JP4197758B2 - 改良型キーボード支持機構 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、キーボードおよびその類似品のための改良された調整可能な支持機構に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
個人とビジネスの双方のためのコンピュータの使用は、ほとんど全ての会社、および多くの家庭が少なくとも１つのコンピュータあるいはコンピュータ端末を持っていると言えるほど共通になってきている。コンピュータは特にオフィス環境で広く用いられている。コンピュータの使用が共通になるにつれてますます重要になってくる健康問題の中で、作業効率の維持と人体への繰り返し応力による傷害の発生を最小にするために、コンピュータ使用中の適切な姿勢を促進する必要がある。これらの問題に対処するために開発された１つの基本的な方法は、キーボード使用時のユーザーの手首が“自然”な状態、つまりユーザーの前腕と手の甲によって形成される面が平坦になるように、机上の位置よりもかなり低い位置でコンピュータキーボードを使い続けるというものである。キーボードの使用高さを調整することに加えて、それはキーボード棚が地面となす角度を制御する人間工学の目的のために重要である。
【０００３】
キーボード（およびコンピュータマウスのようなキーボードに付属するコンピュータ付属品）を、使用中には机の表面よりも低い位置に支持し、使用中でない時には机の下に支持することに用いる多数の装置が開発されている。このような装置の１つは、机表面の下側にキーボードを保持するための棚を接続する平行四辺形の連結機構の使用を開示したスミーンジ等(Smeenge,et al.)の米国特許第４，６１６，７９８号に述べられている。スミーンジによって述べられた全体のシステムは、ユーザーと机に対してキーボードを位置づけるための適正な柔軟度を与える。スミーンジのシステムの１つの不利な点は、そのシステムによって用いられる平行四辺形の連結機構がキーボード支持棚の下側に取付けられているということである。このため、キーボードが机の下に位置したとき、その機構の底部と床との間のユーザーの利用可能な脚の場所が制限されてしまう。
【０００４】
マックコンネル(McConnell) の米国特許第５，２５７，７６７号では、キーボード棚を机の下側に接続する平行四辺形の連結機構を用いないことによって、このスミーンジ機構の不足を補うことが試みられている。この平行四辺形の連結機構の不使用は、キーボード棚が机の面よりも低いときにキーボード棚の前部を上方向に角度付け、キーボードが机の下に位置したとき、ユーザーの利用可能な脚の場所を限界まで増大させる。けれども、このマックコンネル機構は、スミーンジ機構のように、ユーザーの利用可能な全体の脚の場所を制限する、キーボード棚の底部に取付けられた連結機構を有している。
【０００５】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、机の下側とキーボード棚との間のユーザーの利用可能な脚の場所を増大させるようにした改良型キーボード支持機構を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
１つの観点において、この発明は、机の下側とキーボード棚との間の、ユーザーの利用可能な脚の場所を増大させる新規な連結機構の使用によって、従来の機構を改良するものである。この発明の改良された機構は、大多数のユーザーにとって人間工学的に適正であるように、あるパラメーターの範囲内でのキーボード棚の地面に対する角度調整を可能にする。
【０００７】
この発明のこの観点による機構は、キーボードの垂直移動を可能にする新規な関節接合アーム機構からなる。この関節接合アーム機構は、(1) 装着ブラケット、(2) 旋回ブラケットと連動する装着ブラケット支持体、(3) 棚ブラケット、(4) 上アーム、(5) 少なくとも１つのサイドアーム、(6) 少なくとも１つの停止手段、の６つの主たる構成要素を有している。上アームは棚ブラケットと装着ブラケットとを連結し、サイドアームと停止手段は地面に対して一定の角度で棚ブラケットを保持するために連動する。
【０００８】
この発明の第２の観点は、キーボード棚の底部の下に何も延びないように机とキーボード棚との間に連結機構の取付け具を設ける。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
【００１０】
この明細書および特許請求の範囲で用いられる“机”という用語は、あらゆる机、テーブル、棚、あるいは適切な作業台を意味する。“デスクトップ”という用語は、机の作業面（たとえば上方に面する表面）を意味する。“前部”という用語は、補助棚機構の構成要素に適用された場合には、ユーザーに最も接近した端部を意味し、“後部”という用語は、ユーザーから最も離れた部分を意味する。
【００１１】
図１にこの発明による補助棚機構１の分解斜視図を示す。補助棚機構１は、上アーム２、装着ブラケット３、棚ブラケット４、および一対のサイドアーム５を備えている。図１には好ましい態様として２つのサイドーム５が示されているが、このサイドアームは１つでもよい。装着ブラケット３には、旋回ブラケット３２と旋回ブラケット支持体３３に結合する装着ブラケット支持体６（図６に示す）が取付けられている。旋回ブラケット支持体３３と装着ブラケット支持体６との結合は、図６に詳細に示されている。第１枢軸ロッド７は、装着ブラケット３に上アーム２を接続し、ワッシャー９と押しナット１０によって留められている。上アーム２は、第２枢軸ロッド１１によって、穴１２（その穴は１つしか示されていない）を介して棚ブラケット４に取付けられている。
【００１２】
サイドアーム５は、第３枢軸ロッド１３によって棚ブラケット４に取付けられている。２つのサイドアーム５の使用は、棚ブラケット４の安定性を高めるために好ましい態様で示されているが、１つだけあればよい。サイドアーム５は、ブラケット３の穴１５を通り、さらにサイドアームの第１開口１６を通して伸びるボルト１４により、装着ブラケット３に取付けられている。スぺーサー４１は、ボルト１４の周りを包囲しており、２つのサイドアーム５の間から第１開口１６を介して抜け出ることを防止するために、第１開口１６の幅よりも直径が太くなっている。スぺーサー４１は、後述するように、この機構を適所に固定することを補助する。ボルト１４の一方の端部は矩形である（この端部は図には示されていない）。この矩形端はボルト１４の一部を加工したものであっても、端部の周りに差し込まれたカバーのようなものであってもよい。この矩形端は、矩形端の相互作用によってボルト１４が第１開口１６と共に回転することを防止する。
【００１３】
サイドアーム５の各カーブ端部２１は、棚ブラケット４から離れた側の第１開口１６の後部に突出している。下アーム１７は、必ずしも必要ではないが、この図に示された好ましい態様に含まれている。下アーム１７は、第４枢軸ロッド１８により、上アーム２の２つの穴１９（一方しか示していない）を介して上アーム２に取付けられている。下アーム１７は、また、両サイドアーム５と、装着ブラケット３にボルト１４によって取付けられている。ボルト１４は、第２開口２０（一方しか示していない）を通って下アーム１７を貫通している。
【００１４】
図２に示すように、補助棚機構１は、取付けトラック２２によって、机３６の下側に取付けることができる。取付けトラック２２は、例えば釘やボルトなどの従来の手段によって机３６の下側に固定される。旋回ブラケット支持体３３は、図６に詳細に示しているように、取付けトラック２２に対して補助棚機構１を前後にスライドさせるように、取付けトラック２２に係合する。また、図２に示すように、装着ブラケット３には停止手段２３が取付けられている。停止手段２３は、サイドアームのカーブ端部２１に面する第１端部２４を有している。第１端部２４は各サイドアーム５に面している。好ましくは、ただし必ずしも必要ではないが、第１端部２４は、別の図に示すように凹面形状である。
【００１５】
停止手段が調整可能で、２つのサイドアームが用いられている場合の態様では、２つの第１端部２４は、単一の停止手段の一部を用いてそれぞれ形成することができ、図３（“Ｃ”形状の第１端部２４を折り曲げた側部３７で示す）に示すように、“Ｃ”字の開放端が前方に面したＣ形状の頂部輪郭を有している。停止手段２３の２つの側部を接続する中央部３８は、後述するノブ２７あるいは他の手段によって調整される装着ブラケット３に対し横方向に位置づけられる。２つのサイドアーム５が用いられるが、停止手段２３が調整可能でない場合は、装着ブラケット３側に、例えばスポット溶接あるいはリベット接合（又は他の従来の手段）による固定方法でそれぞれ取付けられた２つの停止手段が用いられてもよい。
【００１６】
キーボード２５（この発明の一部ではない）は、図に示されるように、棚ブラケット４の上に直接置いてもよい。しかしながら、好ましくは、棚ブラケット４に、キーボードを乗せることが可能なより広いキーボード棚（図示していない）を、取付け穴２６（図１に示す）を介して付加的に取付ける。このキーボード棚に（あるいは棚ブラケット４に直接に）、例えばコンピュータマウスや書類束のための付加的な棚である追加の構成要素が取付けられてもよい。
【００１７】
好ましい態様においては、上アーム２、下アーム１７、および装着ブラケット３は、それによって、その表面が、上アーム２の頂部、下アーム１７の基部、および上アーム２と下アーム１７との重なった側から作られ、その端が、第１枢軸ロッド７、第４枢軸ロッド１８、およびボルト１４によって規定されるくさび形状の箱を形成する。側面からは、図２に示すように、システムは三角形に似ており、装着ブラケット３に対して、つまり机３６の上面に対して、棚ブラケット４を上げたり下ろしたりできるように回動可能である。上アーム２が第１枢軸ロッド７の周りで回動するので、下アーム１７は、ボルト１４の周りを回動し、それに対し、第１と第２の開口１６，２０によって前方と後方にスライドする。
【００１８】
サイドアーム５のカーブ端部２１は、停止手段２３の第１端部２４に接触する。これは、サイドアーム５が停止手段２３の第１端部２４に接触した位置を通過して、サイドアーム５がボルト１４に対し後方に滑ることを防止する。第１端部２４が凹面形状を有している場合、この位置は、サイドアーム５がボルト１４の周りを旋回するにつれて変化する。停止手段２３をボルト１４の後部に特定の距離をおいて位置づけ、停止手段２３の第１端部２４に特定の度合いのカーブ（当業者にとっては容易に決定可能である）を与えることにより、装着ブラケット３に対する棚ブラケット４の高さにかかわらず、棚ブラケット４を地面に対して一定の角度で保持することができる。
【００１９】
サイドアーム５は、棚ブラケット４、上アーム２およびサイドアーム５の配置によって、停止手段２３の第１端部２４との接触を保っている。上アーム２は第２枢軸ロッド１１によって棚ブラケット４に回動可能に接続されている。このため、棚ブラケット４の重さ（それに取付けられた又は載せたものの重さを加えたもの）は、棚ブラケット４を第１枢軸ロッド１１の周りで回動させるのに役立つ。この回動動作は、第３枢軸ロッド１３を後方に押し、次にサイドアーム５を後退させて停止手段２３の中に入れる。したがって、サイドアーム５は、停止手段２３と常に接触し、棚ブラケット４を一定の水平位置に保つ。
【００２０】
棚ブラケット４が垂直方向に移動するにつれて、この機構の様々な構成要素の相対的な移動は、補助棚機構１を引き込まれた下方向の位置と延ばされた前方向の位置にそれぞれ描いた図２および図４に示すように、それらの位置を比較することによって最も良く認識することができる。
【００２１】
補助棚機構１は、ねじりバネ３９、または他のタイプのスプリング（例えば板バネ）、あるいは油圧シリンダーのような他の従来の機構によって、上方向に少し付勢しておくことが望ましい。
【００２２】
停止手段２３は、製造工程の間、従来の手段によって所定の位置に固定しておくことができる。この固定手段としては、スポット溶接またはリベット接続がある。停止手段２３を所定の位置に固定することにより、棚ブラケット４の水平の向きを一定に保つことができる。
【００２３】
あるいは、停止手段２３の位置は調整可能とすることができる。停止手段の位置を調整することにより、棚ブラケット４の地面に対する角度を変更することができる。これは、停止手段２３の位置の変更が、停止手段によるサイドアーム５の押し戻し量を変更し、これにより棚ブラケット４の地面に対する角度が変更されるからである。好ましくは、停止手段２３の位置は、その調整の限界が、棚ブラケット４の角度が常に人間工学的に受入れ可能な範囲であるように、あるパラメーター内でのみ調整される。
【００２４】
もし、停止手段２３が移動可能であれば、固定機構を備えた滑動トラック、あるいはラックアンドピニオン機構、あるいは気圧シリンダーのようなものを備えた様々な手段によって調整してもよい。しかしながら、１つの好ましい手段は、図７〜図９に示すように、ネジ式の機構によるものである。ノブ２７は、ネジ式ボルト２８によって停止手段２３に接続されている。ネジ式ボルト２８は、停止手段２３のネジ穴２９にネジ留めされることによって停止手段２３に取付けられている。ノブ２７が一方の方向に回ると、ネジ式ボルト２８も回り、停止手段２３とネジ穴２９は回らないので（装着ブラケット３内に閉じ込められているので）、ネジ式ボルト２８の一方の方向の回転は、その逆ネジ作用により、停止手段２３を装着ブラケット３の前方方向に押す。ノブ２７の他方の方向への回転はこれと反対の作用をする。ネジ式ボルト２８がネジ穴２９に対して一方または他方の方向に回される度合い（そしてそれによって停止手段２３が移動される度合い）は、図８および図９に示すように、機械的な停止手段の使用によって左右される。図９はその機構の上平面図を示す。この図に示されているように、停止手段２３の中央部３８と平行に停止ロッド４２が配置されている。図８は停止手段２３を備えた装着ブラケット３の側面図を示す。停止ロッド４２は所定の場所に固定されており、停止手段２３の端部３７の中央に垂直に位置づけされ、端部３７の第３開口４３（１つしか示していない）を介して設けられている。ノブ２７の回転による、停止手段２３の装着ブラケット４３に対する後方および前方への移動につれて、第３開口４３が停止ロッド４２に対して移動する。停止ロッド４２がいったん第３開口４３の端に到達すると、停止手段２３はその方向に対してもはや移動することはできない。図７の点線は、実線で示された位置に比較して前方向に移動した位置にある停止手段２３を示している。
【００２５】
停止手段２３の移動量を制限するために、他の簡単な機械的手段を使用してもよい。
停止手段２３の位置を調整するための他のネジ式機構を図１３〜図１６に示す。図１３に示すように、滑動ブラケット４６は、装着ブラケット３に隣接している。滑動トラック４６は図１５に詳細に示している。停止手段２３は、リベットまたはネジのような従来の手段によって滑動ブラケット４６に取付けられている。滑動ブラケット４６は、それに停止手段２３が取付けられている場合には、装着ブラケット３に取付けられた停止ロッド４２の通る第４開口を有している。図７および図８に関して上述されたように、停止ロッド４２と第４開口５３との間の相互作用は、本機構による前後に移動可能な量を制限する。
【００２６】
滑動ブラケット４６は、セッティングブラケット４７の開口４２と滑動ブラケット４６の開口６３を通過する取付けピン４８により、セッティングブラケット４７（図６に詳細に示す）に取付けられている（図１５参照）。セッティングブラケット４９は、穴５２を通過する取付けロッド５０及び５１により、装着ブラケット３に取付けられている（図１６参照）。開口４９は、セッティングブラケット４７が装着ブラケット３に対して端から端まで移動したとき、開口４９の範囲内でスライドする取付けピン４８が前後いずれかの方向に移動するように押され、次に滑動ブラケット４６が押されて、停止手段２３が前後に移動するように、角度づけられている。
【００２７】
例えば、図１４において、もしセッティングブラケット４７が左に押されると、容易に分かるように、取付けピン４８が、開口４９に沿って装着ブラケット３の前方向に押されて、滑動ブラケット４６を前方向に押し、停止手段２３を前方向に運ぶ。開口４９の角度を変化させることにより、セッティングブラケット４７の横方向の移動が、どの程度の力で滑動ブラケット４６を縦方向に移動させるのかを制御することができる。
【００２８】
図１３および図１４に示す態様において、セッティングブラケット４７の横方向の位置（したがって、滑動ブラケット４６と停止手段２３の位置）は、ネジ切り取付けロッド５０と連動するノブ５４とネジ切り留め具５５とにより調整される。ネジ切り留め具５５は、穴５２の一方に隣接したセッティングブラケット４６に取付けられている。ネジ切り取付けロッド５０は、一方の穴５２とネジ切り留め具５５を通過する。ネジ切り取付けロッド５０の一端はノブ５４（装着ブラケット３の外側に位置している）に取付けられ、他端は装着ブラケット３３の反対側に回転可能に固定されている。ユーザーによってノブ５４が回されると、ノブ５４はネジ切り取付けロッド５０を回し、ネジ切り留め具５５との相互作用を引き起こす。ネジ切り取付けロッド５０は回転可能に固定されているので、ネジ切り取付けロッド５０によって、ネジ切り留め具５５が“移住”させられ、上述したような、セッティングブラケット４６の移動と、本機構の前後方向への移動の停止を行わせる。
【００２９】
停止手段２３の位置を調整するための他の機構は図１７〜図１９に示している。この態様において、停止手段２３の位置は、セッティングブラケット４７ａと連動する滑動ブラケット４６により調整される。しかしながら、セッティングブラケット４７ａの横方向の位置は、上記に述べたようなネジ切りボルトの機構によって調整されるのではなく、調整レバー５６によって調整される。セッティングブラケット４７ａは、穴６０を有する横方向の突出翼５９を備えているという点において、セッティングブラケット４７とは異なる。位置ブラケット５７は装着ブラケット３に固定して取付けられている。調整レバー５６は、位置ブラケット５７にピン５８によって回動可能に取付けられ、セッティングブラケット４７ａの穴６０を通るピン６１と、調整レバー５６の長穴６２によって、セッティングブラケット４７ａと連動する。
【００３０】
ユーザーによって調整レバー５６のハンドル６３が動かされると、調整レバー５６はピン５８の回りを回動する。これは次に、長穴６２を装着ブラケット３に対して移動させる。長穴６２を通るピン６１によって、調整レバー５６にセッティングブラケット４７ａが取付けられているので、長穴６２の移動により、セッティングブラケット４７ａが取付けロッド５１に沿って横方向に移動する。上記に述べられたように、これは次に、停止手段２３を前後方向に移動させる。
【００３１】
停止手段２３の調整のためには、的確な機構を使用することが必要であり、これは、この調整がユーザーにとって簡単なものになるのか複雑なものになるのかを左右する。例えば、もし停止手段２３がネジ式（あるいは上述した他の機構）を用いた調整しかできないものであれば、停止手段２３の調整に利便性を欠くであろう。この方法は、ユーザーが直接作ることが可能な調整数を最小にするように、いくつか適用することが望ましい。
【００３２】
停止手段を調整する主な目的は、キーボード棚４の地面に対する角度を調整することである。停止手段が前方に位置するほど、棚ブラケット４の前部は高くなり、その逆はその反対になる。棚ブラケット４の水平方向を調整するもう１つの手段は、図１に示すロッキングノブ３１によるものであり、これは停止手段２３が調整できないときに特に役立つ。ボルト１４はロッキングノブ３１にねじ込まれる。ロッキングノブ３１を回しても、ボルト１４は、その方形の端部と横方向の開口１６との相互作用により回らない。ロッキングノブ３１とボルト１４とをネジで接続することにより、ロッキングノブ３１がスペーサー４１の方へ移動し、サイドアーム５と下アーム１７とがスペーサー４１に接触する。結局これによって、システムは、下アーム１７やサイドアーム５がボルト１４に対して回転や横ずれができない箇所に固定される。下アーム１７の「圧搾」を容易にするために、穴２０の周囲に近接する下アーム１７の後部は、第４枢軸ロッド１８の周囲に近接するその前部とは異なり、穴２０に接続する底部を有していない。
【００３３】
ロッキングノブ３１を使用するときは、棚ブラケット４の前部を傾かせ、停止手段２３からサイドアーム５を引き出し、そしてロッキングノブを固定してこの位置に棚ブラケット４をロックすることによって、棚ブラケット４の角度が調整できる。停止手段２３から引き出された位置でサイドアーム５を「ロック」することにより、棚ブラケット４の角度は停止手段２３を用いることによって可能となる角度から変えることができる。ロッキングノブ３１を使用することが好ましいのは、１つのサイドアーム５と１つの停止手段２３のみが使用されるとき、および停止手段２３が移動できないときである。ロッキングノブもまた、可動停止手段に結合して使用できる。
他の同様の、公知の摩擦によるシステム、例えばハンドル付き停止手段のようなシステムは、ロッキングノブ３１の代わりに使用できる。
【００３４】
棚ブラケットの使用又は収納中におけるデスクトップ３６に対する高さは、サイドアーム５と停止手段２３との相互作用によって制御される。各サイドアーム５は停止手段２３の第１端部２４に接触し、サイドアーム５の後方への移動を停止させ、棚ブラケット４を地面に対して一定角度に保つ。棚ブラケット４の前部を上に傾けることによって、各サイドアーム５はその各停止手段２３から引き出され、補助棚機構１の垂直移動が可能になる。棚ブラケット４の前部がもとに戻されると、各サイドアーム５は、再び各停止手段２３に接触する。各サイドアーム５のカーブ端部２１は、摩擦のために各停止手段２３に対して摺動しない。棚ブラケット４に追加の荷重をかけることによって、サイドアーム５のカーブ端部２１が各停止手段２３を「突き」、さらに補助棚機構１の垂直方向の移動が阻止される。
【００３５】
この摩擦による移動の防止は、好ましい形態の停止手段２３を使用することにより増大する。この好ましい実施態様において、停止手段２３の第１端部２４は凹状であり、機構の外側へ（つまり、装着ブラケットの方に）向く４５度の面を有する。（当業者には容易に分かることであるが、その面の角度は変えることができる。）これは図１０にさらに詳しく示されている。この面は、図１１に示すように停止手段と装着ブラケットによって作られる角にサイドアームを案内する。この構成から生じる摩擦の増大によって、補助棚機構１の垂直方向の安定性が増す。
【００３６】
補助棚機構１の垂直方向の安定性を改良する他の手段は、停止手段２３の第１端部２４上の一連の歯と噛み合うことが可能な一連の歯をサイドアーム５のカーブ端部２１に設けることである。カーブ端部２１と第１端部２４の歯の相互作用によって補助棚機構１の垂直方向の動きが防止される。図１２に示すさらに他の手段は、ピン４４の手段によってサイドアーム５のカーブ端部２１に、軸支されるサイドアームカム４５を付設することである。軸支されたサイドアームカム４５の湾曲と第１端部２４の湾曲とは相互に補足し合うものであり、したがって表面間の接触面積と摩擦量を最大にし、その結果、補助棚機構１の垂直方向の安定性が増大する。
【００３７】
補助棚機構１を垂直方向に安定させる前述の方法はいずれも、他のいずれかと組合わせて使用してもよい（例えば、歯が、軸支されたサイドアーム４５と停止手段２３の屈曲面２４に設けられてもよい）。
【００３８】
どのようなシステムが補助棚機構１の垂直方向の位置を安定化するために用いられようとも、停止手段／サイドアーム機構の使用により、ユーザーはキーボードの回りに手をぎこちなく延ばしてレバーやノブを手探りする必要なしに、容易に直観的にキーボードの高さを調整することができる。さらに、このシステムはまた、機構的に極めて簡単であり、従来技術の装置の複雑なロッキング機構を必要としないので、従来の装置を著しく改良することになる。
【００３９】
図６はそれによって補助棚機構１を横方向に移動させる手段を示す。装着トラック２２は机３６の下側に付設され、普通はテスクトップ３６の前側エッジに垂直である。装着トラック２２の外側のエッジは、内向きに対面する一対のＣ字形のブラケット３４を形成するような形態を有する。旋回ブラケット３２はＣ字形ブラケット３４に嵌入する形状を有する。旋回ブラケット３２（および補助棚機構１の台）は、その機構をトラックに沿って単に前後に押すことによって移動させることができる。補助棚機構１の不要な横方向の動きは、旋回ブラケット３２とＣ字形ブラケット３４との間の摩擦によって制御される。さらに、棚ブラケット４に荷重がかかったとき（例えば、キーボード及び／又は両手がその上に置かれたとき）、これによって旋回ブラケット３２が前方に傾く傾向があり、旋回ブラケット３２の後部がＣ字形ブラケット３４の上部に接触し、補助棚機構１の横方向の動きに対する摩擦抵抗が増大する。望むならば、追加のロッキング機構を設けて横方向の動きを防止してもよいが、そのような機構は一般的に不要であり、補助棚機構１の位置調整をやりにくくする。補助棚機構１が装着トラック２２から床へすべり落ちないようにする機械的な障害物（図示しない）をＣ字形ブラケット３４のいずれかの端部に設けてもよい。
【００４０】
Ｃ字形ブラケット３４の変形として、米国特許第４，６４４，８７５号に記載されているような下向きのＴ字形トラックを装着ブラケット上の互換性のある構造物に接続して用いてもよい。机の下側に補助棚機構を設置するために他の公知の手段も使用できる。
【００４１】
旋回ブラケット３２は、図示しないリベットにより、旋回ブラケットアセンブリイ３３と、装着ブラケット３と、装着ブラケット支持体６とに付設される。
大きなワッシャ３５が旋回ブラケット３２と装着ブラケット３との間に嵌着される。そのワッシャは、金属を含むかなり多くの硬質のすべりやすい材料から作られてもよいが、ポリエチレンのような硬質プラスチックで作られることが好ましく、ナイロンで作られることが最も好ましい。装着ブラケット支持体６は装着ブラケット３の内側に付設される。一般に、その付設物は（例えば、スポット溶接やフラットリベットにより）固着される。したがって、補助棚機構１に対して横向きの力が働くと、装着ブラケット３は旋回ブラケット３２に対してリベットを中心に回転する傾向があるが、装着トラック２２のＣ字形ブラケット３４によってその回転が防止される。したがって、補助棚機構１は、図４に示すように装着トラック２２とデスクトップに対して回動することができる。ここに説明した回転機構は公知の技術であり、他の公知の機構も使用可能である。
【００４２】
補助棚機構１の構成に使用する材料は色々あるが、ほとんどの構成要素に対しては剛性を有する材料であり、好ましくは鋼鉄や他の金属又は合金である。好ましい実施態様においては、サイドアーム５のカーブ端部２１と停止手段２３の第１端部２４は十分に粗い表面を有するので、互いに摺動し合う能力を制限し、上述のようにシステムを適所にロックし、システムの垂直方向の安定性を増大させる。
【００４３】
この発明の他の利点は、棚ブラケットが補助棚機構１の地面に最も近い部分であることである。前述の米国特許第５，２５７，７６７号と第４，６１６，７９８号に示される他の従来技術の機構のように、棚ブラケット４の下方に突出するものは何もない。したがって、キーボードを机の下に押し下げると、足元の空間は最大となる。これは、装着ブラケット３を棚ブラケット４に接続する種々のアームを棚ブラケット４の上と横に付設することによって達成される。
【００４４】
本発明者らは、棚ブラケットに、連結手段に付設を可能にするための上方延出片を設けることによって、機構全体の縦断面が短縮でき、キーボードを机の下に設置したときに、ユーザーの利用する足元の空間が増大することを見出した。したがって、この発明の他の観点によれば、デスクトップに補助棚（又はキーボード棚）が付設され、補助棚がデスクトップに対して水平および垂直に移動可能であり、その付設物は補助棚の底面より下に延びるものが何も無いように作成される。このように構成することにより、補助棚の下の足元の空間は最大となる。補助棚と机の間の付設物は平行四辺形の連結機構か、非平行四辺形の連結機構か、又はこの出願で詳述したタイプの連結機構（つまり、上アームとサイドアームと停止手段）のいずれかによって作ることができる。
【００４５】
このタイプの付設物を完成させる１つの手段には、後方側に付設された垂直方向片を有する補助棚を用いる。この垂直方向片に連結機構を付設すれば、補助棚の下方に何も突出させる必要がなくなる。例えば、特に図示した上アームとサイドアームと停止手段とのシステムに代えて、より多くの従来の平行四辺形または非平行四辺形の連結機構が使用できるように棚ブラケット４が形成される。これには、もちろん当業者に明白な他の付設物を使用してもよい。
【００４６】
【発明の効果】
この発明によれば、机の下側とキーボード棚との間のユーザーの利用可能な脚の場所を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の補助棚機構の分解斜視図である。
【図２】補助棚機構を下方に引っ込めた位置における側面図であり、補助棚機構の見えない部分は点線で示している。なお、キーボードも点線で示しているがこの発明の一部ではない。
【図３】この発明の補助棚機構に使用する調整可能な停止手段の平面図である。
【図４】延ばされた上方位置における補助棚機構を示し、図２と同様の側面図である。
【図５】机に取付けられた補助棚機構を示す平面図であり、点線の机に対し補助棚機構がどのように回動するのかを点線で示している。
【図６】図４に示したように補助棚機構を回動させる手段を示す補助棚機構の正面図である。
【図７】移動可能な停止手段を示すこの発明の別の態様の一部の側面図であり、点線は別の位置における停止手段を示している。
【図８】移動可能な停止手段の少し異なる詳細を示す、図７に示したこの発明の別の態様の一部の側面図である。
【図９】移動可能な停止手段を示すこの発明の態様の平面図である。
【図１０】搭載ブラケットの一部と連動する面取り面を備えた停止手段を示すこの発明の態様の一部の平面図である。
【図１１】面取り面を備えた停止手段と搭載ブラケットの一部に側腕を追加したものを示す図１０と同様の図である。
【図１２】停止手段と結合した側腕のもう１つの態様を示す側面図である。
【図１３】移動可能な停止手段の別の態様を示す斜視図である。
【図１４】図１３に示した態様の下平面図である。
【図１５】図１３に示した停止手段の移動に用いられる機構の一要素を示す斜視図である。
【図１６】図１３に示した停止手段の移動に用いられる機構の他の要素を示す斜視図である。
【図１７】移動可能な停止手段の他の態様を示す斜視図である。
【図１８】図１７に示した態様の下平面図である。
【図１９】図１７に示した停止手段の移動に用いられる機構の一要素を示す斜視図である。
【符号の説明】
１ 補助棚機構
２ 上アーム
３ 装着ブラケット
４ 棚ブラケット
５ サイドアーム
６ 装着ブラケット支持体
７ 第１枢軸ロッド
１１ 第２枢軸ロッド
１３ 第３枢軸ロッド
１４ ボルト
１６ 第１開口
１７ 下アーム
１８ 第４枢軸ロッド
２０ 第２開口
２１ カーブ端部
２２ 取付けトラック
２３ 停止手段
２４ 第１端部
２５ キーボード
２６ 取付け穴
２７ ノブ
２８ ネジ式ボルト
２９ ネジ穴
３２ 旋回ブラケット
３３ 旋回ブラケット支持体
３６ 机
３９ ねじりバネ
４１ スぺーサー

Claims (3)

1. 補助棚を机に取付けるための手段を備え、補助棚が机に対し移動可能となるように補助棚を垂直および水平方向に位置づける補助棚機構であって、関節接合アーム機構を備えてなり、その関節接合アーム機構が、
   (a) 前端と後端を有し、前端が後端よりも机の前部に近接した装着ブラケットと、
   (b) 後部が前記装着ブラケットに最も近接した端部として形成され、その端部に設けられた第１枢軸位置で前記装着ブラケットに回動可能に接続された上アームと、
   (c) 後部が前記上アームに最も近接した端部として形成され、その端部に設けられた第２枢軸位置で前記上アームに回動可能に接続された棚ブラケットと、
   (d) 前部が前記棚ブラケットに最も近接した端部として形成され、その端部に設けられた第３枢軸位置で前記棚ブラケットに回動可能に接続されるとともに、後部が前記装着ブラケットに最も近接した端部として形成され、その端部に設けられた第４枢軸位置で前記装着ブラケットに取付けられたアームであって、前記装着ブラケットに対し第４枢軸位置の回りで回動可能でかつ第４枢軸位置に対してアームの長手方向に沿った移動が可能な第１開口を有したサイドアームと、
   (e) サイドアームが第４枢軸位置に対してサイドアームの長手方向に沿って移動した時にはサイドアームの後部が当接し、それによってサイドアームの移動を阻止することが可能な第１端部を有する停止手段からなり、
   サイドアームと上アームが実質的に互いに平行でない改良型補助棚機構。
2. 第１枢軸位置、第２枢軸位置、第３枢軸位置及び第４枢軸位置が平行四辺形の連結機構をなす請求項１記載の改良型補助棚機構。
3. 第１枢軸位置、第２枢軸位置、第３枢軸位置及び第４枢軸位置が非平行四辺形の連結機構をなす請求項１記載の改良型補助棚機構。

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