JP2009249262A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価な窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減して、製造コストの抑制を実現できるチョクラルスキー法(CZ法)による窒素ドープシリコン単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】窒素ドープシリコン単結晶4を引き上げた後にルツボ1内に残存する融液3aの凝固物3bを洗浄して破砕し、破砕物10を得る。この破砕物10を窒素ドーパント用原料としてシリコン原料8とともにルツボ1内で溶融し、この融液3から窒素ドープシリコン単結晶4を引き上げる。
【選択図】図4
【解決手段】窒素ドープシリコン単結晶4を引き上げた後にルツボ1内に残存する融液3aの凝固物3bを洗浄して破砕し、破砕物10を得る。この破砕物10を窒素ドーパント用原料としてシリコン原料8とともにルツボ1内で溶融し、この融液3から窒素ドープシリコン単結晶4を引き上げる。
【選択図】図4
Description
本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)により、窒素をドープされたシリコン単結晶を製造する方法に関し、特に、単結晶引き上げ後にルツボ内に残存する融液の凝固物を用いる窒素ドープシリコン単結晶の製造方法に関する。
半導体基板の素材となるシリコン単結晶を製造するには種々の方法があるが、その中でもCZ法が広く採用されている。
図1は、CZ法によるシリコン単結晶の引き上げを実施するのに適した単結晶引き上げ装置の要部構成を模式的に示す図である。単結晶引き上げ装置は、その外郭を図示しないチャンバで構成され、その中心部にルツボ1が配置されている。ルツボ1は二重構造になっており、有底円筒状をなす内側の石英ルツボ1aと、外側の黒鉛ルツボ1bとから構成される。
ルツボ1は、回転および昇降が可能な支持軸6の上端部に固定されている。ルツボ1の外側には、ルツボ1を取り囲むように抵抗加熱式のヒータ2が配設されている。ルツボ1の上方には、支持軸6と同一軸上で逆方向または同一方向に所定の速度で回転するワイヤなどの引き上げ軸5が配設されており、引き上げ軸5の下端には種結晶7が取り付けられている。
このような単結晶引き上げ装置を用いて窒素ドープシリコン単結晶の引き上げを行う際には、ルツボ1内にシリコン原料と窒素ドーパント用原料を投入し、減圧下の不活性ガス雰囲気中でヒータ2による加熱により、両原料をルツボ1内で溶融させる。その後、ルツボ1内に形成された原料融液3の表面に、引き上げ軸5の下端に保持された種結晶7を浸漬し、ルツボ1および引き上げ軸5を回転させながら、引き上げ軸5を徐々に引き上げる。これにより、種結晶7の下方に窒素ドープシリコン単結晶4が育成される。
ここで、窒素ドーパント用原料としては、通常、高純度の窒素を含有するものが用いられるが、非常に高価なものであり、単結晶の製造コストを悪化させる一因となっている。そこで、製造コストを抑制するため、高純度の窒素ドーパント用原料の使用量を低減する技術がこれまでに提案されている。
例えば、特許文献1、2には、引き上げられた窒素ドープシリコン単結晶のうち、製品とはならない部分(以下、「非製品部」という)をシリコン原料とともにルツボ内で溶融し、この原料融液から窒素ドープシリコン単結晶を育成する技術が記載されている。非製品部として、製品として取り扱われる直胴部の上下に形成されたショルダー部とテール部、ならびに、直胴部に含まれるものであるが、スリップ転位や酸化誘起積層欠陥(OSF)などが著しいために製品とはならない結晶欠陥部、および、抵抗率や酸素濃度などが規格を満足しないために製品とはならない規格外れ部が用いられる。
特許文献1、2に記載の技術では、非製品部は、窒素ドープシリコン単結晶から派生したものであるため、それ自体が窒素を含有しており、窒素以外の不純物の濃度も低い。このことから、その非製品部を窒素ドーパント用原料に用い、これにより、高価な高純度の窒素ドーパント用原料の使用量を低減できるとされている。
ところで、CZ法によるシリコン単結晶の育成時は、引き上げ前の原料融液中に含まれる不純物が固相のシリコン単結晶と液相の原料融液とに振り分けられるが、不純物元素の偏析という現象に起因して、シリコン単結晶中の不純物濃度が原料融液中の不純物濃度よりもはるかに低くなる。
不純物を窒素とする場合、窒素の偏析係数が7×10-4と小さいため、窒素ドープシリコン単結晶中の窒素の濃度は極めて低くなり、この窒素ドープシリコン単結晶から派生する、製品として寄与しないシリコン単結晶の非製品部中においても窒素の濃度は極めて低くなる。
そのため、上記特許文献1、2に記載の技術では、窒素を含有する非製品部を窒素ドーパント用原料に用いるにしても、非製品部中の窒素濃度が極めて低いことから、実際には、高価な高純度の窒素ドーパント用原料を補充しなければ、所望する窒素濃度の窒素ドープシリコン単結晶を育成することはできない。従って、高価な窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減できるとはいえず、製造コストの抑制はあまり期待できない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、高価な窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減して、製造コストの抑制を実現できるCZ法による窒素ドープシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために、窒素ドープシリコン単結晶の育成状況を詳細に検討し、窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた後にルツボ内に残存する結晶化されなかった残存融液に着目した。
すなわち、窒素ドープシリコン単結晶の育成中は、原料融液の液面高さが一定になるように、単結晶引き上げに伴う原料融液の減量分に応じてルツボを上昇させているが、その育成最終段階のテール絞り時では、ルツボの多くの部分がヒータの配置されている位置よりも上方に外れ、ルツボから外部への放熱量が増大する。このとき、原料融液は、量が少なくなっていることも影響して、温度が低下し表面部が外周側から凝固していく。
このため、原料融液が残らない状態までテール絞りを行おうとすると、凝固した融液表面部とテール部とが接触してテール部にスリップ転位が発生し、このスリップ転位が直胴部にまで伝搬する。その結果、製品となる直胴部の品質が悪化し、製品歩留まりが低下する。
そこで、通常の操業では、ルツボ内に原料融液が残るようにしてシリコン単結晶の引き上げを行わなければならない。このため、引き上げるシリコン単結晶の直径が大きくなるほど、残存融液量の増大が顕著となる。例えば、直径100mmクラスの小径品では、残存融液が200g程度であるが、直径300mmクラスの大径品になると、多い場合で残存融液が20〜30kg程度にもなる。
この残存融液は、従来は不純物の偏析現象により不純物が濃縮していることから廃棄されていたが、窒素ドープシリコン単結晶中に取り込まれなかった多量の窒素を含有しており、窒素の濃度が極めて高いものである。これは以下の説明から理解できる。
図2は、シリコン単結晶の育成における固化率と単結晶中の不純物濃度の関係を示す図である。同図に示す関係は、不純物として、窒素(N)、および不純物の中でも偏析係数が8×10-6と極めて小さい鉄(Fe)を例に取り、固化率gのときのシリコン単結晶(固相)中の不純物濃度〔C〕Sを与える公知の下記(1)式に従って示している。図2中、縦軸はシリコン単結晶中の不純物濃度を示し、横軸は固化率を示す。「固化率」とは、シリコン単結晶を引き上げる前のルツボ内の原料融液量に対するシリコン単結晶の質量比での比率である。
〔C〕S=k0〔C〕0(1−g)k0-1 ・・・(1)式
〔C〕S=k0〔C〕0(1−g)k0-1 ・・・(1)式
上記(1)式から固化率の変化に対応したシリコン単結晶中の各不純物濃度が得られる。同(1)式において、k0は、不純物の偏析係数であり、〔C〕0は、固化が始まる前の原料融液(液相)中の不純物の初期濃度を示しており、ここでは、一例として、窒素の濃度を3.5×1016atoms/cm3、および鉄の濃度を5×1011atoms/cm3としている。
図3は、シリコン単結晶の育成における固化率と原料融液中の不純物濃度の関係を示す図である。同図に示す関係は、前記図2と対応関係にあり、固化率gのときの原料融液(液相)中の不純物濃度〔C〕Lを与える公知の下記(2)式に従って示している。図3中、縦軸は原料融液中の不純物濃度を示し、横軸は固化率を示す。
〔C〕L=〔C〕0(1−g)k0-1 ・・・(2)式
〔C〕L=〔C〕0(1−g)k0-1 ・・・(2)式
上記(2)式から固化率の変化に対応した原料融液中の不純物濃度が得られ、同式におけるk0、および〔C〕0は、それぞれ前記(1)式での意味および値と同じである。
前記図2から明らかなように、固相であるシリコン単結晶中における各不純物の濃度は、原料融液中の各不純物の初期濃度に比べて著しく低い。また、窒素および鉄のいずれについても、不純物濃度は、シリコン単結晶のトップ側(固化率が0に近い側)では低く、固化率の上昇に伴って徐々に高くなり、ボトム側(固化率が1.0に近い側)では急激に高くなっている。
一方、前記図3から明らかなように、液相である原料融液中の各不純物の濃度は、シリコン単結晶のトップ側では初期濃度と同程度で低く、固化率の上昇に伴って徐々に高くなり、ボトム側では急激に高くなっている。
このような不純物元素の偏析により、窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた後のルツボ内の残存融液は、窒素の濃度が極めて高くなる。従って、残存融液は、窒素を十分に含有していることから、高価な高純度の窒素ドーパント用原料の代替として好適に用いることができる。
本発明は、このような技術思想に基づくものであり、CZ法により、窒素をドープされたシリコン単結晶を製造する方法であって、窒素がドープされたシリコン単結晶を引き上げた後にルツボ内に残存する融液の凝固物を洗浄して破砕し、この破砕物を窒素ドーパント用原料としてシリコン原料とともにルツボ内で溶融し、この融液からシリコン単結晶を引き上げることを特徴とするものである。
ここで、前記シリコン原料は、窒素ドーパント用原料を用いることなしに引き上げられたシリコン単結晶から派生する非製品部であることが好ましい。
本発明の窒素ドープシリコン単結晶の製造方法によれば、CZ法による窒素ドープシリコン単結晶の引き上げ後にルツボ内に残存する窒素濃度の高い融液を、窒素ドーパント用原料として再利用するため、高価な高純度の窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減することができ、その結果、製造コストの抑制を実現することが可能になる。
以下に、本発明の最良の実施形態を詳述する。本実施形態での窒素ドープシリコン単結晶の製造方法は、上述した通り、窒素がドープされたシリコン単結晶を引き上げた後にルツボ内に残存する融液の凝固物を洗浄して破砕し、この破砕物を窒素ドーパント用原料としてシリコン原料とともにルツボ内で溶融し、この融液からシリコン単結晶を引き上げることを特徴としている。
簡単な例でいえば、CZ法による窒素ドープシリコン単結晶の引き上げを2回行うこととし、1回目の引き上げの際は、窒素ドーパント用原料として高純度のものを用いて単結晶引き上げを行い、ここでの残存融液の凝固物を洗浄、破砕して、破砕物を得た後、2回目の引き上げの際は、その破砕物を窒素ドーパント用原料として用いて単結晶引き上げを行う。
図4は、本発明の実施形態として、窒素ドープシリコン単結晶の製造方法における工程を模式的に示す図である。図4(a)に示すように、ルツボ1内に、窒素ドープシリコン単結晶の製造に慣用される高純度のシリコン原料8と、高純度の窒素ドーパント用原料9とを所定の配合比で仕込み、ヒータにより加熱する。これにより、図4(b)に示すように、両原料8、9を溶融させた原料融液3が得られる。
続いて、図4(c)に示すように、ルツボ1内の原料融液3の表面に種結晶7を浸漬し、通常の製造条件に従って上方に引き上げる。これにより、図4(d)に示すように、種結晶7の下方に窒素ドープシリコン単結晶4が育成される。シリコン単結晶4を引き上げた後のルツボ1内には、窒素を高濃度で含有する融液3aが残存している。この残存融液3aは、凝固して凝固物3bになる(図4(e)参照)。
次いで、図4(e)に示すように、ルツボ1内の凝固物3bを取り出す。このとき、凝固物3bには、ルツボ1(石英ルツボ1a)から剥離した石英片が多く付着しており、凝固物3bを再利用するにあたり、石英片を除去する必要がある。そのために、凝固物3bを洗浄する。この洗浄には、例えば、石英片が付着した凝固物3bをフッ酸に浸漬して石英片を溶解し、さらにフッ硝酸でエッチングを施して表面に付着している汚染物を取り除き、最後に純水洗浄を行う方法が好適である。これにより、石英片を完全に除去することができる。
さらに、凝固物3bを再利用するにあたり、溶融し易い塊状に破砕する。こうして、高純度の窒素ドーパント用原料9に代わる高濃度で窒素を含有する破砕物10が得られる。
次に、図4(f)に示すように、ルツボ1内に、高純度のシリコン原料8と、破砕物10とを所定の配合比で仕込み、ヒータにより加熱する。これにより、図4(g)に示すように、両原料8、10を溶融させた原料融液3が得られる。
続いて、図4(h)に示すように、前記図4(c)に示す工程と同様の製造条件に従って、ルツボ1内の原料融液3に種結晶7を浸漬し上方に引き上げる。これにより、図4(i)に示すように、前記図4(d)に示す工程と同様、種結晶7の下方に窒素ドープシリコン単結晶4が育成される。
そして、図4(i)に示す工程でも、ルツボ1内には、窒素を高濃度で含有する融液3aが残存しているため、この残存融液3aの凝固物3bを、前記図4(e)に示す工程を経て洗浄、破砕し、さらに前記図4(f)〜(i)に示す工程を経ることにより、窒素ドープシリコン単結晶4を育成することができる。すなわち、前記図4(e)〜(i)に示す工程は繰り返すことができる。
すなわち、窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた後のルツボ内に残存する窒素濃度の高い融液を、窒素ドーパント用原料として再利用するため、高価な高純度の窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減することができる。その結果、製造コストの抑制を実現することが可能になる。
また、前記図4(a)および(f)に示す工程で仕込むシリコン原料8としては、別途窒素ドーパント用原料を用いることなしに引き上げられたシリコン単結晶、すなわち窒素がドープされていないシリコン単結晶から派生する非製品部、例えば、ショルダー部、テール部、結晶欠陥部、規格外れ部などを用いることができる。この場合、非製品部は、それ自体がいわば精製された不純物濃度の極めて低いものであるため、これと窒素ドーパント用原料とで形成される原料融液は、不純物が希釈されて益々不純物濃度が低くなる。そうすると、その原料融液から育成された窒素ドープシリコン単結晶はより品質の優れたものとなる。
ここで、高品質の窒素ドープシリコン単結晶を得るために、ルツボ内に仕込む、シリコン原料と残存融液に基づく破砕物との配合比を決定する必要がある。配合比次第では、シリコン単結晶中の窒素濃度が所望する規格範囲を超えたり不足したりする場合があり、さらにその他の不純物元素の濃度が規格を外れる場合があるからである。
このため、固化率を重点管理し、以下の手法に従ってルツボ内に仕込む原料配合比を設定する。先ず、シリコン単結晶の引き上げ終了時の固化率gから、前記(2)式に基づき、残存融液すなわち破砕物中の窒素の濃度〔C〕L(N)を算出する。これと合わせて、その他の不純物の濃度〔C〕L(Fe,Cu,Ni…)を算出する。
そして、この破砕物とシリコン原料とが溶融したときの原料融液中の窒素濃度が、単結晶育成の際に採用する初期原料融液中の初期濃度〔C〕0(N)に合致するように、破砕物中の窒素濃度〔C〕L(N)から、破砕物の必要重量とシリコン原料の必要重量を算出し、この混合比で破砕物とシリコン原料をルツボ内に仕込む。この混合比で仕込んだ原料の融液から単結晶引き上げを行えば、規格を満足する窒素濃度の窒素ドープシリコン単結晶を育成することができる。
その際、その混合比で仕込んだ原料が溶融したときの原料融液中のその他の不純物濃度を、破砕物中の不純物濃度〔C〕L(Fe,Cu,Ni…)、およびシリコン原料分に相当する融液中の不純物の初期濃度〔C〕0(Fe,Cu,Ni…)から算出し、これが、シリコン単結晶の育成の際に採用する初期原料融液中の許容濃度〔C〕0(Fe,Cu,Ni…)Maxを超えないことを確認しておくことが望ましい。例えば、不純物の中でも偏析係数が一番大きい不純物濃度を管理指標とすることで、それよりも偏析係数が小さい不純物濃度を所定の範囲内に確実に設定することができる。
本発明の窒素ドープシリコン単結晶の製造方法による効果を確認するため、以下の試験を行った。本実施例の試験では、従来例として、内径24インチのルツボを使用し、これに通常原料として使用される市販の多結晶シリコン原料と高純度の窒素ドーパント用原料(窒化珪素粉末)を仕込んで加熱溶融し、総重量が140kgで、窒素濃度が3.5×1016atoms/cm3のシリコン溶融液を形成した。この加熱溶融して得られた原料融液からCZ法により引き上げを行って、直径200mmの窒素ドープシリコン単結晶の育成を行い、固化率が0.95の時点で引き上げを終了した。このとき、ルツボ内には7kgの融液が残存した。
続いて、窒素ドーパント用原料として、ルツボ内の残存融液の凝固物を取り出し、洗浄、破砕することにより、残存融液に基づく塊状の破砕物を作製した。
本発明例1として、ルツボ内に、市販の高純度多結晶シリコン原料と、窒素ドーパント用原料として作製した上記の凝固破砕物とを充填して加熱溶融し、総重量が140kgで、窒素濃度が3.5×1016atoms/cm3のシリコン溶融液を形成した。その後、上記と同様の育成条件で窒素ドープシリコン単結晶を育成した。
また、本発明例2として、ルツボ内に、非製品部から成るシリコン原料と、窒素ドーパント用原料として作製した上記の凝固破砕物とを充填して加熱溶融し、総重量が140kgで、窒素濃度が3.5×1016atoms/cm3のシリコン溶融液を形成した。その後、上記と同様の育成条件で窒素ドープシリコン単結晶を育成した。
従来例、本発明例1および本発明例2により得られた各シリコン単結晶のそれぞれについて、固化率95%に相当する部位からサンプルウェーハを採取して品質評価を実施した。具体的には、サンプルウェーハの窒素濃度、ライフタイム、鉄およびその他の不純物濃度を評価した。
窒素濃度は2次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)、ライフタイムはマイクロ波光伝導減衰法、各不純物濃度は誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS:Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)によりそれぞれ測定した。下記の表1に評価結果を示す。
表1の結果から、本発明例1および本発明例2により得られた窒素ドープシリコン単結晶から採取したサンプルウェーハの品質は、窒素ドーパント用原料として残存融液に基づく破砕物を使用しても、通常原料を使用した場合と差がなかった。
本発明の窒素ドープシリコン単結晶の製造方法によれば、窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた後のルツボ内に残存する窒素濃度の高い融液を、窒素ドーパント用原料として再利用するため、高価な高純度の窒素ドーパント用原料の使用量を十分に低減することができ、その結果、製造コストの抑制を実現することが可能になる。よって、本発明は、CZ法による窒素ドープシリコン単結晶の製造に極めて有用な技術である。
1 ルツボ
1a 石英ルツボ
1b 黒鉛ルツボ
2 ヒータ
3 原料融液
3a 残存融液
3b 凝固物
4 窒素ドープシリコン単結晶
5 引き上げ軸
6 支持軸
7 種結晶
8 シリコン原料
9 高純度の窒素ドーパント用原料
10 破砕物
1a 石英ルツボ
1b 黒鉛ルツボ
2 ヒータ
3 原料融液
3a 残存融液
3b 凝固物
4 窒素ドープシリコン単結晶
5 引き上げ軸
6 支持軸
7 種結晶
8 シリコン原料
9 高純度の窒素ドーパント用原料
10 破砕物
Claims (2)
- チョクラルスキー法により、窒素をドープされたシリコン単結晶を製造する方法であって、
窒素がドープされたシリコン単結晶を引き上げた後にルツボ内に残存する融液の凝固物を洗浄して破砕し、この破砕物を窒素ドーパント用原料としてシリコン原料とともにルツボ内で溶融し、この融液からシリコン単結晶を引き上げることを特徴とする窒素ドープシリコン単結晶の製造方法。 - 前記シリコン原料は、窒素ドーパント用原料を用いることなしに引き上げられたシリコン単結晶から派生する非製品部であることを特徴とする請求項1に記載の窒素ドープシリコン単結晶の製造方法。
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