JP4134785B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両において、乗員へ伝達する情報の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乗員へ伝達する情報の表示方法として様々な方法が考えられている。そのうちの一つに、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置が広く知られている。このHUD装置は、運転者の視点移動をなるべく少なくすることができるため、安全性向上に役立つという特徴を有する。
【0003】
そして、このHUD装置の視認性を高めるために特許文献1に記載のような乗員の両眼の視差を利用した表示装置が提案されている。この装置によれば車両の走行位置の変化に応じて表示データの視差の量、大きさ、位置を変化させることで乗員の視認性を向上し安全性を高めることができる。
【0004】
【特許文献1】
特願平3−139396号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1で提案されている表示装置では、車両の外部環境の状態に応じた表示がなされておらず、外部環境の状態により視認性の低下が起こされる場合がある。例えば案内矢印を視差を利用して100m前方に立体表示させた場合に、20m先に先行車両が存在すると乗員は先行車両に気を取られ100m前方の案内矢印を認識しづらいおそれがある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、車両の外部環境に応じた表示を行うことで視認性を向上させる表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の表示装置における制御手段は、少なくとも外部情報取得手段と車両情報取得手段とが取得する情報に基づいて視認性を評価し、乗員に認識させる情報伝達子の位置、形状及び色の少なくとも1つを所定の状態から視認性が向上する状態に変更して表示手段に表示させるとともに、乗員に認識させる情報伝達子の存在位置と自車両との間に何らかの物体が存在する場合、存在位置を物体の位置に予め移動させて情報伝達子を表示手段に表示させる。なお、所定の状態というのは、例えば予め決められた場所に決められた形状や色で表示された状態のような、車両の外部環境等によって決められた状態ではない状態を意味する。また、車両情報取得手段が取得する車両の情報とは、例えば車両の現在位置及び向きに関する情報である。
【0008】
従来の表示装置では、乗員認識させる情報伝達子の存在位置と自車両との間に何らかの物体が存在する場合、乗員は情報伝達子よりもその手前にある物体に注目してしまい、情報伝達子を認識しづらいおそれがあった。なぜなら、本来なら物体に隠れて見えないはずの情報伝達子が見えるといった状態になり、この状態では通常の視覚感覚とは異なる感覚を乗員が持つからである。
【0009】
しかし、請求項1に記載の表示装置によれば、情報伝達子を物体の位置に移動して表示するため、物体の後ろに隠れて見えないはずの情報伝達子が見えるといった状態がなくなる。したがって、通常の視覚感覚と同じ感覚が得られる状態となり、情報伝達子の視認性が向上する。
【0011】
ところで、乗員が認識する情報伝達子の存在位置と当該存在位置からさらに前方所定距離内の位置との間に物体が存在しない場合は、乗員が情報伝達子を確認しにくいという問題があった。具体例としては、情報伝達子の存在位置の背景が空であった場合、情報伝達子は遠方に広がる空間の中に浮かんでいる状態となる。また、空ではなく遠方の山である場合も同様の状態となる。このような状態であると乗員は情報伝達子を認識しづらい場合があった。
【0012】
このような問題を解決するためには、請求項に記載のような表示装置が考えられる。つまり、乗員が認識する情報伝達子の存在位置と当該存在位置からさらに前方所定距離位置との間に物体が存在しない場合、乗員を基点とし、前方所定距離位置と乗員との間の距離で定まる範囲内に存在する物体に情報伝達子を予め移動させて情報伝達子を表示させるようになった表示装置が考えられる
【0013】
このような表示装置によれば、乗員が認識する情報伝達子の存在位置とその背景との距離が一致し、乗員は情報伝達子を認識しやすくなる
【0014】
また、請求項3に記載の表示装置における制御手段は、移動を行って前記情報伝達子を前記表示手段に表示させる前に、前記情報伝達子を前記移動前の位置に一旦表示させ、その後に前記移動を行って前記情報伝達子を表示させる。
【0015】
このようになっていれば、本来の表示位置に情報識別子が一旦示されるため、位置に特徴があるような場合でも、その位置を乗員が把握しやすいといった効果が生まれる。なお、移動後にも引き出し線のような何らかの指示物によって本来の表示位置がわかるようになっているとより良い。
【0016】
また、請求項4に記載の表示装置における制御手段は、乗員に認識させる情報伝達子の存在位置の背景の色に応じて情報伝達子の表示色を変更して表示手段に表示させる。
【0017】
このような表示装置であれば、情報伝達子を移動させた場所の背景の色が情報伝達子の色に近いような場合であっても、乗員が情報伝達子を認識しやすくなる。なお、情報伝達子を移動させた後でなく、移動させずに情報伝達子の表示色を変更するようになっていてもよい。
【0018】
また、請求項5に記載の表示装置は、更に、乗員からの指令を受け付ける受付手段を備え、制御手段は、受付手段が受け付けた指令に基づいて情報伝達子の形状又は色の少なくとも一方を予め設定し、その設定を反映させて情報伝達子を表示手段に表示させる。
【0019】
このような表示装置であれば、乗員の情報識別子を識別する能力の個人差や、乗員の好みに等によって情報識別子の形状や色を設定できるため、より情報識別子の視認性が向上するし、使い勝手も向上する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0035】
図1は、本実施例のナビゲーションシステム100の概略構成を示す説明図である。ナビゲーションシステム100は、ウィンドシールド101と、ミラー102と、表示機103と、CCDカメラ104と、レーザーレーダー105と、GPSアンテナ106と、車速センサ107と、情報入力スイッチ108と、方位センサ109と、制御部110とを備える。
【0036】
ウィンドシールド101は、車両の前方窓であり、その車室側の表面にはコンバイナとしての役割を果たすような表面処理が施されている。
ミラー102は、表示機103から出力される光をウィンドシールド101まで導くための反射板である。
【0037】
表示機103は、運転者の右目用と左目用の2つの表示機から構成され、これらから出力された光は、ミラー102及びウィンドシールド101に導かれて運転者の左右それぞれの目に到達する。
CCDカメラ104は、車両前方を撮影するための光学式のカメラであり、撮影画像を電気信号として出力することができる。
【0038】
レーザーレーダー105は、レーザーを照射することにより目標物との距離を測定しその測定結果を電気信号として出力することができる。
GPSアンテナ106は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信するためのアンテナであり、受信した信号を電気信号として出力することができる。
【0039】
車速センサ107は、ナビゲーションシステム100が搭載された車両の速度を取得するためのセンサである。
情報入力スイッチ108は、乗員がナビゲーションシステム100の動作を変更するための情報を入力するためのスイッチである。
【0040】
方位センサ109は、地磁気センサやジャイロスコープ等から構成され、方位や加速度等を取得して電気信号として出力することができる。
制御部110は、CCDカメラ104、レーザーレーダー105、GPSアンテナ106、車速センサ107、情報入力スイッチ108及び方位センサ109からの信号を入力し、それらの信号に基づいて表示機103を制御する。
【0041】
次に図2のブロック図を用いて制御部110の構成を詳細に説明する。制御部110は、CPU301、ROM302、RAM303、入出力部304、地図DB306、描画RAM307及び表示コントローラ308を備える。
CPU301、ROM302、RAM303及び描画RAM307は、周知のプロセッサ及びメモリモジュールからなり、CPU301がRAM303を一時記憶領域として利用してROM302に記憶されているプログラムに基づいて各種の処理を実行し、描画RAM307に画像データを記憶する。
【0042】
入出力部304は、CCDカメラ104、レーザーレーダー105、GPSアンテナ106、車速センサ107、情報入力スイッチ108、方位センサ109及び地図DB306からの信号を入力し、CPU301、RAM303、描画RAM307及び表示コントローラ308に出力するインタフェースである。
【0043】
地図DB306は、道路の形状データ、道路の幅員データ、道路種別データ、道路番号、道路の規制データ、地形データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等の地図データを記憶している媒体である。この媒体としては、そのデータ量からDVD−ROMやハードディスク等の大容量記憶装置を用いることが一般的であるが、それらより一般的に記憶容量の劣るメモリカード等を用いても良い。
【0044】
表示コントローラ308は、描画RAM307に記憶された画像データを読み出して適切な位置に情報伝達子が表示されるように計算して表示機103に指令を出力する。
次に、図3の概念図を用いてナビゲーションシステム100の立体視について説明する。右目用の表示機103aから出力された光線は、ミラー102a、ミラー102b、ウィンドシールド101を経て運転者の右目に到達する。また、左目用の表示機103bから出力された光線は、ミラー102a、ミラー102b、ウィンドシールド101を経て運転者の左目に到達する。
【0045】
結像位置201は、ウィンドシールド101を挟んで運転者側と反対側に位置し、表示機103a及び表示機103bからウィンドシールド101までの光学距離と等しい距離分、ウィンドシールド101から離れた場所に位置する。そして、運転者が立体表示を視認する視認位置202は、運転者の右目から結像位置201に結像した右目用の像の延長線と、運転者の左目から結像位置201に結像した左目用の像の延長線との交点位置である。
【0046】
ここまでで、ナビゲーションシステム100の概略構成を説明したが、ナビゲーションシステム100の構成要素と特許請求の範囲に記載の用語との対応を示しておく。CCDカメラ104及びレーザーレーダー105が外部情報取得手段に相当し、GPSアンテナ106、車速センサ107及び方位センサ109が車両情報取得手段に相当する。また、表示機103、ミラー102及びウィンドシールド101が表示手段に相当し、制御部110のCPU301及び表示コントローラ308が制御手段に相当する。
【0047】
次に、制御部110のCPU301で実行される処理について説明する。CPU301では従来のナビゲーションシステムが通常実行する経路設定処理や経路案内処理も実行されるが、ここでは、本実施例のナビゲーションシステム100に特有の処理である表示処理及び設定処理について説明する。
【0048】
(1)表示処理
図4は表示処理の処理過程を説明するためのフローチャートである。表示処理は、車両のイグニッションキーがONになっており表示すべき情報が存在する際に繰り返し実行される。
【0049】
実行が開始されるとまずS110(ステップ110の意)では、車両の位置及び向きを算出する。これは、GPSアンテナ106からの信号と、車速センサ107からの信号と、方位センサ109からの信号とに基づいて算出する。
続くS115では、S110で算出した現在地付近の地図データを地図DB306から取得する。続くS120では、後述する設定処理で設定済みの表示設定データをRAM303から取得する。ここで言う表示設定データというのは、情報伝達子の形状や色や表示位置に関するデータである。情報伝達子とは、例えば案内矢印や、道路状況を伝達するためのイメージ図や、情報を直接伝えるための文字等の運転者に情報を伝えるための表示物を意味する。なお、表示設定データが設定されていなかった場合は既定の表示設定データを用いる。
【0050】
続くS122では、S110で算出した車両の位置や向き、S115で取得した地図データに基づいて、情報伝達子の表示予定位置を特定する。
続くS124では、CCDカメラ104及びレーザーレーダー105からの信号に基づいて車両前方の状態を特定する。ここで言う「状態を特定する」というのは、例えば、先行車や道路脇の構造物等の位置や形状、運転者から見える景色の様子等を把握することを意味する。
【0051】
続くS125では、視認位置と自車の間に何らかの障害物があるか否かによって分岐する。何らかの障害物がある場合はS130に進み、何も障害物がない場合はS135に進む。
S130では、情報伝達子の視認位置を障害物の位置に移動させる。この移動はデータ上移動させるだけであり、実際の表示はまだ行っていない。また、この移動後の位置は、障害物の自車側表面が好ましい。移動を完了するとS145に進む。なお、S120で取得した表示設定データにおいて情報伝達子の表示位置が「オート」以外の場所が指定されていた場合は、移動は行わずにその指定位置に表示させる(以下で説明する移動時も同様)。
【0052】
ここでS130の処理の一例を図5のイメージ図を用いて説明する。このイメージ図は、車両内からウィンドシールド101を通して車両前方を眺めたときの様子である。移動前情報伝達子901は先行車両902の更に前方にあり、位置関係からは本来隠れる状態である。このような場合、そのまま移動前情報伝達子901を表示させてしまうと、本来なら先行車両902に隠れて見えないはずのものが見えるといった状態になり、この状態では通常の視覚感覚とは異なる感覚を運転者が持ってしまう。このため、運転者が情報伝達子を認識しづらいおそれがある。
【0053】
そこで、移動後情報伝達子903で示されるように先行車両902の場所まで情報伝達子を移動させる。このようになっていると、運転者が感じる違和感を軽減し、情報伝達子を認識しやすい。
図4に戻り、S135では、情報伝達子の存在位置と当該存在位置からさらに前方所定距離内の位置との間に物体が存在するか否かによって分岐する。ここで言う「前方所定距離内」というのは、例えば数十メートルというような通常運転者が情報伝達子を認識しやすい範囲内であるとよい。前方所定距離内に物体が存在する場合はS145に進み、前方所定距離内に物体が存在しない場合はS140に進む。
【0054】
S140では、自車との距離が同程度の場所にある物体の位置に情報伝達子の視認位置を移動させ、移動を完了するとS145に進む。
ここでS140の処理の一例を図6のイメージ図を用いて説明する。このイメージ図は、車両内からウィンドシールド101を通して車両前方を眺めたときの様子である。移動前情報伝達子1001は、この先道路が蛇行していることを示す情報伝達子であり、道路の蛇行開始場所の上空に位置している。この移動前情報伝達子1001のようにその背景が空であると、情報伝達子は遠方に広がる空間の中に浮かんでいる状態となり、空と情報伝達子とで存在位置が大きく異なるため、情報伝達子が表示された際に運転者がすぐに情報伝達子を認識することができないおそれがある。
【0055】
そこで、移動後情報伝達子1003で示されるように道路の蛇行が開始する場所付近に存在する立木1002の上に重ねるように移動させる。このようになっていると、情報伝達子とその付近の背景とを同程度の存在位置で見ることができるため、運転者が情報伝達子を認識しやすい。
【0056】
図4に戻り、S145では、情報伝達子の存在位置の背景の色調分布度合い(構成色のばらつき度合い)が所定の基準よりも大きいか否か判定する。ここで言う「所定の基準」というのは、乗員が情報伝達子を認識しづらくなる割合が増えはじめる色調分布度合い点であるとよい。これは、個人差があるため一概に設定できないため、調整できるようになっているとよい。色調分布度合いが所定の基準よりも大きければS150に進み、色調分布度合いが所定の基準よりも小さければS155に進む。
【0057】
S150では、情報伝達子の視認位置を、背景の色調分布度合いが小さい場所に移動させ、移動を完了するとS155に進む。
ここで、S150の処理の一例を図7のイメージ図を用いて説明する。このイメージ図は、車両内からウィンドシールド101を通して車両前方を眺めたときの様子である。移動前情報伝達子1101は、時刻を示す情報伝達子であり、車両前方の右上隅に位置している。この移動前情報伝達子1101のように、その背景に標識があると、目立つ色が通常用いられる標識の影響で運転者が情報伝達子を視認しにくい場合がある。
【0058】
そこで、移動後情報伝達子1102で示されるように色調が一定しているコンクリートブロックの上に重ねるように移動させる。このようになっていると、乗員は情報伝達子を認識しやすくなる。
図4に戻り、S155では、情報伝達子の視認位置の背景が、情報伝達子と同系色であるか否かによって分岐する。情報伝達子と同系色であればS160に進み、情報伝達子と同系色でなければS165に進む。
【0059】
S160では、情報伝達子の色を背景の色とは異なる色に変更する。例えば補色関係にある色に変更するとよい。変更を完了するとS165に進む。
ここで、S160の処理の一例を図8のイメージ図を用いて説明する。このイメージ図は、車両内からウィンドシールド101を通して車両前方を眺めたときの様子である。情報伝達子1202は、この先道路が右方に曲がっていることを示すものであり、右方に曲がる地点の道路脇に位置している。この情報伝達子1202のように表示色が緑でその背景に同系色の立木1201が存在していると、運転者は見分けがつきにくく情報伝達子1202を認識しづらいおそれがある。
【0060】
そこで、情報伝達子1202の表示色を緑から赤に変更する。このようにすれば、運転者は情報伝達子1202と立木1201とが区別しやすくなり、情報伝達子1202を認識しやすくなる。もちろん、縁取りをするようにして視認しやすくしてもよい。
【0061】
図4に戻り、S165では、情報伝達子を描画RAM307に書き込む。そして続くS170では、表示コントローラ308に表示指令を出し、本処理(表示処理)を終了する。
表示指令を受け取った表示コントローラ308は、描画RAM307から情報伝達子の描画データ読み出して、適切な視差を算出して表示機103に情報伝達子を表示させるための光線を出力させる。
【0062】
(2)設定処理
図9は設定処理の処理過程を説明するためのフローチャートである。設定処理は、乗員が情報入力スイッチ108を操作して設定処理の実行を指示すると開始される。
【0063】
まずS210では、情報伝達子の形状を選択する画面をウィンドシールド101に表示させる。この一例を図10の設定画面を用いて説明する。案内情報タブ401と車両情報タブ403と運転支援情報タブ405に分かれており、このうち案内情報タブ401には、案内矢印の形状例409,411,413,415の4つが描かれている。そしてカーソル407を乗員が情報入力スイッチ108を操作して移動させて4つの形状例の中から何れか1つを選択するようになっている。乗員が形状例を選択した後、「色の選択へ」と書かれたボタン417を画面上で押下すると、案内矢印の形状が決定され、後述する案内矢印の色の選択画面に進むようになっている。
【0064】
図9に戻り、続くS215では、S210で選択された情報伝達子の形状をRAM303に記憶させる。
続くS220では、情報伝達子の色を選択する画面をウィンドシールド101に表示させる。この一例を図11の設定画面を用いて説明する。案内情報タブ401には様々な色から構成される四角形のカラーサンプル423〜430が表示され、カーソル421を乗員が情報入力スイッチ108を操作して移動させてこれらのカラーサンプルの中から1つを選択するようになっている。乗員がカラーサンプルを選択した後、「位置の選択へ」と書かれたボタン431を画面上で押下すると、案内矢印に用いる色が決定され、後述する案内矢印の表示位置の選択画面に進むようになっている。なお、案内情報タブ401の上部には、選択済みの案内矢印の形状に、本画面上で選択した色をつけてリアルタイムに確認できる表示サンプル419を表示させるようになっている。
【0065】
図5に戻り、続くS225では、S220で選択された情報伝達子の色をRAM303に記憶させる。
続くS230では、情報伝達子の表示位置を選択する画面をウィンドシールド101に表示させる。この一例を図12の設定画面を用いて説明する。案内情報タブ401のウィンドシールド101を模した枠434の中には情報伝達子の表示位置の選択肢が並んでいる。「左上」、「上」、「右上」、「左中」、「オート」、「右中」、「左下」、「下」、「右下」の9つの選択肢が並んでいる。乗員が情報入力スイッチ108を操作することによってカーソル433を移動させて表示位置を選択するようになっている。このうち、「オート」というのは、上述した表示処理で変更される表示位置を優先するというものである。逆に、それ以外の選択肢を選んだ場合は、上述した表示処理で変更される表示位置よりも優先するというものである。乗員が表示位置を選択した後、「終了」と書かれたボタン435を画面上で押下すると、案内矢印の表示位置が決定され、本設定画面は消えるようになっている。
【0066】
図5に戻り、続くS235では、S230で選択された情報伝達子の表示位置をRAM303に記憶させて、本処理(設定処理)を終了する。
このように、情報伝達子の形状や色や表示位置を運転者が設定できるため、情報識別子を識別する能力の個人差や、好みに等によって変更することができ、より情報識別子の視認性が向上するし、使い勝手も向上する。
【0067】
以下、他の実施例について述べる。
(a)上記実施例では、視認位置と自車の間に何らかの障害物があった場合、視認位置をその障害物の位置に移動させるようになっていたが、単に障害物の背後以外の位置に移動させるようになっていてもよい。このようになっていても、乗員が感じる視覚感覚の違和感を取り除くことができ、情報伝達子の視認性を向上することができる。
【0068】
(b)情報伝達子の表示予定位置と前方所定距離位置との間に物体が存在しない場合、上記実施例のS140(図5参照)で説明したようにする代わりに、乗員を基点とし、前方所定距離位置と乗員との間の距離で定まる範囲内に存在する物体に情報伝達子を移動させて情報伝達子を表示するようになっていてもよい。このようになっていても、乗員が認識する情報伝達子の存在位置とその背景との距離が一致し、乗員は情報伝達子を認識しやすくなる。
【0069】
(c)上記実施例では、運転者にとって情報伝達子を視認しにくいと予測される場合には表示予定位置に情報伝達子を表示させずに情報伝達子の視認位置を移動させるようになっていた。しかし、表示予定位置での視認性を評価し、運転者が情報伝達子を視認しにくい位置であっても情報伝達子を一旦表示させ、その後に視認しやすい位置に移動させて情報伝達子を表示させるようになっていてもよい。このようになっていると、本来の表示位置に情報識別子が一旦示されるため、注意地点(例えば踏切や故障車や落下物等)を示す情報伝達子のような、位置に特徴があるような場合でも、その位置を乗員が把握しやすいといった効果が生まれる。なお、移動後にも引き出し線のような何らかの指示物によって本来の表示位置がわかるようになっているとより良い。
【0070】
(d)上記実施例のナビゲーションシステム110は投射式のヘッドアップディスプレイタイプであったが、自光式のものや、ヘッドマウントディスプレイタイプのものであってもよい。これらのものでも同様の効果が得られる。
(e)上記実施例で説明した表示処理は、車両のイグニッションキーがONであってかつ表示すべき情報が存在する間、繰り返し実行されるため、当然ながら、例えば、情報伝達子を表示させている際に前方に割り込み車両が入ったりすると情報伝達子の視認位置を変更させ、割り込み車両が去ると再び情報伝達子の視認位置を変更させるといったように、車両外部の状況に応じてリアルタイムに情報伝達子の表示方法を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のナビゲーションシステムの概略構成を示す説明図である。
【図2】制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】立体視を説明するための概念図である。
【図4】表示処理の処理過程を説明するためのフローチャートである。
【図5】情報伝達子の移動の具体例を説明するための説明図である。
【図6】情報伝達子の移動の具体例を説明するための説明図である。
【図7】情報伝達子の移動の具体例を説明するための説明図である。
【図8】情報伝達子の移動の具体例を説明するための説明図である。
【図9】設定処理の処理過程を説明するためのフローチャートである。
【図10】設定処理における設定画面の一例である。
【図11】設定処理における設定画面の一例である。
【図12】設定処理における設定画面の一例である。
【符号の説明】
100…ナビゲーションシステム、101…ウィンドシールド、102…ミラー、103…表示機、104…CCDカメラ、105…レーザーレーダー、106…GPSアンテナ、107…車速センサ、108…情報入力スイッチ、109…方位センサ、110…制御部、301…CPU、302…ROM、303…RAM、304…入出力部、306…地図DB、307…描画RAM、308…表示コントローラ

Claims (5)

  1. 車両の外部環境に関する情報を取得する外部情報取得手段と、
    車両に関する情報を取得する車両情報取得手段と、
    乗員に情報を伝達するための情報伝達子を乗員の両眼の視差を利用して表示することにより情報伝達子を乗員に立体的に認識させる表示手段と、
    少なくとも前記外部情報取得手段と前記車両情報取得手段とが取得する情報に基づいて視認性を評価し、乗員に認識させる前記情報伝達子の位置、形状及び色の少なくとも1つを所定の状態から視認性が向上する状態に変更して前記表示手段に表示させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、乗員に認識させる前記情報伝達子の存在位置と自車両との間に何らかの物体が存在する場合、前記存在位置を前記物体の位置に予め移動させて前記情報伝達子を前記表示手段に表示させること、
    を特徴とする表示装置。
  2. 車両の外部環境に関する情報を取得する外部情報取得手段と、
    車両に関する情報を取得する車両情報取得手段と、
    乗員に情報を伝達するための情報伝達子を乗員の両眼の視差を利用して表示することにより情報伝達子を乗員に立体的に認識させる表示手段と、
    少なくとも前記外部情報取得手段と前記車両情報取得手段とが取得する情報に基づいて視認性を評価し、乗員に認識させる前記情報伝達子の位置、形状及び色の少なくとも1つを所定の状態から視認性が向上する状態に変更して前記表示手段に表示させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、乗員に認識させる前記情報伝達子の存在位置と当該存在位置からさらに前方所定距離位置との間に物体が存在しない場合、乗員を基点とし、前記前方所定距離位置と乗員との間の距離で定まる範囲内に存在する物体に前記情報伝達子を予め移動させて前記情報伝達子を前記表示手段に表示させること、
    を特徴とする表示装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
    前記制御手段は、前記移動を行って前記情報伝達子を前記表示手段に表示させる前に、前記情報伝達子を前記移動前の位置に一旦表示させ、その後に前記移動を行って前記情報伝達子を表示させることを特徴とする表示装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の表示装置において、
    前記制御手段は、乗員に認識させる前記情報伝達子の存在位置の背景の色に応じて前記情報伝達子の表示色を変更して前記表示手段に表示させること、
    を特徴とする表示装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れに記載の表示装置において、
    更に、乗員からの指令を受け付ける受付手段を備え、
    前記制御手段は、前記受付手段が受け付けた指令に基づいて前記情報伝達子の形状又は色の少なくとも一方を予め設定し、その設定を反映させて前記情報伝達子を前記表示手段に表示させること、
    を特徴とする表示装置。
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