JP4151580B2 - シリコン単結晶の製造方法並びにシリコン単結晶とシリコンウエーハ - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法並びにシリコン単結晶とシリコンウエーハ Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」とも称する。)を用いたシリコン単結晶の製造方法に関し、より詳しくは先端の尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶を用いて、ダッシュ−ネッキング(Dash Necking)法を用いることなくチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成製造する方法と、それにより製造されたシリコン単結晶並びにシリコンウエーハに関する。
背景技術
半導体素子を形成する基板材料であるウエーハには、主にCZ法により育成されたシリコン単結晶をウエーハ状に加工した、シリコンウエーハが用いられている。一般的に、CZ法を用いたシリコン単結晶の育成では、図2(A)(B)に示す形状の種結晶を、融点である1420℃以上に加熱されたシリコン融液に静かに接触させ、種結晶温度が安定したところで、融液上方へ種結晶を徐々に引上げることによって、種結晶の下方にシリコン単結晶の育成を図る。この時、種結晶を高温のシリコン融液に着液した際にもたらされる熱衝撃で、種結晶には無数のスリップ転位が発生するため、このスリップ転位を除去する目的で、図4に図示するように、種結晶下方に成長する結晶の径を、一旦、3〜5mm程度まで徐々に細くする絞り部を形成する。そして、スリップ転位が育成結晶から除去できた時点で、今度は静かに所望の直径まで結晶径を広げ(拡径部の形成)、必要とする定径部直径を持った略円柱状のシリコン単結晶を引上げる。
種結晶をシリコン融液に接触した際に生じるスリップ転位を、結晶径を3〜5mm程度まで細く絞ることによって除去する方法は、ダッシュ−ネッキング法と呼ばれ、CZ法を用いたシリコン単結晶の育成では広く利用されている製造方法である。
一方、昨今のシリコン単結晶製造では、シリコン単結晶そのものの生産性を高めるため、単結晶の定径部を可能な限り長くする生産形態を取り入れたり、半導体素子の大型化や歩留り向上を目指し、直径の大きなシリコンウエーハが必要とされることから、引上げる単結晶の大直径化、高重量化が進んでいる。
このような大直径、高重量のシリコン単結晶を育成するには、絞り部の径を5mm以下にしなくてはスリップ転位を除去できないダッシュ−ネッキング法に頼って生産を行っていたのでは、自ずと限界が生じてしまう。
このため、最近ではダッシュ−ネッキング法を用いることなく、無転位でシリコン単結晶を育成する方法も検討されつつある。例えば、特開平10−203898号公報には、先端の尖った形状あるいは尖った先端を切り取った形状の種結晶を用いて、絞り部を形成することなくシリコン単結晶を成長させる技術が開示されている。
この特開平10−203898号公報に開示されている技術を用いれば、種結晶先端に成長する結晶の径を5mm以下に細く絞らなくとも、無転位のシリコン結晶を成長させることができるため、大直径結晶や高重量結晶を育成するのに有利となる。
しかしながら、上述の特開平10−203898号公報に記載されたシリコン単結晶の製造技術では、種結晶をシリコン融液に着液させた際に、いかにスリップ転位を生じさせないよう操業条件を整えるかが問題となる。例え、先端の形状が尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶であっても、シリコン融液に着液した際に種結晶とシリコン融液の温度の差が必要以上に大きい場合は、無数のスリップ転位が種結晶に入り、ネッキングを施さなければスリップ転位を消滅させることが不可能になる。また、種結晶先端部を所望の径までシリコン融液に浸漬する間でも、シリコン融液の温度が大きく変化すると種結晶にスリップ転位が入ってしまう等、操業面で検討されるべき点も数多く残されていた。
また、このシリコンウエーハには、物理的な特徴や結晶成長あるいは半導体素子を製造する工程での優位性から、半導体素子を形成するウエーハ主面の面方位が(100)や(111)のシリコンウエーハが多用されてきた。しかし、近年、半導体素子を形成した際のキャリアの移動が結晶方位に大きく依存することから、半導体素子の動作速度の高速化を目指し、スイッチング速度の高速化が期待できる面方位(110)のシリコンウエーハが注目されつつある(日経マイクロデバイス、2001年2月号No.188、日経BP社、2001年2月1日発行)。
この面方位(110)のシリコンウエーハを得るには、結晶方位が<100>や<111>であるシリコン単結晶を、(110)面がウエーハ主面となるように加工を施すか、始めから結晶方位が<110>のシリコン単結晶を育成しシリコンウエーハに加工する方法がある。しかし、前者の結晶方位<100>や<111>の単結晶から、主面の面方位が(110)となるシリコンウエーハを製造する方法には、主面が(110)面となるよう円筒状の結晶を斜めに切断する必要があることから、一般的な半導体素子の基板とされる略円形のシリコンウエーハを得るには、形状を整えるための削り代が大きなロスとなるし、加工に要する時間も長くなるので、工業的にシリコンウエーハを量産するのには効率の良い方法ではない。
これに対し、始めから結晶方位が<110>の単結晶を育成し、(110)面を主面とするシリコンウエーハを製造する方法では、他の面方位のシリコンウエーハと同じように、シリコン単結晶を引上軸方向に対し垂直にスライスし、鏡面研磨加工を施せば(110)面を主面とするシリコンウエーハを得ることができる。この方法によれば、単結晶を引上げた後の加工工程では、面方位(100)や(111)のウエーハと同じように加工を行うことができるため、ウエーハ形状を整える時にでる研削ロスや、形を整えるための加工時間を最小限に抑えられ、無駄のない効率的なウエーハ加工を行うことができる。
但し、この方法は、結晶方位が<110>となるシリコン単結晶を育成するのに課題がある。
つまり熱衝撃により種結晶にもたらされるスリップ転位は、結晶方位が<100>や<111>の結晶であれば、結晶成長界面に対し50〜70°前後の角度で導入されるので、結晶径を3〜5mm程度まで細く絞れば育成結晶からスリップ転位を抜く(除去する)ことができる。しかし、結晶方位が<110>の結晶では、スリップ転位が結晶成長界面に対し略垂直方向近くに入るため、スリップ転位を育成結晶から簡単に除去することは難しく、特開平9−165298号公報等に示されているように、絞り部径を2mm未満にまで極端に細くする方法や、絞り部径を3〜5mm程度に細く絞り、その後、径を太くする操作を繰り返し、絞り部に多段の凹凸を作ってスリップ転位を抜く等の特別な方法を用いて、シリコン単結晶を育成することが要求される。
特に、結晶方位が<100>や<111>のシリコン単結晶を育成する場合では、熱衝撃で種結晶先端に生じたスリップ転位がわずかであれば、先端の形状が尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶を用いた効果により、所望径まで種結晶を浸漬する間にスリップ転位を消滅させてしまうこともできる。しかし、結晶方位が<110>の結晶では、上述したように種結晶の溶融面に対しスリップ転位が略垂直方向近くに入るため、わずかであっても種結晶に一度スリップ転位が入ると消滅させるのは極めて難しい。
従って、先端の尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶により、ダッシュ−ネッキング法を用いずに結晶方位<110>のシリコン単結晶を育成するには、結晶方位<100>や<111>のシリコン単結晶を育成する場合よりも、更に最適な操業条件を形成する必要があった。
また、結晶方位<110>のシリコン単結晶の育成においても、高重量、大直径のシリコン単結晶を生産するには、スリップ転位を除去するためにダッシュ−ネッキング法を用い絞り部を形成し、更に転位除去を確実なものとするため絞り部の最少直径を2〜3mm程度まで細くしていたのでは、とても直径200mm以上の大直径、100kg以上の高重量のシリコン単結晶を引上げることはできない。このような高重量、大直径のシリコン単結晶を支え引上げるためには、種結晶先端に形成される結晶径は、最小径部分でも5mm以上の直径を確保する必要がある。
発明の開示
本発明の課題は、先端の尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶を使用して、ダッシュ−ネッキング法を用いることなくCZ法によりシリコン単結晶を育成するにあたり、無転位で単結晶を引上げることができる成功率を高めると同時に、結晶方位が<110>のシリコン単結晶の育成であっても、種結晶先端に形成される結晶の最小径を5mm以上とし、単結晶定径部の直径が200mm、あるいはそれ以上の大直径のシリコン単結晶を育成することが可能なシリコン単結晶の製造方法とシリコン単結晶、並びに直径が200mm以上である面方位(110)の直径の大きなシリコンウエーハを提供するところにある。
上記の課題を解決するために、本発明のシリコン単結晶の製造方法は、ダッシュ−ネッキング法を行わないチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法において、先端部の角度が28°以下である先端の尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶を用い、前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触させる前にシリコン融液の直上で止め加温し、その後、前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触させ、所望径までシリコン融液に沈め、その後、引上げに転じて単結晶の引上げを行う場合に、少なくとも前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触させ引上げに転じるまでの間は、シリコン融液表面の温度変動を±5℃以下に保つことを特徴とする。
ダッシュ−ネッキングを行っていないことから種結晶先端に形成される結晶径は、5mm以上の直径を確保する事が可能となり、直径200mm以上の大直径、100kg以上の高重量のシリコン単結晶を引上げることができる。
特に先端の尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶を用いて、ダッシュ−ネッキング(種結晶先端に形成される結晶径を、一旦、3〜5mm程度まで細くしスリップ転位を除去する。)を行わずに無転位でシリコン単結晶を育成する場合には、種結晶として先端部の角度が28°以下である先端の尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶を用いて結晶成長を行うのが望ましい。種結晶先端部の角度が、28°以下である種結晶を用いることによって、無転位で単結晶を引上げる成功率を高めることができる。
先端部の角度が28°以下であれば、シリコン融液に種結晶を接触させた際に生じる熱衝撃を緩和しやすくなり、また、わずかにスリップ転位が生じた場合でも、種結晶先端部の角度を28°以下とすることによって、スリップ転位を種結晶の外に逃がしやすくなる。しかし、先端部の角度が28°を超えた場合には、種結晶の先端部位で熱容量が大きくなり、シリコン融液に先端部を接触した際に温度差ができて熱衝撃が生じ、これによってスリップ転位が結晶に導入されることになる。また、シリコン融液に浸漬した後の種結晶先端部の径もおのずと太くなるため、導入されたスリップ転位も結晶の外へ逃げ難くなってしまう。
このような理由から、本発明の製造方法では、シリコン融液と種結晶を接触させた際の熱衝撃を抑えるため、種結晶先端部の角度が28°以下である先端の尖ったあるいは尖った先端を切り取った形状の種結晶を用いる。
そして、上述の種結晶をシリコン融液に接融させる前には、シリコン融液の直上で、シリコン融液表面の温度と略同じ温度になるまで加温する必要がある。
シリコン融液に種結晶を接触させる前に加温し、十分に種結晶先端部の温度をシリコン融液の温度に近づけることで、シリコン融液に浸漬する種結晶先端部とシリコン融液の温度差を無くし、熱衝撃の発生を押さえられる。この時、シリコン融液直上での種結晶の加温は、好ましくは、5〜60分程度、最適には、20〜30分程度とするのが適切である。
5〜60分の範囲で種結晶先端部を加温すれば、十分に種結晶先端部の温度をシリコン融液表面の温度に近づけられるし、加温を行うことで、シリコン単結晶の生産性も損なうことはない。より最適には、種結晶の加温は、シリコン融液と種結晶先端部の隙間を1〜5mm程度の範囲に保ち、20〜30分間の加温を加えシリコン融液への浸漬を行えば、種結晶をシリコン融液に接触した際の熱衝撃を可能な限り小さなものとすることが可能である。
更に、前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触し所望の径となるまでシリコン融液に沈め引上げに転じるまでの間は、種結晶近傍のシリコン融液表面の温度変動を±5℃以下に保ち浸漬を行う必要がある。
シリコン融液は、その周囲に配置されたヒータにより加熱され融液として保持されていることから、シリコン融液は常に熱対流を生じ、絶えず温度が微妙に変化している。この熱対流による温度変化が大き過ぎると、シリコン融液の温度に合わせ種結晶を加温し着液させても、種結晶先端部に熱衝撃が走りスリップ転位が発生することになる。また、種結晶の先端部をシリコン融液中に沈み込ませるにあたっても、先端部の沈み込みの途中で種結晶近傍のシリコン融液温度が大きく変化すると、種結晶と融液温度の温度差により種結晶に熱的な歪みが生じ、スリップ転位が種結晶に入り、それ以降、無転位で単結晶を成長させることが難しくなる。
このようなスリップ転位の導入を可能な限り抑えるためには、先端の尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶の先端部を、シリコン融液に接触する時点から、所望径となるまで先端部をシリコン融液に沈め引上げに転じるまでの間の種結晶先端部近傍の融液表面温度の変動を、種結晶接触時の温度から±5℃以下となるように保って単結晶引上げを行う必要がある。シリコン融液の温度変動が±5℃を超えると、着液した際や浸漬時にスリップ転位が種結晶に入り易くなり、無転位でシリコン単結晶を引上げることができる成功率が低下してしまう。
特に、一度スリップ転位が導入されると転位消滅を図るのが難しい結晶方位<110>のシリコン単結晶においては、種結晶を浸漬する部分のシリコン融液の温度変動が±5℃を超えると、無転位でシリコン単結晶を育成できる可能性が極めて小さくなる。少なくとも、結晶方位<110>のシリコン単結晶を、先端の尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶を用いて、ダッシュ−ネッキングを行わずに引上げるには、種結晶先端部を浸漬する近傍のシリコン融液の温度変動を、種結晶を融液に接触した際の融液温度に対し±5℃以下に保って、種結晶の所望径となるまでの浸漬を行う必要がある。
なお、より好ましくは、シリコン融液の温度変動を±3℃以下に抑えるのが好適である。種結晶の浸漬部付近の融液温度変動を更に小さくし、種結晶を接触した際の融液温度に対し±3℃以下に保って引上げを行えば、結晶方位<110>の単結晶であっても、シリコン融液の温度変動によりもたらされるスリップ転位が発生することがほとんど無くなるので、ほぼ確実に無転位で所望径を有するシリコン単結晶の引上げることが可能となる。
また、前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触させる際のシリコン融液の温度を、ダッシュ−ネッキング法を用いたシリコン単結晶の製造方法で種結晶をシリコン融液に接触するのに適温とされる温度よりも、10〜20℃高いシリコン融液温度として種結晶をシリコン融液に接触させ沈み込みを行い、少なくとも前記種結晶の降下を止め引上げに転じた直後から、種結晶下方に形成される結晶径の拡大が始まる間の減径部の形成では、引上速度を0.5mm/min以下として、単結晶を引上げるのがよい。
ダッシュ−ネッキング法を用いたシリコン単結晶の製造方法で種結晶をシリコン融液に接触するのに適温とされる温度よりも、シリコン融液の温度が低い場合または高いとしても差が10℃未満であると、種結晶をシリコン融液に浸漬した際に、浸漬部位がスムーズにシリコン融液に溶けず、結果、固化が生じる等、異常な結晶成長が起こる可能性がある。
他方、シリコン融液の温度が、ダッシュ−ネッキング法を用いたシリコン単結晶の製造方法で種結晶をシリコン融液に接触するのに適温とされる温度よりも20℃を越えて高くなり過ぎると、今度は種結晶をシリコン融液に接触させる前に先端部が溶け、種結晶をうまくシリコン融液に接触させることができなくなる可能性がある。
以上のことを考慮すれば、種結晶を浸漬させる際のシリコン融液の温度は、ダッシュ−ネッキング法を用いたシリコン単結晶の製造方法で種結晶をシリコン融液に接触するのに適温とされる温度よりも、10〜20℃高い温度範囲に保って、種結晶をシリコン融液に接触し沈み込ませるべきである。
そして、所望径までの種結晶先端部のシリコン融液への沈み込みを終え、種結晶の降下を止めて引上げに転じた直後から、種結晶下方に形成される結晶径の拡大が始まるまでの間の減径部の形成では、引上速度を0.5mm/min以下に保ってシリコン単結晶の育成を行うのが望ましい。
所望径までの種結晶先端部の沈み込みを終了し、引上げに転じた直後は、種結晶下方に形成される結晶は、一旦、結晶径が種結晶沈み込み終了時点の径よりも幾分細くなり結晶成長が行われる(減径部の形成)。この時、必要以上に早い速度で引上げを行うと、種結晶下方に成長する結晶径が所望径よりも細くなり過ぎたり、場合によっては結晶がシリコン融液から離れてしまう等の不具合が生じる。
このような問題を抑えるには、種結晶の沈み込みを止め引上げに転じた後、種結晶下方に形成される結晶径の拡大が始まる間の減径部の形成においては、引上速度を0.5mm/min以下に保って結晶成長を行うのが適切である。
また、上述の種結晶の着液浸漬条件を形成し易くする為には、少なくとも前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触する時点から、種結晶下方に形成される減径部の形成が終了し結晶径の拡大が始まるまでの間は、シリコン融液に中心磁場強度が1000G以上となる水平磁場を印加し、シリコン単結晶の育成を図るとよい。
本発明では、種結晶先端部を浸漬する近傍のシリコン融液の温度変動を、種結晶を融液に接触した際の融液温度に対し±5℃以下に保って育成することが重要である。このようなルツボに収容されたシリコン融液の温度変動を抑制するには、ルツボ外周に配置されたヒータからの加熱により生じるシリコン融液の熱対流を可能な限り小さく抑える必要がある。この熱対流を効率的に抑制するには、シリコン融液に磁場を印加しながら単結晶の育成を図る磁場印加CZ法(以下、MCZ法と称する。)を用いるのが適している。なかでも、種結晶を接触し浸漬する際の種結晶近傍のシリコン融液温度を安定させるためには、ルツボ内のシリコン融液の温度勾配を小さくする効果が大きい水平磁場をシリコン融液に印加して、種結晶の接触から浸漬までを行うのが望ましい。このようなシリコン単結晶の育成方法としては、水平磁場印加CZ法(以下、HMCZ法と称する。)がある。
このHMCZ法を用いて、シリコン融液に磁場強度が1000G(ガウス)以上の磁場を印加しながら、種結晶の先端部をシリコン融液に接触して所望径まで融液中に浸漬を行えば、その間は浸漬部位付近のシリコン融液の温度変動を±5℃以下に抑えることが容易となる。但し、このような制御方法に限らず、磁場強度が1000Gより小さい場合、または磁場を印加しない場合でも、その他の制御手段、例えばシリコン融液の表面をランプ加熱により加熱しシリコン融液内の上下方向の温度勾配を緩やかにすることで熱対流が抑制できるし、シリコン融液量を少なく設定し、融液深さを浅くすることによりシリコン融液の熱対流の抑制が可能であり、また、磁場印加と併用するなどし、種結晶を浸漬する部分のシリコン融液の温度変動を±5℃以下に抑えて育成すれば同様な効果は得られる。
シリコン融液に磁場を印加して、適切にシリコン融液の温度変動を抑制しようとするのであれば、中心の磁場強度が1000G以上となる水平磁場をシリコン融液に印加して、先端の尖ったあるいは尖った先端を切り取った形状の種結晶を接触し浸漬を図るのが好適である。
なお、シリコン融液に印加する磁場の最大強度は、装置構成や実用的な範囲での磁場印加を考えれば、HMCZ法であれば現状では最大でも中心の磁場強度が9000〜10000G程度が上限である。
このHMCZ法を用いて、シリコン融液に1000G以上の水平磁場を印加してシリコン単結晶を引上げる方法では、特に結晶直径が200mmを超えるような大型のシリコン単結晶を育成する場合にも効果的に作用する。結晶直径の大きな単結晶を育成する場合、生産性や歩留りに配慮して、シリコン融液を保持するルツボに大型のものを使用し、100kgを超える多量の原料を一度にルツボに入れ単結晶育成を行うのが一般的である。
ルツボに保持する原料、即ちシリコン融液の量が増えると、ヒータに近いシリコン融液の外縁部と融液中心付近での温度差が大きくなり、熱対流が活発となって種結晶浸漬部分近傍の融液温度を安定させることが難しくなる。この時、シリコン融液に1000G以上の所望磁場を印加すれば、ルツボ内の熱対流が抑えられ、種結晶の浸漬部分付近での融液温度の安定を図ることができる。
なお、シリコン融液に印加する水平磁場の強度は、シリコン融液の温度安定に加え、育成する単結晶の直径や品質条件にあわせ適宜選択すればよい。
このようなシリコン単結晶の製造方法を用いることにより、先端の尖ったあるいは尖った先端を切り取った形状の種結晶をシリコン融液に接触し浸漬する際の融液温度が安定し、熱衝撃によるスリップ転位の発生を可能な限り減らす、あるいはまったく発生させることなく種結晶を所望径まで浸漬させることができるようになる。
これによって、無転位で所望定径部径を有するシリコン単結晶を引上げることができる成功率を高められると同時に、これまではダッシュ−ネッキング法による制約のため、CZ法を用いたシリコン単結晶の育成では困難と思われてきた、結晶方位が<110>である前記種結晶を用い、結晶方位<110>のシリコン単結晶を引上げることが可能となり、またチョクラルスキー法を用いて育成したシリコン単結晶であって、シリコン単結晶の結晶方位が<110>であり、かつ直径が200mm以上の単結晶定径部を有するシリコン単結晶、あるいはこのようなシリコン単結晶であって、シリコン融液から引上げる結晶の総重量が100kg以上、さらには300kgを超えるシリコン単結晶であっても引上げが可能となる。
そして、上述の製造方法によって育成された結晶方位<110>のシリコン単結晶を、結晶方位が<100>や<111>の結晶と同じ製造工程によって、円筒研削を行いスライスし鏡面研磨加工を施せば、半導体素子を作る際の主材料となるウエーハ主面の面方位が(110)のシリコンウエーハを、工業的に効率良く生産することができるようになる。
特に、従来の方法では育成が困難と考えられていた、定径部直径が200mmを超える結晶方位<110>のシリコン単結晶が得られるようになったことで、ウエーハの主直径が200mm以上であり、かつウエーハ主面の面方位が(110)であるシリコンウエーハを容易に生産することが可能となる。なお、ここでシリコンウエーハの主直径とは、オリエンテーションフラットあるいはオリエンテーションノッチを含まないウエーハ主面の直径を指す。
この面方位(110)で直径が200mm以上あるシリコンウエーハを用いれば、高い機能を有する半導体素子を、歩留りよく大量に生産することができるようになる。
結晶軸方位が<110>のシリコン単結晶の育成は、種結晶をシリコン融液に着液した際の熱衝撃によりもたらされるスリップ転位が、結晶成長界面に対し略垂直に入るため、ダッシュ−ネッキング法を用いた方法ではスリップ転位を消滅さえることが難しく、大量に生産するのは困難であった。また、ダッシュ−ネッキング法を用いた結晶方位が<110>のシリコン単結晶の育成では、スリップ転位を消滅させるため、絞り部の径を2mm以下まで細くする必要があり、結晶直径の大きな200mmあるいは300mm以上の大直径高重量の結晶を、効率良く生産することは難しいと考えられていた。
しかし、本発明の製造方法を用いることによって、結晶直径が200mmを超える大直径の結晶方位<110>のシリコン単結晶、あるいは定径部径を可能な限り長く引上げた重量が100kg以上の結晶方位<110>のシリコン単結晶であっても、安全に効率良く生産することが可能となる。
そして、同時に結晶方位<110>以外のダッシュ−ネッキング法によらずシリコン単結晶を育成する無転位種付け法を採用したシリコン単結晶の育成においては、無転位で単結晶を引上げる成功率を高める効果を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。図2の(C)(D)(E)(F)に示す図面は、本発明によるシリコン単結晶の育成に用いる先端の尖ったあるいは尖った先端を切り取った形状の種結晶を示す概略図である。
図2の(C)(D)は、(C)が円柱状の直胴部3cを持った円錐状の先端部4cを有する種結晶1cを示したものであり、(D)は角柱状の直胴部3dを持った角錐状の先端部4dを有する種結晶1dを示したものである。
また、図2(E)及び(F)は、図2(C)の種結晶の先端部4cを切り取った形状の種結晶先端部を示したもので、(E)は種結晶1cの先端部4cを水平に切り取った先端部4eを示し、(F)は先端部4cを斜めに切り取った先端部4fを図示している。先端部を切り取った形状の種結晶では、図2(E)(F)に示す先端部4e、4fの最下端の面積が大き過ぎると、種結晶を融液に接触した際に熱衝撃を生じ易くなるので、種結晶が最初にシリコン融液に接触する際の面積が5mm以下となるようにするのが好ましい。
なお、本発明でいう種結晶先端部の角度とは、図2(E)や(F)に示す先端部4cを切り取った形状の種結晶である場合は、先端部4cを切り取る前の先端部形状を想定した時の種結晶先端部の頂角を指す。
そして、これらの種結晶は、単結晶育成時には種結晶直胴部3c及び3dに設けられた係止部2c、2dを介して、直胴部3c、3dが図1に示す単結晶製造装置10の種ホルダー28内に係止され単結晶の製造に用いられる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法では、図2の(C)(D)(E)及び(F)に示すように、種結晶をシリコン融液に着液した際に、熱衝撃で種結晶にスリップ転位が入らないよう、例え入ったとしてもわずかであるように種結晶先端部4c〜4fが尖ったあるいは尖った先端を切り取った形状をしており、ダッシュ−ネッキング法を用いた製造方法で使う種結晶とは、明らかに違った形をしている。
ダッシュ−ネッキング法を用いたシリコン単結晶の育成で利用する種結晶の例示として、図2(A)に略円柱状の種結晶、(B)に角柱状の種結晶を示す。
また、シリコン単結晶の育成においては、育成するシリコン単結晶の結晶方位を所望のものとするために、育成する単結晶と同じ結晶方位を持った種結晶を使用し単結晶の育成を図る。例えば、結晶方位<110>の単結晶を育成するのであれば、引上軸方向の結晶方位が<110>の種結晶を用いればよい。
そして、先端の尖ったあるいは尖った先端を切り取った形状の種結晶をシリコン融液に浸漬する際には、図2に示す種結晶1c又は1dをシリコン融液Mと略同じ温度まで融液直上で加温し、種結晶の温度が安定したところで静かに先端部4c、4dあるいは4e、4fをシリコン融液Mに沈め、先端部が所望径まで没したところで引上げに転じることによって、任意の減径部S0を持った図1に示すシリコン単結晶Sが育成される。
図1は、本発明の方法によりシリコン単結晶を育成するための製造装置を示す、概略図である。単結晶製造装置10は、シリコン融液Mを保持し単結晶育成が行なわれる育成炉12と、シリコン融液Mから引上げられたシリコン単結晶Sを収容し取出すための上部育成炉14から成る。
上部育成炉14の上方には、単結晶を育成する際に結晶を回転し引上げるための巻取り回転機構26が設けられ、この巻取り回転機構26から巻き出されたワイヤー24の先端には、種結晶27(図2に例示した種結晶1cまたは1d)を係止するための種ホルダー28がある。単結晶育成時には、種結晶27の直胴部を種ホルダー28に係止し、巻取り回転機構26からワイヤー24を巻き出し、種結晶先端部を所望位置までシリコン融液Mに浸漬し、種結晶27を回転させながら所定の速度で引上げることによって、種結晶27下方にシリコン単結晶Sの育成を図るものである。
一方、育成炉12の内部にはシリコン融液Mを保持するためのルツボ18が備えられ、高温のシリコン融液Mを保持することから、ルツボ18の内側は石英製ルツボ18aで、その外側は石英製ルツボ18aを保護するために黒鉛製ルツボ18bで構成されている。このルツボ18は、ルツボ支持軸16によって育成炉12の略中央に配置され、ルツボ支持軸16の下方には、単結晶を育成する際に融液面を一定に保つことや、CZ法あるいはMCZ法ではルツボ18を回転させながら結晶育成を行うため、ルツボ駆動機構20が取付けられている。
更に、ルツボ18の外側には原料である多結晶シリコンを融解し、シリコン融液Mとして保持するため黒鉛製のヒータ23が置かれ、ヒータ23の発熱量を調整することによって、シリコン融液Mの温度を結晶育成に適した温度に保ち操業が行われる。
ヒータ23の外側と育成炉12の底部には、断熱材22及び底部断熱材21を備え、育成炉12内部を保温すると同時に、ヒータ23からの輻射熱が直接育成炉12炉壁にあたるのを防いでいる。
そして、図1の単結晶製造装置10には、シリコン融液Mの対流を制御しより温度の安定を図ることを目的とし、育成炉12の外側には、水平磁場をシリコン融液Mに印加するための装置である電磁石33が装備されている。
この単結晶製造装置10では、融液温度の変動を効率的に抑制するため、水平磁場の中心をシリコン融液M内に配置し、種結晶27浸漬時には所望の磁場強度である中心磁場強度が1000G以上となる水平磁場がシリコン融液M内で得られるようにしている。
また、単結晶育成開始から炉内が常温に戻るまでは、シリコン融液Mや単結晶製造装置10内に配置された構造物が酸化するのを防ぐ等の目的で、アルゴン(Ar)等の不活性ガスを炉内に流し操業を行う必要がある。この為、上部育成炉14には製造装置10内に流す不活性ガス流量を制御するためのガス流量制御装置30と、育成炉12の底部に内部の圧力を調整するための圧力制御装置32が取付けられている。操業時は、単結晶の育成条件に合わせ、これらの装置により単結晶製造装置10内に流れる不活性ガスの流量や圧力の調整を図る。
次に、本発明の方法によるシリコン単結晶の育成方法を詳述する。
まず、原料である多結晶シリコンをルツボ18に仕込み、ヒータ23を発熱させ多結晶シリコンを溶融する。多結晶シリコンが全て溶け融液となったところで、シリコン融液Mを単結晶育成に適した温度まで降温する。この時、ドープ剤の投入、シリコン融液M面の位置調整等、種結晶27を融液に接触し浸漬するために必要な条件を整えつつ、電磁石33により中心磁場強度が1000G以上となる水平磁場がシリコン融液Mに加わるよう磁場印加を開始する。なお、この磁場は少なくとも種結晶27の先端部をシリコン融液Mに接触する時点から、種結晶27下部に形成される減径部S0の形成が終了し結晶径の拡大が始まるまでの間は、印加される。
シリコン融液Mの温度が所定温度(好ましくは、ダッシュ−ネッキング法を用いたシリコン単結晶の製造方法で種結晶をシリコン融液に接触するのに適温とされる温度よりも、10〜20℃高い温度)に達したら、安定するのを待って、先端部の頂角が28°以下である種結晶27をシリコン融液M直上まで降ろし、種結晶27先端部の温度がシリコン融液Mの温度と略同じ程度まで加温されるのを待つ。
その後、種結晶27がシリコン融液Mの温度と略同じ程度まで加温され、更に種結晶Sを浸漬するルツボ18中心付近のシリコン融液M表面の温度が、±5℃以下の変動で推移するまでに温度安定が図られたら、静かに種結晶27をシリコン融液Mに接触させ浸漬する。少なくとも、この種結晶27の先端部をシリコン融液Mに接触させ引上げに転じるまでの間は、スリップ転位の導入を抑制するために、種結晶Sが浸漬する部分のシリコン融液M表面の温度変動を±5℃以下、好ましくは±3℃以下に保つのがよい。
そして、先端部が所定径までシリコン融液Mに沈んだところで種結晶27の降下速度を落とし止め、種結晶27の上昇速度とシリコン融液の温度を調整しながら引上げに移る。
なお、種結晶27を引上げに転じるにあたり、引上速度が速過ぎたり融液温度が適切でないと種結晶27の先端が融液から離れたり、先端に形成される結晶径が所望径より細くなってしまうことがある。種結晶27を引上げに転じる際は、種結晶先端に形成される結晶径を見ながら、育成される結晶径が所望径以下にならないよう引上速度を調整しながら静かに引上げる。
特に、種結晶27を引上げに転じた直後は、種結晶先端部の沈み込み後の先端径よりも、種結晶27下端に成長する結晶径が細くなる傾向を示しながら結晶が形成されていく。この時、無理に結晶径を拡大しようとすると、種結晶27にスリップ転位が導入されたり育成結晶が融液から離れてしまう等の不具合が起こるので、浸漬から引上げに転じた直後は、種結晶27先端に形成される結晶が、浸漬した種結晶27先端部の沈み込み径よりも少し減径するよう、引上速度を調整して引上げを行う必要がある(減径部S0の形成)。望ましくは、この時の引上速度は0.5mm/min以下に保って引上げるとよい。
また、種結晶27の先端部の沈み込み径は、引上げに転じた際に先端に形成される結晶が、一旦細るのを考慮に入れ浸漬を行う必要がある。
種結晶27の下端に先端部の沈み込み径より細い結晶が形成されたのを確認したら、引上速度および/または融液温度を徐々に変化させ、結晶径を拡大する拡径工程に移行する(拡径部S1の形成)。
拡径工程により種結晶27下方に形成される単結晶Sの径を所望径まで拡大し、所定直径に達したところで拡径部S1の形成をやめ、再度、引上速度および/または融液温度を調整して単結晶定径部S2の形成に移行する。定径部S2の形成では、育成される結晶の品質や炉内環境に合わせ操業条件を調整しながら、定径部S2の長さを所定長まで引上げる(定径部S2の形成)。
そして、所定長の定径部S2の形成が完了した時点で育成条件(引上速度、融液温度、等)を変更し、結晶径を徐々に小さくしていき尾部S3を形作る(尾部S3の形成)。
尾部形成が完了したら育成結晶をシリコン融液Mから切離し、上部育成炉14まで巻き上げ、常温に結晶温度が下がるのを待って単結晶製造装置10から外部へとシリコン単結晶Sを取出し育成を終了する。
そして、上述の方法によって育成された単結晶に切断/円筒研削加工を施し、その後、公知の方法によって鏡面ウエーハに加工すれば、半導体素子を作るための主材料であるシリコンウエーハを得ることができる。
以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実験1)
始めに、製造の難しい結晶方位<110>のシリコン単結晶を育成するためには、どのような操業条件が望ましいか検討するため、図1に示すシリコン単結晶の製造装置を用い、シリコン融液には磁場を印加することなく、ダッシュ−ネッキング法を用いた引上方法を採用して、結晶定径部の直径が約150mm(6インチ)のシリコン単結晶を製造した。
種結晶には、ダッシュ−ネッキング法を用いて転位除去を図りシリコン単結晶を育成することから、シリコン融液と接触する面が平らな、一辺15mmの角柱状の結晶方位が<110>である種結晶(図2(b)に示す形状の種結晶)を用いた。
まず、シリコン単結晶の製造装置に口径が450mmの石英製ルツボを入れ、そのルツボに原料である多結晶シリコンを60kg充填し、製造装置の内部をアルゴン(Ar)ガスで置換した後に黒鉛製ヒータを発熱させ、多結晶シリコンをシリコン融液とした。
全ての原料が溶け終えたのを確認した上で、育成単結晶の抵抗率がp型で10Ωcm前後の抵抗率となるようにドープ剤を調整投入し、その後、シリコン融液を単結晶の育成に適した温度に降温調整しながら、融液の温度が安定するのを待った。その間、製造装置に流す不活性ガス(Arガス)の量と内部の圧力、並びにルツボ回転等の操業条件を、単結晶を育成するための製造条件に整えながら融液温度の安定を待った。
融液温度の安定については、単結晶製造装置の外から、製造装置の内部を目視するために設けられたガラス窓を通し、放射温度計(CHINO製 IR−02C)により、種結晶を浸漬するルツボ中心の融液表面の温度を測定することによって確かめた。単結晶育成に適した温度になったと思われるところで、温度を測定した。
結果は、表1の「融液温度変動幅」に示す通りであり、温度が安定したと思われる時点で、ルツボ中心の融液表面温度を繰り返し計測したが、計測点での温度変動は±6℃の範囲で上下動を繰り返すばかりであり、それ以上温度変動が小さくなることはなかった。
この時点で温度計測を止め、種結晶を5分程シリコン融液直上で加温した後に静かにシリコン融液に接融し、ダッシュ−ネッキング法を用いてスリップ転位の除去を試みた。
しかし、ダッシュ−ネッキング法では結晶方位<110>の種結晶のスリップ転位を消滅させることは難しく、5回程転位除去に失敗した後に、6回目のダッシュ−ネッキングで結晶絞り部の最少直径を2mmまで細くしたところでスリップ転位が消え、絞り部での無転位化に成功した。
但し、ダッシュ−ネッキング法により絞り部での転位消滅には成功したものの、シリコン融液の温度変動が大きかったためか、結晶定径部を60cmまで育成したところでスリップ転位が単結晶に入り、結局、無転位の状態で結晶を引上げることはできなかった。(表1の「引上げ成功の有無」欄を参照。○印は、無転位でシリコン単結晶を引上げられた場合であり、×印は、無転位で単結晶を育成できなかった場合を示す。)
なお、実験1と後述する実験2及び実施例1の引上げ結果に付いては、比較のため詳細を表1にまとめた。
Figure 0004151580
(実験2)
実験1により、ダッシュ−ネッキング法によるスリップ転位の除去は、結晶方位が<110>の単結晶では成功率が低く、加えて、無転位化を図るには絞り部分の最少径を2mm程度まで細くする必要があり、重量のある大直径結晶を引上げる方法としては限界があることが判った。
そこで、ダッシュ−ネッキング法を用いずに先端が尖った種結晶を用いて、無転位でシリコン単結晶を育成する方法(以下、無転位種付け法と称する。)により、結晶径の大きな単結晶を育成することが可能であるか、実際に定径部直径が約200mm(8インチ)の単結晶を引上げて確認を行った。
単結晶育成に用いた装置は、実験1と同様の装置を用いて、シリコン融液への磁場印加は行わずに製造を実施した。但し、実験2では、結晶直径が約200mmの結晶方位<110>のシリコン単結晶を育成することから、製造装置に入れる石英製ルツボは口径が600mmのものとし、原料である多結晶シリコンを150kg仕込んで、実験1と同じように加熱を行ってシリコン融液とした。
そして、シリコン融液が単結晶育成に適した温度に安定するまでの間に、融液に結晶抵抗率がp型10Ωcm前後の値となるようにドープ剤を投入した上で、Arガス量、製造装置内の圧力等の操業条件を整え温度の安定を待った。
なお、実験2で使用した種結晶には、ダッシュ−ネッキングを行わずに熱衝撃によるスリップ転位の導入を排除して引上げを行う必要があることから、図2(C)に示す形状の種結晶で、種結晶直胴部の直径が15mmの円柱状で、先端部の頂角が15°の尖った円錐形状のものを使用した。
そして、シリコン融液の温度が、実験1で種結晶をシリコン融液に接触させた際の温度よりも13℃高い温度に安定した時点で、実験1と同じように放射温度計を用い、育成装置の外からルツボ中心のシリコン融液表面温度を測定したところ、表1に示したように±8℃程度の変動幅で上下を繰り返していた。しかし、それ以上温度変動幅を小さくし、融液温度が安定するように調整することはできなかった。
この状態で、種結晶を静かにシリコン融液面の直上1mmの所まで降ろし、約20分程、種結晶の温度が略融液温度と同じになるまで加温した後に、種結晶をシリコン融液に接触させ融液に所望径まで沈め、その後、引上速度を0.5mm/min以下に保ちつつ徐々に引上げることによって種結晶下方にシリコン単結晶の形成を試みた。
しかし、ほとんどの場合、種結晶先端部を所望径まで融液中に浸漬している間に、熱衝撃によると思われるスリップ転位が種結晶に入り、種結晶を交換しながら9回まで同様の無転位種付け法による結晶育成を試みたが、9回とも無転位で単結晶を引上げることはできなかった。
この理由として、ルツボが大きくなり収容するシリコン融液の量が増えたため、ルツボ内のシリコン融液の温度差が拡大し、全体的に融液温度が不安定となり、浸漬途中の種結晶へスリップ転位がもたらされたものと考えられる。
実験2の結果から、先端部の尖った種結晶を用いて、ダッシュ−ネッキングを行わずに熱衝撃によるスリップ転位の導入を無くしシリコン単結晶の育成を行うには、更に種結晶浸漬時のシリコン融液の温度変動を小さく抑える必要があることが判明した。
(実験3〜5)
種結晶浸漬時のシリコン融液の温度変動の種結晶へのスリップ転位の影響について確認した。この温度の制御方法は、実験例の表2に示したような一定の育成条件を設定し、実験3では磁場強度を500G、実験4では磁場強度を750G、更に実験5ではシリコン融液の深さ方向の温度差を少なくして熱膨張による自然対流を抑制し、温度変動を低減させる目的でランプ加熱により赤外線をシリコン融液表面に照射した。種結晶へのスリッフ転位の有無は種結晶を所定の長さまで浸漬した後に減径部を形成した後に直径200mmまで拡径し、単結晶の状態を表す晶癖線の確認により無転位の判断を行なった。これは、転位が種結晶に残っていた場合には単結晶である表面に現れる特徴的な晶癖線が消えてしまうので容易に単結晶化が判断できる一般的な方法である。なお、用いた種結晶は前記、図2(C)に示す形状の種結晶で、種結晶直胴部の直径が15mmの円柱状で、先端部の頂角が15°の尖った円錐形状のものを使用した。
Figure 0004151580
表2の実験4及び実験5から融液温度変動幅が5℃を超えた条件では拡径部にて結晶表面の晶癖線が消えてしまい有転位化することが判った。また、実験5より融液温度変動幅が5℃以下であれば、有転位化せず単結晶で育成することが可能であることが確認できた。
なお、実験2のような育成条件で磁場を印加してシリコン融液の温度変動を制御する場合、1000G以上の磁場を印加すれば、容易に±5℃以内に制御できた。育成条件等により最適な磁場強度等は若干異なるが、このようなレベルの磁場を印加することが有効であることがわかる。なお、本発明ではシリコン融液の温度変動を制御すること、特に±5℃以内に制御することが重要であり、このような条件で制御できれば、磁場を印加する方法以外でも有効であった。
(実施例1)
そこで、実験2と同じ結晶直径が約200mmで結晶方位<110>のシリコン単結晶を育成するにあたり、シリコン融液に水平磁場を印加しつつ種結晶の融液への接触と浸漬を行うシリコン単結晶の育成を試みた。
まず、実験2で使用した装置と同じ装置を用い、口径が600mmの石英製ルツボを装置に入れ150kgの多結晶シリコンを充填し、黒鉛製のヒータを発熱させ原料を加熱しシリコン融液とした。
多結晶シリコンが全て溶け終ったところで、単結晶育成に適した所望温度に降温を行い、融液に結晶抵抗率がp型10Ωcmとなるようにドープ剤を入れ、融液温度が安定するのを待った。この間に、シリコン単結晶の製造装置の外側に配置された磁場印加装置(電磁石)を動作させ、磁場中心の強度が4000Gとなる水平磁場をシリコン融液に印加した。
なお、実施例1では、溶融が完了し融液温度の安定を図る時点から、シリコン単結晶育成が終了し、結晶尾部が融液から離れるところまで磁場印加を継続した。
シリコン融液に磁場印加後、融液温度が実験2の融液温度と略同様の温度に安定したと思われるところで、ルツボ中心付近の融液表面温度を実験2と同様に放射温度計で計測したところ、±1.5℃の範囲に温度変動が落ち着いており、種結晶を融液に着液するのに良好な状態に保たれていることを確認した。
製造装置の種ホルダーには、種結晶の直胴部径が15mm、先端部の頂角が15°の円錐状に尖らせた実験2と同形状である結晶方位が<110>の種結晶を装着した。
融液温度の安定を確認した後、静かに種結晶をシリコン融液直上1mmまで降ろし、20分前後、種結晶が加温されるのを待った。そして、種結晶温度がシリコン融液の温度と同程度まで加温されたところで、徐々に種結晶先端を融液中に降ろし、種結晶先端の円錐部(先端部)が所望径となるまでシリコン融液に沈めた。
種結晶を所望径まで沈めたところで種結晶の下降を止め、静かに引上げに転じた。なお、この種結晶をシリコン融液に接触させてから、引上げに転じるまでの間のシリコン融液表面の温度変動を、放射温度計で計測したところ、±1.5℃の範囲に温度変動が保たれていることを確認した。そして、種結晶の引上速度を0.5mm/min以下に保ちつつシリコン融液の温度を調整しながら種結晶下方に減径部を形成し、その後、結晶径を所定径まで広げ、定径部直径が約200mmとなるシリコン単結晶を育成した。
単結晶定径部長さが所定長となるまで定径部を育成した後、結晶径を徐々に細くしていき尾部を形成し、シリコン融液から育成した結晶を切り離すことでシリコン単結晶の育成を終了した。
育成したシリコン単結晶を静かに冷却し、製造装置外へと取り出して重さを測定したところ、図3に示す直径208mm、重量120kgの大直径高重量単結晶が得られていた。そして、育成の途中でスリップ転位が入ったことにより始めから結晶育成をやり直すような失敗もなく、無転位で目的とする結晶方位<110>の大直径高重量結晶を問題なく育成することができた。また、引上げ後の測定の結果、図3に示す種結晶の下端に形成された減径部の最少直径は5mm以上あり、ダッシュ−ネッキング法によらなくとも単結晶が育成可能であることが確かめられた。
これにより、本発明の製造方法を用いることによって、大直径高重量の単結晶を育成するのは不可能であると思われてきた、結晶方位<110>のシリコン単結晶であっても、MCZ法を含むCZ法で、最適に製造することが可能であることが判った。
また、本発明の方法によれば、先端の尖ったあるいは尖った先端を切り取った形状の種結晶を使用し、ダッシュ−ネッキング法によらずシリコン単結晶を育成する無転位種付け法を採用する場合に、その成功率を高めることができることも判った。
なお、本発明の製造方法は、上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術思想と実質的に同一な構成を有し、同様の作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、本発明の実施形態では、直径が200mm(8インチ)のシリコン単結晶の結晶育成を例に挙げて説明したが、それ以下の直径のシリコン単結晶を育成する場合もの十分にその効果を得られるものであるし、ダッシュ−ネッキング法による種結晶の絞込みを行う必要がないため、高重量化に対しても有効で、例えば本発明では種結晶先端に形成される結晶径が最小径部分でも5mm以上の直径を確保することができるため、近年、利用が拡大している300mm(12インチ)あるいはそれ以上の大直径シリコン単結晶、特に結晶重量が300kgを超える高重量のシリコン単結晶の製造にも、適用することができる。
また、本実施形態では、結晶方位については最も引上げが困難な<110>を例に説明したが、他の結晶方位の引上げにも当然適用することができる。結晶方位が<100>や<111>の結晶の引上げは、<110>結晶の引上げほど困難性はないが、それでも本発明方法により種付けの失敗頻度は減少し有効である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明によるシリコン単結晶の製造方法を実施するための、磁場印加装置を設けたCZ法単結晶製造装置の概略図である。
図2は、ダッシュ−ネッキング法で使用する種結晶と、本発明の製造方法で使用する先端の尖ったあるいは尖った先端部を切り落とした形状の種結晶を示す図面である。
図3は、本発明の製造方法を用いて育成した、結晶方位<110>で直径が約200mmのシリコン単結晶の一部を示す写真である。
図4は、ダッシュ−ネッキング法によるスリップ転位の除去を説明するための図面である。

Claims (3)

  1. ダッシュ−ネッキング法を行わないチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法において、先端部の角度が28゜以下である先端の尖ったまたは尖った先端を切り取った形状の種結晶を用い、前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触させる前にシリコン融液の直上で止め加温し、その後、前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触させ、所望径までシリコン融液に沈め、その後、引上げに転じて単結晶の引上げを行う場合に、少なくとも前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触させ引上げに転じるまでの間は、シリコン融液表面の温度変動を±5℃以下に保ち、前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触させる際のシリコン融液の温度を、ダッシュ−ネッキング法を用いたシリコン単結晶の製造方法で種結晶をシリコン融液に接触するのに適温とされる温度よりも、10〜20℃高いシリコン融液温度として種結晶をシリコン融液に接触させ沈み込みを行い、少なくとも前記種結晶の降下を止め引上げに転じた直後から、種結晶下方に形成される結晶径の拡大が始まる間の減径部の形成では、引上速度を0.5mm/min以下として、単結晶を引上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 少なくとも前記種結晶の先端部をシリコン融液に接触する時点から、種結晶下方に形成される減径部の形成が終了し結晶径の拡大が始まるまでの間は、中心磁場強度が1000G以上となる水平磁場をシリコン融液に印加し、単結晶を引上げることを特徴とする請求項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 結晶方位が<110>である前記種結晶を用い、結晶方位<110>のシリコン単結晶を引上げることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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