JP5956903B2 - ポリアミドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアミドの製造方法に関する。
ポリアミドは、その優れた特性と溶融成形の容易さから、衣料用、産業資材用繊維、エンジニアリングプラスチックなどとして広く用いられている。しかしながら、その一方で、これら汎用のポリアミドは、耐熱性の不足、吸水による寸法安定性不良などの点で問題があることが指摘されている。特に、近年になって、電気・電子部品、自動車部品などの分野で用いられるポリアミドに対して、物性および機能に一層優れるものが求められている。特に、高耐熱性と併せて、寸法安定性、力学的特性、耐薬品性、重合時や成形加工時の取り扱い性などに一層優れるポリアミドの開発が望まれている。
ポリアミドの製造方法としては、従来、相応するジカルボン酸とジアミンとから形成された塩や低次縮合物を、溶融条件下で加熱して重縮合させる方法が知られている。また、この製造方法を、パラキシリレンジアミンをジアミン成分として用いたポリアミドの製造方法にも適用できることも知られている。例えば、パラキシリレンジアミンおよびメタキシリレンジアミン、ならびに脂肪族ジカルボン酸からのポリアミドの製造(特許文献1〜3参照)、パラキシリレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン、ならびにアジピン酸およびテレフタル酸からのポリアミドの製造(特許文献4参照)等が挙げられる。
さらに、特許文献5には、キシリレンジアミンおよびベンゼンジカルボン酸から由来する構造を含有するポリアミドを、複数の重合装置を用いる溶融多段重合で製造する方法が開示されている。
特公昭32−6148号公報 特公昭44−20637号公報 特公昭47−15106号公報 特公昭47−33277号公報 特開平08−3312号公報
しかしながら、特許文献1〜5に記載の製造方法は、特に高融点のポリアミドに適用した場合、溶融状態を保つのに高温を要するため、生成物が熱分解を起こしやすく、また得られたポリアミドは機械的強度、耐熱劣化性、色調等に劣るものとなり、物性が不十分になるという問題があった。また、これらの方法で得られたポリアミドはゲルを含むなど粘度が高く、取り扱いが困難であり、さらに、リアクター内壁に内容物が残存し易く、低収率になるなどの製造上の問題もあった。
そこで、本発明は、ゲル化等の製造上の問題をほとんど生ずることなく、機械的強度、耐熱性、色調等の特性に優れたポリアミドを得ることができる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、特定のジカルボン酸成分および特定のジアミン成分を、特定の条件で反応させ低次縮合物を製造する工程を含む製造方法により、上記問題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸5〜40モル%と、テレフタル酸以外のジカルボン酸60〜95モル%と、を含有し、ジアミン成分として、パラキシリレンジアミン成分の含有量が50〜100モル%であるキシリレンジアミン70〜100モル%と、キシリレンジアミン以外のジアミン0〜30モル%と、を含有するポリアミドの製造方法であって、前記ジカルボン酸成分と前記ジアミン成分との重縮合反応を、反応温度200℃以上230℃未満で行い、低次縮合物を製造する工程と、不活性ガス雰囲気下、大気圧以下の圧力に前記低次縮合物を排出および冷却する工程と、冷却した前記低次縮合物を固相重合する工程と、を含む、ポリアミドの製造方法である。
本発明によれば、ゲル化等の製造上の問題をほとんど生ずることなく、機械的強度、耐熱性、色調等の特性に優れたポリアミドを得ることができるポリアミドの製造方法が提供されうる。
本発明は、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸5〜40モル%と、テレフタル酸以外のジカルボン酸60〜95モル%と、を含有し、ジアミン成分として、パラキシリレンジアミン成分の含有量が50〜100モル%であるキシリレンジアミン70〜100モル%と、キシリレンジアミン以外のジアミン0〜30モル%と、を含有するポリアミドの製造方法であって、前記ジカルボン酸成分と前記ジアミン成分との重縮合反応を、反応温度200℃以上230℃未満で行い、低次縮合物を製造する工程と、不活性ガス雰囲気下、大気圧以下の圧力に前記低次縮合物を排出および冷却する工程と、冷却した前記低次縮合物を固相重合する工程と、を含む、ポリアミドの製造方法である。このような製造方法によれば、製造中にゲルが発生するなどの製造上の問題をほとんど生ずることなく、機械的強度、耐熱性、色調等の特性に優れたポリアミドを得ることができる。
以下、本発明の製造方法について、工程ごとに詳細に説明する。
<低次縮合物を製造する工程>
本工程では、ジカルボン酸成分とジアミン成分との重縮合反応を行い、ポリアミドの低次縮合物を製造する。
前記ジカルボン酸成分は、テレフタル酸5〜40モル%と、テレフタル酸以外のジカルボン酸60〜95モル%と、を含有する。この範囲であれば、機械的強度、耐熱性、色調等の特性に優れたポリアミドを得ることができる。なお、テレフタル酸とテレフタル酸以外のジカルボン酸との合計量は100モル%である。
前記ジカルボン酸成分中のテレフタル酸の含有量は、好ましくは5〜30モル%であり、より好ましくは10〜30モル%である。
前記テレフタル酸以外のジカルボン酸の具体例としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。これらジカルボン酸は、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。これらの中でも、アジピン酸、セバシン酸などの直鎖脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
前記ジカルボン酸成分中のテレフタル酸以外のジカルボン酸の含有量は、好ましくは70〜95モル%であり、より好ましくは70〜90モル%である。
必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸成分を少量併用してもよい。
前記ジアミン成分は、パラキシリレンジアミン成分の含有量が50〜100モル%であるキシリレンジアミン70〜100モル%と、キシリレンジアミン以外のジアミン0〜30モル%と、を含有する。この範囲であれば、機械的強度、耐熱性、色調等の特性に優れたポリアミドを得ることができる。なお、キシリレンジアミンとキシリレンジアミン以外のジアミンとの合計量は100モル%である。
キシリレンジアミンのさらに具体的な例としては、パラキシリレンジアミンの他に、オルトキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミンが挙げられる。
キシリレンジアミン中のパラキシリレンジアミン成分の含有量は好ましくは50〜90%、より好ましくは50〜80%である。
前記キシリレンジアミン以外の他のジアミンの具体例としては、例えば、エチレンジアミン、プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン(ヘキサメチレンジアミン)、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族アルキレンジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジメタナミン、トリシクロデカンジメタナミンなどの脂環式ジアミン;パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどを挙げることができる。これら他のジアミンは、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。これらの中でも、ヘキサメチレンジアミンなどの直鎖脂肪族ジアミンが好ましい。
前記ジアミン成分中のキシリレンジアミン以外のジアミンの含有量は、好ましくは0〜25モル%であり、より好ましくは0〜20モル%である。
低次縮合物は、上記単量体または塩の水溶液などを、例えば、通常用いられる加圧重合槽に仕込み、水性溶媒中で、攪拌条件下で重縮合反応を行うことにより合成される。
水性溶媒とは、水を主成分とする溶媒である。水以外に用いられる溶媒としては、重縮合反応性や溶解度に影響を与えないものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類が挙げられる。
重縮合反応を開始する際の反応系内の水分量は、反応終了時の反応系内の水分量が15〜35重量%となるような量であることが好ましい。具体的には、重縮合反応を開始する際の反応系内の水分量は、好ましくは20〜60重量%である。重縮合反応を開始する際の反応系内の水分量をこの範囲にすれば、重縮合反応を開始する際にほぼ均一な溶液状となり、重縮合工程での水分を留去させるのに過大な時間とエネルギーを要する虞がなく、反応時間の延長による低次縮合物の熱劣化を低減させることができる。
本工程においては、重縮合速度の向上および重縮合反応時の劣化防止などの点から、リン系触媒を用いることができる。リン系触媒の具体例としては、例えば、次亜リン酸塩、リン酸塩、次亜リン酸、リン酸、リン酸エステル、ポリメタリン酸類、ポリリン酸類、ホスフィンオキサイド類、ホスホニウムハロゲン化合物などが好ましく、次亜リン酸塩、リン酸塩、次亜リン酸、リン酸がより好ましく用いられる。次亜リン酸塩としては、たとえば、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸バナジウム、次亜リン酸マンガン、次亜リン酸亜鉛、次亜リン酸鉛、次亜リン酸ニッケル、次亜リン酸コバルト、次亜リン酸アンモニウムなどが好ましく、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウムがより好ましい。リン酸塩としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カルシウム、リン酸バナジウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン、リン酸鉛、リン酸ニッケル、リン酸コバルト、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムなどが好ましい。リン酸エステルとしては、例えば、リン酸エチルオクタデシルなどが挙げられる。ポリメタリン酸類としては、例えば、トリメタリン酸ナトリウム、ペンタメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリメタリン酸などが挙げられる。ポリリン酸類としては、例えば、テトラポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。ホスフィンオキサイド類としては、例えば、ヘキサメチルホスホルアミドなどが挙げられる。これらリン系触媒は、水和物の形態であってもよい。
リン系触媒の添加量としては、モノマー総量100重量部に対して0.0001〜5重量部が好ましく、0.001〜1重量部がより好ましい。また、添加時期は固相重合完了までであればいつでもよいが、原料仕込み時から低次縮合物の重縮合完了までの間であることが好ましい。また、多数回の添加をしてもよい。さらには、2種以上の異なるリン系触媒を組み合わせて添加してもよい。
また、本工程は、上記した重縮合反応を末端封止剤の存在下に行うことができる。末端封止剤を使用すると、低次縮合物の分子量調節がより容易になり、しかも低次縮合物の溶融安定性が向上する。末端封止剤としては、低次縮合物における末端アミノ基または末端カルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はなく、例えばモノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを挙げることができる。末端封止剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
これらの中でも、反応性および封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノアミンが末端封止剤として好ましく用いられ、前記した特性に加えて、取り扱いが容易である点からモノカルボン酸がより好ましく用いられる。
末端封止剤として好ましく使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するモノカルボン酸であれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイン酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。これらの中でも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸がより好ましい。
末端封止剤として好ましく使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するモノアミンであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン、またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。これらの中でも、反応性、沸点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが特に好ましい。
低次縮合物を製造する際の末端封止剤の使用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによって異なり得るが、通常、ジカルボン酸またはジアミンのモル数に対して0.1〜15モル%の範囲内で使用することが好ましい。
本発明の低次縮合物の合成は、通常は攪拌条件下で、昇温および昇圧することによって行われる。重合温度は、原料の仕込み後、コントロールされる。また、重合圧力は、重合の進行に合せてコントロールされる。
本工程における反応温度は、200℃以上230℃未満である。この範囲であれば、ゲル化等の副反応が起こりにくく、目的とする低次縮合物を効率よく得ることができる。該反応温度は、好ましくは210〜225℃である。
本工程における反応圧力は、0.5〜3MPaであることが好ましい。反応圧力がこの範囲であれば、反応系内の温度や反応系内の水分量を制御が容易となり、低次縮合物の排出が容易となる。また、耐圧性の低い反応装置を使用することができるため経済的に有利になり、反応系内の水分量を低く推移させることで低次縮合物の重合度を高めることができる。該反応圧力は、より好ましくは1.0〜2.5MPaである。
また、本工程における反応時間は、0.5〜4時間であることが好ましい。ここでいう反応時間とは、本発明の反応温度に到達してから排出操作開始までの所要時間を示す。反応時間がこの範囲であれば、十分な反応率に到達し、未反応物がほとんど残存せず、均一な性状の低次縮合物を得ることができる。また、過度の熱履歴を与えることになく、高品質の低次縮合物を得ることができる。該反応時間は、より好ましくは1〜3時間である。
本工程における低次縮合物の反応終了時の反応系内の水分量は、15〜35重量%であることが好ましい。ここでいう反応終了時とは、所定の重合度に達した低次縮合物となり排出操作を開始する時点を示し、反応中に発生する縮合水も合わせた水分量となる。本発明の範囲となる水分量とするためには、発生縮合水量を加味した仕込み水分量とすることや、コンデンサー、圧力調整弁を備えた装置にて反応圧力調整時に所定量の水を留去して調整することができる。水分量がこの範囲であれば、低次縮合物の反応系内での析出や固化がほとんど起こらず、低次縮合物の排出が容易となる。また、十分な重合度の低次縮合物を得やすく、排出時に蒸発分離させる水分量が少ないため、排出速度を高めることができ、製造効率を向上させることができる。反応終了時の反応系内の水分量は、好ましくは20〜35重量%である。
また、低次縮合物の重合前に、必要に応じて塩調工程および/または濃縮工程を加えることもできる。塩調とは、ジカルボン酸成分とジアミン成分とから塩を生成する工程であり、塩の中和点のpH±0.5の範囲に、さらには、塩の中和点のpH±0.3の範囲に調節するのが好ましい。濃縮では、原料仕込み濃度の値が+2〜+90重量%とすることが好ましく、+5〜+80重量%の濃度まで濃縮することがより好ましい。濃縮工程は、90〜220℃の範囲が好ましく、さらに100〜210℃が好ましく、130〜200℃が特に好ましい。濃縮工程の圧力は好ましくは0.1〜2.0MPaである。通常、濃縮の圧力は重合の圧力以下にコントロールされる。また、濃縮促進のため、たとえば、窒素気流などにより強制排出の操作を行うこともできる。濃縮工程は重合時間の短縮に有効である。
本工程では、反応容器から取り出された後(冷却後)の低次縮合物の濃硫酸中0.5g/dLの濃度で、温度25℃で測定した対数粘度(以下、単にIVとも称する)が、好ましくは0.07〜0.40dL/gとなるように反応を行う。IVがこの範囲であれば、低融点物の存在による固相重合時の樹脂粉体同士の融着や、装置内への付着を抑制することができ、また、低次縮合物製造時の反応系内での析出、固化を抑制することができる。該IVは、より好ましくは0.10〜0.25dL/gである。なお、IVは、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本工程では、低次縮合物を得るための重縮合反応を、バッチ式で行ってもよいし連続式で行ってもよい。また、反応容器への低次縮合物の付着防止や重縮合反応の均一な進行などの点から、低次縮合物を生成させるための重縮合反応を、攪拌下に行うことが好ましい。
<低次縮合物を排出および冷却する工程>
次いで、上記で生成した低次縮合物を反応容器から取り出す。低次縮合物の反応容器からの取り出しは、反応系の温度が上記の200℃以上230℃未満の範囲内にあり、かつ反応終了時の反応系における水分量が上記の15〜35重量%の範囲内にある時に、低次縮合物を反応容器から不活性ガス雰囲気下、大気圧以下の圧力で取り出すことにより行うことが好ましい。このような本発明の排出方法によれば、所定圧力に調節した取り出し用の圧力容器を使用する必要がなく、しかも反応容器内に水蒸気を別途供給しながら低次縮合物を反応容器から取り出すという手間も必要とせずに、熱劣化が少なく、対数粘度が充分に高く、しかも嵩比重の高い、非発泡の粉粒体状(粉末状または顆粒状)である低次縮合物を、簡単にかつ効率良く得ることができる。
上記不活性ガス雰囲気は、低次縮合物の酸化劣化を防ぐという観点から、酸素濃度が1体積%以下であることが好ましい。
反応容器からの低次縮合物の排出速度は、反応容器の規模、反応容器内の内容物の量、温度、取り出し口の大きさ、取り出しノズル部の長さなどに応じて適宜調節し得る。しかしながら、一般には、排出口断面積あたりの排出速度が2000〜20000kg/s/mの範囲内であるようにして取り出すことが好ましい。この範囲であれば、後述の固相重合の工程で、崩壊、凝集、反応器壁への融着などが生じにくく、取り扱い性に優れ、しかも重合装置などに多く充填することが可能で固相重合工程で用いられる装置の容積効率を向上させることができる。
そして、反応容器から取り出された低次縮合物は、取り出しの際の水の蒸発潜熱によってその温度が瞬時に好ましくは100℃以下に低下するため、熱劣化および酸素による劣化はほとんど生じない。
また、排出される低次縮合物は、低次縮合物が有する顕熱により、同伴する水分のほとんどを蒸発させるため、本工程において低次縮合物の冷却と乾燥処理とが同時になされるものである。窒素などの不活性ガスの流通下や、大気圧より減圧下で排出処理を行うことは、乾燥および冷却の効率を高めるため好ましい。また、排出容器としてサイクロン型の固体−気体分離装置を設置することで、排出時の粉の系外飛散を抑制できるだけでなく、高いガス線速下で排出処理を行えるため、乾燥、冷却効率を高めることが可能となり好ましい。
このようにして得られる低次縮合物は、対数粘度が前記のように充分に高く、未反応物の残存量も低いために、固相重合による高重合度化に際して、低次縮合物粒子間の融着や凝集を生ずることなく高い温度で固相重合を行うことができ、また副反応による劣化が少ない。
また、本工程においては、必要に応じて、粒径を揃えるためのコンパクティング処理や造粒処理をさらに行ってもよい。
<固相重合>
本工程では、上記において反応容器から取り出した低次縮合物を固相重合による高重合度化を行い、ポリアミドを製造する。該固相反応は、低次縮合物の反応容器からの取り出しからそのまま引き続いて行っても、反応容器から取り出した低次縮合物を乾燥した後に行っても、反応容器から取り出した低次縮合物を一旦貯蔵した後に行っても、または反応容器から取り出した低次縮合物に前記したコンパクティング処理や造粒処理を施した後に行ってもよい。固相重合により高重合度化すると、熱劣化のより少ないポリアミドを得ることができる。
低次縮合物を固相重合する際の重合方法および条件は特に制限されず、低次縮合物の融着、凝集、劣化などを生ずることなく固体状態を保ちながら高重合度化を行える方法および条件であればよい。
しかしながら、低次縮合物および生成するポリアミドの酸化劣化を防止するため、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気中、または減圧下で固相重合を行うことが好ましい。
固相重合の温度は特に制限されないが、最高反応温度が好ましくは170〜210℃であり、より好ましくは180〜210℃である。本発明によれば、このように、従来と比べてより低い温度で、すなわち、より温和な条件で固相重合が可能となる。なお、該最高反応温度への到達は、固相重合開始から終了までのどの時点であってもよい。
本工程で用いられる固相重合の装置については特に制限がなく、公知のいずれの装置も使用することができる。固相重合装置の具体例としては、例えば、一軸ディスク式、ニーダー、二軸パドル式、縦型の塔式装置、縦型の塔式機器、回転ドラム式、またはダブルコ−ン型の固相重合装置、乾燥機器などが挙げられる。
固相重合の反応時間は、特に制限されないが、通常、1時間〜20時間が好ましく採用される。固相重合反応中に、低次縮合物を機械的に攪拌するか、または気体流により攪拌してもよい。
本発明においては、低次縮合物を製造する工程、固相重合する工程、または固相重合後の任意の段階で、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維などの各種繊維材料、無機粉末状フィラー、有機粉末状フィラー、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、可塑剤、潤滑剤などの添加剤、他のポリマーなどを添加してもよい。
上述のように、本発明の製造方法は、ゲル化等の製造上の問題をほとんど生ずることなく、機械的強度、耐熱性、色調等の特性に優れたポリアミドを得ることができる。
本発明の製造方法により得られるポリアミドは、機械的強度、耐熱性、低吸水性、耐薬品性、色調等の特性に優れている。よって、これらの特性を活かして、ポリアミド単独で、または必要に応じて上記した各種の添加剤や他のポリマーとの組成物の形態で、ポリアミドに対して従来用いられている各種成形法や紡糸法、例えば射出成形、ブロー成形、押出成形、圧縮成形、延伸、真空成形などの成形法や溶融紡糸法などによって、各種の成形品や繊維などに成形することができる。それにより得られる成形品や繊維などは、エンジニアリングプラスチックとしての用途をはじめとして、電子・電気部品、自動車部品、事務機部品などの産業資材や工業材料、家庭用品などの各種の用途に有効に使用することができる。
特に、本発明の製造方法は、融点が280℃以上であり、かつガラス転移温度が100℃以上であるポリアミドの製造に好適に用いられる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、対数粘度(IV)、融点、ガラス転移温度、結晶化温度、および色相の評価、ならびに試験片の作製および物性評価は下記の方法により行った。
(1)対数粘度
96%濃硫酸中に試料を0.5g/dLの濃度で溶解させて試料溶液を調製する。96%濃硫酸および試料溶液を25℃の温度で、ウベローデ粘度管を用いて落下秒数を測定し、以下の式により算出した。
Figure 0005956903
(2)融点、ガラス転移点、結晶化温度
セイコーインスツルメンツ株式会社製DSCを用い、非結晶化状態のサンプルを10ml/minの流速で窒素流通下、昇温速度10℃/minにて30℃から350℃まで昇温したのち5min保持、降温速度10℃/minにて100℃まで測定を行い、ガラス転移点を測定、さらに昇温時の融解による吸熱ピーク温度を融点、降温時の結晶化による発熱ピーク温度を結晶化温度として、それぞれ計測した。
(3)色相(YI)
日本電色工業株式会社製の小型色彩白度計 NW−11を用いてYI値を測定した。
(4)試験片の作製
住友重機械工業株式社製の射出成形機であるSE18DUZを用い、下記表1に示す条件で短冊状の試験片(大きさ80mm×10mm×4.0mm)を作製した。
Figure 0005956903
(5)試験片の物性評価
a)曲げ試験
株式会社インテスコ製 万能材料試験機 2001−5型を用い、JIS K7171:2008(ISO178:2001)に準拠して、23℃、50%RH環境で、試験速度2mm/min、支点間距離64mmで曲げ試験を行い、曲げ強度および曲げ弾性率を求めた。
b)荷重たわみ温度
株式会社東洋精機製作所製 自動HDT試験機 6A−2型を用い、JIS K7191−1:2007(ISO75−1:2004)、JIS K7191−2:2007(ISO75−2:2004)に準拠して、試験片をフラットワイズで設置し、試験応力1.80MPaの条件で測定を行った。
(実施例1)
原料として、テレフタル酸 43.05g(0.259モル=20モル%)、アジピン酸 151.45g(1.036モル=80モル%)、パラキシリレンジアミン 124.25g(0.912モル=70モル%)、メタキシリレンジアミン 53.25g(0.391モル=30モル%)、次亜リン酸ナトリウム一水和物 0.372g(仕込み原料に対して0.1重量部)、および水82g(仕込み原料に対して18重量%)を、分縮器、圧力調整弁、内視用窓、および底部排出弁を備えた内容積1リットルのオートクレーブ反応槽に仕込み、窒素置換を行った。攪拌しながら0.5時間かけて130℃まで昇温して0.5時間保持し、内容物が均一溶液となることを確認した。その後、1時間かけて内部温度を225℃まで昇温し保持した。内圧が2MPaに達した後は、同圧力に維持するように水を留去しながら2時間反応を継続した。
所定の反応時間経過後、反応槽の温度、および反応系内の水分量(21重量%)を維持したまま、生成した低次縮合物を底部排出弁より、窒素流通下、常温(25℃)で、大気圧条件で容器に排出した。この際の排出弁ノズル径は1mmであり、排出には114秒を要した。排出される容器の酸素濃度は0.1体積%であり、白色、粉末状の低次縮合物を得た。排出直後の低次縮合物は温度83℃、水分量2.6重量%、IVは0.16dL/gであった。
得られた低次縮合物300gを1000mL丸底フラスコに仕込み、油浴付きロータリーエバポレータに設置し、窒素置換した後に、1L/minの窒素流通下で、フラスコを回転させながら油浴に浸漬し、内部温度を200℃まで1時間かけて昇温した後、同温度で4時間固相重合反応を継続した。所定の反応時間経過後に室温(25℃)まで冷却し、高重合度化したポリアミドを得た。
得られたポリアミドのIVは0.85であり、DSC測定による融点は291℃、ガラス転移点は105℃、結晶化温度は234℃、YIは5であり、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
得られたポリアミドを射出成形により試験片を作製し物性を評価したところ、曲げ強度は185MPa、曲げ弾性率は4.3GPa、荷重たわみ温度は115℃であり、高強度、高剛性、高耐熱の性状を示した。
(実施例2)
原料組成をテレフタル酸 21.67g(0.130モル=10モル%)、アジピン酸 171.58g(1.174モル=90モル%)、パラキシリレンジアミン 125.12g(0.919モル=70モル%)、メタキシリレンジアミン 53.62g(0.394モル=30モル%)とした以外は、実施例1と同様に低次縮合物の合成、低次縮合物の排出操作、および固相重合を行った。
低次縮合物の排出には110秒を要し、白色、粉末状の低次縮合物を得た。排出直後の低次縮合物は温度81℃、水分量2.4重量%、IVは0.16dL/gであった。固相重合後のポリアミド樹脂のIVは0.88であり、融点は297℃、ガラス転移点は103℃、結晶化温度は246℃、YIは5であり、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
得られたポリアミドを射出成形により試験片を作製して物性を評価したところ、曲げ強度は182MPa、曲げ弾性率は4.2GPa、荷重たわみ温度は110℃であり、高強度、高剛性、高耐熱の性状を示した。
(実施例3)
原料組成をパラキシリレンジアミン 107.25g(0.787モル=60モル%)、メタキシリレンジアミン 71.50g(0.525モル=40モル%)とした以外は、実施例2と同様に低次縮合物の合成、低次縮合物の排出操作および固相重合を行った。
低次縮合物の排出には125秒を要し、白色、粉末状の低次縮合物を得た。排出直後の低次縮合物は温度81℃、水分量2.3重量%、IVは0.18dL/gであった。固相重合後のポリアミド樹脂のIVは0.92であり、融点は284℃、ガラス転移点は102℃、結晶化温度は231℃、YIは5であり、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
得られたポリアミドを射出成形により試験片を作製して物性を評価したところ、曲げ強度は189MPa、曲げ弾性率は4.3GPa、荷重たわみ温度は109℃であり、高強度、高剛性、高耐熱の性状を示した。
(比較例1)
低次縮合物合成における反応温度を240℃、反応圧力を2.4MPa、排出時の反応系水分を25重量%としたこと以外は、実施例1と同様に低次縮合物の合成、低次縮合物の排出操作および固相重合を行った。
低次縮合物の排出には120秒を要し、白色、粉末状の低次縮合物を得た。排出直後の低次縮合物は温度85℃、水分量1.8重量%、IVは0.18dL/gであった。固相重合後のポリアミド樹脂のIVは0.86であり、融点は288℃、ガラス転移点は104℃、結晶化温度は221℃、YIは12であり、実施例1に比べてポリアミドの融点および結晶化温度が低下しており、色相も悪化した。
得られたポリアミドを射出成形により試験片の作製を試みたところ、成形機滞留時にポリアミドがゲル化し、良好な試験片を得ることができなかった。
(比較例2)
原料組成をテレフタル酸 66.01g(0.397モル=38モル%)、アジピン酸 95.79g(0.655モル=62モル%)、メタキシリレンジアミン 140.95g(1.035モル=100モル%)とし、低次縮合物の合成条件を反応温度220℃、反応圧力1.0MPa、反応時間5時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、低次縮合物の合成を行った。
低次縮合物の排出開始時の反応系の水分量は12重量%であり、排出には140秒を要し、白色、粉末状の低次縮合物を得た。排出直後の低次縮合物は温度110℃、水分量1.2重量%、IVは0.25dL/gであった。
低次縮合物の固相重合は、1mmHg圧力(0.13kPa)の真空条件で、210℃、6時間実施した。固相重合後のポリアミド樹脂のIVは1.70であり、融点は252℃、ガラス転移点は121℃、結晶化温度は189℃、YIは16であり、実施例に比べて低融点で色相も不良であった。
固相重合したポリアミドを射出成形により試験片を作製したところ、得られた試験片は半透明で結晶化が不十分であり、外観上も異物の存在が見られた。切り出した異物は、濃硫酸に不溶であり、ゲル化したものが混入していることが確認された。
試験片の曲げ強度は165MPa、曲げ弾性率は3.4GPa、荷重たわみ温度は125℃であり、実施例の試験片に比べて曲げ弾性率が低いものであった。
(比較例3)
実施例1と同じ原料仕込み、同じ装置を使用し、反応条件として、2MPa、2時間の反応後に常圧まで内圧を1時間かけて低下させ、その間に内温を300℃まで上昇させた。300℃に到達後、30分間、溶融重合反応を継続してから底部排出弁より合成したポリアミドを水浴に排出させた。得られたポリアミドは、ゲル化のため濃硫酸に不溶であり、YIは18と黄色に着色しており、融点275℃、結晶化温度188℃であった。
評価結果を下記表2に示す。
Figure 0005956903
上記表2から明らかなように、実施例1〜3の本発明の製造方法によれば、ゲル化等の製造上の問題が生じないことが分かった。また、本発明の製造方法により得られたポリアミドは、機械的強度、耐熱性、色調等の特性に優れていることが分かった。

Claims (3)

  1. ジカルボン酸成分として、テレフタル酸5〜40モル%と、テレフタル酸以外のジカルボン酸60〜95モル%と、を含有し、
    ジアミン成分として、パラキシリレンジアミン成分の含有量が50〜100モル%であるキシリレンジアミン70〜100モル%と、キシリレンジアミン以外のジアミン0〜30モル%と、を含有するポリアミドの製造方法であって、
    前記ジカルボン酸成分と前記ジアミン成分との重縮合反応を、反応温度200℃以上230℃未満で行い、低次縮合物を製造する工程と、
    不活性ガス雰囲気下、大気圧以下の圧力に前記低次縮合物を排出および冷却する工程と、
    冷却した前記低次縮合物を固相重合する工程と、
    を含む、ポリアミドの製造方法であって、
    前記低次縮合物を製造する工程は、反応圧力が0.5〜3MPaで、反応時間0.5〜4.0時間で、かつ反応終了時の反応系内の水分量が15〜35重量%となる条件で行い、
    冷却した前記低次縮合物は、濃硫酸中0.5g/dLの濃度で、温度25℃で測定した対数粘度が0.07〜0.40dL/gである、ポリアミドの製造方法。
  2. 前記固相重合の最高反応温度が170〜210℃である、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記ポリアミドの融点が280℃以上であり、かつガラス転移温度が100℃以上である、請求項1または2に記載の製造方法。
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