JPH11106292A - 半導体単結晶の製造方法 - Google Patents

半導体単結晶の製造方法

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JPH11106292A
JPH11106292A JP26751297A JP26751297A JPH11106292A JP H11106292 A JPH11106292 A JP H11106292A JP 26751297 A JP26751297 A JP 26751297A JP 26751297 A JP26751297 A JP 26751297A JP H11106292 A JPH11106292 A JP H11106292A
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melt
stopping
crystal
pulling
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JP26751297A
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Takashi Yokoyama
隆 横山
Toshiaki Saishoji
俊昭 最勝寺
Hirotaka Nakajima
広貴 中島
Fumitaka Ishikawa
文敬 石川
Kozo Nakamura
浩三 中村
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Sumco Techxiv Corp
Original Assignee
Komatsu Electronic Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CZ法による半導体単結晶の製造において、
テール形成を省略するとともに、LSTD密度の低い半
導体単結晶を提供する。 【解決手段】 単結晶2のボデイ育成が終了した直後
に、CZ法による半導体単結晶の製造工程において、ボ
デイ育成の終了直後に融液から単結晶を離間させ、前記
単結晶を所定の高さまで引き上げた後、1100℃近傍
で、所定時間停止させる冷却温度保持工程を含むことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体単結晶の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子製造用の基板としては、主と
して高純度の単結晶シリコンが使用されている。この単
結晶シリコンの製造方法として、一般にチョクラルスキ
ー法(以下CZ法という)が用いられている。CZ法に
おいては、半導体単結晶製造装置内に設置したるつぼに
原料である塊状の多結晶シリコンを充填し、前記るつぼ
の周囲に設けたヒータによって原料を加熱溶解して融液
とする。そして、シードチャックに取り付けた種結晶を
融液に浸漬し、シードチャック及びるつぼを互いに同方
向または逆方向に回転しつつシードチャックを引き上げ
て単結晶シリコンを成長させる。
【0003】ところで、CZ法による単結晶シリコンの
製造プロセスは一般的に4工程に区分される。各工程に
おける実施事項は下記の通りである。 (1) ネッキング工程:種結晶に存在する転位が伝播しな
いように結晶を細く長く成長させる。 (2) クラウン工程:無転位化した結晶を所定の直径まで
徐々に増大させる。 (3) ボデイ工程:所定の直径を維持しつつ結晶を育成す
る。 (4) テール工程:熱的歪による転位の発生を避けるため
結晶径を徐々に減少させ、単結晶インゴットを融液から
切り離す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した製造工程のう
ち、テール工程の所要時間は単結晶引き上げサイクルタ
イムの約10%を占めている。テールは製品として使用
できない部分であり、これに多大の時間をかけることは
好ましくない。しかしながら、テール形成はボデイへの
転位の導入を避ける上で不可欠なものであるため、省略
することはできない。従って、テール形成時間そのもの
が単結晶引き上げサイクルタイムの低減を阻害している
という問題があった。
【0005】そこで本発明者らはこの問題に着目し、ボ
デイ育成の終了直後に融液から単結晶を切り離し、前記
単結晶の引き上げ速度を制御することにより単結晶を徐
冷し、切り離した端面が凹状または凹凸状の単結晶イン
ゴットを得ることにより、ボディへの転移の導入を防止
するようにした方法を提案している。この方法によれ
ば、テール形成を省略してもボデイへの転位の導入を防
止することができる。すなわち、この方法では、融液か
ら切り離した単結晶を室温まで冷却するに当たり、任意
の結晶温度領域を徐冷することにより、切り離した端面
からの転位の導入を防止するようにしている。
【0006】ところで、半導体装置の高集積化・高機能
化が進むに伴い、MOSデバイスにおける微細化は進む
一方であり、このような状況の中で半導体ウェハ領域お
よびこの表面に形成される酸化膜への要求は高まる一方
である。特に半導体ウェハ表面に形成される酸化膜耐圧
については要求が高まっており、高度の信頼性が要求さ
れている。なかでもレーザ散乱体(LSTD)等の成長
時導入欠陥は、MOSデバイスにおける酸化膜の信頼性
に強く影響する。このような成長時導入欠陥を低減する
方法としては引上げ工程における1100℃付近の冷却
速度を遅くすることが有効であることが知られている。
【0007】しかしながら、冷却速度を遅くすると、酸
化誘起積層欠陥(OSF:Oxidation Induced Stacking
Fault)の発生等の問題があり、1412℃(シリコン
の融点)〜1300℃付近での引上げ速度には限界があ
り、結果としては、通常の引き上げ方法では1100℃
付近の冷却速度を低下させるには限界がある。また、引
き上げ速度を途中で急変させれば、引き上げ速度が14
12℃(シリコンの融点)〜1300℃付近で早く、1
100℃付近で停止または非常に遅い速度であった位置
において低欠陥密度の結晶を得ることはできるが、この
方法では均一な結晶形状を保持し引上げることは非常に
困難であった。また、従来の方法では欠陥密度はせいぜ
い4×105/cm3までしか低減できず、さらなる欠陥
の低減が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記実情に
鑑みてなされたもので、成長時の欠陥を低減し信頼性の
高い単結晶シリコンを提供することを目的とする。ま
た、単結晶シリコンの欠陥密度を低く維持しつつ、生産
性の高い単結晶シリコンの製造方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1は、CZ法による半導体単結晶の製造
工程において、ボデイ育成の終了直後に融液から単結晶
を離間させ、前記単結晶を所定の高さまで引き上げた
後、1100℃近傍で、所定時間停止させる冷却温度保
持工程を含むことを特徴とする。また、本発明の第2
は、CZ法による半導体単結晶の製造工程において、ボ
デイ育成の終了直後に融液から単結晶を離間させ、前記
単結晶を所定の高さまで引き上げた後、1100℃近傍
では低速引き上げを行うことにより、1100℃近傍で
の滞留時間を長くする低速引き上げ工程を含むことを特
徴とする。
【0010】すなわち、本発明の請求項1の方法は、原
料をるつぼ内で加熱し、原料融液を形成する融液形成工
程と、前記融液に種結晶を浸せきし、所望の速度で前記
種結晶を引き上げることにより、種結晶に存在する転位
が伝播しない程度に結晶径の細い単結晶を成長させるネ
ッキング工程と、 前記ネッキング工程で結晶径を細く
した結晶を所定の直径まで徐々に増大させるクラウン工
程と、前記所定の直径を維持しつつ所望の長さの直胴部
を育成するボデイ工程と、前記ボディ工程で形成された
前記直胴部を前記融液表面から離間せしめ、前記単結晶
を引き上げながら冷却する冷却工程とを含むチョクラル
スキー法による半導体単結晶の製造工程において、 前
記冷却工程が、前記るつぼを加熱状態に維持したまま、
前記単結晶の下端を前記融液の液面からあらかじめ決定
された高さ位置まで引き上げ、前記高さ位置で所定時間
保持する保持工程を含むことを特徴とする。本発明の請
求項2の方法は、請求項1の方法において、前記半導体
単結晶はシリコンであり、 前記冷却工程は、前記単結
晶の下端から5センチ±1センチの位置が、前記融液の
上方で1100℃となる温度領域に、所定時間停止する
保持工程を含むことを特徴とする。本発明の請求項3の
方法は、請求項2の方法において、前記保持工程は、
0.5時間以上停止する工程を含むことを特徴とする。
本発明の請求項4の方法は、請求項2の方法において、
前記保持工程は、1時間以上停止する工程を含むことを
特徴とする。本発明の請求項5の方法は、請求項2の方
法において、前記保持工程は、4時間以上停止する工程
を含むことを特徴とする。本発明の請求項6の方法は、
請求項1の方法において、 前記半導体単結晶はシリコ
ンであり、前記冷却工程は、前記単結晶の下端から3セ
ンチの位置が、前記融液の上方で1100℃以上であっ
てかつ、前記単結晶の直胴部の上端が1080℃以下と
なる温度領域に、所定時間停止する保持工程を含むこと
を特徴とする。本発明の請求項7の方法は、請求項1の
方法において、前記半導体単結晶はシリコンであり、
前記保持工程は、前記融液表面から前記単結晶の下端と
の距離が3センチ〜15センチの範囲で、所定時間以上
停止する工程を含むことを特徴とする。本発明の請求項
8の方法は、請求項7の方法において、前記保持工程
は、0.5時間以上停止する工程を含むことを特徴とす
る。本発明の請求項9の方法は、請求項7の方法におい
て、前記保持工程は、1時間以上停止する工程を含むこ
とを特徴とする。本発明の請求項10の方法は、請求項
7の方法において、前記保持工程は、4時間以上停止す
る工程を含むことを特徴とする。本発明の請求項11の
方法は、請求項7の方法において、前記保持工程は、前
記融液表面から前記単結晶の下端との距離が6センチ〜
10センチの範囲で、1時間以上停止する工程を含むこ
とを特徴とする。本発明の請求項12の方法は、請求項
1の方法において、前記冷却工程は、前記融液表面から
前記単結晶の下端との距離が4センチ±1センチの範囲
にある第1のレベルまで引き上げる第1の引き上げ工程
と、 前記第1のレベルで、所定時間以上停止する第1
の停止工程と、 前記半導体単結晶を前記融液表面から
前記単結晶の下端との距離が8センチ±1センチの範囲
にある第2のレベルまで引き上げる第2の引き上げ工程
と、前記第2のレベルで、所定時間以上停止する第2の
停止工程とをむことを特徴とする。本発明の請求項13
の方法は、請求項12の方法において、前記半導体単結
晶はシリコンであり、前記第1の保持工程は、前記融液
の上方で1100℃となる温度領域に、前記単結晶の下
端から9センチ±1センチの少なくとも一部が含まれる
ように温度プロファイルが制御されるようにしたことを
特徴とする。本発明の請求項14の方法は、請求項13
の方法において、前記第1の保持工程は、0.5時間以
上停止する工程を含むことを特徴とする。本発明の請求
項15の方法は、請求項13の方法において、前記第1
の保持工程は、1時間以上停止する工程を含むことを特
徴とする。本発明の請求項16の方法は、請求項13の
方法において、前記第1の保持工程は、4時間以上停止
する工程を含むことを特徴とする。本発明の請求項17
の方法は、請求項13の方法において、前記第2の保持
工程は、前記融液の上方で1100℃となる温度領域
に、前記単結晶の下端から5センチ±1センチの少なく
とも一部が含まれるように第2のレベルが制御されるよ
うにしたことを特徴とする。本発明の請求項18の方法
は、請求項17の方法において、前記第2の保持工程
は、0.5時間以上停止する工程を含むことを特徴とす
る。本発明の請求項19の方法は、請求項17の方法に
おいて、前記第2の保持工程は、1時間以上停止する工
程を含むことを特徴とする。本発明の請求項20の方法
は、請求項17の方法において、前記第2の保持工程
は、4時間以上停止する工程を含むことを特徴とする。
本発明の請求項21の方法は、請求項12の方法におい
て、前記冷却工程は、さらに前記半導体単結晶を前記融
液表面から前記単結晶の下端との距離が12センチ±1セ
ンチの範囲にある第3のレベルまで引き上げる第3の引
き上げ工程と、前記第3のレベルで、所定時間以上停止
する第3の停止工程とを含むことを特徴とする。本発明
の請求項22の方法は、原料をるつぼ内で加熱し、原料
融液を形成する融液形成工程と、前記融液に種結晶を浸
せきし、所望の速度で前記種結晶を引き上げることによ
り、種結晶に存在する転位が伝播しない程度に結晶径の
細い単結晶を成長させるネッキング工程と、前記ネッキ
ング工程で結晶径を細くした結晶を所定の直径まで徐々
に増大させるクラウン工程と、前記所定の直径を維持し
つつ所望の長さの直胴部を育成するボデイ工程と、前記
ボディ工程で形成された前記直胴部を前記融液表面から
離間せしめ、前記単結晶を冷却する冷却工程とを含むチ
ョクラルスキー法による半導体単結晶の製造工程におい
て、前記冷却工程が、前記るつぼを加熱状態に維持した
まま、前記単結晶の下端を前記融液の液面からあらかじ
め決定された高さ位置まで引き上げたのち、0.3mm
/min以下の低速度で前記単結晶を引き上げる低速引
き上げ冷却工程を含むことを特徴とする。
【0011】すなわち、本発明の方法では、テール部を
形成することなく、融液から切り離した単結晶を室温ま
で冷却するに際し、単結晶中に含まれるLSTDなどの
成長時導入欠陥を低減した結晶を形成すべくなされたも
のである。ところで結晶成長時導入欠陥は、結晶冷却中
の1100℃近傍で過飽和状態の空孔が凝集し形成され
ると考えられている。そこで引き上げ過程で結晶を同一
温度に留め、欠陥を形成する前の空孔を、すでに作られ
た欠陥に吸収させることにより、その近傍での領域の空
孔濃度を下げ、冷却後に無欠陥に近い状態を形成するこ
とができるものと考えられる。また、切り離した端面か
らの転位の導入を防止することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、CZ法による半導体単
結晶の製造工程においてテール形成を省略し、単結晶を
融液から離間せしめ、適切な冷却温度に所定時間滞留す
るように制御することにより、過飽和状態の空孔が欠陥
とならないうちに、すでに作られた欠陥に吸収させ、無
欠陥に近い状態を形成するようにしている。すなわち、
ボデイ育成が終了したら、単結晶を融液から離間せし
め、適切な冷却温度に所定時間滞留させるのみでよい。
【0013】また、すなわち、ボデイ育成が終了した
ら、単結晶を融液から離間せしめ、適切な冷却温度領域
での滞留時間が所定時間以上となるように、引き上げ速
度を低速に保持するようにしている。かかる方法によれ
ば、テール形成を行うことなく、欠陥密度が極めて低く
信頼性の高い単結晶を得ることが可能となる。従来の方
法では、欠陥密度はせいぜい4×105/cm3までしか
低減できなかったのに対し、本発明の方法によれば、3
×105/cm3まで低減することができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明に係る半導体単結晶の製造方法
の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。図
1は、CZ法による半導体単結晶製造装置の部分模式図
で、メインチャンバ1内には、引き上げるべき単結晶シ
リコン2の原料である多結晶シリコンの融液3を貯留す
る石英るつぼ4と、石英るつぼ4を収容する黒鉛るつぼ
5とが回転及び昇降自在に設置されている。黒鉛るつぼ
5の周囲には環状のヒータ6及び黒鉛断熱材7が設置さ
れている。
【0015】次に、この半導体単結晶製造装置を用い
た、シリコン単結晶の引き上げ工程について、説明す
る。図2(a)乃至(d)はこの工程説明図、図3は冷却工程
における結晶下端位置と時間との関係を示す図である。
【0016】先ず、黒鉛ヒータをオンにし、炉内の温度
プロファイルを所望の状態に設定する。続いて、種結晶
(図示せず)を浸せきし、速度3mm/min.で、引
き上げを行うことにより、ネッキング工程を行い、種結
晶に存在する転位が伝播しないように結晶径を細く成長
させる(ステップ101)。この後、ネッキング工程で
結晶径を細くすることにより無転位化した結晶を直径1
55mmまで徐々に増大させるべく、速度1.0〜1.
2mm/min.で、引き上げを行うことにより肩部を
形成する(クラウン工程:ステップ102)。
【0017】そして、速度 1.0〜0.6mm/mi
n.で、引き上げを行うことにより、図2(a)に示すよ
うに、所定の直径を維持しつつ所望の長さの直胴部を育
成する(ボデイ工程:ステップ103)。さらに、ボデ
ィ工程で形成された直胴部を図2(b)に示すように、前
記黒鉛ヒータへの投入電力をそのまま維持しつつ、融液
表面から離間せしめ、単結晶シリコンの下端が、融液表
面から、8.8cmのレベルに到達するまで、750m
m/min.で、引き上げを行う(ステップ104)。
【0018】そして、このレベルで図2(c)に示すよう
に、0.5時間引き上げを停止する(ステップ10
5)。そして、図2(d)に示すように、再び750mm
/min.で、引き上げを行うことにより、単結晶シリ
コン2の育成が完了する(ステップ106)。このよう
にして得られたシリコン単結晶2のLSTD密度を測定
した結果を図4に実線aで示す。横軸は結晶下端からの
距離、縦軸はLSTD密度を示すものである。この結果
LSTD密度が最小の領域すなわち結晶下端からの距離
が7cm程度の領域では、 LSTD密度を3×105
cm3まで低減することができることがわかる。また、
他の条件は前記実施例と全く同様にして、停止工程にお
ける停止時間のみを1時間、4時間と変化させたものに
ついて、同様にLSTD密度を測定した結果を点線b及
び一点鎖線cで示す。この結果から、停止時間を長くす
ればさらに、LSTD密度が低減され、3×104/c
3まで低減することができることがわかる。
【0019】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。ボディ工程までは前記第1の実施例と全く同様に
形成し、実施例1では保持工程を8.8cmのレベルで
1回としたのに対し、この方法では、図5に冷却工程に
おける結晶下端位置と時間との関係を示すように、単結
晶シリコンの下端が融液表面から4cm、8cm、 1
2cmのレベルで3回、1時間づつ保持したことを特徴
とするものである。なお、各レベル間での引き上げ条件
は750mm/min.とし、また他の条件については
前記第1の実施例と全く同様とした。
【0020】すなわち、ボディ工程で形成された直胴部
を図2(b)に示すように、融液表面から離間せしめ、単
結晶シリコンの下端が、融液表面から、4cmのレベル
に到達するまで、750mm/min.で、引き上げを
行う(ステップ204a)。そしてこのレベルで、1時
間引き上げを停止する(停止ステップ205)。そし
て、再び750mm/min.で、引き上げを行い、単
結晶シリコンの下端が、融液表面から、8cmのレベル
に到達するまで、750mm/min.で、引き上げを
行う(ステップ204b)。
【0021】さらにこのレベルで、1時間引き上げを停
止する(停止ステップ205)。そして、再び750m
m/min.で、引き上げを行い、単結晶シリコンの下
端が、融液表面から、12cmのレベルに到達するま
で、750mm/min.で、引き上げを行う(ステッ
プ204c)。そしてこのレベルで、1時間引き上げを
停止する(停止ステップ205)。最後に図2(d)に示
すように、再び750mm/min.で、引き上げを行
うことにより、単結晶シリコン2の育成が完了する(ス
テップ206)。
【0022】このようにして得られたシリコン単結晶2
のLSTD密度を測定した結果を図6に実線で示す。横
軸は結晶下端からの距離、縦軸はLSTD密度を示すも
のである。この結果LSTD密度が最小の領域すなわち
結晶下端からの距離が3cm程度の領域、7cm程度の
領域および12cm程度の領域では、 LSTD密度を
2.5×105/cm3まで低減することができることが
わかる。
【0023】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。この方法では、ボディ工程までは前記第1および
第2の実施例と全く同様に行ったのち、所定のレベルに
停止させる保持工程に代えて、0.3mm/min.の
低速で引き上げを行うことにより、1100℃近傍での
滞留時間を長く維持するようにしたことを特徴とする。
【0024】すなわち、図7に冷却工程における結晶下
端位置と時間との関係を示すように、単結晶シリコンの
下端が融液表面から4cmのレベルから上限まで0.3
mm/min.の低速で引き上げを行うようにしたこと
を特徴とするものである。なお、4cmのレベルまでの
引き上げ条件は750mm/min.とし、また他の条
件については前記第1の実施例と全く同様とした。すな
わち、ボディ工程で形成された直胴部を図2(b)に示す
ように、融液表面から離間せしめ、単結晶シリコンの下
端が、融液表面から、4cmのレベルに到達するまで、
750mm/min.で、引き上げを行う(ステップ3
04)。
【0025】そしてこのレベルから、上限まで0.3m
m/min.の低速で引き上げを行うことにより、単結
晶シリコン2の育成が完了する(低速引き上げステップ
305)。このようにして得られたシリコン単結晶2の
LSTD密度を測定した結果を図8に実線で示す。横軸
は結晶下端からの距離、縦軸はLSTD密度を示すもの
である。この結果LSTD密度が最小の領域すなわち結
晶下端から8.5cm程度までの領域では、LSTD密
度を2×105/cm3まで低減することができることが
わかる。
【0026】前記実施例では、ノンドープの単結晶シリ
コンの形成について説明したが、上記方法を用い、リン
をドープした4インチのn型単結晶、ボロンをドープし
た6インチのp型単結晶についても同様の実験を行った
結果、 LSTD密度を大幅に低減することができた。
また、単結晶インゴットに転位の導入は見られなかっ
た。また、この方法を用いることにより、融液から離間
した端面近傍の温度が融点から1000℃まで降下する
間の冷却速度が十分に小さく維持されているため、単結
晶インゴットに転位の導入は見られなかった。
【0027】上記実験からボデイ育成後、テールを形成
せずに融液から単結晶を切り離しても、冷却方法が適切
であれば、結晶直径、ドーパントの種類、結晶育成中の
軸方向温度勾配及び引き上げ速度、酸素濃度等の影響を
受けることなく、LSTD欠陥の極めて小さい単結晶シ
リコンを得ることができることがわかる。また、テール
工程を省略することにより、従来と同じボデイ長さの単
結晶を育成する場合のサイクルタイムは、従来よりも約
10%短縮されるため、停止時間や低速引き上げによ
る、サイクルタイムの増加も、大部分は相殺され、同程
度のサイクルタイムで高品質の単結晶シリコンを得るこ
とができることがわかる。
【0028】さらにまた、テールの形成に必要な原料を
ボデイ形成にあてることも可能であり、この場合のボデ
イ長さは、従来よりも約6%長くすることができる。さ
らにまた、1100℃程度の温度領域を長くとるため、
図9に示すように、所定のレベルで保温性を高めるよう
にして温度プロファイルを調整した保温筒8を導入し、
引き上げ速度は従来と同様にしても、同様の効果を得る
ことが可能となる。さらにまた、図10に示すように、
所定のレベルにヒータ9を追加して配設するとともに、
温度プロファイルを調整した保温筒8を導入し、引き上
げ速度は従来と同様にしてもよい。加えて、前記実施例
では、単結晶シリコンの引き上げについて説明したが、
シリコンに限定されることなく、化合物半導体単結晶の
形成についても適用可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ボ
デイ育成の終了直後に融液から単結晶を離間し、引き上
げ時と同じ炉内温度を保持したまま、所定のレベルで所
定時間引き上げを停止させるかまたは引き上げ速度を低
下させることにより、生産性を維持しつつ、LSTD密
度が低く信頼性の高いシリコン単結晶を得ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CZ法による半導体単結晶製造装置の部分模式
図である。
【図2】本発明実施例の引き上げ工程を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施例の引き上げ工程における
冷却工程を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例の引き上げ方法を用いて
形成したシリコン単結晶の下端からの距離と、LSTD
密度との関係を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例の引き上げ工程における
冷却工程を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例の引き上げ方法を用いて
形成したシリコン単結晶の下端からの距離と、LSTD
密度との関係を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例の引き上げ工程における
冷却工程を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施例の引き上げ方法を用いて
形成したシリコン単結晶の下端からの距離と、LSTD
密度との関係を示す図である。
【図9】本発明の他の実施例の半導体単結晶製造装置の
部分模式図である。
【図10】本発明の他の実施例の半導体単結晶製造装置
の部分模式図である。
【符号の説明】
1 メインチャンバ 2 単結晶シリコン 3 融液 4 石英るつぼ 5 黒鉛るつぼ 6 黒鉛ヒータ 7 断熱材 8 保温筒 9 ヒータ
フロントページの続き (72)発明者 石川 文敬 神奈川県平塚市四之宮2612番地コマツ電子 金属株式会社内 (72)発明者 中村 浩三 神奈川県平塚市四之宮2612番地コマツ電子 金属株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料をるつぼ内で加熱し、原料融液を形
    成する融液形成工程と、 前記融液に種結晶を浸せきし、所望の速度で前記種結晶
    を引き上げることにより、種結晶に存在する転位が伝播
    しない程度に結晶径の細い単結晶を成長させるネッキン
    グ工程と、 前記ネッキング工程で結晶径を細くした結晶を所定の直
    径まで徐々に増大させるクラウン工程と、 前記所定の直径を維持しつつ所望の長さの直胴部を育成
    するボデイ工程と、 前記ボディ工程で形成された前記直胴部を前記融液表面
    から離間せしめ、前記単結晶を引き上げながら冷却する
    冷却工程とを含むチョクラルスキー法による半導体単結
    晶の製造工程において、 前記冷却工程が、前記るつぼを加熱状態に維持したま
    ま、前記単結晶の下端を前記融液の液面からあらかじめ
    決定された高さ位置まで引き上げ、前記高さ位置で所定
    時間保持する保持工程を含むことを特徴とする半導体単
    結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記半導体単結晶はシリコンであり、前
    記冷却工程は、前記単結晶の下端から5センチ± 1 セ
    ンチの位置が、前記融液の上方で1100℃となる温度
    領域に、所定時間停止する保持工程を含むことを特徴と
    する請求項1記載の半導体単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記保持工程は、0.5時間以上停止す
    る工程を含むことを特徴とする請求項2記載の半導体単
    結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記保持工程は、1時間以上停止する工
    程を含むことを特徴とする請求項2記載の半導体単結晶
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記保持工程は、4時間以上停止する工
    程を含むことを特徴とする請求項2記載の半導体単結晶
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体単結晶はシリコンであり、
    前記冷却工程は、前記単結晶の下端から3センチの位置
    が、前記融液の上方で1100℃以上であってかつ、前
    記単結晶の直胴部の上端が1080℃以下となる温度領
    域に、所定時間停止する保持工程を含むことを特徴とす
    る請求項1記載の半導体単結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体単結晶はシリコンであり、 前記保持工程は、前記融液表面から前記単結晶の下端と
    の距離が3センチ〜15センチの範囲で、所定時間以上
    停止する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の半
    導体単結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記保持工程は、0.5時間以上停止す
    る工程を含むことを特徴とする請求項7記載の半導体単
    結晶の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記保持工程は、1時間以上停止する工
    程を含むことを特徴とする請求項7記載の半導体単結晶
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記保持工程は、4時間以上停止する
    工程を含むことを特徴とする請求項7記載の半導体単結
    晶の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記保持工程は、前記融液表面から前
    記単結晶の下端との距離が6センチ〜 10センチ の範
    囲で、1時間以上停止する工程を含むことを特徴とする
    請求項7記載の半導体単結晶の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記冷却工程は、 前記融液表面から前記単結晶の下端との距離が4センチ
    ±1センチの範囲にある第1のレベルまで引き上げる第
    1の引き上げ工程と、 前記第1のレベルで、所定時間以上停止する第1の停止
    工程と、 前記半導体単結晶を前記融液表面から前記単結晶の下端
    との距離が8センチ±1センチの範囲にある第2のレベ
    ルまで引き上げる第2の引き上げ工程と、 前記第2のレベルで、所定時間以上停止する第2の停止
    工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体単
    結晶の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記半導体単結晶はシリコンであり、 前記第1の保持工程は、前記融液の上方で1100℃と
    なる温度領域に、前記単結晶の下端から9センチ±1セ
    ンチの少なくとも一部が含まれるように温度プロファイ
    ルが制御されるようにしたことを特徴とする請求項12
    記載の半導体単結晶の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の保持工程は、0.5時間以
    上停止する工程を含むことを特徴とする請求項13記載
    の半導体単結晶の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第1の保持工程は、1時間以上停
    止する工程を含むことを特徴とする請求項13記載の半
    導体単結晶の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第1の保持工程は、4時間以上停
    止する工程を含むことを特徴とする請求項13記載の半
    導体単結晶の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第2の保持工程は、前記融液の上
    方で1100℃となる温度領域に、前記単結晶の下端か
    ら5センチ±1センチの少なくとも一部が含まれるよう
    に第2のレベルが制御されるようにしたことを特徴とす
    る請求項13記載の半導体単結晶の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第2の保持工程は、0.5時間以
    上停止する工程を含むことを特徴とする請求項17記載
    の半導体単結晶の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記第2の保持工程は、1時間以上停
    止する工程を含むことを特徴とする請求項17記載の半
    導体単結晶の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記第2の保持工程は、4時間以上停
    止する工程を含むことを特徴とする請求項17記載の半
    導体単結晶の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記冷却工程は、さらに前記半導体単
    結晶を前記融液表面から前記単結晶の下端との距離が12
    センチ±1センチの範囲にある第3のレベルまで引き上
    げる第3の引き上げ工程と、 前記第3のレベルで、所定時間以上停止する第3の停止
    工程とを含むことを特徴とする請求項12記載の半導体
    単結晶の製造方法。
  22. 【請求項22】 原料をるつぼ内で加熱し、原料融液を
    形成する融液形成工程と、 前記融液に種結晶を浸せきし、所望の速度で前記種結晶
    を引き上げることにより、種結晶に存在する転位が伝播
    しない程度に結晶径の細い単結晶を成長させるネッキン
    グ工程と、 前記ネッキング工程で結晶径を細くした結晶を所定の直
    径まで徐々に増大させるクラウン工程と、 前記所定の直径を維持しつつ所望の長さの直胴部を育成
    するボデイ工程と、 前記ボディ工程で形成された前記直胴部を前記融液表面
    から離間せしめ、前記単結晶を引き上げながら冷却する
    冷却工程とを含むチョクラルスキー法による半導体単結
    晶の製造工程において、 前記冷却工程が、前記るつぼを加熱状態に維持したま
    ま、前記単結晶の下端を前記融液の液面からあらかじめ
    決定された高さ位置まで引き上げたのち、0.3mm/
    min以下の低速度で前記単結晶を引き上げる低速引き
    上げ冷却工程を含むことを特徴とする半導体単結晶の製
    造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010132492A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Sumco Corp シリコン単結晶の育成方法

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