JP2010132492A - シリコン単結晶の育成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比抵抗が0.02Ωcm以下であるシリコン単結晶をCZ法で育成するに際し、直胴部への移行に伴い転位の発生を防止し、同時に、直胴部の上端部分の張り出しをなくすことができるシリコン単結晶の育成方法を提供する。
【解決手段】ショルダー部9bおよび直胴部9cの育成において、育成中のショルダー部9bの直径が直胴部9cの目標直径Dの80%になってから、直胴部9cの育成に移行し、育成された直胴部9cの軸方向長さが直胴部9cの目標長さLの10%になるまでの時間経過を特定期間tとし、この特定期間tにおける引き上げ速度を直胴部9cの目標引き上げ速度を超え、且つ、1.4mm/分以下に設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ドーパントを含有し比抵抗が0.02Ωcm以下であるシリコン単結晶をチョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)により育成する方法に関し、特に、ショルダー部から直胴部に移行する際の転位の発生防止を図ったシリコン単結晶の育成方法に関する。
シリコン単結晶は、半導体デバイスに用いられるシリコンウェーハの素材であり、その製造には、CZ法による単結晶育成方法が広く採用されている。CZ法によるシリコン単結晶の育成では、減圧下の不活性ガス雰囲気に維持された単結晶育成装置内において、石英ルツボに充填されたシリコン原料をヒータにより加熱し溶融させて、原料融液を形成する。石英ルツボ内に原料融液が形成されると、石英ルツボの上方で引き上げ軸に保持された種結晶を下降させ原料融液に浸漬し、種結晶および石英ルツボを所定の方向に回転させながら種結晶を徐々に引き上げ、種結晶の下方にシリコン単結晶を育成する。
通常、シリコン単結晶の育成では、種結晶の引き上げに伴って、種結晶から直径を3mm程度に細く絞られたネック部が形成され、ネック部から所望の直径まで逐次直径を増加させたショルダー部が形成される。次いで、シリコンウェーハ用に製品結晶として使用される所望の直径の直胴部が育成され、さらに、直胴部から逐次直径を減少させたテイル部が形成される。
シリコン単結晶の育成において単結晶中に転位が発生した場合、単結晶中に残存した転位は、半導体デバイスの機能を阻害する要因となる。従って、CZ法によるシリコン単結晶の育成では、転位のないシリコン単結晶を育成することが強く要求される。このため、ネック部は、種結晶を原料融液に着液させたときの熱ショックにより発生する転位を除去するために形成される。テイル部は、原料融液から離液させたときの熱ショックで発生する転位が導入されるのを防止するために形成される。
通常、ショルダー部から直胴部への移行に際して、ショルダー部の直径を逐次増加させ直胴部で一定に形成するため、引き上げ速度を、一旦、直胴部の育成で適用すべき引き上げ速度(以下、「目標引き上げ速度」という)よりもはるかに高速に上昇させている。いきなり直胴部の目標引き上げ速度に変更しても、ショルダー部の直径を直胴部の直径に移行することができず、直胴部の上端部分が目標直径よりも大きくなって径方向に局部的に張り出し、その張り出し部分は不良になるからである。
従来、例えば、ショルダー部の育成中は引き上げ速度を0.4〜0.8mm/分とし、ショルダー部から直胴部に移行する際に引き上げ速度を一旦1.5〜2.5mm/分に上昇させ、その後に直胴部の直径が安定すると引き上げ速度を直胴部の目標引き上げ速度の1.0mm/分以下に低下させ育成を行っている。
ところが、シリコン単結晶の育成では、ショルダー部から直胴部への移行に伴い転位が発生することが多い。特に、比抵抗が0.02Ωcm以下である低抵抗のシリコン単結晶を得る場合には、アンチモン(Sb)、ヒ素(As)、リン(P)またはボロン(B)などのドーパントを多量に添加した原料融液を用いて育成を行うため、転位が発生し易い。
例えば、特許文献1には、ドーパントとしてアンチモンまたはヒ素を含有するシリコン単結晶の育成において、ショルダー部の形状に着目し、ショルダー部を開き角が30〜90°の円錐状に形成することにより、ショルダー部での転位の発生を防止する育成方法が提案されている。
しかし、同文献に提案された単結晶育成方法では、ショルダー部から直胴部に移行する際に発生する転位は、一切考慮されていない。従って、同文献に提案された単結晶育成方法では、上述した理由により、ショルダー部から直胴部への移行に伴い転位が発生し易いことは否めない。
特開2002−20193号公報
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ドーパントを含有し比抵抗が0.02Ωcm以下である低抵抗のシリコン単結晶をCZ法で育成するに際し、引き上げ速度を適正に設定することにより、ショルダー部から直胴部への移行に伴い転位の発生を防止するとともに、直胴部の上端部分の張り出しをなくし、適正な形状に確保することができるシリコン単結晶の育成方法を提供することを目的とする。
上述した通り、ドーパントを添加した原料融液を用いて低抵抗のシリコン単結晶を育成する場合は、ショルダー部から直胴部への移行に伴い転位が発生し易い。これは、以下の理由によると考えられる。
低抵抗のシリコン単結晶の育成中、結晶成長界面付近では、ドーパントの偏析現象に起因して液相(原料融液)中のドーパント濃度が上昇し、これに伴って組成的過冷却が発生し易い状態にある。その過冷却の発生し易さは引き上げ速度に依存する。このため、ショルダー部から直胴部に移行する際、引き上げ速度を高速にすると、結晶成長界面付近で過冷却が一層発生し易くなる。これにより、結晶成長界面付近で固液相が不安定な状態になり、転位が発生する。
これらのことから、本発明者は、ショルダー部から直胴部に移行する際に引き上げ速度を抑えれば、転位の発生を防止できると想定した。そして、ドーパントを添加した原料融液を用い、比抵抗が0.02Ωcm以下のシリコン単結晶を育成する場合において、ショルダー部から直胴部に移行する際の引き上げ速度を種々変更し、転位の発生状況および直胴部の上端部分の張り出し状況を詳細に調査して検討を重ねた。
その結果、直胴部の上端部分を適正な形状に確保しつつ、ショルダー部から直胴部への移行に伴い転位の発生を防止するには、その移行時を含む特定の期間内で、引き上げ速度を1.4mm/分以下に設定するのが有効であることを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成させたものであり、その要旨は、下記のシリコン単結晶の育成方法にある。すなわち、CZ法によりドーパントを添加した原料融液から種結晶を引き上げて、ネック部、ショルダー部および直胴部を順に育成し、比抵抗が0.02Ωcm以下のシリコン単結晶を育成する方法であって、前記ショルダー部および直胴部の育成において、育成中のショルダー部の直径が直胴部の目標直径の80%になってから、直胴部の育成に移行し、育成された直胴部の軸方向長さが直胴部の目標長さの10%になるまでの時間経過を特定期間とし、この特定期間における引き上げ速度を直胴部の目標引き上げ速度を超え、且つ、1.4mm/分以下に設定することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法である。
ここで「直胴部の目標直径」とは、育成する直胴部の所望する直径を意味し、「直胴部の目標長さ」とは、育成する直胴部の所望する軸方向の引き上げ長さを意味する。「直胴部の目標引き上げ速度」とは、目標直径の直胴部を育成する場合に適用すべき引き上げ速度を意味する。
上述の単結晶育成方法では、前記ショルダー部の育成において、ショルダー部の直径が直胴部の目標直径の50%になるまでに、ショルダー部の直径変動の検出、およびこの検出結果に基づく原料融液の温度調整を開始することが好ましい。
上述の単結晶育成方法は、前記ドーパントがアンチモン、ヒ素、リンまたはボロンである単結晶の育成に適用することができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、ドーパントを含有し比抵抗が0.02Ωcm以下のシリコン単結晶を育成するに際し、ショルダー部から直胴部に移行する特定期間で、引き上げ速度を直胴部の目標引き上げ速度を超え、且つ、1.4mm/分以下に設定することにより、直胴部への移行に伴い転位の発生を防止することができ、同時に、直胴部の上端部分の張り出しをなくし、適正な形状に確保することができる。
以下に、本発明のシリコン単結晶の育成方法について、その実施形態を詳述する。
図1は、本発明のシリコン単結晶の育成方法を適用できる育成装置の構成を模式的に示す図である。同図に示すように、単結晶育成装置は、その外郭をチャンバ1で構成され、チャンバ1内の中心部にルツボ2が配置されている。ルツボ2は二重構造であり、内側の石英ルツボ2aと、外側の黒鉛ルツボ2bとから構成される。このルツボ2は、支持軸3の上端部に固定され、その支持軸3の回転駆動および昇降駆動を介して、周方向に回転するとともに軸方向に昇降することが可能である。
ルツボ2の外側には、ルツボ2を囲繞する抵抗加熱式のヒータ4が配設され、そのさらに外側には、チャンバ1の内面に沿って断熱材5が配されている。ヒータ4はルツボ2内に充填されたシリコン原料およびドーパントを溶融させ、これにより、ルツボ2内にドーパントを添加した原料融液6が形成される。
ルツボ2の上方には、支持軸3と同軸上にワイヤなどの引き上げ軸7が配されている。引き上げ軸7は、チャンバ1の上端に設けられた引き上げ機構(図示しない)により回転するとともに昇降することが可能である。引き上げ軸7の先端には、種結晶8が取り付けられている。
引き上げ軸7の駆動に伴って、種結晶8をルツボ2内の原料融液6に浸漬し、原料融液6となじませた後、その種結晶8を回転させながら徐々に上昇させる。これにより、種結晶8の下方に、シリコン単結晶9として、ネック部9a、ショルダー部9b、直胴部9c、およびテイル部(図示しない)が順に育成される。その際、シリコン単結晶9の引き上げ速度は、引き上げ軸7の上昇速度に対応し、この上昇速度を引き上げ機構で制御することにより調整される。
この単結晶育成装置には、単結晶育成中に結晶成長界面でのシリコン単結晶9の直径を測定する直径測定カメラ10が配設され、原料融液6の温度を検出する放射温度計11も配設されている。さらに、引き上げ軸7を駆動させる上記の引き上げ機構には、引き上げ軸7の上昇速度を検出するためのエンコーダ12が配設されるとともに、育成中のシリコン単結晶9の重量を測定するロードセル13も配設されている。
これらの直径測定カメラ10、放射温度計11、エンコーダ12およびロードセル13は、制御部14に接続されている。制御部14は、それらの各検出機器10〜13から逐次出力されるデータに基づき、シリコン単結晶9の育成状況を監視し、引き上げ速度やヒータ4の出力などの育成条件を制御する。
図2は、本発明のシリコン単結晶の育成方法により育成される低抵抗のシリコン単結晶を模式的に示す図である。同図を参照しながら、本発明のシリコン単結晶の育成方法を説明する。
シリコン単結晶9は、ドーパントを添加した原料融液から、種結晶8の直下に直径が3mm程度のネック部9aが形成され、続いて、目標直径Dまで逐次直径を増加させた円錐状のショルダー部9bが形成される。次いで、目標直径Dで目標長さLを満たす直胴部9cが育成されて製品用結晶とされ、最終的に、直胴部9cから逐次直径を減少させた逆円錐状のテイル部9dが形成される。目標直径Dおよび目標長さLは、育成する直胴部9cの所望する直径および軸方向引き上げ長さであり、仕様に応じて定められる。
本発明の単結晶育成方法では、シリコン単結晶9を育成する過程のうち、ショルダー部9bおよび直胴部9cの育成において、育成中のショルダー部9bの直径が直胴部9cの目標直径Dの80%になる第1時点t1から、直胴部9cの育成に移行し、育成された直胴部9cの軸方向長さが目標長さLの10%になる第2時点t2までの時間経過を特定期間tとし、この特定期間tにおける引き上げ速度を直胴部の目標引き上げ速度を超え、且つ、1.4mm/分以下に設定する。以下の説明では、その特定期間tでの引き上げ速度を「規定引き上げ速度」ともいう。
これにより、ショルダー部9bから直胴部9cに移行する際、特定期間tにおいて、第1時点t1までの育成で適用している引き上げ速度を規定引き上げ速度に上昇させる。第2時点t2を過ぎると、引き上げ速度を直胴部9cの目標引き上げ速度に低下させる。
本発明の単結晶育成方法によれば、ドーパントを添加した原料融液から低抵抗のシリコン単結晶9を育成するに際し、結晶成長界面付近での過冷却の発生し易さは引き上げ速度に依存するが、ショルダー部9bから直胴部9cに移行する特定期間tで、引き上げ速度を1.4mm/分以下に設定し、引き上げ速度を抑えることにより、過冷却の発生を抑制できる。その結果、ショルダー部9bから直胴部9cへの移行に伴い転位の発生を防止することが可能になる。
これと同時に、特定期間tで直胴部9cの目標引き上げ速度を超える引き上げ速度を設定することにより、直胴部9cへの移行に伴いショルダー部9bの上端部分の張り出しを抑制する作用(以下、「張り出し抑制作用」という)が現れるため、直胴部9cの上端部分の張り出しをなくし、適正な形状に確保することができる。
本発明の単結晶育成方法では、特定期間tでの規定引き上げ速度の下限は、直胴部9cの目標引き上げ速度を超える限り特に限定しない。ただし、特定期間tでの規定引き上げ速度を低速にし過ぎると、張り出し抑制作用が現れにくくなり、直胴部9cの上端部分が張り出し易い。このため、特定期間tでの引き上げ速度の下限は、張り出し抑制作用が効果的に現れるように、1.2mm/分とするのが好ましい。
また、本発明の単結晶育成方法では、特定期間tとして、育成中のショルダー部9bの直径が直胴部9cの目標直径Dの80%になる第1時点t1から、育成された直胴部9cの軸方向長さが目標長さLの10%になる第2時点t2までを規定しているが、これは以下の理由による。
ショルダー部9bの育成において、第1時点t1を過ぎる前に特定期間tでの規定引き上げ速度を設定すると、張り出し抑制作用が早期に現れ、ショルダー部9bの直径の増大が十分に図れず、直胴部9cの目標直径Dを確保しにくくなる。一方、第2時点t2を過ぎて特定期間tでの規定引き上げ速度を設定し続けると、張り出し抑制作用が長期にわたり、直胴部9cで目標直径Dよりも小さくなる部位が発生するおそれがある。
ここで、特定期間tの始点である第1時点t1は、前記図1に示すように、制御部14に予め登録されている目標直径Dのデータと、直径測定カメラ10から逐次出力される直径データとに基づいて特定が可能である。一方、特定期間tの終点である第2時点t2は、直径測定カメラ10およびロードセル13から逐次出力される直径データおよび重量データに基づいて算出される直胴部9cの軸方向長さと、制御部14に予め登録されている目標長さLのデータとにより特定が可能である。
また、本発明の単結晶育成方法では、ショルダー部9bの育成において、ショルダー部9bの直径が直胴部9cの目標直径Dの50%になる第3時点t3までに、ショルダー部9bの直径変動の検出、およびこの検出結果に基づく原料融液の温度調整を開始することができる。
この原料融液の温度調整は、融液温度を上昇させる処理であり、ショルダー部9bから直胴部9cに移行する際に規定引き上げ速度の設定と相まって張り出し抑制作用の促進を図る予備処理である。この温度調整では、前記図1に示すように、直径測定カメラ10からの直径データに基づいて算出されるショルダー部9bの直径変動と、放射温度計11から逐次出力される融液温度データとにより、ヒータ4への出力を調整し、原料融液の温度を徐々に上昇させる。
原料融液の温度調整を第3時点t3を過ぎて開始した場合、その後の特定期間tで規定引き上げ速度を設定しても、融液温度が十分に上昇しないことに起因して張り出し抑制作用が現れにくい。このため、第3時点t3までに原料融液の温度調整を開始することが好ましい。
また、本発明の単結晶育成方法では、ショルダー部9bを円錐状に育成しているが、その開き角は制限しない。本発明の単結晶育成方法は、前記特許文献1でのショルダー部のように開き角を90°以下にしたショルダー部を育成する場合にも適用できるし、開き角をそれ以上、例えば90〜150°にしたショルダー部を育成する場合に適用することも可能である。
開き角を90°以下にしてショルダー部を育成する場合は、ショルダー部の軸方向長さが長くなるため、育成に長時間を要し、生産性の低下が著しい。しかも、ショルダー部の軸方向長さが長くなるのに伴って廃却される体積が増大し、製品歩留りも低下する。一方、開き角を90°以上にしたショルダー部の育成は、ショルダー部の軸方向長さを短くできるため、生産性および製品歩留りの観点から好ましい。
本発明の単結晶育成方法は、ドーパントとしてアンチモン、ヒ素、リンまたはボロンを含有し比抵抗が0.02Ωcm以下である低抵抗のシリコン単結晶を育成するのに好適に用いることができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法による効果を確認するため、以下の試験を行った。前記図1に示す単結晶育成装置を用い、ドーパントとしてアンチモンを添加した原料融液から、比抵抗が0.02Ωcm以下で、直胴部の目標直径を150mmとし、直胴部の目標長さを1000mmとするシリコン単結晶の育成を行った。
その際、前記特定期間tの始点となる第1時点t1として、ショルダー部の直径が直胴部の目標直径Dの80%になる時点を採用し、終点となる第2時点t2として、直胴部の軸方向長さが目標長さLの10%になる時点を採用し、その特定期間tで設定する最大の引き上げ速度を1.1〜1.8mm/分の範囲で変更して、試験番号1〜7のシリコン単結晶を3本ずつ育成した。これに加え、特定期間tで設定する最大の引き上げ速度を1.4mm/分とし、第1時点t1としてショルダー部の直径が直胴部の目標直径Dの75および80%になる時点を採用し、第2時点t2として直胴部の軸方向長さが目標長さLの10および15%になる時点を採用して、試験番号8、9のシリコン単結晶を3本ずつ育成した。
試験番号1〜9のいずれでも、ショルダー部の育成において、第1時点t1までの引き上げ速度は0.4〜0.8mm/分とし、直胴部の育成において、第2時点t2からの引き上げ速度は1.0mm/分以下とした。
育成したシリコン単結晶のそれぞれについて、直胴部の上端部分の外観を評価した。さらに、シリコン単結晶それぞれの直胴部を引き上げ方向に平行にスライスし、得られたサンプルの表面をエッチングした後、光学顕微鏡で転位の有無を調査した。そして、全サンプル数に対する転位のないサンプル数の比率を無転位化率とした。結果を下記の表1に示す。
Figure 2010132492
同表に示すように、試験番号1〜4では、第1時点t1(表1中で「0.8D」と表記)および第2時点t2(表1中で「0.1L」と表記)が本発明で規定する条件を満足し、その第1時点t1から第2時点t2までの特定期間tで設定する最大引き上げ速度も本発明で規定する範囲を満足しており、無転位化率を80%以上に確保することができた。このうちの試験番号1では、特定期間tで設定する最大引き上げ速度が低過ぎたため、直胴部の上端部分が径方向に張り出した。
試験番号5〜7では、第1時点t1および第2時点t2が本発明で規定する条件を満足するが、特定期間tで設定する最大引き上げ速度が本発明で規定する範囲を超えたため、無転位化率が60%に留まった。
試験番号8、9では、特定期間tで設定する最大引き上げ速度が本発明で規定する範囲を満足することから、無転位化率を80%以上に確保することができた。
ただし、試験番号8では、第1時点t1として本発明で規定する時点よりも早い時点(表1中で「0.75D」と表記)を採用したため、直胴部の上端部分が目標直径よりも小さくなった。試験番号9では、第2時点t2として本発明で規定する時点よりも遅い時点(表1中で「0.15L」と表記)を採用したため、直胴部の上端部分で目標直径よりも小さい部位が認められた。
これらの結果から、ドーパントを添加した原料融液から低抵抗のシリコン単結晶を育成する際、第1時点t1としてショルダー部の直径が直胴部の目標直径Dの80%になる時点を採用し、第2時点t2として直胴部の軸方向長さが目標長さLの10%になる時点を採用し、その第1時点t1から第2時点t2までの特定期間tで、引き上げ速度を1.4mm/分以下に設定することにより、ショルダー部から直胴部への移行に伴い転位の発生を防止でき、同時に、直胴部の上端部分の張り出しをなくし、適正な形状に確保できることが明らかになった。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、ドーパントを含有し比抵抗が0.02Ωcm以下である低抵抗のシリコン単結晶を育成するに際し、ショルダー部から直胴部に移行する特定期間で、引き上げ速度を1.4mm/分以下に設定することにより、ショルダー部から直胴部への移行に伴い転位の発生を防止することができ、同時に、直胴部の上端部分の張り出しをなくし、適正な形状に確保することが可能になる。従って、本発明のシリコン単結晶の育成方法は、比抵抗が0.02Ωcm以下で転位のないシリコン単結晶を製造する上で極めて有用な技術である。
本発明のシリコン単結晶の育成方法を適用できる育成装置の構成を模式的に示す図である。 本発明のシリコン単結晶の育成方法により育成される低抵抗のシリコン単結晶を模式的に示す図である。
符号の説明
1:チャンバ、 2:ルツボ、 2a:石英ルツボ、 2b:黒鉛ルツボ、
3:支持軸、 4:ヒータ、 5:断熱材、 6:原料融液、
7:引き上げ軸、 8:種結晶、
9:シリコン単結晶、 9a:ネック部、 9b:ショルダー部、
9c:直胴部、 9d:テイル部、
10:直径測定カメラ 11:放射温度計、 12:エンコーダ、
13:ロードセル、 14:制御部

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法によりドーパントを添加した原料融液から種結晶を引き上げて、ネック部、ショルダー部および直胴部を順に育成し、比抵抗が0.02Ωcm以下のシリコン単結晶を育成する方法であって、
    前記ショルダー部および直胴部の育成において、育成中のショルダー部の直径が直胴部の目標直径の80%になってから、直胴部の育成に移行し、育成された直胴部の軸方向長さが直胴部の目標長さの10%になるまでの時間経過を特定期間とし、
    この特定期間における引き上げ速度を直胴部の目標引き上げ速度を超え、且つ、1.4mm/分以下に設定することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  2. 前記ショルダー部の育成において、ショルダー部の直径が直胴部の目標直径の50%になるまでに、ショルダー部の直径変動の検出、およびこの検出結果に基づく原料融液の温度調整を開始することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の育成方法。
  3. 前記ドーパントがアンチモン、ヒ素、リンまたはボロンであることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン単結晶の育成方法。
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