JP2011057460A - シリコン単結晶の育成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転位密度を低減した、CZ法による結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶を育成する方法を提供する。
【解決手段】チャンバに収容された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、種結晶の下端に少なくともネック部、肩部及び直胴部を含む結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶を成長させる育成方法において、シリコン融液に浸漬した種結晶を上方に引上げて種結晶径を減少させるネッキング操作を行って第1ネック部を形成した後、肩部を形成する前に、第1ネック部とシリコン融液が接する固液界面形状を下凸形状に変化させた後、続いて再度ネッキング操作を行って第2ネック部を形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法という。)により結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶を育成する方法に関する。
CZ法によりシリコン単結晶を育成する際、種結晶をシリコン融液に着液させると、種結晶下端部とシリコン融液との温度差があるため、これによって生じるヒートショックで種結晶内に転位が発生するが、従来から多用されている結晶軸方位が[100]のシリコン単結晶では、ネッキングプロセスによって発生した転位を消滅させることができる。
しかし、結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶は、結晶構造上、引上げ軸方向と平行なすべり面である{111}面を有しているので、ヒートショックにより種結晶内に発生した転位は、引上げ軸方向と平行に移動してしまうため、ネッキングプロセスでは種結晶外に抜け難い。そのため、ネック部を通じて転位が成長結晶に引き継がれてしまい、無転位のシリコン単結晶の育成ができないという問題がある。
加えて、シリコン単結晶インゴットの大口径・大重量化に伴い、ネック径を太くする必要があり、この観点からも転位除去が一層難しくなってきている。
CZ法により育成されるシリコン単結晶の無転位化については、従来、様々な技術が開発され、提案されている。その中で、特に、シリコン単結晶の大口径・大重量化に対処するために、種結晶として、2.7×1017atoms/cm3以上、1.4×1019atoms/cm3以下のドーパント(ボロン)濃度を有する種結晶を使用し、シリコン融液として、2×1017atoms/cm3以上、2×1019atoms/cm3以下のドーパント(ボロン)濃度を有するシリコン融液を使用し、絞り直径を5〜8mmφとする種絞りを行う方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の方法では、種結晶をシリコン融液に接触させた時点で発生する高密度の転位を、種結晶中の高濃度のドーパントによって固着させて伝播させないので、絞り部の直径を5〜10mmφとかなり太くしても絞り部を無転位化させることができる。
また、<110>結晶軸方位が種結晶の軸方向に対して傾斜された状態で当該種結晶を引上げることにより、ネッキング工程ですべり転位が除去されたシリコン単結晶を引上げる単結晶シリコンの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許第3726847号公報(請求項1,2、段落[0007],[0015]) 特開2003−313089号公報(請求項1、段落[0021])
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法のように、高濃度のドーパント(ボロン)をドープした種結晶を用いて、直径が300mmで、結晶軸方位が[110]の無転位のシリコン単結晶の育成を試みたところ、無転位のシリコン単結晶を、必ずしも歩留りよく、安定して引上げることはできなかった。また、種結晶内のドーパントがシリコン融液内に溶け込んでしまい、育成するシリコン単結晶の抵抗率を変動させてしまう問題もあり、特に抵抗率の低い単結晶を育成する場合には、種結晶とシリコン融液のドーパント濃度が大きく異なることによる格子定数の違いにより、種結晶と融液の接触時に種結晶内にミスフィット転位が発生し易いという問題もある。
また、上記特許文献2に記載の方法のように、このような結晶軸方位を傾斜させた種結晶を用いて単結晶育成を行った場合には、傾斜角度に対応した角度でインゴットを斜めに切断しなければならず、製品として使用できない単結晶部分が増加してしまい、製造コストの上昇を招くことになる。
本発明の目的は、転位密度を低減した、CZ法による結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶を育成する方法を提供することにある。
本発明は、チャンバに収容された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、種結晶の下端に少なくともネック部、肩部及び直胴部を含む結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶を成長させるシリコン単結晶の育成方法において、図1に示すように、シリコン融液に浸漬した種結晶を上方に引上げて種結晶径を減少させるネッキング操作を行って第1ネック部を形成した後、肩部を形成する前に、第1ネック部とシリコン融液が接する固液界面形状を下凸形状に変化させた後、続いて再度ネッキング操作を行って第2ネック部を形成することを特徴とする。
なお、本明細書において、「固液界面」とは、るつぼ内に貯留されたシリコン融液とこの融液から成長するシリコン単結晶との界面をいう。
本発明では、第1ネック部形成後、肩部形成前に、固液界面形状を上凸から下凸へと変化させることで、スベリ面にのった転位の方向を変えて、成長結晶の外周方向に向かって伝播させ、転位を抜け易くし、続いて、再度ネッキング操作を行って第2ネック部を形成することにより、確実に転位を除去するので、転位密度を低減した結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶を育成することができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法の工程図である。 本発明実施形態のシリコン単結晶の育成装置の縦断面構成図である。 シーディング時の種結晶近傍を模式的に示した断面図である。 第1ネック部形成時の種結晶近傍を模式的に示した断面図である。 径拡大部形成時の種結晶近傍を模式的に示した断面図である。 第2ネック部形成時の種結晶近傍を模式的に示した断面図である。 肩部形成時の種結晶近傍を模式的に示した断面図である。 直胴部形成時の種結晶近傍を模式的に示した断面図である。 固液界面形状が上凸時の転位の伝播方向を示す図である。 固液界面形状が水平時の転位の伝播方向を示す図である。 固液界面形状が下凸時の転位の伝播方向を示す図である。 本発明実施形態の引上げ速度と時間の関係を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本発明に使用される装置は、特に限定されないが、例えば、図2に示す育成装置を用いることができる。このシリコン単結晶11の育成装置は、内部を真空可能に構成されたメインチャンバ12と、このチャンバ12内の中央に設けられた石英るつぼ13とを備える。メインチャンバ12は円筒状の真空容器である。この石英るつぼ13は、黒鉛るつぼに載置され、この黒鉛るつぼの底部にはシャフト14の上端が接続され、このシャフト14の下端にはシャフト14を介して石英るつぼ13を回転させかつ昇降させる駆動手段16が設けられる。更に石英るつぼ13の外周面は円筒状のヒータ17により石英るつぼ13の外周面から所定の間隔をあけて包囲され、このヒータ17の外周面は円筒状の保温筒18によりヒータ17の外周面から所定の間隔をあけて包囲される。
一方、メインチャンバ12の上端には、内部が連通するようにメインチャンバ12より小径の円筒状のプルチャンバ19が接続される。このプルチャンバ19の上端には引上げ回転手段20が設けられる。この引上げ回転手段20は、下端にシードチャック21が取付けられた引上げ軸22を昇降させるとともに、この引上げ軸22をその軸線を中心に回転させるように構成される。また上記シードチャック21には種結晶23が着脱可能に装着される。この種結晶23の下端をシリコン融液15中に浸漬した後、種結晶23を引上げ回転手段20により回転させかつ引上げるとともに、石英るつぼ13をるつぼ駆動手段16により回転させかつ上昇させることにより、種結晶23の下端からシリコン単結晶11を引上げて育成するように構成される。
メインチャンバ12内には、プルチャンバ19の側壁に接続したガス供給パイプ24からアルゴンガス等の不活性ガスが流通され、メインチャンバ12の下壁に接続したガス排出パイプ26から排出される。
またメインチャンバ12内には、シリコン単結晶11外周面へのヒータ17の輻射熱の照射を遮るとともに、上記不活性ガスを整流するための熱遮蔽体28が設けられる。この熱遮蔽体28は、下方に向うに従って直径が次第に小さくなりかつシリコン融液15から引上げられるシリコン単結晶11の外周面をこの外周面から所定の間隔をあけて包囲する円錐台状の筒体28aと、この筒体28aの上縁に連設され外方に略水平方向に張り出すフランジ部28bとを有する。熱遮蔽体28は、フランジ部28bを保温筒18上にリング板28cを介して載置することにより、筒体28aの下縁がシリコン融液15表面から所定のギャップをあけて上方に位置するようにメインチャンバ12内に固定される。
このように構成された装置を用いてシリコン単結晶11を育成する方法を説明する。
先ず、多結晶シリコン原料を石英るつぼ13内に充填し、ヒータ17によりシリコンの融点以上に熱して原料を融解してシリコン融液15とする。続いて、チャンバ12内を減圧した後、しばらく放置してシリコン融液15中のガスを十分に放出させ、その後、チャンバ12内に不活性ガスを導入して減圧の不活性ガス雰囲気とする。
次いで、引上げ軸22を石英るつぼ13を回転させる駆動手段16と同一軸心でかつ駆動手段16の回転方向とは逆方向に所定の速度で引上げ回転手段20により回転させながら、引上げ軸22下端のシードチャック21に装着された種結晶23を降下させ、シリコン融液15表面から所定距離上方に達したところで一旦降下を停止させて種結晶23の予熱を行った後、種結晶23をシリコン融液15に着液させ(図3)、種結晶23の一部を融解させた後に引上げを開始する(シーディング)。種結晶23としては、結晶軸方位が[110]の単結晶を使用する。
シーディング前に種結晶23を予熱したとしても、予熱した種結晶23の下部の温度とシリコン融液15の温度とではかなりの温度差があるので、着液の際には、種結晶23の下部の温度が急激に上昇し、その内部に熱応力による転位が高密度で導入される。この転位は成長結晶側に引き継がれ単結晶化を阻害するものであるため、転位を排除してから単結晶を成長させる必要がある。この転位の伝播を阻止するために、ネッキング操作を行って第1ネック部23bを形成する(図4)。なお、この熱応力による転位以外にも、種結晶と成長結晶に格子定数の不整合がある場合に生じるミスフィット転位も発生する。
第1ネック部23bの形成は、シリコン融液15に着液した種結晶23を後述する直胴部の形成速度よりも速い速度で上方に引上げて、所定の径になるまで結晶を細く絞って第1絞り部23aを形成してから、この第1絞り部23aに続いて形成される。
通常、ダッシュネック法によって、単結晶23の下端にネック部を形成することにより、種結晶23から転位の排除が行われる。ここで排除される転位は主に、種結晶23をシリコン融液15に着液させたときに、その際の熱衝撃によって発生する転位である。
ここで形成される第1ネック部23bは、3〜8mmφ程度の細さで形成され、このときの引上げ速度は速く、2.00mm/min以上、具体的には2.00〜5.00mm/minの引上げ速度でネック部が形成され、成長界面(固液界面)の形状15aは上凸形状となる。
しかし、図9に示すように、固液界面形状15aが上凸形状では、種結晶23内に発生した転位25は成長結晶の内部方向に向かって伝播されるため、結晶内部に残留してしまい、確実に排除することができない。また、図10に示すように、固液界面形状15aがフラットな形状でも種結晶23内に発生した転位25は成長結晶の垂直方向に向かって伝播されるため、同様の問題がある。
更に、結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶は、結晶構造上、引上げ軸22方向と平行なスベリ面である{111}面を有しているので、シリコン融液15との接触により種結晶23下部に発生した転位は、主にスベリ面を移動するため、ネッキング操作を行った場合でも種結晶外に抜け難く、ネック部の中心軸部分に転位が残ることが多い。従って、従来は、結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶の引上げでは、結晶軸方位が[100]のシリコン単結晶を引上げるよりも相当細くネック部を絞らないと、転位を除去することができないといわれている。
そこで、本発明の育成方法では、ネッキング操作を行って第1ネック部23bを形成した後、肩部23fを形成する前に、一旦、第1ネック部23bとシリコン融液15が接する固液界面形状15aを上凸形状から下凸形状へと変化させることで、図11に示すように、スベリ面にのった転位25は成長結晶の外周方向に向かって伝播されるため、転位が抜け易くなる。続いて、再度ネッキング操作を行って第2ネック部23eを形成することにより、確実に転位除去を行うことができる。
固液界面形状15aの測定は、光学的検出手法、例えば光学センサなどにより単結晶育成中のフュージョンリングの形状を観察することで、その適否を判断することができ、リアルタイムに引上げ速度へのフィードバック制御をすることができる。
また、結晶育成終了後の結晶断面をX線撮影等により成長縞の発生状況を観察することでも固液界面形状15aの適否を判定することができ、次回引上げ条件設定時にフィードバックさせることができる。
第1ネック部23b形成時の上凸形状を一旦、下凸形状に変化させるために、引上げ速度を大きく変化させることが有効であり、固液界面形状15aが下凸形状となる引上げ速度を採用すればよいことになる。具体的には、以下のような育成条件を採用することにより達成することができる。
引上げ速度を第1ネック部23b形成時の引上げ速度よりも遅い0.70〜0.95mm/minの範囲まで速度を低下させ、第1ネック部23bの下端に30〜70mmの径拡大部23cを形成する(図5)。引上げ速度が上限値を越えると、その後の径拡大部23cの径を大きくしても、固液界面形状15aが下凸形状とならず、ネック部の中心軸部分に転位が残留し無転位単結晶の育成が困難となる。また、引上げ速度が下限値未満では、固液界面形状15aが下凸形状に変化するまでに成長界面近傍に急激な熱履歴変化が起き、これに起因した新たな転位発生を生じ易くなる。このような引上げ速度範囲に変更した状態で、第1ネック部23bの下端に上記径サイズ範囲の径拡大部23cを形成することにより、確実に固液界面形状15aを下凸形状にすることができる。径拡大部23cの径が下限値未満では、引上げ速度を0.70〜0.95mm/minの範囲に設定したとしても、固液界面形状15aを下凸形状とすることが困難となる。径拡大部23cの径が上限値を越えると、第2絞り部23dにて急激な減径部が必要となる。急激な減径部は熱応力により、新たな転位発生の原因となる問題を生じてしまう。この径拡大部23cの形成において留意すべきことは、固液界面形状15aが下凸形状になるように所定の引上げ速度の範囲で径拡大部23cを形成することであって、固液界面形状15aが下凸形状にならないような条件で、径拡大部23cを形成しても有効な転位除去効果は得られないことである。
この径拡大部23cの形成に続いて、再度ネッキング操作を行って径拡大部23cの下端に第2ネック部23eを形成する(図6)。第2ネック部23eの形成は、後述する直胴部の形成速度よりも速い速度で上方に引上げて、所定の径になるまで結晶を細く絞って第2絞り部23dを形成してから、この第2絞り部23dに続いて形成される。この第2ネック部23e形成時の引上げ速度は速いため、固液界面形状15aは上凸形状となる。第2ネック部23eは、第1ネック部23bと同等径サイズあるいは多少大きくてもよい。第1ネック部23bよりも多少大きい径でもよいとしたのは、一度ネック形成しているので転位が抜け易くなっているためである。また、第2ネック部23eの長さが短い場合には、固液界面形状15aを下凸形状にする操作では除去できなかった転位が残留するおそれがあり、第2ネック部23eの長さを長くするほど転位の除去効果は高められるものの、生産性の低下を招くことになる。これらの観点から、第2ネック部23eの長さを50〜100mmの範囲内で形成することが望ましい。
なお、第1ネック部23bの形成後に固液界面形状15aを下凸形状に変化させたのは、第1ネック部23bの形成により無転位化できなかった残留転位、即ち、スベリ面にのった転位のみの除去を対象としているためである。転位密度が多い状態で固液界面形状15aを下凸形状に変化させると、有転位化する可能性が高くなる。従って、本発明では、第1ネック部23b形成による無転位化で極力転位密度を低減し、スベリ面にのった転位のみが残留している状態で固液界面形状15aを下凸形状に変化させている。
次に、引上げ軸22の引上げ速度を落として、結晶径を目的とする直径まで増径させ、肩部23fを形成する(図7)。この肩部23f形成時の固液界面形状15aは下凸形状となる。
次に、肩部23fに続いて、一定速度で引上げ軸22を引上げ、一定の直径を有する直胴部23gを形成する(図8)。
直胴部23gを所定長さまで形成した後は、無転位の状態で単結晶11をシリコン融液15から切り離すため、急激な温度変化により単結晶に高密度の転位が導入されないよう、単結晶11の直径を徐々に減少させ、終端コーンを形成する。この工程の後、単結晶をシリコン融液から切り離し、冷却して単結晶の引上げを終了する。図1に本実施形態の工程図を、図12に本実施形態の各工程毎における引上げ速度プロファイルを示す。
以上の工程を経ることで、転位密度を低減した結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶を育成することができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<サンプル1>
先ず、図2に示す育成装置の石英るつぼ13内に多結晶シリコン原料を充填し、ヒータ17でシリコンの融点以上に加熱融解してシリコン融液15とした。このシリコン融液15には、その抵抗率が20Ω・cmとなるように、ボロンがドープされた。種結晶23として、結晶軸方位が[110]の単結晶を用意した。
次いで、石英るつぼ13に貯えられたシリコン融液15に種結晶23を浸し、種結晶23の一部を融解させた後に引上げを開始し、次の表1に示す条件でネッキング操作を行い第1ネック部を形成した。
第1ネック部形成後、表1に示す条件で、引上げ軸の引上げ速度を落とし、第1ネック部とシリコン融液が接する固液界面形状を上凸形状から下凸形状へと変化させ、第1ネック部の下端に径拡大部を形成した。
径拡大部形成後、表1に示す条件で再度ネッキング操作を行って径拡大部の下端に第2ネック部を形成した。
次に、引上げ軸の引上げ速度を落として、結晶径を300mmウェーハに対応する直径まで増径させ、肩部を形成した。次に、肩部に続いて、一定速度で引上げ軸を引上げ、一定の直径を有する直胴部を形成した。直胴部を所定長さまで形成した後は、単結晶の直径を徐々に減少させ、終端コーンを形成した。この工程の後、単結晶をシリコン融液から切り離し、冷却することで結晶軸方位が[110]、直径300mmのp型シリコン単結晶インゴットを得た。得られたシリコン単結晶をサンプル1とした。
<サンプル2〜9>
肩部を形成する前までの各形成条件を次の表1に示す条件とした以外は、サンプル1と同様にしてシリコン単結晶インゴットを引上げた。得られたシリコン単結晶をサンプル2〜9とした。なお、サンプル4における第1ネック部形成後の固液界面形状は上凸形状、サンプル6のそれはフラット形状であった。
<サンプル10>
次の表1に示す条件で第1ネック部を形成した後、固液界面形状を下凸形状に変化させず、また第2ネック部を形成しない以外は、サンプル1と同様にしてシリコン単結晶インゴットを引上げた。得られたシリコン単結晶をサンプル10とした。
<評価>
引上げ後のサンプル1〜10の各シリコン単結晶の直胴部を結晶長さ方向に対して垂直に切断し、当該切断表面をHF:HNO3=1:5の混合液でミラーエッチングしてサンプルの表面を鏡面にした後、ライト液を用いてライトエッチングした。このようにしてエッチングした各サンプルを集光灯による光照射の下で、目視による表面観察を行い、切断表面内に出現する残留転位(エッチピット)の発生状況を調査した。その結果を次の表1に示す。
Figure 2011057460
表1から明らかなように、第1ネック部形成後、固液界面形状を下凸形状に変化させず、また第2ネック部を形成せずに肩部を形成して得られたサンプル10では残留転位が9個発生していた。また、固液界面形状が上凸形状で径拡大部を形成し、その引上げ速度が0.99mm/minと速いサンプル4では残留転位が4個発生していた。また、固液界面形状がフラットで径拡大部を形成し、その径拡大部の直径が28mmと小さいサンプル6では、残留転位が4個発生していた。
一方、第1ネック部を形成した後、肩部を形成する前に、固液界面形状を下凸形状に変化させた後、続いて再度ネッキング操作を行って第2ネック部を形成する工程を経ることで得られたサンプル1〜3,5,7〜9は、残留転位がほとんど発生していなかった。
このうち、径拡大部形成時の引上げ速度が0.65mm/minと遅いサンプル3では残留転位が1個、径拡大部の直径が78mmと大きいサンプル9では残留転位が1個それぞれ発生しており、固液界面形状を下凸形状に変化させるときの引上げ速度や、形成する径拡大部の直径には、適切な範囲が存在することが判った。
11 シリコン単結晶
12 メインチャンバ
13 石英るつぼ
15 シリコン融液
15a 固液界面形状
23 種結晶
23b 第1ネック部
23c 径拡大部
23e 第2ネック部

Claims (2)

  1. チャンバに収容された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、前記種結晶の下端に少なくともネック部、肩部及び直胴部を含む結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶を成長させるシリコン単結晶の育成方法において、
    前記シリコン融液に浸漬した種結晶を上方に引上げて種結晶径を減少させるネッキング操作を行って第1ネック部を形成した後、肩部を形成する前に、前記第1ネック部と前記シリコン融液が接する固液界面形状を下凸形状に変化させた後、続いて再度ネッキング操作を行って第2ネック部を形成する
    ことを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  2. 2.00〜5.00mm/minの引上げ速度でネッキング操作を行って直径3〜8mmの第1ネック部を形成した後、0.70〜0.95mm/minまで引上げ速度を低下させて固液界面形状を下凸形状に変化させ、前記第1ネック部の下端に30〜70mmの径拡大部を形成する請求項1記載のシリコン単結晶の育成方法。
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