JP3473477B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法(Czochralski Method、CZ法)により種結晶を使用
してネッキングを行いシリコン単結晶棒を成長させるシ
リコン単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CZ法によるシリコン単結晶の製
造においては、単結晶シリコンを種結晶として用い、こ
れをシリコン融液に接触させた後、回転させながらゆっ
くりと引上げることで単結晶棒を成長させている。この
際、種結晶をシリコン融液に接触させた後に、熱衝撃に
より種結晶に高密度で発生するスリップ転位から伝播に
より生ずる転位を消滅させるために、種結晶を絞り込む
テーパ状の絞り込み部とそれに続く直径を3mm程度に
一旦細くした絞り部(ネック)を形成するいわゆる種絞
り(ネッキング)を行い、次いで、所望の口径になるま
で結晶を太らせて、無転位のシリコン単結晶を引上げて
いる。このような、種絞りはDash Necking
法として広く知られており、CZ法でシリコン単結晶棒
を引上げる場合の常識とされている。
【0003】すなわち、従来用いられてきた種結晶の形
状は、例えば直径あるいは一辺約8〜20mmの円柱状
や角柱状の単結晶に種ホルダーにセットするための切り
欠き部を設けたもので、最初にシリコン融液に接触する
下方の先端形状は、平坦面となっている。そして、高重
量の単結晶棒の重量に耐えて安全に引上げるためには、
種結晶の太さは、素材の強度からして上記以下に細くす
ることは難しい。
【0004】このような形状の種結晶では、融液と接触
する先端の熱容量が大きいために、種結晶が融液に接触
した瞬間に結晶内に急激な温度差を生じ、スリップ転位
を高密度に発生させる。従って、この転位を消去して単
結晶を育成するために前記ネッキングが必要になるので
ある。
【0005】しかし、このような状態ではネッキング条
件を種々に選択しても、無転位化するためには、少なく
とも最小直径を3〜5mm程度までは絞り込む必要があ
り、近年のシリコン単結晶径の大口径化に伴い、高重量
化した単結晶棒を支持するには強度が不充分であり、単
結晶棒引上げ中に、この細い絞り部が破断して単結晶棒
が落下する等の重大な事故を生じる恐れがあった。
【0006】このような問題を解決するために、本出願
人は先に特開平5−139880号、特願平8−871
87号のような発明を提案した。これらの発明は、種結
晶の先端部の形状を楔形あるいは中空部を有する形状と
し、種結晶がシリコン融液に接触する時に入るスリップ
転位をできるだけ低減することによって、絞り部の直径
を比較的太くしても無転位化を可能とし、もって絞り部
の強度を向上させるものである。
【0007】この方法では、絞り部の太さを太くするこ
とができるので、ある程度絞り部の強度の向上ができる
けれども、ネッキングを行い、転位のある絞り部を形成
することには変わりがなく、近年ますます大直径、長尺
化し、例えば150Kg以上にもなる単結晶棒の引上げ
には、強度が不充分となる場合があり、根本的な解決に
まで至っていない。
【0008】しかも、この先端部が特殊形状の種を用い
たネッキング種付け法で問題となるのは、その無転位化
成功率である。すなわち、これらの方法では、一度結晶
の無転位化に失敗すると、種結晶を交換しなければ、や
り直しができないので、成功率を向上させることが特に
重要である。ネッキングの太さを単に太くしても無転位
化はできず、従来のネッキングでは直径が6〜7mm以
上となると、無転位化の確率は極度に低くなる。ここ
で、無転位化成功率とは、シリコン単結晶引上げ本数に
対する、転位が発生しなかったシリコン単結晶の本数の
割合を百分率で表した値である。
【0009】そしてこの場合、無転位化成功率が低下す
る原因を調査、究明した所、種結晶の形状、湯面近傍で
の保温時間、溶かし込む速度等従来から制御対象とされ
てきた要因だけでは必ずしも十分ではなく、成功率が必
ずしも高くなく、十分な再現性は得られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はこの
ような従来の問題点に鑑みてなされたもので、ネッキン
グを行う種付け法の場合に、転位の増殖を抑制し、無転
位化成功率を向上させるとともに、大直径、高重量の単
結晶棒の生産性、歩留りを向上させることができるシリ
コン単結晶の製造方法を提供することを主たる目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明記載した発明は、チョクラルスキー法により、
種結晶を融液に接触させた後、ネッキングを行なう種付
け法により単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造
方法において、ネッキング中に取り込まれる格子間酸素
濃度を1ppma(JEIDA)以上とすることを特徴
とするシリコン単結晶の製造方法である。
【0012】このようにネッキング中に取り込まれる酸
素濃度を上げると、酸素原子によって種結晶の絞り込み
部と絞り部中の転位の移動速度が小さくなり、転位の増
殖を確実に抑制することができる。その結果、無転位化
成功率が向上し、生産性、歩留りを著しく改善すること
ができる。
【0013】そして、この場合、記ネッキング中の格
子間酸素濃度を高めるために、ネッキング中のシリコン
融液に石英を挿入することが望ましい。このように、例
えば石英製の棒や板をネッキング中のシリコン融液の中
心近傍に挿入すると、石英は酸素の供給源となるので、
種結晶の絞り込み部や絞り部回りの酸素濃度が上昇し、
酸素が絞り込み部や絞り部に取り込まれ易くすることが
できる。
【0014】また、本発明記載した発明は、前記ネッ
キング中の格子間酸素濃度を高めるために、ネッキング
中はルツボの回転を高速にすることが望ましい。このよ
うにルツボの回転を高速にすると、石英ルツボ内壁から
シリコン融液中に溶け込む酸素量が増加し、融液中の酸
素濃度が上昇する結果、結晶の絞り込み部や絞り部回り
の酸素濃度が上昇し、酸素が絞り込み部や絞り部に取り
込まれ易くなる。
【0015】さらに、場を印加したチョクラルスキー
法においては、前記ネッキング中の格子間酸素濃度を高
めるために、ネッキング中はシリコン融液に磁場を印加
しない方法が好ましい。このようにすると、磁場を印加
することによって強制的に抑制されていたシリコン融液
の対流が解放されるので、対流により種結晶の絞り込み
部や絞り部回りの酸素濃度が上昇し、酸素が絞り込み部
や絞り部に取り込まれ易くなると共に、取り込まれた酸
素によって転位の移動速度が減速され、転位の増殖が著
しく抑制されて成長単結晶の無転位化成功率が向上し、
生産性や歩留りを著しく改善することができる。
【0016】本発明記載した発明は、前記ネッキング
中の絞り部直径が5mm以上であることが望ましい。本
発明によれば、ネッキング中の酸素濃度を高めることに
より、転位の増殖を確実に抑制することができるので、
無転位の単結晶を容易に製造することができる。従っ
て、その適用範囲は特に絞り部直径が5mm以上の太絞
りにおいて有効であり、無転位化の再現性は極めて高
く、大直径化、高重量化に対応してシリコン単結晶の生
産性と歩留りの向上に大きく寄与するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。まず、本発明
に使用される単結晶引上げ装置の構成例を図1により説
明する。図1に示すように、この単結晶引上げ装置20
は、ルツボ7と、ルツボ7の周囲に配置されたヒータ9
と、ルツボ7を回転させるルツボ回転軸8及びその回転
機構(図示せず)と、シリコンの種結晶1を保持するシ
ードチャック4と、シードチャック4を引上げるワイヤ
5と、ワイヤ5を回転又は巻き取る巻取機構(図示せ
ず)を備えて構成されている。ルツボ7は、その内側の
シリコン融液(湯)6を収容する側には石英ルツボが設
けられ、その外側には黒鉛ルツボが設けられている。
【0018】次に、上記の単結晶引上げ装置20による
本発明のネッキングと単結晶育成方法について説明す
る。先ず、ルツボ7内でシリコンの高純度多結晶原料を
融点(約1420°C)以上に加熱して融解する。次に
石英棒10をシリコン融液6の中で単結晶引上げ位置の
近傍に浸漬する。次いでワイヤ5を巻き出すことにより
融液6の表面略中心部に種結晶1の先端を接触又は浸漬
させる。その後、ルツボ回転軸8を適宜の方向に回転さ
せるとともに、ワイヤ5を回転させながら巻き取り、種
結晶1を引上げてネッキング操作に入り、所定の直径に
なるまで絞り込み部2を形成し、所定の直径を保持しつ
つ所望の長さに絞り部3を成長させた後、コーン部を形
成し、所望の口径を有する単結晶の育成が開始される。
以後、引上げ速度と温度を適切に調節することにより略
円柱形状の単結晶棒(図示せず)を得ることができる。
ネッキング操作を終了した段階で、石英棒10はシリコ
ン融液6から引き上げて通常の単結晶育成条件に復する
のが望ましい。
【0019】ネッキングを行う種付け中に石英をシリコ
ン融液に浸漬する別法として石英円板を融液表面に浮か
べる方法がある。この方法は図2に示した種ホルダ30
を使用する。この種ホルダ30は、シリコン種結晶1を
保持し、鍔(つば)状スライド板32を持つシードチャ
ック4と、支持棒33を外周に立てた円環状の石英円板
31から構成されており、シードチャック4は、支持棒
33に沿ってスライド板32により上下移動自在とな
り、上限は支持棒33の上部先端の止め具34で止めら
れる。そしてシードチャック4と石英円板31を引上げ
るワイヤ5とワイヤ5を回転または巻き取る巻き取り機
構(図示せず)につながっている。
【0020】この種ホルダ30による本発明のネッキン
グと単結晶育成方法を図2の(a)、(b)、(c)の
順に説明する。先ず、ルツボ(不図示)内でシリコンの
高純度多結晶原料を融点(約1420°C)以上に加熱
して融解する。次にワイヤ5を繰り出してシードチャッ
ク4のスライド板32が上部止め具34で止まっている
状態で種ホルダ30を降下させ、石英円板31を融液6
の表面に接触させて浮かせる。さらにワイヤ5を繰り出
し、スライド板32をスライドさせて、シードチャック
4を降下させて融液6の表面略中心部に種結晶1の先端
を接触又は浸漬させる[図2(a)参照]。その後、ル
ツボを適宜の方向に回転させるとともに、ワイヤ5を回
転させながら巻き取り、種結晶1を引上げてネッキング
操作に入り、所定の直径になるまで絞り込み部2を形成
し、所定の直径を保持しつつ所望の長さに絞り部3を成
長させる[図2(b)参照]。この間、石英円板31は
常にシリコン融液6に接触していることになる。その
後、シードチャック4のスライド板32は上部止め具3
4で止められるので、それ以後、石英円板31はシード
チャック4と共に引上げられ、融液6の表面から自動的
に切り離され、ネッキング中の融液6に対する酸素供給
源としての役割りを終える。その後コーン部を形成し、
所望の口径を有するシリコン単結晶35の育成が開始さ
れる[図2(c)参照]。以後、引上げ速度と温度を適
切に調節することにより略円柱形状の単結晶棒を得るこ
とができる。
【0021】このように、本発明者らは、シリコン単結
晶棒の成長に際し、ネッキングを行なう種付け法におい
て、特に直径5mm以上の太絞りを形成すると無転位化
成功率が満足し得る水準に達しない場合があり、その原
因を調査、究明した所、この転位の発生要因として、ネ
ッキング中の酸素濃度が深く関与していることを見出
し、諸条件を精査して本発明を完成させた。
【0022】従来、ネッキング中の酸素濃度については
何等の考慮も検討もされていなかった。通常のネッキン
グでは、ネック中に取り込まれる酸素濃度は非常に少な
く、1ppma未満であると言われている。単結晶棒の
直胴部を成長させるのと同じような条件でネッキングを
行っても、ネック中の酸素は非常に低濃度である。これ
は、ネックの成長時の体積が小さいため、シリコン融液
表面の酸素の蒸発の影響の大きいところで成長している
ためと考えられる。
【0023】一方、シリコン結晶中の転位の運動速度に
ついては、高温下、低い応力の下では酸素原子は転位の
運動特性に対して重要な影響を与える。CZシリコン中
では低応力の下での転位の運動は観察されない(酸素に
よる転位の固着)という知見がある(K.Sumin
o,Japan.J.Appl.Phys.,19,
p.L49.(1980))。
【0024】そこで、ネック中にある程度の酸素を取り
込むことで、ネック中の転位の移動速度を小さくして、
転位の増殖を抑制することができるのではないかと考
え、ネッキング中の酸素濃度を高めるような条件下でネ
ッキングを行ったところ、無転位化成功率が向上するこ
とがわかった。
【0025】すなわち、ネッキングを行なう種付け法に
おける、ネッキング中の絞り込み部および絞り部の酸素
濃度について調査、実験を繰り返した結果、ネッキング
中の酸素濃度は、1ppma(JEIDA)以上あれば
転位の増殖を抑制することができ、無転位化成功率95
%以上を維持することが可能であることが解った。酸素
濃度が1ppma未満では低過ぎて転位の増殖を抑制す
る効果が不充分となる。
【0026】そして、ネッキング中の酸素原子の転位の
増殖を抑制する効果は、絞り部直径5mm以上において
特に有効で、いわゆる太絞りが可能となり、大直径化、
高重量化に対応した単結晶成長によって、無転位化成功
率を上げ、生産性や歩留りの向上、製造コストの著しい
改善を図ることができる。
【0027】酸素濃度は高ければ高い程好ましく、4p
pma以上、より好ましくは5ppma以上とすれば、
直径5mm以上の太い絞り部を形成させる場合であって
も、より確実に無転位化できる。この傾向は、特に、磁
場を印加しないで絞り部を形成した場合に見られた。
【0028】ネッキング中の絞り込み部および絞り部中
の格子間酸素濃度を高めるための手段については、特に
限定されないが、具体例としては、(1)種絞りを行っ
ているルツボ中心近傍のシリコン融液中に酸素の供給源
となるような物質、例えば石英(SiO2 )の棒、板、
ブロック等を挿入する方法がある。図1は、ネッキング
操作に際し、絞り部引上げ中にL字形の石英棒を絞り部
近傍の融液中に浸漬している状態を表している。また、
図2は、石英円板をネッキング中のシリコン融液の中心
近傍に浮かべている状態を表している。この場合、石英
製の円筒を融液中に浸漬させてもよい。なお、石英円板
の下面には、シリコン融液の表面張力による影響を抑え
るため、円板の一端から径方向の他端にかけて、或は円
周から中心にかけて傾斜を付けるのが望ましい。このよ
うな傾斜を付ければ、シリコン融液から石英円板を離す
時に生じる表面張力の影響を小さくできるので、円板を
融液から切り離した時に生じる融液の波立ちの影響や、
石英円板に付着する融液の量を抑えることができる。こ
のように、例えば石英棒をネッキング中のシリコン融液
の中心近傍に挿入すると、この領域の酸素濃度が上昇
し、酸素が絞り込み部や絞り部に取り込まれ易くするこ
とができる。
【0029】石英円板を浮かべる方法では、石英円板を
融液中で回転しておけば、石英の溶解量が大きくなり、
より多くの酸素が供給可能となる。また、石英円板によ
り湯面が覆われるので酸素の蒸発を抑制でき、融液中の
酸素濃度上昇効果が高くなる。さらに、種結晶の回転数
や石英円板の面積を適切に選択することにより、石英円
板から供給される酸素量を調節することができる。
【0030】あるいは、(2)ネッキング中はルツボの
回転を高速にしてシリコン融液に強制対流を与え、ルツ
ボ材である石英から生ずる酸素をルツボ中心近傍の表面
に送り込む。このようにルツボの回転を高速にすると、
石英ルツボ内壁からシリコン融液中に溶け込む酸素量が
増加し、融液中の酸素濃度が上昇する結果、種結晶の絞
り込み部や絞り部回りの酸素濃度が上昇し、酸素が絞り
込み部や絞り部に取り込まれ易くなる。具体的には、ネ
ッキング中のルツボの回転を、単結晶棒の直胴部引上げ
中のルツボの回転より高速にすればよく、例えば、直径
18インチのルツボを用いた場合には、15rpm以上
の速度とするような場合が挙げられる。但し、このよう
な場合に限定されるものではない。
【0031】(3)磁場を印加したチョクラルスキー法
においては、ネッキング中はシリコン融液に磁場を印加
しない方法を使用する。このようにすると、磁場を印加
することによって強制的に抑制されていたシリコン融液
の対流が解放されるので、対流により種結晶の絞り込み
部や絞り部回りの酸素濃度が上昇し、酸素が絞り込み部
や絞り部に取り込まれ易くなると共に、取り込まれた酸
素によって転位の移動速度が減速され、転位の増殖が著
しく抑制されるので、成長単結晶の無転位化成功率が向
上し、生産性や歩留りを著しく改善することができる。
(4)その他、ネッキング中の酸素濃度を高めるための
手段としては、シリコン融液中の温度分布を変更した
り、ガス雰囲気圧力を上昇して酸素が蒸発し難くする、
等の方法を挙げることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を挙げて具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。 (実施例)ネッキング中の酸素濃度を上げるために、ネ
ッキング中の融液に石英棒を挿入して、太絞りを行って
MCZ法により単結晶を成長させた。使用した石英ルツ
ボは、直径450mmで、50kgの原料多結晶シリコ
ンをチャージして、加熱昇温して融解し、直径14mm
の円柱状種結晶を下降させて融液に接触させ、ルツボ中
心の磁場強度が3000Gaussとなるように、水平
磁場を印加の上、ルツボを僅かに回転させ、ネッキング
を行って絞り部直径を6mmとして引上げ、直径150
mmの単結晶を成長させた。ネッキング操作に入る直前
に融液中にL字形で直径20mmの石英棒を挿入して絞
り込み部および絞り部近傍の酸素濃度を高めるようにし
た。ネッキング終了後、石英棒は融液から引き上げた。
無転位化成功率を評価したところ95%であり、絞り部
の酸素濃度をフーリエ変換型赤外分光器で測定した結
果、1.5ppma(JEIDA)の酸素が検出され
た。
【0033】(比較例)ネッキング中に石英棒を挿入し
なかった以外は、前記実施例と同一条件で引上げ試験を
行ったところ無転位化成功率は25%であった。また、
このとき絞り部に検出された酸素濃度は0.5ppma
(JEIDA)であった。
【0034】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0035】例えば、本発明の実施形態では、直径15
0mm(6インチ)のシリコン単結晶棒を成長させてい
るが、近年の200mm(8インチ)〜400mm(1
6インチ)あるいはそれ以上の大直径化にも十分対応す
ることができる。
【0036】また、本発明は、通常のチョクラルスキー
法のみならず、シリコン単結晶の引上げ時に磁場を印加
するMCZ法(Magnetic field applied Czochralski cr
ystal growth method)であればいかなる形態のMCZ法
であっても同様に適用できることは言うまでもなく、本
明細書中で使用したチョクラルスキー法という用語に
は、通常のチョクラルスキー法だけでなく、MCZ法も
含まれる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
チョクラルスキー法によってシリコン単結晶棒を引上げ
る際に、ネッキングを行う種付け法において、無転位化
成功率はほぼ95%以上を達成し、その再現性もよく、
長期安定化させることができる。従って、今後の単結晶
棒の大直径化、長尺化、高重量化にも十分適応させるこ
とが可能であり、生産性、歩留りならびにコストを著し
く改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単結晶成長におけるネッキング中の状
態を表す単結晶引上げ装置の概略説明図である。
【図2】本発明の単結晶成長における別のネッキング中
の状態を表す概略説明図である。 (a)種結晶先端と石英円板が融液表面に接触した状態
を示す図、(b)ネッキングを終え、石英円板が融液表
面から離脱した状態を示す図、(c)シリコン単結晶の
成長が始まった状態を示す図である。
【符号の説明】
1…種結晶、2…絞り込み部、3…絞り部、4…シード
チャック、5…ワイヤ、6…シリコン融液、7…ルツ
ボ、8…ルツボ回転軸、9…ヒータ、10…石英棒、2
0…単結晶引上げ装置、30…種ホルダ、31…石英円
板、32…スライド板、33…支持棒、34…止め具、
35…シリコン単結晶。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−146788(JP,A) 特開 平4−42890(JP,A) 特開 平10−7487(JP,A) 特開 平10−279399(JP,A) 特開 平4−31386(JP,A) 特開 平5−139880(JP,A) 特開 平9−165298(JP,A) 特開 平9−255485(JP,A) 欧州特許出願公開949360(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 EUROPAT(QUESTEL)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法により、種結晶を融
    液に接触させた後、ネッキングを行なう種付け法により
    単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造方法におい
    て、ネッキング中に取り込まれる格子間酸素濃度を1p
    pma(JEIDA)以上とするために、ネッキング中
    のシリコン融液に石英を挿入し、ネッキング終了後、石
    英は融液から引き上げることを特徴とするシリコン単結
    晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 チョクラルスキー法により、種結晶を融
    液に接触させた後、ネッキングを行なう種付け法により
    単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造方法におい
    て、ネッキング中に取り込まれる格子間酸素濃度を1p
    pma(JEIDA)以上とするために、ネッキング中
    はルツボの回転を単結晶棒の直胴部引上げ中のルツボの
    回転より高速にすることを特徴とするシリコン単結晶の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ネッキング中の格子間酸素濃度を高
    めるために、ネッキング中のシリコン融液に石英を挿入
    することを特徴とする請求項2に記載したシリコン単結
    晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 磁場を印加したチョクラルスキー法にお
    いては、前記ネッキング中の格子間酸素濃度を高めるた
    めに、ネッキング中はシリコン融液に磁場を印加しない
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1
    項に記載したシリコン単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ネッキング中の絞り部直径が5mm
    以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の
    いずれか1項に記載したシリコン単結晶の製造方法。
JP05742599A 1998-04-07 1999-03-04 シリコン単結晶の製造方法 Expired - Fee Related JP3473477B2 (ja)

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