JP5136253B2 - シリコン単結晶の育成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、CCD(Charge Coupled Devices)やCIS(CMOS Image Sensor)などの半導体デバイスの基板として用いられるシリコンウェーハの素材となるシリコン単結晶の育成方法に関し、特に最先端分野で用いられている、炭素を添加して結晶欠陥および不純物ゲッタリングのためのBMDの密度を制御した炭素ドープシリコン単結晶の育成方法に関する。
CCDやCISなどの半導体デバイス(画像デバイス)の基板として用いられるシリコンウェーハは、主にチョクラルスキー法(Czochralski Method、以下「CZ法」と略称する)により製造されるシリコン単結晶から薄い円盤状に切り出され、多くの物理的、化学的、さらには熱的プロセスを経て製造される。
CZ法により育成されたシリコン単結晶中には酸素原子が含まれており、このシリコン単結晶から切り出されるシリコンウェーハを用いてデバイスを製造する際、シリコン原子と酸素原子とが結合して酸素析出物(Bulk Micro Defect;以下「BMD」と略称する)が形成される。このBMDは、ウェーハ内部の重金属などの汚染原子を捕獲しデバイス特性を向上させるゲッタリング能力(以下、IG−Intrinsic Gettering−能力という)を有することが知られており、ウェーハのバルク部でのBMD密度が高くなるほど高性能のデバイスを得ることができる。
近年では、シリコンウェーハ中の結晶欠陥を制御しつつ十分なIG能力を付与するために、炭素などを意図的に添加(ドープ)して酸素析出を促進し、シリコン単結晶を製造することが行われている。
シリコン単結晶への炭素の添加に関しては、種々の方法が実施されており、例えば、特許文献1には、簡単かつ安価な方法として、シリコン原料をルツボに充填する時に、微量の炭素粉末を石英ルツボ内に投入し、所定濃度の炭素がドープされたシリコン単結晶の製造方法が開示されている。
しかし、石英ルツボ内に供給した炭素が、原料溶解後に石英ルツボの内表面と反応して、SiCが形成され、そのために、引き上げられる単結晶の品質が低下し、歩留まりが低下するという問題がある。すなわち、単結晶育成時にSiCが単結晶中に異物として取り込まれる場合があり、また、炭素粉末が育成装置内のガス流で飛散するため、シリコン溶融液の炭素濃度が当初予定した濃度より低く、所定の炭素濃度の単結晶を引き上げることができない場合もある。さらに、未溶融の炭素粉末により有転位化が発生することもあり、いずれも引上げ単結晶の歩留まり低下につながる。
特開2002−293691号公報 特開2005−231986号公報 特開平5−24870号公報 特許第3195889号
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、CZ法により、炭素が添加されたシリコン溶融液からシリコン単結晶を育成する炭素ドープ単結晶育成に際し、品質の低下、ひいては歩留まり低下を来すことなく、優れたIG能力を有するBMD密度の高いウェーハを切り出すことができるシリコン単結晶の育成方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記の課題を解決するために検討を重ねた結果、炭素が添加されたシリコン溶融液から単結晶を育成する場合、石英ルツボ中のアルミニウムが単結晶の有転位化の要因となることを知見した。
一般的に使用されている石英ルツボには、大別して、天然シリカを原料として得られた天然石英ガラス製のルツボと、高純度シラン等の珪素化合物から製造された合成石英ガラス製のルツボとがある。
天然石英ガラス製ルツボは、強度が高く、かつ大口径のルツボでも比較的低コストで製造でき、しかも多数の気泡が均一に分散しているので熱の分布を均一化するという利点を有している反面、多量のアルミニウム、鉄、ナトリウム、リチウムや、アルカリ土類金属などを含有するので純度が低いという問題がある。一方、合成石英ガラス製ルツボは、天然石英ガラス製ルツボに比べて高純度であるが、強度が弱く、高価である。このため、内層を合成石英ガラス層とし、外層を天然石英ガラス層とした2層構造の合成石英ガラス製のルツボが一般的に使用されている。
前記石英ルツボ中に含まれる不純物のうち、アルミニウムは、これまで、ナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、銅などの不純物とは異なり、半導体デバイス特性にあまり影響を与えない元素と認識されており、石英ルツボ製造工程において、合成石英の粘性および強度を向上させるものとして、単結晶の抵抗率を変化させない程度の濃度範囲で石英ルツボ中に含有させていた。
ところが、合成石英ガラス製ルツボを使用した場合、シリコン単結晶引き上げ中に、内表面の透明ガラス層にブラウンリングと呼ばれる酸素欠乏型のリング状クリストバライト結晶が形成され、このリングの剥離によって単結晶化率が低下するという問題があり、種々の対策が採られてきた。
例えば、特許文献2では、合成石英ガラスルツボの内層である合成石英層にアルミニウムを添加することにより、ブラウンリングの発生を抑制する方法が、また、特許文献3では、石英ガラス製造時において原料石英粉に酸化アルミニウム等を結晶化促進剤として混合分散する方法が提案されている。さらに、特許文献4には、石英ガラスルツボの内表面のCu濃度を低減するとともに、意図的に内表面のAl濃度を高くした石英ルツボとすることにより、N型シリコン単結晶のインゴット状態での長期間保存中におけるOSF(酸化誘起積層欠陥)の発生(OSF経時変化)を抑制できることが記載されている。
このように、石英ルツボ中のアルミニウムは、これまで、半導体デバイス特性への影響が少なく、合成石英の強度向上等に有効であるとの認識の下に、アルミニウムを石英ルツボ中に含有させており、また、ブラウンリングの発生とそれに伴う単結晶化率の低下抑制のために、アルミニウムを積極的に添加することも行なわれるようになっている。しかも、石英ルツボのアルミニウム濃度が高くても、炭素を添加しないシリコン単結晶の育成を行う場合には、無転位の単結晶の育成が可能であった。
しかしながら、本発明者の実験によれば、炭素が添加されたシリコン溶融液からシリコン単結晶を育成する場合には、石英ルツボのアルミニウム濃度が高いと、シリコン単結晶育成工程の後半において、有転位化が多発することが判明した。特に、直径200mm以上で直胴部長さが1000mm以上のシリコン単結晶を育成する場合には、単結晶の直胴部において例外なく有転位化がすることが判明した。
検討の結果得られた新たな知見を整理すると、以下のとおりである。
(a)炭素ドープ単結晶育成と炭素ドープなしの単結晶育成では、前者の炭素ドープ単結晶育成において有転位化が発生しやすく、単結晶引き上げ歩留まりが低下する。
(b)石英ルツボのアルミニウム濃度が、炭素ドープ単結晶育成における有転位化発生に大きな影響を与える因子である。
(c)シリコン溶融液の炭素濃度が高くなるとともに有転位化の発生率が高くなる。単結晶成長過程における偏析によりシリコン溶融液の炭素濃度が徐々に高くなるので、特に単結晶育成の後半において有転位化し易い。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨は、下記(1)のシリコン単結晶の育成方法、およびこの方法により育成した下記(2)のシリコン単結晶にある。なお、下記(2)のシリコン単結晶は、本発明の参考例としての発明である。
(1)石英ルツボ内に収容され、炭素が添加されたシリコン溶融液からCZ法によりシリコン単結晶を育成する方法であって、内表面側にアルミニウム濃度が0.1ppm以下のアルミニウム低濃度層を有する石英ルツボを用いて、炭素が添加されたシリコン単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。なお、本発明において、石英ルツボのアルミニウム濃度の単位である「ppm」は質量比率である。
前記本発明のシリコン単結晶の育成方法において、石英ルツボが、直胴円筒部と該直胴円筒部の下方に繋がる底部からなり、該直胴円筒部および底部の内表面、または該底部の内表面が前記アルミニウム低濃度層で構成されることとする形態(これを「実施形態1」と記す)を採ることができる。
ここで言う「直胴円筒部」とは、内径が全長にわたって一定の円筒体をなす部分である。また、「底部」とは、この直胴円筒部の下方に繋がってルツボの底を形成する部分であり、直胴円筒部の下端から底部中心近傍の比較的平坦な部分までの間のR部も含んでいる。言い換えれば、石英ルツボを、ルツボの側壁を構成する直胴円筒部とそれ以外の部分とに分けた場合に、直胴円筒部以外の部分が「底部」である。
前記本発明のシリコン単結晶の育成方法(実施形態1を含む)において、引き上げられるシリコン単結晶の炭素濃度を0.5×1016atoms/cm3〜15×1016atoms/cm3の範囲に制御することとすれば(この実施の形態を「実施形態2」と記す)、有転位化その他の品質の低下を招くことなく、優れたIG能力を有するBMD密度の高いウェーハを切り出せる炭素ドープ単結晶を安定して育成することができる。
(2)直径200mm以上、かつ直胴部の長さ1000mm以上で、炭素濃度が0.5×1016atoms/cm3〜15×1016atoms/cm3の範囲に制御され、直胴部の長さ方向全長にわたり有転位部位がないことを特徴とするシリコン単結晶。
本発明のシリコン単結晶の育成方法は、内表面側にアルミニウム低濃度層を有する石英ルツボを用いて、炭素が添加されたシリコン単結晶を育成する方法であり、この育成方法によれば、BMD密度の高いシリコンウェーハを切り出せる炭素ドープ単結晶を、有転位化などの品質低下を生じさせることなく、高い歩留まりで製造することができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法は、前記のとおり、石英ルツボ内に収容され、炭素が添加されたシリコン溶融液からCZ法によりシリコン単結晶を育成する方法であって、内表面側にアルミニウム濃度が0.1ppm以下のアルミニウム低濃度層を有する石英ルツボを用いて、炭素が添加されたシリコン単結晶を育成することを特徴とする単結晶の育成方法である。
図1は、本発明のシリコン単結晶の育成に適したCZ法による単結晶引上げ装置の概略構成例を模式的に示す縦断面図である。図1に示すように、この引上げ装置はルツボ2内に供給される半導体用シリコン原料を加熱し、溶融状態に保持するためのヒーター1がルツボ2の外側に概ね同心円状に配設され、その外周近傍には断熱材3が取り付けられている。ルツボ2は二重構造で、有底円筒状をなす石英ルツボ2aと、その石英ルツボ2aを保持する黒鉛ルツボ2bとから構成されており、回転および昇降が可能な支持軸4の上端部に固定されている。
溶融液5が充填された前記ルツボ2の中心軸上には、支持軸4と同一軸上で逆方向または同方向に所定の速度で回転する引上げワイヤー6が配設されており、その下端には種結晶7が保持されている。
このように構成された引上げ装置を用いてシリコン単結晶の引き上げを行う際には、ルツボ2内に所定量のシリコン原料(一般的には、塊状または粒状の多結晶シリコンを用いる)を投入し、減圧下の不活性ガス(通常はAr)雰囲気中でこの原料をヒーター1により加熱、溶融した後、形成された溶融液5の表面近傍に種結晶7を浸漬する。続いて、ルツボ2および引上げワイヤー6を回転させつつワイヤー6を引き上げ、種結晶7の下端面に単結晶8を成長させる。
引き上げに際しては、その速度およびシリコン溶融液の温度を調節して、種結晶7の下端面に成長させる単結晶8の直径を絞り、ネック部9を形成するネッキング工程を経た後、前記直径を徐々に増大させてコーン10を形成し、さらに肩部11を形成する。続いて、製品ウェーハの素材として利用される直胴部(ボディ部)12の引き上げに移行する。直胴部12が所定長さに達した後、その直径を徐々に減少させてテール部(図示せず)を形成し、最先端部を溶融液5から引き離すことにより所定形状のシリコン単結晶8が得られる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法では、炭素が添加されたシリコン溶融液から単結晶を育成する。これは、本発明が、炭素を添加することにより単結晶内の酸素析出核の形成を促進して、優れたIG能力を有するBMD密度の高いウェーハを提供できる炭素ドープ単結晶の育成を前提としているからである。
本発明の育成方法では、石英ルツボ2aとして、内表面側にアルミニウム濃度が0.1ppm以下のアルミニウム低濃度層を有する石英ルツボを用いる。炭素を添加したシリコン単結晶を育成する場合には、石英ルツボのアルミニウム濃度が高いと、シリコン単結晶育成工程の後半において有転位化が多発するので、それを避けるためである。
石英ルツボのアルミニウム濃度が高いと有転位化し易い理由は必ずしも明らかではないが、以下に述べるように、石英ルツボ内表面に存在するAlがSiC形成反応を促進させる反応促進剤として機能していることによるものと推測される。
すなわち、シリコン単結晶育成工程の後半においては、石英ルツボとシリコン溶融液との接触時間が長く、またヒーターから石英ルツボへの熱負荷も大きい状態にあり、シリコン溶融液に添加された炭素が石英ルツボの内表面と反応してSiCが形成される。特に、直径200mm以上で直胴部長さ1000mm以上のシリコン単結晶の育成する際には、シリコン溶融液と石英ルツボとの接触面積が大きく、原料溶解後、溶融塩が単結晶引き上げに最適の温度になるまでの延引時間も長くなり、石英ルツボに対する加熱(入熱)量も増大することから、SiC生成量も増大する。この生成したSiCがシリコン単結晶育成時に有転位化を誘発すると考えられ、このとき、石英ルツボ内表面に存在するAlがSiC形成反応を促進させるものと考えられる。
石英ルツボの内表面側に設けるアルミニウム低濃度層のアルミニウム濃度を0.1ppm以下に規定するのは、後述する実施例に示すように、この規定範囲内であれば、炭素が添加されたシリコン溶融液であっても、有転位部位のないシリコン単結晶を育成することができるからである。なお、アルミニウム濃度は、石英ルツボの内表面層をフッ酸(HF)で溶解し、その溶液中のアルミニウムとシリコンを原子吸光分析により測定して求めることができる。
アルミニウム低濃度層の厚さは特に限定しない。単結晶の育成が行われている間、アルミニウム低濃度層が溶損せずに存在していればよいのであるが、ルツボ内への原料投入時における部分的な損傷のおそれ等を考慮すると、例えば、内層を合成石英ガラス層とし、外層を天然石英ガラス層とした2層構造の合成石英ガラス製のルツボであれば、内層に設けるアルミニウム低濃度層の厚さを1mm以上とすることが望ましい。合成石英ガラス層の全てをアルミニウム低濃度層としてもよい。
アルミニウム低濃度層を形成する範囲につても限定はない。石英ルツボの内表面側の全面でもよいし、例えば後述するように、石英ルツボの底部の内表面にのみアルミニウム低濃度層を形成してもよい。
石英ルツボの内表面側への前記のアルミニウム低濃度層の形成は、従来の技術により充分可能であり、例えば、高純度の水晶粉を原料として使用し、これを溶融ガラス化してルツボの内表面に所定厚さの層を形成する方法などが適用できる。
前記の実施形態1の育成方法は、本発明のシリコン単結晶の育成方法において、用いる石英ルツボを、直胴円筒部と該直胴円筒部の下方に繋がる底部からなり、該直胴円筒部および底部の内表面、または該底部の内表面が前記アルミニウム低濃度層で構成された石英ルツボとした場合である。
前記図1に示した石英ルツボ2aの形状は、この実施形態1で用いる石英ルツボの形状を表している。すなわち、石英ルツボ2aは、直胴円筒部(図1の符号Aを付した部分)と、該直胴円筒部の下方に繋がる底部(同図の符号Bを付した部分)からなっている。
実施形態1の育成方法では、アルミニウム低濃度層を設ける範囲は、直胴円筒部および底部の内表面(図1の直胴円筒部の内表面Aおよび底部の内表面B)であってもよいし、底部の内表面(図1の底部の内表面B)のみであってもよい。
前述したように、有転位化は特に単結晶育成の後半において起こり易いが、これは、石英ルツボとシリコン溶融液との接触時間が長く、石英ルツボの熱負荷も大きいため、シリコン溶融液中の炭素が石英ルツボの内表面と反応してSiCが形成され易い状態になっていることによるものと考えられ、一方、その単結晶育成の後半では、ルツボ内に残存するシリコン溶融液のほとんどは底部に収容されている。したがって、底部の内表面のみにアルミニウム低濃度層を設けておくだけでも、本発明の効果が期待できるからである。
前記の実施形態2の育成方法は、本発明のシリコン単結晶の育成方法(実施形態1を含む)において、引き上げられるシリコン単結晶の炭素濃度を0.5×1016atoms/cm3〜15×1016atoms/cm3の範囲に制御する方法である。
前記シリコン単結晶の炭素濃度の下限を0.5×1016atoms/cm3とするのは、炭素濃度が0.5×1016atoms/cm3未満では、酸素析出促進効果が小さく、十分なBMD密度が確保されたシリコンウェーハを切り出せる単結晶が得られないからである。また、前記シリコン単結晶の炭素濃度の上限を15×1016atoms/cm3とするのは、この濃度を超えると、単結晶育成時に炭素に起因して多結晶化を生じてしまうおそれがあるからである。
シリコン単結晶の炭素濃度を前記規定範囲内に制御するには、例えば、シリコン溶融液中における炭素の平衡偏析係数を考慮して、ルツボ内のシリコン溶融液中に所定量の炭素を添加する方法を採用すればよい。その際、ルツボ内にシリコン原料を充填する工程において、炭素ドープ剤を前記ルツボの内面およびルツボ内に充填されたシリコン原料の上側表面からある程度離れたシリコン原料の内部に投入、配置することが、炭素と石英ルツボの反応によるSiCの形成や、育成装置内のガス流による炭素粉末の飛散を抑制できるので望ましい。
炭素ドープ剤としては、例えば、高純度の炭素粉末が、不純物の混入を防止して単結晶の特性の低下を防止できるので、望ましい。
以上述べた本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、デバイス特性を向上させる優れたIG能力を有するシリコンウェーハを提供できる炭素ドープ単結晶を、有転位化などを生じさせることなく製造することができ、引き上げ単結晶の歩留まりを向上させることができる。
本発明のシリコン単結晶は、直径が200mm以上、かつ直胴部の長さが1000mm以上で、炭素濃度が0.5×1016atoms/cm3〜15×1016atoms/cm3の範囲に制御され、直胴部の長さ方向全長にわたり有転位部位がないことを特徴とする単結晶である。
このシリコン単結晶は、炭素濃度が0.5×1016atoms/cm3〜15×1016atoms/cm3の範囲に制御されているので、優れたIG能力を有するBMD密度の高いウェーハの素材として利用することができる。しかも、直胴部の長さ方向全長にわたり有転位部位がないので、このシリコン単結晶から切り出したウェーハは、CCDやCISなどの半導体デバイスの基板として好適である。
また、直径が200mm以上の大口径で、かつ直胴部の長さが1000mm以上なので、チップの量産にも対応することができ、デバイスの製造コスト面でも有利である。
このシリコン単結晶は、前述の本発明のシリコン単結晶の育成方法(実施形態1、実施形態2を含む)により製造することができる。
(実施例1)
前記図1に示した概略構成を有する単結晶育成装置により、内径18インチ、22インチまたは32インチの石英ルツボを使用して、それぞれ、直径150mm(6インチ)、直径200mm(8インチ)または直径300mm(12インチ)のシリコン単結晶(いずれもn型で、直胴部長さは1100mm)を育成した。
使用した石英ルツボは、天然石英ルツボ、合成石英ルツボA(内側:合成石英層、外側:天然石英層)、および合成石英層中のAl濃度を0.1ppm以下に低減した合成石英ルツボB(内側:合成石英層、外側:天然石英層)の3種類である。なお、合成石英ルツボBでは、合成石英層の厚さが1mmのもの(Al濃度:0.1ppm以下)を使用した。
シリコン溶融液中へ添加する炭素としては、高純度炭素粉末を使用し、この炭素粉末の所定量を、石英ルツボに充填したシリコン原料内の中央部近傍に添加した。
前記石英ルツボ2a内の高純度炭素粉末を添加したシリコン原料をルツボ2の周囲に配設したヒーター1により加熱、溶融した後、形成された溶融液5の表面近傍に種結晶7を浸漬し、ルツボ2および引上げワイヤー6を回転させつつワイヤー6を引き上げ、種結晶7の下端面に単結晶8を成長させた。
引き上げたシリコン単結晶の炭素濃度は、直胴部トップで1×1016atoms/cm3であった。この単結晶について、有転位の発生状況を調査した。調査結果を表1に示す。
Figure 0005136253
表1において、「石英ルツボ」の欄の「天然」とは、天然石英ルツボを、「合成A」とは、合成石英ルツボA(内側:合成石英層、外側:天然石英層)を、「合成B」とは、合成石英層中のAl濃度を0.1ppm以下に低減した合成石英ルツボB(内側:合成石英層、外側:天然石英層)を意味する。また、「評価」の欄の○印は単結晶の直胴部全長にわたって転位の発生が認められなかったことを、△印はテイル部(直胴部の下端から径が絞られ単結晶の終端に至る部分をいう)で転位が発生したことを、×印は直胴部で転位が発生したことを表す。なお、「石英ルツボ内表面層のAl濃度」は、単結晶引き上げ後の石英ルツボの内表面側をフッ酸により厚さ30μm程度溶解(エッチング)し、その溶液中のアルミニウムとシリコンを原子吸光分析により測定して求めた。
表1に示すように、シリコン単結晶の育成に際し、シリコン溶融液への炭素添加を行わなかった場合は、用いた石英ルツボの種類に関係なく転位は発生しなかった(試験No.1〜3、7〜9、13〜15)。しかし、シリコン溶融液へ炭素を添加した場合は、転位の発生が認められなかったのは、合成石英層中のAl濃度を0.1ppm以下に低減した合成石英ルツボBを使用した場合のみであった(試験No.6、12、18)。
また、天然石英ルツボ、または合成石英ルツボAを使用した場合、育成する単結晶の直径の増大に伴い、有転位発生位置が僅かながら単結晶の上方側へ移行しており、直径の増大に伴って有転位化し易くなることが確認できた。
(実施例2)
前記図1に示した概略構成を有する単結晶育成装置により、内径22インチの石英ルツボを使用して、直径200mm(8インチ)のシリコン単結晶(いずれもn型で、直胴部長さは1100mm)を育成した。
使用した石英ルツボは、底部のみを2層構造(内側:合成石英層、外側:天然石英層)とした天然石英ルツボである。すなわち、合成石英ルツボa(底部内側:合成石英層、外側:天然石英層)、および底部の合成石英層中のAl濃度を0.1ppm以下に低減した合成石英ルツボb(底部内側:合成石英層、外側:天然石英層)の2種類である。なお、合成石英ルツボbでは、合成石英層の厚さが1mmのもの(Al濃度:0.1ppm以下)を使用した。
シリコン溶融液中へ添加する炭素としては、高純度炭素粉末を使用し、実施例1の場合と同様に、この炭素粉末が、石英ルツボ2aに充填したシリコン原料の中央部近傍に位置するように、所定量の炭素粉末を添加して、加熱、溶融し、単結晶8を育成した。
このシリコン単結晶の炭素濃度は、直胴部トップで1×1016atoms/cm3であった。この単結晶について、有転位の発生状況を調査した。調査結果を表2に示す。
Figure 0005136253
表2において、「石英ルツボ」の欄の「合成a」とは、合成石英ルツボa(底部内側:合成石英層、外側:天然石英層)を、「合成b」とは、底部の合成石英層中のAl濃度を0.1ppm以下に低減した合成石英ルツボb(底部内側:合成石英層、外側:天然石英層)を意味する。「評価」の欄の△印、×印の意味、「石英ルツボ側壁(または底部)内表面のAl濃度」の測定方法は、実施例1の場合と同様である。
表2に示すように、合成石英層中のAl濃度の低減をルツボの底部においてのみ実施した場合は、テイル部で有転位化が発生したが、直胴部への影響(転位伝播)は見られず、問題のない単結晶を得ることができた(試験No.20)。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、優れたIG能力を有するBMD密度の高いシリコンウェーハを提供できる炭素ドープ単結晶を、有転位化などの品質低下を生じさせることなく製造することができ、引き上げ単結晶の歩留まりを向上させることができる。
したがって、本発明のシリコン単結晶の育成方法は、単結晶シリコンウェーハの製造、半導体デバイス製造に好適に利用することができる。
本発明のシリコン単結晶の育成に適したCZ法による単結晶引上げ装置の概略構成例を模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1:ヒーター、 2:ルツボ、 2a:石英ルツボ、 2b:黒鉛ルツボ、
3:断熱材、 4:支持軸、 5:溶融液、
6:引上げワイヤー、 7:種結晶、 8:単結晶、
9:ネック部、 10:コーン、
11:肩部、 12:直胴部(ボディ部)

Claims (3)

  1. 石英ルツボ内に収容され、炭素が添加されたシリコン溶融液からチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成する方法であって、
    内表面側にアルミニウム濃度が0.1ppm以下のアルミニウム低濃度層を有する石英ルツボを用いて、炭素が添加されたシリコン単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  2. 前記石英ルツボは、直胴円筒部と該直胴円筒部の下方に繋がる底部からなり、該直胴円筒部および底部の内表面、または該底部の内表面が前記アルミニウム低濃度層で構成されることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の育成方法。
  3. 引き上げられるシリコン単結晶の炭素濃度を0.5×1016atoms/cm3〜15×1016atoms/cm3の範囲に制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶の育成方法。
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