JP4901487B2 - 半導体単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体単結晶の製造方法に関し、特にCZ法により半導体単結晶を引き上げ成長させて半導体単結晶を製造する半導体単結晶の製造方法に関する。
シリコン単結晶はCZ(チョクラルスキー法)によって引上げ成長されることによって製造される。引上げ成長されたシリコン単結晶のインゴットはシリコンウェーハにスライスされる。半導体デバイスはシリコンウェーハの表面にデバイス層を形成するデバイス工程を経て作成される。
しかし、シリコン単結晶の成長の過程でグローイン(Grown-in)欠陥(結晶成長時導入欠陥)と呼ばれる結晶欠陥あるいは酸素析出核が発生する。グローイン欠陥は、結晶成長中に取り込まれた点欠陥の2次欠陥と考えられている。
近年、半導体回路の高集積化、微細化の進展に伴い、シリコンウェーハのうちデバイスが作成される表層近くには、こうしたグローイン欠陥が存在することが許されなくなってきている。このため無欠陥結晶の製造の可能性が検討されている。
一般にシリコン単結晶に含まれデバイスの特性を劣化させる結晶欠陥は、以下の3種類の欠陥である。
a) COP(Crystal Originated Particle)などと呼ばれる、空孔が凝集して生じるボイド ( 空洞 )欠陥(V欠陥)。
b)OSF ( 酸化誘起積層欠陥, Oxidation Induced Stacking Fault ;R−OSF)
c) 格子間シリコンが凝集して生じる転位ループクラスタ(格子間シリコン型転位欠陥、I欠陥)。
V欠陥は、半導体デバイス工程の酸化膜耐圧特性や素子分離などの不良の原因となる。R−OSF、I欠陥は、リーク電流特性などに悪影響を及ぼす。
無欠陥のシリコン単結晶とは、上記3種の欠陥のいずれも含まないか、実質的に含まない結晶として認識ないしは定義されている。
上記3種の欠陥の発生挙動は、シリコン単結晶の成長条件V/G(V:成長速度、G:シリコン単結晶の融点近傍での軸方向温度勾配)が大きく関与していることが、従来より知られている。
シリコン単結晶中の欠陥分布は、その成長速度や成長中の周りの熱環境に大きく影響を受ける。近年は、シリコンウェーハ全面にわたりグローイン欠陥を排除し無欠陥領域となっている無欠陥結晶の要求が高まっており、結晶の成長速度や温度分布条件を制御する製造条件の提案が数多くなされている。上述したように、V欠陥、R−OSF、I欠陥といった3種の欠陥の発生挙動は、シリコン単結晶の成長速度Vなどの成長条件によって、変化することが知られている。
すなわち、単結晶引き上げ軸に対して垂直に切り出した縦割りのシリコンウェーハ面でみたとき、上記3種の欠陥の分布は、その成長速度や成長中の周りの熱環境に大きく影響を受ける。
図1(a)、(b)は、成長速度Vと結晶内(シリコンウェーハ面内)の欠陥分布との関係の一例を示した図である。
同図1(a)は、欠陥分布の概略図で、横軸は、結晶の中心から表面までの半径方向位置(シリコン単結晶の結晶中心から結晶外周(結晶端)までの各結晶半径位置)を示し、縦軸は、結晶の直胴位置を示している。図1(b)は、図1(a)に対応させて成長速度Vの変化を示した図で、横軸は、成長速度Vを示し、縦軸は、図1(a)と同じく結晶の直胴位置を示している。シリコン単結晶の直胴部のトップからボトムに向かうに伴い成長速度Vが徐々に減じられる。
図1において、Vdとあるのは、空孔型欠陥領域(V欠陥領域)であり、Vpとあるのは、空孔型無欠陥領域であり、Ipとあるのは、格子間シリコン型無欠陥領域であり、Idとあるのは、格子間シリコン型欠陥領域(I欠陥領域)である。VpとIpが無欠陥領域となる。
図1(a)、(b)からもわかるように、一般的につぎのようなことが知られている。
i)成長速度Vが速い場合には、シリコン単結晶は空孔型点欠陥が過剰となり、ボイド欠陥、つまりV欠陥のみが発生する。
ii)成長速度Vを減じると、シリコン単結晶の外周付近にリング状にOSF、つまりR−OSFが発生し、R−OSF部の内側にV欠陥(ボイド欠陥)が存在する構造となる。
iii)成長速度Vを更に減じると、リング状のOSF(R−OSF)の半径は減少し、リング状OSF部の外側に欠陥が存在しない領域、つまり無欠陥領域が生じ、R−OSF部の内側にV欠陥(ボイド欠陥)が存在する構造となる。
iV)さらに成長速度Vを減じると、シリコン単結晶全体に転位ループラスタ、つまりI欠陥が存在する構造となる。
上述した現象が起こるのは成長速度Vの減少に伴いシリコン単結晶が空孔型点欠陥過剰な状態から格子間型点欠陥過剰な状態へと変化するためであると考えられている。
このようにシリコン単結晶の成長速度Vの減少に伴い、V欠陥領域(Vd)−R−OSF−無欠陥領域(Vp、Ip)−I欠陥領域(Id)と分布しており、無欠陥領域は、R−OSFとI欠陥領域の間に存在していると考えられている。
そこで、R−OSFと無欠陥領域(Vp)との境界に相当する成長速度Vの最小成長速度と、I欠陥領域(Id)と無欠陥領域(Ip)との境界に相当する成長速度Vの最大成長速度との差を、成長速度許容幅ΔVと定義する。
図1(a)に示すように、成長速度許容幅ΔVが正となる場合には、シリコン単結晶面の半径方向位置全体、つまりシリコンウェーハの全面にわたって、無欠陥領域が存在することになる。
ただし、成長速度許容幅ΔVが正となる場合であっても、その幅ΔVが狭いと、わずかな製造条件等の変動によって欠陥が生じるおそれがあるため、安定してシリコン単結晶全面にわたり無欠陥領域となるシリコン単結晶を製造することが難しくなる。このため、ある程度の大きさの成長速度許容幅ΔVが必要と考えられる。
しかしながら、一般に、シリコンウェーハ全面にわたり上記3種の欠陥を排除した無欠陥領域となる成長速度(引上げ速度)の範囲、つまり上述の成長速度許容幅ΔVは、非常に狭いことが知られている。このため無欠陥のシリコン単結晶製造には、非常に精密な引上げ速度の制御が必要であり、安定性に欠け、生産性も劣り歩留まりが悪いといわれている。よって、無欠陥のシリコン単結晶を安定して歩留まりよく製造できるようにすることが要請されている。
ところで、「OSFリングについては、最近の研究からウェーハ全面内で低酸素濃度の場合には、OSFリングの核が存在しても熱酸化処理によりOSFリングを発生することはなく、デバイスに影響を与えないことが判ってきている。」このことは、下記特許文献1に記載されている。
すなわち、酸素濃度がある低酸素濃度にあるときには、OSFリング発生の有無を確認する熱酸化処理をしてもOSFの核は、OSFリング(R-OSF)として顕在化せず、デバイスの性能に影響を与えない、事実上の無欠陥として扱うことができる。
特許文献1には、OSFリング(R-OSF)として顕在化させないための酸素濃度条件として、シリコン単結晶引上げ中のウェーハ全面内の酸素濃度が24ppma未満、つまり12×1017(cm−3 OLD ASTM)未満であることが必要であると記載されている。
また、特許文献1には、シリコン単結晶引上げ中に、1050℃〜850℃の温度帯域を140分以下で通過する熱履歴を与えた結晶については、その後OSFリング発生の有無を確認する熱酸化処理を施しても、OSFリング(R-OSF)は顕在化しないということが記載されている。ここで、1050℃〜850℃の温度帯域を140分以下で通過する熱履歴は、冷却速度CRに換算すると、1.43(℃/min)以上に相当する。
仮に、特許文献1に記載された条件が、R-OSFを非顕在化できる条件であるとしてシリコン単結晶を製造すれば、「無欠陥」の領域は、図1(a)において、R−OSFの領域まで広げることができる。このため、図1(b)に示すごとく、「無欠陥」となる成長速度許容幅は、V欠陥領域(Vd)とR−OSFとの境界に相当する成長速度Vの最小成長速度と、I欠陥領域(Id)と無欠陥領域(Ip)との境界に相当する成長速度Vの最大成長速度との差である幅ΔVRとなり、従来の幅ΔVよりも成長速度許容幅を拡げることができる。このため、引上げ速度の精密な制御が緩和され、無欠陥のシリコン単結晶を安定して歩留まりよく製造できるようになることが期待される。
特開平11−157996号公報
しかしながら、上述の特許文献1では、「酸素濃度を24ppma未満、つまり12×1017(cm−3 OLD ASTM)未満にすること」、「冷却速度CRを1.43(℃/min)以上にすること」と各条件を開示しているが、両者の条件が同時に成立することが必要であるのか、いずれか一方の条件が成立すればよいのかが明確となっていない。
仮に、両者の条件が同時に成立しなければ、R-OSFを非顕在化できないとすると、その条件範囲は、あまりにも狭い。このため、より広い条件範囲でシリコン単結晶を引き上げたいとの要請がある。
また、いずれかの条件が成立すれば、R-OSFを非顕在化できる、ということも正確性に欠ける。本発明者らが、「酸素濃度を24ppma未満、つまり12×1017(cm−3 OLD ASTM)未満にする」という条件で、実験を行なったところ、冷却速度CRの大きさによっては、R-OSFを非顕在化できない場合があることが確認された。
また、上述の特許文献1は、直径6インチ(150mm)のシリコン単結晶を対象としている。
しかしながら、近年、シリコン単結晶の大口径化に伴い結晶が冷却されにくくなっている、つまり冷却速度CRが低下しているのが実情である。このため特許文献1に開示された条件である「冷却速度CRを1.43(℃/min)以上」にすることが難しくなっている。よって、高い冷却速度でR-OSFを非顕在化できるようにすることが求められている。
本発明は、こうした実情に鑑みなされたもので、酸素濃度と冷却速度に関して、正確かつ広範な条件範囲で半導体単結晶を引上げるようにして、無欠陥のシリコン単結晶を安定して歩留まり製造できるようにして生産性の向上を図ることを解決課題とするものである。
第1発明は、
CZ法により半導体単結晶を引上げ成長させて半導体単結晶を製造する半導体単結晶の製造方法において、
R-OSF領域を含む条件で半導体単結晶を引上げ成長させるに際して、
半導体単結晶の酸素濃度をOi(×1017cm−3 OLD ASTM)、半導体単結晶の1050℃から980℃までの温度域の冷却速度をCR(℃/min)としたとき、
CR>0.18〔Oi〕−1.53
となる条件で、半導体単結晶を引き上げること
を特徴とする。
第2発明は、第1発明において、
融液に磁場を印加すること
を特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明において、
融液から引き上げられる半導体単結晶の周囲にクーラを配置して、クーラによって半導体単結晶を冷却しつつ半導体単結晶を引き上げ成長させて半導体単結晶を製造すること
を特徴とする。
本発明者は、R-OSFが非顕在化する条件として、シリコン単結晶10中の酸素濃度Oi(×1017cm−3 OLD ASTM)と、シリコン単結晶10の冷却速度CR(℃/min)との間に、一定の関係が成立するのではないかと考え、実験を行なった。その結果、図3に示す実験結果が得られた。
同図3から明らかなように、R-OSFが非顕在化する領域は、
CR>0.18〔Oi〕−1.53 …(1)
となることがわかった。すなわち、上記(1)式が得られるように酸素濃度Oi、冷却速度CRを調整してシリコン単結晶10を引き上げれば、R-OSFは確実に非顕在化できるということがわかった。
本発明によれば、図1(a)に示すように、R−OSF領域に入るようにシリコン単結晶10を引上げた場合にR-OSFを非顕在化することができる。このため、シリコン単結晶10を「無欠陥」とすることができる成長速度許容幅ΔVRを広くとれる(図1(b))。そして、R-OSFを非顕在化するための酸素濃度Oiと冷却速度CRの条件範囲は、図3に示すごとく従来技術(斜線部)に比して正確かつ広範なものとなる。このため本発明によれば、無欠陥のシリコン単結晶を安定して歩留まり製造できるようになり生産性が飛躍的に向上する。
第2発明では、石英るつぼ3内の融液5に対して、たとえば水平磁場(横磁場)が印加される。融液5に水平磁場が印加されると、石英るつぼ3内での融液5の対流が抑制され、安定した結晶成長が行なわれる。また、融液5に磁場が印加されることでシリコン単結晶10と融液5との間の固液界面の形状を所望する形に安定化されて、冷却速度CRを安定して高めることができる。
第3発明によれば、クーラ20により、シリコン単結晶10が冷却され、シリコン単結晶10が固化する際に凝固潜熱を吸熱するように作用する。このためクーラ10の設置により、シリコン単結晶10の冷却速度CR(℃/min)を高めシリコン単結晶10が成長する時間を大幅に短縮することができる。また、シリコン単結晶10の成長時間の短縮は、シリコン融液5からの蒸発物による炉内環境の悪化や、石英るつぼ3の劣化による単結晶崩れを抑制できる。このためシリコン単結晶10の成長速度Vの高速化を図ることによって、シリコン単結晶10の生産性を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明に係る半導体単結晶の製造方法の実施の形態について説明する。
図2は、実施形態に用いられるシリコン単結晶製造装置の構成の一例を側面からみた図である。
同図2に示すように、実施形態の単結晶引上げ装置1は、単結晶引上げ用容器としてのCZ炉(チャンバ)2を備えている。
CZ炉2内には、多結晶シリコンの原料を溶融して融液5として収容する石英るつぼ3が設けられている。石英るつぼ3は、その外側が黒鉛るつぼ11によって覆われている。石英るつぼ3の周囲には、石英るつぼ3内の多結晶シリコン原料を加熱して溶融するヒータ9が設けられている。ヒータ9は円筒状に形成されている。ヒータ9は、その出力(パワー;kW)が制御されて、融液5に対する加熱量が調整される。たとえば、融液5の温度が検出され、検出温度をフィードバック量とし融液5の温度が目標温度になるように、ヒータ9の出力が制御される。
石英るつぼ3の上方には引上げ機構4が設けられている。引上げ機構4は、引上げ軸4aと引上げ軸4aの先端のシードチャック4cを含む。シードチャック4cによって種結晶14が把持される。
石英るつぼ3内で多結晶シリコン(Si)が加熱され溶融される。融液5の温度が安定化すると、引上げ機構4が動作し融液5からシリコン単結晶10(シリコン単結晶)が引き上げられる。すなわち引上げ軸4aが降下され引上げ軸4aの先端のシードチャック4cに把持された種結晶14が融液5に着液される。種結晶14を融液5になじませた後引上げ軸4aが上昇する。シードチャック4cに把持された種結晶14が上昇するに応じてシリコン単結晶10が成長する。
引上げの際、石英るつぼ3は回転軸15によって回転する。また引上げ機構4の引上げ軸4aは回転軸15と逆方向にあるいは同方向に回転する。
回転軸15は鉛直方向に駆動することができ、石英るつぼ3を上下動させ任意のるつぼ位置に移動させることができる。
CZ炉2内と外気を遮断することで炉2内は真空(たとえば数十Torr程度)に維持される。すなわちCZ炉2には不活性ガスとしてのアルゴンガス7が供給され、CZ炉2の排気口からポンプによって排気される。これにより炉2内は所定の圧力に減圧される。
単結晶引上げのプロセス(1バッチ)の間で、CZ炉2内には種々の蒸発物が発生する。そこでCZ炉2にアルゴンガス7を供給してCZ炉2外に蒸発物とともに排気してCZ炉2内から蒸発物を除去しクリーンにしている。アルゴンガス7の供給流量は1バッチ中の各工程ごとに設定する。
シリコン単結晶10の引上げに伴い融液5が減少する。融液5の減少に伴い融液5と石英るつぼ3との接触面積が変化し石英るつぼ3からの酸素溶解量が変化する。この変化が、引き上げられるシリコン単結晶10中の酸素濃度分布に影響を与える。
石英るつぼ3の上方にあって、シリコン単結晶10の周囲には、熱遮蔽板8(ガス整流筒)が設けられている。熱遮蔽板8は、CZ炉2内に上方より供給されるキャリアガスとしてのアルゴンガス7を、融液表面5aの中央に導き、さらに融液表面5aを通過させて融液表面5aの周縁部に導く。そして、アルゴンガス7は、融液5から蒸発したガスとともに、CZ炉2の下部に設けた排気口から排出される。このため液面上のガス流速を安定化することができ、融液5から蒸発する酸素を安定な状態に保つことができる。
また熱遮蔽板8は、種結晶14および種結晶14により成長されるシリコン単結晶10を、石英るつぼ3、融液5、ヒータ9などの高温部で発生する輻射熱から、断熱、遮蔽する。また熱遮蔽板8は、シリコン単結晶10に、炉内で発生した不純物(たとえばシリコン酸化物)等が付着して、単結晶育成を阻害することを防止する。熱遮蔽板8の下端と融液表面5aとのギャップD1の大きさは、回転軸15を上昇下降させ、石英るつぼ3の上下方向位置を変化させることで調整することができる。また熱遮蔽板8を昇降装置により上下方向に移動させてギャップDを調整してもよい。
融液5から引き上げられるシリコン単結晶10の周囲には、クーラ20を配置されている。クーラ20は、熱遮蔽板8の内側に配置されている。クーラ20は、シリコン単結晶10を冷却しつつシリコン単結晶10を引き上げ成長させるために設けられている。
本実施例では、水冷型のクーラ20がCZ炉2内に配置される場合を想定する。
クーラ20は、シリコン単結晶10を冷却し、シリコン単結晶10が固化する際に凝固潜熱を吸熱するように作用する。このためクーラ10の設置により、シリコン単結晶10の冷却速度CR(℃/min)を高めシリコン単結晶10が成長する時間を大幅に短縮することができる。また、シリコン単結晶10の成長時間の短縮は、シリコン融液5からの蒸発物による炉内環境の悪化や、石英るつぼ3の劣化による単結晶崩れを抑制できる。このためシリコン単結晶10の成長速度Vの高速化を図ることによって、シリコン単結晶10の生産性を向上させることができる。
本実施例では、磁場印加引上げ法(MCZ法)によってシリコン単結晶10が引き上げられる場合を想定する。なお、MCZ法は、CZ法の一形態である。
すなわち、MCZ法では、たとえばCZ炉2の周囲に、磁石30が配置される。これにより石英るつぼ3内の融液5に対して、水平磁場(横磁場)が印加される。融液5に水平磁場が印加されると、石英るつぼ3内での融液5の対流が抑制され、安定した結晶成長が行なわれる。また、融液5に磁場が印加されることでシリコン単結晶10と融液5との間の固液界面の形状を所望する形に安定化されて、冷却速度CRを安定して高めることができる。なお、水平磁場の代わりにカスプ磁場を印加してもよい。
そこで、本実施例では、R-OSFが非顕在化する条件として、シリコン単結晶10中の酸素濃度Oi(×1017cm−3 OLD ASTM)と、シリコン単結晶10の冷却速度CR(℃/min)との間に、一定の関係が成立するのではないかと考え、実験を行なった。その結果、図3に示す実験結果が得られた。
図3の横軸は、シリコン単結晶10の酸素濃度Oi(×1017cm−3 OLD ASTM)であり、縦軸は、シリコン単結晶10の1050℃から980℃までの温度域の冷却速度CR(℃/min)である。
シリコン単結晶10の酸素濃度Oiは、シリコン単結晶10の引上げ中に、るつぼ回転数、引上げ軸回転数、アルゴンガス流量、炉内圧等を調整することによって、制御することができる。
シリコン単結晶10の冷却速度CRは、熱遮蔽板8の下端と融液表面5aとのギャップD、引上げ軸4aの引上げ速度V、クーラ20の設置位置、クーラ20の吸熱量、水平磁場の強度等を調整することによって、制御することができる。
ここで、「R-OSFが非顕在化する」とは、たとえ図1(a)の欠陥分布領域でR-OSF領域にあってOSFの核がシリコン単結晶10中に存在したとしても、その後、OSFリング発生の有無を確認する熱酸化処理をしたときに、OSFの核は、OSFリング(R-OSF)として顕在化せず、デバイスの性能に影響を与えない、事実上の無欠陥として扱うことができることをいう。
R-OSF部のR-OSFの検出は、検査試料ウエーハに1100℃×2時間の酸化熱処理を施した後に、欠陥検出のための選択エッチングであるライトエッチングを施して光学顕微鏡にてOSF観察を行なうことにより行なった。また、R-OSFにおけるOSFの顕在化および非顕在化の判断は、光学顕微鏡の1視野(1mm×1mm)の領域内に観察されるOSFの個数が3個以下、つまり面密度が300個/cm2の場合を非顕在化できているものと判断した。
実験は、シリコン単結晶10の直胴部の直径が200mmの場合と、300mmの場合のそれぞれについて行った。比較例として、直径300mmのシリコン単結晶10を製造するときには、図2の単結晶引き上げ装置1において、クーラ20が設置されていない構成のものと対比した。
同図3では、「R-OSFが非顕在化した」点に黒丸印をプロットし、「R-OSFが顕在化した」点に×印をプロットしている。また、直径300mmのシリコン単結晶10をクーラ20を設置しクーラ20の高さを変えて引き上げたときの実験結果を、点P1、P2で示し、直径300mmのシリコン単結晶10をクーラ20を設置しないで引き上げたときの実験結果を、点P3で示している。直径300mmのシリコン単結晶10についての各プロット点P1、P2、P3の具体的な数値を、実験の条件と併せて図4に表として示す。図4の表中、D1は、熱遮蔽板8の下端と融液表面5aとのギャップの大きさであり、D2は、クーラ20の下端から熱遮蔽板8の下端板8aの上面までの距離である(図2参照)。
同図3、4から明らかなように、従来にあっては、R-OSF部でOSFが顕在化してしまうため、無欠陥状態で結晶が成長可能な成長速度許容幅は、僅かに0.007mm/minしかなく安定成長が困難であった。しかし、本発明によれば、クーラ20の設置と磁場の印加の効果によりR−OSFの非顕在化ができたので成長速度幅を3倍に拡げることが可能となった。
同図3から明らかなように、R-OSFの非顕在化と顕在化の境界のライン(しきい値)は、
CR=0.18〔Oi〕−1.53
という1次関数で表され、R-OSFが非顕在化する領域は、
CR>0.18〔Oi〕−1.53 …(1)
となることがわかった。すなわち、上記(1)式が得られるように酸素濃度Oi、冷却速度CRを調整してシリコン単結晶10を引き上げれば、R-OSFは確実に非顕在化できるということがわかった。
また、図3において、従来技術で「R-OSFを非顕在化できる」とする条件範囲、つまり「酸素濃度が24ppma未満、つまり12×1017(cm−3 OLD ASTM)未満」であり、「冷却速度CRが1.43(℃/min)以上」である各条件を、比較のために斜線部にて示している。本実施例の領域(CR>0.18〔Oi〕−1.53)は、従来技術の領域(斜線部)と比較して、特に酸素濃度Oiがより高濃度に広がり、広範な範囲に拡大されていることがわかる。
なお、本実験では、クーラ20を設置しないで直径300mmのシリコン単結晶10を引き上げたとき(点P3)には、冷却し難くなったため、R-OSFは顕在化するという結果を得ている。しかしながら、クーラ20が設置されていない場合であっても、冷却速度CRを高めるように他の条件を調整すれば、R-OSFは非顕在化するという結果になるものと推測される。
以上のように本実施例によれば、上記(1)式(CR>0.18〔Oi〕−1.53)に示すごとく、酸素濃度Oiと冷却速度CRに関して、R-OSFを非顕在化できる条件が明確なものとなった。これにより、上記(1)式が得られるように酸素濃度Oi、冷却速度CRを調整してシリコン単結晶10を引き上げれば、R-OSFを確実に非顕在化することができる。
また、従来技術と比較して、酸素濃度Oiと冷却速度CRの条件範囲が、より広範な条件範囲に拡大された。
以上のように本実施例によれば、図1(a)に示すように、R−OSF領域に入るようにシリコン単結晶10を引上げた場合にR-OSFを非顕在化することができる。このため、シリコン単結晶10を「無欠陥」とすることができる成長速度許容幅ΔVRを広くとれる(図1(b))。そして、R-OSFを非顕在化するための酸素濃度Oiと冷却速度CRの条件範囲は、図3に示すごとく従来技術に比して正確かつ広範なものとなる。このため本実施例によれば、無欠陥のシリコン単結晶を安定して歩留まり製造できるようになり生産性が飛躍的に向上する。
なお、実施例では、水冷型のクーラを想定して説明したが、クーラに用いる冷却媒体は任意であり、シリコン単結晶10から放熱された熱を吸熱してシリコン単結晶10を冷却することができる熱交換器であればよい。
なお、実施例では、半導体単結晶としてシリコン単結晶を製造する場合を想定して説明したが、本発明は、ガリウム砒素などの化合物半導体を製造する場合にも同様にして適用することができる。
図1(a)、(b)は、成長速度と結晶内内(シリコン単結晶面内(シリコンウェーハ面内)の欠陥分布との関係の一例を示した図である。 図2は、実施形態の単結晶引上げ装置の構成を概略的に示す図である。 図3は、R-OSFが非顕在化する条件として、シリコン単結晶中の酸素濃度と、シリコン単結晶の冷却速度との間に成立する関係を示した図である。
符号の説明
1 シリコン単結晶製造装置、 2 CZ炉、10 シリコン単結晶、20 クーラ 30 磁石

Claims (5)

  1. CZ法により半導体単結晶を引上げ成長させて半導体単結晶を製造する半導体単結晶の製造方法において、
    R-OSF領域を含む条件で半導体単結晶を引上げ成長させるに際して、
    半導体単結晶の酸素濃度をOi(×1017cm−3 OLD ASTM)、半導体単結晶の1050℃から980℃までの温度域の冷却速度をCR(℃/min)としたとき、
    CR>0.18〔Oi〕−1.53
    (ただし、前記酸素濃度Oiが12(×10 17 cm −3 OLD ASTM)未満となる範囲、前記酸素濃度Oiが13.5(×10 17 cm −3 OLD ASTM)以下であって、かつ前記冷却速度CRが1.43(℃/min)以上となる範囲を除く)
    が得られるように酸素濃度Oiおよび冷却速度CRを調整して、OSFの核が、OSFリングとして顕在化しない無欠陥の半導体単結晶を引き上げること
    を特徴とする半導体単結晶の製造方法。
  2. 前記冷却速度CRを、融液に印加する磁場を調整することによって制御すること
    を特徴とする請求項1記載の半導体単結晶の製造方法。
  3. 融液から引き上げられる半導体単結晶の周囲にクーラを配置して、
    前記冷却速度CRを、前記クーラの設置位置、前記クーラの吸熱量を調整することによって制御すること
    を特徴とする請求項1または2記載の半導体単結晶の製造方法。
  4. 前記冷却速度CRを、熱遮蔽板の下端と融液表面とのギャップまたは引上げ軸の引上げ速度を調整することによって制御すること
    を特徴とする請求項1から3に記載の半導体単結晶の製造方法。
  5. 前記酸素濃度Oiを、前記半導体単結晶の引き上げ中に、るつぼ回転数または引上げ軸回転数またはアルゴンガス流量または炉内圧を調整することによって制御すること
    を特徴とする請求項1から4に記載の半導体単結晶の製造方法。
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