JP6942342B2 - ソフトカプセル皮膜 - Google Patents

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Description

本発明は、ソフトカプセル皮膜に関し、さらに詳しくは、ゼラチン、グリセリン、セルロース類、可溶性澱粉を含有するソフトカプセル皮膜に関する。
現在高齢化の進んでいる日本においては、加齢や疾病を原因として咀嚼機能、嚥下機能等の口腔機能の低下している高齢者が増えており、飲食物の摂取が十分にできないことによる栄養状態の悪化や誤嚥の問題がクローズアップされている。
一方、近年、投与剤型として咀嚼性のソフトカプセルの開発が進んでいる。咀嚼性のソフトカプセルは、水なしで皮膜を噛み切ることにより口の中ですばやく内容物が放出されるため、緊急時の服用にも適していることから医薬品用途においても期待されている。これらのことは、今後高齢化が想定される日本以外の世界各国においても、同様のことが考えられる。
ソフトカプセルにおいて、皮膜に柔軟性や咀嚼性を付与するためにはグリセリン等の可塑剤を多く配合することが有効であることが知られていたが、可塑剤の比率が大きくなると皮膜に弾力性を与える一方、ゼラチンに粘着性を与え、ソフトカプセル同士が付着しやすくなったり、皮膜の強度が極端に低下して製造上の不具合にまで至ったりといった問題が生じていた。
そのため、剤皮が、ゼラチンと、グリセリン、糖類、グリコール類から選ばれる1種又は2種以上の可塑剤と、水不溶性セルロース類とを含有する咀嚼用ソフトカプセル剤(例えば、特許文献1参照)や、咀嚼性、溶解性及び安定性に優れる、ゾル−ゲル転移温度が、10%水溶液の場合22℃以下でかつ30%水溶液の場合が32℃以下であるゼラチン、可塑剤及び付着防止剤としてでんぷんを含有することを特徴とするソフトカプセル剤(例えば、特許文献2参照)が提案されている。さらに、ソフトカプセルの作製時の成型性を向上させるため、ゼラチン、水溶性澱粉、不溶性澱粉、及び可塑剤を含有するソフトカプセル皮膜(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
特開平10−273436号公報 特開2004−10546号公報 特開2015−59106号公報
本発明の課題は、カプセル自体が人間の身体活動の向上に幾分かでも貢献するために、咀嚼機能や口腔機能が衰えている者が、口中でのカプセル破断行為を自分で意識することにより、誤嚥を防止し、口腔機能を向上させることができ、かつ、製造時のカプセルの成型性に優れる、弱い力で噛み切ることができるソフトカプセル皮膜を提供することにある。また、本発明の別の課題としては、低温での保存後も、良好な咀嚼性で、弱い力で噛み切ることができるソフトカプセル皮膜を提供することにもある。
本発明者らは、ゼラチン、グリセリン、セルロース類が添加された皮膜溶液に、可溶性澱粉を添加することにより、皮膜強度と良好な咀嚼性(冷蔵後・冷凍後を含む)を兼ね備えたソフトカプセル皮膜を作製することができることを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]ゼラチン、グリセリン、セルロース類、及び可溶性澱粉を含有するソフトカプセル皮膜であって、ゼラチン100質量部に対して、グリセリン60〜250質量部、セルロース類3〜50質量部、可溶性澱粉5〜50質量部を含有することを特徴とするソフトカプセル皮膜。
[2]可溶性澱粉が、酸化澱粉であることを特徴とする上記[1]記載のソフトカプセル皮膜。
[3]可溶性澱粉が、α化澱粉であることを特徴とする上記[1]記載のソフトカプセル皮膜。
[4]セルロース類が、結晶セルロース及びカルメロースNaであり、これら結晶セルロース及びカルメロースNaが、ゼラチン100質量部に対して5〜40質量部含まれていることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれか記載のソフトカプセル皮膜。
[5]結晶セルロース及びカルメロースNaの質量比が、100:5〜100:20であることを特徴とする上記[4]記載のソフトカプセル皮膜。
本発明のソフトカプセル皮膜を有するカプセルは、口中に含んだ際に、柔らかな口当たりとともに、自らの歯、舌、口蓋、口腔底等によりカプセルの所在を明確に意識することができ、またより良好にカプセルを保定することができるボディー感を感じることにより、自らの意思によりソフトカプセルを噛み切り、咀嚼することが容易となる。
実施例1と比較例3の処方の皮膜片について、試験温度を25℃、5℃、及び−20℃に設定した場合の破壊荷重を示すグラフである。 実施例1〜3及び比較例1〜3の各皮膜を、100mm×20mmの試験片とした場合の(a)最大点応力[MPa]、(b)最大点荷重[N]、(c)最大点伸度[%GL]、(d)ヤング率[MPa]をそれぞれ示すグラフである。 実施例5、実施例6及び比較例3の各皮膜を、70mm×20mmの試験片とした場合の(a)最大点応力[MPa]、(b)最大点伸度[%GL]、及び(c)ヤング率[MPa]をそれぞれ示すグラフである。 実施例5、実施例6及び比較例3の各皮膜の引張試験結果を示すグラフである。
本発明のソフトカプセル皮膜としては、ゼラチン、グリセリン、セルロース類、可溶性澱粉を含有するソフトカプセル皮膜であって、ゼラチン100質量部に対して、グリセリン60〜250質量部、セルロース類3〜50質量部、可溶性澱粉5〜50質量部を含有するソフトカプセル皮膜であれば特に制限されず、本発明のソフトカプセル皮膜におけるゼラチンの含有量としては、カプセルの機械的強度や成形時の皮膜の均一性、成形後のカプセルの崩壊性等を考慮して決定することができ、例えば、カプセルの固形成分の合計量中、乾燥質量で55〜85%、好ましくは60〜80%、より好ましくは65〜75%を挙げることができる。なお、本発明において固形成分の合計量とは、ソフトカプセル皮膜液から、精製水と可塑剤を除いた量を意味する。
上記ゼラチンとしては、動物の皮膚や骨などの結合組織の主成分であるコラーゲンを加熱して得られる抽出物であって、ソフトカプセル用のソフトカプセル皮膜の成分として用いることができるゼラチンであれば特に制限されず、アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、コハク化ゼラチンやフタル化ゼラチン等の化学修飾ゼラチン、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物等のゼラチン分解物などを例示することができるが、コハク化ゼラチンを好適に挙げることができる。上記コハク化ゼラチンは、ゼラチンに有機酸である無水コハク酸を反応させ、ゼラチン分子中のアミノ基が、酸クロライドの形として置換されたゼラチンであって、ゼラチン分子が有する末端のアミノ基をコハク酸との間でアミド結合を生成することにより、ゼラチンが経時的に高分子化して不溶化することを抑制できる。
上記グリセリン(グリセロール)は、1,2,3−プロパントリオールとも呼ばれる水酸基を3個含むポリオールであり、広く医薬製剤において使用される無色、無臭、粘性の水溶性の液体である。本発明におけるグリセリンとしては、50%以上のグリセリンが好ましく、75%以上のグリセリンがより好ましく、90%以上のグリセリンが特に好ましい。日本薬局方品の98%以上の濃度のグリセリン(濃グリセリン)を使用することもできる。グリセリンは、ゼラチン100質量部に対して、70〜200質量部、好ましくは80〜170質量部、より好ましくは90〜150質量部含まれる。
上記セルロース類としては、1位の炭素と4位の炭素によってβ−グリコシド結合された無水グルコース単位が直鎖状に重合した天然高分子である分子式(C10のβグルカン又はその誘導体類であって、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを酸で部分的に解重合し、精製した結晶セルロースや、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを処理した後、精製し、機械的に粉砕した粉末セルロース等を挙げることができ、カプセル同士の付着を防ぐ効果が認められている点で結晶セルロースが好ましい。
上記セルロース類には、増粘作用を付加し、ソフトカプセル皮膜の崩壊遅延を防ぎ、また、結晶セルロースの分散性を高めるために、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム(カルメロースNa)、グァーガム等の他の親水性高分子と複合化されたセルロース複合体を含めることができる。市販されているセルロース複合体としては、セオラス(登録商標)RC−A591NF、セオラスRC−N81、セオラスRC−N30、セオラスDX−2、セオラスSC−900(以上いずれも旭化成社製)や、アビセル(登録商標)RC−591、アビセルRC−581、アビセルBV1518、ノバゲル(登録商標)GP3282(以上いずれもFMCバイオポリマー社製)を例示することができる。
上記結晶セルロース及びカルメロースNaの複合体は、ゼラチン100質量部に対して5〜40質量部、特に5〜10質量部含まれていることが好ましい。かかる複合体における結晶セルロース及びカルメロースNaの質量比は、100:5〜100:20が好ましく、100:10〜100:15がより好ましい。例えば、結晶セルロース及びカルメロースNaの複合体である上記セオラスRC−A591NFを用いると、水溶液中で微細なセルロース結晶粒子がコロイド分散体となって網目構造を形成し、カルメロースナトリウムが保護コロイドとして作用するので、ゼラチンを含む水溶液中での分散性に優れ、皮膜表面に細かい凹凸が生じるため、カプセルの製造過程及び保存状態においてカプセル皮膜のドラムへの付着やカプセル同士の付着が起こりにくくなる。
本発明における可溶性澱粉は、天然の澱粉に種々の処理を施すことにより得られる水溶性の澱粉をいう。上記天然の澱粉としては、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉等を挙げることができる。種々の処理が施された澱粉としては、α化澱粉、湿熱処理澱粉等の物理的な加工を行った加工澱粉や、酸化剤を用いて酸化処理した酸化澱粉、塩酸、硫酸等の希薄な酸溶液に浸漬し中和乾燥した酸処理澱粉等の化工澱粉を挙げることができるが、酸化澱粉やα化澱粉が好ましい。上記酸化澱粉としては、タピオカ澱粉由来の酸化澱粉がより好ましく、具体的な原料としては、スタビローズS−10(松谷化学社製)を好適に挙げることができる。かかる酸化澱粉は、ゼラチン100質量部に対して5〜50質量部、好ましくは10〜45質量部、より好ましくは20〜40質量部、特に好ましくは25〜35質量部含まれる。また、上記α化澱粉としては、馬鈴薯澱粉由来のα化澱粉がより好ましく、具体的な原料としては、SWELSTAR(登録商標)PD−1(旭化成社製)を好適に挙げることができる。かかるα化澱粉は、ゼラチン100質量部に対して5〜50質量部、好ましくは5〜35質量部、より好ましくは10〜25質量部、特に好ましくは14〜20質量部含まれる。
本発明のソフトカプセル皮膜には、必要に応じて、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、グルコマンナン、アラビアゴム、ファーセルラン等のゲル化剤を含有させたり、付着防止のために、ミツロウ等の常温で固体の疎水性物質や植物油等を含有させたり(特許第3253948号参照)することができる。ただし、皮膜の物性、本発明の効果を考慮して、これら任意成分の含有量は、それぞれ上記固形成分の合計量中、5質量%以下が好ましく、さらには2質量%以下であることがより好ましい。また、本発明のソフトカプセル皮膜には、必要に応じて、色素や甘味料を適宜加えることができる。色素としては酸化チタン、各種タール色素、各種天然色素等を挙げることができる。甘味料としては、アスパルテーム、スクラロース等を挙げることができる。
本発明のソフトカプセル皮膜を用いてカプセル内容液を被覆し、ソフトカプセルを製造する方法としては、従来公知のロータリーダイ式ソフトカプセル充填機を用いる方法、滴下法によりシームレスカプセル充填機を用いる方法等を挙げることができる。
上記ロータリーダイ式ソフトカプセル充填機を用いる方法としては、皮膜液タンクから供給されるソフトカプセル皮膜液をキャスティング装置により回転ドラム上に展延して皮膜シートを調製し、かかる皮膜シートが左右の回転する円筒金型(ダイロール)の間に送り込まれると、内容液用ポンプ等の送液手段によりソフトカプセルの内容物が左右の皮膜シートの間に圧入され、内容物が圧入された皮膜シートは打ち抜きが行なわれてソフトカプセルが製造される。
本発明のソフトカプセル皮膜の評価は、成形性、付着性、咀嚼性等に加えて、硬度や粘弾性についても実施することが好ましい。引張試験を行うことによる評価や、レオメーターを用いる粘弾性試験等により行うことができる。具体的には、カプセル皮膜の破壊荷重を測定することにより咀嚼性評価を行うことができ、カプセル皮膜の最大点荷重及び最大点応力を測定することにより耐荷重を評価することができ、カプセル皮膜の最大点伸度を測定することにより伸長性を評価することができ、カプセル皮膜のヤング率を算出することにより柔軟性を評価することができる。
なお、上記最大点応力[MPa]は、最大点荷重[N]/皮膜サンプル断面積[mm];最大点伸度[%GL]は、(最大長−初期長[mm])/初期長[mm]×100;最大点ヤング率[MPa]=最大点応力[MPa]/(最大点伸度[%GL]×0.01);の各式を適用することによりそれぞれ導くことができる。
本発明のソフトカプセル皮膜が有する良好な咀嚼性は、グリセリン等の可塑剤を増量することで、基本的には実現される。しかしながら、通常のゼラチン皮膜に可塑剤であるグリセリンを増量しすぎると、ゼラチンの粘着性と、グリセリンの吸湿性の相乗効果で、製造工程中や製品完成後のカプセル皮膜の付着性が増し、ベタツキや相互付着等といった問題が発生する。グリセリンを増量した場合の更なる問題としては、製造時や製品完成後のゼラチン皮膜の強度が極端に低下し、製造工程中の不具合の発生が考えられる。本発明では、ゼラチンと共に可溶性澱粉を溶解させることで、カプセル皮膜における「基剤」(カプセル皮膜における、溶解性の、構造的骨格となる成分)が増え、それにより、添加できるグリセリン量を増やしても、ゼラチン皮膜の強度を保ちつつ、良好な咀嚼性を実現することが考えられる。
上記ソフトカプセルの内容物としては、医薬成分、油脂類、脂肪酸類、ビタミン類等を例示することができ、さらに、上記医薬成分の苦味を低減するために強甘味料類や精油類やフレーバー類を用いることができる。これら各成分は、カプセル剤中のいかなる部分にも含有可能である。
上記医薬成分としては、ジゴキシン等の強心剤;ジクロフェナク等のNSAID;クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;エピネフリン等の抗アナフィラキシー剤;ロペラミド等の止瀉剤;オンダンセトロン、トロピセトロン等の制吐剤;デキストロメトルファン等の鎮咳剤;などの医薬製剤や、ローヤルゼリーエキス、プロポリスエキス、ブルーベリーエキス、アガリクスエキス、サメ軟骨抽出エキス、ウコンエキス、イチョウ葉エキス、ギムネマエキス、梅エキス、桂枝エキス、桂皮エキス、タイソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、ジオウエキス、ビャクズクエキス、高麗ニンジンエキス、チョウセンゴミシエキス、エンゴサクエキス、骨砕補エキス、酵母エキス等の動植物由来のエキス又はそれらの粉末等の生薬を挙げることができる。
上記油脂類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、共役リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油、ラノリン脂肪酸等の天然脂肪酸、ヤシ油、パーム油、パーム核油、アマニ油、つばき油、玄米胚芽油、菜種油、米油、落花生油、コーン油、小麦胚芽油、大豆油、エゴマ油、綿実油、ヒマワリ種子油、カポック油、月見草油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ゴマ油、サフラワー油、オリーブ油等の植物油、及び豚脂、乳脂、魚油、牛脂等の動物油脂、並びにこれらをエステル交換した長鎖・中鎖・短鎖の脂肪酸トリグリセリド油脂、及びこれら油脂類の水素添加物を挙げることができる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油、レシチン等を挙げることができる。
ビタミン類としては、ビタミンA群:レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:フルスルチアミン、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、ピリドキシン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群:アスコルビン酸またはその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:ビタミンEまたはその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン、メナキノン、メナテトレノン、メナジオン、メナジオール、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンU等を挙げることができる。
上記強甘味料類としては、スクラロース(4,1’,6’−トリクロロガラクトスクロース)、アスパルテーム(L−フェニルアラニン化合物)、アセスルファムK(6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4(3H)−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩)等を挙げることができる
上記精油類としては、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、ケイヒ油、ウイキョウ油、チョウジ油、オレンジ油、レモン油、ローズ油等を挙げることができる。
上記フレーバー類としては、グレープフルーツフレーバー、オレンジフレーバー等を挙げることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[試験例1]
以下の表1に示すとおり、各質量部のコハク化ゼラチン、グリセリン、結晶セルロース・カルメロースナトリウム混合物、酸化澱粉、サラシミツロウ、及び他の添加物を加え、精製水を加えて加熱溶解混合して均一なソフトカプセル皮膜液とした。
Figure 0006942342
[ロータリーダイ式ソフトカプセル充填機によるソフトカプセルの製造]
上記表1に示した量(質量部)の原料を水に攪拌・分散させた後、60〜90℃にて攪拌しながら溶解させ、真空脱泡して皮膜液とした。かかる皮膜液を、タンクに入れ、ロータリーダイ式ソフトカプセル充填機(富士カプセル社製)の左右に分かれるキャスティング装置により2つの回転ドラム上に展延して2枚(左右)の皮膜シートを調製した。このシートを一部採取して、[冷却・冷凍保存後の咀嚼性評価]に供する一方、並行してロータリーダイ式ソフトカプセル充填機にて、内容液としてココナードMT(花王社製)を用いてソフトカプセルを調製した。得られたソフトカプセルの成形性、付着性、咀嚼性についての評価結果を、あわせて表1に示した。
[冷却・冷凍保存後の咀嚼性評価]
(破壊荷重の測定)
上記皮膜シートの冷却・冷凍保存後の咀嚼性評価を、破壊荷重(最大点荷重)を測定することにより行った。破壊荷重の測定はサン科学社製、「CR−3000EX−L」のレオメーターを用いて行った。前記膜厚0.79mmの皮膜片を10×10cmに切り取って直径約2.5cmの瓶の開口部に張り、試験用成型体とした。かかる試験用成型体に直径5mmの円形ロードセルにて鉛直方向に100mm/min荷重をかけ、該円形ロードセルが試験用成型体に5mm進行した際の、最大の荷重を破壊荷重とした。試験温度を25℃、5℃、及び−20℃に設定し、それぞれ上記実施例1と比較例3とで実験を行った。結果を図1に示す。
(結果)
破壊荷重の値は小さいほど咀嚼性に優れているといえる。実施例1のカプセル皮膜は25℃、5℃、及び−20℃のいずれにおいても12N以下であり温度の変化に影響を受けることなく、皮膜食感も変化しないことが確認された。一方、比較例3のカプセル皮膜は、温度が下がるほど、硬くなることが確認された。
[グリセリン含有量の検討]
本発明のソフトカプセル膜における好適なグリセリン含有量を検討するため、上記各皮膜液から調製された皮膜シートについて、100mm×20mm(膜厚0.6mm)の試験片を作製した。最大点応力、最大点荷重、最大点伸度及びヤング率を卓上型引張圧縮試験機フォーステスターMCT−2150(エーアンドデイ社製)を用いて引張速度100mm/minにて測定した。結果を図2(a)〜(d)に示す。図2中、「gly75」は実施例4、「gly100」は実施例3、「gly120」は実施例2、「center(145)」は実施例1、「gly+(290)」は比較例2、「gly45」は比較例3のそれぞれソフトカプセル皮膜である。なお、最大点伸度における「%GL」は、試料の初期長さを基準とした伸び率パーセンテージを指す。
(結果)
図2(a)〜(d)の結果をもとに、官能評価との関係を考慮した結果、最大点応力は、0.25〜1.5MPaを、最大点荷重は、5〜20Nを、最大点伸度は、150〜200%GLを、ヤング率は、0.2〜1.0をそれぞれ最適な範囲と判断した。以上の結果から、本発明のソフトカプセル皮膜におけるグリセリン含有量は、ゼラチン100質量部に対して、グリセリン60〜250質量部が適当であると判断した。
[試験例2]
酸化澱粉以外の可溶性澱粉として、α化澱粉を用いて検討を行った。以下の表2に示すとおり、酸化澱粉をα化澱粉に代替したほかは、試験例1の手順に従い各質量部のコハク化ゼラチン、グリセリン、結晶セルロース・カルメロースナトリウム混合物、サラシミツロウ、及び他の添加物を加え、精製水を加えて加熱溶解混合して均一なソフトカプセル皮膜液とした。あわせて酸化澱粉を用いたソフトカプセル皮膜液(実施例6)も調製した。比較対照として、比較例3も調製した。
[ロータリーダイ式ソフトカプセル充填機によるソフトカプセルの製造]
下記表2に示す量(質量部)の原料を水に攪拌・分散させた後、60〜90℃にて攪拌しながら溶解させ、真空脱泡して皮膜液とした。かかる皮膜液を、タンクに入れ、ロータリーダイ式ソフトカプセル充填機(富士カプセル社製)の左右に分かれるキャスティング装置により2つの回転ドラム上に展延して2枚(左右)の皮膜シートを調製した。このシートをロータリーダイ式ソフトカプセル充填機にて、内容液としてココナードMT(花王社製)を用いてソフトカプセルを調製した。得られたソフトカプセルの成形性、付着性、咀嚼性についての評価結果を、あわせて表2に示した。
Figure 0006942342
[引張試験]
上記各皮膜液から調製された皮膜シートについて、70mm×20mm(膜厚0.6mm)の試験片を作製して、最大点応力、最大点伸度及びヤング率を卓上型引張圧縮試験機MCT−2150(エーアンドデイ社製)を用いて引張速度100mm/minにて測定した。結果を図3(a)〜(c)に示す。また、荷重[N]を縦軸に、移動量[mm]を横軸とした引張試験結果を図4に示す。
(結果1)
図3(a)〜(c)から明らかなとおり、α化澱粉を酸化澱粉の代わりに使用した、実施例5の皮膜の最大点応力は0.65MPa、最大点伸度は194%GL、ヤング率は0.33MPaであった。これらの値はいずれも上記実施例1〜4からの結果から算出した最大点応力0.25〜1.5MPa、最大点伸度150〜250%GL、ヤング率0.2〜1.0MPaの最適な範囲内の値を示した。また、澱粉として酸化澱粉を使用した実施例6の皮膜についても、最大点応力0.68MPa、最大点伸度220%GL、ヤング率0.31MPaであり、いずれも上記最適な範囲内の値を示し、カプセル皮膜の柔軟性が維持されていることを確認した。以上の結果から、本発明のソフトカプセル皮膜における澱粉として、酸化澱粉と同様、α化澱粉を使用することが可能であることを確認した。なお、比較例3の結果は、最大点応力が4.14MPa、最大点伸度が175%GL、ヤング率が2.37MPaであり、最大点伸度のみ上記範囲内で他は範囲外であり、またヤング率が大きく、皮膜の柔軟性が欠けていることを確認した。
(結果2)
図4から明らかなとおり、引張試験においては、α化澱粉使用皮膜と酸化澱粉使用皮膜との差はほとんどなかった。
[レオメーター(粘弾性測定装置)試験]
レオメーター(CR−3000EX−L、株式会社サン科学製)を用いてカプセルの弾力性を測定した。押圧アダプター直径10mmφ、テーブル移動速度20.0mm/minにて、皮膜の外側からカプセルに圧力をかけた場合の、カプセルの短径の2/3の長さである4.5mm侵入時の荷重(N)を測定した。
(結果)
α化澱粉使用皮膜カプセルの4.5mm侵入時の荷重は14.71Nであり、酸化澱粉使用皮膜カプセルの4.5mm侵入時の荷重は15.76Nであった。したがって、レオメーターを用いた試験においても、α化澱粉使用皮膜カプセルと酸化澱粉使用皮膜カプセルの間に有意な差は見られなかった。
本発明のソフトカプセル皮膜は、医薬品、栄養補助品、健康食品分野におけるソフトカプセルの製造に特に有用である。

Claims (4)

  1. ゼラチン、グリセリン、セルロース類、及び可溶性澱粉を含有するソフトカプセル皮膜であって、ゼラチン100質量部に対して、グリセリン60〜250質量部、セルロース類5〜40質量部、可溶性澱粉5〜50質量部を含有し、セルロース類が、結晶セルロース及びカルメロースNaであることを特徴とするソフトカプセル皮膜。
  2. 可溶性澱粉が酸化澱粉であることを特徴とする請求項1記載のソフトカプセル皮膜。
  3. 可溶性澱粉がα化澱粉であることを特徴とする請求項1記載のソフトカプセル皮膜。
  4. 結晶セルロース及びカルメロースNaの質量比が、100:5〜100:20であることを特徴とする請求項1〜3記載のソフトカプセル皮膜。
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