JP4791073B2 - シリコンウェーハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スリップ発生なしで、シリコンウェーハを製造する方法に関する。
シリコン単結晶はCZ(チョクラルスキー法)によって引上げ成長されることによって製造される。引上げ成長されたシリコン単結晶のインゴットはシリコンウェーハにスライスされる。半導体デバイスはシリコンウェーハの表面にデバイス層を形成するデバイス工程を経て作成される。
しかし、シリコン単結晶の成長の過程でグローイン(Grown-in)欠陥(結晶成長時導入欠陥)と呼ばれる結晶欠陥が発生する。
近年、半導体回路の高集積化、微細化の進展に伴い、シリコンウェーハのうちデバイスが作成される表層近くには、こうしたグローイン欠陥が存在することが許されなくなってきている。このため無欠陥結晶の製造の可能性が検討されている。
一般にシリコン単結晶に含まれデバイスの特性を劣化させる結晶欠陥は、以下の3種類の欠陥である。
a) COP(Crytstal Originated Particle)などと呼ばれる、空孔が凝集して生じるボイド ( 空洞 )欠陥。
b)OSF ( 酸化誘起積層欠陥, Oxidation Induced Stacking Fault )
c) 格子間シリコンが凝集して生じる転位ループクラスタ(格子間シリコン型転位欠陥、I-defect)。
無欠陥のシリコン単結晶とは、上記3種の欠陥のいずれも含まないか、実質的に含まない結晶として認識ないしは定義されている。
上記3種の欠陥の発生挙動は成長条件によって以下のように変化することが知られている。図1(a)を併せ参照して説明する。図1(a)において横軸は、後述する成長条件V/G1であり、G1を固定とすれば成長速度Vの関数と考えられる。図1(a)の縦軸は、点欠陥濃度|(Cv−Cv,eg)−(Ci−Ci,eg)|である。ただし、Cvはシリコン単結晶10中の空孔濃度で、Cv,eqはシリコン単結晶10中の空孔の熱平衡濃度である。空孔が過剰に取り込まれた場合、温度の低下に伴い空孔の過飽和度(Cv/Cv,eq)が増加し、臨界値に達したところでボイド欠陥が形成される。Ciはシリコン単結晶10中の格子間シリコンの濃度で、Ci,eqはシリコン単結晶10中の格子間シリコンの熱平衡濃度である。
図1(a)において100A、100B、100C、100D、100Eはシリコン単結晶10から取得されるシリコンウェーハ100の面中心と端(エッジ)の間における各種欠陥のサイズと密度を概念的に示している。シリコンウェーハ100の面中心と端は、シリコン単結晶10の結晶中心と結晶端(結晶外周)に対応している。図1(b)、(c)、(d)、(e)は、100A、100B、100C、100D、100Eそれぞれに対応するシリコンウェーハ100の面内の概念図であり、ウェーハ面内における各種欠陥のサイズと密度を概念的に示している。
i)成長速度Vが速い場合には、図1に100A、100Bに示されるように、シリコン単結晶10は空孔型点欠陥が過剰となり、ボイド欠陥のみが発生する。
ii)成長速度Vを減じると、100Cに示されるように、シリコン単結晶10の外周付近にリング状にOSF(R−OSF)が発生し、R−OSF部の内側にボイド欠陥が存在する構造となる。
iii)成長速度Vを更に減じると、100Dに示されるように、リング状のOSF(R−OSF)の半径は減少し、リング状OSF部の外側に欠陥が存在しない領域が生じ、R−OSF部の内側にボイド欠陥が存在する構造となる。
iV)さらに成長速度Vを減じると、100Eに示すように、シリコン単結晶10全体に転位ループラスタが存在する構造となる。
上述した現象が起こるのは成長速度Vの減少に伴いシリコン単結晶10が空孔型点欠陥過剰な状態から格子間型点欠陥過剰な状態へと変化するためであると考えられている。
図1(a)において、ボイド欠陥が高密度に存在する領域を、V−リッチ領域(空孔型点欠陥優勢領域)といい、I−リッチ領域(格子間型点欠陥優勢領域)というものとする。
上記3種の欠陥のうち特にa)のボイド欠陥は、微細化したデバイスで素子分離不良などの原因となるため、その低減が特に必要とされている。
ボイド欠陥は、結晶成長時にシリコン融液から取り込まれた原子空孔(点欠陥)が、結晶冷却中に臨界過飽和度に達することによって凝集して生じるものであり、その欠陥検出方法によってLPD(レーザ パーティクル ディフェクト)、COP(クリスタル オリジネイティド パーティクル)、FPD(フロー パターン ディフェクト)、LSTD(レーザ スキャッタリング トモグラフィ ディフェクト)などと呼ばれる。
図1(a)に100A、100Bに示されるように、ボイド欠陥がシリコンウェーハ全面に存在するようなV−リッチ領域となる条件で、シリコン単結晶10を引上げ成長すると、このシリコン単結晶10から取得されたシリコンウェーハ100では、表面にボイド欠陥が顕在化したCOP等が存在することとなり、酸化膜耐圧特性の劣化を招き、デバイスの特性を劣化させる。例えば、微細化したデバイスで素子分離不良を招く。このため、上記3種の欠陥のうち特にa)のボイド欠陥は、その低減が特に必要とされている。特にデバイス線幅がCOPサイズ近くまで微細化が進んだ現在では、COP等の低減が必要になっている。
もちろん、欠陥が存在しないシリコン単結晶10を製造すればよいが、そのためのシリコン単結晶製造には非常に精密な引上げ制御が必要であり、また生産性も劣るという欠点がある。
一方、格子間型点欠陥がシリコンウェーハ全面に存在するようなI−リッチ領域となる条件で、シリコン単結晶10を引上げ成長させた場合には、COP等が殆どないため、酸化膜耐圧特性が良好で、デバイスの特性を劣化させることはないと従来は、考えられていた。
つぎに本願発明に関連する従来技術であって、特許文献に示された従来技術について説明する。
(従来技術1)
特許文献1(特開平11−349394号公報)には、窒素をドープするとともに、I−リッチ領域内に収まる引上げ条件で、シリコン単結晶を引上げ成長させるという発明が記載されている。
(従来技術2)
特許文献2(特開平10−291892号公報)には、シリコン単結晶中に取り込まれた酸素は、結晶強度を増加させて転位の運動を阻止し、熱処理によるウェーハの変形(反り)を小さくする働きがあるということが記載されている。
(従来技術3)
特許文献3(特開2002−226295号公報)には、シリコン単結晶中に多くの酸素が取り込まれることによって、スリップに対する耐性が期待できるということが記載されている。
しかし、後述するように、本発明者が実験を行ったところ、I−リッチ領域に入る引上げ成長条件でシリコン単結晶を引き上げ成長させたところ、シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位で、格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生するという現象を、新たに発見するに至った。
そして、本発明者は、そのスリップ発生のメカニズムをはじめて解明するに至り、スリップを防止するための手段をはじめて見いだすに至った。
本発明は、このようにI−リッチ領域に入る引上げ成長条件でシリコン単結晶を引き上げ成長させるに際して、シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位で、格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しないようにすることを解決課題とするものである。
なお、上記従来技術1、2、3のいずれにも、I−リッチ領域に入る引上げ成長条件でシリコン単結晶を引き上げ成長させるに際して、シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位で、格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しないようにするという本発明の新規な解決課題は、開示されていない。
第1発明は、
石英るつぼに収容されたシリコン融液に種結晶を着液させ、その後シリコン単結晶を引上げ成長させ、引上げ成長されたシリコン単結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造方法において、
I−リッチ領域(格子間型点欠陥優勢領域)に入る条件でシリコン単結晶を引上げ成長させるに際して、
シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位の酸素濃度を、格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しない所定濃度以上とする条件で、シリコン単結晶を引き上げること
を特徴とする。
第2発明は、第1発明において、
シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位の酸素濃度を、9.0×1017atoms/cm3 以上とする条件で、シリコン単結晶を引き上げること
を特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明において、
石英るつぼの回転数を調整することによって、シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位の酸素濃度が制御されること
を特徴とする。
第4発明は、第1発明または第2発明において、
シリコン融液に対して磁場を印加するとともに、石英るつぼの回転数を調整することによって、シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位の酸素濃度が制御されること
を特徴とする。
第5発明は、
石英るつぼに収容されたシリコン融液に種結晶を着液させ、その後シリコン単結晶を引上げ成長させ、引上げ成長されたシリコン単結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造方法において、
I−リッチ領域(格子間型点欠陥優勢領域)に入る条件でシリコン単結晶を引上げ成長させるに際して、
シリコン単結晶を肩部から直胴部のトップ部まで形成する過程における結晶中心部の熱応力値を、シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位で格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しない熱応力値以下とする条件で、シリコン単結晶を引き上げること
を特徴とする。
第6発明は、第5発明において、
シリコン融液に種結晶を着液させてからシリコン単結晶の肩部を形成し始めるまでの時間を、40時間以内とする条件で、シリコン単結晶を引き上げること
を特徴とする。
第7発明は、第5発明または第6発明において、
種結晶の着液後に付け直しなしでシリコン単結晶を引き上げること
を特徴とする。
第8発明は、
石英るつぼに収容されたシリコン融液に種結晶を着液させ、その後シリコン単結晶を引上げ成長させ、引上げ成長されたシリコン単結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造方法において、
I−リッチ領域(格子間型点欠陥優勢領域)に入る条件でシリコン単結晶を引上げ成長させるに際して、
シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位の酸素濃度を、格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しない所定濃度以上とし、かつシリコン単結晶を肩部から直胴部のトップ部まで形成する過程における結晶中心部の熱応力値を、シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位で格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しない熱応力値以下とする条件で、シリコン単結晶を引き上げること
を特徴とする。
図14は、本発明のスリップ発生有無のメカニズムを示している。
すなわち、シリコン単結晶10で転位ループクラスタが発生している箇所に(101)、熱応力がかかっても(102)、酸素濃度Oiが高ければ(9.0×1017atoms/cm3 以上であれば;103)、結晶強度が強いため(104)、スリップは発生しない(105)。これに対して、シリコン単結晶10で転位ループクラスタが発生している箇所に(101)、熱応力がかかると(102)、酸素濃度Oiが低ければ(9.0×1017atoms/cm3 よりも小さければ;106)、結晶強度が弱いため(107)、スリップが発生する(108)。
そこで、本発明では、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲でスリップを発生させないために、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位の酸素濃度Oiを、格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しない所定濃度以上とする条件で、具体的には、9.0×1017atoms/cm3 以上とする条件で、シリコン単結晶10を引き上げれることを特徴とする(第1発明、第2発明)。
また、本発明では、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲でスリップを発生させないためには、シリコン単結晶10を肩部10Aから直胴部10Bのトップ部まで形成する過程における結晶中心部の熱応力値を、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位で格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しない熱応力値以下とする条件で、シリコン単結晶を引き上げることを特徴とする(第5発明)。
また、本発明では、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲でスリップを発生させないために、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位の酸素濃度Oiを、格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しない所定濃度以上とする条件で、かつ、シリコン単結晶10を肩部10Aから直胴部10Bのトップ部まで形成する過程における結晶中心部の熱応力値を、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位で格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しない熱応力値以下とする条件で、シリコン単結晶10を引き上げることを特徴とする(第8発明)。
酸素濃度Oiを制御する具体的手段は、以下のとおりである。
すなわち、図12に示すように、石英るつぼ3の回転数C/Rを調整することで、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位の酸素濃度Oiを制御することができる(第3発明)。
また、シリコン融液5に対して磁場を印加するとともに、石英るつぼ3の回転数を調整することによって、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位の酸素濃度Oiを制御することができる(第4発明)。
熱応力値を制御する具体的手段は、以下のとおりである。
図16に示すように、付け直し時間が40Hを超えると、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位でスリップが発生することがわかる。
図18に示すように、付け直し時間が長くなると、熱応力値が大きくなり、スリップが発生しやすくなる。
そこで、本発明は、スリップ発生を防止するためには、付け直し時間を、40時間以内とする条件で、シリコン単結晶10を引き上げることを特徴とする(第6発明)。また、スリップ発生を防止するためには、種結晶14の着液後に付け直しなしでシリコン単結晶10を引き上げることを特徴とする(第7発明)。
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図2は、実施形態に用いられるシリコン単結晶製造装置の構成の一例を側面からみた図である。
同図2に示すように、実施形態の単結晶引上げ装置1は、単結晶引上げ用容器としてのCZ炉(チャンバ)2を備えている。
CZ炉2内には、多結晶シリコンの原料を溶融して融液5として収容する石英るつぼ3が設けられている。石英るつぼ3は、その外側が黒鉛るつぼ11によって覆われている。石英るつぼ3の外側にあって側方には、石英るつぼ3内の多結晶シリコン原料を加熱して溶融する主ヒータ9が設けられている。石英るつぼ3の底部には、石英るつぼ底面を補助的に加熱して、石英るつぼ3の底部の融液5の固化を防止する補助ヒータ(ボトムヒータ)19が設けられている。主ヒータ9、補助ヒータ19はそれらの出力(パワー;kW)は独立して制御され、融液5に対する加熱量が独立して調整される。たとえば、融液5の温度が検出され、検出温度をフィードバック量とし融液5の温度が目標温度になるように、主ヒータ9、補助ヒータ19の各出力が制御される。
主ヒータ9とCZ炉2の内壁との間には、保温筒13が設けられている。
石英るつぼ3の上方には引上げ機構4が設けられている。引上げ機構4は、引上げ軸4aと引上げ軸4aの先端のシードチャック4cを含む。シードチャック4cによって種結晶14が把持される。
石英るつぼ3内で多結晶シリコン(Si)が加熱され溶融される。融液5の温度が安定化すると、引上げ機構4が動作し融液5からシリコン単結晶10(シリコン単結晶)が引き上げられる。すなわち引上げ軸4aが降下され引上げ軸4aの先端のシードチャック4cに把持された種結晶14が融液5に着液される。種結晶14を融液5になじませた後引上げ軸4aが上昇する。シードチャック4cに把持された種結晶14が上昇するに応じてシリコン単結晶10が成長する。
引上げの際、石英るつぼ3は回転軸110によって回転速度C/Rで回転する。また引上げ機構4の引上げ軸4aは回転軸110と逆方向にあるいは同方向に回転速度S/Rで回転する。
回転軸110は鉛直方向に駆動することができ、石英るつぼ3を上下動させ任意のるつぼ位置C/Pに移動させることができる。
CZ炉2内と外気を遮断することで炉2内は真空(たとえば20Torr程度)に維持される。すなわちCZ炉2には不活性ガスとしてのアルゴンガス7が供給され、CZ炉2の排気口からポンプによって排気される。これにより炉2内は所定の圧力に減圧される。
単結晶引上げのプロセス(1バッチ)の間で、CZ炉2内には種々の蒸発物が発生する。そこでCZ炉2にアルゴンガス7を供給してCZ炉2外に蒸発物とともに排気してCZ炉2内から蒸発物を除去しクリーンにしている。アルゴンガス7の供給流量は1バッチ中の各工程ごとに設定する。
シリコン単結晶10の引上げに伴い融液5が減少する。融液5の減少に伴い融液5と石英るつぼ3との接触面積が変化し石英るつぼ3からの酸素溶解量が変化する。この変化が、引き上げられるシリコン単結晶10中の酸素濃度分布に影響を与える。
石英るつぼ3の上方にあって、シリコン単結晶10の周囲には、略逆円錐台形状の熱遮蔽板8(ガス整流筒)が設けられている。熱遮蔽板8は、保温筒13に支持されている。熱遮蔽板8は、CZ炉2内に上方より供給されるキャリアガスとしてのアルゴンガス7を、融液表面5aの中央に導き、さらに融液表面5aを通過させて融液表面5aの周縁部に導く。そして、アルゴンガス7は、融液5から蒸発したガスとともに、CZ炉2の下部に設けた排気口から排出される。このため液面上のガス流速を安定化することができ、融液5から蒸発する酸素を安定な状態に保つことができる。
また熱遮蔽板8は、種結晶14および種結晶14により成長されるシリコン単結晶10を、石英るつぼ3、融液5、主ヒータ9などの高温部で発生する輻射熱から、断熱、遮蔽する。また熱遮蔽板8は、シリコン単結晶10に、炉内で発生した不純物(たとえばシリコン酸化物)等が付着して、単結晶育成を阻害することを防止する。熱遮蔽板8の下端と融液表面5aとのギャップ90の大きさは、回転軸110を上昇下降させ、石英るつぼ3の上下方向位置を変化させることで調整することができる。また熱遮蔽板8を昇降装置により上下方向に移動させてギャップ90を調整してもよい。
ギャップ90、引上げ軸4aの引上げ速度Vを調整することによって、後述するようにV/G1(V:成長速度、G1:シリコン単結晶10の融点近傍(融点〜1350゜C)での軸方向温度勾配)を制御することができる。
また引上げ中に、るつぼ回転数C/R、引上げ軸回転数S/R、アルゴンガス流量、炉内圧等を調整することによって、シリコン単結晶10中の酸素濃度(atoms/cm3)を制御することができる。
CZ炉2のトップ部2A(以下トップチャンバという)には、覗窓20が設けられている。覗窓20を通して、シリコン単結晶10の成長の様子を観察することができる。
図2の装置によって製造されたシリコン単結晶10のインゴットは切断装置によって切断されて、シリコンウェーハ100が採取される。
本実施形態では、P型のシリコン単結晶10を引上げ成長される場合を想定する。このために、石英るつぼ3内には、ボロンB等のドーパントが予め投入される。ドーパントの投入量を調整することによって、シリコン単結晶10中のドーパント濃度が制御され、所望の抵抗率のP型のシリコン単結晶10を引上げ成長させることができる。また、本実施形態では、直径300mmのシリコン単結晶10を引上げ成長させる場合を想定する。すなわち、種結晶14の融液5への着液後、肩部を形成した後、直径300mmの直胴部が形成される。
また、本実施形態では、磁場印加引上げ法によってシリコン単結晶10が引き上げられる場合を想定する。すなわち、石英るつぼ3内の融液5に対して、たとえば水平磁場(横磁場)を印加するこによって、石英つるぼ3内での融液5の対流の発生が抑制され、安定した結晶成長が行われる。なお、水平磁場の代わりにカスプ磁場を印加してもよい。
まず、本件発明の知見について説明する。
図3は、成長速度Vによって、シリコン単結晶10中に発生する転位を模式的に示したものである。
成長速度Vを速くして、図1(a)に示すV−リッチ領域(空孔型点欠陥優勢領域)でシリコン単結晶10を引上げ成長させると、図3(b)に示すように、シリコン単結晶10中に、ボイド欠陥(COP)が高密度で発生する。これに対して、図1(a)に示すI−リッチ領域(格子間型点欠陥優勢領域)でシリコン単結晶10を引上げ成長させると、図3(a)に示すように、シリコン単結晶10中に、格子間点欠陥(転位ループクラスタ)が高密度で発生する。
本発明者らは、シリコン単結晶10の肩部から直胴部のトップ部までの部位でスリップが発生する現象を発見した。
まず、そのスリップと欠陥密度の関係について調べた。
図4(a)は、シリコン単結晶10の肩部10A、直胴部10B、テール部10Cを模式的に示している。
シリコン単結晶10の肩部10Aの一部S1を縦割り試料として、Cuデコレーション法によりX線評価した。
図5は、X線評価結果を示している。
図5(a)はスリップが発生した試料の写真を示し、図5(c)は図5(a)のスリップ発生部位を拡大して示している。図5(b)はスリップが発生しなかった試料の写真を示し、図5(d)は同様の部位を拡大して示している。
これら図5から、スリップが発生するシリコン単結晶10は、肩部10Aにおいて、転位の密度が大きいということがわかる。
図4(b)は、図4(a)と同様にシリコン単結晶10の肩部10A、直胴部10B、テール部10Cを模式的に示している。
シリコン単結晶10の直胴部10Bのトップ部S2を試料として、Cuデコレーション法によりX線評価した。なお、肩部10Aと直胴部10Bとの境界位置を本明細書では「直胴0mm」という。トップ部S2は、直胴0mm付近の部位のことである。
図6は、X線評価結果を示している。
図6(a)はスリップが発生した試料の写真を示している。図6(b)はスリップが発生しなかった試料の写真を示している。
これら図6からも、図5と同様に、スリップが発生するシリコン単結晶10は、直胴部10Bのトップ部において、転位の密度が大きいということがわかる。
つぎにシミュレーションを行い、シリコン単結晶10を引き上げるときの結晶各部の熱応力と結晶中心部の温度とスリップとの関係について検討した。
図7は、シリコン単結晶10を引上げ成長させる過程において、結晶中心部の温度分布と結晶各部での熱応力の分布を示している。図7(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の順にシリコン単結晶10の引き上げ高さが大きくなる。このシミュレーションの結果、図7(c)に示す引上げ高さになったとき、シリコン単結晶10でスリップが位置Aで発生した。
図8は、図7に対応させて引上げ高さS/Pと温度と応力との関係を示す。
図8においてBは、転位ループクラスタが形成される温度領域(980゜C〜1000゜C)を示す。同図8から明らかなように、温度が転位ループクラスタが形成される温度領域内に入ったときであって、応力値が最も強くなるときにスリップが発生したと考えられる。また、スリップが発生する位置は、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までを引き上げる過程で結晶中心部に存在する応力集中箇所であると考えられる。
図9は、結晶中心部を境に左右で、肩形状、結晶引上げ速度S/L等の条件を異ならせたときの熱応力値の分布を、対比して示している。図9の結晶中心部を境に左側のシリコン単結晶10と右側のシリコン単結晶10とでは、肩形状等の引上げ条件が異なっている。図9の左側のシリコン単結晶10と、右側のシリコン単結晶10を対比すると、両者は、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までを引き上げる過程で、結晶中心部に、熱応力値が高い応力集中箇所が存在しているのがわかる。ただし、左側のシリコン単結晶10と右側のシリコン単結晶10とでは、引上げ条件の相違によって、結晶中心部の応力集中箇所の高さが異なっている。
つぎに結晶中心部の応力集中箇所が異なることによって、スリップ発生位置が異なることを検証した。
図10は肩形状が異なるシリコン単結晶10の試料を対比して示している。
図10は直胴0mmの位置で、X線評価した結果を示している。図10(a)に示す試料では、シリコン単結晶10の径方向の外側にスリップが確認された。図10(b)に示す別の試料では、シリコン単結晶10の径方向のほぼ中心位置でスリップが確認された。
図11は同じく肩形状が異なるシリコン単結晶10の試料を対比して示している。図11は、X線評価した結果を模式的に示している。図11(a)に示す試料では、シリコン単結晶10の直胴0mmから150mmだけ高い位置を起点としてスリップが発生していることが確認された。図11(b)に示す別の試料では、シリコン単結晶10の直胴0mmから20mmだけ高い位置を起点としてスリップが発生していることが確認された。
このように肩形状の相違によって、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までを引き上げる過程における結晶中心部の応力集中箇所が異なり、それによってスリップは、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲で、様々な箇所で発生することが確認された。
シリコン単結晶10中の酸素濃度は、前述した特許文献2、3に示すように、結晶の強度に影響を及ぼすことがわかっている。そこで、上述したように、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲でスリップが発生していることから、この範囲におけるシリコン単結晶10中の酸素濃度がどのようにスリップに影響を及ぼしているかを確かめるために実験を行った。
図12、図13は実験結果を示す。本実施例では、酸素濃度Oi(atoms/cm3)を制御する手段として、るつぼ回転数C/Rを調整する手段を用いた。
その他の条件は、以下の通りである。すなわち、石英るつぼ3内の融液5に対しては、水平磁場(横磁場)を印加した。融液5に水平磁場を印加しながらるつぼ回転数C/Rを調整すると、酸素濃度Oi(atoms/cm3)の制御性が良い。
石英るつぼ3内には、ボロンBを予め投入して、所望の抵抗率のP型のシリコン単結晶10を引上げ成長させた。なお、以下の実施例においては、ボロンBの代わりに、リンP、砒素As、ゲルマニウムGe、インジウムIn等の同様に結晶硬化効果のあるドーパントを使用してもよい。また、直径300mmのシリコン単結晶10を引上げ成長させた。
また、後述する比較例L4の場合を除いて、I−リッチ領域に入る条件でシリコン単結晶10を引上げ成長させた。すなわち、総合伝熱解析FEMAGを用いて、
V/G1が、
V/G1<0.15mm2/゜Cmin
となる条件で引き上げた。引上げ軸4aの引上げ速度Vは、0.3mm/minに調整し、熱遮蔽板8の下端と融液表面5aとのギャップ90は、30mmに調整した。
また、後述する比較例L5の場合を除いて、石英るつぼ3内に原料多結晶シリコンを250kgチャージしてシリコン単結晶10を引上げ成長させた。
図12は、シリコン単結晶10の軸方向位置と、るつぼ回転数C/Rとの関係を示す。
図13は、図12に対応させて、シリコン単結晶10の軸方向位置とシリコン単結晶10中の酸素濃度Oi(atoms/cm3)との関係を示している。図13(a)は、肩部10Aに対応する図であり、横軸は、肩長さ(mm)である。図13(b)は直胴部10Bに対応する図であり、横軸は、直胴長さ(mm)であり、図中左端がシリコン単結晶10の直胴0mmの位置に相当する。
図12に示すように、L1は、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの各位置におけるるつぼ回転数C/RをXrpmに調整した場合の特性を示し、L2は、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの各位置におけるるつぼ回転数C/Rを3Xrpmにした場合の特性を示し、L3は、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの各位置におけるるつぼ回転数C/Rを4Xrpmにした場合の特性を示している。なお、るつぼ回転数C/Rの値を4Xrpmよりも大きく設定すると、シリコン単結晶10が成長の途中で崩れるおそれがある。
図12に示す各特性L1、L2、L3でるつぼ回転数C/Rを調整したときの酸素濃度Oiを、図13(a)にそれぞれ示す。また、図12に示す各特性L1、L2、L3でるつぼ回転数C/Rを調整したときの酸素濃度Oiの変化を、図13(b)にそれぞれ示す。
図13(a)において、L4は、V−リッチ領域に入る条件でシリコン単結晶10を引上げ成長させた場合の特性を比較例として示す。また、図13(b)において、L5は、石英るつぼ3内に原料多結晶シリコンを300kgチャージしてシリコン単結晶10を引上げ成長させた場合の特性を比較例として示す。L5は、るつぼ回転数C/Rを3Xrpmに調整した場合の特性である。
実験の結果、るつぼ回転数C/RをXrpmに調整したL1の特性を持つシリコン単結晶10では、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲で、スリップが発生することが確認された。これに対して、るつぼ回転数C/Rを3Xrpmに調整したL2の特性、4Xrpmに調整したL3の特性を持つシリコン単結晶10では、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲で、スリップの発生は確認されなかった。図13からわかるように、るつぼ回転数C/RをXrpmに調整したL1の特性を持つシリコン単結晶10の直胴0mmでの酸素濃度Oiは、9×1017(atoms/cm3)よりも低い。これに対して、るつぼ回転数C/Rを3Xrpmに調整したL2の特性、4Xrpmに調整したL3の特性を持つシリコン単結晶10の直胴0mmでの酸素濃度Oiは、9×1017(atoms/cm3)以上である。
なお、比較例L4、L5についても、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲で、スリップの発生は確認されなかった。比較例L4、L5のシリコン単結晶10の直胴0mmでの酸素濃度Oiは、9×1017(atoms/cm3)以上である。
なお、本実施例では、シリコン融液5に対して水平磁場を印加するとともに、石英るつぼ3の回転数を調整することによって、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位の酸素濃度Oiを制御しているが、水平磁場を印加することなく、石英るつぼ3の回転数C/Rを調整することで、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位の酸素濃度Oiを制御してもよい。
また、本実施例では、酸素濃度Oiは、石英るつぼ3の回転数C/Rを調整することによって、制御しているが、引上げ軸回転数S/R、アルゴンガス流量、炉内圧等を調整することによって、シリコン単結晶10中の酸素濃度Oiを制御してもよい。この場合も、酸素濃度Oiの制御性を高めるために、シリコン融液5に対して水平磁場を印加する技術を組み合わせてもよい。
以上のシミュレーション、実験結果からわかるように、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲で、スリップの発生するシリコン単結晶10の特徴は、以下のとおりであった。
a)I−リッチ領域に入る条件でシリコン単結晶10を引き上げた場合のみ、スリップが発生する。
b)スリップが発生するシリコン単結晶10は、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲で、酸素濃度Oiが、9.0×1017atoms/cm3 よりも低い。
c)スリップが発生するシリコン単結晶10は、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までを引き上げる過程において結晶中心部での熱応力値が高い。
これらa)、b)、c)から、スリップ発生有無のメカニズムは、図14であると推定される。
すなわち、シリコン単結晶10で転位ループクラスタが発生している箇所に(101)、熱応力がかかっても(102)、酸素濃度Oiが高ければ(9.0×1017atoms/cm3 以上であれば;103)、結晶強度が強いため(104)、スリップは発生しない(105)。これに対して、シリコン単結晶10で転位ループクラスタが発生している箇所に(101)、熱応力がかかると(102)、酸素濃度Oiが低ければ(9.0×1017atoms/cm3 よりも小さければ;106)、結晶強度が弱いため(107)、スリップが発生する(108)。
ところで、酸素濃度Oiを高めることで結晶強度を上げるということを考えると、酸素濃度Oiをコントロールできるのは、肩部10Aの終盤以降となる。肩部10Aの終盤とは、肩部10Aの設定長が220mmの場合、200mm以降の部位のことである。
以上のことより、
1)肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲でスリップを発生させないためには、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位の酸素濃度Oiを、9.0×1017atoms/cm3 以上とする条件で、シリコン単結晶10を引き上げればよいということがわかった。
2)また、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲でスリップを発生させないためには、シリコン単結晶10を肩部10Aから直胴部10Bのトップ部まで形成する過程における結晶中心部の熱応力値を、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位で格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しない熱応力値以下(例えば、7.1MPa以下)とする条件で、シリコン単結晶を引き上げればよいことがわかった。
3)肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの範囲でスリップを発生させないためには、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位の酸素濃度Oiを、9.0×1017atoms/cm3 以上とする条件で、かつ、シリコン単結晶10を肩部10Aから直胴部10Bのトップ部まで形成する過程における結晶中心部の熱応力値を、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位で格子間型点欠陥を起点にしてスリップが発生しない熱応力値以下(例えば、7.1MPa以下)とする条件で、シリコン単結晶10を引き上げればよいことがわかった。
つぎに、上記1)、2)、3)の具体的手段について説明する。
まず、酸素濃度Oiを制御する具体的手段は、前述したように、るつぼ回転数C/R、引上げ軸回転数S/R、アルゴンガス流量、炉内圧、融液5に対する水平磁場等を調整する手段などである。
以下、熱応力値を制御する具体的手段について説明する。
(付け直し時間)
図15は、単結晶引上げ装置1の各号機、引上げられるインゴットを特定するナンバー(#1、#2…)と、シリコン単結晶10の付け直しの有無との関係を示したグラフである。
ここで、付け直しとは、シリコン単結晶10を引き上げる過程でインゴットが崩れた場合に、再度、種結晶14を融液5に着液させて肩を抜き取り引き上げる処理のことである。
図15において、矢印で示すナンバーのインゴットで、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位でスリップの発生が確認された。スリップ発生が確認されたナンバーのインゴットは全て、付け直しを行ったインゴットあった。
このように、付け直しを行うとスリップが発生しやすいことがわかる。
そこで、付け直しとスリップ発生との関係について実験、シミュレーションを行った。
図16は、単結晶引上げ装置1の各号機、引上げられるインゴットを特定するナンバー(#1、#2…)と、シリコン単結晶10の付け直し時間(H)との関係を示したグラフである。
ここで、付け直し時間の定義を、図21を用いて説明する。付け直し時間とは、最初に肩を広げだした(肩部10Aを形成し始めた)時刻から、最終的に製品となるシリコン単結晶10の肩部10Aを形成し始める時刻までの時間のことである。
図21(a)は、肩部10Aを形成し始めて、単結晶10の崩れが発生しない場合で、付け直し時間が0となる。これに対して、図21(b)は、シリコン単結晶10の崩れが2回発生し2回付け直しを行い3回目の着液によって最終的な製品が得られる場合の例であり(なお、状況によって回数は変わる)、最初に、肩部10Aを形成し始めた時刻から、最終的に製品となるシリコン単結晶10の肩部10Aを形成し始める時刻までの時間、つまり2回の付け直し(なお、状況によって回数は変わる)によってロスした時間が付け直し時間となる。
図16において、矢印で示すナンバーのインゴットで、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位でスリップの発生が確認された。同図16から、付け直し時間が40Hを超えると、シリコン単結晶10の肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までの部位でスリップが発生することがわかる。
つぎに、付け直しを行い、付け直し時間が長くなることが、何故スリップ発生に結びつくかについて検証した。
付け直しを行い、付け直し時間が長くなり、引上げロス時間が長くなると、以下のような現象が生じる。
d)CZ炉2のトップチャンバ2Tの内側に、アモルファスの付着が多くなる。
e)付け直し後に、シリコン単結晶10を転位なしで引き上げるために、肩部10Aを抜き取る処理が行われる。この結果、るつぼ位置C/Pが高くなる。
f)石英るつぼ3の断面で観察される気泡の数が多くなり、気泡が膨張してサイズも大きくなる。また、気泡の数増加、気泡膨張に応じて、石英るつぼ3の肉厚も厚くなる。
g)上述したるつぼ位置C/Pや石英るつぼ3の変化によって、ギャップ90の実際の値と設定値との間にずれが生じる。
つぎの、上述したd)〜g)の変化が起きると、シリコン単結晶10の結晶中心部にかかる熱応力がどのように変化するかについてシミュレーションを行った。
図17はシミュレーション結果をまとめた表である。
図17に示すように、状況基準、状況1、状況2、状況3、状況4の各状況毎に、引上げロス時間、肩抜き取りの有無、るつぼ位置C/P、トップチャンバ2T内側の汚れ、石英るつぼ肉厚(気泡数、膨張)、ギャップ90を変化させて、肩部10Aから直胴部10Bのトップ部までを引き上げる過程における結晶中心部(応力集中箇所)の熱応力値(Mpa)を求めた。
図17からわかるように、引上げロス時間とトップチャンバ2T内側の汚れとの間には相関があり、引上げロス時間が長くなると、トップチャンバ2T内側の汚れが多くなる。そして、引上げロス時間が長くなり、トップチャンバ2T内側の汚れが多くなると、結晶中心部の熱応力値が高くなる。
状況基準、状況1の場合には、引上げロス時間が短く、そのためトップチャンバ2T内側の汚れが少なくなり、結晶中心部の熱応力値が小さくなる(7.07Mpa、7.14Mpa)。これに対して、状況2、状況3、状況4の場合には、引上げロス時間が長く、そのためトップチャンバ2T内側の汚れが多くなり、結晶中心部の熱応力値が大きくなる(7.78Mpa、7.79Mpa、7.9Mpa)。
図18は、図17のシミュレーション結果から、トップチャンバ2T内側の汚れと結晶中心部の熱応力値とスリップとの因果関係を推定する図である。図18(a)は、トップチャンバ2T内側の汚れが少ない場合を示し、図18(b)は、トップチャンバ2T内側の汚れが多い場合を示している。
図18(a)に示すように、付け直しがなくストレートでシリコン単結晶10が引き上げられる場合には、再溶解によって発生するアモルファスが無いなど炉内環境の変化はなく、トップチャンバ2T内側の汚れが少なくなる。また、付け直しがあっても、引上げロス時間が短い場合には、炉内環境の変化が小さく、トップチャンバ2T内側の汚れが少なくなる。このようにトップチャンバ2T内側に付着する汚れが少ないと、トップチャンバ2T内側からの輻射熱が大きくなり、シリコン単結晶10からの放熱が小さくなる。このためシリコン単結晶10は徐冷され、結晶中心部と結晶外側との温度差ΔTが小さくなる。これにより結晶中心部の熱応力が小さくなる。結晶中心部の熱応力が小さくなるため、スリップは発生しない。
これに対して、図18(b)に示すように、付け直しがあり引上げロス時間が長い場合には、再溶解によって発生するアモルファスが多くなるなど炉内環境は悪化するとともに、時間に比例してトップチャンバ2T内側への汚れが多くなる。このようにトップチャンバ2T内側に付着する汚れが多いと、トップチャンバ2T内側からの輻射熱が小さくなり、シリコン単結晶10からの放熱が大きくなる。このためシリコン単結晶10は急冷され、結晶中心部と結晶外側との温度差ΔTが大きくなる。これにより結晶中心部の熱応力が大きくなる。結晶中心部の熱応力が大きくなるため、スリップが発生する。
以上のように、スリップ発生を防止するためには、付け直し時間を、40時間以内とする条件で、シリコン単結晶10を引き上げればよいということがわかる。また、スリップ発生を防止するためには、望ましくは、種結晶14の着液後に付け直しなしでシリコン単結晶10を引き上げればよいということがわかる。
上述した図18からわかることは、シリコン単結晶10に与えられる輻射熱の大きさによって、スリップが発生したりしなかったりするということである。このことから、シリコン単結晶10に与えられる輻射熱の大きさを変化しにくくし安定させて、スリップを発生しにくくする実施も可能である。たとえば単結晶引上げ装置1には、CZ炉2の上方からアルゴンガス7を流下させて融液5に向けて導くパージチューブを設けたものがある。この場合、パージチューブは、シリコン単結晶10に与えられる輻射熱を安定させてシリコン単結晶10の冷却速度を安定させるものとして機能する。これによりスリップ発生を防止することができる。
(ギャップ)
また、図17からわかるように、熱遮蔽板8の下端と融液表面5aとのギャップ90と結晶中心部の熱応力値との間にも、ある程度の相関がみられた。
状況基準、状況1、状況2、状況3の場合には、ギャップ90が広く(40mm)、結晶中心部の熱応力値が相対的に小さい(7.07Mpa、7.14Mpa、7.78Mpa、7.79Mpa)。これに対して、状況4の場合には、ギャップ90が狭く(35mm)、結晶中心部の熱応力値が相対的に大きくなる(7.9Mpa)。
図19は、図17のシミュレーション結果から、ギャップ90と結晶中心部の熱応力値とスリップとの因果関係を推定する図である。
図19において、8Aは、熱遮蔽板8が融液表面5aに近い場所に位置しギャップ90が狭くなっている状態を示し、8Bは、熱遮蔽板8が融液表面5aから遠い場所に位置しギャップ90が広くなっている状態を示している。
ギャップ90が狭くなっている状態8Aでは、融液表面5aからの輻射熱が熱遮蔽板8で遮断されてシリコン単結晶10が冷えやすくなる。このため結晶中心部と結晶外側との温度差ΔTが大きくなる。これにより結晶中心部の熱応力が大きくなる。結晶中心部の熱応力が大きくなるため、スリップが発生する。
これに対して、ギャップ90が広くなっている状態8Bでは、融液表面5aからの輻射熱が熱遮蔽板8で遮断されにくくなるためシリコン単結晶10が冷えにくくなる。このため結晶中心部と結晶外側との温度差ΔTが小さくなる。これにより結晶中心部の熱応力が小さくなる。結晶中心部の熱応力が小さくなるため、スリップが発生しにくくなる。
以上のように、スリップ発生を防止するためには、熱遮蔽板8の下端と融液表面5aとのギャップ90を広くする条件で、シリコン単結晶10を引き上げればよいということがわかる。
スリップ発生有無のメカニズムをまとめると、図20のとおりとなる。
図20(a)に示すように、付け直しがあると(201)、引上げロス時間が長くなり(202)、再溶解によって発生するアモルファスが多くなるなど炉内環境は悪化するとともに、時間に比例してトップチャンバ2T内側への汚れが多くなる。トップチャンバ2T内側に付着する汚れが多くなると、トップチャンバ2T内側からの輻射熱が小さくなり、シリコン単結晶10からの放熱が大きくなる(203)。このためシリコン単結晶10は急冷され(204)、結晶中心部と結晶外側との温度差が大きくなる。これにより結晶中心部の熱応力が大きくなる(205)。そして、シリコン単結晶10がI−リッチ領域に入る条件で引き上げられ転位ループクラスタが発生している箇所に(207)、高い熱応力がかかり(205)、さらに酸素濃度Oiが低い(9.0×1017atoms/cm3 よりも小さい;206)という条件が加わると、結晶強度が弱いため、スリップが発生する(207)。
これに対して、図20(b)に示すように、付け直しがあっても(301)、引上げロス時間が短い(付け直し時間で40H以内)場合には(302)、炉内環境の変化が小さく、トップチャンバ2T内側の汚れが少なくなる。トップチャンバ2T内側に付着する汚れが少ないと、トップチャンバ2T内側からの輻射熱が大きくなり、シリコン単結晶10からの放熱が小さくなる(303)。このためシリコン単結晶10は徐冷され(304)、結晶中心部と結晶外側との温度差が小さくなる。これにより結晶中心部の熱応力が小さくなる(305)。そして、シリコン単結晶10がI−リッチ領域に入る条件で引き上げられ転位ループクラスタが発生している箇所に(307)、熱応力がかかってもその熱応力が低ければ(305)、酸素濃度Oiが低く(9.0×1017atoms/cm3 よりも小さい;306)、結晶強度が弱くなっていたとしても、スリップは発生しない(308)。
また、図20(c)に示すように、付け直しがなくストレートでシリコン単結晶10が引き上げられる場合には、再溶解によって発生するアモルファスが無いなど炉内環境の変化はなく、トップチャンバ2T内側の汚れが少なくなる(401)。トップチャンバ2T内側に付着する汚れが少ないと、トップチャンバ2T内側からの輻射熱が大きくなり、シリコン単結晶10からの放熱が小さくなる。このためシリコン単結晶10は徐冷され、結晶中心部と結晶外側との温度差が小さくなる。これにより結晶中心部の熱応力が小さくなる(402)。そして、シリコン単結晶10がI−リッチ領域に入る条件で引き上げられ転位ループクラスタが発生している箇所に(404)、熱応力がかかってもその熱応力が低ければ(402)、酸素濃度Oiが低く(9.0×1017atoms/cm3 よりも小さい;403)、結晶強度が弱くなっていたとしても、スリップは発生しない(405)。
図1(a)〜(e)は、シリコン単結晶の欠陥種と点欠陥の濃度の関係を示す図である。 図2は、実施形態の単結晶引上げ装置の構成を示す図である。 図3(a)、(b)は、成長速度によって、シリコン単結晶中に発生する転位を模式的に示した図である。 図4(a)、(b)は、シリコン単結晶の肩部、直胴部、テール部を模式的に示した図である。 図5は、X線評価結果を示した図で、図5(a)はスリップが発生した試料の写真を示し、図5(c)は図5(a)のスリップ発生部位を拡大して示し、図5(b)はスリップが発生しなかった試料の写真を示し、図5(d)は同様の部位を拡大して示した図である。 図6は、X線評価結果を示した図で、図6(a)はスリップが発生した試料の写真を示し、図6(b)はスリップが発生しなかった試料の写真を示した図である。 図7(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、シリコン単結晶10を引上げ成長させる過程において、結晶中心部の温度分布と結晶各部での熱応力の分布を示した図である。 図8は、図7に対応させて引上げ高さと温度と応力との関係を示した図である。 図9は、結晶中心部を境に左右で、肩形状、結晶引上げ速度等の条件を異ならせたときの熱応力値の分布を、対比して示した図である。 図10(a)、(b)は、肩形状が異なるシリコン単結晶の試料を対比して示した図である。 図11(a)、(b)は、肩形状が異なるシリコン単結晶の試料を対比して示した図である。 図12は、シリコン単結晶の軸方向位置と、るつぼ回転数との関係を示した図である。 図13(a)、(b)は、図12に対応させて、シリコン単結晶の軸方向位置とシリコン単結晶中の酸素濃度Oi(atoms/cm3)との関係を示した図である。 図14は、スリップ発生有無のメカニズムを示す図である。 図15は、単結晶引上げ装置の各号機、引上げられるインゴットを特定するナンバーと、シリコン単結晶の付け直しの有無との関係を示したグラフである。 図16は、単結晶引上げ装置の各号機、引上げられるインゴットを特定するナンバーと、シリコン単結晶の付け直し時間との関係を示したグラフである。 図17はシミュレーション結果をまとめた表である。 図18(a)、(b)は、図17のシミュレーション結果から、トップチャンバ内側の汚れと結晶中心部の熱応力値とスリップとの因果関係を推定する図である。 図19は、図17のシミュレーション結果から、ギャップと結晶中心部の熱応力値とスリップとの因果関係を推定する図である。 図20(a)、(b)、(c)は、スリップ発生有無のメカニズムを示した図である。 図21(a)、(b)は、付け直し時間を説明するために用いた図である。
符号の説明
1 単結晶引上げ装置 2 CZ炉 2T トップチャンバ 10 シリコン単結晶 10A 肩部 10B 直胴部

Claims (5)

  1. 石英るつぼに収容されたシリコン融液に種結晶を着液させ、その後シリコン単結晶を引上げ成長させ、引上げ成長されたシリコン単結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造方法において、
    I−リッチ領域(格子間型点欠陥優勢領域)に入る条件でシリコン単結晶を引上げ成長させるに際して、
    石英るつぼの回転数を調整することによって、シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位の酸素濃度を9.0×10 17 atoms/cm 以上にして、シリコン単結晶を引き上げること
    を特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  2. シリコン融液に対して磁場を印加するとともに、石英るつぼの回転数を調整することによって、シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位の酸素濃度を9.0×10 17 atoms/cm 以上にすること
    を特徴とする請求項1記載のシリコンウェーハの製造方法。
  3. 石英るつぼに収容されたシリコン融液に種結晶を着液させ、その後シリコン単結晶を引上げ成長させ、引上げ成長されたシリコン単結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造方法において、
    I−リッチ領域(格子間型点欠陥優勢領域)に入る条件でシリコン単結晶を引上げ成長させるに際して、
    シリコン融液に種結晶を着液させてからシリコン単結晶の肩部を形成し始めるまでの時間を、40時間以内とすることによって、シリコン単結晶を肩部から直胴部のトップ部まで形成する過程における結晶中心部の熱応力値を7.1MPa以下にして、シリコン単結晶を引き上げること
    を特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  4. シリコン融液に種結晶を着液した後に付け直しなしとし、シリコン融液に種結晶を着液させてからシリコン単結晶の肩部を形成し始めるまでの時間を、40時間以内とすることによって、シリコン単結晶を肩部から直胴部のトップ部まで形成する過程における結晶中心部の熱応力値を7.1MPa以下にすること
    を特徴とする請求項3記載のシリコンウェーハの製造方法。
  5. 石英るつぼに収容されたシリコン融液に種結晶を着液させ、その後シリコン単結晶を引上げ成長させ、引上げ成長されたシリコン単結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造方法において、
    I−リッチ領域(格子間型点欠陥優勢領域)に入る条件でシリコン単結晶を引上げ成長させるに際して、
    石英るつぼの回転数を調整することによって、シリコン単結晶の肩部から直胴部のトップ部までの部位の酸素濃度を9.0×10 17 atoms/cm 以上とし、かつシリコン融液に種結晶を着液させてからシリコン単結晶の肩部を形成し始めるまでの時間を、40時間以内とすることによって、シリコン単結晶を肩部から直胴部のトップ部まで形成する過程における結晶中心部の熱応力値を7.1MPa以下にして、シリコン単結晶を引き上げること
    を特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
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