JP4407188B2 - シリコンウェーハの製造方法およびシリコンウェーハ - Google Patents

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Description

本発明は、結晶方位<110>のシリコンウェーハを製造する方法および結晶方位<110>のシリコンウェーハに関する。
従来、シリコンウェーハはシリコン単結晶インゴットをスライス切断して製造される。シリコン単結晶インゴットの育成方法にはCZ(Czochralski:チョクラルスキー)法やFZ(Floating Zone:フローティングゾーン)法などがあり、FZ法はCZ法と比べて高純度の単結晶が得られる点で有利である。
図3はFZ法によるシリコン単結晶インゴットの育成の説明図である。まず先端を円錐状に加工した多結晶シリコン原料ロッド1を垂直に保持し、その下端近傍へ同軸的に、例えば一辺(または直径)が5mmのシリコン単結晶からなる角柱状(または円柱状)種結晶2の先端を配置し、多結晶シリコン原料ロッド1の下端を高周波誘導加熱コイル3により加熱溶融し、種結晶2をこの多結晶シリコン原料ロッド1の下端の溶融した部分に溶着した後、さらに種結晶2の上端を徐々に溶融し、熱平衡に達したのち、種結晶2からの単結晶成長に入る。このとき成長する結晶の方位は種結晶2の方位と同一となる。
ここで、種結晶2を多結晶シリコン原料ロッド1の下端の高温になっているシリコン溶融部に溶着させる際に生じる熱衝撃により、種結晶2に続いて結晶成長させる部分に高密度のスリップ転位が導入される。導入されたスリップ転位は育成する結晶の多結晶化を引き起こすので、このスリップ転位を消滅させるために、単結晶成長部の直径を例えば2〜3mmにまで絞って絞り部4を形成する、いわゆる種絞り(ネッキング)を行う。ネッキングを行うことにより絞り部4において転位が単結晶成長方向に対して外方に導かれて消滅する。そして、例えば長さ20mm以上の絞り部4を形成し転位を充分外方に導くことにより結晶成長部を無転位化した後、直径の拡径を開始する。
次に、結晶成長部の直径の拡径を開始してから所望の直径に到達するまで単結晶を逆円錐形に成長させてコーン部5を形成し、所望の直径に到達した後は所望の直径で一定になるように結晶成長速度や温度を制御しながら単結晶を育成し、いわゆる直胴部を形成する。以降、加熱コイル3を多結晶シリコン原料ロッド1に対して軸方向に相対的に上方へ移動させて溶融帯7を形成しながらシリコン単結晶インゴット6を育成し、溶融帯7が多結晶シリコン原料ロッド1の有効長の端部に到達したらシリコン単結晶インゴット6を切り離す。このようにして育成されたシリコン単結晶インゴット6は上記のようにネッキングにより無転位化されたものである。このネッキングはダッシュネッキング(Dash Necking)法として広く知られている。
図4はダッシュネッキング法による無転位化の様子を示すX線観察図である。これはFZ法による結晶軸が結晶方位<111>のシリコン単結晶インゴットの育成において、ダッシュネッキング法による無転位化を実施した際の、種結晶2´からコーン部5´にいたる結晶断面のX線観察図である。絞り部4´で黒い線状に見える部分がスリップ転位であり、絞り部4´を拡大した観察図によると、スリップ転位が結晶成長軸に対して外方に伝播して消滅する様子が観察できる。
従来、このようにCZ法またはFZ法により育成されるシリコン単結晶インゴットは結晶軸が結晶方位<100>や<111>のものが主であった。なぜなら、物理的性質や結晶成長あるいは半導体素子を製造する工程での優位性から、半導体素子の作製に結晶方位<100>や<111>のシリコンウェーハが主に用いられてきたからである。
図2は従来のFZ法によるシリコンウェーハの製造工程の一例を示す図である。まず、例えば結晶軸が結晶方位<111>ジャストアングルの種結晶を準備する。この種結晶を使用し、前述の方法でFZ法により結晶軸が結晶方位<111>ジャストアングルのシリコン単結晶インゴットを育成する。育成の際にダッシュネッキング法により無転位化する。次に育成したインゴットを円筒ブロック状に切断、外径研削した後にオリエンテーションフラットまたはオリエンテーションノッチ加工を施す。そしてこのインゴットを内周刃やワイヤーソー等の切断手段を用いてインゴットの結晶軸と直交する方向にスライス切断を行う。その後順次面取り工程、ラップ工程、エッチング工程、研磨工程を行い、所望の結晶方位<111>のシリコンウェーハが製造される。
前述のように半導体素子の作製には結晶方位<100>や<111>のシリコンウェーハが主に用いられてきたが、近年、半導体素子のキャリア移動度がウェーハの結晶方位に大きく依存することから、半導体素子の動作速度の高速化の要求に対して、結晶方位<110>のシリコンウェーハを用いるとキャリア移動度を大きくすることが可能で、例えばスイッチング速度等の半導体の動作速度の高速化が期待できるということが注目されてきており、その需要は高まりつつある。
しかし、CZ法やFZ法により結晶軸が結晶方位<110>ジャストのシリコン単結晶インゴットを育成するには課題があることが知られている。熱衝撃により結晶成長部に導入されるスリップ転位の伝播はその結晶系により決定されるが、シリコン単結晶の結晶格子構造はダイアモンド構造であるため、転位のすべり面(転位面)は原子の最密充填面である{111}、すべり方向、すなわち転位の伝播方向は最短の格子ベクトル方向である方位<110>である。
結晶軸が結晶方位<100>、<111>のシリコン単結晶インゴットでは、転位面は、インゴットを結晶軸と直交する方向にスライス切断したときのスライス面である結晶面に対して、それぞれ54.74度、70.53度の角度を有している。転位面と結晶面がこのような角度を有していれば、単結晶育成の際に結晶方位と単結晶成長方向を同じにしても、前述のように種結晶に発生した転位をダッシュネッキング法により単結晶成長方向から外方に導いて充分消滅させることができる。しかしながら、結晶軸が結晶方位<110>ジャストの単結晶を育成しようとすると、単結晶成長方向とスリップ転位の伝播方向が一致するため、ダッシュネッキングを行っても転位が絞り部で充分外方に導かれないので消滅が不十分となり、育成したインゴットに残留し多結晶化の原因となる。このように、結晶軸が結晶方位<110>のシリコン単結晶インゴットを育成する際にダッシュネッキング法を適用しても、無転位のシリコン単結晶インゴットを成功裏に得る事は極めて困難であった。
このため、特許文献1や非特許文献1及び2などでは、CZ法を用いて転位のない結晶方位<110>のシリコン単結晶ウェーハの育成を行う技術が開示されている。例えば、非特許文献1、2では、CZ法でシリコン単結晶を育成する際に、種絞り中に絞り部と拡径部を複数組だけ形成することにより転位のない結晶方位<110>のシリコン単結晶を育成する方法が開示されている。また、特許文献1では、CZ法でシリコン単結晶を育成する際に、種絞り中に磁場を印加しながら直径を2.0mm未満という細さにまで絞ることにより転位を消滅させる方法が開示されている。
CZ法においては、従来上述のような方法で結晶軸が結晶方位<110>のシリコン単結晶の育成が試みられている。一方、FZ法においては有効な方法が確立していないのが現状であった。従ってFZ法で結晶方位<110>のシリコンウェーハを得ようとする場合、従来法では結晶方位<110>の無転位化したシリコン単結晶の育成が困難であり、育成しても多結晶化が多発し無転位化の成功確率が低いため、歩留まり、生産性の両面において著しく低いものであった。
特開平9−165298号公報 Lawrence D.DYER "Dislocation−Free Czochralski Growth Of <110> Silicon Crystals",Journal of Crystal Growth vol.47(1979) pp.533−540. M.R.L.N. Murthy and J.J. Aubert "Growth Of Dislocation−Free Silicon Crystal In The <110> Direction For Use As Neutron Monochromators",Journal of Crystal Growth vol.52(1981) pp.391−395.
本発明は、上記の課題を解決し、FZ法によりダッシュネッキング法を用いて高い成功率で無転位化したシリコン単結晶インゴットから結晶方位<110>のシリコンウェーハを製造する方法および結晶方位<110>のシリコンウェーハを提供することを目的としている。
上記目的達成のため、本発明は、FZ法により育成されたシリコン単結晶インゴットから結晶方位<110>のシリコンウェーハを製造する方法であって、少なくとも、結晶軸を結晶方位<110>から所定角度だけ傾けた種結晶を用いてダッシュネッキング法により無転位化してFZシリコン単結晶インゴットを育成し、前記育成したFZシリコン単結晶インゴットを、結晶方位<110>のジャストアングルでスライス切断して結晶方位<110>のシリコンウェーハを製造することを特徴とするシリコンウェーハの製造方法を提供する。
このように、結晶軸を結晶方位<110>から所定角度だけ傾けた種結晶を用いれば、単結晶の成長方向も結晶方位<110>から所定角度だけ傾いたものとなるので、種結晶の溶着の際に熱衝撃により高密度に導入されるスリップ転位の伝播方向と単結晶の成長方向を異なる方向にすることが可能であり、従ってダッシュネッキング法により絞り部において転位を単結晶成長方向から外方に導いて消滅させることができ、容易かつ高成功率で無転位化したFZシリコン単結晶インゴットを育成できる。そして、前記育成したFZシリコン単結晶インゴットを前記所定角度に対応させて結晶方位<110>のジャストアングルでスライス切断すれば、結晶方位<110>のシリコンウェーハを容易に製造することができる。従って、高速半導体デバイスの作製に適した結晶方位<110>のシリコンウェーハの歩留まり、生産性を飛躍的に向上させることができる。
このとき、前記スライス切断した結晶方位<110>のシリコンウェーハに面取り加工を行い真円化することが好ましい。
このように結晶軸が結晶方位<110>から傾けたシリコン単結晶インゴットを結晶方位<110>ジャストアングルでスライス切断したシリコンウェーハは、スライス面も結晶軸に直交する面に対して傾いているため、わずかに楕円化している。このように楕円化したシリコンウェーハを面取り加工時に外周研削などにより真円化することによって、後工程でのシリコンウェーハの取り扱いを従来と同様に行うことができる。
また、前記種結晶を傾ける所定角度を1〜30度とすることが好ましい。
このように、種結晶を傾ける所定角度が1〜30度であれば、ダッシュネッキング法によるスリップ転位消滅の効果を充分に上げることができ、かつスライス切断したシリコンウェーハに対して外周研削を行って真円化する際の研削量が少なくできるので、シリコン単結晶材料のロスを少なくすることができる。
また、本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの製造方法により製造したものであることを特徴とする結晶方位<110>のシリコンウェーハを提供する。
このように製造された結晶方位<110>のシリコンウェーハは、結晶方位<110>でありかつダッシュネッキング法で容易かつ高成功率で無転位化されたものであり、歩留まりがよく生産性が高い、従って安価であるとともに高品質の高速半導体デバイスの作製に適するシリコンウェーハとなる。
本発明に従い、結晶軸を結晶方位<110>から所定角度だけ傾けた種結晶を用いれば、単結晶の成長方向も結晶方位<110>から所定角度だけ傾いたものとなるので、種結晶溶着の際に熱衝撃により高密度に導入されるスリップ転位の伝播方向と単結晶の成長方向を異なる方向にすることが可能であり、従ってダッシュネッキング法により転位を単結晶成長方向から外方に導いて消滅させることができ、容易かつ高成功率で無転位化したFZシリコン単結晶インゴットを育成できる。そして、前記育成したFZシリコン単結晶インゴットを前記所定角度に対応させて結晶方位<110>のジャストアングルでスライス切断すれば、結晶方位<110>のシリコンウェーハを容易に製造することができる。従って、高速半導体デバイスの作製に適した結晶方位<110>のシリコンウェーハの歩留まり、生産性を飛躍的に向上させることができる。
以下では、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前述したように、結晶軸が結晶方位<110>のシリコン単結晶インゴットを製造する際には、ダッシュネッキング法を適用しても、無転位のシリコン単結晶インゴットを得る事は極めて困難であった。CZ法においては従来前述のような方法で結晶軸が結晶方位<110>のシリコン単結晶の育成が試みられている。しかし、FZ法では単結晶育成の間、通常は60kg以上になる多結晶シリコン原料ロッドとシリコン単結晶インゴットの全重量を一辺5mm程度の細い種結晶およびそれに続く2〜3mm程度の絞り部で支えなければならない。CZ法における従来法のように絞り部を2mm未満と細くしたり種絞りの際に拡径部と絞り部を複数組形成すると、重量バランスがくずれたり絞り部の強度が不足するなどの問題が生じるため、CZ法で行われているような方法を適用することができない。このためFZ法においては有効な方法が確立していないのが現状であった。一度FZ法により育成したシリコン単結晶インゴットを材料にしてFZ法の育成工程を再度行いシリコン単結晶インゴットを無転位化することも考えられるが、それでも無転位化の成功確率は小さく、十分な歩留まりは得られなかった。従ってFZ法で結晶方位<110>のシリコンウェーハを得ようとする場合、従来法では結晶軸が結晶方位<110>の無転位化したシリコン単結晶の育成が困難であり、育成しても無転位化の成功確率が低いため、歩留まり、生産性の両面において著しく低いものであった。
これに対して本発明者らは、結晶軸を結晶方位<110>から所定角度だけ傾けた種結晶を用いてFZシリコン単結晶を育成すれば、スリップ転位の伝播方向と単結晶の成長方向を異なる方向にすることが可能であり、従ってダッシュネッキング法により絞り部で転位を単結晶成長方向から外方に導いて消滅させることができ、従って容易かつ高成功率で無転位化したFZシリコン単結晶インゴットが育成できることを見い出し、本発明を完成させたものである。
以下では、本発明の一例を図を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に従った結晶方位<110>のシリコンウェーハの製造工程の一例を示す図である。
まず、図1Aのように結晶軸を結晶方位<110>から傾けたシリコン単結晶からなる種結晶を準備する。この際、傾ける角度が小さすぎるとダッシュネッキング法による転位消滅の効果が小さくなり、傾ける角度が大きすぎると、後工程でスライス切断したシリコンウェーハを外周研削して真円化する際の研削量が多くなり、シリコン材料のロスが多くなるため、1〜30度とすることが好ましい。種結晶は典型的には一辺が5mm程度の角柱状のものであるが、直径が5mm程度の円柱状のものであってもよい。
次に、図1Bのようにこの種結晶を用いてFZ法によりシリコン単結晶インゴットを育成する。FZ法による育成は前述のように行う。このとき、種結晶を多結晶シリコン原料ロッド下端の高温のシリコン溶融部に溶着させる際に熱衝撃が生じ、種結晶に続いて結晶成長させる部分に高密度のスリップ転位が導入される。この際導入されるスリップ転位の伝播方向は結晶方位<110>であるが、種結晶の結晶軸は結晶方位<110>から所定角度だけ傾けたものであるので、それに続く単結晶成長部の単結晶成長方向も結晶方位<110>から所定角度だけ傾いている。すなわち、スリップ転位の伝播方向が単結晶成長方向から所定角度だけ傾いていることになる。従って、単結晶成長部の直径を2〜3mmにまで絞って絞り部を形成してダッシュネッキングを行うと、絞り部において転位を単結晶成長方向に対して外方に導いて消滅させることができる。これにより確率の高い無転位化が可能となる。例えば長さ10mm以上の絞り部を形成すれば、転位を充分外方に導いて消滅させることができ、結晶成長部の無転位化が充分に行われる。絞り部の直径や長さは結晶の成長条件や傾け角等に応じて適宜設定すればよい。
このようにして充分に無転位化した後、結晶成長部の拡径を開始し、コーン部を形成する。所望の直径に到達した後は直径が一定になるように成長速度や温度を制御して直胴部を形成する。以降、溶融帯を形成しながらシリコン単結晶インゴットを育成し、溶融帯が多結晶シリコン原料ロッドの有効長の端部に達したらシリコン単結晶インゴットを切り離す。このようにして育成されたシリコン単結晶インゴットはダッシュネッキング法により無転位化されたものであり、かつ結晶軸が結晶方位<110>から所定角度だけ傾いたものである。
次に、図1Cのように育成されたシリコン単結晶インゴットを円筒ブロック状に切断して、外径研削した後にオリエンテーションフラットまたはオリエンテーションノッチ加工を施す。これらの工程は従来知られた方法で規格に従って行うことができる。
次に図1Dにおいて加工されたシリコン単結晶インゴットをスライス切断する。このときシリコン単結晶インゴットの結晶軸は結晶方位<110>から所定角度だけ傾いているが、シリコン単結晶インゴットを結晶方位<110>ジャストアングルでスライス切断することにより結晶方位<110>のシリコンウェーハが得られる。結晶方位<110>ジャストアングルでスライス切断するには、シリコン単結晶インゴットを所定角度傾けて結晶方位<110>が鉛直方向になるように設置し、内周刃やワイヤーソー等の切断手段を用いて傾けて設置したシリコン単結晶インゴットを水平方向に切断してもよいし、またはシリコン単結晶インゴットを傾けないで設置し、前述の切断手段を用いてシリコン単結晶インゴットを結晶方位<110>ジャストアングルになるように所定角度斜め方向にスライス切断してもよい。さらにはシリコン単結晶インゴットを傾けてかつ所定角度斜め方向にスライス切断してもよい。いずれの方法であっても従来のスライス装置に備えられているチルチング機構により容易にスライス切断を実行することができる。
このように結晶方位<110>ジャストアングルでスライス切断して製造された結晶方位<110>のシリコンウェーハは、前述のいずれの方法でスライス切断されたものであっても、円筒状のシリコン単結晶インゴットの結晶軸に対して斜めにスライス切断されたものであるから、外形が楕円形状となっている。このように外形が楕円形状のままでは後の工程で取り扱いにくいので、面取り加工時に外周研削などにより真円化して取り扱い易くする(図1E)。しかし、種結晶の結晶軸の結晶方位<110>からの傾きが大きいと、スライス切断して得られた結晶方位<110>のシリコンウェーハの楕円率もそれだけ大きいものになる。この場合、真円化する際の外周研削による研削量も多くなり、それだけシリコン結晶材料のロスになる。従って傾き角度としては1〜30度であることが望ましい。
その後ウェーハのスライス切断面の平坦度と面平行度を高めるためのラップ工程(図1F)、前記各工程により表面に生じた加工変質層を除去するためのエッチング工程(図1G)、ウェーハ主面を鏡面化する研磨工程(図1H)を行う。これらの工程はいずれも従来知られた方法で行うことができる。こうして所望の結晶方位<110>のシリコンウェーハが得られる。このようにして製造された結晶方位<110>のシリコンウェーハはダッシュネッキング法で容易かつ高成功率で無転位化されたものであり、歩留まりがよく生産性が高い、従って安価であるとともに高品質の高速半導体デバイスの作製に適するシリコンウェーハとなる。
以下、本発明の実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
結晶軸を結晶方位<110>から<111>に向けて15度だけ傾けた一辺5mmの角柱状種結晶を作製し、これを用いてFZ法により直径100mmのシリコン単結晶インゴットを育成した。育成の際に直径3mmで長さ20mmの絞り部を形成し、ダッシュネッキング法による無転位化を行った。同一条件で117本のシリコン単結晶インゴットを育成し、サンプルN数=50として無転位化成功率、乱れ率、製品取得率を算出した。その結果を表1に示す。ここで無転位化成功率とは、ダッシュネッキング後に肉眼で転位の発生が確認されなかった回数の割合である。乱れ率とは、ダッシュネッキング後に肉眼で転位の発生が確認されなかったインゴットの本数に対して、結晶成長部の直径を拡径する工程で転位が顕在化して多結晶化したインゴットの本数の割合である。また、製品取得率とは、無転位化が成功したインゴットの内で、最終的に単結晶製品として取得することのできた部分の原料多結晶重量に対する割合である。
(比較例)
結晶軸を結晶方位<110>ジャストアングルとした一辺5mmの角柱状種結晶を用いて、FZ法により直径100mmのシリコン単結晶インゴットを育成した。育成の際に直径3mmでかつ長さ20mmの絞り部を形成し、ダッシュネッキング法による無転位化を行った。同一条件で51本のシリコン単結晶インゴットを育成し、サンプルN数=51として無転位化成功率、乱れ率、製品取得率を算出した。その結果を実施例の結果と合わせて表1に示す。
Figure 0004407188
比較例では、無転位化成功率が13.7%と低く、しかも乱れ率は85.7%であった。すなわち、ダッシュネッキングにより肉眼では無転位化が成功したように見えるインゴットにおいても、内部に残留した転位により多結晶化して乱れ率が80%以上となることから、実際にはダッシュネッキングにより転位が消滅する確率はほとんどないと推測できる。また、そのように多結晶化したインゴットしか得られなかったため、製品取得率も5.9%と低いものであった。
一方実施例では、無転位化成功率が74.0%と高く、乱れ率も16.2%と低かった。すなわち、ダッシュネッキングにより内部の転位も十分に消滅していることが確認できる。また、製品取得率も71.4%と比較例と比べて格段に高いものとなった。すなわち、本発明に従って製造した結晶方位<110>のシリコンウェーハは、ダッシュネッキングによる無転位化成功率及び製品取得率が大幅に改善し、本発明の効果が確認された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に従った結晶方位<110>のシリコンウェーハの製造工程の一例を示す図である。 従来のFZ法によるシリコンウェーハの製造工程の一例を示すフロー図である。 FZ法によるシリコン単結晶インゴットの育成の説明図である。 ダッシュネッキング法による無転位化の様子を示すX線観察図である。
符号の説明
1…多結晶シリコン原料ロッド、
2、2´…種結晶、
3…高周波誘導加熱コイル、
4、4´…絞り部、
5、5´…コーン部、
6…シリコン単結晶インゴット、
7…溶融帯。

Claims (2)

  1. フローティングゾーン法(FZ法)により育成されたシリコン単結晶インゴットから結晶方位<110>のシリコンウェーハを製造する方法であって、少なくとも、結晶軸を結晶方位<110>から1〜30度傾けた種結晶を用いてダッシュネッキング法により無転位化してFZシリコン単結晶インゴットを育成し、前記育成したFZシリコン単結晶インゴットを、結晶方位<110>のジャストアングルでスライス切断して結晶方位<110>のシリコンウェーハを製造することを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  2. 前記スライス切断した結晶方位<110>のシリコンウェーハに面取り加工を行い真円化することを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの製造方法。
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