JP4145638B2 - 紙葉類の反転制御装置及び紙葉類の反転制御方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、搬送される郵便物などの紙葉類の搬送方向を反転（スイッチバック反転）するための紙葉類の反転制御装置及び紙葉類の反転制御方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
郵便物などの紙葉類を搬送し、処理する紙葉類処理装置に設けられ、搬送されてきた紙葉類の搬送方向を反転する反転（スイッチバック反転）装置がある。この従来の反転装置では、紙葉類の搬送密度を高くするとともに、スイッチバック反転の前後で紙葉類間の搬送ギャップを変化しないように搬送するのは、紙葉類が停止したときの反転部入り口からの紙葉類のはみ出し量が、紙葉類の長さによって変動するため、反転パスへの振り分けゲートの設置位置やゲートのハタ形状の設計が困難であった（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
ここで、紙葉類の長さとは、紙葉類の搬送方向の長さをいう。また、紙葉類間の搬送ギャップとは、紙葉類の後端と次に搬送される紙葉類の先端との間隔をいう。以下の説明においても同様である。
【０００４】
次に、図１０を用いて上記従来の搬送制御について説明する。
【０００５】
図１０は、従来の搬送制御によって、紙葉類１を図示矢印Ａ方向に搬送し、搬送方向を反転（図示矢印Ｂ方向）するために紙葉類１を停止したときの逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さＬを示す図である。ここには、任意の長さの紙葉類１に紙葉類１の長さに関わらず常に一定の搬送制御パラメータを用いた場合の、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る紙葉類１の長さＬが示されている。
【０００６】
図１０（Ａ）は、例えば、被検出媒体に適合する紙葉類１の長さが最も短い場合にはみ出る長さがＬであることを示している。
【０００７】
図１０（Ｂ）は、紙葉類１の長さが図１０（Ａ）の紙葉類１の長さより長いため、はみ出る長さＬ１もＬより長くなる。
【０００８】
図１０（Ｃ）は、紙葉類１の長さが図１０（Ｂ）の紙葉類１の長さより長いため、はみ出る長さＬ２もＬ１より長くなる。
【０００９】
図１０（Ｄ）は、紙葉類１の長さは図１０（Ｃ）の紙葉類１の長さより長いため、はみ出る長さＬ３もＬ２より長くなる。
【００１０】
このように、紙葉類１の長さが長くなればなるほどはみ出る長さＬも長くなり、搬送方向上流側に隣接して設けられる振り分けゲートに接近することになる。また、紙葉類１が反転方向の搬送路にも接近することになり、振り分けゲートを回動制御することが困難になる。
【００１１】
【特許文献１】
特開平７−２３２８４７号公報（第１頁、図１）
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
このため、反転部入り口からの紙葉類のはみ出し量の変動の許容範囲は、振り分けゲートの設置位置や振り分けゲートのハタ形状の制約を受け狭い範囲となる。はみ出し量の変動を狭い範囲内に収めるためには、紙葉類間の搬送ギャップを広くし、スイッチバック反転に十分な時間的余裕を与えることが必要となり、搬送密度を高く出来ないという問題があった。
【００１３】
また、はみ出し量を一定にすると、スイッチバック反転の前後で紙葉類間の搬送ギャップが変化するため、その影響を避けるためには、やはり紙葉類間の搬送ギャップを広くすることが必要となり、搬送密度を高く（高密度搬送）出来ないという問題があった。
【００１４】
そこで本発明は、ゲートの設置位置や形状に応じて、紙葉類の停止時の反転部入り口からの紙葉類のはみ出し量を、紙葉類の長さによらず、ある範囲内で任意に設定できることにより、高密度搬送で、紙葉類間の搬送ギャップをスイッチバック反転の前後で変化しないように制御する紙葉類の反転制御装置及び紙葉類の反転制御方法を提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の紙葉類の反転制御装置は、搬送方向の長さが異なる複数の紙葉類を処理するものであって、複数の紙葉類を所定の間隔をもって第１の方向に搬送するための第１の搬送路と、この第１の搬送路を搬送される紙葉類の長さを測定する長さ測定部と、前記第１の搬送路の搬送方向下流に配置され、前記第１の搬送路から繰り出された紙葉類を取り込み、かつ反転するための正逆回転可能な逆転ローラとこの逆転ローラに対向配置されたピンチローラとからなる反転部と、この反転部によって前記第１の搬送路の第１の方向と異なる第２の方向に繰り出された紙葉類を取り込み、かつ搬送するための第２の搬送路と、前記複数の紙葉類の長さに係わらず前記第２の搬送路上を搬送される紙葉類間の、先行する紙葉類の後端と後行する紙葉類の先端との搬送間隔が、前記第１の搬送路上を搬送されるときの前記所定の間隔と等しくなるように、前記第１の搬送路から紙葉類を取り込んだ後に、前記長さ測定部で測定された紙葉類の長さに基づいて前記逆転ローラの接線速度を前記第１の搬送路の搬送速度よりも高速になるように加速するとともに、前記反転部で紙葉類の搬送方向を反転するために紙葉類を停止するために紙葉類を停止するとき、前記反転部と前記第２の搬送路との間にはみ出す紙葉類のはみ出し量を、紙葉類の長さに係わらず一定の長さになるように紙葉類の搬送を制御するコントローラと、を有することを特徴とする。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【００１７】
図１は、本発明の実施の形態を示す紙葉類の反転制御装置の概略側断面図である。
【００１８】
紙葉類１は郵便物などの被搬送媒体である。
【００１９】
反転制御装置は、紙葉類１を図示矢印Ａ方向である第１の方向に搬送する第１の搬送路４と、この第１の搬送路４に配置され、搬送路４の上流に配置した紙葉類１の長さを検知する長さ検知センサＳＣ０１と、搬送路下流に配置した紙葉類１の搬送制御タイミングを設定するためのタイミングセンサＳＣ０２と、これらのセンサＳＣ０１、ＳＣ０２の出力信号によって搬送速度制御され、繰り出された紙葉類１を振り分ける振り分けゲート５と、この振り分けゲート５の手前に設けられた搬送ローラ２、及びピンチローラ３と、振り分けゲート５によって振り分けられた紙葉類１を取り込み反転するための反転部１０と、この反転部１０から上記第１の搬送路４の搬送方向と逆方向である第２の方向に繰り出された紙葉類１を取り込み搬送する搬送ローラ６および第２の搬送路７とで構成されている。
【００２０】
反転部１０は、第１の搬送路４から繰り出された紙葉類１を取り込み反転するための正逆回転可能な逆転ローラ１１と、この逆転ローラ１１に対向配置されたピンチローラ１２と、正逆回転可能な搬送ローラ１４、１５と逆転ローラ駆動モータ１３とで構成される。
【００２１】
逆転ローラ１１は、逆転ローラ駆動モータ１３に接続され、この逆転ローラ駆動モータ１３によって正転又は逆転駆動される。逆転駆動モータ１３は、コントローラ９（図２を参照）に接続される。
【００２２】
図２は、反転制御装置の制御回路構成を示すブロック図である。
【００２３】
長さ検知センサＳＣ０１及びタイミングセンサＳＣ０２からの出力信号は、コントローラ９に接続される。
【００２４】
振り分けゲート５は、振り分けゲート駆動装置８に接続され、この振り分けゲート駆動装置８によって駆動される。振り分けゲート駆動装置８は、コントローラ９に接続される。
【００２５】
振り分けゲート駆動装置８は、紙葉類１を第１の搬送路４から反転部１０に搬送する場合は振り分けゲート５を反時計方向に回動し、また、反転部１０から第２の搬送路７に搬送する場合は振り分けゲート５を時計方向に回動する。
【００２６】
コントローラ９は、長さ検知センサＳＣ０１の出力信号から紙葉類１の搬送方向長さを検出し、タイミングセンサＳＣ０２の出力信号から紙葉類１の先端を検出する。さらに、振り分けゲート駆動装置８を制御し、紙葉類１の搬送方向を設定するために、振り分けゲート５を時計方向又は反時計方向に回動する。
【００２７】
また、コントローラ９は、反転部１０の逆転ローラ１１及びピンチローラ１２の正転方向回転速度及び反転方向回転速度を設定するための搬送制御パラメータ９０を設定する。
【００２８】
次に、図３乃至図９を用いて、紙葉類１が反転制御によって搬送される動作を説明する。
【００２９】
図３は、紙葉類１が第１の搬送路４を図示矢印Ａ方向に搬送され（第１の工程）、紙葉類１の後端が長さ検知センサＳＣ０１を通過し、暗状態から明状態になった瞬間を示している。このとき、コントローラ９は、長さ検知センサ（長さ測定部）ＳＣ０１の暗時間を紙葉類１が通過する時間単位クロックによりカウントすることによって、紙葉類１が被検出媒体に適合する長さを有する媒体であるか否かの媒体識別と、紙葉類１の長さを測定する（長さ測定工程）。
【００３０】
そして、紙葉類１が検出媒体に適合している場合、コントローラ９は、振り分けゲート５を反時計方向に回動し、紙葉類１を搬送する。
【００３１】
図４は、紙葉類１の先端がタイミングセンサＳＣ０２に到達した瞬間を示す図である。また、以降の搬送時間と速度の関係を示したタイミング図を図９に示している。ここでは、コントローラ９は前述した紙葉類１の長さによって設定した搬送制御パラメータ９０を逆転ローラ駆動モータ１３に設定し、これにより逆転ローラ１１は正転する。この場合、搬送制御パラメータ９０は、紙葉類１の先端が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２のニップに到達するまでの時間Ｔ０の間に、第１の搬送路４の搬送速度と逆転ローラ１１の外周の接線方向の速度である接線速度とが一致するように逆転ローラ１１の回転速度ω０が設定される。
【００３２】
図５は、紙葉類１の先端が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２のニップに到達した瞬間を示す図である。ここでは、紙葉類１の先端が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２のニップに到達しているため、逆転ローラ１１の外周の接線方向の速度である接線速度が、第１の搬送路４の搬送速度に達するように設定される。この時の逆転ローラ１１の回転速度はω０に達している。従って、紙葉類１はスムーズに反転部１０に取り込まれる（第２の工程）。
【００３３】
しかしながら、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２の接線速度と、第１の搬送路４の搬送速度が等しくない場合は、紙葉類１に搬送速度差による力が加わり、紙葉類１にダメージを与える場合がある。
【００３４】
このため、搬送ローラ２には、ワンウエーローラを用い、例えば、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２側の接線速度が速い場合には、搬送ローラ２が空転できるようにしてある。このようにすることにより、紙葉類１のダメージを防止することができる。
【００３５】
引き続き、コントローラ９は、搬送制御パラメータ９０に基づいて逆転ローラ駆動モータ１３を制御して逆転ローラ１１を所定時間Ｔ１だけ回転速度を加速し（加速工程）、次に回転速度ω０より早い速度となるような回転速度ω１で、所定時間Ｔ２だけ定速回転させ、次に所定時間Ｔ３だけ減速し停止させる。
【００３６】
図６は、紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２から長さＬだけはみ出た状態で停止した状態を示す図である。ここでは、ある一定時間Ｔ４だけ停止している。
【００３７】
図７は、本発明の実施の形態に係る搬送制御による紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さＬを示す図である。ここでは、任意の長さの紙葉類１毎に搬送制御パラメータ９０を変える搬送制御を行ったことによる紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さ（はみ出し量）Ｌを示している（第３の工程）。
【００３８】
図７（Ａ）の紙葉類１の長さを基準にすると、図７（Ｂ）の紙葉類１の長さは図７（Ａ）の紙葉類１の長さより長く、図７（Ｃ）の紙葉類１の長さは図７（Ｂ）の紙葉類１の長さより長く、図７（Ｄ）の紙葉類１の長さは図７（Ｃ）の紙葉類１の長さより長い。
【００３９】
しかしながら、図７（Ａ）乃至（Ｄ）のいずれの場合も逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さＬは一定となるように搬送制御パラメータ９０に基づいて搬送制御される（第３の工程）。
【００４０】
図８は、紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２により反転駆動され、第２の搬送路７に繰り出された状態を示している。ここでは、図６で紙葉類１が停止した状態から、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２の接線速度が逆方向でかつ搬送速度より早くなるような回転速度−ω２になるように所定時間Ｔ５だけ逆方向に加速する（第４の工程）。次に、その回転速度−ω２で所定時間Ｔ６だけ定速回転させ、次に所定時間Ｔ７だけ減速し、逆転ローラ１１の接線速度が第２の搬送路の搬送速度と同じ大きさで逆向きとなるような回転速度−ω０に達した後、紙葉類１が完全に逆転ローラ１１及びピンチローラ１２から離れるまでの時間Ｔ８だけその回転速度−ω０を維持する。
【００４１】
この場合も、図５で説明したように、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２の接線速度と、第２の搬送路７の搬送速度が等しくない場合、紙葉類１に搬送速度差による力が加わり、紙葉類１にダメージを与える場合がある。
【００４２】
このため、搬送ローラ６には、ワンウエーローラを用い、例えば、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２側の回転速度が速く、紙葉類１を高速に繰り出した場合には、搬送ローラ６が空転できるようにして適用する。
【００４３】
このようにして、第２の搬送路７に紙葉類１が取り込まれる（第５の工程）。
【００４４】
図９は紙葉類１の大きさに応じて搬送制御パラメータ９０を設定した場合の逆転ローラ駆動モータ１３の制御に関する速度パターン図である。図９において、ω０（ｒａｄ／Ｓ）は、逆転ローラ１１の標準回転速度である。
【００４５】
Ｔ０は、逆転ローラ１１の回転速度がω０に達するまでの時間である。
【００４６】
Ｔ１は、逆転ローラ１１の回転速度がω０からω１に達するまで加速している時間である。
【００４７】
Ｔ２は、逆転ローラ１１の回転速度がω１で定速回転している時間である。
【００４８】
Ｔ３は、逆転ローラ１１の回転速度がω１から減速して０になるまでの減速している時間である。
【００４９】
Ｔ４は、逆転ローラ１１が停止している時間である。
【００５０】
Ｔ５は、逆転ローラ１１の回転速度が０から−ω２に達するまでの逆方向回転で加速している時間である。
【００５１】
Ｔ６は、逆転ローラ１１の回転速度が−ω２で定速回転している時間である。
【００５２】
Ｔ７は、逆転ローラ１１の回転速度が−ω２から−ω０に達するまでの減速している時間である。
【００５３】
Ｔ８は、逆転ローラ１１の回転速度が−ω０で定速回転している時間である。このとき、紙葉類１は逆転ローラ１１及びピンチローラ１２から第２の搬送路７に回転速度−ω０で繰り出される。
【００５４】
図９（Ａ）は、紙葉類１の長さが１３５ｍｍである紙葉類ｄ１３５の逆転ローラ駆動制御に関する速度パターン図である。
【００５５】
図９（Ｂ）は、紙葉類１の長さが１９５ｍｍである紙葉類ｄ１９５の逆転ローラ駆動制御に関する速度パターン図である。
【００５６】
図９（Ｃ）は、紙葉類１の長さが２５５ｍｍである紙葉類ｄ２５５の逆転ローラ駆動制御に関する速度パターン図である。
【００５７】
紙葉類ｄ１９５は、紙葉類ｄ１３５に比べて紙葉類の長さが長いので回転速度ω１で回転する時間Ｔ２と、回転速度−ω２で回転する時間Ｔ６の時間とが長くなる。紙葉類ｄ２５５は紙葉類ｄ１９５に比べて紙葉類の長さが長いので回転速度ω１で回転する時間Ｔ２と、回転速度−ω２で回転する時間Ｔ６の時間とがさらに長くなる。
【００５８】
このように、紙葉類１の長さが長い紙葉類１は、標準の回転速度（正転時ω０、逆転時−ω０）より速い回転速度（正転時ω１、逆転時−ω２）で、より長い時間反転ローラ１１を回転し高速で搬送されることになる。この結果、紙葉類１間の搬送ギャップが均一になり、高密度搬送が可能になる（第６の工程）。
【００５９】
以上説明したように、上記実施の形態によれば、紙葉類１の長さが長い紙葉類１は、短い紙葉類１に比べ、第１の搬送路４から反転部１０での取り込み及び反転部１０から第２の搬送路７への繰り出し速度を早くすることができるため、紙葉類１間の搬送ギャップが等しくなるように搬送することが可能になる。
【００６０】
また、紙葉類のはみ出し量は、振り分けゲート５と反転部１０の配置構成により任意に設定することができるため、高密度搬送が可能な紙葉類の反転制御装置及び紙葉類の反転制御方法を提供することができる。
【００６１】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、紙葉類の長さによらず、反転部での紙葉類停止時のはみ出し長さを一定にするように制御できるため、紙葉類間の搬送ギャップがスイッチバック反転の前後で一定になり、高密度搬送を容易に実現できる。
【００６２】
また、高密度搬送でのスイッチバック反転が可能となるため、コンパクトで経済的な紙葉類の反転制御装置及び反転制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態を示す紙葉類の反転装置の概略側断面図。
【図２】 本発明の反転制御装置の制御回路構成を示すブロック図。
【図３】 紙葉類１の後端が長さ検知センサＳＣ０１の暗状態から明状態になった瞬間を示す図。
【図４】 紙葉類１の先端がタイミングセンサＳＣ０２に到達した瞬間を示す図。
【図５】 紙葉類１の先端が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２のニップに到達した瞬間を示す図。
【図６】 紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２から長さＬだけはみ出た状態で停止した瞬間を示す図。
【図７】 本発明の実施の形態に係る搬送制御による紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さＬを示す図。
【図８】 紙葉類１が第２の搬送路７に繰り出された状態を示す図。
【図９】 逆転ローラ駆動制御に関する速度パターン図。
【図１０】 従来の搬送制御による紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さＬを示す図。
【符号の説明】
ＳＣ０１ 長さ検知センサ
ＳＣ０２ タイミングセンサ
１ 紙葉類
４ 第１の搬送路
５ 振り分けゲート
７ 第２の搬送路
８ 振り分けゲート駆動装置
９ コントローラ
１０ 反転部
１１ 逆転ローラ
１２ ピンチローラ
１３ 逆転ローラ駆動モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、搬送される郵便物などの紙葉類の搬送方向を反転（スイッチバック反転）するための紙葉類の反転制御装置及び紙葉類の反転制御方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
郵便物などの紙葉類を搬送し、処理する紙葉類処理装置に設けられ、搬送されてきた紙葉類の搬送方向を反転する反転（スイッチバック反転）装置がある。この従来の反転装置では、紙葉類の搬送密度を高くするとともに、スイッチバック反転の前後で紙葉類間の搬送ギャップを変化しないように搬送するのは、紙葉類が停止したときの反転部入り口からの紙葉類のはみ出し量が、紙葉類の長さによって変動するため、反転パスへの振り分けゲートの設置位置やゲートのハタ形状の設計が困難であった（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
ここで、紙葉類の長さとは、紙葉類の搬送方向の長さをいう。また、紙葉類間の搬送ギャップとは、紙葉類の後端と次に搬送される紙葉類の先端との間隔をいう。以下の説明においても同様である。
【０００４】
次に、図１０を用いて上記従来の搬送制御について説明する。
【０００５】
図１０は、従来の搬送制御によって、紙葉類１を図示矢印Ａ方向に搬送し、搬送方向を反転（図示矢印Ｂ方向）するために紙葉類１を停止したときの逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さＬを示す図である。ここには、任意の長さの紙葉類１に紙葉類１の長さに関わらず常に一定の搬送制御パラメータを用いた場合の、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る紙葉類１の長さＬが示されている。
【０００６】
図１０（Ａ）は、例えば、被検出媒体に適合する紙葉類１の長さが最も短い場合にはみ出る長さがＬであることを示している。
【０００７】
図１０（Ｂ）は、紙葉類１の長さが図１０（Ａ）の紙葉類１の長さより長いため、はみ出る長さＬ１もＬより長くなる。
【０００８】
図１０（Ｃ）は、紙葉類１の長さが図１０（Ｂ）の紙葉類１の長さより長いため、はみ出る長さＬ２もＬ１より長くなる。
【０００９】
図１０（Ｄ）は、紙葉類１の長さは図１０（Ｃ）の紙葉類１の長さより長いため、はみ出る長さＬ３もＬ２より長くなる。
【００１０】
このように、紙葉類１の長さが長くなればなるほどはみ出る長さＬも長くなり、搬送方向上流側に隣接して設けられる振り分けゲートに接近することになる。また、紙葉類１が反転方向の搬送路にも接近することになり、振り分けゲートを回動制御することが困難になる。
【００１１】
【特許文献１】
特開平７−２３２８４７号公報（第１頁、図１）
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
このため、反転部入り口からの紙葉類のはみ出し量の変動の許容範囲は、振り分けゲートの設置位置や振り分けゲートのハタ形状の制約を受け狭い範囲となる。はみ出し量の変動を狭い範囲内に収めるためには、紙葉類間の搬送ギャップを広くし、スイッチバック反転に十分な時間的余裕を与えることが必要となり、搬送密度を高く出来ないという問題があった。
【００１３】
また、はみ出し量を一定にすると、スイッチバック反転の前後で紙葉類間の搬送ギャップが変化するため、その影響を避けるためには、やはり紙葉類間の搬送ギャップを広くすることが必要となり、搬送密度を高く（高密度搬送）出来ないという問題があった。
【００１４】
そこで本発明は、ゲートの設置位置や形状に応じて、紙葉類の停止時の反転部入り口からの紙葉類のはみ出し量を、紙葉類の長さによらず、ある範囲内で任意に設定できることにより、高密度搬送で、紙葉類間の搬送ギャップをスイッチバック反転の前後で変化しないように制御する紙葉類の反転制御装置及び紙葉類の反転制御方法を提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の紙葉類の反転制御装置は、搬送方向の長さが異なる複数の紙葉類を処理するものであって、複数の紙葉類を所定の間隔をもって第１の方向に搬送するための第１の搬送路と、この第１の搬送路を搬送される紙葉類の長さを測定する長さ測定部と、前記第１の搬送路の搬送方向下流に配置され、前記第１の搬送路から繰り出された紙葉類を取り込み、かつ反転するための正逆回転可能な逆転ローラとこの逆転ローラに対向配置されたピンチローラとからなる反転部と、この反転部によって前記第１の搬送路の第１の方向と異なる第２の方向に繰り出された紙葉類を取り込み、かつ搬送するための第２の搬送路と、前記複数の紙葉類の長さに係わらず前記第２の搬送路上を搬送される紙葉類間の、先行する紙葉類の後端と後行する紙葉類の先端との搬送間隔が、前記第１の搬送路上を搬送されるときの前記所定の間隔と等しくなるように、前記第１の搬送路から紙葉類を取り込んだ後に、前記長さ測定部で測定された紙葉類の長さに基づいて前記逆転ローラの接線速度を前記第１の搬送路の搬送速度よりも高速になるように加速するとともに、前記反転部で紙葉類の搬送方向を反転するために紙葉類を停止するために紙葉類を停止するとき、前記反転部と前記第２の搬送路との間にはみ出す紙葉類のはみ出し量を、紙葉類の長さに係わらず一定の長さになるように紙葉類の搬送を制御するコントローラと、を有することを特徴とする。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【００１７】
図１は、本発明の実施の形態を示す紙葉類の反転制御装置の概略側断面図である。
【００１８】
紙葉類１は郵便物などの被搬送媒体である。
【００１９】
反転制御装置は、紙葉類１を図示矢印Ａ方向である第１の方向に搬送する第１の搬送路４と、この第１の搬送路４に配置され、搬送路４の上流に配置した紙葉類１の長さを検知する長さ検知センサＳＣ０１と、搬送路下流に配置した紙葉類１の搬送制御タイミングを設定するためのタイミングセンサＳＣ０２と、これらのセンサＳＣ０１、ＳＣ０２の出力信号によって搬送速度制御され、繰り出された紙葉類１を振り分ける振り分けゲート５と、この振り分けゲート５の手前に設けられた搬送ローラ２、及びピンチローラ３と、振り分けゲート５によって振り分けられた紙葉類１を取り込み反転するための反転部１０と、この反転部１０から上記第１の搬送路４の搬送方向と逆方向である第２の方向に繰り出された紙葉類１を取り込み搬送する搬送ローラ６および第２の搬送路７とで構成されている。
【００２０】
反転部１０は、第１の搬送路４から繰り出された紙葉類１を取り込み反転するための正逆回転可能な逆転ローラ１１と、この逆転ローラ１１に対向配置されたピンチローラ１２と、正逆回転可能な搬送ローラ１４、１５と逆転ローラ駆動モータ１３とで構成される。
【００２１】
逆転ローラ１１は、逆転ローラ駆動モータ１３に接続され、この逆転ローラ駆動モータ１３によって正転又は逆転駆動される。逆転駆動モータ１３は、コントローラ９（図２を参照）に接続される。
【００２２】
図２は、反転制御装置の制御回路構成を示すブロック図である。
【００２３】
長さ検知センサＳＣ０１及びタイミングセンサＳＣ０２からの出力信号は、コントローラ９に接続される。
【００２４】
振り分けゲート５は、振り分けゲート駆動装置８に接続され、この振り分けゲート駆動装置８によって駆動される。振り分けゲート駆動装置８は、コントローラ９に接続される。
【００２５】
振り分けゲート駆動装置８は、紙葉類１を第１の搬送路４から反転部１０に搬送する場合は振り分けゲート５を反時計方向に回動し、また、反転部１０から第２の搬送路７に搬送する場合は振り分けゲート５を時計方向に回動する。
【００２６】
コントローラ９は、長さ検知センサＳＣ０１の出力信号から紙葉類１の搬送方向長さを検出し、タイミングセンサＳＣ０２の出力信号から紙葉類１の先端を検出する。さらに、振り分けゲート駆動装置８を制御し、紙葉類１の搬送方向を設定するために、振り分けゲート５を時計方向又は反時計方向に回動する。
【００２７】
また、コントローラ９は、反転部１０の逆転ローラ１１及びピンチローラ１２の正転方向回転速度及び反転方向回転速度を設定するための搬送制御パラメータ９０を設定する。
【００２８】
次に、図３乃至図９を用いて、紙葉類１が反転制御によって搬送される動作を説明する。
【００２９】
図３は、紙葉類１が第１の搬送路４を図示矢印Ａ方向に搬送され（第１の工程）、紙葉類１の後端が長さ検知センサＳＣ０１を通過し、暗状態から明状態になった瞬間を示している。このとき、コントローラ９は、長さ検知センサ（長さ測定部）ＳＣ０１の暗時間を紙葉類１が通過する時間単位クロックによりカウントすることによって、紙葉類１が被検出媒体に適合する長さを有する媒体であるか否かの媒体識別と、紙葉類１の長さを測定する（長さ測定工程）。
【００３０】
そして、紙葉類１が検出媒体に適合している場合、コントローラ９は、振り分けゲート５を反時計方向に回動し、紙葉類１を搬送する。
【００３１】
図４は、紙葉類１の先端がタイミングセンサＳＣ０２に到達した瞬間を示す図である。また、以降の搬送時間と速度の関係を示したタイミング図を図９に示している。ここでは、コントローラ９は前述した紙葉類１の長さによって設定した搬送制御パラメータ９０を逆転ローラ駆動モータ１３に設定し、これにより逆転ローラ１１は正転する。この場合、搬送制御パラメータ９０は、紙葉類１の先端が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２のニップに到達するまでの時間Ｔ０の間に、第１の搬送路４の搬送速度と逆転ローラ１１の外周の接線方向の速度である接線速度とが一致するように逆転ローラ１１の回転速度ω０が設定される。
【００３２】
図５は、紙葉類１の先端が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２のニップに到達した瞬間を示す図である。ここでは、紙葉類１の先端が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２のニップに到達しているため、逆転ローラ１１の外周の接線方向の速度である接線速度が、第１の搬送路４の搬送速度に達するように設定される。この時の逆転ローラ１１の回転速度はω０に達している。従って、紙葉類１はスムーズに反転部１０に取り込まれる（第２の工程）。
【００３３】
しかしながら、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２の接線速度と、第１の搬送路４の搬送速度が等しくない場合は、紙葉類１に搬送速度差による力が加わり、紙葉類１にダメージを与える場合がある。
【００３４】
このため、搬送ローラ２には、ワンウエーローラを用い、例えば、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２側の接線速度が速い場合には、搬送ローラ２が空転できるようにしてある。このようにすることにより、紙葉類１のダメージを防止することができる。
【００３５】
引き続き、コントローラ９は、搬送制御パラメータ９０に基づいて逆転ローラ駆動モータ１３を制御して逆転ローラ１１を所定時間Ｔ１だけ回転速度を加速し（加速工程）、次に回転速度ω０より早い速度となるような回転速度ω１で、所定時間Ｔ２だけ定速回転させ、次に所定時間Ｔ３だけ減速し停止させる。
【００３６】
図６は、紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２から長さＬだけはみ出た状態で停止した状態を示す図である。ここでは、ある一定時間Ｔ４だけ停止している。
【００３７】
図７は、本発明の実施の形態に係る搬送制御による紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さＬを示す図である。ここでは、任意の長さの紙葉類１毎に搬送制御パラメータ９０を変える搬送制御を行ったことによる紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さ（はみ出し量）Ｌを示している（第３の工程）。
【００３８】
図７（Ａ）の紙葉類１の長さを基準にすると、図７（Ｂ）の紙葉類１の長さは図７（Ａ）の紙葉類１の長さより長く、図７（Ｃ）の紙葉類１の長さは図７（Ｂ）の紙葉類１の長さより長く、図７（Ｄ）の紙葉類１の長さは図７（Ｃ）の紙葉類１の長さより長い。
【００３９】
しかしながら、図７（Ａ）乃至（Ｄ）のいずれの場合も逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さＬは一定となるように搬送制御パラメータ９０に基づいて搬送制御される（第３の工程）。
【００４０】
図８は、紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２により反転駆動され、第２の搬送路７に繰り出された状態を示している。ここでは、図６で紙葉類１が停止した状態から、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２の接線速度が逆方向でかつ搬送速度より早くなるような回転速度−ω２になるように所定時間Ｔ５だけ逆方向に加速する（第４の工程）。次に、その回転速度−ω２で所定時間Ｔ６だけ定速回転させ、次に所定時間Ｔ７だけ減速し、逆転ローラ１１の接線速度が第２の搬送路の搬送速度と同じ大きさで逆向きとなるような回転速度−ω０に達した後、紙葉類１が完全に逆転ローラ１１及びピンチローラ１２から離れるまでの時間Ｔ８だけその回転速度−ω０を維持する。
【００４１】
この場合も、図５で説明したように、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２の接線速度と、第２の搬送路７の搬送速度が等しくない場合、紙葉類１に搬送速度差による力が加わり、紙葉類１にダメージを与える場合がある。
【００４２】
このため、搬送ローラ６には、ワンウエーローラを用い、例えば、逆転ローラ１１及びピンチローラ１２側の回転速度が速く、紙葉類１を高速に繰り出した場合には、搬送ローラ６が空転できるようにして適用する。
【００４３】
このようにして、第２の搬送路７に紙葉類１が取り込まれる（第５の工程）。
【００４４】
図９は紙葉類１の大きさに応じて搬送制御パラメータ９０を設定した場合の逆転ローラ駆動モータ１３の制御に関する速度パターン図である。図９において、ω０（ｒａｄ／Ｓ）は、逆転ローラ１１の標準回転速度である。
【００４５】
Ｔ０は、逆転ローラ１１の回転速度がω０に達するまでの時間である。
【００４６】
Ｔ１は、逆転ローラ１１の回転速度がω０からω１に達するまで加速している時間である。
【００４７】
Ｔ２は、逆転ローラ１１の回転速度がω１で定速回転している時間である。
【００４８】
Ｔ３は、逆転ローラ１１の回転速度がω１から減速して０になるまでの減速している時間である。
【００４９】
Ｔ４は、逆転ローラ１１が停止している時間である。
【００５０】
Ｔ５は、逆転ローラ１１の回転速度が０から−ω２に達するまでの逆方向回転で加速している時間である。
【００５１】
Ｔ６は、逆転ローラ１１の回転速度が−ω２で定速回転している時間である。
【００５２】
Ｔ７は、逆転ローラ１１の回転速度が−ω２から−ω０に達するまでの減速している時間である。
【００５３】
Ｔ８は、逆転ローラ１１の回転速度が−ω０で定速回転している時間である。このとき、紙葉類１は逆転ローラ１１及びピンチローラ１２から第２の搬送路７に回転速度−ω０で繰り出される。
【００５４】
図９（Ａ）は、紙葉類１の長さが１３５ｍｍである紙葉類ｄ１３５の逆転ローラ駆動制御に関する速度パターン図である。
【００５５】
図９（Ｂ）は、紙葉類１の長さが１９５ｍｍである紙葉類ｄ１９５の逆転ローラ駆動制御に関する速度パターン図である。
【００５６】
図９（Ｃ）は、紙葉類１の長さが２５５ｍｍである紙葉類ｄ２５５の逆転ローラ駆動制御に関する速度パターン図である。
【００５７】
紙葉類ｄ１９５は、紙葉類ｄ１３５に比べて紙葉類の長さが長いので回転速度ω１で回転する時間Ｔ２と、回転速度−ω２で回転する時間Ｔ６の時間とが長くなる。紙葉類ｄ２５５は紙葉類ｄ１９５に比べて紙葉類の長さが長いので回転速度ω１で回転する時間Ｔ２と、回転速度−ω２で回転する時間Ｔ６の時間とがさらに長くなる。
【００５８】
このように、紙葉類１の長さが長い紙葉類１は、標準の回転速度（正転時ω０、逆転時−ω０）より速い回転速度（正転時ω１、逆転時−ω２）で、より長い時間反転ローラ１１を回転し高速で搬送されることになる。この結果、紙葉類１間の搬送ギャップが均一になり、高密度搬送が可能になる（第６の工程）。
【００５９】
以上説明したように、上記実施の形態によれば、紙葉類１の長さが長い紙葉類１は、短い紙葉類１に比べ、第１の搬送路４から反転部１０での取り込み及び反転部１０から第２の搬送路７への繰り出し速度を早くすることができるため、紙葉類１間の搬送ギャップが等しくなるように搬送することが可能になる。
【００６０】
また、紙葉類のはみ出し量は、振り分けゲート５と反転部１０の配置構成により任意に設定することができるため、高密度搬送が可能な紙葉類の反転制御装置及び紙葉類の反転制御方法を提供することができる。
【００６１】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、紙葉類の長さによらず、反転部での紙葉類停止時のはみ出し長さを一定にするように制御できるため、紙葉類間の搬送ギャップがスイッチバック反転の前後で一定になり、高密度搬送を容易に実現できる。
【００６２】
また、高密度搬送でのスイッチバック反転が可能となるため、コンパクトで経済的な紙葉類の反転制御装置及び反転制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態を示す紙葉類の反転装置の概略側断面図。
【図２】 本発明の反転制御装置の制御回路構成を示すブロック図。
【図３】 紙葉類１の後端が長さ検知センサＳＣ０１の暗状態から明状態になった瞬間を示す図。
【図４】 紙葉類１の先端がタイミングセンサＳＣ０２に到達した瞬間を示す図。
【図５】 紙葉類１の先端が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２のニップに到達した瞬間を示す図。
【図６】 紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２から長さＬだけはみ出た状態で停止した瞬間を示す図。
【図７】 本発明の実施の形態に係る搬送制御による紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さＬを示す図。
【図８】 紙葉類１が第２の搬送路７に繰り出された状態を示す図。
【図９】 逆転ローラ駆動制御に関する速度パターン図。
【図１０】 従来の搬送制御による紙葉類１が逆転ローラ１１及びピンチローラ１２からはみ出る長さＬを示す図。
【符号の説明】
ＳＣ０１ 長さ検知センサ
ＳＣ０２ タイミングセンサ
１ 紙葉類
４ 第１の搬送路
５ 振り分けゲート
７ 第２の搬送路
８ 振り分けゲート駆動装置
９ コントローラ
１０ 反転部
１１ 逆転ローラ
１２ ピンチローラ
１３ 逆転ローラ駆動モータ
Claims (4)
- 搬送方向の長さが異なる複数の紙葉類を処理するものであって、
複数の紙葉類を所定の間隔をもって第１の方向に搬送するための第１の搬送路と、
この第１の搬送路を搬送される紙葉類の長さを測定する長さ測定部と、
前記第１の搬送路の搬送方向下流に配置され、前記第１の搬送路から繰り出された紙葉類を取り込み、かつ反転するための正逆回転可能な逆転ローラとこの逆転ローラに対向配置されたピンチローラとからなる反転部と、
この反転部によって前記第１の搬送路の第１の方向と異なる第２の方向に繰り出された紙葉類を取り込み、かつ搬送するための第２の搬送路と、
前記複数の紙葉類の長さに係わらず前記第２の搬送路上を搬送される紙葉類間の、先行する紙葉類の後端と後行する紙葉類の先端との搬送間隔が、前記第１の搬送路上を搬送されるときの前記所定の間隔と等しくなるように、前記第１の搬送路から紙葉類を取り込んだ後に、前記長さ測定部で測定された紙葉類の長さに基づいて前記逆転ローラの接線速度を前記第１の搬送路の搬送速度よりも高速になるように加速するとともに、前記反転部で紙葉類の搬送方向を反転するために紙葉類を停止するために紙葉類を停止するとき、前記反転部と前記第２の搬送路との間にはみ出す紙葉類のはみ出し量を、紙葉類の長さに係わらず一定の長さになるように紙葉類の搬送を制御するコントローラと、
を有することを特徴とする紙葉類の反転制御装置。 - 前記コントローラは、
前記第１の搬送路から繰り出された紙葉類が前記反転部の逆転ローラに到達するまでの間に、前記逆転ローラの正方向への回転における接線速度を紙葉類の搬送速度と一致するように制御することを特徴とする請求項１記載の紙葉類の反転制御装置。 - 前記コントローラは更に、
前記長さ測定部で測定された紙葉類の長さに基づいて前記逆転ローラの接線速度を前記第２の搬送路の搬送速度よりも高速になるように加速するとともに、前記反転部から前記第２の方向に繰り出す前記逆転ローラの逆方向への回転における接線速度と、繰り出された紙葉類を取り込み搬送するための前記第２の搬送路の搬送速度が一致するように制御することを特徴とする請求項１記載の紙葉類の反転制御装置。 - 搬送方向の長さが異なる複数の紙葉類を第１の搬送路を搬送した後、搬送方向を反転して第２の搬送路に搬出するものであって、
第１の搬送路上を、複数の紙葉類を所定の間隔をもって第１の方向に搬送する第１の工程と、
この第１の工程で搬送される紙葉類の長さを測定する長さ測定工程と、
前記第１の搬送路の搬送方向下流に配置された正逆回転可能な逆転ローラと、前記逆転ローラに対向配置されたピンチローラとからなる反転部で、前記第１の搬送路から繰り出された紙葉類を取り込む第２の工程と、
この第２の工程で取り込んだ紙葉類を前記長さ測定工程で測定された紙葉類の長さに基づいて前記逆転ローラの接線速度を前記第１の搬送路の搬送速度よりも高速になるように加速して搬送する加速工程と、
この加速工程の後に紙葉類を停止するとき、前記反転部と前記第２の搬送路との間にはみ出す紙葉類のはみ出し量を紙葉類の長さに係わらず一定の長さに設定して停止する第３の工程と、
この第３の工程で停止した紙葉類の搬送方向を前記反転部で反転後、前記第１の方向と異なる第２の方向に繰り出すとともに、前記長さ測定工程で測定された紙葉類の長さに基づいて前記逆転ローラの接線速度を前記第２の搬送路の搬送速度よりも高速になるように加速する第４の工程と、
この第４の工程で繰り出された紙葉類を第２の搬送路に取り込む第５の工程と、
を有し、
この第５の工程で取り込まれた紙葉類を前記第２の搬送路上を搬送するとき、前記複数の紙葉類の長さに係わらず前記第２の搬送路上を搬送される紙葉類間の、先行する紙葉類の 後端と後行する紙葉類の先端との搬送間隔が、前記第１の搬送路上を搬送されるときの前記搬送間隔と等しくなるように、前記長さ測定工程で測定された紙葉類の長さに応じて前記加速工程及び第４の工程での逆転ローラの接線速度を制御するようにしたことを特徴とする紙葉類の反転制御方法。
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