JP2001261482A - 単結晶育成方法 - Google Patents

単結晶育成方法

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JP2001261482A JP2000072744A JP2000072744A JP2001261482A JP 2001261482 A JP2001261482 A JP 2001261482A JP 2000072744 A JP2000072744 A JP 2000072744A JP 2000072744 A JP2000072744 A JP 2000072744A JP 2001261482 A JP2001261482 A JP 2001261482A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転位クラスタ欠陥がないウエーハを採取でき
る、高品質な単結晶の育成方法を提供する。 【解決手段】 CZ法により単結晶9を育成する。溶融
液8から単結晶8を引き上げるときの引き上げ速度を、
OSFリング11が単結晶外周部より内側に生じるか、
もしくは中心部で消滅する低速度とする。坩堝3の周囲
を加熱する上下方向に複数分割されたヒータ4a、4b
を配設し、これらヒータの出力を調整して単結晶温度が
1300℃以上の高温部分における引き上げ軸方向の温
度勾配を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CZ法(チョクラ
ルスキー法)により単結晶を育成する単結晶育成方法に
関し、更に詳しくは、OSFリングが引き上げ単結晶の
最外周部より内側に生じるか若しくは中心部で消滅する
低速引き上げ条件で実施される単結晶育成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造に使用されるシリ
コンウエーハは、主にCZ法により育成された単結晶か
ら採取される。CZ法とは、周知の如く、石英坩堝内に
収容されたシリコンの原料融液に種結晶を漬け、種結晶
及び石英坩堝を逆方向に回転させながら種結晶を引き上
げることにより、その下にシリコンの単結晶を育成する
方法である。
【0003】このようなCZ法による育成プロセスを経
て製造されたシリコンウエーハは、熱酸化処理を受けた
ときに、OSF(Oxidation induced Stacking Fault)リ
ングと呼ばれるリング状の酸化誘起積層欠陥を生じるこ
とが知られている。OSFリングはそれ自体が半導体素
子の特性を劣化させる原因になるだけではなく、リング
の外側と内側では物性が異なり、OSFリングの外側に
は格子間シリコン原子の凝集が原因とされる転位クラス
タが発生するが、OSFリングの内側は比較的健全とさ
れている。一方、このOSFリングについては、引き上
げ速度が速くなるに連れて単結晶の外周側へ移動するこ
とが知られている。
【0004】このような事情から、これまでは、OSF
リングが、デバイス形成の際に有効部から除外される単
結晶の最外周部に分布するような高速引き上げ条件で単
結晶の育成が行われている。
【0005】最近、デバイス製造工程が低温化し、高温
処理で発生しやすいOSFリングの悪影響が低減されて
きたこと、および単結晶が低酸素化してきたこともあっ
て、OSFリングは、デバイス特性を劣化させる因子と
して、それほど大きな問題にはならなくなってきてい
る。しかし、OSFリングの内側にも問題がないわけで
はない。この部分には空孔の凝集が原因とされる空孔ク
ラスタが発生している。この欠陥は、赤外線散乱体(C
OP、FPD)とも呼ばれ、ウエーハ表面をエッチング
すると小さなピットとなって現れるが、非常にサイズが
小さいため、これまでは特に問題視されることはなかっ
た。しかし、近年の著しい集積度の増大に伴ってパター
ン幅が非常に微細化したため、高グレードの単結晶では
この空孔クラスタさえも問題になり、酸化膜耐圧特性を
低下させる因子としてその低減が望まれている。
【0006】この空孔クラスタは、ウエーハ上にシリコ
ン単結晶の薄膜を成長させた所謂エピタキシャルウエー
ハには殆ど発生しないが、このウエーハは非常に高価で
あるため、CZ法による単結晶の引き上げで空孔クラス
タの少ない単結晶を育成することが要求されるようにな
り、この観点から、高グレードの単結晶育成では、これ
までとは逆に引き上げ速度を遅くし、OSFリングを引
き上げ単結晶の最外周部より内側に発生させて欠陥部分
を中心部に集中させるか、若しくは中心部で消滅させて
歩留まりの改善を図る低速引き上げ法が採用されつつあ
る。
【0007】しかしながら、この低速引き上げでは、O
SFリングの外側に発生する転位クラスタを少なくする
ことが必要である。なぜなら、OSFリングを結晶中心
部に発生させて空孔クラスタの発生領域を抑制しても、
その外側の転位クラスタが放置されたままであると、デ
バイス特性を著しく劣化させてしまうため、高い品質は
確保されないからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記問題を解決する手
段として、例えば、特開平8-330316号公報では、単結晶
育成時の引き上げ速度と結晶内の温度勾配を制御するこ
とにより、転位クラスタを結晶外周部に発生させること
なく、OSFリングの外側領域の無欠陥部分を全面に広
げる方法の発明が提示されている。しかし、この方法は
非常に限られた育成条件、すなわち極めて狭く限定され
た面内の温度勾配と引き上げ条件とを要求されるため、
引き上げ炉内のホットゾーン構造に大きく支配され、同
一の引き上げ炉を使用したとしても、操業過程でホット
ゾーンを構成する炭素部材が経時変化した場合、一定品
質の単結晶を育成することが困難であり、大径化し大量
生産を要求される製造現場では採用困難である。
【0009】また、特開平11-199383号公報では、低速
引き上げ条件において、結晶温度が1300℃以上の高
温部分で、結晶外周部の温度勾配を結晶中心部の温度勾
配の±0.3℃/mm以下に抑制することで、OSFリ
ングの外側での転位クラスタの発生が抑制できることが
開示されている。
【0010】確かに、この方法によれば、単結晶外周部
が加熱されることにより、外周部の引き上げ軸方向の温
度勾配が小さくなることから、空孔クラスタの基となる
空孔の外周部への拡散による消失が抑制され、この空孔
と転位クラスタの基となる格子間シリコン原子の数がバ
ランスし、互いに合体・消滅することで、OSFリング
の外側での転位クラスタの発生を抑制することができ
る。
【0011】しかし、この方法で具体的に採用される手
段は、坩堝内の融液面の位置をヒータの上端位置よりも
相当下方に位置させることにより、単結晶外周部にヒー
タの熱が多く当たるようにして外周部の温度勾配を小さ
くするものであることから、融液面位置や坩堝上端位置
よりも上方に突出するヒータ部分が必然的に多くなって
しまう。このため、1300℃以下の単結晶部分も積極
的に加熱されてしまうため、単結晶が高温に曝される時
間が長くなってチャンバーからの不純物汚染を招き、こ
れから製造されるウエーハはライフタイムが低いという
問題がある。また、坩堝上端よりも突出するヒータ部分
が多くなることから、融液中へのヒータからの炭素汚染
が懸念される。
【0012】一方、本発明者の実験では単結晶の育成条
件によっては、転位クラスタは単結晶の外周部に発生せ
ず、単結晶の中心部に発生する場合があることを新たに
知見した。詳細は後述するが、近年、単結晶径方向の面
内不純物濃度の均一化を図るために、坩堝内の溶融液に
水平磁場を印加した単結晶の育成方法が採用されてい
る。この水平磁場を印加した単結晶の育成方法にあって
は、融液に印加する磁場強度や単結晶外周部の温度勾配
によっては、OSFリングの内側において転位クラスタ
が発生するという問題があることが判明した。
【0013】本発明の目的は、低速引き上げにより空孔
クラスタ発生領域を結晶中心部に集中あるいは消滅させ
たときに問題となる単結晶外周部での転位クラスタの発
生、および、ある種の水平磁場を印可した場合に問題と
なる単結晶中心部での転位クラスタの発生を効果的に抑
制することができる単結晶育成方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】ところで、特開平9-2634
84号では、坩堝を加熱するヒータが上下方向に複数設け
られている装置を用いて、坩堝内の溶融液の表面高さを
最上ヒータの加熱領域内に保持しながら単結晶を育成す
る方法が提案され、単結晶引き上げ中の全ヒータの出力
に対する最上ヒータの出力比率を高めることで、単結晶
中の酸素濃度を制御できることが報告されている。
【0015】この方法によれば、坩堝底部からの酸素溶
出量を制御でき、単結晶中の酸素濃度を低くすることが
できため、酸素濃度制御において有効な技術ではあるも
のの、単結晶内に発生する空孔や転位クラスタなどの欠
陥を低減する対策については何も示されていない。
【0016】本発明者は、前述したOSFリングが引き
上げ結晶の最外周部より内側に生じるか若しくは中心部
で消滅する低速引き上げ条件で単結晶を育成した場合に
問題となる単結晶内に発生する転位クラスタは、坩堝内
溶融液への加熱分布を上下方向で変化させることで、そ
の発生を自由に抑制できることを知見した。
【0017】本発明は、上記の知見に基づきなされたも
のであり、本発明の単結晶育成方法は、CZ法を用い、
且つOSFリングが引き上げ結晶の最外周部より内側に
生じるか若しくは中心部で消滅する低速引き上げ条件で
単結晶を育成する単結晶育成方法において、坩堝の周囲
を加熱する上下方向に複数分割されたヒータを配設し、
これらヒータの出力を調整して単結晶温度が1300℃
以上の高温部分における引き上げ軸方向の温度勾配を制
御することを特徴とするものである。
【0018】本発明の単結晶育成方法では、坩堝の周囲
に、例えば、上下に2分割した上部ヒータと下部ヒータ
を設けてこれらの出力を調整することで、単結晶温度が
1300℃以上の高温部分への局所的な加熱コントロー
ルが実現できる。しかも、単結晶育成装置内に配置され
るホットゾーン構造や採用される引き上げ速度が種々異
なるものであっても、その単結晶育成条件に応じて、適
正な上部ヒータおよび下部ヒータの出力比率を選択すれ
ば、確実に転位クラスタの発生を防止することができ
る。さらに、上部ヒータは坩堝上端位置よりも上方に位
置する部分が少ないことから、特開平11-199383号公報
で問題となるようなライフタイムの低下あるいは炭素汚
染などの問題は生じない。
【0019】本発明の単結晶育成方法では、坩堝の周囲
を加熱するヒータは少なくとも2分割以上され、その出
力をそれぞれ制御できるものでなければならないが、制
御コントロール操作性の観点からは、上下方向に4分割
されたヒータ使用までに留めることが望ましい。
【0020】本発明の単結晶育成方法にあっては、坩堝
底部を加熱する底部ヒータを設けて、その出力を調整す
ることが望ましい。これにより、より木目細やかな温度
分布を形成することができるとともに、OSFリング内
側での転位クラスタの発生を抑制することができる。ま
た、原料溶解時においても底部ヒータの使用により原料
を短時間で溶解できるという効果も奏する。
【0021】本発明の単結晶育成方法にあっては、単結
晶温度が1300℃以上の高温部分における、単結晶外
周部の引き上げ軸方向の温度勾配をGeとし、単結晶中
心部の引き上げ軸方向の温度勾配をGcとしたとき、G
c−Ge=±0.4℃/mm以下になるように、上部ヒ
ータおよび下部ヒータの出力を制御することが望まし
い。温度差が±0.4℃/mmを超えると、OSFリン
グの外側あるいは内側に転位クラスタが発生してしま
う。
【0022】本発明の単結晶育成方法では、使用する単
結晶育成装置や採用される引き上げ速度が、Gc−Ge
=±0.4℃/mm以下を満足しない育成条件であって
も、OSFリングの外側に転位クラスタが発生する育成
条件の場合に、最上部ヒータの出力を増大させることで
これを回避し、OSFリングの内側に転位クラスタが発
生する場合に、下部ヒータの出力を増大させることでこ
れを回避することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係わる単
結晶育成方法の説明図である。
【0024】単結晶育成装置は、メインチャンバ1と、
その上面中心部に連結されたブルチャンバ2とを備えて
いる。これらは、軸方向を垂直とした略円筒状の真空容
器からなり、図示されない水冷機構を有している。メイ
ンチャンバ1の内部には、略中央に位置して坩堝3が配
置されると共に、坩堝3の外側に位置してヒータ4およ
び断熱材5が配置されている。このヒータ4は、坩堝3
の周囲を加熱する上下2段に分割された円筒状の上部ヒ
ータ4a、下部ヒータ4bと、坩堝3底部を加熱するド
ーナッツ状の底部ヒータ4cから構成され、これらヒー
タ4a,4b,4cはそれぞれ独立にヒータ出力を調整
できるように構成されている。
【0025】坩堝3は石英製の内層容器と黒鉛製の外層
容器とからなり、回転式かつ昇降式の引き上げ軸7がプ
ルチャンバ2を通して吊り下げられている。
【0026】単結晶育成を行うには先ず、チャンバを解
体した状態で、坩堝3内にシリコンの多結晶原料を装填
する。次いでチャンバを組み立て、その内部を真空排気
した状態でヒータ4を作動させて、坩堝3内の原料を溶
解し、シリコンの原料融液8を得る。その後、坩堝3を
上昇させてその上端が上部ヒータ4aの上端位置を超え
ない高さに位置させて、原料融液8に引き上げ軸7の下
端に装着された種結晶を浸漬し、この状態から坩堝3と
引き上げ軸7を逆方向に回転させながら引き上げ軸7を
上昇させる。これにより種結晶の下端にシリコンの単結
晶9が育成される。
【0027】単結晶9の引き上げに伴って原料融液8の
量が減少し融液面レベルが低下するため、坩堝3を上昇
させて上部ヒータ4aの設置位置に対して原料融液8の
融液面レベルを一定に維持しながら単結晶9を育成す
る。引き上げられた単結晶9は、その外周囲を囲繞する
ように設けられた逆円錐台形状の輻射スクリーン10に
より、引き上げ軸方向に適度な温度勾配が付与されてい
る。ここにおける引き上げ速度は、OSFリングが単結
晶の最外周部より内側に生じるか若しくは中心部で消滅
する低速度とされる。
【0028】この装置を使用して、上部ヒータ4aの出
力を大きくすることにより、単結晶温度が1300℃以
上の高温部分を局所的に加熱することができ、高温部分
での単結晶外周部の温度勾配Geが小さくなり、中心部
の温度勾配Gcに対して、Gc−Ge=±0.4℃/m
m以下に制御され、OSFリングの外側での転位クラス
タの発生が抑制される。OSFリングの内側に転位クラ
スタが発生する育成条件においては、下部ヒータ4bあ
るいは底部ヒータ4cの出力を大きくすることで、OS
Fリングの内側での転位クラスタの発生が抑制される。
【0029】
【実施例】次に、本発明の実施例を示し、従来例と比較
することにより、本発明の効果を明らかにする。
【0030】〔実施例1〕上記の単結晶育成装置を使用
し、上部ヒータと下部ヒータとの出力比率を1:1に設
定(従来の長尺な単体ヒータの使用条件に相当)して、
8インチのシリコン単結晶の育成をおこなった。22イ
ンチの石英坩堝内に原料として多結晶シリコン100k
gを充填し、P型ドーパントとしてボロンを添加した。
装置内をアルゴン減圧の雰囲気とし、ヒータにより坩堝
内の多結晶シリコンを溶融した後、種結晶を溶融液に接
触させて引き上げ、所定のネック部、ショルダー部の形
成に移行して、所定のボディ直径に達した後、引き上げ
速度を連続的に徐々に低下させて、シリコン単結晶を育
成した。
【0031】次に、得られた単結晶を縦割り加工し、引
き上げ中心軸を含む断面に平行に厚さ約1.4mmのス
ライス片を採取し、引き上げ中心軸を含む断面に垂直に
厚さ約1.4mmのウエーハを切り出し、これらの試料
を16重量%の硝酸銅水溶液に浸漬して銅を付着させ、
900℃にて20分間加熱し冷却後、X線トポグラフ法
により欠陥分布を調査した。
【0032】図2は上記した欠陥分布の調査結果を模式
的に示したものである。図中(a)は、単結晶を縦割り
したときの引き上げ軸方向の欠陥分布を模式的に示すも
ので、引き上げ速度の低下に伴いOSFリング11の径
が収縮し、OSFリング11の内側に発生する空孔クラ
スタ12の領域が抑制され、OSFリング11のすぐ外
側には無欠陥領域13が形成された欠陥分布を示したも
のの、単結晶外周部において転位クラスタ14の発生領
域が上方に隆起した欠陥分布を示した。また、図中
(b)は、単結晶をA−A′で切断したときの単結晶面
内の欠陥分布を模式的に示すもので、OSFリング11
の内側に発生する空孔クラスタ12の領域が抑制された
単結晶部分において、単結晶外周部に転位クラスタ14
が顕著に発生した分布を示した。
【0033】このように、上部ヒータと下部ヒータとの
出力比率を1:1に設定して単結晶を育成した場合に
は、引き上げ速度を低下させて、空孔クラスタ12の領
域を縮小させた場合、その単結晶外周部において転位ク
ラスタ14が顕著に発生してしまうことがわかる。
【0034】〔実施例2〕上部ヒータと下部ヒータとの
出力比率を5:1に変更した以外は、全て実施例1で行
った育成条件と同一の条件で単結晶を育成した。得られ
た単結晶について実施例1で行った評価手段と同一の手
段により欠陥分布を調査した。
【0035】図3は実施例2で育成された単結晶中の欠
陥分布を模式的に示したものである。図中(a)は単結
晶を縦割りしたときの引き上げ軸方向の欠陥分布を示す
もので、引き上げ速度の低下に伴いOSFリング11の
径が収縮し、OSFリング11の内側に発生する空孔ク
ラスタ12の領域が抑制され、OSFリング11の外側
には無欠陥領域13が形成された欠陥分布を示し、単結
晶外周部において転位クラスタ14が発生しない欠陥分
布を示した。図中(b)は単結晶をA−A′で切断した
ときの単結晶面内の欠陥分布を示すもので、OSFリン
グ11の内側に発生する空孔クラスタ12の領域が抑制
された単結晶部分において、単結晶外周部に転位クラス
タ14が発生しない分布を示した。
【0036】これから明らかなように、上部ヒータの出
力を増大させ、単結晶温度が1300℃以上の高温部分
を局所的に加熱することにより、引き上げ速度の低下に
伴いOSFリング11の径が収縮し、OSFリング11
の内側に発生する空孔クラスタ12の領域が抑制された
場合でも、OSFリング11の外側に転位クラスタ14
が発生せず、無欠陥領域13を形成できることがわか
る。
【0037】なお、実施例1の育成条件において、上部
ヒータの上端部が坩堝の上端部を超える高さ位置に上部
ヒータ位置を変更して単結晶を育成した場合、実施例2
の図3とほぼ同様な欠陥分布を示し、単結晶外周部での
転位クラスタの発生が抑制されていることが確認された
が、得られた単結晶の再結合ライフタイム(比抵抗値1
0Ωcm、単結晶外周部より内側5mm)を測定したと
ころ、育成初期の単結晶部分において150μsecと
非常に低い値を示した。これに対し、実施例2で得られ
た単結晶のライフタイムは400μsecであり、ライ
フタイムの低下は全く見られなかった。
【0038】〔実施例3〕ボディ形成中に溶融液に0.
5テスラの水平磁場を印加した以外は、全て実施例2と
同一の育成条件(上部、下部ヒータ出力比率5:1)に
より、シリコン単結晶の育成を行った。得られた単結晶
について実施例1で行った評価手段と同一の手段により
欠陥分布を調査した。
【0039】図4は実施例3で育成された単結晶中の欠
陥分布を模式的に示したものである。図中(a)は、単
結晶を縦割りしたときの引き上げ軸方向の欠陥分布を示
すもので、単結晶外周部が積極的に加熱されていること
から、転位クラスタ14はOSFリング11の外側の領
域には発生しない欠陥分布を示したものの、転位クラス
タ14の発生領域が単結晶中心部において上方に隆起し
た分布状態を示した。図中(b)は単結晶をA−A′で
切断したときの単結晶面内の欠陥分布を示すもので、通
常は発生しないとされているOSFリング11の内側領
域に転位クラスタ14が発生することが確認された。
【0040】これは、水平磁場を印加した単結晶の育成
方法においては、もともと、単結晶と溶融液との固液界
面の形状が上凸形状となる傾向が非常に強いために、単
結晶中心部での温度勾配Gcを大きくする作用がある。
従って、印加する磁場強度および単結晶外周部への加熱
によっては、外周部の温度勾配Geよりも中心部の温度
勾配Gcが大きくなり過ぎて、転位クラスタが単結晶中
心部で発生したものと考えられる。
【0041】〔実施例4〕上部ヒータと下部ヒータとの
出力比率を1:2に変更した以外は、全て実施例3で行
った育成条件と同一の条件で単結晶を育成した。得られ
た単結晶について実施例1で行った評価手段と同一の手
段により欠陥分布を調査したところ、図3とほぼ同様な
欠陥分布を示し、結晶中心部での転位クラスタの発生を
抑制できることが確認された。これは下部ヒータの出力
を増加させて坩堝下方を加熱することにより、単結晶と
溶融液との固液界面の形状が上凸形状となる傾向が抑制
されたことによるものと推測される。
【0042】このように、本発明によれば、上部ヒータ
および下部ヒータの出力を調整することにより、単結晶
中に発生する転位クラスタの発生領域を自由に抑制する
ことができ、温度環境が異なる様々な単結晶育成装置で
あっても、確実に転位クラスタのない単結晶を育成する
ことができる。なお、直径が8インチの単結晶について
のみ、ここでは説明したが、本発明は原理的にはより径
の大きい結晶(例えば、直径12インチ以上)について
も有効である。
【0043】
【本発明の効果】本発明の単結晶育成方法は、空孔クラ
スタの発生領域を狭めるために低速引き上げを行った場
合に問題となる転位クラスタの発生を抑え、これにより
欠陥の少ない高品質ウエーハの製造を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る単結晶育成装置を模
式的に示した断面図である。
【図2】上部ヒータと下部ヒータの出力比率を一定にし
て育成された単結晶中の欠陥分布を示すものであり、図
中(a)は単結晶育成時における引き上げ速度と欠陥の
発生位置との関係を示した模式図であり、図中(b)は
単結晶面内の欠陥分布を示した模式図である。
【図3】上部ヒータの出力を大きくして育成された単結
晶中の欠陥分布を示すものであり、図中(a)は単結晶
育成時における引き上げ速度と欠陥の発生位置との関係
を示した模式図であり、図中(b)は単結晶面内の欠陥
分布を示した模式図である。
【図4】水平磁場を融液に印加して育成された単結晶中
の欠陥分布を示すものであり、図中(a)は単結晶育成
時における引き上げ速度と欠陥の発生位置との関係を示
した模式図であり、図中(b)は単結晶面内の欠陥分布
を示した模式図である。
【符号の説明】
1 メインチャンバ 2 プルチャンバ 3 坩堝 4 ヒータ 4a 上部ヒータ 4b 下部ヒータ 4c 底部ヒータ 5 断熱材 6 坩堝昇降軸 7 引き上げ軸 8 溶融液 9 単結晶 10 輻射スクリーン 11 OSFリング 12 空孔クラスタ 13 無欠陥領域 14 転位クラスタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CZ法を用い、且つOSFリングが引き
    上げ結晶の最外周部より内側に生じるか若しくは中心部
    で消滅する低速引き上げ条件で単結晶を育成する単結晶
    育成方法において、坩堝の周囲を加熱する上下方向に複
    数分割されたヒータを配設し、これらヒータの出力を調
    整して単結晶温度が1300℃以上の高温部分における
    引き上げ軸方向の温度勾配を制御することを特徴とする
    単結晶育成方法。
  2. 【請求項2】 坩堝の底部を加熱するヒータを配設して
    その出力を調整することを特徴とする請求項1に記載の
    単結晶育成方法。
  3. 【請求項3】 単結晶温度が1300℃以上の高温部分
    における、単結晶外周部の引き上げ軸方向の温度勾配を
    Geとし、単結晶中心部の引き上げ軸方向の温度勾配を
    Gcとしたとき、Gc−Ge=±0.4℃/mm以下に
    制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の単結晶育成方法。
  4. 【請求項4】 OSFリングの外側に転位クラスタが発
    生する場合に上部ヒータの出力を増大させ、OSFリン
    グの内側に転位クラスタが発生する場合に下部ヒータあ
    るいは底部ヒータの出力を増大させることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の単結晶育成方法。
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