JP3195889B2 - シリコン単結晶の製造方法及び石英ガラスルツボ - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法及び石英ガラスルツボ

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  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョクラルスキー法に
よるシリコン単結晶の製造方法及びこれに用いる石英ガ
ラスルツボに関するものである。
【0002】
【従来の技術】チョクラルスキー法(引き上げ法)によ
って、石英ガラスルツボ中のシリコン融液から引き上げ
られたシリコン単結晶には、いわゆる酸化誘起積層欠陥
(以下、OSFという)が発生することがある。このO
SFは、その後の集積回路素子製造において種々の障害
をもたらし、集積回路素子の製造歩留りを著しく低下さ
せるため、完全にOSFの発生しないシリコン単結晶が
望まれる。近年は、原料たる多結晶シリコンの高純度化
や炉内部材の高純度化、引き上げ条件の改善、さらに
は、使用石英ガラスルツボの高純度化等により、OSF
の発生はかなり減少していると言える。
【0003】ところが、N型シリコン単結晶(一般にN
型シリコン単結晶とは、P、Sb、AsなどV族のドー
パントをドープしたシリコン単結晶をいう)において
は、結晶引き上げ後、初期OSF検査では全くOSFの
発生が認められなかったにもかかわらず、インゴット状
態で長期間(例えば1ヶ月)常温で保存すると、その後
のOSF検査でOSFが多発することがあると言う興味
深い現象(以下、OSF経時変化という)が発見され
た。これはシリコン単結晶中に含まれる微量不純物が常
温保存中に徐々に拡散、凝集し、OSFの発生核を形成
するためと考えられた。そこで、シリコン単結晶インゴ
ットを保存する場合は低温貯蔵するか、早期に切断加工
することで解決できることを見出し、先に提案した(特
開平 5-58800号)。
【0004】しかし、この先に提案した発明はあくまで
OSF経時変化を抑制する技術であって、OSF経時変
化を起さない完全にOSFの発生しないN型シリコン単
結晶を得るためには、OSF経時変化を起こさせる原因
を取り除かなければならない。また、先に提案した発明
では低温貯蔵するのにコストがかかり、早期切断加工す
るのでは、生産計画やウェーハ保存法に大きな問題が生
じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記問題点に鑑み例え常温で長期保存して
も、OSF経時変化の起らない、即ち完全にOSFの発
生しないチョクラルスキー法によるN型シリコン単結晶
を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者はまずチョクラルスキー法によるシリコン
単結晶中に導入される金属不純物の発生源に注目した。
これまで不純物の発生源としては種々のものが検討され
たが、近年は原料多結晶シリコンと引上げ炉材の高純度
化が進んだので、微量とはいえ不純物を含んでおりシリ
コン融液中に内表面層が溶出する石英ガラスルツボが主
要な不純物源であるという状況にあることがわかった。
そこで、本発明者はOSF経時変化と使用した石英ガラ
スルツボの含有不純物との関係を種々調査した。その結
果、1)Cu濃度とは正の相関があるので、この元素は
平均濃度が 0.5ppbw以下である必要があること、2)A
lが必要であり、かつ、単に含まれていればよいのでは
なく、引き上げ初期に必要量のほぼ全量が溶け込む必要
があること、3)この前記二つの条件を満足することが
特に重要で、その他の調査した不純物については、現在
チョクラルスキー法で一般に用いられている石英ガラス
ルツボ中の濃度(不純物元素各々1ppmw以下)では無相
関であること、を見出した。
【0007】そこで本発明者は、従来の石英ガラスルツ
ボに対し、単に高純度のものであれば良いというもので
はなく、1)Cuの平均濃度については低減化させ、
2)Alの濃度についてはルツボの内表面近傍において
のみ高濃度とした石英ガラスルツボを使用することを発
案し、本発明を完成させるに到った。
【0008】しかして、本発明の要旨は、Alの濃度を
内表面から30μmの範囲で平均濃度40〜500pp
mw、30μmを越え1mmまでの平均濃度を40pp
mw未満とし、Cuの濃度を内表面から外表面までの平
均濃度で0.5ppbw以下としたことを特徴とする石
英ガラスルツボを使用することであり、そしてチョクラ
ルスキー法によってN型シリコン単結晶を製造する方法
において、この石英ガラスルツボを使用することを特徴
とするN型シリコン単結晶の製造方法というものであ
る。また、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の
製造方法において、石英ガラスルツボの内表面からの深
さ方向におけるAl濃度が内表面から30μmの範囲で
平均濃度40ppmw未満、Cuの濃度が内表面から外
表面までの平均濃度で0.5ppbw以下である石英ガ
ラスルツボを使用する際に、該Al濃度を内表面から3
0μmの範囲で平均濃度40〜500ppmw、30μ
mを越え1mmまでの平均濃度が40ppmw未満と
し、Cuの濃度が内表面から外表面までの平均濃度で
0.5ppbw以下である石英ガラスルツボを使用した
場合と同様のAl濃度であるシリコン単結晶が製造され
るように、Alをドープすることを特徴とするシリコン
単結晶の製造方法というものである。これは具体的に
は、ドープするAlの量の範囲を、下式(1)から求め
られる坩堝からシリコン融液中に溶出するAl重量Wを
求めることによって算出することを特徴とするシリコン
単結晶の製造方法である。 W=A×t×ρ×C …… (1) ただし、W:坩堝からシリコン融液中に溶出するAl重
量 A:シリコン融液と石英ガラスルツボの接触面積 t:石英ガラスルツボの溶出肉厚 ρ:石英ガラスルツボの密度 C:石英ガラスルツボの表層アルミ濃度
【0009】以下本発明につき、さらに詳細に説明す
る。従来の石英ガラスルツボの不純物レベルは、初期O
SFの発生を防止するには、ほぼ満足する結果が得られ
るまでに、高純度化が図られている(表1参照)。しか
し、N型シリコン単結晶におけるOSF経時変化を防止
することはできない。そこで、本発明では、従来の石英
ガラスルツボに対しCuについては高純度化を図り、A
lについてはルツボ内表面近傍においてのみ高濃度とす
ることによって、OSF経時変化の起らないN型シリコ
ン単結晶の製造を可能としたものである。
【0010】
【作用】図1から判るように、OSF経時変化を防止す
るためには、Cuの平均濃度を減少させる必要がある。
しかし、Cuの平均濃度を 0.5ppbw以下と極めて高純度
としても、OSF経時変化の起こることがあることが判
る。そこで、更に詳細に調査した所、図2に示した通
り、石英ガラスルツボ中の内表層のAl濃度とOSF経
時変化には負の相関があり、AlがOSF経時変化を抑
制する作用があることが判った。この現象の理論は今の
所明らかでないが、OSF経時変化の結果とAl−Cu
濃度の関係を調べたところ図3のようになり、OSF経
時変化を完全に防止するためには、Cuの平均濃度を
0.5ppbw以下、Alの濃度を40ppmw以上とすれば良いこ
とが判明した。
【0011】これは、N型シリコン単結晶中のCuの量
を減少させ、その拡散、凝集量を減少させ、かつこれを
抑制するAlの量を所定量とすれば、完全にOSF経時
変化を起こさないN型シリコン単結晶が得られることを
意味する。そこで、本発明では石英ガラスルツボの不純
物を一律に減少させるのではなく、Cuについて高純化
を計り(0.5ppbw以下)、Alについては一定値
に保つか、石英ルツボがそのようなAlを含有していな
い場合は、その分の補償用のAlを故意にドープするこ
ととした。但し、Alはシリコン単結晶に対しP型ドー
パントとして作用するため、N型シリコン単結晶製造に
おいては、抵抗値制御等の問題から、多量に存在するこ
とは好ましくない。よって、Alについては、N型シリ
コン単結晶製造に悪影響を及ぼさない限度に抑える必要
があり、したがって内表面から深さ方向に30μmまで
の平均濃度で40〜500ppmw、好ましくは50〜
150ppmw、30μmを超え1mmまでの部分で平
均濃度40ppmw未満,好ましくは10ppmw以下
程度に保つのがよい。また石英ガラスルツボが内表面か
ら深さ方向に30μmまでのAlの平均濃度が40pp
mw未満である場合、(例えば合成石英ルツボ、従来ル
ツボの内表面偏析層をエッチングしたもの(特開昭63
−166791号公報参照)。)には従来石英ルツボの
内表面に偏析含有されるAlの濃度(40〜500pp
mw)との差を補償すべく、Alを故意にドープするこ
ととしたのである。尚、本発明では、Cu、Al以外の
不純物については、従来石英ガラスルツボが含有する濃
度の範囲ではOSF経時変化と相関が見られないため、
従来石英ガラスルツボと同レベルであると、さらに高純
度化が計られてあるとは問わないが高純度であることが
望ましい。
【0012】ここで、Cuの含有濃度については、石英
ガラスルツボ全体での濃度が問題となり、Alについて
はチョクラルスキー法で単結晶引き上げ終了までに溶解
する石英ガラスルツボ内表面層においての濃度及び分布
が問題となる。というのは、Alについては、チョクラ
ルスキー法による単結晶の引き上げ中、石英ガラスルツ
ボ内で拡散せず、石英ガラスルツボの使用の前後でその
含有濃度分布に変化が生じないが、Cuは石英ガラスル
ツボ内で拡散し、石英ガラスルツボの使用前後で濃度分
布が変ってしまうからである。従って、本発明の目的を
達成するためには、Alについては、石英ガラスルツボ
内表面層においてのみ偏析しているものとすればよい
が、Cuについては石英ガラスルツボ全体の濃度を低減
させる必要がある(特開平4-108683号参照)。
【0013】次に、本発明の石英ガラスルツボの製法に
ついて述べる。従来の石英ガラスルツボ(天然石英製)
を超高純度化するには、ルツボの内表面層にルツボ溶融
中に堆積したアルミニウムを取り除く必要があった。こ
のことは特開昭63-166791 号公報に開示されているとお
りである。内表面偏析の原因が不明であったので、生成
しないようには出来ずにあとで取り除くしかなかった。
このように、引き上げ法に用いられる高純度石英ガラス
ルツボの製法としては、一般的には天然石英原料粉を高
純度化して、成形溶融中に表面偏析する元素は後工程で
取り除いて超高純度化することが知られている。本発明
者は限りなく高純度の天然石英ガラスルツボを上記のよ
うにして試作した。また、更に高純度である合成石英ガ
ラスルツボも用意してN型シリコン単結晶を引き上げ
た。すると予想に反し、これらのルツボはOSF経時変
化にむしろ害があることを発見し、その理由を研究した
結果、内表面層に堆積するアルミニウムはOSF経時変
化の抑制に寄与するものであって、ルツボに残しておい
た方がよいことを見い出した。更に、ただあれば良いの
ではなくて表層の約30μm以内のところにあって、単結
晶の引き上げを開始する以前にシリコン融液に移行して
いる必要があることを知見した。もちろん他の元素につ
いては高純度であることが必要であるが、一般論として
高純度の方がよいというものではなく、特にCuが 0.5
ppbw以下であることがN型シリコン単結晶を製造するの
に必須の条件であることを見つけた。
【0014】天然水晶粉をフッ酸と硝酸で洗浄した後、
ハロゲン元素を含む雰囲気(例えばHClとCl2 の混
合雰囲気)で 1,000℃から 1,300℃で加熱し、更に再び
フッ酸で洗浄するとCu濃度が 0.3ppbw以下の高純度水
晶粉となる。このときAlのような3b族元素は減少し
ない。たとえば前記処理前にAlが12ppmwである原料を
処理してもAlの濃度は変化しない。アルカリ金属、C
u、Fe、Niなどが特に純化される元素である。この
高純度水晶粉を垂直軸の廻りに回転するモールド中に成
形し、内側から加熱して溶融ガラス化すると石英ガラス
ルツボが得られる。ルツボ表面が 2,200℃程度でルツボ
を製造すると内表面から30μmのAl平均濃度は50ppmw
程度まで濃縮される。 2,300℃で5分以上加熱を続ける
と徐々にAl濃度が増加し、300ppmw 程度までに達す
る。加熱が30分以上になるとAlが内部に拡散するため
か40μm以上深い所のAl濃度も増加して、本発明の効
果が十分発揮されない。ルツボの口径に応じてチャージ
量が変わるので必要な表面偏析量も変わるから、ルツボ
溶融の温度と時間を最適化する必要がある。
【0015】本発明においては、単結晶の引き上げ開始
前までに所望の量のAlが溶湯に取り込まれ、その後こ
の濃度が極端に増加しないことが必要なので、シリコン
単結晶引き上げ開始前に石英ルツボが溶解する内表面層
約30μm以内にAlが集中している必要がある。こうし
て、本発明の内表面層約30μm内にAlの偏析した石英
ルツボを得ることができるが、偏析層の厚さは、30μm
より薄い分にはかまわないが厚い場合は、単結晶の引き
上げを開始する前までに石英ガラスルツボの偏析内表面
がその厚さまで溶解している必要があるので、多結晶シ
リコンの溶解時間を長めにする等の調節が必要となる。
要は、単結晶の引き上げ開始までに偏析層をすべて溶解
しておけばよい。
【0016】また内表面にAlの偏析のない表面偏析を
総て取り除いた天然石英ガラスルツボや、そもそもAl
を深さ方向に30μmまでの平均濃度で40ppmw未
満しか含有しない合成石英ガラスルツボにおいては、そ
の内表面に所望の量のAlを含有した層をコートするこ
とによって、本発明の石英ガラスルツボを製造すること
もできる。コーティングは、例えばゾルゲル法等による
ことができる。この時コーティング膜が剥離しないため
に膜の厚さについては5μm程度が好ましい。また、溶
融シリコンにAlをドープしても良い。ドープ法として
は、1)多結晶原料を石英ガラスルツボ内へ充填する際
に、Alドープ剤を該ルツボの底へ入れておく方法、及
び2)シリコン原料が融解して融液となった後、ドープ
剤投入装置を使用して投入する方法との二通りの方法が
ある。ドープ剤としては粉末状Alが溶解も速いので好
適であり、ドープ剤投入装置で投入すると粉末が飛散す
るので、1)の原料充填時にドープ剤を石英ガラスルツ
ボの底へ入れておく方が良い。
【0017】ドープに要するAl重量の算定は以下の方
法によって行う。坩堝からシリコン融液中に溶出するA
l重量は、 W=A×t×ρ×C …… (1) として算出される。ただし、 W:坩堝からシリコン融液中に溶出するAl重量 A:シリコン融液と石英ガラスルツボの接触面積 t:石英ガラスルツボの溶出肉厚 ρ:石英ガラスルツボの密度 C:石英ガラスルツボの表層アルミ濃度 ここで、t=30μm、Cを40〜500ppmw とすれば、内表
面から深さ方向に30μmまでのAl平均濃度40〜500ppm
w である坩堝からシリコン融液中に溶出するAl重量の
範囲が求められる。この値からドープに要するAl重量
を算定する。
【0018】尚、石英ガラスルツボの口径が変化すると
接湯面積と湯体積の比が変化するので、湯中のAlの濃
度が所定の値であるよう設計変更することは言うまでも
ない。 また、本発明の石英ガラスルツボを、N型シリ
コン単結晶の引き上げに限らず、P型シリコン単結晶の
引き上げに用いても何ら不都合は生じない。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を、その代表例につき
説明する。 (実施例1、2、比較例1、2)まず、四種類の石英ガ
ラスルツボ(18”φ)を用意した。二つは本発明の石英
ガラスルツボであり、そのうちの一つはHClとCl2
の混合雰囲気中/ 1,200℃で処理した高純度水晶粉を
2,230℃で溶融ガラス化して製造したルツボ(実施例
1:内表面層Al偏析あり、Cu≦0.5ppb)、もう一つ
は合成石英ガラスルツボの内表面にAlドープシリカを
ゾルゲル法でコートしたルツボ(実施例2)、別の二つ
は従来の天然石英ガラスルツボ(比較例1:内表面層A
l偏析あり、Cu>0.5ppb)と、合成石英ガラスルツボ
(比較例2:内表面層Al偏析なし、Cu<0.5ppb)で
ある。これらの含有不純物濃度を表1に示した。
【0020】なお、石英ガラスルツボ中のAl濃度の測
定は、内表面を38%フッ酸で厚さ30μmを溶出し、この
溶液中のAlとSiを原子吸光光度法で測定し、計算に
より厚さ30μm中のAl濃度を求めた。更にルツボ内表
面の厚さ1mmを切り出し、フッ酸で表面の30μmを取り
除いたサンプルについてAlのバルク濃度を求めた。ま
た、Cu、B、Ni、Fe、Cr、Na、K及びLiの
測定にはルツボ内表面から外表面まで含むすべてのサン
プルについての平均濃度で求めた。
【0021】
【表1】
【0022】前記四種類の石英ガラスルツボを用い、一
般のチョクラルスキー法に基づきN型シリコン単結晶
(原料多結晶シリコン60kgチャージ、45kg単結晶引き上
げ、Pドープ、直径6インチ、方位〈100〉)を引き
上げ、それぞれOSF密度が経時的にどのように変化す
るか調べた。尚、石英ガラスルツボ以外の起因にもとづ
く不純物の影響を除去するため、原料多結晶シリコン及
び炉内部材については、超高純度品を用いた。
【0023】そして、前記四種類の石英ガラスルツボか
ら引き上げられた四種のシリコン単結晶インゴットそれ
ぞれを引き上げ後ただちに図4に示すように5つのブロ
ックに分割し、ブロック1,2,3,4,5それぞれに
下記の処理を施してOSF密度を測定した。
【0024】ブロック1については、分割後すぐに2mm
厚にスライスし、その表面を鏡面加工した後、 800℃か
ら 1,200℃まで温度勾配10℃/minで昇温し、 1,200℃に
おいてウェットO2 の状態下で 100分間保持し、次い
で、温度勾配 1.5℃/minで 800℃に降温し、次いで常温
まで冷却し取り出した。その後、フッ酸により酸化膜を
除去し、セコエッチング液中に2分間浸してセコエッチ
ングを行い、光学顕微鏡でOSF密度を測定した。デー
タは全測定値のMAX値とし、これをOSFの発生密度
の初期値とした。
【0025】ブロック2,3,4,5については、ブロ
ック2,3,4,5を常温(23℃)のままそれぞれ2週
間、4週間、6週間放置後、2mm厚にスライスし、その
表面を鏡面加工した後、ブロック1と同じ処理をしてO
SFの発生密度を測定した。そして、それぞれにおい
て、全測定値のMAX値をデータとし、この値からOS
F発生密度の初期値を差し引いた値を時系列データとし
てプロットしたものを図5に示した。
【0026】(実施例3)内表面から深さ方向に30μm
までのAl平均濃度が40ppmw未満である合成石英ガラ
スルツボ(比較例2)を用いるために、まずAl平均濃
度40〜500ppmw である坩堝からシリコン融液に溶出する
Al重量Wを算出する。18”石英ルツボで55kgのシリコ
ン融液を収容している場合、前出の式(1)において接
触面積A=3218.82cm2、溶出肉厚t=30μm=3×10-3
cm、密度ρ=2.3g/cm3とし、更にAl濃度C=40ppmw=
4×10-5であるとすると、 W=A×t×ρ×C=0.89mg また、Al濃度C=500ppmw =5×10-4であるとする
と、 W=11.13mg と算出される。すなわち表層Al濃度が40〜500pp
mwであるルツボからシリコン融液中に溶出するAl重量
Wが、およそ0.89mg〜11.13mgの範囲であるこ
とがわかった。合成石英ガラスは前述のとおりAlの偏
析はないので、この範囲の重量に相当するAlの高純度
粉末を合成石英ガラスルツボ(比較例2)内に投入すれ
ばよいことになる。
【0027】予め高純度Al(形状:パウダー、純度:
99.99 %、主な含有不純物:Si2×10-4%、Cu 2
×10-4%)4mgを原料多結晶シリコンと共に、合成石英
ガラスルツボ(Cu<0.5ppb)内にドープした以外は、
比較例2と全く同様にして、引き上げた結晶にN型OS
F経時変化が生じるかを見た。
【0028】図5から判るように、比較例1,2では、
4週間後のOSF検査で大巾なOSF密度の増殖が見ら
れたが、本発明の石英ガラスルツボ(実施例1、2)に
よる結晶では、6週間後の検査でも全くOSFの増殖が
見られない。特に、合成石英ガラスルツボ(比較例2)
の結晶では、表1のデータに示される通りCu濃度が少
ないにもかかわらず、OSFの増殖が見られる。また図
6からわかるように、6週間経過した段階では、従来ル
ツボ並みにAlをドープした場合は、同じくルツボを合
成石英とし、かつAlがドープされていない比較例2と
異なり、全くOSF経時変化が起こらない。
【0029】
【発明の効果】本発明のシリコン単結晶の製造方法及び
石英ガラスルツボによれば、チョクラルスキー法による
N型シリコン単結晶のOSF経時変化を完全に防止する
ことができる。従って、シリコン単結晶の製造歩留りが
向上する上、ひいては集積回路素子の製造歩留りの向上
が計られるためコストの低減に資する。さらにN型シリ
コン単結晶の保存が容易で、保管コストの低減、適正製
品在庫管理ができるため生産計画も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】石英ガラスルツボ含有Cu濃度と4週間後のO
SF密度との相関図である。
【図2】石英ガラスルツボ含有Al濃度と4週間後のO
SF密度との相関図である。
【図3】OSF経時変化の結果と、Al−Cu濃度の関
係を示した図である。
【図4】OSF経時変化の測定試料を作成する方法を示
すシリコン単結晶の模式図である。
【図5】実施例1、2、比較例1、2の各ルツボのOS
F経時変化を測定した結果を示した図である。
【図6】実施例3のルツボのOSF経時変化を測定した
結果を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜田 昌弘 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150番地信越半導体株式会社 白河工場 内 (72)発明者 太田 友彦 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150番地信越半導体株式会社 白河工場 内 (72)発明者 剣持 克彦 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 信 越石英株式会社 石英技術研究所内 (56)参考文献 特開 平8−169798(JP,A) 特開 平4−92883(JP,A) 特開 平4−6198(JP,A) 特開 平3−141189(JP,A) 特開 昭63−166791(JP,A) 特開 平2−175687(JP,A) 特開 平4−108683(JP,A) 特開 平5−105577(JP,A) 特開 平3−80193(JP,A) 米国特許5053359(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶の製造方法において、石英ガラスルツボの内表面から
    の深さ方向におけるAl濃度を、内表面から30μmの
    範囲で平均濃度40〜500ppmw、30μmを越え
    1mmまでの平均濃度を40ppmw未満とし、Cuの
    濃度を内表面から外表面までの平均濃度で0.5ppb
    w以下である石英ガラスルツボを使用することを特徴と
    するシリコン単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 チョクラルスキー法によるN型シリコン
    単結晶の製造方法であって、石英ガラスルツボの内表面
    からの深さ方向におけるAl濃度を、内表面から30μ
    mの範囲で平均濃度40〜500ppmw、30μmを
    越え1mmまでの平均濃度を40ppmw未満とし、C
    uの濃度を内表面から外表面までの平均濃度で0.5p
    pbw以下である石英ガラスルツボを使用することを特
    徴とするN型シリコン単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 チョクラルスキー法によるN型シリコン
    単結晶の製造方法におけるドーピング剤はP(リン)で
    あることを特徴とする請求項2記載のシリコン単結晶の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶の製造に使用する石英ガラスルツボにおいて、石英ガ
    ラスルツボの内表面からその深さ方向におけるAl濃度
    を、内表面から30μmの範囲で平均濃度40〜500
    ppmw、30μmを越え1mmまでの平均濃度を40
    ppmw未満とし、Cuの濃度を内表面から外表面まで
    の平均濃度で0.5ppbw以下であることを特徴とす
    る石英ガラスルツボ。
  5. 【請求項5】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶の製造方法において、石英ガラスルツボの内表面から
    の深さ方向におけるAl濃度が内表面から30μmの範
    囲で平均濃度40ppmw未満、Cuの濃度が内表面か
    ら外表面までの平均濃度で0.5ppbw以下である石
    英ガラスルツボを使用する際に、請求項4記載の石英ガ
    ラスルツボを使用した場合と同様のAl濃度であるシリ
    コン単結晶が製造されるように、Alをドープすること
    を特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶の製造方法において、石英ガラスルツボの内表面から
    の深さ方向におけるAl濃度が内表面から30μmの範
    囲で平均濃度40ppmw未満、Cuの濃度が内表面か
    ら外表面までの平均濃度で0.5ppbw以下である石
    英ガラスルツボを使用する際に、ドープするAlの量の
    範囲を、下式から求められる坩堝からシリコン融液中に
    溶出するAl重量Wを求めることによって算出すること
    を特徴とする請求項5記載のシリコン単結晶の製造方
    法。 W=A×t×ρ×C ただし、W:坩堝からシリコン融液中に溶出するAl重
    量 A:シリコン融液と石英ガラスルツボの接触面積 t:石英ガラスルツボの溶出肉厚 ρ:石英ガラスルツボの密度 C:石英ガラスルツボの表層アルミ濃度
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