物。
〔7〕澱粉がタピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、米澱粉、小麦デンプンから選ばれることを特徴とする、〔6〕に記載のカプセル皮膜用組成物。
〔8〕該(A)が改質された植物性多糖類であることを特徴とする、〔1〕〜〔7〕のいずれか一に記載のカプセル皮膜用組成物。
〔9〕(A)植物性多糖類と(B)ポリグルタミン酸とを含有することを特徴とするカプセル皮膜シート。
〔10〕(A)植物性多糖類と(B)ポリグルタミン酸とを含有することを特徴とするカプセル製剤。
以下、本発明の実施形態について、最良の形態に言及しつつ詳細について説明する。
本発明のカプセル皮膜用組成物は、少なくとも植物性多糖類とポリグルタミン酸とを含有する。
本発明のカプセル皮膜用組成物に使用される(A)植物性多糖類の種類としては、通常の植物由来の原料であれば天然品及び加工品など特に限定は無く、具体的にはタピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、メイズ澱粉、馬鈴薯澱粉、米澱粉、小麦澱粉等の澱粉、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどを使用することができる。カプセル皮膜シートに適した伸びや弾力性を持つという観点で、澱粉が好ましく、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉が更に好ましい。
(A)として澱粉を主成分として選択した場合には、澱粉以外の成分を組み合わせることにより、乾燥工程中にカプセル同士が付着することを防止する性質を付与することができる。澱粉以外の成分としては、特に制限はないが、カラギーナン、ジェランガム、グルコマンナン、寒天が好ましく、カラギーナン、ジェランガムがより好ましく、カラギーナンが特に好ましい。澱粉以外成分の配合量は、A成分全量中の0.1〜5%程度でも効果を有する。0.1%未満では明確な付着防止効果が得られない場合があり、5%を越えるとシートの透明性に影響を与える場合がある。有効な効果を奏するという点では、0.2〜3%が更に好ましく、0.5〜2%が特に好ましい。
本発明のカプセル皮膜用組成物に使用される(A)植物性多糖類は、通常改質されてないものを使用しても構わず、改質したものを使用しても構わない。具体的な改質方法としては、ヒドロキシプロピルエーテル化や、カルボキシメチル化による方法等を使用することができる。カプセル皮膜シートに適した伸びと硬さを有するという観点で、植物性多糖類が好ましく、ヒドキシプロピル化により改質された植物性多糖類が更に好ましく、酵素により分解された改質植物性多糖類がより好ましい。
本発明のカプセル皮膜用組成物に使用される(A)植物性多糖類は、改質された植物性多糖類を使用した場合、通常分解されていないものを使用しても構わないし、分解されたものを使用しても構わない。具体的な分解の方法としては、熱、酵素、酸による分解等を用いることができる。カプセル皮膜シートに適した伸びや弾力性が向上するという観点で、酵素により分解された改質植物性多糖類が好ましい。
本発明のカプセル皮膜用組成物に使用される(B)ポリグルタミン酸としては、特に制限はないが、例えば、合成のポリ−α−グルタミン酸、納豆の粘質物中に存在する、あるいは納豆菌等のバチルス属が菌体外に分泌するポリ−γ−グルタミン酸及びそれらの塩などが挙げられる。これらの(B)ポリグルタミン酸は、植物性多糖類の水溶解性を向上させるため、カプセル皮膜用組成物中の水分量を低下させることができる。またカプセル皮膜シートの接着性を向上させるとともに、小腸下部でミネラルの可溶化効果を持ち、ミネラルの腸管吸収を促進する。食品素材として用いる場合には、ポリ−α−グルタミン酸は、量などの条件にもよるが、腸管内を移行する際にプロテアーゼにより分解される可能性がある。したがって、高いミネラルの腸管吸収促進効果を得るという観点からは、納豆の粘質物中に存在する、あるいは納豆菌等のバチルス属が菌体外に分泌するポリ−γ−グルタミン酸が好ましい。
本発明のカプセル皮膜用組成物に使用される(B)ポリグルタミン酸の分子量は、特に制限はないが、通常は分子量3,000〜1,000,000のものが使用される。3,000未満ではカプセル皮膜シートの接着性向上作用が不十分なだけでなく、1,000,000を超える場合には溶解などの加工工程が困難になる。安定した接着と原料の溶解性を維持する上で、10,000〜100,000が好ましい。分子量はゲルろ過−光散乱法(GPC−MALLS法:Wyatt Technology社製 Dawn DPS)を用いた重量平均分子量により規定される。
本発明のカプセル皮膜用組成物に使用される(B)ポリグルタミン酸はフリーの形態でも、塩を形成していても構わない。塩としては、特に制限はなく、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、等が使用される。汎用性があるという観点でナトリウム塩が好ましい。塩の種類は1種類を用いても、2種以上を混合して用いても構わない。
本発明のカプセル皮膜用組成物に使用される(A)と(B)の配合量はカプセルの種類、用いる植物性多糖類の種類により、カプセル形状と強度を保つ範囲で適宜決定されうる。(A)と(B)との配合比率(質量比率として)は、99:1〜30:70の範囲で用いられることが好ましい。特に、澱粉皮膜を用いたカプセルの場合には、(A)と(B)との配合比率(質量比率として)は、99:1〜60:40の範囲で用いられる。99:1より(A)が多い場合には、澱粉は水に溶解し難いため不透明で、二枚のカプセル皮膜シートが熱による接着性が不十分なためカプセル成形することが困難であり、他方60:40より(B)が多い場合にはカプセル皮膜シートの強度が不足するため、カプセルの製造が困難になる。カプセル皮膜シートに必要な透明性、接着性、強度、伸びを総合的に確保する観点から、(A)と(B)の配合比率は、95:5〜60:40が好ましく、95:5〜70:30がより好ましく、95:5〜80:20が更に好ましく、90:10〜80:20が特に好ましい。
本発明のカプセル皮膜用組成物において、(C)水が配合される。使用する(C)水は通常食用に使用されるものであれば特に制限は無い。(C)成分は、(A)成分と(B)成分を主に溶解させるためと、カプセル性状を良好にするために使用される。ここに水の量は、各成分中に含まれる水分、該組成物の製造時に添加する水の総量のことである。当該添加する水としては、各成分を、必要に応じて夫々溶解、縣濁するために使用される水、各成分を配合して得た組成物を溶解、縣濁するために使用される水等をいう。
本発明のカプセル皮膜用組成物中の(C)水の配合量は、(A)〜(F)成分のうち、カプセル皮膜成分として使用されたものの総量中の質量%として計算した場合、通常20〜55%の範囲で添加される。20%未満では固形分を溶解できない場合があり、55%を越えると乾燥工程負荷が大きすぎて実用化が困難な場合がある。カプセルの乾燥工程負荷が少ないという観点から、水分上限値としては47%が好ましく、41%がより好ましく、35%が最も好ましい。一方、水分下限値は、乾燥工程負荷が少ないという観点から20%が好ましく、25%がより好ましく、30%が特に好ましい。実製造機のような押し出し成形機で高温・高圧処理(溶解処理)する工程がある場合には、(C)水の配合量は5〜10%少ない方にシフトする場合もありうる。
本発明のカプセル皮膜用組成物には、更に(D)可塑剤を加えることで、製膜後のカプセル皮膜シート、あるいはカプセルを柔らかくすることができる。(D)は特に制限はないが、具体的にはグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、キシリトール等の糖アルコール、グルコース、フラクトース、シュークロース等の糖類を使用することが出来る。これらは、1種類または2種類以上を混合して使用しても構わない。
(A)と(B)の合計重量に対する(D)の重量は、5〜40%の範囲で用いられる。5%より少ないと、カプセル皮膜シートは接着性が悪くなり透明度も低下する場合があり、40%よりも多いと柔らかすぎて強度と接着性が乏しくなる場合がある。接着性、透明度、伸び、強度の総合的評価が高いという観点で、下限値は8%が好ましく、10%がより好ましく、12%が特に好ましい。上限値は30%が好ましく、25%がより好ましく、22%が更に好ましく、18%が特に好ましい。
本発明のカプセル皮膜用組成物には、更に(E)グリセリン脂肪酸エステルをある範囲の添加量を加えることで、カプセル皮膜シートの皮膜強度を高めることができる。
(A)と(B)の合計重量に対する(E)の重量は、0.1〜25%の範囲で用いられる。0.1%より少ないと、カプセル皮膜シートの皮膜強度が低くなる場合があり、25%よりも多いと、カプセル皮膜シートの皮膜強度が低くなる場合がある。より強度が優れるカプセル皮膜シートあるいはカプセルを作製する観点で、下限値は0.5%が好ましく、1%がより好ましく、2%が更に好ましく、4%が更に一層好ましく、7%が殊更好ましく、10%が特に好ましい。上限値は22%が好ましく、20%がより好ましく、17%が更に好ましく、15%が特に好ましい。
本発明のカプセル皮膜組成物には、更に(F)油剤を加えることで、カプセル皮膜シートの剥離性を向上させることができる。(F)は特に制限はないが、具体的には大豆油、菜種油、べに花油、コーン油、ヤシ油,パーム油が挙げられる。これらは、1種類または2種類以上を混合して使用しても構わない。剥離性を向上させる観点で、コーン油、ヤシ油、パーム油が好ましく、ヤシ油、パーム油がより好ましく、パーム油が特に好ましい。
(A)と(B)の合計重量に対する(F)の重量は、0.1〜6%の範囲で用いられる。0.1%より小さい場合には、剥離性が悪い場合があり、6%よりも大きい場合には、強度面が低下する場合がある。強度があり剥離性の優れたカプセル皮膜シートにできるという観点で、下限値は0.2%が好ましく、0.4%がより好ましく、0.5%が特に好ましい。上限値は5.0%が好ましく、3.0%がより好ましく、1.5%が特に好ましい。
本発明のカプセル皮膜シートには、通常、皮膜成分として用いられる他の成分を本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。例えば、着色剤、遮蔽剤、防腐剤、安定化剤、緩衝剤などの公知公用の添加剤を使用することができる。
本発明のカプセル皮膜シートは、ハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスソフトカプセル等の各種カプセルのいずれの形態にも適合することができる。
カプセルの形状、大きさ等に特に制限はなく、形状に関してはラウンド型、オーバル型、オブロング型、チューブ型、ティアドロップ型等を製造することができる。大きさに関しては数μmから数cm程度までの大きさのカプセルを製造することができる。
本発明の皮膜用組成物は、通常の食品加工で使用される押し出し成形機を用いてカプセル用シートを調製し、ついで、該カプセル皮膜シートを用いて、特開2003−70428号明細書に記載の方法等、一般的に用いられるソフトカプセル製造機により製造できる。具体的には、まず、皮膜用組成物を押し出し成形機で高温・高圧処理し、押し出された材料をダイとロールを用いて厚さ0.8mm程度のカプセル皮膜シートを作成する。そのカプセル皮膜シートを例えば、ロータリー式ソフトカプセル製造装置へ投入してソフトカプセルを製造することができる。ロータリー式ソフトカプセル製造装置の中では、カプセル皮膜シートが1対の回転円筒形金型の間に送り込まれ、これと連動するポンプでカプセル内容物がカプセル皮膜シートの間に注入される。このときカプセル皮膜シートは適温に熱せられつつ回転円筒形金型表面の凸状の歯と歯の圧切によって、接合部がヒートシールされ、ソフトカプセルが製造される。
その後、乾燥工程に付して、所望の水分量10〜12%まで乾燥させることによりソフトカプセルとすることができる。その際、乾燥工程はタンブラ乾燥機と棚乾燥を用いて行われる。従来の澱粉のみのカプセルの場合には水に溶け難いため、多量の添加水分量(50%程度)を必要としてしまい乾燥時間が長くなってしまうという問題があったが、本発明のカプセル皮膜組成物のように、添加水分量を抑えることができるので、乾燥時間を短縮することができ、生産性を上げることができる利点がある。
本発明のカプセル皮膜シートには、予めカプセル製造と同時に内容成分を含有させ、カプセル製剤を形成することもできる。内容成分として、通常、カプセル製剤の内容物として用いられる他の成分を使用することができる。内容成分の状態は、液体、固体を問わず、特に強固な接着性が要求される懸濁液も封入可能である。
本発明のカプセル製剤は、医薬品、食品、健康食品などの分野において、既存のゼラチンカプセルに代わる植物由来の実用的なカプセルとして広く有用である。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
実施例における評価方法を説明する。
(1) カプセル皮膜シートの物性試験
10cm角のPETフィルムの上に厚さ1mmのシリコンシートの枠を置いて、各組成物を流し込み、さらに10cm角のPETフィルムを重ねた。これを鉄板で挟んでネジで固定した後、120℃に加熱されたオイルバスで5分間加熱してカプセル皮膜シートを得、得られたカプセル皮膜シートについて、接着性、フィルム強度、伸び、及び透明度を評価した。
<接着性>:上記で得られたカプセル皮膜シートから1cm×2cmの試験片を2枚裁断して重ね、ヒートシーラー(富士インパルス株式会社、P−200)を用いて接着した。接着後に2枚のカプセル皮膜シートを手で引き剥がして接着性を評価し、ヒートシーラーの各ダイヤル設定に従い、表2の4段階で判定した。ここでの接着とは、二枚のシートの接着面が熱により融合して界面が無くなり、引き剥がしたときに二枚のシートが剥がれないことを指す。
Figure 0005061897

(表1中、“ダイヤル”の数値は、設定された時間だけ加熱されることを示す。時間の長さは、ダイヤル6<ダイヤル7<ダイヤル8である。)
<透明度>:カプセル皮膜シートの透明度を目視により、表2のように4段階で判定した。
Figure 0005061897

<カプセル皮膜シート強度と伸び>:万能物性試験機(SMS、TA.XT plus)でフィルム強度と伸びを評価した。上記で得られたカプセル皮膜シートを、直径150mmの穴の開いたステージにセットする。該カプセル皮膜シート面に対して先端に直径130mmの玉が付いた棒を速度0.5cm/minで突いて、最大強度とそのときの伸びを測定した。
強度については、破断したときに加わった力を測定した。評価の分類は表3の通りである。
Figure 0005061897

伸びは、破断したときの伸びの長さについて測定した。評価の分類は表4の通りである。
Figure 0005061897

<剥離性>
通常澱粉を主原料にしたカプセル皮膜シート表面はゼラチンカプセル皮膜シートに比べて粘着性が非常に高いため、カプセル成形機へ連続的に供給することは難しい。また、粘着性の高いカプセル皮膜シートで製造されたカプセルは、カプセル同士が付着しやすいため、カプセル皮膜シート表面の剥離性が良いカプセル皮膜シートを作製することは、連続的にカプセル皮膜シートをカプセル成形機に供給する上で重要な特性となる。
剥離性について、カプセル皮膜シートを指で挟んで離したときの感触を表5のとおり4段階で評価した。
Figure 0005061897

<乾燥工程負荷評価>
水分量が多いほどカプセルの乾燥工程に時間がかかるため、表6の基準で評価した。
Figure 0005061897

剥離性を除く各項目について次のような点数をつけて合計したものを、成形されたカプセルの総合評価点とした。
Figure 0005061897

[使用原料]
以下、実施例及び比較例で使用する材料について説明する。
(A)ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉(日澱化学株式会社、G−800、含水量13%)
(B)γ−ポリグルタミン酸(味の素株式会社、食品添加物、分子量2.8万、含水量5%)、
(C)水は(A)、(B)に含まれる水分量も算入したものである。
(D)グリセリン(ライオン株式会社、食品添加物、含水量0%)
(E)グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン株式会社、G−002、含水量0%)
(F)パーム油(J−オイルミルズ社、品番Fry UP 201、含水量0%)
なお、実施例、比較例中においては、固形分に換算し直したものを表記し、水は各固形分の溶解用に使用されていたものと添加水の合算として表記している。
[実施例1−4]
実施例1−4では、(A)、(B)成分の比率を振って、上記の測定方法で接着性、フィルム強度、伸び、及び透明度を評価した。結果は表8に示すとおりである。
Figure 0005061897

[実施例5−8、比較例1−2]
実施例5−8では、(A)、(B)成分の比率を振ってさらに(D)成分を加えて、上記の測定方法で接着性、フィルム強度、伸び、及び透明度を評価した。比較例1−2では、(A)または(B)を除いた成分で、上記の測定方法で接着性、フィルム強度、伸び、及び透明度を評価した。結果は表9に示すとおりである。
Figure 0005061897

−は、液状のため測定不可能であることを示す。
[実施例9−14、比較例3−6]
実施例9−14では、水の配合量を33%から47%に振って、実施例1−4と同様にカプセル皮膜シートを作製し、接着性、フィルム強度、伸び、及び透明度を評価した。比較例3−6では、PGAを添加していない組成物について、実施例1−4と同様にカプセル皮膜シートを作製し、接着性、フィルム強度、伸び、及び透明度を評価した。結果は表10に示すとおりである。
Figure 0005061897

Figure 0005061897

−は、固形分が水に溶解しないためシートを作成することができないことを示す。
[実施例15−21]
実施例15−21では、(D)成分を増加させて(C)成分を減らして、上記の測定方法で接着性、フィルム強度、伸び、及び透明度を評価した。結果は表11に示すとおりである。
Figure 0005061897

[実施例22−26]
実施例22〜26では、(E)グリセリン脂肪酸エステルの量を変化させて、実施例1−4と同様にカプセル皮膜シートを作製し、接着性、フィルム強度、伸び、及び透明度を評価した。結果は表12に示すとおりである。
Figure 0005061897

[実施例27−30]
実施例27〜30では、油剤の比率を変えて評価を行った。油剤を添加して物性を測定した。結果は表13に示すとおりである。
Figure 0005061897

以下、実際の製造に近い形で行った製造実施例を示す。まずは評価方法について説明する。
<伸びと弾性率>円錐形のダイから得られたシートから、6mm×60mmの試験片を作製する。この試験片をテンシロン(ORIENTEC,RTC−1250A)にて、引っ張り速度50mm/minにおいて伸び(元のシートに対する伸びた部分の割合)と弾性率(MPa)を測定した。
また、カプセル化に適したシートの伸びと弾性率を三段階で下記のように定義した。
1.伸び
○…80%以上
△…79〜40%
×…39%以下
2.弾性率
○…0.39MPa以下
△…0.40〜0.79MPa
×…0.80MPa以上
<接着性>二枚のシートをカプセル成形機でシート同士が接着して内容物が充填されて接合面は凹凸がなく、手で触っても液漏れしないものを「接着性あり」とし、内容物は充填されるが接合面は凹凸があり、手で触ると液漏れするものを「接着性なし」と評価した。
<打ち抜き>カプセルを打ち抜くためには、カプセル皮膜に十分な強度と金型からの剥離性が必要である。二枚のシートからカプセル成形機の金型を用いてカプセルを打ち抜くことが出来たものを「可」とし、シートからカプセルを打ち抜くことが出来なかったもの(シートから外れない状態)を「不可」とした。
<乾燥後の状態>乾燥後(カプセル皮膜水分量10〜12%)のカプセルの硬さを、弾力性を手の感触により評価した。
<透明性>カプセルの透明性は、目視により「透明」、「半透明」を評価した。
<成形後のカプセルの付着性>付着性を手の感触により、下表14に示す3段階で評価した。
Figure 0005061897

[製造実施例1]
以下に示す原料配合処方で押し出し成型機(実機)にて高圧処理を行った。押し出し成形機の出口に取り付けた円錐形のダイを用いて、厚さ1mmのシートを作製した。
押し出し成型機(スエヒロEPM社製2軸押し出し成形機EA−20)の運転条件は、回転数:80回転(rpm),圧力:2.0kg/cm、搬送部温度:90℃,昇温部温度:110℃である。ただし、製造実施例1、製造比較例1、2においてだけは、押し出し成型機に投入した皮膜材料の実使用量を記載している。()内には、固形分純分量と水量との内訳を記した。カプセル皮膜用組成物の各成分の量関係については、その下に計算値を設けた。
添加水 30.8wt%
ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉(G−800、日澱化学株式会社製):
46.2wt%
(固形分純分40.2wt%+水6.0wt%)
ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉分解物(PKW、日澱化学株式会社製):
7.4wt%
(固形分純分6.4wt%+水1.0wt%)
γ−ポリグルタミン酸(食品添加物、味の素株式会社製、分子量2.8万):
7.4wt%
(固形分純分7.0wt%+水0.4wt%)
グリセリン(食品添加物、ライオン株式会社製): 7.4wt%
プロピレングリコール(食品添加物、純正化学株式会社製): 0.3wt%
グリセリン脂肪酸エステル(G−002、理研ビタミン株式会社製):
0.5wt%
(A)/(A)+(B) 86.9%
(B)/(A)+(B) 13.1%
(C)成分総量 38.1wt%
(D)/(A)+(B) 13.8%
(E)/(A)+(B) 0.9%
[製造実施例2]
材料組成のみ変更して、製造実施例1と同様な方法にてシートを作製した。
押し出し成型機に投入した皮膜材料の重量組成
添加水 23.1wt%
ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉(G−800、日澱化学株式会社製):
53.8wt%
(固形分純分46.8wt%+水7.0wt%)
κ−カラギーナン(WR−80−J,三晶株式会社製): 0.8wt%
(固形分純分0.7wt%+水0.1wt%)
γ−ポリグルタミン酸(食品添加物、味の素株式会社社製、分子量2.8万):
7.7wt%
(固形分純分7.3wt%+水0.4wt%)
グリセリン(食品添加物、ライオン株式会社製): 13.8wt%
グリセリン脂肪酸エステル(G−002、理研ビタミン株式会社製):
0.8wt%
(A)/(A)+(B) 86.7%
(B)/(A)+(B) 13.3%
(C)成分総量 30.6wt%
(D)/(A)+(B) 25.2%
(E)/(A)+(B) 1.5%
((κ−カラギーナン)/(A) 1.5%)
[製造比較例1]
材料組成のみ変更して、製造実施例1と同様な方法にてシートを作製した。モーター負荷は10Aであった。
押し出し成型機に投入した皮膜材料の重量組成(水の量は各材料に含まれる水の量を算入しないものである)。
添加水 30.8wt%
ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉(G−800、日澱化学株式会社製):
59.9wt%
(固形分純分52.1wt%+水7.8wt%)
ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉分解物(PKW、日澱化学株式会社製):
3.0wt%
(固形分純分2.6wt%+水0.4wt%)
グリセリン(食品添加物、ライオン株式会社製): 6.0wt%
プロピレングリコール(食品添加物、純正化学株式会社製): 0.3wt%
(A)/(A)+(B) 100.0%
(B)/(A)+(B) 0.0%
(C)成分総量 39.0wt%
(D)/(A)+(B) 11.0%
(E)/(A)+(B) 0.5%
[製造比較例2]
材料組成のみ変更して、製造実施例1と同様な方法にてシートを作製した。モーター負荷は5.2Aであった。粉体に含まれる水分量を換算した水添加量は、総量に対して40%である。
押し出し成型機に投入した皮膜材料の重量組成
添加水 30.8wt%
ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉(G−800、日澱化学株式会社製):
49.9wt%
(固形分純分43.4wt%+水6.5wt%)
ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉分解物(PKW、日澱化学株式会社製):
11.1wt%
(固形分純分9.7wt%+水1.4wt%)
グリセリン(食品添加物、ライオン株式会社製): 7.4wt%
プロピレングリコール(食品添加物、純正化学株式会社製): 0.3wt%
グリセリン脂肪酸エステル(G−002、理研ビタミン株式会社製):
0.5wt%
(A)/(A)+(B) 100.0%
(B)/(A)+(B) 0.0%
(C)成分総量 38.7wt%
(D)/(A)+(B) 13.9%
(E)/(A)+(B) 0.9%
製造実施例1(ポリグルタミン酸含有)、製造実施例2(ポリグルタミン酸、κ−カラギーナン含有)、製造比較例1,2(ポリグルタミン酸非含有)として、それぞれ上記のごとくに調製した皮膜シートとカプセル内容液(中鎖脂肪酸)を用いて、連続ロータリーダイ式カプセル充填機により、ソフトカプセルを作製し、評価した結果を表15に示した。
Figure 0005061897

表15に示すように、ポリグルタミン酸を添加しないと、伸びと弾性率が不足し、透明性・接着性・打ち抜き性が乏しく、乾燥後も硬いカプセルしか得られないのに比して(製造比較例1,2)、ポリグルタミン酸を添加すれば、シートの伸びが向上し、弾性率が小さくなり、よりカプセル成形に適したシートを作成することが可能となり、皮膜組成物のシート同士の接着性、乾燥後のカプセルの柔らかさに効果を発揮していることが明らかになった(製造実施例1)。また、皮膜組成物の伸びが向上し、カプセル成形機の金型よりカプセルの打ち抜きが可能となり、透明性も向上することが分かった。さらにA成分としてκ−カラギーナンを1.5%添加することによって成形直後の付着性を防止することができた(製造実施例2)。
カプセル皮膜用組成物は、通常水を必須成分として含むものであるが、本発明のカプセル皮膜用組成物は、植物性多糖類とポリグルタミン酸を併用することによって、カプセル皮膜用組成物の水分量を低減することができるため、カプセル剤の調製のための皮膜シート作成時に、またカプセル製造時に、乾燥時間が短縮できるなどの利点がある。また、該組成物から得られた皮膜シートは、柔軟性に富み、引っ張り強度が優れるため、成形機で製造されたカプセルの形が細長く変形することなく、ゼラチンカプセルと同様にラグビーボール状の形をしたカプセルを製造することができる。さらに、カプセル皮膜シート同士の接着性が優れているため、これまでの植物性カプセルでは入れることが難しかった懸濁液を内容物として入れることができる。また、本発明のカプセル皮膜用組成物を皮膜シート、あるいはカプセル製剤に加工したものは、すべて可食性成分よりできていて安全性が高く、また、生体適合性材料として、各種の用途への応用も可能である。
本発明のカプセル製剤は、医薬品、食品、健康食品などの分野において、既存のゼラチンカプセルに代わる植物由来の実用的なカプセルとして広く有用である。
以上、本発明の具体的な態様のいくつかを詳細に説明したが、当業者であれば示された特定の態様には、本発明の教示と利点から実質的に逸脱しない範囲で様々な修正と変更をなすことは可能である。従って、そのような修正及び変更も、すべて後記の請求の範囲で請求される本発明の精神と範囲内に含まれるものである。
本出願は、日本で出願された特願2005−165652(出願日:2005年6月6日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (12)

  1. (A)植物性多糖類と(B)ポリグルタミン酸とを含有することを特徴とするカプセル皮膜用組成物。
  2. 更に(C)水を含有することを特徴とする、請求項1に記載のカプセル皮膜用組成物。
  3. 更に(D)可塑剤を含有することを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載のカプセル皮膜用組成物。
  4. 更に(E)グリセリン脂肪酸エステル類を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカプセル皮膜用組成物。
  5. 更に(F)油剤を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカプセル皮膜用組成物。
  6. 該(A)が澱粉であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカプセル皮膜用組成物。
  7. 澱粉がタピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、米澱粉、小麦デンプンから選ばれることを特徴とする、請求項6に記載のカプセル皮膜用組成物。
  8. 該(A)が改質された植物性多糖類であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカプセル皮膜用組成物。
  9. 該(A)と該(B)の配合比率が質量比率として95:5〜60:40である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカプセル皮膜用組成物。
  10. ソフトカプセル皮膜用組成物である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のカプセル皮膜用組成物。
  11. (A)植物性多糖類と(B)ポリグルタミン酸とを含有することを特徴とするカプセル皮膜シート
  12. (A)植物性多糖類と(B)ポリグルタミン酸とを含有することを特徴とするカプセル製剤。
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