JP4300072B2 - 紙葉類の搬送ピッチ補正装置 - Google Patents

紙葉類の搬送ピッチ補正装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送される紙幣などの紙葉類の搬送ピッチを補正する紙葉類の搬送ピッチ補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、搬送される紙幣などの紙葉類を処理する処理装置は、集積した状態で投入された紙葉類を搬送して1枚ずつ後段の処理部へ搬送する装置が知られている。この装置で搬送路上に取り出された紙葉類は、例えば、搬送路上に設けられた検出部を通過した時に、その搬送先に関する情報が検出され、この検出結果に基づいて搬送路上に設けられた複数のゲートが切り換えられて、当該紙葉類が所定の搬送先へ搬送されて処理される。
【0003】
装置全体としての処理能力を高めるため、紙葉類の処理速度、すなわち紙葉類の取り出し速度はできるだけ高速にすることが望ましく、その高速化対策が行われてきた。例えば、検出部における検出処理時間及び各ゲートの切り換え動作に要する処理時間の高速化などである。また、高速化するために、連続して搬送される2枚の紙葉類間のピッチを最小にすることについても検討されてきた。
【0004】
ところが、紙葉類間のピッチを常に一定にできれば高速ゲートを用いることにより紙葉類間のピッチを限界まで短くすることができるが、実際には、連続する紙葉類間のピッチにはかなりのばらつきが生じている。特に、紙葉類間のピッチが規定値より短くなると不具合を生じる。例えば、紙葉類がゲートを通過し終わる前にゲートが動作すると、紙葉類の後端を挟み込んでジャムを生じてしまう。また、ゲートが動作している最中又はゲートが動作する前にギャップ後方の紙葉類がゲートを通過してしまうと、異なる搬送先へ搬送してしまう。従って、規定値より短いピッチで取り出された2枚の紙葉類はリジェクトされるケースが多い。従って、実際には、リジェクト率を低くするために紙葉類間のピッチに多くのマージンをとっていた。
【0005】
また、このようなピッチのばらつき、特にピッチが規定値を下回ることを防止するため、投入された複数枚の紙葉類を1枚ずつ取り出す取り出しローラ対と、この取り出しローラ対のニップより取り出し方向下流に紙葉類を検知するタイミングセンサと、このタイミングセンサを通過した紙葉類を受け入れて一定速度で搬送する搬送ローラ対を配置して搬送ピッチを制御する方法が知られている。この方法は、取り出しローラ対によって取り出された紙葉類が搬送ローラ対のニップを通過して一定速度で搬送される紙葉類同士の間隔が一定値を下回ることのないように、タイミングセンサによる検知結果に基づいて、取り出しローラ対の回転動作を制御している(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特願2002−102820号公報(第5頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来方法は、紙葉類が紙幣の場合、取り扱う券種が複数種類あり、紙幣の搬送方向の長さが異なる場合は、取り扱う券種毎に制御する制御量が異なり複雑な制御になる。また、紙幣の場合は、印刷されたばかりの新券と、流通券と、長期間流通して古くなった損券とでは、取り出しローラで取り出されるときの搬送摩擦力が異なることから、取り出される搬送スピードにばらつきが生じてくる。このため搬送制御が複雑になり所定のピッチ取り出しが現実的には困難であり、結果的に搬送ピッチがばらつくという問題がある。
【0008】
本発明は上記した問題点を解決するために、簡単な搬送制御により、搬送される紙幣などの紙葉類の搬送ピッチを補正する紙葉類の搬送ピッチ補正装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、搬送方向の長さが異なる複数の紙葉類を取出手段によって所定のピッチ間隔で1枚ずつ取り出して搬送する搬送路と、この搬送路に設置され、前記紙葉類を検知するセンサと、このセンサを通過する紙葉類の搬送時間を計測する搬送時間計測手段と、前記センサによって前記紙葉類の直前及び直後に搬送された紙葉類との間の紙葉類間の搬送ピッチ時間を計測する搬送ピッチ時間計測手段と、この搬送ピッチ時間計測手段で計測された搬送ピッチ時間の標準搬送ピッチ時間からの搬送ピッチズレ時間を算出する搬送ピッチずれ時間算出手段と、前記搬送時間計測手段で計測された紙葉類の搬送時間、前記搬送ピッチ時間計測手段で計測された紙葉類の搬送ピッチ時間及び搬送ピッチずれ時間計測手段から算出された搬送ピッチずれ時間を補正するための紙葉類のピッチ補正係数設定手段と、前記センサの搬送下流に配置され、かつ、当該紙葉類を挟持搬送する搬送ローラ及びこれに対抗配置したピンチローラと、この搬送ローラ及び対抗配置したピンチローラの速度を制御する搬送ローラ制御手段と、を有し、前記搬送ピッチずれ時間算出手段によって搬送ピッチずれが検知された場合には、前記搬送ローラ制御手段によって前記搬送ローラ及び前記ピンチローラで前記紙葉類を挟持して搬送している期間、前記ピッチ補正係数設定手段によって設定されたピッチ補正係数で前記搬送ローラの搬送速度を設定することにより紙葉類の搬送ピッチずれを補正するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4記載の紙葉類の搬送ピッチ補正装置は、搬送方向の長さが異なる紙葉類を所定のピッチ間隔で第1の方向に搬送するための第1の搬送路と、この第1の搬送路に配置され、紙葉類を検知するセンサと、前記第1の搬送路の搬送方向下流に前記センサに近接して配置され、前記紙葉類の判別結果によって回動可能な第1の振分ゲートと、前記第1の振分ゲートによって、前記紙葉類を第2の方向に搬送するための第2の搬送路と、前記第2の搬送路から前記紙葉類を反転部に取り込むための第2の振分ゲートと、
前記紙葉類を反転部に取り込んだ後、前記紙葉類を反転させて搬送する正逆回転可能な第1の搬送ローラ及びこの第1の搬送ローラに対向配置されたピンチローラと、反転した前記紙葉類を第3の搬送路を経由して前記第1の搬送路に繰り出すための第2の搬送ローラ及びこの第2の搬送ローラに対向配置したピンチローラと、先に搬送された紙葉類が前記センサを通過するときの搬送時間と、続けて搬送された後の紙葉類の先端が前記センサに到達するまでの時間の標準搬送ピッチ時間時間からのずれ時間である搬送ピッチずれ時間と、を算出し、当該紙葉類の搬送方向の搬送時間に応じて搬送ピッチずれ時間を設定し、この搬送ピッチずれ時間に応じて前記第1の搬送ローラを正転して反転部に取り込むときの回転速度、取込後減速するときの取込速度、減速後停止する停止時間及び前記第1の搬送ローラを反転して第2の搬送路に送り出すときの回転速度を制御するスイッチバック制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1乃至図6を参照して説明する。
【0012】
図1は、本装置が搭載される紙幣処理部1の概略側断面図である。この紙幣処理部1は、金種及びサイズの異なるものが混在する複数枚の紙幣Bを一括して投入したものに対し、紙幣Bの表裏(表裏反転部による動作)又は表裏及び正逆(スイッチバック反転部による動作)を全て同じものに揃えてその金種別に分類して収納庫に集積するためのものである。ただし、これは紙幣Bの短手方向の搬送を想定したものであり、以下の説明も同様とする。
【0013】
ここで、紙幣Bの搬送方向について説明する。紙幣Bは、表(F:表を上にした状態)、裏(B:裏を上にした状態)、正(F:紙幣の表もしくは裏の印刷が正立した状態)、逆(R:紙幣の表もしくは裏の印刷が倒立した状態)の4種類あり、これらを組み合わせた表正FF、表逆FR、裏正BF、裏逆BRからなる4種類の搬送方向が形成される。つまり、供給部10に4種類の搬送形態を有する紙幣Bがランダムにスタックされている。
【0014】
紙幣処理部1は、紙幣Bを供給する供給部10と、この供給部10に供給された紙幣Bを1枚ずつ取り出す取出ローラ14と、この取出ローラ14によって取り出された紙幣Bを繰り出す搬送ローラ15と、繰り出された紙幣Bの搬送ピッチを補正する搬送ピッチ補正部2と、紙幣Bを搬送する搬送路16と、この搬送路16の途中に配置され、搬送される紙幣Bの判別を行う紙幣判別装置19と、この紙幣判別装置19の判別結果に基づき紙幣Bの表裏及び正逆を反転する搬送ピッチを補正するスイッチバック反転部3と、紙幣Bの表裏を反転する表裏反転部45と、紙幣Bを振り分ける複数の振分ゲートG1〜G8と、複数の搬送路41〜43と、振り分けられた紙幣Bを集積する収納庫60〜65とで構成されている。
【0015】
また、紙幣処理部1はインターフェース50を介して主制御部51に接続されている。
【0016】
供給部10は、4種類の搬送方向が混在する紙幣Bを当接して整位するステージ11と、ステージ11に対して鉛直方向に立設したバックアッププレート12とで構成されている。また、このバックアッププレート12は、バネ13の付勢力によってステージ11に沿って左側に移動可能になっている。このようにして投入された紙幣Bは、バックアッププレート12により取出ローラ14側に圧接される。
【0017】
取出ローラ14は、回転しながら、圧接された紙幣Bを1枚づつ取出し、搬送ローラ15に繰り出す。繰り出された紙幣Bは、搬送ピッチ補正部2に供給される。
【0018】
搬送ピッチ補正部2は、搬送ローラ15の搬送方向下流に近接して設置され紙幣を検知するタイミングセンサSC1と、搬送ローラ駆動モータ202からの駆動力によって回転速度を可変することができる搬送ローラ201と、この搬送ローラ201に対向配置されたピンチローラ200及び搬送ローラ駆動モータ202を制御する搬送ピッチ制御部203とで構成される。
【0019】
紙幣判別装置19は、図2に示すように紙幣Bの判別を行う紙幣判別部20と、搬送される紙幣Bの行き先を決定する搬送制御部30とで構成される。
【0020】
すなわち、紙幣判別部20は、紙幣Bの材質に係わる光学的特性や磁気的特性を検出するための複数のセンサ1〜nと、これらセンサ1〜nの出力信号を増幅する増幅回路1〜nと、この増幅回路1〜nの出力信号を順次A/D変換するためのA/D変換部24と、このA/D変換部24でA/D変換されたデータを論理演算する論理回路部23とで構成した信号処理回路と、この信号処理回路の出力信号から真偽(本物か偽物か)、正損(正券か損券か)を判別する他、紙幣判別部20の全体を制御するCPU21と、このCPU21によってアクセスされる記憶部25、及びCPU21で判別された結果やデータを主制御部51との間で通信するためのI/F部22とで構成される。
【0021】
また、搬送制御部30は、紙幣判別部20の判別結果により、搬送される紙幣Bの行き先を決定して、紙幣Bの搬送制御を行うCPU31と、このCPU31によってアクセスされる記憶部33と、紙幣判別部20とのI/F部32とで構成される。なお、紙幣判別部20の記憶部25および搬送制御部30の記憶部33の構成は本発明と直接関係ないのでその説明は省略する。また、主制御部51の構成についても同様に省略する。
【0022】
図1の振分ゲートG1は、例えば、リジェクト券と、処理券とに振り分けるゲートである。リジェクト券とは、紙幣判別部20で判別された紙幣Bが偽券または折れ、破れ、スキューなどにより判別のできない「判別不能券」を指し、その判別信号を搬送制御部30が受信すると、振分ゲートG1を右側(時計方向)に回動することにより、リジェクト券をリジェクト集積部80に集積する。
【0023】
また、「処理券」とは、紙幣判別部20で判別された紙幣Bが真券で正券(再流通可能券)、又は真券で損券(流通不能券)を指し、その判別信号を搬送制御部30が受信すると、振分ゲートG1を左側(反時計方向)に回動する。
【0024】
スイッチバック反転部3(図6参照)は、搬送ローラ対300、301の搬送方向下流に近接して設置され紙幣Bを検知するタイミングセンサSC2と、このタイミングセンサSC2の搬送方向下流に近接して設置された振分ゲートG10、G11と、反転部取り込みローラ302、303と、反転部311と、スイッチバック反転部3を制御するスイッチバック反転制御部312とで構成される。
【0025】
反転部311は、取り込んだ紙幣Bを図示矢印A31又はA32の方向に搬送するために正回転又は逆回転する逆転ローラ304及びこれに対向するピンチローラ305と、この逆転ローラ304を駆動する逆転ローラ駆動モータ310と、搬送ローラ306、307とで構成される。
【0026】
また、反転部311に取り込んだ紙幣Bが図示矢印A32の方向に搬送されて、スイッチバック反転部3から放出するための搬送ローラ308及びピンチローラ309が設けられている。
【0027】
ここで、逆転ローラ304は、紙幣Bを図示矢印A31の方向に搬送する場合には正回転し、図示矢印A32の方向に搬送する場合には逆転する。
【0028】
次に、図1の振分ゲートG2は、表裏振分ゲートである。この振分ゲートG2は、紙幣判別部20で判別された紙幣Bの搬送方向の結果に基づき、表裏反転を必要とする表逆FR(反転部311を通過して裏正BFに反転される)、裏正BF(反転部311を通過せず)の場合は右側(時計方向)に回動され、紙幣Bは図示矢印A6で示す表裏反転部45を通過した際に180度回転して表正FFに揃えられる。また、表裏反転を必要としない表正FF、裏逆BR(反転部311を通過して表正FFに反映される)の場合は、左側に回動され、紙幣Bは図示矢印A4で示す方向に搬送される。
【0029】
表裏反転部45は、紙幣判別装置19の紙幣判別部20で判別された紙幣Bの搬送方向の表裏を反転する。すなわち、搬送方向が裏正BFと判定された紙幣Bの場合、表裏反転部45によって表正FFに揃えられる。
【0030】
このようにして反転された紙幣Bは、搬送路43を通り振分ゲートG4〜G8で振り分けられ、収納庫60〜65のいずれかに集積される。
【0031】
(第1の実施の形態)
次に、本発明による第1の実施の形態であるピッチ補正部2の動作を図3乃至図4を参照して説明する。図3(A)乃至図3(D)は、ピッチ補正部2を3枚の紙幣B1〜B3が図示矢印A1方向に搬送されるときの状態を時系列に示している。この図3は、図1に示す該当部を裏から見た搬送方向で示しているため、図示矢印A1の搬送方向は図1と逆になる。
【0032】
図3(A)は、紙幣B1〜B3が図示矢印A1の方向に搬送され、ピッチ補正部2を通過するときの状態を示す。この場合、紙幣B2が搬送ローラ15に挟持され、タイミングセンサSC1(センサ)に到達した瞬間の紙幣B1、B3の標準状態の搬送位置関係を示す。
【0033】
図3(B)は、紙幣B1〜B3が標準搬送ピッチ状態にあるときの紙幣Bの搬送方向の長さW(紙幣Bは短手搬送をしており、紙幣の搬送方向の長さWは紙幣Bの幅に相当する。)と紙幣B1〜B3間の搬送ピッチPを示す。搬送ピッチPとは、例えば先に搬送された紙幣B1の先端と次に搬送された紙幣B2の先端の距離がP12であることを示す。ここでは、紙幣B1〜B3が標準搬送ピッチPSの距離だけ離れて搬送されている状態を示す。
【0034】
図3(C)は、先に搬送された紙幣B1に対し、次に搬送された紙幣B2の搬送ピッチP12がdPだけ遅れて搬送され、紙幣B2と紙幣B3の搬送ピッチP23がdP短縮された状態を示す。すなわち、この状態では紙幣B1と紙幣B2との間でdPだけ搬送ピッチ遅れが発生し、紙幣B2と紙幣B3との間でdPだけ搬送ピッチ詰まりが発生している。従って、紙幣B1と紙幣B2の搬送ピッチP12、及び紙幣B2と紙幣B3の搬送ピッチP23は以下の(1)式及び(2)式で示される。
【0035】
12=PS+dP・・・・・・・・・・・・・・・(1)
23=PS−dP・・・・・・・・・・・・・・・(2)
図3(D)は、先に搬送された紙幣B1に対し、次に搬送された紙幣B2がdPだけ搬送ピッチ詰まりが発生し、紙幣B2と紙幣B3との間でdPだけ搬送ピッチ遅れが発生している。従って、紙幣B1と紙幣B2の搬送ピッチP12、及び紙幣B2と紙幣B3の搬送ピッチP23は以下の(3)式及び(4)式で示される。
【0036】
12=PS−dP・・・・・・・・・・・・・・・(3)
23=PS+dP・・・・・・・・・・・・・・・(4)
次に、図4及び図5を参照してピッチ補正を説明する。図4はピッチ補正時の紙幣の搬送位置の遷移を示す。図4(A)は、紙幣B1〜B3が標準搬送ピッチPSで搬送され、かつ、紙幣B2の先端がタイミングセンサSC1に到達した瞬間を示す。
【0037】
図4(B)は、紙幣B1と紙幣B2の間で搬送ピッチ詰まりにより搬送誤差dPが発生し、紙幣B2と紙幣B3の間で搬送遅れにより搬送誤差dPが発生し、かつ、紙幣B2の先端がタイミングセンサSC1に到達した瞬間を示す。すなわち、紙幣B1と紙幣B2間の搬送ピッチPが標準搬送ピッチPSに対してdPだけ短く、紙幣B2と紙幣B3の搬送ピッチPが標準搬送ピッチPSに対してdPだけ長い。また、紙幣B2が搬送ピッチ補正部2の搬送ローラ201及びピンチローラ200のニップに到達するまでは所定の搬送速度(標準搬送速度)で搬送される。
【0038】
図4(C)は、紙幣B2の先端が搬送ピッチ補正部2の搬送ローラ201及びピンチローラ200のニップに到達した瞬間を示す。このとき、紙幣B2は搬送ローラ15による挟持から解放されており、搬送ローラ駆動モータ202の駆動力によって回転する搬送ローラ201により、設定した範囲の間で任意の速度で搬送される。
【0039】
図4(D)は、搬送ピッチ詰まりが補正されて搬送ローラ201及び、ピンチローラ200のニップから紙幣B2が放出される瞬間を示す。
【0040】
次に、図5を参照して搬送ピッチ制御部203によるピッチ補正処理の流れを説明する。図4(B)に示すように紙幣B2の先端がタイミングセンサSC1に到達すると、タイミングセンサSC1は明から暗になる(ステップS1)。すなわち、紙幣B2の先端を検出した信号が搬送ピッチ制御部203に出力される。
【0041】
搬送ピッチ制御部203は、先に搬送された紙幣B1と紙幣B2の搬送ピッチPに対応する搬送ピッチ時間Ptを計測する(ステップS2)。
【0042】
次に、標準搬送ピッチPSに対応する標準搬送ピッチ時間PStと、ステップS2で求めた搬送ピッチ時間Ptから搬送ピッチずれ時間dPtが以下の(5)式で求められる(ステップS3)。
【0043】
dPt=PSt−Pt・・・・・・・・・・・・・(5)
次に、紙幣B2がさらに搬送されるとタイミングセンサSC1は、暗から明になる(ステップS4)。すなわち、紙幣B2の後端が通過したことを検知した信号が搬送ピッチ制御部203に出力される。
【0044】
搬送ピッチ制御部203は、紙幣が暗になっていた時間を計測することによって、紙幣の搬送方向の長さに対応する搬送時間Wtを計測する(ステップS5)。
【0045】
次に、ステップS5で求めた紙幣の長さに対応する搬送時間WtとステップS3で求めた搬送ピッチずれ時間dPtから搬送ローラ201の搬送速度Vが求められる。求めた搬送速度Vを標準搬送速度Vsのn倍であるとして、ピッチ補正係数nは以下の(6)式で求められ、搬送速度Vは以下の(7)式で求められる(ステップS5)。
【0046】
n=Wt/(Wt±dPt)・・・・・・・・・・・・(6)
+dPt:搬送ピッチずれ時間dPtがピッチ詰まりの場合に用いる。
【0047】
−dPt:搬送ピッチずれ時間dPtがピッチ遅れの場合に用いる。
【0048】
V=n・Vs・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
図4(B)の場合、紙幣B2は、紙幣B1に対してピッチ詰まりの状態にあるため(6)式は以下の(8)式を用いてピッチ補正係数nが求まる。つまり、このピッチ補正係数nの速度に従って搬送ローラ201の搬送速度を制御することにより、紙幣1と紙幣2間の搬送ピッチが補正される。
【0049】
n=Wt/(Wt+dPt)・・・・・・・・・・・・(8)
次に、紙幣B2は、この紙幣B2が搬送ピッチ補正部2の搬送ローラ201及びピンチローラ200のニップに到達するまでの間、所定の搬送速度(標準搬送速度Vs)で搬送される(ステップS7)。
【0050】
次に、搬送ローラ201及びピンチローラ200のニップに到達した紙幣B2がステップS6で求めた搬送速度Vで搬送される。このようにして紙幣B2が搬送ローラ201及びピンチローラ200のニップから放出される(図4(D)の紙幣B2参照)。
【0051】
上記ステップS1〜ステップS8は、次に搬送される紙幣B3に対しても同様に行われる。この場合、ステップS6において、紙幣B3は紙幣B2に対して搬送ピッチ遅れになっているので上記(6)式は以下の(9)式を用いてピッチ補正係数nを求める。つまり、このピッチ補正係数nの速度に従って搬送ローラ201の搬送速度を制御することにより、紙幣2と紙幣3間の搬送ピッチが補正される。
【0052】
n=Wt/(Wt−dPt)・・・・・・・・・・・・(9)
また、搬送ローラ201の搬送速度Vは(5)式で求めたnと標準搬送速度Vsを(7)式に代入して求められる。
【0053】
このようにして、搬送ピッチずれである搬送ピッチ詰まり及び搬送ピッチ遅れが補正される。
【0054】
なお、上述した搬送ピッチ補正部2は、次に述べる搬送ギャップ補正にも適用できることはもちろんである。次に、搬送ギャップGPを補正する方法を説明する。搬送ギャップGPとは、紙葉類の後端と、次に搬送される紙葉類の先端の間隔をいう。従って、上述した搬送ピッチPに対応する搬送ピッチ通過時間Ptの計測(図5のステップS2)に換えて、搬送ギャップGPを補正する場合は、搬送ギャップGPに対応する搬送ギャップ通過時間GPt及び搬送ギャップずれ時間dGPtを計測し下記(10)式によって搬送ローラ201の搬送速度Vを求めることができる。
【0055】
dGPt=GPSt−GPt・・・・・・・・・・(10)
+dPt:搬送ギャップずれ時間dGPtがギャップ詰まりの場合に用いる。
【0056】
−dPt:搬送ギャップずれ時間dGPtがギャップ遅れの場合に用いる。
【0057】
n=Wt/(Wt±dGPt)・・・・・・・・・(11)
V=n・Vs・・・・・・・・・・・・・ ・・・(12)
このようにして、搬送ピッチ補正と同様に搬送ギャップ補正も行うことができる。
【0058】
以上述べたように、本発明の第1の実施の形態によれば、搬送ピッチ補正部の搬送速度制御によって搬送される紙葉類などの搬送ピッチを補正することができる。
【0059】
(第2の実施の形態)
次に、本発明による第2の実施の形態であるスイッチバック反転部3における搬送ピッチ補正の動作を図6乃至図9を参照して説明する。
【0060】
ここでは、紙幣B2が紙幣判別部20で判別され搬送方向を変更するためにスイッチバック反転を必要とする場合について説明する。また、スイッチバック反転部3は、スイッチバック反転制御部312によって制御される。
【0061】
図6は、紙幣B2の先端が図示矢印A3の方向に搬送され、タイミングセンサSC2(センサ)に到達した瞬間を示す。このとき、直前に搬送された紙幣B1は図6に示すようにスイッチバック反転部3を通過した位置にある。
スイッチバック反転制御部312は、紙幣B2の先端がタイミングセンサSC2に到達すると、振分ゲートG10を左側(反時計方向)に回動し、紙幣Bを反転部取り込みローラ302、303によってスイッチバック反転部3に取り込む。
次に、振分ゲートG11を右側(時計方向)に回動し、紙幣B2を、逆転ローラ304及びピンチローラ305によって反転部311に取り込む。このとき、紙幣B2は、ゲートG11に接触することなく、かつ、逆転ローラ304及びピンチローラ305に紙幣B2の後端が挟持された状態で停止する。
【0062】
スイッチバック反転制御部312は、紙幣B2の先端がタイミングセンサSC2に到達すると、振分ゲートG10を左側(反時計方向)に回動し、紙幣Bを反転部取り込みローラ302、303によってスイッチバック反転部3に取り込む。
【0063】
次に、振分ゲートG11を右側(時計方向)に回動し、紙幣B2を、逆転ローラ304(第1の搬送ローラ)及びピンチローラ305によって反転部311に取り込む。このとき、紙幣B2は、ゲートG11に接触することなく、かつ、逆転ローラ304及びピンチローラ305に紙幣B2の後端が挟持された状態で停止する。
【0064】
次に、振分ゲートG11を左側(反時計方向)に回動し、取り込まれた紙幣B2を、逆転ローラ304及びピンチローラ305によって反転部311から図示矢印A32の方向に搬送し、搬送ローラ308(第2の搬送ローラ)及びピンチローラ309によって紙幣B2をスイッチバック反転部3から放出する。
【0065】
このようにして反転部311を通過した紙幣B2は、紙幣B2の表裏及び正逆が反転される。また、紙幣B2を反転する必要がない場合は、図示矢印A30に示す方向に搬送する。
【0066】
このようにして、スイッチバック反転部3は、紙幣B2の表裏及び正逆を反転するのに使用されるが、また、紙幣B2の搬送方向を反転する場合に紙幣B2を停止するため、その停止時間を制御することによっても搬送ピッチ補正を行うことができる。しかしながら、図1に示すようにスイッチバック反転部3が1個の場合は、スイッチバック反転処理を必要としない紙幣B2の場合搬送ピッチ補正ができなくなるため、スイッチバック反転部3を2個使用する場合もある。
【0067】
次に、図7乃至図9を参照してスイッチバック反転部3による搬送ピッチ補正の方法を説明する。
【0068】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るスイッチバック反転部3による搬送ピッチ補正の動作を説明する図である。第1の実施の形態を説明する図4と同一部分は同一符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみ説明する。ただし、図7では図6の反対方向から見た図を示しており、搬送方向が逆になっている。
【0069】
図7(A)は、紙幣B1〜B3が標準搬送ピッチPSで搬送され、かつ、紙幣B2の先端がタイミングセンサSC2に到達した瞬間を示す。
【0070】
図7(B)は、紙幣B1と紙幣B2の間で搬送ピッチ詰まりにより搬送誤差dPが発生し、紙幣B2と紙幣B3の間で搬送遅れにより搬送誤差dPが発生し、かつ、紙幣B2の先端がタイミングセンサSC2に到達した瞬間を示す。すなわち、紙幣B1と紙幣B2間の搬送ピッチPが標準搬送ピッチPSに対してdPだけ短く、紙幣B2と紙幣B3の搬送ピッチPが標準搬送ピッチPSに対してdPだけ長い。
【0071】
図7(C)は、紙幣B2の先端がスイッチバック反転部3に取り込まれた状態を示す。このとき、紙幣B2は、スイッチバック反転制御部312によって速度制御された逆転ローラ304によって搬送される。すなわち、スイッチバック反転制御部312は、逆転ローラ駆動モータ310を制御して逆転ローラ304を正方向に回転して紙幣B2を反転部311取り込み、ピッチ詰まりdPに相当する時間を反転のための停止時間から補正する。
【0072】
図7(D)は、搬送ピッチ詰まりが補正されて搬送ローラ308及びピンチローラ309から放出される瞬間を示す。
【0073】
次に、図8を参照してスイッチバック反転部3による搬送ピッチ補正処理の流れを説明する。図7(B)に示すように紙幣B2の先端がタイミングセンサSC2に到達すると、タイミングセンサSC2は明から暗になる(ステップS11)。すなわち、紙幣B2の先端を検出した信号がスイッチバック制御部312に出力される。
【0074】
スイッチバック制御部312は、先に搬送された紙幣B1と紙幣B2の搬送ピッチPに対応する搬送ピッチ時間Ptを計測する(ステップS12)。
【0075】
次に、標準搬送ピッチPSに対応する標準搬送ピッチ時間PStと、ステップS12で求めた搬送ピッチ時間Ptから搬送ピッチずれ時間dPtが以下の(13)式で求められる(ステップS3)。
【0076】
dPt=PSt−Pt・・・・・・・・・・・・・(13)
次に、紙幣B2がさらに搬送されるとタイミングセンサSC2は、暗から明になる(ステップS14)。すなわち、紙幣B2の後端が通過したことを検知した信号がスイッチバック制御部312に出力される。
【0077】
スイッチバック制御部312は、紙幣が暗になっていた時間を計測することによって、紙幣の搬送方向の長さに対応する搬送時間Wtを計測する(ステップS15)。
【0078】
次に、ステップS15で求めた紙幣の長さに対応する搬送時間WtとステップS13で求めた搬送ピッチずれ時間dPtから逆転ローラ304の搬送速度ωと、停止時間Tpを求める。
【0079】
逆転ローラ304の搬送速度ωは、紙幣Bの長さに対応する搬送時間Wtによって回転速度図が異なるため、紙幣Bの長さに対応する搬送時間Wtによって設定した回転速度図を選択する。例えば、図9(A)は紙幣B2が標準ピッチで搬送されているときの回転速度図を示している。ここで、紙幣B2の長さがさらに長い場合は、搬送速度ωの立ち上がり及び立ち下がりが急峻になる。このように制御することによって、紙幣B2の長さによらない搬送ピッチ補正が可能になる。
【0080】
また、停止時間Tpとは、紙幣B2の搬送方向を正方向回転から逆方向回転するために停止する時間であり、この時間を制御することによって搬送ピッチを補正することができる。逆転ローラ304の停止時間Tpは、以下の(14)式で求められる(ステップS17)。
【0081】
Tp=TSt±dPt・・・・・・・・・・・・・(14)
+dPt:搬送ピッチずれ時間dPtがピッチ詰まりの場合に用いる。
【0082】
−dPt:搬送ピッチずれ時間dPtがピッチ遅れの場合に用いる。
【0083】
TSt:標準停止時間
次に、スイッチバック制御部312は、ステップS16で設定した搬送制御の設定値に基づき逆転ローラ304の駆動モータ310を駆動し、逆転ローラ304の回転速度を制御する(ステップS17)。
【0084】
図9は、逆転ローラ304の回転速度図の一例である。ここでの動作はスイッチバック制御部312によって制御される。図9(A)は、紙幣B2が図7(A)に示す標準ピッチPSで搬送された場合の回転速度図である。
【0085】
T1は、図6の反転部取り込みローラ302、303で紙幣B2を取り込むときの逆転ローラ304の回転速度がωであり、紙幣B2が図示矢印A31方向に搬送されるときの搬送スピードに合わせ、回転速度ωが設定される。
【0086】
T2は、紙幣B2が搬送ローラ300、301のニップを離れ、反転部311に取り込まれ、そして取り込まれた紙幣B2を加速している時間である。
【0087】
T3は、逆転ローラ304の回転速度ωが回転速度ωよりは高速で、定速回転して紙幣B2を搬送している時間である。この時に、逆転ローラ304及びピンチローラ305で反転部311に取り込まれる。
【0088】
T4は、停止するために逆転ローラ304の回転速度ωを減速している時間である。
【0089】
T5は、逆転ローラ304が停止している時間である。従って、紙幣B2は反転部311に取り込まれ、逆転ローラ304、及びピンチローラ305で紙幣B2を挟持した状態で停止する。この停止時間で、ピッチ詰まり又はピッチ遅れが発生している時間が制御される。
【0090】
T6は、紙幣B2を図示矢印A32の方向に搬送するために逆転ローラ304を逆回転加速している時間である。
【0091】
T7は、T3同様に逆転ローラ304の回転速度ωが回転速度−ωよりは高速で、定速回転して紙幣B2を搬送している時間である。
【0092】
T8は、紙幣B2をスイッチバック反転部3から放出するために回転速度−ωになるまで減速している時間である。この時間に紙幣B2は搬送ローラ308及びピンチローラ309に紙幣B2の先端が挟持される。
【0093】
T9は、逆転ローラ304の回転速度ωが−ωとなり紙幣B2を搬送ローラ308、及び309から放出している時間である。すなわち、搬送ローラ308及び309に挟持された紙幣B2が図示矢印A33方向に搬送されるときの搬送スピードに合った状態で放出される。
【0094】
図9(B)は、図7(B)に示すように紙幣B1と紙幣B2間の搬送ピッチP12が搬送ピッチ詰まりの場合の逆転ローラ304の回転速度図である。この場合、停止時間Tp12は、(14)式により以下(15)式で求まり、図示したように停止時間Tp12が標準停止時間TStより搬送ピッチ詰まり時間dPtだけ長くなる。つまり、この停止時間Tp12、逆転ローラ304が停止することにより、紙幣1と紙幣2間の搬送ピッチが補正される。
【0095】
Tp12=TSt+dPt・・・・・・・・・・・・(15)
dPt:搬送ピッチ詰まり時間
TSt:標準停止時間
図9(C)は、図7(C)に示すように紙幣B2と紙幣B3間の搬送ピッチP23が搬送ピッチ遅れの場合の逆転ローラの回転速度図である。この場合、停止時間Tp23は、(14)式により以下(16)式で求まり、図示したように停止時間Tp23が標準停止時間TStより搬送ピッチ遅れ時間dPtだけ短くなる。つまり、この停止時間Tp23、逆転ローラ304が停止することにより、紙幣2と紙幣3間の搬送ピッチが補正される。
【0096】
Tp12=TSt−dPt・・・・・・・・・・・・(16)
dPt:搬送ピッチ遅れ時間
TSt:標準停止時間
次に、スイッチバック反転部3によるスイッチバック反転処理を行った場合の紙幣Bの搬送方向を説明する。
【0097】
紙幣Bが供給部10から搬送される方向は表正FF、表逆FR、裏正BF、裏逆BRの4方向ある。この4種類の搬送方向の紙幣Bをスイッチバック反転部3によってスイッチバック反転処理を行った場合は、表裏及び正逆共反転され、下記の右側の搬送方向は、矢印(→)の左側の搬送方向に変換される。
【0098】
供給される搬送方向:表正FF→裏逆BR
供給される搬送方向:表逆FR→裏正BF
供給される搬送方向:裏正BF→表逆FR
供給される搬送方向:裏逆BR→表正FF
例えば、全ての紙幣Bを表正FFの形状に揃える場合には、このスイッチバック反転部3に裏逆BRの紙幣、及び表逆FRの紙幣が通過するように制御すると、表正FF及び裏正BFに反転される。この反転された裏正BFの紙幣は、更に表裏反転部45によって表裏が反転され表正FFに揃えられる。
【0099】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、スイッチバック反転部3の逆転ローラ304の速度制御により搬送される紙幣などの紙葉類の搬送ピッチを補正することができる。
【0100】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、搬送ピッチ補正部又はスイッチバック反転部によって紙葉類の搬送ピッチを容易に補正することができる紙葉類の搬送ピッチ補正を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本装置が搭載される紙幣処理部の概略側断面図。
【図2】 紙幣判別装置及び主制御部の処理ブロック図。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係るピッチ補正部の概略側断面図と搬送ピッチ状態を示す図。
【図4】 本発明の第1の実施の形態に係るピッチ補正部の動作を説明する図。
【図5】 本発明の第1の実施の形態に係るピッチ補正部の搬送ピッチ補正処理のフローチャート。
【図6】 本発明の第2の実施の形態に係るスイッチバック反転部の概略側断面図。
【図7】 本発明の第2の実施の形態に係るスイッチバック反転部によるピッチ補正の動作を説明する図。
【図8】 本発明の第2の実施の形態に係るスイッチバック反転部の搬送ピッチ補正処理のフローチャート。
【図9】 逆転ローラ回転速度図。
【符号の説明】
B、B1〜B3 紙幣
SC1、SC2タイミングセンサ
G1〜G8 振分ゲート
G10、G11 振分ゲート
1 紙幣処理部
2 搬送ピッチ補正部
3 スイッチバック反転部
10 供給部
11 ステージ
12 バックアッププレート
13 バネ
14 取出ローラ
15 搬送ローラ
16 搬送路
19 紙幣判別装置
20 紙幣判別部
30 搬送制御部
41、42、43 搬送ベルト
45 表裏反転部
50 インターフェース
51 主制御部
60〜65 収納庫
80 リジェクト集積部
200 ピンチローラ
201 搬送ローラ
202 搬送ローラ駆動モータ
203 搬送ローラ制御部
302、303 反転部取り込みローラ
304 逆転ローラ
305、309 ピンチローラ
310 逆転ローラ駆動モータ
311 反転部
312 スイッチバック反転制御部

Claims (5)

  1. 搬送方向の長さが異なる複数の紙葉類を取出手段によって所定のピッチ間隔で1枚ずつ取り出して搬送する搬送路と、
    この搬送路に設置され、前記紙葉類を検知するセンサと、
    このセンサを通過する紙葉類の搬送時間を計測する搬送時間計測手段と、
    前記センサによって前記紙葉類の直前及び直後に搬送された紙葉類との間の紙葉類間の搬送ピッチ時間を計測する搬送ピッチ時間計測手段と、
    この搬送ピッチ時間計測手段で計測された搬送ピッチ時間の標準搬送ピッチ時間からの搬送ピッチズレ時間を算出する搬送ピッチずれ時間算出手段と、
    前記搬送時間計測手段で計測された紙葉類の搬送時間、前記搬送ピッチ時間計測手段で計測された紙葉類の搬送ピッチ時間及び搬送ピッチずれ時間計測手段から算出された搬送ピッチずれ時間を補正するための紙葉類のピッチ補正係数設定手段と、
    前記センサの搬送下流に配置され、かつ、当該紙葉類を挟持搬送する搬送ローラ及びこれに対抗配置したピンチローラと、
    この搬送ローラ及び対抗配置したピンチローラの速度を制御する搬送ローラ制御手段と、
    を有し、
    前記搬送ピッチずれ時間算出手段によって搬送ピッチずれが検知された場合には、
    前記搬送ローラ制御手段によって前記搬送ローラ及び前記ピンチローラで前記紙葉類を挟持して搬送している期間、前記ピッチ補正係数設定手段によって設定されたピッチ補正係数で前記搬送ローラの搬送速度を設定することにより紙葉類の搬送ピッチずれを補正するようにしたことを特徴とする紙葉類の搬送ピッチ補正装置。
  2. 紙葉類の先端が前記センサに到達したとき、
    当該紙葉類の直前に搬送した紙葉類が、前記搬送ローラ制御手段によって速度制御される前記搬送ローラ及び前記ピンチローラのニップより、搬送方向下流の位置に到達するように前記搬送ローラ及び前記ピンチローラを配置したことを特徴とする請求項1記載の紙葉類の搬送ピッチ補正装置。
  3. 前記ピッチ補正係数は、
    搬送方向の長さが異なる紙葉類であっても、前記センサで紙葉類の通過を検知したときの搬送時間を分子とし、この搬送時間と前記搬送ピッチずれ時間とを加算した時間を分母とし、これらの分子及び分母からな比から算出され、
    紙葉類間の搬送ピッチずれを補正するための前記搬送ローラの搬送速度は、
    前記ピッチ補正係数を標準搬送速度に掛けて算出することを特徴とする請求項1記載の紙葉類の搬送ピッチ補正装置。
  4. 搬送方向の長さが異なる紙葉類を所定のピッチ間隔で第1の方向に搬送するための第1の搬送路と、
    この第1の搬送路に配置され、紙葉類を検知するセンサと、
    前記第1の搬送路の搬送方向下流に前記センサに近接して配置され、前記紙葉類の判別結果によって回動可能な第1の振分ゲートと、
    前記第1の振分ゲートによって、前記紙葉類を第2の方向に搬送するための第2の搬送路と、
    前記第2の搬送路から前記紙葉類を反転部に取り込むための第2の振分ゲートと、
    前記紙葉類を反転部に取り込んだ後、前記紙葉類を反転させて搬送する正逆回転可能な第1の搬送ローラ及びこの第1の搬送ローラに対向配置されたピンチローラと、
    反転した前記紙葉類を第3の搬送路を経由して前記第1の搬送路に繰り出すための第2の搬送ローラ及びこの第2の搬送ローラに対向配置したピンチローラと、
    先に搬送された紙葉類が前記センサを通過するときの搬送時間と、続けて搬送された後の紙葉類の先端が前記センサに到達するまでの時間の標準搬送ピッチ時間時間からのずれ時間である搬送ピッチずれ時間と、を算出し、当該紙葉類の搬送方向の搬送時間に応じて搬送ピッチずれ時間を設定し、この搬送ピッチずれ時間に応じて前記第1の搬送ローラを正転して反転部に取り込むときの回転速度、取込後減速するときの取込速度、減速後停止する停止時間及び前記第1の搬送ローラを反転して第2の搬送路に送り出すときの回転速度を制御するスイッチバック制御手段と、
    を備えたことを特徴とする紙葉類の搬送ピッチ補正装置。
  5. 先に搬送された紙葉類が前記反転部に取り込まれ、後続する紙葉類の先端が前記センサに到達したとき、
    先に搬送された紙葉類が前記第2の搬送ローラより搬送方向下流の位置に到達するように搬送することを特徴とする請求項4記載の紙葉類の搬送ピッチ補正装置。
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