JP2001348427A - ポリアミドの製造方法 - Google Patents

ポリアミドの製造方法

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JP2001348427A JP2000173684A JP2000173684A JP2001348427A JP 2001348427 A JP2001348427 A JP 2001348427A JP 2000173684 A JP2000173684 A JP 2000173684A JP 2000173684 A JP2000173684 A JP 2000173684A JP 2001348427 A JP2001348427 A JP 2001348427A
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Susumu Matsunaga
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリアミンの生成量が少なく、簡便で生産性
に優れたポリアミドの製造方法を提供すること。 【解決手段】 [I]テレフタル酸を60〜100モル
%含有するジカルボン酸成分、炭素数4〜18の脂肪族
ジアミンを60〜100モル%含有するジアミン成分お
よび水からなる原料を用いて水分量32〜80重量%の
条件下でジカルボン酸成分とジアミン成分の塩を調製す
る塩調製工程、[II]100〜180℃の温度下で水分
量が20〜30重量%になるように水を留去する水留去
工程、[III]反応温度T(℃)および水分量W(重量
%)が下記の式(1)および(2); 230≦T≦265 (1) 10≦W≦20 (2) を満足する条件下で、かつリン系触媒の存在下に重縮合
反応を行い低次縮合物を製造する重縮合工程、[IV]該
低次縮合物を大気圧雰囲気中に取り出す取出工程並びに
[V]該低次縮合物を固相重合する固相重合工程からな
るポリアミドの製造方法により上記の課題が解決され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミドの製造
方法に関する。本発明の製造方法は、ポリアミドの流動
性、成形性、紡糸性、耐熱性、耐薬品性、耐疲労性、フ
ィルムの平滑性等の物性に悪影響を及ぼすトリアミンの
生成量が少なく、簡便で生産性に優れる。
【0002】
【従来の技術】従来からナイロン6、ナイロン66など
に代表される結晶性ポリアミドは、その優れた特性と溶
融成形の容易さから、衣料用、産業資材用繊維、汎用の
エンジニアリングプラスチックとして広く用いられてい
るが、一方では、耐熱性不足、吸水による寸法安定性不
良などの問題点が指摘されている。特に近年の表面実装
技術(SMT)の発展に伴うリフローハンダ耐熱性を必
要とする電気・電子分野、年々耐熱性への要求が高まる
自動車のエンジンルーム部品などにおいては、従来のポ
リアミドの使用が困難となってきており、より耐熱性、
寸法安定性、機械特性、物理化学特性に優れたポリアミ
ドへの要求が高まっている。
【0003】このような世の中の要求に対し、テレフタ
ル酸と1,6−ヘキサンジアミンを主成分とする半芳香
族ポリアミド、1,4−ブタンジアミンとアジピン酸と
からなるポリアミドが種々提案され、一部は実用化され
ている。
【0004】このような高耐熱性のポリアミドは、通
常、その分解温度と融点が接近しているため、従来の重
合法、例えばバッチ式溶融重合法などではポリアミドの
熱分解を伴わずに重合を行い高分子量化することが困難
であった。そのため、高耐熱性のポリアミドの製造方法
としては、第一段階においてナイロン塩の水溶液または
水スラリーを水の存在下、融点付近または融点以下の温
度で重合して低次縮合物とし、第二段階において固相重
合または溶融重合により所望の重合度のポリマーを得る
方法が一般的である。
【0005】また、ポリアミドの製造時にビスヘキサメ
チレントリアミンなどのトリアミンが副生すること、お
よび副生したトリアミンは架橋構造の原因となり、流動
性、成形性、紡糸性、耐熱性、耐薬品性、耐疲労性、フ
ィルムの平滑性などの物性に悪影響を及ぼすことが知ら
れている。さらに、生成するトリアミンの量は、脂肪族
ジカルボン酸を原料とする場合に比べてテレフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸を原料とする場合に多くなるこ
とが報告されている(「高分子化学」、第25巻、第2
77号、313〜323頁)。
【0006】ポリアミドの諸物性に悪影響を及ぼすトリ
アミンを低減する製造方法として、ナイロン塩を固相重
合することによりポリアミドを製造する方法が提案され
ている(特開平4−93323号公報参照)が、この方
法ではナイロン塩の合成、乾燥、粉砕工程が必要となり
製造工程が煩雑になるばかりでなく、固相重合時のモノ
マーなどの低分子化合物の揮発量が大きく、モルバラン
スの崩れを引き起こすなどの問題点がある。
【0007】また、トリアミンを低減する別の製造方法
として、低次縮合物製造時の滞留時間を低減する方法が
提案されている(特開平10−152555号公報およ
び特開平10−168183号公報参照)が、短い滞留
時間で所望の重合度の低次縮合物を得るためには必然的
に反応温度を高くすることになり、かつ高温になるほど
トリアミンの生成速度が大きいことから、トリアミンの
抜本的な低減には至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明の目
的は、トリアミンの生成量が少なく、簡便で生産性に優
れたポリアミドの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、ジカルボン酸成
分の60〜100モル%がテレフタル酸であるジカルボ
ン酸成分と、ジアミン成分の60〜100モル%が炭素
数4〜18の脂肪族ジアミンであるジアミン成分とから
なるポリアミドを製造するに当たり、ジアミン成分、ジ
カルボン酸成分および水を用いて水分量32〜80重量
%の条件下で塩を調製し、100〜180℃で水を留去
して水分量20〜30重量%とし、次いでリン系触媒の
存在下、230〜265℃、水分量10〜20重量%の
条件で重縮合反応を行い、得られた低次縮合物を大気圧
雰囲気中に取り出した後、該低次縮合物を固相重合して
所望の重合度まで高重合度化することによって、生産性
に優れるプロセスによりポリアミドの諸物性に悪影響を
及ぼすトリアミンの生成を抑制することができることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、[I]テレフタル酸
を60〜100モル%含有するジカルボン酸成分、炭素
数4〜18の脂肪族ジアミンを60〜100モル%含有
するジアミン成分および水からなる原料を用いて水分量
32〜80重量%の条件下でジカルボン酸成分とジアミ
ン成分の塩を調製する塩調製工程、[II]100〜18
0℃の温度下で水分量が20〜30重量%になるように
水を留去する水留去工程、[III]反応温度T(℃)お
よび水分量W(重量%)が下記の式(1)および
(2); 230≦T≦265 (1) 10≦W≦20 (2) を満足する条件下で、かつリン系触媒の存在下に重縮合
反応を行い低次縮合物を製造する重縮合工程、[IV]該
低次縮合物を大気圧雰囲気中に取り出す取出工程並びに
[V]該低次縮合物を固相重合する固相重合工程からな
るポリアミドの製造方法である。以下、本発明を具体的
に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における原料は、テレフタ
ル酸を60〜100モル%含有するジカルボン酸成分、
炭素数4〜18の脂肪族ジアミンを60〜100モル%
含有するジアミン成分および水からなる。
【0012】上記のジカルボン酸成分は、テレフタル酸
を60〜100モル%含有する。テレフタル酸の含有量
が60モル%未満の場合には、得られるポリアミドの耐
熱性、耐薬品性などの諸物性が低下する。テレフタル酸
の含有量としては、75〜100モル%の範囲内である
のが好ましく、90〜100モル%の範囲内であるのが
より好ましい。ジカルボン酸成分は、40モル%以下で
あれば、テレフタル酸以外の他のジカルボン酸を含有す
ることができる。他のジカルボン酸としては、マロン
酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、
ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジ
エチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン
酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸;1,3−シク
ロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−
フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキ
シジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシ
ジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン
酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボ
ン酸などを挙げることができ、これらのうち1種または
2種以上を用いることができる。これらのうちでも芳香
族ジカルボン酸が好ましく使用される。これらの他のジ
カルボン酸の含有量としては、25モル%以下であるの
が好ましく、10モル%以下であるのがより好ましい。
さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット
酸などの多価カルボン酸を溶融成形が可能な範囲内で用
いることもできる。
【0013】上記のジアミン成分は、炭素数4〜18の
脂肪族ジアミンを60〜100モル%含有する。該脂肪
族ジアミンの含有量としては、75〜100モル%の範
囲内であるのが好ましく、90〜100モル%の範囲内
であるのがより好ましい。炭素数4〜18の脂肪族ジア
ミンとしては、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキ
サンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オ
クタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−
デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,
12−ドデカンジアミン等の直鎖脂肪族ジアミン;3−
メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリ
メチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリ
メチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,
8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジ
アミン等の分岐を有する鎖状脂肪族ジアミンなどを挙げ
ることができ、これらのうち1種または2種以上を用い
ることができる。これらのうちでも、得られるポリアミ
ドの耐熱性、耐薬品性、熱安定性の観点から、1,9−
ノナンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オ
クタンジアミンが好ましい。ジアミン成分は、40モル
%以下であれば、炭素数4〜18の脂肪族ジアミン以外
の他のジアミンを含有することができる。他のジアミン
成分としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン
等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチル
シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルナンジ
メタナミン、トリシクロデカンジメタナミン等の脂環式
ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
等の芳香族ジアミンなどを挙げることができ、これらの
うち1種または2種以上を用いることができる。これら
の他のジアミンの含有量としては、25モル%以下であ
るのが好ましく、10モル%以下であるのがより好まし
い。
【0014】本発明における塩調製工程では、上記した
ジカルボン酸成分、ジアミン成分および水からなる原料
を用いて水分量32〜80重量%の条件下でジカルボン
酸成分とジアミン成分の塩を調製する。水分量が32重
量%より少ないと塩が均一に生成しない場合があり、ま
た塩水溶液または塩スラリーの粘度が高くなり、取り扱
いにくくなる。一方、水分量が80重量%より多いと次
の水留去工程に長時間を要し、生産量が低下する。
【0015】塩調製工程に引き続き、水留去工程におい
て、100〜180℃の温度下で水分量が20〜30重
量%になるように水を留去する。上記の温度下で水を留
去することによって、水蒸気とともに系内に残存する酸
素が除去されると同時に重縮合反応時の熱履歴が低減さ
れ、トリアミンの生成が抑制される。水を留去する温度
としては、120〜160℃の範囲内が好ましい。
【0016】水留去工程の後、昇温しながら必要に応じ
てさらに水を留去し、重縮合工程において、反応温度T
(℃)および水分量W(重量%)が下記の式(1)およ
び(2); 230≦T≦265 (1) 10≦W≦20 (2) を満足する条件下で、かつリン系触媒の存在下に重縮合
反応を行い低次縮合物を製造する。重縮合反応の温度を
上記した範囲内にすることにより、十分な重合速度およ
び十分な重合度が得られ、またトリアミンの生成が抑制
される。重縮合反応の温度としては、235〜255℃
の範囲内が好ましい。また、重縮合反応時の水分量が1
0重量%より少ないと、反応中または低次縮合物の取り
出し時に固化するおそれがある。一方、水分量が20重
量%より多いと、反応速度が遅くかつ平衡重合度が低い
ために重合に長時間を要する。重縮合反応時の水分量と
しては、12〜18重量%の範囲内であるのが好まし
い。なお、ここでいう水分量は、重縮合反応により発生
する水の量も含む値である。
【0017】また、低次縮合物を製造する際(塩調製工
程、水留去工程および重縮合工程)の反応容器内の酸素
濃度としては、トリアミンの生成を抑制する観点から、
500ppm以下であるのが好ましく、200ppm以
下であるのがより好ましい。
【0018】上記の重縮合工程を反応温度T(℃)およ
び水分量W(重量%)がさらに下記の式(3); W≦0.22T−36.3 (3) を満足する条件下で行うと、得られる低次縮合物の重合
度が充分高く、固相重合時のモノマーの揮発によるモル
バランスの崩れが少なくかつ固相重合装置内での膠着が
少なくなる。
【0019】必要な反応時間は、反応温度、水分量によ
って異なるが、トリアミンの生成を抑制する観点から、
重縮合反応の速度および平衡定数を考慮して、所望の重
合度の低次縮合物となる必要最低限の時間内で反応を行
うのが好ましい。
【0020】上記のリン系触媒としては、リン酸、亜リ
ン酸、次亜リン酸、それらの塩(リン酸ナトリウム、次
亜リン酸ナトリウムなど)またはエステル(2,2−メ
チレンビス(ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスフ
ァイト、亜リン酸トリフェニルなど)などが挙げられ
る。これらのリン系触媒を用いることにより、トリアミ
ンの生成が抑制され、また重縮合速度が増加し、重縮合
時のポリアミドの劣化が防止される。リン系触媒として
は、生成するポリアミドの品質(トリアミン量、色調な
ど)の観点から、亜リン酸、次亜リン酸、それらの塩ま
たはエステルが好ましく、価格および取り扱いの容易さ
の観点から、亜リン酸、次亜リン酸ナトリウムがより好
ましい。リン系触媒の添加量としては、ジカルボン酸成
分およびジアミン成分の総量に対して0.01〜5重量
%の範囲内であるのが好ましく、0.05〜2重量%の
範囲内であるのがより好ましく、0.07〜1重量%の
範囲内であるのがさらに好ましい。添加量が0.01重
量%より少ないと、実用的な重合速度が得られない場合
があり、また得られるポリアミドが着色または劣化しや
すくなる。一方、添加量が5重量%より多いと、重合速
度が低下し、着色、ゲル化などの劣化を伴ったポリアミ
ドが得られる傾向がある。
【0021】また、重縮合反応を行う際には、分子量調
節および溶融安定性向上のために末端封止剤を添加して
おくのが好ましい。末端封止剤としては、ポリアミド末
端のアミノ基またはカルボキシル基との反応性を有する
単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性お
よび封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸ま
たはモノアミンが好ましく、取り扱いの容易さなどの点
から、モノカルボン酸がより好ましい。その他、無水フ
タル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロ
ゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを使
用することもできる。
【0022】末端封止剤として使用されるモノカルボン
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデ
カン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸;シク
ロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息
香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナ
フタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フ
ェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;これらの任意の
混合物などを挙げることができる。これらのうちでも、
反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル
酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましい。
【0023】末端封止剤として使用されるモノアミンと
しては、カルボキシル基との反応性を有するものであれ
ば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、
オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;
アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルア
ミン等の芳香族モノアミン;これらの任意の混合物など
を挙げることができる。これらのうちでも、反応性、沸
点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチル
アミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミ
ン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリ
ンが好ましい。
【0024】上記の末端封止剤の使用量は、用いる末端
封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによっ
て変化するが、通常、ジカルボン酸成分とジアミン成分
の総モル数に対して0.1〜15モル%の範囲内であ
る。また、末端封止剤は、原料に加えておいてもよい。
【0025】本発明においては、上記の重縮合反応によ
り生成した低次縮合物を取出工程において反応容器から
大気圧雰囲気中に取り出す。取り出す際の低次縮合物の
温度としては、該低次縮合物のガラス転移温度〜ガラス
転移温度+30℃の温度の範囲内が好ましい。取り出す
際の低次縮合物の温度をガラス転移温度以上に保つこと
により、結晶化度が充分高く、後工程への通過性が良好
な低次縮合物が得られる。取り出す際の低次縮合物の温
度がガラス転移温度+30℃より高い場合には、低次縮
合物が塊状化し易くなる。塊状化をより効果的に抑制
し、後工程への通過性が良好な低次縮合物を得る観点か
ら、取り出す際の低次縮合物の温度は、該低次縮合物の
ガラス転移温度〜ガラス転移温度+20℃の範囲内であ
るのがより好ましい。
【0026】低次縮合物の反応容器からの取り出しは、
例えば反応容器下部の取り出し口からノズルを経て大気
圧雰囲気下に吐出することにより行うことができる。取
り出される低次縮合物の温度を上記の温度範囲に制御す
る方法としては、反応容器下部の弁とノズルの間の配
管から水を添加する方法、吐出された低次縮合物に水
を噴霧する方法、吐出された低次縮合物に窒素を吹き
掛ける方法などが挙げられる。
【0027】上記の方法において、添加する水の量
は、吐出される低次縮合物の温度をどの程度低下させる
かによって適宜設定することができる。配管内での低次
縮合物の固化を防ぐために、添加する水を200℃以
上、好ましくは220℃以上に加熱するのがよい。ま
た、添加する水の温度が配管を流れる反応物の温度より
高いと配管内で水の蒸発が起こり、吐出された低次縮合
物の冷却に寄与する添加水の蒸発潜熱が充分に得られな
いため、添加する水の温度を配管を流れる反応物の温度
以下にするのが好ましい。上記またはの方法におい
て使用される水または窒素の量および温度は、吐出され
た低次縮合物の温度をどの程度低下させるかによって適
宜設定できる。これらの方法は、単独で用いるだけでな
く、2つ以上を組合わせて用いることもできる。
【0028】このようにして得られた低次縮合物は、塊
状化が少なく、工程通過性が良好なものであるが、さら
に粉砕などにより塊状物を低減させかつ粒径を揃えるこ
ともできる。
【0029】低次縮合物の濃硫酸中、30℃で測定した
極限粘度[η]は0.08〜0.5dl/gの範囲内で
あるのが好ましく、0.12〜0.5dl/gの範囲内
であるのがより好ましく、0.15〜0.5dl/gの
範囲内であるのがさらに好ましい。極限粘度が上記した
範囲内にあると、固相重合の際に高い温度が採用でき、
且つ固相重合時の融着などが抑えられる。
【0030】得られた低次縮合物を、固相重合工程にお
いて、固相重合により所望の重合度に到達せしめること
によってポリアミドを製造することができる。固相重合
法では、ポリアミドの融点以下の温度で重合することか
ら、融点以上の高温が必要な溶融重合に比べトリアミン
の生成量を少なくすることができる。固相重合の方法と
しては、窒素などの不活性ガスの気流中で行う方法、減
圧下で行う方法などが挙げられる。
【0031】上記の固相重合により、トリアミン単位の
含有量が少ないポリアミドが得られる。トリアミン単位
の含有量としては、ジアミン単位とトリアミン単位の合
計モル数に基づいて0.6モル%以下であるのが好まし
く、0.5モル%以下であるのがより好ましい。また、
ポリアミドの極限粘度としては、0.5〜3dl/gの
範囲内であるのが好ましく、0.6〜2dl/gの範囲
内であるのがより好ましい。
【0032】本発明のポリアミドの製造方法において
は、ガラス繊維、炭素繊維、無機粉末状フィラー、有機
粉末状フィラー、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸
化防止剤、帯電防止剤、難然剤、結晶化促進剤、可塑
剤、潤滑剤などの添加剤を、重縮合反応の任意の段階ま
たはその後に添加することができる。
【0033】また、本発明により得られるポリアミド
は、ガラス繊維、炭素繊維、無機粉末状フィラー、有機
粉末状フィラーなどを配合した強化系、他種ポリマーと
のアロイなどの形態でも使用することができ、射出成
形、ブロー成形、押出成形、圧縮成形、延伸、真空成形
などの成形法が適用できる。さらに、エンジニアリング
プラスチックとしての通常の成形体のみならず、フィル
ムや繊維の形態にも成形可能であり、産業資材、工業材
料、家庭用品などに好適に使用することができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものでは
ない。なお、実施例中の低次縮合物の温度、塊状物の割
合、ガラス転移温度、トリアミン単位の含有量、極限粘
度[η]、ポリアミドの極限粘度[η]、結晶化温度は
以下の方法により測定した。
【0035】低次縮合物の温度:直径40cm、高さ2
mの円筒状の容器の下部から50cmの位置に内温計を
設置し、吐出工程の最高温度を吐出された低次縮合物の
温度とした。
【0036】塊状物の割合:吐出された低次縮合物を目
開き6mmの篩にかけ、篩上に残った重量の全体の重量
に対する割合として算出した。
【0037】低次縮合物のガラス転移温度:吐出された
低次縮合物をDSC(メトラー社製:DSC30)を用
い、30℃から200℃まで10℃/分で昇温したとき
のガラス転移温度付近に観察される2つの変曲点の中間
温度を測定し、これをガラス転移温度とした。
【0038】トリアミン単位の含有量:ポリアミド3g
に20mlの臭化水素酸を加え、還流条件下で12時間
保持した。これを室温付近まで冷却し、さらに氷浴中で
30分冷却した後、不溶分を濾別した。得られた濾液を
エバポレーターで濃縮した後、さらに100℃で12時
間、真空乾燥を行った。得られた固形分300mgを秤
取し、水酸化ナトリウムのメタノール飽和溶液を1ml
加え、不溶分を0.45μmのメンブランフィルターで
取り除いた後、ガスクロマトグラフィー(カラム:化学
品検査協会製G−100;インジェクション270℃;
ディテクター270℃;カラム温度150℃から10℃
/分の昇温速度で270℃まで昇温し、270℃で30
分保持)に2μlを打ち込んで測定した。別途合成した
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタ
ンジアミンの80:20の混合物からなるトリアミンを
用い、濃度0.5g/l、1.0g/l、3.0g/
l、5.0g/lのガスクロマトグラフィー測定結果か
ら検量線を作成し、先の測定値からトリアミン量を算出
した。
【0039】極限粘度[η]:濃硫酸中、30℃にて、
0.05、0.1、0.2、0.4g/dlの濃度の試
料の固有粘度(ηinh)を測定し、これを濃度0に外挿
した値を極限粘度[η]とした。
【0040】結晶化温度:メトラー社製DSC30を用
い、100ml/分の流速で窒素を流しながらポリアミ
ド10mgを30℃から350℃まで昇温し、350℃
で2分保持した後、10℃/分の速度で30℃まで冷却
したときの結晶化発熱ピークの温度を測定した。
【0041】実施例1 テレフタル酸1108.0g(6.90モル)、1,9−
ノナンジアミン886.4g(5.6モル)、2−メチル
−1,8−オクタンジアミン221.6g(1.4モ
ル)、安息香酸25.65g(0.21モル)、次亜リン
酸ナトリウム一水和物2.3g(原料に対して0.1重
量%)、水1521g(水分量40重量%)を内容積5
リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。窒素
置換後のオートクレーブ内の酸素濃度は130ppmで
あった。1時間かけて内部温度を150℃まで昇温した
後、水を760g留出させた(水分量25重量%)。次
いで、内部温度を240℃に昇温した後、水を580g
留出させ、その後4時間保持した。反応は常に攪拌しな
がら行った。その後、反応容器下部の取り出し口からノ
ズル(1mm径)を介し、低次縮合物を吐出速度200
g/分にて、120℃のスチームトレースを施した垂直
に立てた直径40cm、高さ2mの円筒状の容器に下向
きに吐出し、このときに反応容器下部の取り出し口とノ
ズルの間の配管へ230℃に加熱された水を15g/分
の速度で添加した。得られたポリアミド低次縮合物の温
度、塊状物の割合、ガラス転移温度、極限粘度を測定し
た。得られた結果を表1に示す。このポリアミド低次縮
合物250gを、1Lの丸底フラスコに入れ、窒素置換
した後、流量300ml/分で窒素を流し、攪拌しなが
ら2時間かけて内部温度を250℃に昇温し、そのまま
5時間反応させた。内容物を室温付近まで冷却した後、
丸底フラスコから取り出した。得られたポリアミドのト
リアミン単位の含有量、極限粘度、結晶化温度を表1に
示す。
【0042】実施例2 テレフタル酸1108.0g(6.90モル)、1,9−
ノナンジアミン886.4g(5.6モル)、2−メチル
−1,8−オクタンジアミン221.6g(1.4モ
ル)、安息香酸25.65g(0.21モル)、亜リン酸
3.5g(原料に対して0.15重量%)、水1521
g(水分量40重量%)を内容積5リットルのオートク
レーブに入れ、窒素置換した。窒素置換後のオートクレ
ーブ内の酸素濃度は130ppmであった。1時間かけ
て内部温度を150℃まで昇温した後、水を760g留
出させた(水分量25重量%)。次いで、内部温度を2
50℃に昇温した後、水を580g留出させ、その後2
時間保持した。反応は常に攪拌しながら行った。その
後、反応容器下部の取り出し口からノズル(1mm径)
を介し、低次縮合物を吐出速度200g/分にて、12
0℃のスチームトレースを施した垂直に立てた直径40
cm、高さ2mの円筒状の容器に下向きに吐出し、この
ときにノズル直後の吐出された低次縮合物に20℃の水
を100g/分の速度で噴霧した。得られたポリアミド
低次縮合物の温度、塊状物の割合、ガラス転移温度、極
限粘度を測定した。得られた結果を表1に示す。このポ
リアミド低次縮合物250gを、1Lの丸底フラスコに
入れ、窒素置換した後、流量300ml/分で窒素を流
し、攪拌しながら2時間かけて内部温度を250℃に昇
温し、そのまま5時間反応させた。内容物を室温付近ま
で冷却した後、丸底フラスコから取り出した。得られた
ポリアミドのトリアミン単位の含有量、極限粘度、結晶
化温度を表1に示す。
【0043】実施例3 テレフタル酸1108.0g(6.90モル)、1,9−
ノナンジアミン886.4g(5.6モル)、2−メチル
−1,8−オクタンジアミン221.6g(1.4モ
ル)、安息香酸25.65g(0.21モル)、アデカス
タブHP−10(旭電化製)14.9g(原料に対して
0.66重量%)、水1521g(水分量40重量%)
を内容積5リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換
した。窒素置換後のオートクレーブ内の酸素濃度は13
0ppmであった。1時間かけて内部温度を150℃ま
で昇温した後、水を760g留出させた(水分量25重
量%)。次いで、内部温度を250℃に昇温し、水を5
80g留出させ、その後2時間保持した。反応は常に攪
拌しながら行った。その後、反応容器下部の取り出し口
からノズル(1mm径)を介し、低次縮合物を吐出速度
200g/分にて、120℃のスチームトレースを施し
た垂直に立てた直径40cm、高さ2mの円筒状の容器
に下向きに吐出し、このときにノズル直後の吐出された
低次縮合物に常温の窒素を1L/分の速度で吹き掛け
た。得られたポリアミド低次縮合物の温度、塊状物の割
合、ガラス転移温度、極限粘度を測定した。得られた結
果を表1に示す。このポリアミド低次縮合物250g
を、1Lの丸底フラスコに入れ、窒素置換した後、流量
300ml/分で窒素を流し、攪拌しながら2時間かけ
て内部温度を250℃に昇温し、そのまま5時間反応さ
せた。内容物を室温付近まで冷却した後、丸底フラスコ
から取り出した。得られたポリアミドのトリアミン単位
の含有量、極限粘度、結晶化温度を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】比較例1 テレフタル酸1108.0g(6.90モル)、1,9
−ノナンジアミン886.4g(5.6モル)、2−メ
チル−1,8−オクタンジアミン221.6g(1.4
モル)、安息香酸25.65g(0.21モル)、次亜
リン酸ナトリウム一水和物2.3g(原料に対して0.
1重量%)、水1521g(水分量40重量%)を内容
積5リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。
窒素置換後のオートクレーブ内の酸素濃度は130pp
mであった。2時間かけて内部温度を250℃まで昇温
した後、水を1340g留出させ、その後2時間保持し
た。反応は常に攪拌しながら行った。その後、反応容器
下部の取り出し口からノズル(1mm径)を介し、低次
縮合物を吐出速度200g/分にて、120℃のスチー
ムトレースを施した垂直に立てた直径40cm、高さ2
mの円筒状の容器に下向きに吐出し、このときに反応容
器下部の取り出し口とノズルの間の配管へ230℃に加
熱された水を15g/分の速度で添加した。得られたポ
リアミド低次縮合物の温度、塊状物の割合、ガラス転移
温度、極限粘度を測定した。得られた結果を表2に示
す。このポリアミド低次縮合物250gを、1Lの丸底
フラスコに入れ、窒素置換した後、流量300ml/分
で窒素を流し、攪拌しながら2時間かけて内部温度を2
50℃に昇温し、そのまま5時間反応させた。内容物を
室温付近まで冷却した後、丸底フラスコから取り出し
た。得られたポリアミドのトリアミン単位の含有量、極
限粘度、結晶化温度を表2に示す。
【0046】比較例2 テレフタル酸1108.0g(6.90モル)、1,9
−ノナンジアミン886.4g(5.6モル)、2−メ
チル−1,8−オクタンジアミン221.6g(1.4
モル)、安息香酸25.65g(0.21モル)、水1
521g(水分量40重量%)を内容積5リットルのオ
ートクレーブに入れ、窒素置換した。窒素置換後のオー
トクレーブ内の酸素濃度は130ppmであった。1時
間かけて内部温度を150℃まで昇温した後、水を76
0g留出させた。次いで、内部温度を240℃に昇温し
た後、水を580g留出させ、その後4時間保持した。
反応は常に攪拌しながら行った。その後、反応容器下部
の取り出し口からノズル(1mm径)を介し、低次縮合
物を吐出速度200g/分にて、120℃のスチームト
レースを施した垂直に立てた直径40cm、高さ2mの
円筒状の容器に下向きに吐出し、このときに反応容器下
部の取り出し口とノズルの間の配管へ230℃に加熱さ
れた水を15g/分の速度で添加した。得られたポリア
ミド低次縮合物の温度、塊状物の割合、ガラス転移温
度、極限粘度を測定した。得られた結果を表2に示す。
このポリアミド低次縮合物250gを、1Lの丸底フラ
スコに入れ、窒素置換した後、流量300ml/分で窒
素を流し、攪拌しながら2時間かけて内部温度を250
℃に昇温し、そのまま5時間反応させた。内容物を室温
付近まで冷却した後、丸底フラスコから取り出した。得
られたポリアミドのトリアミン単位の含有量、極限粘
度、結晶化温度を表2に示す。
【0047】比較例3 テレフタル酸1108.0g(6.90モル)、1,9
−ノナンジアミン886.4g(5.6モル)、2−メ
チル−1,8−オクタンジアミン221.6g(1.4
モル)、安息香酸25.65g(0.21モル)、次亜
リン酸ナトリウム一水和物2.3g(原料に対して0.
1重量%)、水1521g(水分量40重量%)を内容
積5リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。
窒素置換後のオートクレーブ内の酸素濃度は1000p
pmであった。2時間かけて内部温度を250℃まで昇
温した後、水を1340g留出させ、その後2時間保持
した。反応は常に攪拌しながら行った。その後、反応容
器下部の取り出し口からノズル(1mm径)を介し、低
次縮合物を吐出速度200g/分にて、120℃のスチ
ームトレースを施した垂直に立てた直径40cm、高さ
2mの円筒状の容器に下向きに吐出し、このときに反応
容器下部の取り出し口とノズルの間の配管へ230℃に
加熱された水を15g/分の速度で添加した。得られた
ポリアミド低次縮合物の温度、塊状物の割合、ガラス転
移温度、極限粘度を測定した。得られた結果を表2に示
す。このポリアミド低次縮合物250gを、1Lの丸底
フラスコに入れ、窒素置換した後、流量300ml/分
で窒素を流し、攪拌しながら2時間かけて内部温度を2
50℃に昇温し、そのまま5時間反応させた。内容物を
室温付近まで冷却した後、丸底フラスコから取り出し
た。得られたポリアミドのトリアミン単位の含有量、極
限粘度、結晶化温度を表2に示す。
【0048】比較例4 テレフタル酸1108.0g(6.90モル)、1,9−
ノナンジアミン886.4g(5.6モル)、2−メチル
−1,8−オクタンジアミン221.6g(1.4モ
ル)、安息香酸25.65g(0.21モル)、亜リン酸
3.5g(原料に対して0.15重量%)、水1521
g(水分量40重量%)を内容積5リットルのオートク
レーブに入れ、窒素置換した。窒素置換後のオートクレ
ーブ内の酸素濃度は130ppmであった。1時間かけ
て内部温度を150℃まで昇温した後、水を760g留
出させた(水分量25重量%)。次いで、内部温度を2
50℃に昇温した後、水を580g留出させ、その後2
時間保持した。反応は常に攪拌しながら行った。その
後、反応容器下部の取り出し口からノズル(1mm径)
を介し、低次縮合物を吐出速度200g/分にて、12
0℃のスチームトレースを施した垂直に立てた直径40
cm、高さ2mの円筒状の容器に下向きに吐出した。得
られたポリアミド低次縮合物の温度、塊状物の割合、ガ
ラス転移温度、極限粘度を測定した。得られた結果を表
2に示す。このポリアミド低次縮合物をシリンダー温度
320℃、滞留時間4分の条件で押出し機を用いて高重
合度化した。得られたポリアミドのトリアミン単位の含
有量、極限粘度、結晶化温度を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、トリアミンの生成量が
少なく、簡便で生産性に優れたポリアミドの製造方法が
提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 和則 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 松永 進 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 DC14 DD07 EB37 EC09 EE16D EE28C EE44C FB03 FC03 FD01 GA15 GB02 GB05 JA10 JA12 JA15 JC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [I]テレフタル酸を60〜100モル
    %含有するジカルボン酸成分、炭素数4〜18の脂肪族
    ジアミンを60〜100モル%含有するジアミン成分お
    よび水からなる原料を用いて水分量32〜80重量%の
    条件下でジカルボン酸成分とジアミン成分の塩を調製す
    る塩調製工程、[II]100〜180℃の温度下で水分
    量が20〜30重量%になるように水を留去する水留去
    工程、[III]反応温度T(℃)および水分量W(重量
    %)が下記の式(1)および(2); 230≦T≦265 (1) 10≦W≦20 (2) を満足する条件下で、かつリン系触媒の存在下に重縮合
    反応を行い低次縮合物を製造する重縮合工程、[IV]該
    低次縮合物を大気圧雰囲気中に取り出す取出工程並びに
    [V]該低次縮合物を固相重合する固相重合工程からな
    るポリアミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 塩調製工程、水留去工程および重縮合工
    程を酸素濃度が500ppm以下の条件下で行うことを
    特徴とする請求項1に記載のポリアミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 取出工程が、低次縮合物を該低次縮合物
    のガラス転移温度〜ガラス転移温度+30℃の温度で大
    気圧雰囲気中に取り出す工程であることを特徴とする請
    求項1または2に記載のポリアミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 重縮合工程をさらに下記の式(3);W
    ≦0.22T−36.3 (3)を満足する条件下で
    行うことを特徴とする請求項3に記載のポリアミドの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 炭素数4〜18の脂肪族ジアミンが1,
    9−ノナンジアミンおよび/または2−メチル−1,8
    −オクタンジアミンであることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1頁に記載のポリアミドの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリアミドに含まれるトリアミン単位
    が、ジアミン単位とトリアミン単位の合計モル数に基づ
    いて0.6モル%以下であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか1項に記載のポリアミドの製造方法。
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