JP4179703B2 - ポリアミドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミドの製造方法およびポリアミド製造用の中間体である一次重縮合物の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、特定のジカルボン酸成分および特定のジアミン成分を用いて、所定量の水の存在下に、所定の反応温度および所定の反応圧力下で重縮合反応を行って一次重縮合物を生成させ、その一次重縮合物を前記重縮合反応時におけるのと同じ範囲内の温度および水分量下に反応容器から大気圧雰囲気中に取り出すことによる一次重縮合物の製造方法、並びに前記で得られる一次重縮合物を高重合度化してポリアミドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ナイロン6、ナイロン66などに代表される結晶性ポリアミドは、その優れた特性と溶融成形の容易さから、衣料用、産業資材用繊維、エンジニアリングプラスチックなどとして従来から広く用いられている。しかしながら、その一方で、これらの汎用のポリアミドは、耐熱性の不足、吸水による寸法安定性不良などの点で問題があることが指摘されている。特に、近年になって、電気・電子部品、自動車部品、エンジニアリングプラスチックなどの分野で用いられるポリアミドに対して高度な性能が要求されている。例えば、電気・電子分野では表面実装技術(SMT)の発展に伴ってリフローハンダ耐熱性などの高い耐熱性が求められるようになっている。また、エンジンルーム部品などの自動車部品においても、従来よりも一層耐熱性に優れるポリアミドが求められている。しかも、ポリアミドの用途の拡大とも相俟って、電気・電子部品および自動車部品のみならず、他の用途分野においても、物性および機能に一層優れるポリアミドが求められており、特に、高耐熱性と併せて、寸法安定性、力学的特性、耐薬品性、重合時や成形加工時の取り扱い性などに一層優れるポリアミドの開発が急務である。
【0003】
上記した要求に対して、(1)ジカルボン酸成分として、テレフタル酸とイソフタル酸またはアジピン酸を主成分として用い、ジアミン成分として1,6−ヘキサンジアミン等を主成分として用いて半芳香族ポリアミドを製造する方法(特開昭61−228022号公報、特開平3−72564号公報、特開平8−59825号公報、特開平8−198963号公報等)、(2)1,4−ブタンジアミンとアジピン酸を用いてポリアミドを製造する方法(米国特許第4,722,997号明細書)が提案され、一部は実用化されている。
【0004】
ポリアミドの製造に当たっては、加圧した反応容器を用いてバッチ式でジカルボン酸成分とジアミン成分を直接溶融重合させ、そこで生成したポリアミドを溶融状態で反応容器から取り出す方法が従来広く採用されてきた。しかし、その場合には、反応の後期および反応容器からの取り出し時に、生成したポリアミドを融点以上の高温に長く保つ必要があり、そのために熱による劣化を生じ易く、ポリアミドの品質低下を生じていた。
特に、上記した(1)の従来技術で得られる半芳香族ポリアミド、および上記した(2)の従来技術で得られる1,4−ブタンジアミンとアジピン酸とからなるポリアミドは、一般にその融点と分解温度が接近しているため、従来のバッチ式の直接溶融重合法を行うと生成したポリアミドの熱分解が生じ易く、ポリアミドの熱分解を伴わずに高分子量化することは困難である。
【0005】
そのため、上記した(1)および(2)の従来技術では、モノマーの直接溶融重合によってポリアミドを製造する代わりに、モノマー原料を用いてまず低次縮合物(一次縮合物)をつくり、その低次縮合物を高重合度化してポリアミドを製造する方法が採用されている。
しかしながら、上記(1)の従来技術による場合は、ジアミン成分として1,6−ヘキサンジアミンを用いると、ポリマー中のアミド基の濃度が高くなって、耐薬品性、低吸水性、溶融安定性が不十分になる。また、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸以外にイソフタル酸および/またはアジピン酸を相当量共重合している。イソフタル酸を共重合した場合は、結晶化度の低下を招き、耐熱性、耐薬品性、低吸水性、寸法安定性などが低下する。また、アジピン酸を共重合した場合は、耐熱性、溶融安定性が低下する。
また、上記(2)の従来技術で得られるポリアミドは、脂肪族ポリアミドの1種であるポリ(テトラメチレンアジパミド)であるために、やはり耐熱性、耐薬品性、低吸水性などの要求を充分に満足するものではない。
【0006】
しかも、上記した(1)の従来技術のうちで、特開昭61−228022号公報および特開平3−72564号公報に記載の方法では、そこで得られる低次縮合物は極限粘度が低く、そのために該低次縮合物をそのまま直接固相重合に付すことができない。そのため、これらの公報に記載された方法では、そこで得られた低次縮合物を溶融重合して一旦プレポリマーを製造した後、そのプレポリマーを固相重合して半芳香族ポリアミドを製造するという、多段階の重合工程を採用している。したがって、これらの公報に記載されている従来技術の場合は、ポリアミドの製造工程および設備が複雑になり、手間およびコストがかかるものとなっている。しかも、これらの公報に記載されている従来技術では、生成した低次縮合物を反応容器から取り出すに当たって、取り出し時の差圧を小さくするために所定圧力に調節した圧力容器を反応容器の出口に併設しておき、その圧力容器中に低次縮合物を取り出す方法を採用している(特に特開平3−72564号の実施例1を参照)。その結果、低次縮合物の反応容器外への取り出し用に、特別に調圧した圧力容器が必要であり、工程管理および設備の点で手間およびコストのかかるものとなっている。
【0007】
また、上記(1)の従来技術のうちで、特開平8−59825号公報に記載されている方法では、テレフタル酸およびアジピン酸と1,6−ヘキサンジアミンから主としてなるモノマー原料を用いる一次縮合物の製造工程を、実際には280℃を超える高い温度で行っているため、一次縮合物の熱劣化を生じ易いという問題がある。しかも、この公報に記載されている方法では、一次縮合物を製造する際の圧力が23kg/cm2−G未満と低いために、一次縮合物の製造時にモノマーの揮発量が多く、生成する一次縮合物における各モノマー単位の割合が反応容器に仕込んだモノマー成分の割合と大きく異なるものとなり、モルバランスが崩れ易いという欠点がある。
また、上記(1)の従来技術のうちで、特開平8−198963号公報に記載されている方法では、テレフタル酸および/またはアジピン酸と1,6−ヘキサンジアミンおよび/またはドデカメチレンジアミンから主としてなるモノマー原料を用いて得られる一次縮合物が高度に発泡していて(発泡倍率が5倍以上)、嵩比重が低い。そのため、一次縮合物を高重合度化する後工程で、一次縮合物粒子の崩壊、重合容器への付着などが生じ易く、取り扱い性に劣り、しかも重合容器などにおける容積効率が低くなるという問題がある。
しかも、これらの特開平8−59825号公報および特開平8−198963号公報に記載されている方法では、一次縮合物の生成後に、反応容器内に水を別途供給しながら一次縮合物を反応容器から取り出すという方法を採用しており、反応容器からの一次縮合物の取り出しに手間がかかるものとなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性、力学性能、低吸水性、耐薬品性などの性能に優れるポリアミドを、良好な工程性で生産性良く製造することのできる方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、熱劣化が少なく、しかも極限粘度が充分に高くて、凝集や融着などを生ずることなく固相重合により高重合度化することができ、また溶融重合による高重合度化を行った場合にも副反応による劣化の少ない、一次重縮合物の製造方法、および該一次重縮合物を用いるポリアミドの製造方法を提供することである。
そして、本発明の目的は、嵩比重の高い非発泡の粉粒体状を呈し、それによって高重合度化などの後工程で該粉粒体の崩壊、器壁への付着、凝集などが生じにくく、取り扱い性に優れ、しかも高重合度化装置などの後工程装置の容積効率を向上させることのできる一次重縮合物の製造方法、および該一次重縮合物を用いるポリアミドの製造方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、反応容器から一次重縮合物を取り出す際に、加圧容器のような特別に調圧された取り出し容器を使用しなくても、さらには水を反応容器に別途供給しなくても、反応容器中で生成した一次重縮合物を大気圧雰囲気中にそのまま簡単に取り出すことができ、それによって前記した優れた特性を有する一次重縮合物、更にはポリアミドを簡便に且つ生産性良く製造することのできる方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、一次重縮合物を生成させ、その一次重縮合物を高重合度化してポリアミドを製造するに当たって、テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60〜100モル%であるジアミン成分を特に選択して用いて、それらのジカルボン酸成分およびジアミン成分を、15〜35重量%の水分量下に、250℃〜280℃の反応温度、および該反応温度での水の飽和蒸気圧の0.7倍から1倍の間の反応圧力下で重縮合反応させて一次重縮合物を生成させ、そしてそれにより得られる一次重縮合物を前記と同じ温度および水分量の範囲内にある時に反応容器から大気圧雰囲気中に取り出すと、高品質の一次重縮合物を簡単に且つ生産性良く製造できること、そしてその一次重縮合物を高重合度化することによって、耐熱性、力学性能、低吸水性、耐薬品性などの性能に優れるポリアミドが得られることを見出した。
特に、本発明者らは、前記した方法により得られる一次重縮合物は、熱劣化が少ないこと、極限粘度が高くてそのまま固相重合することができること、また溶融重合により高重合度化した場合にも副反応による劣化が少ないこと、しかも嵩比重の高い非発泡の粉粒体状を呈していて取り扱い性に優れ且つ重合装置などにおける容積効率を高め得ることを見出した。
さらに、本発明者らは、上記した一次重縮合物の合成反応をリン系触媒の存在下に行うと、重縮合反応が一層円滑に進行して、着色、ゲル化、劣化などのない、品質に一層優れる一次重縮合物が得られること、そして上記した一次重縮合物の合成反応を末端封止剤の存在下に行うと、適度な分子量を有し、しかも溶融安定性に一層優れる一次重縮合物が得られることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
【0010】
したがって、本発明は、(i) テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分、並びに1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60〜100モル%であるジアミン成分を、15〜35重量%の水分量下に、反応温度250℃〜280℃および下記の式(1)を満足する反応圧力(P);
【0011】
【数3】
0≧P≧0.7P0 (1)
(式中、P0は反応温度での水の飽和蒸気圧を示す。)
の条件下で重縮合反応させて一次重縮合物を生成させ;
(ii) 前記(i)で生成した一次重縮合物を、温度および水分量が前記した反応温度および水分量の範囲内にある時に、反応容器から大気圧雰囲気中に取り出し;次いで、
(iii) 前記(ii)で取り出した一次重縮合物を、固相重合または溶融重合して高重合度化する;
ことを特徴とするポリアミドの製造方法である。
【0012】
そして、本発明は、(i) テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分、並びに1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60〜100モル%であるジアミン成分を、15〜35重量%の水分量下に、反応温度250℃〜280℃および下記の式(1)を満足する反応圧力(P);
【0013】
【数4】
0≧P≧0.7P0 (1)
(式中、P0は反応温度での水の飽和蒸気圧を示す。)
の条件下で重縮合反応させて一次重縮合物を生成させ;次いで、
(ii) 前記(i)で生成した一次重縮合物を、温度および水分量が前記した反応温度および水分量の範囲内にある時に、反応容器から大気圧雰囲気中に取り出す;
ことを特徴とする一次重縮合物の製造方法である。
【0014】
そして、本発明は、上記したポリアミドの製造方法および一次重縮合物の製造方法において、一次重縮合物を製造するための上記した重縮合反応を、リン系触媒および/または末端封止剤の存在下に行う場合、特にリン系触媒と末端封止剤の存在下に行う場合を好ましい態様として包含する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明においては、一次重縮合物を製造するためのモノマー原料として、テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分、および1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合(これらの2つのジアミンを含有する場合はその合計量)が60〜100モル%であるジアミン成分を用いることが必要である。
また、ジカルボン酸成分におけるテレフタル酸の含有割合が60モル%未満であると、得られるポリアミドの耐熱性、耐薬品性などの諸物性が低下するため好ましくない。また、ジアミン成分における1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60モル%未満であると、得られるポリアミドの耐熱性、耐薬品性、低吸水性、溶融安定性などの諸物性が低下するため好ましくない。
【0016】
本発明では、テレフタル酸の含有割合が75〜100モル%のジカルボン酸成分を用いることが好ましい。
そして、本発明では、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が75〜100モル%のジアミン成分を用いることが好ましく、90〜100モル%のジアミン成分を用いることがより好ましい。
本発明で用いるジアミン成分は、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの一方のみを含有していても、または両方を含有していてもよい。そのうちでも、1,9−ノナンジアミン単独であるかまたは1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの両方からなることが好ましい。
【0017】
テレフタル酸と共に40モル%未満の割合で用い得る他のジカルボン酸成分としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2ーメチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を挙げることができ、これらの他のジカルボン酸成分の1種または2種以上を使用することができる。テレフタル酸と共に他のジカルボン酸成分を用いる場合は、前記したもののうちでも、芳香族ジカルボン酸が耐熱性に優れるポリアミドが得られる点から好ましく使用される。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸成分を少量併用してもよい。
【0018】
1,9−ノナンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンと共に40モル%未満の割合で用い得る他のジアミン成分としては、例えば、エチレンジアミン、プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンなどの直鎖脂肪族ジアミン;3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの分岐を有する鎖状脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン;メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルナンジメタナミン、トリシクロデカンジメタナミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどを挙げることができ、これらの他のジアミン成分の1種または2種以上を使用することができる。
1,9−ノナンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンと共に他のジアミン成分を用いる場合は、ポリアミドの耐熱性、耐薬品性、溶融安定性などの性質が優れたものとなる点から、他のジアミン成分として、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンの1種または2種以上が好ましく用いられる。
【0019】
テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分(以下単に「ジカルボン酸成分」ということがある)と、1,9−ノナンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンを主成分とするジアミン成分(以下単に「ジアミン成分」ということがある)を重縮合反応させて一次重縮合物を製造するに当たっては、例えば、(1)ジカルボン酸成分を遊離のジカルボン酸の形態で用い且つジアミン成分を遊離のジアミンの形態で用いて一次重縮合物を製造する方法、(2)ジカルボン酸成分とジアミン成分から予め塩(ナイロン塩)を形成しておき、それを用いて一次重縮合物を製造する方法、(3)遊離のジカルボン酸成分、遊離のジアミン成分、およびジカルボン酸成分とジアミン成分との塩を用いて一次重縮合物を製造する方法などを採用することができる。
また、一次重縮合物を製造する際のカルボキシル基とアミノ基の割合は、カルボキシル基1当量に対してアミノ基0.95〜1当量とするのが、重縮合反応が円滑に進行し、極限粘度の高い一次重縮合物が得られる点、および溶融安定性が優れる点から好ましい。
【0020】
本発明では、ジカルボン酸成分とジアミン成分との重縮合反応を、15〜35重量%の水分量下に行うことが必要であり、20〜30重量%の水分量下に行うことが好ましい。ジカルボン酸成分とジアミン成分の重縮合反応時に、反応系での水分量が15重量%未満であると、重縮合反応中または一次重縮合物の取り出し時に固化が生じて重縮合反応が円滑に進行しなくなったり、内容物を反応容器から取り出すことができなくなるなどのトラブルが生じ易くなる。しかも、反応容器から取り出した一次重縮合物が発泡して嵩比重が小さく、取り扱い性に劣ったり、後工程でも容積効率の向上に寄与しないものになり易い。一方、重縮合反応時に反応系での水分量が35重量%を超えると、反応速度が遅くなり、しかも平衡重合度が低くなり、その結果重縮合反応に長時間を要するようになったり、生成する一次重縮合物の極限粘度が大幅に低くなって固相重合が困難になり易い。
なお、本明細書でいう上記「水分量」とは、反応系の全重量(反応混合物を形成する液体成分および固体成分の全重量)に基づく水分量をいう。
【0021】
ジカルボン酸成分とジアミン成分を重縮合反応させる際に、反応系での水分量を上記した15〜35重量%の範囲にする方法は特に制限されないが、例えば、・反応系での水分量が15〜35重量%になるようにしてジカルボン酸成分およびジアミン成分の一方または両方(遊離のジカルボン酸、遊離のジアミンおよび/またはジカルボン酸とジアミンとの塩等)の水溶液または水性スラリーを予め調製しておき、それらの水溶液または水性スラリーを反応容器に供給する方法;・ジカルボン酸成分およびジアミン成分(遊離のジカルボン酸、遊離のジアミンおよび/またはジカルボン酸とジアミンとの塩など)並びに水を、反応系の水分量が15〜35重量%になるような量で、そのまま反応容器に個別に直接供給する方法;
・ジカルボン酸成分およびジアミン成分の一方または両方(遊離のジカルボン酸、遊離のジアミンおよび/またはジカルボン酸とジアミンとの塩など)を、取り扱いが容易なように低濃度の水溶液または水性スラリーの形態にして反応容器に供給した後、昇温中、あるいは重縮合反応の途中に過剰の水を放出させて、反応時の水分量を最終的に15〜35重量%にする方法;
などを採用することができる。
【0022】
本発明では、上記した15〜35重量%の水分量下に、ジカルボン酸成分およびジアミン成分を、反応温度250℃〜280℃、および下記の式(1)を満足する反応圧力(P)で重縮合反応させて、一次重縮合物を製造する。
【0023】
【数5】
0≧P≧0.7P0 (1)
(式中、P0は反応温度での水の飽和蒸気圧を示す。)
【0024】
一次重縮合物の製造時に、その反応温度が250℃よりも低いと、重縮合反応の速度が遅くなり、しかも極限粘度の高い一次重縮合物が得られなくなる。一方、該反応温度が280℃を超える場合は、得られる一次重縮合物が劣化したり、着色する恐れがある。一次重縮合物の製造時の反応温度が260〜275℃であることが好ましい。
【0025】
また、一次重縮合物の製造時に、その反応圧力を上記した0.7P0(反応温度での水の飽和蒸気圧の0.7倍)よりも低くするためには、放圧しながら反応させる必要があるため、反応容器内の水蒸気が必要以上に系外に放出されることになる。その結果、水だけではなく、モノマー、オリゴマーなどの反応系外への揮散も多くなり、一次重縮合物におけるジアミン成分、ジカルボン酸成分のモルバランスが崩れ、その後の高重合度化で所望の重合度に達しなかったり、無視できない程度に副反応が進行し易くなる。
【0026】
本発明では、重縮合速度の増加および重縮合反応時の劣化防止などの点から、一次重縮合物を生成させるための上記した重縮合反応をリン系触媒の存在下に行うことが好ましい。リン系触媒としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、またはそれらの塩、エステルなどを挙げることができる。そのうちでも、一次重縮合物、ひいてはそれを高重合度化して得られるポリアミドの品質(特に耐熱性、色調などの品質)が良好なものとなることから、次亜リン酸またはその誘導体が好ましく用いられ、特に次亜リン酸ナトリウムが前記した品質向上効果に加えて、価格および取り扱い易さの点で優れていることからより好ましく用いられる。リン系触媒の使用量は、ジカルボン酸成分およびジアミン成分の総量に対して0.01〜5重量%であるのが好ましく、0.05〜2重量%であるのがより好ましく、0.07〜1重量%であるのが特に好ましい。リン系触媒の使用量が0.01重量%よりも少ないと、重合速度がリン系触媒を使用しない場合とほとんど変わらず、また得られる一次重縮合物に着色、劣化などが生ずる場合がある。一方リン系触媒の使用量が5重量%を超えると、重合度の低下、一次重縮合物の着色、ゲル化などが生じ易くなる。
【0027】
また、本発明では、上記した重縮合反応を末端封止剤の存在下に行うことが好ましく、末端封止剤を使用すると、一次重縮合物の分子量調節がより容易になり、しかも一次重縮合物の溶融安定性が向上する。末端封止剤としては、一次重縮合物における末端アミノ基または末端カルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はなく、例えばモノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを挙げることができる。そのうちでも、反応性および封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノアミンが末端封止剤として好ましく用いられ、前記した特性に加えて、取り扱いが容易である点からモノカルボン酸がより好ましく用いられる。
【0028】
末端封止剤として好ましく使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するモノカルボン酸であれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイン酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。そのうちでも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が特に好ましい。
【0029】
末端封止剤として好ましく使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するモノアミンであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン、またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。そのうちでも、反応性、沸点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが特に好ましい。
【0030】
一次重縮合物を製造する際の末端封止剤の使用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによって異なり得るが、通常、ジカルボン酸成分とジアミン成分の総モル数に対して0.1〜15モル%の範囲内で使用することが好ましい。
【0031】
一次重縮合物を生成させるための重縮合反応は、反応容器から取り出された後の一次重縮合物の極限粘度[η]が、濃硫酸中、30℃で測定したときに、0.08dl/g以上になるように行うことが好ましく、0.12dl/g以上になるように行うことがより好ましく、0.15dl/g以上になるように行うことが更に好ましい。
一次重縮合物を得るための反応時間は、反応温度、水分量などによって異なり得るが、上記した本発明の反応条件に従って重縮合反応を行う場合は、通常、5時間以内で、上記した0.08dl/g以上の極限粘度を有する、重合度の充分に高い一次重縮合物を生成させることができる。
【0032】
本発明では、一次重縮合物を得るための重縮合反応を、バッチ式で行ってもまたは連続式で行ってもよい。
また、反応容器への一次重縮合物の付着防止、重縮合反応の均一な進行、粒径の揃った一次重縮合物粉粒体の生成などの点から、一次重縮合物を生成させるための重縮合反応を、撹拌下に行うことが好ましい。
【0033】
次いで、上記で生成した一次重縮合物を反応容器から取り出す。一次重縮合物の反応容器からの取り出しは、反応系の温度が上記した250〜280℃の範囲内にあり且つ反応系における水分量が上記した15〜35重量%の範囲内にある時に、一次重縮合物を反応容器から大気圧雰囲気中に取り出すことにより行う。かかる本発明の取り出し法による場合は、所定圧力に調節した取り出し用の圧力容器を使用する必要がなく、しかも反応容器内に水を別途供給しながら一次重縮合物を反応容器から取り出すという手間も要らず、反応容器中の内容物を前記した温度および水分量下に大気圧雰囲気中にそのまま取り出すだけで、熱劣化が少なく、極限粘度が充分に高く、しかも嵩比重の高い、非発泡の粉粒体状(粉末状または顆粒状)を呈する一次重縮合物を、極めて簡単に且つ生産性良く得ることができる。
【0034】
反応容器からの一次重縮合物の取り出し速度は、反応容器の規模、反応容器内の内容物の量、温度、取り出し口の大きさ、取り出しノズル部の長さなどに応じて調節し得るが、一般には、取り出し時の線速度が10〜100m/秒の範囲内であるようにして取り出すことが、取り出し時間の短縮による生産性の向上、取り出し容器への一次重縮合物の付着防止などの点から好ましい。そして、反応容器から取り出された一次重縮合物は、取り出しの際の水の蒸発潜熱によってその温度が瞬時に100℃以下に低下するため、一次重縮合物を大気圧下にある空気中に取り出しても酸素による劣化はほとんど生じない。しかしながら、一次重縮合物の酸化劣化を一層低減させ得る点から、大気圧下にある窒素雰囲気中に取り出すことが好ましい。
【0035】
上記によって、濃硫酸中、30℃で測定した極限粘度[η]が、好ましくは0.08dl/g以上、より好ましくは0.12dl/g以上、さらに好ましくは0.15dl/g以上である一次重縮合物が得られる。
これにより得られる一次重縮合物は、極限粘度が前記のように充分に高いために、高重合度化に際して、一次重縮合物粒子や粉末間の融着や凝集を生ずることなく高い温度で固相重合を行うことができ、また高重合度化を溶融重合により行う場合にも副反応による劣化が少ない。
また、上記により得られる一次重縮合物は、通常、0.25以上の高い嵩比重を有する非発泡の粉粒体または顆粒である。そのため、高重合度化などを行うための後工程で、崩壊、凝集、器壁への付着などが生じにくく、取り扱い性に優れ、しかも重合装置などに多く充填することが可能で後工程装置の容積効率を向上させることができる。
また、必要に応じて、上記で得られる一次重縮合物の嵩比重を一層高めたり、粒径を揃えるためのコンパクティング処理や、造粒処理を更に施してもよい。
【0036】
上記において反応容器から取り出した一次重縮合物を高重合度化してポリアミドを製造する。一次重縮合物の高重合度化は、反応容器からの取り出しにそのまま引き続いて行っても、反応容器から取り出した一次重縮合物を乾燥した後に行っても、反応容器から取り出した一次重縮合物を一旦貯蔵した後に行っても、または反応容器から取り出した一次重縮合物に前記したコンパクティング処理や造粒処理を施した後に行ってもよい。
一次重縮合物の高重合度化は、固相重合および溶融重合のいずれで行ってもよい。固相重合により高重合度化する場合は、熱劣化のより少ないポリアミドを得ることができ、また溶融重合により高重合度化する場合は重合を短時間で行うことができる。本発明では、一次重縮合物の高重合度化を固相重合により行うことが、得られるポリアミドの耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、色調などの諸物性が優れる点から好ましい。
【0037】
一次重縮合物を固相重合する際の重合方法および条件は特に制限されず、一次重縮合物の融着、凝集、劣化などを生ずることなく固体状態を保ちながら高重合度化を行える方法および条件であればいずれであってもよい。そのうちでも、一次重縮合物を融点以下の温度、通常200〜280℃の温度雰囲気中で、軽く撹拌しながら、約2〜20時間かけて重合させる方法が好ましく採用される。一次重縮合物および生成するポリアミドの酸化劣化を防止するために固相重合も窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
【0038】
また、一次重縮合物を溶融重合する際の重合方法および条件も特に制限されず、熱劣化を最小限に抑制しながら一次重縮合物を溶融状態で高重合度化し得る方法および条件であればいずれであってもよい。一般的には、一次重縮合物を押出機などの溶融装置に供給して溶融温度以上の温度、通常260〜350℃の温度で1〜10分間加熱して重合させる方法が好ましく採用される。
【0039】
本発明では、一次重縮合物の製造時、高重合度化時(特に溶融重合による場合)、および高重合度化後の任意の段階で、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維などの各種繊維材料、無機粉末状フィラー、有機粉末状フィラー、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、可塑剤、潤滑剤などの添加剤、他のポリマーなどを添加してもよい。
【0040】
本発明により得られるポリアミドは、耐熱性、力学性能、低吸水性、耐薬品性などの性能に優れており、それらの特性を活かして、ポリアミド単独で、または必要に応じて上記した各種の添加剤や他のポリマーとの組成物の形態で、ポリアミドに対して従来から用いられている各種成形法や紡糸法、例えば射出成形、ブロー成形、押出成形、圧縮成形、延伸、真空成形などの成形法や溶融紡糸法などによって、各種の成形品や繊維などに成形することができる。それにより得られる成形品や繊維などは、エンジニアリングプラスチックをはじめとして、電子・電気部品、自動車部品、事務機部品などの産業資材や工業材料、家庭用品などの各種の用途に有効に使用することができる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例などを挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、以下の例中、一次重縮合物の嵩比重、一次重縮合物およびポリアミドの極限粘度[η]、引張強度および引張伸びは、以下の方法により測定した。
【0042】
(1)一次重縮合物の嵩比重:
JIS K−6911に従って測定した。
【0043】
(2)一次重縮合物およびポリアミドの極限粘度[η]:
濃硫酸中に一次重縮合物またはポリアミドを溶解して、濃度が0.05、0.1、0.2および0.4g/dlの試料溶液を調製し、その30℃における固有粘度(ηinh)を測定し、これを濃度0に外挿した値を極限粘度[η]とした。
【0044】
(3)ポリアミドの引張強度および引張伸び:
以下の実施例または比較例で得られたポリアミドを用いてJIS 1号ダンベル型試験片(厚み3mm)を作製し、その試験片を用いて、JIS K−7113に従って引張強度および引張伸びを測定した。
【0045】
《実施例1》
(1) テレフタル酸163.64g(0.985モル)、1,9−ノナンジアミン134.55g(0.85モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン23.74g(0.15モル)、安息香酸3.664g(0.030モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.326gおよび水108.64gを内容積1リットルのオートクレーブに入れて窒素置換した(反応系における水分量25重量%)。2時間かけて内部温度を260℃に昇温し、そのまま1時間反応させた。その際に前記反応は常に攪拌しながら密閉して行った。反応中、内圧は46気圧(1.0P0)を示した。
(2) 次いで、上記(1)の反応生成物を、反応容器内の温度を260℃、水分量を25重量%に保った状態で、反応容器の下部のノズル(6mm径)から3分間かけて窒素雰囲気下、常温、常圧の容器に取り出した後、120℃で乾燥して、粉末状を呈する非発泡の一次重縮合物を得た。この一次重縮合物の嵩比重および極限粘度を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(2)で得られた粉末状の一次重縮合物250gを、1リットルの丸底フラスコに入れ、窒素置換した後、流量300ml/分で窒素を流し、攪拌しながら2時間かけて内部温度を250℃に昇温し、そのまま5時間反応させて固相重合を行ってポリアミドを製造した。このポリアミドを室温付近まで冷却した後、丸底フラスコから取り出し、その極限粘度を上記した方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであった。
(4) 上記(3)で得られたポリアミドを用いて、シリンダ温度330℃、金型温度150℃で射出成形してJIS 1号ダンベル型試験片(厚み3mm)を作製し、その引張強度および引張伸びを上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0046】
《実施例2》
(1) テレフタル酸163.64g(0.985モル)、1,9−ノナンジアミン158.29g(1.00モル)、安息香酸3.664g(0.030モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.326gおよび水139.68gを内容積1リットルのオートクレーブに入れて窒素置換した(反応系における水分量30重量%)。2時間かけて内部温度を270℃に昇温し、そのまま1時間反応させた。この際に反応は常に攪拌しながら密閉して行った。反応中、内圧は54気圧(1.0P0)を示した。
(2) 次いで、上記(1)の反応生成物を、反応容器内の温度を270℃、水分量を30重量%に保った状態で、反応容器の下部のノズル(6mm径)から3分間かけて窒素雰囲気下、常温、常圧の容器に取り出した後、120℃で乾燥して、粉末状を呈する非発泡の一次重縮合物を得た。この一次重縮合物の嵩比重および極限粘度を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(2)で得られた粉末状の一次重縮合物250gを、1リットルの丸底フラスコに入れ、窒素置換した後、流量300ml/分で窒素を流し、攪拌しながら2時間かけて内部温度を250℃に昇温し、そのまま5時間反応させて固相重合を行ってポリアミドを製造した。このポリアミドを室温付近まで冷却した後、丸底フラスコから取り出し、その極限粘度を上記した方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであった。
(4) 上記(3)で得られたポリアミドを用いて、シリンダ温度340℃、金型温度150℃で射出成形してJIS 1号ダンベル型試験片(厚み3mm)を作製し、その引張強度および引張伸びを上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0047】
《実施例3》
(1) テレフタル酸163.64g(0.985モル)、1,9−ノナンジアミン79.15g(0.50モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン79.15g(0.50モル)、安息香酸3.664g(0.045モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.326g(原料に対して0.1重量%)および水108.64gを内容積1リットルのオートクレーブに入れて窒素置換した(反応系における水分量25重量%)。2時間かけて内部温度を250℃に昇温し、そのまま1時間反応させた。反応は常に攪拌しながら密閉して行った。反応中、内圧は39気圧(1.0P0)を示した。
(2) 次いで、上記(1)の反応生成物を、反応容器内の温度を250℃、水分量を25重量%に保った状態で、反応容器の下部のノズル(6mm径)から3分間かけて窒素雰囲気下、常温、常圧の容器に取り出した後、120℃で乾燥して、粉末状を呈する非発泡の一次重縮合物を得た。この一次重縮合物の嵩比重および極限粘度を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(2)で得られた粉末状の一次重縮合物250gを、1リットルの丸底フラスコに入れ、窒素置換した後、流量300ml/分で窒素を流し、攪拌しながら2時間かけて内部温度を230℃に昇温し、そのまま10時間反応させて固相重合を行ってポリアミドを製造した。このポリアミドを室温付近まで冷却した後、丸底フラスコから取り出し、その極限粘度を上記した方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであった。
(4) 上記(3)で得られたポリアミドを用いて、シリンダ温度290℃、金型温度150℃で射出成形してJIS 1号ダンベル型試験片(厚み3mm)を作製し、その引張強度および引張伸びを上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0048】
《実施例4》
(1) テレフタル酸163.64g(0.985モル)、1,9−ノナンジアミン134.55g(0.85モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン23.74g(0.15モル)、安息香酸5.495g(0.045モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.326gおよび水81.48gを内容積1リットルのオートクレーブに入れて窒素置換した(反応系における水分量20重量%)。2時間かけて内部温度を270℃に昇温し、そのまま1時間反応させた。反応は撹拌下に常に密閉して行った。反応中、内圧は54気圧(1.0P0)を示した。
(2) 次いで、上記(1)の反応生成物を、反応容器内の温度を270℃、水分量を20重量%に保った状態で、反応容器の下部のノズル(6mm径)から3分間かけて窒素雰囲気下、常温、常圧の容器に取り出した後、120℃で乾燥して、粉末状を呈する非発泡の一次重縮合物を得た。この一次重縮合物の嵩比重および極限粘度を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(2)で得られた粉末状の一次重縮合物をベント孔を有する2軸押出機(スクリューの直径25mm、長さ625mm)に供給し、シリンダー温度330℃、平均滞留時間5分、ベントの減圧度10mmHgの条件下で溶融重合してポリアミドを製造した。これにより得られたポリアミドの極限粘度を上記した方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであった。
(4) 上記(3)で得られたポリアミドを用いて、シリンダ温度330℃、金型温度150℃で射出成形してJIS 1号ダンベル型試験片(厚み3mm)を作製し、その引張強度および引張伸びを上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0049】
《比較例1》
(1) テレフタル酸81.82g(0.493モル)、1,9−ノナンジアミン67.27g(0.425モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン11.87g(0.075モル)、安息香酸1.832g(0.015モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.163gおよび水244.43gを内容積1リットルのオートクレーブに入れて窒素置換した(反応系の水分量60重量%)。2時間かけて内部温度を260℃に昇温し、そのまま1時間反応させた。反応は常に攪拌しながら密閉して行った。反応中、内圧は46気圧(1.0P0)を示した。
(2) 次いで、上記(1)の反応生成物を、反応容器内の温度を260℃、水分量を60重量%に保った状態で、反応容器の下部のノズル(6mm径)から3分間かけて窒素雰囲気下、常温、常圧の容器に取り出した後、120℃で乾燥して、粉末状を呈する一次重縮合物を得た。この一次重縮合物の嵩比重および極限粘度を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(3) 上記(2)で得られた粉末状の一次重縮合物250gを、1リットルの丸底フラスコに入れ、窒素置換した後、流量300ml/分で窒素を流し、攪拌しながら2時間かけて内部温度を250℃まで昇温したところ、昇温中にポリマー粒子同士の融着が発生して固相重合の実施が不可能になったので反応を中止した。
【0050】
《比較例2》
テレフタル酸163.64g(0.985モル)、1,9−ノナンジアミン134.55g(0.85モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン23.74g(0.15モル)、安息香酸3.664g(0.030モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.326gおよび水16.30gを内容積1リットルのオートクレーブに入れて窒素置換した(反応系における水分量5重量%)。次いで、2時間かけて内部温度を260℃に昇温し、そのまま1時間反応させたところ、反応中に反応系全体が固化してしまい、反応容器から取り出すことができなかった。反応中、内圧は46気圧(1.0P0)を示した。
【0051】
《比較例3》
(1) テレフタル酸163.64g(0.985モル)、1,9−ノナンジアミン134.55g(0.85モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン23.74g(0.15モル)、安息香酸3.664g(0.030モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.326gおよび水108.64gを内容積1リットルのオートクレーブに入れて窒素置換した(反応系における水分量25重量%)。2時間かけて内部温度を260℃に昇温し、密閉してそのまま1時間反応させた後、反応温度を30分かけて330℃に昇温し、330℃で30分反応させた後、大気圧まで放圧し、その後さらに1mmHgまで減圧し、その状態で30分反応させて、ポリアミドを直接製造した。反応は常に攪拌しながら行った。
(2) 次いで、反応容器を1kgf/cm 2 の窒素で加圧しながら、反応容器内のポリアミドを容器下部のノズルから15分かけて冷却水槽にストランド状に排出し、切断してペレット化した。これにより得られたポリアミドの極限粘度を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(3) 上記(2)で得られたポリアミドを用いて、シリンダ温度330℃、金型温度150℃で射出成形してJIS 1号ダンベル型試験片(厚み3mm)を作製し、その引張強度および引張伸びを上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0052】
《比較例4》
(1) テレフタル酸163.64g(0.985モル)、1,9−ノナンジアミン134.55g(0.85モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン23.74g(0.15モル)、安息香酸3.664g(0.030モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.326gおよび水108.64gを内容積1リットルのオートクレーブに入れて窒素置換した(反応系の水分量25重量%)。2時間かけて内部温度を260℃に昇温し、そのまま1時間反応させた。反応は常に攪拌しながら、また、内圧を20kg/cm2(0.43P0)に保つよう放圧しながら行った。水の留出量は104gであった。
(2) 次いで、上記(1)の反応生成物を、反応容器内の温度を260℃、水分量を25重量%に保った状態で、反応容器の下部のノズル(6mm径)から3分間かけて窒素雰囲気下、常温、常圧の容器に取り出した後、120℃で乾燥して、粉末状を呈する一次重縮合物を得た。この一次重縮合物の嵩比重および極限粘度を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(3) 上記(2)で得られた粉末状の一次重縮合物250gを、1リットルの丸底フラスコに入れ、窒素置換した後、流量300ml/分で窒素を流し、攪拌しながら2時間かけて内部温度を250℃に昇温し、そのまま5時間反応させて固相重合を行ってポリアミドを製造した。このポリアミドを室温付近まで冷却した後、丸底フラスコから取り出し、その極限粘度を上記した方法で測定したところ下記の表2に示すとおりであった。
(4) 上記(3)で得られたポリアミドを用いて、シリンダ温度330℃、金型温度150℃で射出成形してJIS 1号ダンベル型試験片(厚み3mm)を作製し、その引張強度および引張伸びを上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0053】
【表1】
Figure 0004179703
【0054】
【表2】
Figure 0004179703
【0055】
上記の表1の結果から、テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60〜100モル%であるジアミン成分を用いて、15〜35重量%の水分量下に、反応温度250℃〜280℃および反応圧力(P)が0.7P0〜P0(P0は反応温度での水の飽和蒸気圧)の条件下で重縮合反応させて一次重縮合物を生成させ、それを前記温度および水分量下に反応容器から大気圧雰囲気中に取り出している実施例1〜4では、嵩比重が高くて取り扱い性および容積効率に優れ、しかも極限粘度が高くてその後の固相重合または溶融重合による高重合度化を円滑に行い得る非発泡の一次重縮合物が得られること、そしてその一次重縮合物を固相重合または溶融重合して高重合度化することによって、極限粘度が高いポリアミドが得られること、しかもそのポリアミドを用いて引張強度および引張伸びに代表される力学的特性に優れる成形品が得られることがわかる。
【0056】
一方、上記の表2の比較例1の結果から、テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60〜100モル%であるジアミン成分を用いて、反応温度250℃〜280℃および反応圧力(P)が0.7P0〜P0の条件下で重縮合反応させて一次重縮合物を生成させる場合であっても、反応系における水分量が35重量%を超える場合は、生成する一次重縮合物の極限粘度が著しく低く、その後の固相重合を円滑に実施できないことがわかる。
【0057】
また、上記の表2の比較例2の結果から、テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60〜100モル%であるジアミン成分を用いて、反応温度250℃〜280℃および反応圧力(P)が0.7P0〜P0の条件下で重縮合反応させて一次重縮合物を生成させる場合であっても、反応系における水分量が15重量%未満である場合は、重縮合反応中に反応系の固化が生じてしまい、反応容器からの内容物の取り出しが不可能になることがわかる。
【0058】
さらに、上記の表2の比較例3の結果から、テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60〜100モル%であるジアミン成分を用いてポリアミドを製造するに当たって、一次重縮合物を製造した後にそれを高重合度化する工程を採らずに、該ジカルボン酸成分とジアミン成分との溶融重合によってポリアミドを直接製造した場合は、得られるポリアミドの引張強度および引張伸びが大幅に低く、力学的特性に劣っていることがわかる。
【0059】
また、上記の表2の比較例4の結果から、テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60〜100モル%であるジアミン成分を用いて、15〜35重量%の水分量下に、反応温度250℃〜280℃の条件下で重縮合反応させて一次重縮合物を生成させ、それを前記温度および水分量下に反応容器から大気圧雰囲気中に取り出す場合であっても、一次重縮合物を形成させるための重合系の圧力がP0の0.7倍よりも低い場合は、得られる一次重縮合物の極限粘度が低く、しかもそれを高重合度化して得られるポリアミドの極限粘度、引張強度、引張伸びのすべてが低く、物性に劣っていることがわかる。
【0060】
【発明の効果】
本発明による場合は、耐熱性、力学性能、低吸水性、耐薬品性などの性能に優れるポリアミドを、良好な工程性で、簡単に且つ生産性良く製造することができる。
そして、本発明による場合は、熱劣化が少なく、しかも極限粘度が充分に高くて、凝集や融着などを生ずることなく固相重合により高重合度化することができ、また溶融重合による高重合度化を行った場合にも副反応による劣化の少ない、高品質の一次重縮合物を簡単に且つ円滑に得ることができる。
さらに、本発明による場合は、前記した優れた特性と併せて、嵩比重の高い非発泡の粉粒体状を呈し、それによって高重合度化などの後工程で該粉粒体の崩壊、器壁への付着、凝集などが生じにくく、取り扱い性に優れ、しかも高重合度化装置などの後工程装置の容積効率を向上させることのできる一次重縮合物を、簡単に且つ円滑に得ることができる。
その上、本発明では、反応容器内に生成した一次重縮合物を、一次重縮合物の製造時と同じ温度範囲および水分量のままで、そのまま直接大気圧雰囲気中に簡単に取り出すことができ、加圧容器のような特別に調圧された一次重縮合物の取り出し容器を使用する必要がなく、さらには反応容器からの一次重縮合物の取り出し時に水を反応容器に別途供給する必要がないので、一次重縮合物の製造および反応容器からの取り出しを、簡単な工程および装置で簡便に、生産性良く、低コストで実施することができる。

Claims (6)

  1. (i) テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分、並びに1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60〜100モル%であるジアミン成分を、15〜35重量%の水分量下に、反応温度250℃〜280℃および下記の式(1)を満足する反応圧力(P);
    Figure 0004179703
    (式中、P0は反応温度での水の飽和蒸気圧を示す。)
    の条件下で重縮合反応させて一次重縮合物を生成させ;
    (ii) 前記(i)で生成した一次重縮合物を、温度および水分量が前記した反応温度および水分量の範囲内にある時に、反応容器から大気圧雰囲気中に取り出し;次いで、
    (iii) 前記(ii)で取り出した一次重縮合物を、固相重合または溶融重合して高重合度化する;
    ことを特徴とするポリアミドの製造方法。
  2. 前記(i)の重縮合反応を、リン系触媒の存在下に行う請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記(i)の重縮合反応を、末端封止剤の存在下に行う請求項1または2に記載の製造方法。
  4. (i) テレフタル酸の含有割合が60〜100モル%であるジカルボン酸成分、並びに1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンのうちの少なくとも一方の含有割合が60〜100モル%であるジアミン成分を、15〜35重量%の水分量下に、反応温度250℃〜280℃および下記の式(1)を満足する反応圧力(P);
    Figure 0004179703
    (式中、P0は反応温度での水の飽和蒸気圧を示す。)
    の条件下で重縮合反応させて一次重縮合物を生成させ;次いで、
    (ii) 前記(i)で生成した一次重縮合物を、温度および水分量が前記した反応温度および水分量の範囲内にある時に、反応容器から大気圧雰囲気中に取り出す;
    ことを特徴とする一次重縮合物の製造方法。
  5. 前記(i)の重縮合反応を、リン系触媒の存在下に行う請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記(i)の重縮合反応を、末端封止剤の存在下に行う請求項4または5に記載の製造方法。
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