JP4215249B2 - シリコン種結晶およびシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン種結晶およびシリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコン種結晶およびシリコン単結晶の製造方法に関し、特に、チョクラルスキー法(Czochralski Method;CZ法)による大口径かつ高重量のシリコン単結晶インゴットの引上げに好適に用いられるシリコン種結晶およびそれを用いたシリコン単結晶の製造方法に関する。
CZ法によるシリコン単結晶の製造においては、シリコン単結晶からなる種結晶を、原料シリコン融液に接触させた後、回転させながらゆっくりと引上げることにより、単結晶インゴットを成長させる。
上記CZ法においては、種結晶を原料シリコン融液に接触させる際、熱衝撃によって、種結晶に高密度でスリップ転位が発生する。
従来は、このスリップ転位から、育成される単結晶に伝播する転位を消滅させるために、直径3mm程度に絞った細絞り部(ネック)を形成するネッキング工程を経た後、所定の口径になるまで単結晶を太くしてゆくことにより、無転位のシリコン単結晶を引上げる方法を採用していた。このような種結晶からの細絞りは、ダッシュネッキング(Dash Necking)法として広く知られており、CZ法によるシリコン単結晶の製造において、一般的な方法であった。
しかしながら、このようなダッシュネッキング法では、近年のシリコン単結晶の大口径化に伴い、高重量化した単結晶インゴットを支持するには強度が不十分であり、単結晶インゴットの引上げ過程において、細絞り部が破断して、単結晶インゴットが落下する等の重大な事故を生じるおそれがあった。
そこで、径の大きい種結晶を用いて太いネックを形成するために、種々の検討が行われている。
しかしながら、種結晶の径が大きいほど、原料シリコン融液と接触する種結晶の先端部における熱容量が大きくなるため、該種結晶が原料シリコン融液に接触した瞬間に、種結晶内に急激な温度差が生じ、スリップ転位が高密度で発生しやすくなるという課題が生じていた。
このような課題に対しては、種結晶を原料シリコン融液上で保温や加熱することにより、初期の転位密度を低減させたり、種結晶の形状を工夫して、着液時における熱衝撃を低減させる方法等が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、種結晶にホウ素(B)やゲルマニウム(Ge)を高濃度にドープすることにより、種結晶の着液時に発生するスリップ転位を低減させる方法が開示されている(例えば、特許文献3、4参照)。
特開平8−319192号公報 特開平10−203898号公報 特開平4−139092号公報 特開2001−199789号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されているような種結晶の保温や加熱、または、上記特許文献2に開示されているような特殊形状の種結晶を用いる方法では、ネックの太さには限界があり、大口径化、高重量化している単結晶インゴットには十分に対応することはできず、その無転位化率も必ずしも十分とは言えなかった。
また、上記特許文献3に開示されているようなBドープ種結晶を用いる方法では、結晶の抵抗率を変化させる不純物であるBを添加するため、低抵抗率の結晶の製造以外には利用できないという難点があった。
さらに、上記特許文献4に開示されているようなGeドープ種結晶を用いる方法は、Geドープシリコン単結晶やSi/Geの混晶の製造には好適であるが、Geの混入は好ましくない高純度シリコン単結晶の製造には利用することができないものであった。
したがって、上記のような特異な形状や特異な高濃度不純物をドープした種結晶を用いることなく、太く短いネックの育成を簡便に行うことができる方法が望まれていた。
そこで、本発明者は、大口径化、高重量化に対応したシリコン単結晶インゴットの育成に際し、種結晶を保温したり、加熱したりする手段によることなく、また、余計な不純物の混入につながる高濃度の不純物をドープした種結晶や、繰り返し使用が不可能な特異な形状の種結晶を用いることなく、種結晶と該種結晶から成長するネックのみで、単結晶の全重量を支持することができる太く短いネックを育成する方法を検討し、本発明を完成させた。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶引上げにおいて、育成する単結晶における転位の発生を抑制することができるシリコン種結晶を提供することを目的とするものである。
さらに、本発明においては、該種結晶を用いて太く短いネックを無転位で形成することにより、大口径、高重量の単結晶インゴットの生産性を向上させるシリコン単結晶の製造方法を提供することも目的とする。
本発明に係るシリコン種結晶は、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶引上げにおいて用いられるシリコン種結晶であって、少なくとも原料シリコン融液との接触面が、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶であることを特徴とする。
このような空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶を種結晶として用いることにより、種結晶の原料シリコン融液への着液時およびネック育成時におけるスリップ転位の発生が抑制されるため、太く短いネックを無転位で育成することができ、ネックの機械的強度が増大し、単結晶インゴットの大口径化、高重量化に十分対応することが可能となる。
前記シリコン種結晶においては、空孔過剰領域を含まない前記シリコン単結晶は、格子間シリコン過剰領域を含まず、かつ、リングOSF領域を含まない無欠陥領域であることが好ましい。
このような無欠陥領域のシリコン単結晶からなる種結晶を用いることにより、種結晶の機械的強度はさらに増大し、スリップ転位の発生を一層低減させることができる。
なお、ここでいう空孔過剰領域とは、V−リッチ領域とも呼ばれており、シリコン原子の不足から、ボイド型のグローンイン欠陥が多く存在する領域である。
また、格子間シリコン過剰領域とは、I−リッチ領域とも呼ばれており、シリコン原子が余分に存在することにより発生する転位に起因して、転位クラスタ等の欠陥が多く存在する領域である。
また、本発明に係るシリコン単結晶の製造方法は、チョクラルスキー法による単結晶引上げによるシリコン単結晶の製造方法において、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶からなる種結晶を用いて、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶からなるネックを、原料シリコン融液と接触するシリコン種結晶の接触面よりも縮径または同径で育成し、かつ、前記ネックの長さLは、原料シリコン融液と接触するシリコン種結晶の接触面の直径または対角の長さをd、転位の伝播方向とネックの成長方向とのなす角度をψとしたとき、L≧d・(cotψ)となるようにしてネッキングを行った後、拡径してシリコン単結晶を成長させることを特徴とする。
上記製造方法により、種結晶の原料シリコン融液との接触面における熱衝撃による転位の発生が抑制されるだけでなく、ネック育成中における新たな転位の発生も抑制することができ、さらに、前記熱衝撃による転位がわずかに残存していた場合であっても、その転位の伝播も抑制されて、ネック育成中に効率よく排除され、育成される単結晶の無転位化を図ることができる。
なお、ここでいう縮径または同径とは、種結晶からネックを育成する際のネックの太さを表すものであり、該ネック径が、原料シリコン融液と種結晶との接触面における結晶径よりも縮小される場合を縮径と言い、また、前記接触面における結晶径とほぼ同等である場合を同径と言う。
前記ネックは、空孔過剰領域を含まず、かつ、格子間シリコン過剰領域およびリングOSF領域を含まない無欠陥領域のシリコン単結晶であることが好ましい。
このように、種結晶だけでなく、ネックも無欠陥領域で形成することにより、太く短いネックを容易に形成することが可能となり、低密度に発生したスリップ転位も確実に消滅させることができるため、大口径化、高重量化に対応した無転位のシリコン単結晶を育成することができる。
上述したとおり、本発明に係る単結晶を用いることにより、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶引上げにおいて、種結晶の原料シリコン融液への着液時におけるスリップ転位の発生を抑制することができる。
しかも、装置構成が複雑化する種結晶の保温や加熱のための手段を用いることなく、また、BやGe等の余計な不純物を添加することなく、太く短いネックでの無転位化を図ることができる。
また、本発明に係るシリコン単結晶の製造方法によれば、無転位の単結晶を効率的に育成することができる。
したがって、近年の200mm(8インチ)〜400mm(16インチ)あるいはそれ以上の大口径化、高重量化されたシリコン単結晶インゴットの育成にも十分に対応することが可能となり、無転位のシリコン単結晶の生産性、歩留まりおよび製造コストの改善に寄与することができる。
以下、本発明を、より詳細に説明する。
本発明に係るシリコン種結晶は、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶引上げにおいて用いられるシリコン種結晶であって、少なくとも原料シリコン融液との接触面が、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶であることを特徴とするものである。
このように、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶を種結晶として用いることにより、種結晶の強度を向上させることができ、例えば、種結晶が、原料シリコン融液に接触した瞬間に発生する熱応力以上の強度を有している場合は、スリップ転位を発生することなく、原料シリコン融液に着液させることができる。
また、原料シリコン融液に浸漬中においても、スリップ転位の発生が抑制される。
すなわち、種結晶が空孔過剰領域を含まないことにより、種結晶の原料シリコン融液への着液時におけるスリップ転位の発生を抑制し、かつ、太く短いネックでもスリップ転位の排除が効果的に行われ、ネック育成時の新たなスリップ転位の発生も抑制される。
したがって、太く短いネックを無転位で育成することができ、ネックの機械的強度が増大し、シリコン単結晶インゴットの大口径化、高重量化に十分対応することが可能となる。
ところで、シリコン単結晶の引上げにおいては、引上速度Vと引上結晶−融液境界の温度勾配Gの比V/Gによって、点欠陥の種類および濃度を決定することができることが知られている。
したがって、ホットゾーン構成で決まるGに合わせて、引上速度Vを調整して、空孔過剰領域を含まない単結晶を育成することができ、ボイドの発生も抑制することができる。
すなわち、シリコン単結晶においては、余分な不純物を添加しなくも、単結晶育成の際に、容易に空孔濃度の制御および空孔の凝集欠陥であるボイドを抑制することができる。
図1に、V/G値と単結晶インゴット中の点欠陥分布との関係を模式的に示した。
図1に示すように、ネック2を育成した後、単結晶インゴット1の引上速度をヘッド3側からテイル4側にかけて漸減していくと、V/G値も減少し、これに伴って、単結晶インゴット1中の点欠陥分布も変化する。なお、このときのGの変化は小さい。
引上速度が大きい、すなわち、V/G値が大きいときは、空孔過剰領域5が形成され、さらに、空孔が凝集してボイド欠陥が生成する。
そして、前記空孔過剰領域5が消滅する臨界V/G値以下では、まず、リングOSF領域6が形成され、次に、空孔と格子間シリコン濃度の均衡により、無欠陥領域7が形成される。
V/G値がさらに減少すると、格子間シリコン過剰領域8が形成され、格子間シリコンの凝集欠陥が生成する。
従来は、上述したような通常の引上速度で育成した空孔過剰領域の結晶が種結晶として用いられ、あえて生産性の劣る低速引上結晶である空孔過剰領域を含まない領域の結晶は、種結晶として用いられていなかった。
これに対して、本発明においては、転位発生抑制効果に優れた前記空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶を種結晶として用いることを特徴とするものである。
なお、前記シリコン種結晶においては、必ずしも、種結晶全体が空孔過剰領域を含まない単結晶である必要はなく、少なくとも原料シリコン融液との接触面が、空孔過剰領域を含まないものであれば、上述した効果を十分に得ることができる。
また、前記シリコン種結晶は、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶であることに加え、さらに、格子間シリコン過剰領域を含まず、かつ、リングOSF領域を含まない無欠陥領域であることが好ましい。
このように、種結晶として、無欠陥領域のシリコン単結晶を用いることにより、種結晶の機械的強度はさらに増大し、スリップ転位を一層低減させることができる。
また、本発明に係るシリコン単結晶の製造方法は、チョクラルスキー法による単結晶引上げによるシリコン単結晶の製造方法において、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶からなる種結晶を用いて、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶からなるネックを、原料シリコン融液と接触するシリコン種結晶の接触面よりも縮径または同径で育成する。
さらに、前記ネックの長さLは、原料シリコン融液と接触するシリコン種結晶の接触面の直径または対角の長さをd、転位の伝播方向とネックの成長方向とのなす角度をψとしたとき、L≧d・(cotψ)となるようにしてネッキングを行った後、拡径してシリコン単結晶を成長させる。
このように、種結晶として空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶を用いてネッキングを行うことにより、スリップ転位の発生を低減させることができ、単結晶の機械的強度が増大するため、従来よりも太く短いネックの形成が可能となる。
また、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶からなるネックを育成することにより、原料シリコン融液との接触面における熱衝撃による転位の発生が抑制されるだけでなく、ネック育成中における新たな転位の発生も抑制することができる。
さらに、前記熱衝撃による転位がわずかに残存していた場合であっても、その転位の伝播も抑制されて、ネック育成中に効率よく排除される。
このため、太く短いネックを容易に形成することが可能となり、たとえスリップ転位が発生した場合であっても、確実に消滅させることができ、大口径化、高重量化に対応した無転位の単結晶を育成することができる。
前記ネッキングにおいては、引上速度を調整することによって、空孔過剰領域を含まないことに加えて、さらに、格子間シリコン過剰領域およびOSF領域を含まない、無欠陥領域のシリコン単結晶からなるネックを育成することが好ましい。
このように、種結晶だけでなく、ネックも無欠陥領域で形成することにより、太く短いネックを容易に形成することが可能となり、低密度に発生したスリップ転位も確実に消滅させることが可能となる。
上記のように、単結晶の無転位化を図るためには、無欠陥領域の種結晶を用いて、無欠陥領域のネックを育成することが最も有効であるが、本発明によれば、空孔過剰領域のみを避けて、リングOSF領域、無欠陥領域および格子間シリコン領域が混在する単結晶を引上げて、原料シリコン融液との接触面のみが無欠陥領域となるように加工した種結晶を用いれば、上記効果を十分に得ることができる。
無欠陥領域の結晶が得られるV/G値は、極狭い範囲に限定されるため、種結晶用のシリコン単結晶を全域無欠陥領域で生産性よく引上げることは難しいことからも、上記のような空孔過剰領域さえ含まないように加工した種結晶を用いることが、生産効率の観点からも好ましい。
また、前記ネッキングにおいては、ネックの長さLは、原料シリコン融液と接触するシリコン種結晶の接触面の直径または対角の長さをd、転位の伝播方向とネックの成長方向とのなす角度をψとしたとき、L≧d・(cotψ)となるようにすることが好ましい。
ネックの長さLが上記関係式を満たすときは、種結晶の原料シリコン融液との接触界面の外周における結晶−融液−雰囲気ガス(固−液−気)の三重点における撹乱によって転位が誘起された場合であっても、該転位をネック外に容易に排除することができる。
例えば、直径(d)12.7mmの円柱状の種結晶を用いた〈100〉方位引上げの場合は、転位の伝播方向({111}面に沿った〈110〉)と結晶の成長方向のなす角度ψは54.74゜であり、臨界ネック長さ(Lc)は、12.7×1.38=17.53(mm)となる。
なお、種結晶からの転位の伝播がない場合には、ネックの長さは0、すなわち、ネックがなくてもよい。
また、種結晶の形状は、特に限定されるものではなく、種結晶の原料シリコン融液との接触面の形状は、円形でも多角形でもよく、前記dは、円形の場合は、直径とし、また、多角形の場合は、対角長さを目安として設定すればよい。
種結晶の原料シリコン融液との接触面の形状がいずれの場合においても、ネッキング工程においては、少なくとも臨界ネック長さLcまでは、前記接触面よりも縮径または同径でネックを形成することが好ましい。
これにより、ネッキングにおける新たな転位の発生を確実に抑制することができる。
原料シリコン融液と接触する種結晶の時点から拡径してしまうと、前記三重点において転位を拾いやすくなる。
また、ネック長さがLc未満のうちに拡径した場合には、ネック育成面における形状の変動に起因して、まだ抜けきらない転位がネック内部に入り込んでしまう。
なお、ネック長さLは、あまり大きくしすぎても、上述したとおり、V/G値を小さくする必要があることから、ネッキング速度に制限があり、もし、種結晶からネックへ転位が伝播した場合は、ネッキング工程おいて、該転位を排除することは難しい。
したがって、ネック長さLは、強度との関係からも、臨界ネック長さLcよりも極端に大きくすることは好ましくない。
また、前記ネッキングにおいては、十分なネック強度が得られ、太く短いネックの育成が確実に行われるようにするため、ネックの最小径を6mm以上にすることが好ましい。
前記ネックの径は、必要に応じて、種結晶と同径にまで大きくすることができ、これにより、大口径化、高重量化に対応した無転位の単結晶の育成が可能となる。
なお、上述した本発明に係るシリコン種結晶およびシリコン単結晶の製造方法は、通常のチョクラルスキー法に限定されるものではなく、シリコン単結晶の引上げ時に磁場を印加するMCZ法(Magnetic field CZ method)においても、同様に適用することができることは言うまでもなく、本発明におけるチョクラルスキー法という用語には、MCZ法も含まれる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
CZ法により、6インチ径結晶の引上用ホットゾーンを使用して、引上速度を調整して、インゴットのほぼ中間が、無欠陥領域となるように、シリコン単結晶インゴットを育成した。
このインゴットから、直径12.7mmの円柱状の試料を採取し、20本の原料シリコン融液との接触面が無欠陥領域である種結晶を作製した。
各種結晶を、原料シリコン融液面に接触させた後、引上速度4〜5mm/min.で、最小直径8mmを保持して、長さ100mmのネックを育成した。
その後、引上速度を1.5mm/min.に減速し、直径150mmまで拡径して、単結晶インゴットを引上げた。
得られた単結晶インゴットの無転位化率を評価した。
また、種結晶とネックの界面近傍の縦断面をX線トポグラフにより観察し、種結晶側のスリップ発生率を求めた。
これらの結果を表1に示す。
なお、ここでいう無転位化率(%)とは、単結晶インゴットの引上本数(20本)に対して、転位が発生しなかった本数の割合を表した値である。以下、同様である。
[実施例2、3]
実施例1と同一条件で、引上速度のみを調整して、インゴットのほぼ中間が、リングOSF領域(実施例2)、格子間シリコン過剰領域(実施例3)となるように、シリコン単結晶インゴットを育成した。
このインゴットから、直径12.7mmの円柱状の試料を採取し、それぞれ20本の原料シリコン融液との接触面がリングOSF領域(実施例2)、格子間シリコン過剰領域(実施例3)である種結晶を作製し、これらの種結晶を用いて、実施例1と同様にして、単結晶インゴットを引上げ、無転位化率および種結晶側のスリップ発生率を評価した。
これらの結果を表1に示す。
[比較例]
実施例1と同一条件で、インゴットのほぼ中間が、空孔過剰領域となるように、シリコン単結晶インゴットを育成した。
このインゴットから、直径12.7mmの円柱状の試料を採取し、20本の原料シリコン融液との接触面が空孔過剰領域である種結晶を作製し、これらの種結晶を用いて、実施例1と同様にして、単結晶インゴットを引上げ、無転位化率および種結晶側のスリップ発生率を評価した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 0004215249
表1に示したように、同一条件において単結晶引上げを行ったにもかかわらず、空孔過剰領域の種結晶を使用した場合(比較例)は、無転位化率が0%であるのに対して、リングOSF領域、無欠陥領域または格子間シリコン過剰領域の種結晶を用いた場合(実施例1〜3)は、いずれも、無転位化率は比較的高いことが認められた。
また、空孔過剰領域の種結晶を用いた場合(比較例)には、すべて種結晶側にスリップが発生していたが、その他の種結晶の場合(実施例1〜3)は、明らかにスリップの発生が抑制されていた。
空孔過剰領域を含まない種結晶の場合(実施例1〜3)は、B等の不純物を高濃度にドープした場合と同様に、耐熱衝撃性が向上したと考えられる。
[実施例4〜6]
実施例1と同様にして作製した無欠陥領域の種結晶を用いて、実施例1と同様に、引上速度のみを調整して、ネックがそれぞれ、リングOSF領域(実施例4)、無欠陥領域(実施例5)、格子間シリコン過剰領域(実施例6)となるように、ネッキングを行った。
前記ネッキングにおいては、各種結晶を原料シリコン融液面に接触させた後、引上速度0.7〜0.3mm/min.で、最小直径8mmを保持して、長さ20mmのネックを育成した。
その後、引上速度を1.5mm/min.に加速して、直径150mmまで拡径して、単結晶インゴットを引上げた。
得られた各単結晶インゴットの無転位化率を評価した。
これらの結果を表2に示す。
なお、表2に示すように、ネック中の欠陥領域が、リングOSF/無欠陥混在領域および格子間シリコン過剰/無欠陥混在領域のように無欠陥領域と混在してしまうのは、低速引上げによるネッキングの場合、点欠陥の外方拡散により、ネックの外周からの深さ数mmの範囲において、無欠陥領域が形成されるためである。
[実施例7〜9]
実施例2と同様にして作製したリングOSF領域の種結晶を用いて、実施例4〜6と同様に、引上速度のみを調整して、ネックがそれぞれ、リングOSF領域(実施例7)、無欠陥領域(実施例8)および格子間シリコン過剰領域(実施例9)となるように、ネッキングを行った後、単結晶インゴットを引上げた。
得られた各単結晶インゴットの無転位化率を評価した。
これらの結果を表2に示す。
[実施例10〜12]
実施例3と同様にして作製した格子間シリコン過剰領域の種結晶を用いて、実施例4〜6と同様に、引上速度のみを調整して、ネックがそれぞれ、リングOSF領域(実施例10)、無欠陥領域(実施例11)および格子間シリコン過剰領域(実施例12)となるように、ネッキングを行った後、単結晶インゴットを引上げた。
得られた各単結晶インゴットの無転位化率を評価した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 0004215249
表2に示したように、空孔過剰領域の種結晶を用いた場合(比較例)とは異なり、それ以外の欠陥領域の種結晶とそれ以外の欠陥領域のネックとのいずれの組み合わせの場合にも、無転位化効果が得られることが認められた。
特に、無転位化率を安定的に向上させるためには、無欠陥領域の種結晶を用いて、空孔過剰領域を含まないネックを育成することが好ましく、その中でも、無欠陥領域の種結晶と無欠陥領域のネックの組み合わせが最適であると言える。
V/G値とシリコン単結晶インゴット中の点欠陥分布との関係を模式的に示した断面図である。
符号の説明
1 シリコン単結晶インゴット
2 ネック
3 ヘッド
4 テイル
5 空孔過剰領域
6 リングOSF領域
7 無欠陥領域
8 格子間シリコン過剰領域

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法によるシリコン単結晶引上げにおいて用いられるシリコン種結晶であって、少なくとも原料シリコン融液との接触面が、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶であることを特徴とするシリコン種結晶。
  2. 空孔過剰領域を含まない前記シリコン単結晶は、格子間シリコン過剰領域を含まず、かつ、リングOSF領域を含まない無欠陥領域であることを特徴とする請求項1記載のシリコン種結晶。
  3. チョクラルスキー法による単結晶引上げによるシリコン単結晶の製造方法において、
    空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶からなる種結晶を用いて、空孔過剰領域を含まないシリコン単結晶からなるネックを、原料シリコン融液と接触するシリコン種結晶の接触面よりも縮径または同径で育成し、かつ、前記ネックの長さLは、原料シリコン融液と接触するシリコン種結晶の接触面の直径または対角の長さをd、転位の伝播方向とネックの成長方向とのなす角度をψとしたとき、L≧d・(cotψ)となるようにしてネッキングを行った後、拡径してシリコン単結晶を成長させることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記ネックは、空孔過剰領域を含まず、かつ、格子間シリコン過剰領域およびリングOSF領域を含まない無欠陥領域のシリコン単結晶であることを特徴とする請求項3記載のシリコン単結晶の製造方法。
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