JP4147606B2 - シリコンウエーハ及び結晶育成方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスの素材として使用されるシリコンウエーハ及びそのウエーハを製造するための結晶育成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造に使用されるシリコンウエーハは、主にCZ法により育成された単結晶から採取される。CZ法とは、周知の如く、石英坩堝内に収容されたシリコンの原料融液に種結晶を漬け、種結晶及び石英坩堝を逆方向に回転させながら種結晶を引き上げることにより、その下にシリコンの単結晶を育成する方法である。
【0003】
このようなCZ法による育成プロセスを経て製造されるシリコンウエーハでは、デバイスチップの集積度向上に伴うチップ面積の拡大により大径化が急速に進んでおり、現在12インチ結晶でのデバイスプロセスの実操業化が進められている。
【0004】
このウエーハの大径化により、デバイスの歩留りは上がるが、一方では強度の問題が以前にも増して重要になってきている。特に、デバイスプロセスにおける酸化膜付けなどの熱処理プロセスにおいては、シリコンウエーハの熱による降伏応力の低下やウエーハの自重による力、ウエーハ面内の温度不均一による熱応力などが組み合わさってスリップが発生するなどの問題がある。このスリップ発生は、ウエーハ径が増大するほど顕著になり、デバイスのウエーハ単位の歩留りを低下させる原因になることは周知のとおりである。
【0005】
大径ウエーハでのスリップの発生を防止するためには、熱処理条件やウエーハ保持方法などを改良し、応力の集中が起こらないようにすることが必要である。また、ウエーハそのものの強度を上げることも重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、応力集中を緩和する対策の場合、熱処理中のガス流れの問題やや熱処理炉の構造上の問題などがあり、決定的な対策は存在しないのが現状である。
【0007】
一方、ウエーハそのものの強度を上げる対策については、厚さを厚くするのが有効である他、酸素、炭素、B等の不純物が強度を向上させることが知られている。しかし、ウエーハの厚みを厚くする方法は、自重を増大させる問題と、単結晶インゴットから採取されるウエーハの歩留りを低下させる問題があるために、現実的な対策とは言えない。不純物の添加については、製品における不純物規格との関係や結晶欠陥の問題などにより添加量が厳しく制限されるために、これも又、決定的な解決策にはなり得ない。
【0008】
本発明の目的は、厚みを厚くすることなく、且つデバイスの電気的特性及び歩留りに悪影響を及ぼすことなく、高強度を確保することができるシリコンウエーハ及びそのウエーハを製造するための結晶育成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
ところで、CZ法による育成プロセスを経て製造されるシリコンウエーハでは、熱酸化処理を受けたときに、OSFリングと呼ばれるリング状の酸化誘起積層欠陥を生じることが知られている。OSFリングはそれ自体が半導体素子の特性を劣化させる原因になるだけでなく、リングの外側と内側では物性が異なり、OSFリングの外側には格子間原子の凝集が原因とされる転位クラスタが発生するが、OSFリングの内側は比較的健全とされている。一方、このOSFリングについては、引き上げ速度が速くなるに連れて単結晶の外周側へ移動することが知られている。
【0010】
このような事情から、これまでは、OSFリングが、デバイス形成の際に有効部から除外される結晶最外周部に分布するような高速引き上げ条件で単結晶の育成が行われている。
【0011】
しかし、OSFリングの内側にも問題がないわけではない。この部分には空孔の凝集が原因とされる空孔クラスタが発生している。この欠陥は、ウエーハの表面をエッチングすると小さなピットとなって現れるが、非常に小さなため、これまでは特に問題視されることはなかった。しかし、近年の著しい集積度の増大に伴ってパターン幅が非常に微細化したため、高グレードの単結晶ではこの空孔クラスタさえも問題になり始めた。
【0012】
この空孔クラスタは、ウエーハ上にシリコン単結晶の薄膜を成長させた所謂エピタキシャルウエーハには殆ど発生しないが、このウエーハは非常に高価であるため、CZ法による単結晶の引き上げで空孔クラスタの少ない結晶を育成することが要求されるようになり、この観点から、高グレードの結晶育成では、これまでとは逆に引き上げ速度を遅くし、OSFリングを引き上げ結晶の最外周部より内側に発生させて欠陥部分を中心部に集中させるか、若しくは中心部で消滅させて歩留りの改善を図る低速引き上げ法が考えられている。
【0013】
しかしながら、この低速引き上げでは、OSFリング外側での転位クラスタの発生を避けえない。そして、この転位クラスタは、デバイスでの有害欠陥になるおそれがある。このため、低速引き上げでは、OSFリングの外側に発生する転位クラスタを少なくすることが必要となる。
【0014】
本発明者らは、以前より低速引き上げでの転位クラスタの発生を抑える研究を続けており、その過程で転位クラスタ、特に微細な転位クラスタは、デバイス特性に悪影響を及ぼすことなく、ウエーハの強度を効果的に高め得ることを知見し、本発明を完成させるに至った。以下に、この研究成果を説明する。
【0015】
CZ法による結晶育成では、育成結晶の固液界面に熱平衡濃度分だけ空孔と格子間シリコンが取り込まれる。このうち空孔は、引き上げ熱履歴中の温度勾配による坂道拡散により、温度の高い融液側へ移動して行く。また、結晶半径方向の温度分布と結晶表面の空孔の放出により、結晶表面では空孔は低濃度となる。これらのため、空孔の濃度は、温度勾配の小さい結晶中心部で高く、温度勾配の大きい外周部で低い分布となる。
【0016】
一方、高温部での格子間シリコンは、拡散係数が空孔のそれの1/100〜1/1000と低いため殆ど動かない。このため、格子間シリコンの濃度は、結晶半径方向で熱履歴によらずほぼ一定となり、ここに空孔と格子間シリコンの濃度差が結晶半径方向で生じる。通常の高速引き上げの場合の空孔濃度分布及び格子間シリコン濃度分布を図1(a)に示す。
【0017】
図1(a)から分かるように、空孔の濃度は結晶中心部ほど高くなるのに対し、格子間シリコン濃度は結晶半径方向で一定である。そして温度勾配の小さい結晶中心部では、空孔濃度が格子間シリコン濃度より大となり、その濃度差Bが大きくなると、空孔クラスタが発生する。一方、温度勾配の大きい結晶外周部では、格子間シリコン濃度が空孔濃度より大となり、その濃度差Aが大きくなると、転位クラスタが発生する。
【0018】
ここで引き上げ速度を低下させると、図1(b)に示すように、高温部の熱履歴が長くなって坂道拡散が促進されるため、空孔濃度が低下する。しかし、結晶半径方向の分布形態は変化しない。このため、結晶中心部では過剰な空孔が減少し、濃度差Bが小さくなるが、結晶外周部では過剰な格子間シリコンが増加し、濃度差Aは大きくなる。結果、結晶の外周から転位クラスタが発生し、その発生位置が通常の発生位置より中心側へ拡大する。
【0019】
このように、低速引き上げでは、OSFリング内側の空孔クラスタ発生域が中心部に狭まるが、その一方ではOSFリング外側での転位クラスタの発生が避けられない。しかも、低速の場合は結晶が徐冷され、転位クラスタの成長が促進されるために、転位クラスタは肥大する。このような巨大な転位クラスタはデバイスで有害な欠陥となる危険性が大きい。
【0020】
ところが、この転位クラスタも微細であればデバイスでは無害であり、しかも、その微細な転位クラスタは、一方でウエーハ強度を高める作用があり、その微細な転位クラスタが広範囲に分散したウエーハは、高い機械的強度を保有することが、本発明者らによる研究から判明した。これは、過剰な格子間シリコンが存在する単結晶ウエーハでは、その格子間シリコンにより微小転位ループが形成され、これが熱などの応力を吸収又は分散させるためと考えられる。
【0021】
そして、このような高強度のウエーハを製造するには、結晶育成工程で育成結晶の固液界面近傍を局所的に急冷して、高温部分での外周部と中心部の温度勾配差を0.5℃/mm以上とすること、及び結晶引き上げ速度をその最大速度の70%以下として、OSFリングを結晶径方向の1/2位置より内側に発生させることにより、OSFリング外側の転位クラスタ発生域を広げることが有効であるとの知見が得られた。
【0022】
即ち、育成結晶の固液界面近傍を局所的に急冷して、高温部分での外周部と中心部の温度勾配差を0.5℃/mm以上とすることにより、最大引き上げ速度が増大すると共に、結晶外周部に格子間シリコンを過剰に取り込まれ、しかも、その格子間シリコンの凝集が凍結され、微細な転位クラスタが形成される。そして、その増大した最大引き上げ速度に対し、引き上げ速度を70%以下に相対低下させることにより、OSFリングが結晶径方向の1/2位置より内側に発生し、ウエーハ面内の格子間シリコン過剰領域の面積がウエーハ全体の面積の3/4以上となることにより、高強度のウエーハが得られる。
【0023】
本発明のシリコンウエーハは、上記知見から導き出されたものであり、CZ法を用い、引き上げ速度を最大値の70%以下にしてOSFリングが結晶径方向の1/2位置より内側に生じるか若しくは結晶中心部で消滅させ、且つ育成中のシリコン単結晶の外周側に配置される逆錐状の熱遮蔽部材の厚みを下端部で厚くすることにより、熱遮蔽部材の下端部を通過するリコン単結晶の冷却速度を熱遮蔽部材の他の部分を通過するリコン単結晶の冷却速度より大きくして育成されたシリコンウエーハであり、且つ転位クラスタの平均粒度が100μm以下であることを構成上の特徴点とする。
【0024】
また、本発明の結晶育成方法は、CZ法を用いてシリコン単結晶を育成する結晶育成方法において、結晶温度が1300℃以上の高温部分で結晶外周部と結晶中心部の温度勾配差が0.5℃/mm以上となるように育成結晶の固液界面近傍を冷却し、且つ引き上げ速度を最大値の70%以下にしてOSFリングが結晶径方向の1/2位置より内側に生じるか、若しくは結晶中心部で消滅する、条件で引き上げを行うことを構成上の特徴点とする。
【0025】
転位クラスタの平均粒度とは、育成結晶から採取したウエーハをセコエッチでエッチングした場合に見られる複合ピットの長径の平均値のことである。この平均粒度が100μmを超えると、粗大な転位クラスタがスリップの起点等となり、ウエーハ強度が十分に向上しない。また、デバイスではその粗大な転位クラスタが有害欠陥となる。特に好ましい平均粒度は70μm以下である。平均粒度の下限は特に規定しないが、転位クラスタが余りに微細であると、強度向上効果が得られなくなるので、10μm以上が好ましい。
【0026】
結晶温度が1300℃以上の高温部分での結晶外周部と結晶中心部の温度勾配差については、これが0.5℃/mm未満の場合は、転位クラスタが十分に微細化されない。特に好ましい温度勾配差は0.6℃/mm以上である。
【0027】
育成結晶の固液界面近傍を局所的に急冷する方法としては、育成中のシリコン単結晶の外周側に配置される逆錐状の熱遮蔽部材の下端部での断熱性能を他の部分での断熱性能よりも強化するのが、簡便性、有効性の点から好ましい。即ち、CZ法による近年の結晶育成では、結晶引き上げ路の外側にコーンと呼ばれる逆錐状の熱遮蔽部材を配置し、引き上げ結晶に外側から入射する熱を途中で遮蔽して結晶の放熱を促進することにより、引き上げ速度を高めることが行われているが、この熱遮蔽部材の下端部での断熱性能を他の部分での断熱性能よりも強化することにより、引き上げ直後の結晶高温部表面への入射熱量が減少し、育成結晶の固液界面近傍が簡易かつ効果的に局所急冷される。
【0028】
OSFリングの発生位置については、これが結晶径方向の1/2位置より外側であると、リング外側の転位クラスタ発生域が狭まり、ウエーハ強度が十分に向上しない。また、リング内側の空孔クラスタ発生域が広がり、その空孔クラスタによる品質低下が問題になる。
【0029】
OSFリングを結晶径方向の1/2位置より内側に発生させるには、引き上げ速度を最大引き上げ速度の70%以下に低下させる。なお、最大引き上げ速度は、ここでは育成結晶の最大外径をDmaxとし最小外径をDminとしたとき、(Dmax−Dmin)/Dmin×100%で表される結晶変形率が2%以下となる最大引き上げ速度とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図2は本発明の実施形態に係る結晶育成方法の説明図である。
【0031】
結晶育成装置は、メインチャンバ1と、その上面中心部に連結されたプルチャンバ2とを備えている。これらは、軸方向を垂直とした略円筒状の真空容器からなり、図示されない水冷機構を有している。メインチャンバ1の内部には、略中央に位置して坩堝3が配置されると共に、坩堝3の外側に位置して円筒状のヒータ4及び保温材5が配置されている。また、坩堝3の上方にはコーンと呼ばれる逆錐状の熱遮蔽部材6が同心状に配置されている。
【0032】
坩堝3は石英製の内層容器と黒鉛製の外層容器とからなり、図示さない支持軸により回転可能かつ昇降可能に支持されている。坩堝3の上方には、回転式かつ昇降式の引き上げ軸7がプルチャンバ2を通して吊り下げられている。熱遮蔽部材6は、結晶温度が1300℃以上の高温部分で結晶外周部と結晶中心部の温度勾配差が0.3℃/mm以上となるように育成結晶の固液界面近傍を局所的に急冷するために、内部全体に断熱材が充填された通常構造の本体6aの下端部外面に別途断熱材6bを取り付けた構造になっている。
【0033】
結晶育成を行うには先ず、チャンバを解体した状態で、坩堝3内にシリコンの多結晶原料を装填する。次いで、チャンバを組み立て、その内部を真空排気した状態でヒータ4を作動させて、坩堝3内の原料を溶解する。
【0034】
このようにして、坩堝3内にシリコンの原料融液8が生成されると、引き上げ軸7の下端に装着された種結晶を原料融液8に浸漬し、この状態から坩堝3と引き上げ軸7を逆方向に回転させながら引き上げ軸7を上昇させる。これにより、種結晶の下方にシリコンの単結晶9が育成される。
【0035】
ここにおける引き上げ速度は、OSFリングが結晶径方向の1/2位置より内側に生じるか若しくは中心部で消滅するように、最大引き上げ速度の70%以下とされる。
【0036】
育成された単結晶9では、低速引き上げにより、OSFリングが小さくなり、空孔クラスタの発生領域が結晶中心に制限される。OSFリングの外側では転位クラスタが発生するものの、その転位クラスタは平均粒度が100μm以下に微細化されている。このため、単結晶9から採取されたウエーハは、高強度で有害欠陥の少ない高品質なものとなる。
【0037】
【実施例】
次に本発明の実施例を示し、従来例と比較することにより、本発明の効果を明らかにする。
【0038】
石英坩堝内にシリコンの多結晶原料を120kgチャージし溶解して生成した原料融液から、100方位の8インチ結晶を引き上げる際に、従来例として、従来どおりの熱遮蔽部材を使用した。熱遮蔽部材の下端から融液面までのギャップGは20mmとした。引き上げ速度は、OSFリングが結晶径方向の1/2位置に発生するように、最大引き上げ速度の70%とした。
【0039】
一方、本発明の実施例1として、上記熱遮蔽部材の下端部(下端から上方へ40mmの部分)の外面に全周にわたって断熱材を取り付け、この部分における断熱材の厚みを他の部分における断熱材の厚みの1.5倍にした。引き上げ速度は、OSFリングが結晶径方向の1/2位置に発生するように、最大引き上げ速度の70%とした。
【0040】
また、実施例2,3として、熱遮蔽部材の下端部における断熱材の厚みを他の部分における断熱材の厚みの2倍、2.5倍にした。引き上げ速度は、OSFリングが結晶径方向の1/2位置に発生するように、最大引き上げ速度の70%とした。
【0041】
他方、比較例として、引き上げ速度を最大引き上げ速度の80%とした。OSFリングは結晶外周から1/4位置に発生した。熱遮蔽部材は、実施例2と同様に、下端部における断熱材の厚みを他の部分における断熱材の厚みの2倍にした。
【0042】
各例での最大引き上げ速度、引き上げ速度、結晶温度が1300℃以上の高温部分での結晶外周部と結晶中心部の温度勾配差、育成結晶から採取した0.85mm厚のウエーハにおいて転位クラスタの平均粒度及び降伏応力を調査した結果を表1に示す。また、各例での転位クラスタの粒度分布を調査した結果を図3に示す。
【0043】
なお、高温部分での温度勾配差は伝熱シミュレーションによる計算及び炉内にシュミレータを配置しての温度測定により求めた。転位クラスタの粒度は育成結晶から採取したウエーハをセコエッチし、光学顕微鏡の倍率100倍でクラスタピット(複合ピット)の長径を測定することにより調査した。ウエーハの降伏応力は900℃における測定値である。
【0044】
比較例を除き、OSFリングは結晶径方向の1/2位置に発生し、リング外側には同じ広さに転位クラスタが発生したが、本発明の実施例1,2,3では育成結晶の高温部分が、温度勾配差が0.5℃/mm以上となるように局所急冷されたため、転位クラスタの平均粒度が100μm以下に微細化され、その結果、降伏強度が向上した。
【0045】
比較例では、育成結晶の高温部分が、温度勾配差が0.5℃/mm以上となるように局所急冷されたが、OSFリングがウエーハの外周近くに発生し、格子間シリコンが少なかったため、転位クラスタは発生せず、降伏強度は低かった。
【0046】
【表1】
Figure 0004147606
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のシリコンウエーハは、広い範囲に微細化した転位クラスタを有するので、高強度であり、しかも、有害欠陥が少なく高品質である。
【0048】
また、本発明の結晶育成方法は、高強度で有害欠陥の少ない高品質なシリコンウエーハを簡単かつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラスタの発生理由を説明するための濃度分布図である。
【図2】本発明の実施形態に係る結晶育成方法の説明図である。
【図3】転位クラスタの粒度分布を示す図表である。
【符号の説明】
1 メインチャンバ
2 プルチャンバ
3 坩堝
4 ヒータ
5 保温材
6 熱遮蔽部材
6a 本体
6b 断熱材
7 引き上げ軸
8 原料融液
9 単結晶

Claims (2)

  1. CZ法を用い、引き上げ速度を最大値の70%以下にしてOSFリングが結晶径方向の1/2位置より内側に生じるか若しくは結晶中心部で消滅させ、且つ育成中のシリコン単結晶の外周側に配置される逆錐状の熱遮蔽部材の厚みを下端部で厚くすることにより、熱遮蔽部材の下端部を通過するリコン単結晶の冷却速度を熱遮蔽部材の他の部分を通過するリコン単結晶の冷却速度より大きくして育成されたシリコンウエーハであり、
    且つ転位クラスタの平均粒度が100μm以下であることを特徴とするシリコンウエーハ。
  2. CZ法を用いてシリコン単結晶を育成する結晶育成方法において、結晶温度が1300℃以上の高温部分で結晶外周部と結晶中心部の温度勾配差が0.5℃/mm以上となるように育成結晶の固液界面近傍を冷却し、且つ引き上げ速度を最大値の70%以下にしてOSFリングが結晶径方向の1/2位置より内側に生じるか、若しくは結晶中心部で消滅する、条件で引き上げを行うことを特徴とする結晶育成方法。
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