JP2002137987A - シリコン単結晶引き上げ装置、該装置を使用したシリコン単結晶の製造方法、及びシリコン単結晶 - Google Patents

シリコン単結晶引き上げ装置、該装置を使用したシリコン単結晶の製造方法、及びシリコン単結晶

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Yoshihiro Akashi
義弘 明石
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大口径のシリコン単結晶を育成する場合であ
っても、R-OSF の発生位置が引き上げ方向に対して直交
する結晶面内の外周部にくるように単結晶の引き上げ速
度を上げることができるシリコン単結晶引き上げ装置を
提供すること。 【解決手段】 CZ法により直径が300mm以上のシ
リコン単結晶を製造するシリコン単結晶引き上げ装置に
おいて、坩堝1の周囲に配置されるヒ−タ20の内径と
高さの比を1.5以上にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料として
使用されるシリコン単結晶を引き上げるためのシリコン
単結晶引き上げ装置、該装置を使用したシリコン単結晶
の製造方法、及びシリコン単結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶を成長させるには種々の
方法があるが、その一つにチョクラルスキー法(以下、
CZ法と記す)と呼ばれる単結晶育成方法がある。図4
は、CZ法に用いられる単結晶引き上げ装置を模式的に
示した断面図であり、図中1は坩堝を示している。
【0003】この坩堝1は、有底円筒形状の石英製坩堝
1aと、この石英製坩堝1aの外側に嵌合された、同じ
く有底円筒形状の黒鉛製坩堝1bとから構成されてお
り、坩堝1は、図中の矢印A方向に所定の速度で回転す
る支持軸8に支持されている。この坩堝1の外側には、
抵抗加熱式のヒータ2、このヒータ2の外側には、保温
筒7が同心円状に配置されており、坩堝1内には、この
ヒータ2により溶融させた単結晶シリコン原料の溶融液
3が充填されるようになっている。また、坩堝1の中心
軸上には、引き上げ棒あるいはワイヤー等からなる引き
上げ軸4が吊設されており、この引き上げ軸4の先に保
持具4aを介して、種結晶5が取り付けられるようにな
っている。また、これら部材は、圧力の制御が可能な水
冷式のチャンバ9内に納められている。
【0004】上記したシリコン単結晶引き上げ装置を用
いて単結晶6を引き上げて製造する方法について説明す
る。まず、チャンバ9内を減圧し、次に不活性ガスを導
入してチャンバ9内を減圧の不活性ガス雰囲気とし、そ
の後ヒータ2により結晶用原料を溶融させ、しばらく放
置して溶融液3中のガスを十分に放出する。
【0005】次に、支持軸8と同一軸心で逆方向に、所
定の速度で引き上げ軸4を回転させながら、保持具4a
に取り付けられた種結晶5を降下させて溶融液3に着液
させ、種結晶5を溶融液3に馴染ませた後、種結晶5の
下端に単結晶6を成長させていく。
【0006】単結晶6の育成の際、まず単結晶6を無転
位化するためにシード絞り(ネック6aの形成)を行な
い、その後、ボディ部6cで必要な直径の単結晶6を得
るためにショルダー部6bを育成する。単結晶6が求め
る直径になったところで肩変えを行ない、直径を一定に
してボディ部6cを育成する。ボディ部6cを所定の長
さまで育成すると、無転位の状態で単結晶6を溶融液3
から切り離すためにティル絞りを行なう。その後、溶融
液3から切り離した単結晶6を、所定の条件で冷却す
る。このようにして得られた単結晶6から加工製造され
たシリコンウェ−ハは、種々の半導体デバイスの基板材
料として用いられる。
【0007】上述した工程を経て引き上げられたシリコ
ン単結晶中には、赤外散乱体(COP、FPD)や転位
クラスター等と呼称される欠陥が存在していることがあ
る。これら欠陥は、その後の熱処理により結晶内に新た
に形成されたものではなく、grown-in欠陥とも呼ばれ、
結晶引き上げ中に既に形成されていたものである。
【0008】図5は、単結晶育成時における引き上げ速
度と結晶欠陥の発生位置との一般的な関係を示した模式
図である。図5に示したように、熱処理誘起欠陥の一種
である酸化誘起積層欠陥(OSF :Oxidation-induced St
acking Fault)のリング領域12の内側には、結晶育成
後の評価で観察されるgrown-in欠陥のうちの赤外散乱体
11が検出され、リング領域12の外側にはgrown-in欠
陥のうちの転位クラスター14と呼ばれる欠陥が検出さ
れ、積層欠陥リング(R-OSF )12に近接する外側には
無欠陥領域13が存在する。また、R-OSF 12の発生領
域は、単結晶育成中の引き上げ速度に依存しており、引
き上げ速度を大きくしていくと、R-OSF12が現れる領
域が結晶の内側から外側へと移動していく。
【0009】上述したOSF は、酸化熱処理時に生じる格
子間型の転位ループであり、デバイスの活性領域である
ウェ−ハ表面に生成、成長した場合には、リーク電流の
原因となり、デバイス特性を劣化させる欠陥となる。こ
のため従来から、単結晶の育成時にR-OSF 12の発生位
置が結晶の最外周に分布するように比較的高速の引き上
げ速度で育成された単結晶が多く製造されていた。
【0010】これらR-OSF 12の位置を結晶面内の最外
周に分布させた単結晶では、R-OSF12の内側に赤外散
乱体11が存在するが、そのサイズ及び密度をコントロ
−ルすることによってデバイス形成用ウェ−ハの製造を
可能にしている。さらに、このタイプのウェ−ハは安価
に作製できることが特徴であり、それゆえ多くのメモリ
−メ−カ−で使用されている。
【0011】また、ウェ−ハ面内の性質が一様な方がチ
ップの作製が容易であり、結晶面内の内側領域にR-OSF
12が存在するものでは、上記したようにR-OSF 12を
境に品質が異なるためにデバイスの製造歩留が低下する
問題もある。したがって、R-OSF 12の位置を結晶の最
外周に分布させたウェ−ハが現在の主流となっている。
そこで、このR-OSF 12の位置を結晶面内の外側にコン
トロールするために、種々の方法が提案されている。
【0012】例えば、特許第2800482号公報に
は、引き上げ装置を改良して、単結晶の引き上げ速度を
0.8〜1.lmm/minの範囲内に規定し、単結晶
自体の冷却速度を遅くして、単結晶内部の積層欠陥及び
/又は微小欠陥の生成を効果的に抑止し、かつR-OSF の
発生も抑止し、さらに酸化膜耐圧特性の低下も防止する
ことができるシリコン単結晶の製造方法が開示されてい
る。
【0013】また、特開平11―157995号公報に
おいては、やはりR-OSF の発生位置をコントロールする
ために、単結晶育成時の引き上げ速度(V)と、引き上
げ軸方向の結晶内温度勾配(G)の比、V/G値(mm
2 /℃・min)を適切に制御することによってR-OSF
の半径をほぼ一義的に定めることができ、R-OSF の発生
領域を調整できることが開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
半導体デバイスの高集積化、低コスト化及び生産性の効
率化に対応して、シリコンウェ−ハも大口径化が要求さ
れており、最近では、例えば直径約12インチ(300
mm)以上の大口径のシリコン単結晶の製造が望まれて
いる。従来のように直径が200mm以下の単結晶を製
造するのであれば、上記したようなV/G値のコントロ
ールは比較的容易であり、任意の装置条件においてR-OS
F 12の発生領域を結晶面の外側に設定することが可能
であったが、直径300mm以上のシリコン単結晶を製
造するとなると、R-OSF 12の発生領域を結晶面の外側
にするために引き上げ速度を一定値以上に設定すること
が困難になるという課題が生じた。
【0015】これは、ある単結晶引き上げ装置(この時
点でGが決まる)に対し、引き上げ速度(V値)をある
値以上に上げることができなくなるためであり、つま
り、単結晶径が増大すると、成長単結晶の表面積は直線
的に増大するので放熱量は単結晶径の増大に直線的に比
例することになるが、単結晶の熱容量は単結晶径の2乗
に比例する単結晶化体積に比例するので、単結晶中心部
が冷却されにくくなり、最大結晶成長速度が小さくなる
ため引き上げ速度をある値以上に上げることができなく
なる。このように単結晶径の大口径化に伴って、単結晶
が著しく冷却されにくくなることから、R-OSF 12を結
晶面の外側に位置するように引き上げ速度を上げようと
すると、所定の単結晶径を維持することができなくな
る。
【0016】すなわち、引き上げられた単結晶は、図6
(b)に示したようにきれいな円筒形状をしていること
が望ましいが、R-OSF を結晶面の外側に位置させるべく
引き上げ速度を上げていくと(a)に示したように単結
晶にくねり(ねじれとも言う)を生じ、いびつな形状と
なり易く、後工程においてウェ−ハの製造が困難になる
だけでなく、結晶成長そのものに支障をきたす症状が頻
繁にみられた。
【0017】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、大口径のシリコン単結晶を育成する場合であって
も、R-OSF の発生位置が引き上げ方向に対して直交する
結晶面内の外周部にくるように単結晶の引き上げ速度を
上げることができるシリコン単結晶引き上げ装置、該装
置を使用したシリコン単結晶の製造方法、及びシリコン
単結晶を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために、本発明に係るシリコン単結晶引き上げ
装置は、CZ法により直径が300mm以上のシリコン
単結晶を製造するシリコン単結晶引き上げ装置におい
て、坩堝の周囲に配置されるヒ−タの内径と高さの比が
1.5以上であることを特徴としている。
【0019】上記シリコン単結晶引き上げ装置によれ
ば、ヒ−タの内径が高さに比べて相対的に大きく、溶融
液の半径方向の温度勾配を増大させることができる。す
なわち、溶融液の半径方向の温度勾配の増大は、溶融液
の過冷却度の増加につながり、この過冷却度の増加によ
り結晶成長速度を大きくすることができる。また、従来
の装置と比べて、ヒ−タの内径と高さとの比を変えるだ
けで良いので、コストアップを招くこともなくR-OSF の
発生位置が引き上げ方向に対して直交する結晶面内の外
周部に位置する大口径の良質のシリコン単結晶を引き上
げることができる。
【0020】また、本発明に係るシリコン単結晶の製造
方法は、前記シリコン単結晶引き上げ装置を使用し、引
き上げ方向に対して直交する単結晶面内に現れる酸化誘
起積層欠陥リングの内径が単結晶径の93%以上の位置
に位置させるようにシリコン単結晶を引き上げることを
特徴としている。
【0021】上記シリコン単結晶の製造方法によれば、
前記シリコン単結晶引き上げ装置を使用することから、
単結晶成長速度を上げても単結晶にくねり等を生じるこ
とがなく、R-OSF の内径を単結晶径の93%以上の位置
に位置させるように単結晶を引き上げることで、引き上
げ方向に対して直交する単結晶面内の結晶品質が均一な
大口径のシリコン単結晶を製造することができる。
【0022】また、本発明に係るシリコン単結晶は、シ
リコン単結晶の直径が300mm以上であって、引き上
げ方向に対して直交する単結晶面内にリング状に現れる
酸化誘起積層欠陥の内径が単結晶径の93%以上である
ことを特徴としている。上記シリコン単結晶によれば、
大口径の単結晶においても結晶面内の内側領域にR-OSF
が存在しないので、結晶面の品質が一様なシリコンウェ
−ハを作製することができ、デバイスの製造歩留を向上
させることができ、より安価なシリコンウェ−ハを提供
することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシリコン単結
晶引き上げ装置、該装置を使用したシリコン単結晶の製
造方法、及びシリコン単結晶の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0024】実施の形態に係るシリコン単結晶引き上げ
装置は、直径300mm以上の大口径単結晶の引き上げ
を前提とし、ヒ−タの内径と高さの比を変えている点を
除いては、図6に示した従来の単結晶引き上げ装置と同
様に構成されており、同一の機能を有する部品について
は同一の符号を付してその説明を省略し、ここではヒ−
タに関連する部分のみの説明を行うこととする。
【0025】図1は、実施の形態に係るシリコン単結晶
引き上げ装置の要部を模式的に示した断面図である。ヒ
−タ20は、坩堝1の外側に配置されており、ヒ−タ2
0の内径φと高さhの比(ヒ−タアスペクト比:φ/
h)は1.5以上に設定されている。ヒ−タアスペクト
比が1.5未満であると、最大結晶成長速度を上げるこ
とができず、得られたシリコン単結晶6の引き上げ方向
に対して直交する結晶面内に現れるR-OSF 12(図5)
が結晶面内の内側領域に位置し、品質の均一なシリコン
ウェ−ハを得ることができない。
【0026】また、ヒ−タアスペクト比の調整は、ヒ−
タ20の内径φを調整する方法、ヒ−タ20の高さhを
調整する方法、ヒ−タ20の内径φと高さhとの両者を
調整する方法いずれでも良く、任意の引き上げ装置に合
った調整方法を選べば良い。
【0027】上記シリコン単結晶引き上げ装置によれ
ば、ヒ−タ20の内径φがヒ−タ20の高さhに比べて
相対的に大きく、溶融液3の半径方向の温度勾配を増大
させることができる。すなわち、半径方向の温度勾配の
増大は、溶融液3の過冷却度の増加につながり、この過
冷却度の増加により結晶成長速度を大きくすることがで
きる。また、従来の装置と比べて、ヒ−タ20の内径φ
と高さhとの比を変えるだけで良いので、コストアップ
を招くこともなく、R-OSF の発生位置が引き上げ方向に
対して直交する結晶面内の外周部にくる大口径の良質の
シリコン単結晶を引き上げることができる。
【0028】次に、上記実施の形態に係るシリコン単結
晶引き上げ装置を用いたシリコン単結晶の製造方法につ
いて説明する。実施の形態に係るシリコン単結晶の製造
方法は、「従来の技術」の項で説明した方法と同様の方
法で行うことができ、ここではボディ部6cを形成する
段階の説明を主に行う。
【0029】種結晶5を所定の速度で引き上げ、シリコ
ン単結晶6を無転位化するためにシ−ド絞り(ネック6
aの形成)を行ない、その後、シリコン単結晶6を所定
の径(12インチ程度)まで成長させるショルダ−部6
bの形成を行い、その後、R-OSF の内径が単結晶径の9
3%以上に位置するように引き上げ速度を制御しながら
シリコン単結晶6を引き上げてボディ部6cを形成す
る。ボディ部6cを所定の長さまで育成すると、無転位
の状態でシリコン単結晶6を溶融液3から切り離すため
にティル絞りを行なう。その後、溶融液3から切り離し
たシリコン単結晶6を、所定の条件で冷却する。
【0030】ボディ部6cを形成する際の引き上げ速度
としては0.6〜1mm/minの範囲でシリコン単結
晶6を引き上げることが望ましい。引き上げ速度が1m
m/minを越えると、R-OSF 内側に生じる微小欠陥で
ある赤外散乱体の密度およびサイズが大きくなり、酸化
膜耐圧特性を劣下させるので好ましくない。また、引き
上げ速度が0.6mm/minに達しないとR-OSF が結
晶面内の内側領域に発生して、品質の均一な良質のシリ
コンウェ−ハを得ることができなくなり、好ましくな
い。
【0031】上記シリコン単結晶の製造方法によれば、
ヒ−タ20の内径φと高さhの比(φ/h)が1.5以
上に設定されたシリコン単結晶引き上げ装置を使用する
ことから、結晶成長速度を上げてもシリコン単結晶6に
くねり等を生じることがなく、R-OSF 12の内径を単結
晶径の93%以上の位置に位置させるようにシリコン単
結晶6を引き上げることで、引き上げ方向に対して直交
する単結晶面内の結晶品質が均一な大口径のシリコン単
結晶を製造することができる。
【0032】また、上記実施の形態に係る製造方法で得
られたシリコン単結晶6によれば、直径が300mm以
上であっても引き上げ方向に対して直交する結晶面内に
生じるR-OSF の内径を結晶径の93%以上にすることが
でき、大口径の単結晶においても結晶面内の内側領域に
R-OSF が存在することなく、結晶面の品質が一様な直径
300mm以上のシリコンウェ−ハを作製することがで
き、デバイスの製造歩留を向上させることができ、より
安価なシリコンウェ−ハを提供することができることと
なる。
【0033】
【実施例及び比較例】以下、実施例に係るシリコン単結
晶引き上げ装置、該装置によるシリコン単結晶の製造方
法、及びシリコン単結晶について説明する。実施例及び
比較例は、上記実施の形態に係るシリコン単結晶引き上
げ装置を用い、装置内のヒータ20のみ、ヒ−タアスペ
クト比(内径φ/高さh)を変更したものを使用して単
結晶の引き上げを実施した。以下に、引き上げ条件を示
す。
【0034】
【0035】下記の表1に、実施例1、2及び比較例
1、2におけるヒ−タ20の内径、高さ、及びヒ−タア
スペクト比を示す。
【0036】
【表1】
【0037】図2は、ヒ−タアスペクト比が最大結晶成
長速度とR-OSF の発生位置に与える影響について示して
いる。ヒ−タアスペクト比が1.5よりも小さい比較例
1、2の場合は、実施例1、2の場合よりも最大結晶成
長速度が小さくなっている。
【0038】また、比較例1、2におけるR-OSF の発生
位置(As grown状態のウェ−ハにCuを塗布し、次に9
00℃で熱処理し、各欠陥領域を顕在化した後にX線ト
ポグラフ写真により観察する)は、実施例1、2の場合
と比べ、結晶面内の内側に発生していることが分かる。
【0039】これからヒータアスペクト比を大きくする
ほど結晶成長速度を大きくでき、引き上げ方向に対して
直交する結晶面内に存在するR-OSF の位置を外側に移動
させることができることがわかる。又、R-OSF の発生位
置を目的とする結晶径の93%以上にする為には、ヒ−
タアスペクト比がl.5以上、必要であることがわか
る。
【0040】又、図3は、実施例及び比較例におけるヒ
−タアスペクト比と引き上げ軸方向の結晶端温度につい
て熱伝導解析プログラムにてシュミレ−ション計算した
結果を示している。比較例1、2、実施例1、2ともに
ヒータアスペクト比を変化させても引き上げ軸方向に対
する結晶端温度分布に差はなく、結晶熱履歴(つまり引
き上げ軸方向に関する温度勾配)は変化していないこと
が分かる。これはヒータアスペクト比を増大させても温
度勾配は変化せずに、結晶成長速度のみを増大させるこ
とができることを意味しており、R-OSF の発生位置を決
定するV/ G値を大きくして、R-OSF の発生位置を結晶
面の外周部に限定することができることを示している。
【0041】上記実施例により、大口径のシリコン単結
晶を引き上げる単結晶引き上げ装置において、使用する
ヒ−タのアスペクト比を1.5以上にすることにより、
結晶成長速度を大きくすることができ、引き上げ方向に
対して直交する結晶面内に発生するR-OSF の内径が結晶
径の93%以上あるシリコン単結晶を製造することがで
きることを証明することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシリコン単結晶引き
上げ装置の要部を模式的に示した断面図である。
【図2】実施例及び比較例におけるヒ−タアスペクト比
に対する最大結晶成長速度とR-OSF 位置の影響について
示した図である。
【図3】実施例及び比較例におけるヒ−タアスペクト比
と引き上げ軸方向の結晶端温度との関係について示した
図である。
【図4】従来のシリコン単結晶引き上げ装置を模式的に
示した断面図である。
【図5】シリコン単結晶育成時における引き上げ速度と
結晶欠陥の発生位置との一般的な関係を示した模式図で
ある。
【図6】(a)はシリコン単結晶引き上げ後の外形に異
常の生じた単結晶、(b)は正常な単結晶を示す写真で
ある。
【符号の説明】
l 坩堝 3 溶融液 6 シリコン単結晶 20 ヒ−タ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CZ法により直径が300mm以上のシ
    リコン単結晶を製造するシリコン単結晶引き上げ装置に
    おいて、 坩堝の周囲に配置されるヒ−タの内径と高さの比が1.
    5以上であることを特徴とするシリコン単結晶引き上げ
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリコン単結晶引き上げ
    装置を使用し、引き上げ方向に対して直交する単結晶面
    内に現れる酸化誘起積層欠陥リングの内径が単結晶径の
    93%以上の位置に位置させるようにシリコン単結晶を
    引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 シリコン単結晶の直径が300mm以上
    であって、引き上げ方向に対して直交する単結晶面内に
    現れる酸化誘起積層欠陥リングの内径が単結晶径の93
    %以上であることを特徴とするシリコン単結晶。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005010242A1 (ja) * 2003-07-29 2005-02-03 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. 単結晶の製造方法および単結晶製造装置
JP2009263197A (ja) * 2008-04-30 2009-11-12 Sumco Corp シリコン単結晶インゴット及びエピタキシャル成長用シリコンウェーハ並びにシリコン単結晶インゴットの製造方法

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