JP4122910B2 - 電源供給回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電源供給回路に係り、特に、出力電圧を入力電圧に対して遅延させて出力させる電源供給回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
アンプなどを駆動する駆動電源を供給する電源供給回路では、リップルリジェクション特性を向上させたり、電源立ち上げ時のショックノイズの発生を防止したりするためにアンプの駆動電源の立ち上がりを遅延させる遅延回路が設けられていた。
【0003】
図4は従来の一例の回路構成図を示す。
【0004】
ここでは、アンプ回路1を例に説明を行う。アンプ回路1は、電源供給回路11及びアンプ12から構成される。電源供給回路11は、電源端子Tvから供給される電源電圧Vccに基づいてアンプ12に駆動電源を供給するため駆動電圧を生成する回路である。アンプ12は、電源供給回路11から供給される駆動電圧に基づいて入力端子Tinに入力される入力信号を増幅して、出力端子Toutから出力する。
【0005】
電源供給回路11は、基準電圧生成回路21、遅延回路22、出力回路23から構成される。基準電圧生成回路21は、定電流源31、ツェナ−ダイオードDzから構成される。定電流源31は、電源端子Tvに印加される電源電圧Vccから定電流I1を生成する。電流I1は、ツェナ−ダイオードDzに供給される。
【0006】
ツェナーダイオードDzは、電流I1に基づいてツェナー電圧Vzを発生する。ツェナー電圧Vzは、遅延回路22に印加される。遅延回路22は、抵抗R1及びキャパシタC1から構成される。遅延回路22は、抵抗R1及びキャパシタC1で決定される時定数τを有し、基準電圧生成回路21から出力されるツェナー電圧Vzを時定数τだけ遅延させて出力回路23に供給する。キャパシタC1は、外付け部品であり、一端が端子Tcに接続され、他端は接地される。
【0007】
出力回路23は、NPNトランジスタQ1から構成される。トランジスタQ1は、ベースに遅延回路22の遅延出力が供給され、コレクタに電源端子Tvから電源電圧Vccが印加され、エミッタからアンプ12の駆動電圧を出力する。
【0008】
図5は従来の一例の動作説明図を示す。図5(A)は電源電圧Vcc、図5(B)はトランジスタQ1のベース電位及びエミッタ電位を示す。
【0009】
時刻t0で、電源電圧Vccが立ち上がると、トランジスタQ1のベース電位VB及びエミッタ電位VEが遅延回路22により遅延されて立ち上がる。このとき、トランジスタQ1のベース電位VBは、基準電圧生成回路21の出力電圧をVzとし、トランジスタQ1のベース電流をIBとすると、
VB=Vz−(IB×R1) ・・・(1)
で表せる。電圧(IB×R1)は、遅延回路22の抵抗R1による電圧降下分である。
【0010】
さらに、トランジスタQ1のエミッタ電位VEは、トランジスタQ1のベース−エミッタ間順方向電圧をVFとすると、
VE=Vz−(IB×R1)−VF ・・・(2)
で表せる。
【0011】
電源供給回路として、上記のような技術が従来、知られていた。ただし、上記のような電源供給回路に相当する技術文献は発見し得なかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電源供給回路は、遅延回路22の抵抗R1により電圧降下が発生し、アンプ12に印加される電源電圧VEは、式(2)に示される電圧となる。
【0013】
一方、電子回路や電子装置には、IC化、或いは、低コスト化、小型などが求められている。IC化、或いは、低コスト化、小型などを実現するためには、遅延回路22のキャパシタC1の容量を制限する必要がある。キャパシタC1の容量を制限しつつ、従来と同様の遅延時間τを得ようとすると、抵抗R1を大きくする必要がある。
【0014】
抵抗R1が大きくなると、式(2)の第2項が増加することになり、したがって、電源電圧VEが低減する。電源電圧VEが低減すると、図4に示すアンプ回路においては、アンプ12の最大振幅が低下するなどの問題点がある。
【0015】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、ノイズショックなどを確実に低減しつつも、効率良く電源電圧を供給できる電源供給回路を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力定電圧(Vz)に基づいて電源電圧を生成し、負荷(12)に供給する電源供給回路(111)において、入力定電圧(Vz)を遅延させる遅延回路(22)と、遅延回路(22)で遅延された電圧から電源電圧を生成し、負荷(12)に供給する出力回路(23)と、出力回路(23)で生成される電源電圧に応じて電流を生成し、生成した電流を出力回路(23)に駆動電流として供給する電流生成回路(124)とを有し、出力回路(23)は、コレクタ−エミッタが電流生成回路(124)と負荷(12)との間に接続され、遅延回路(22)の出力によりコレクタ−エミッタ電流が制御される出力トランジスタ(Q1)を有し、電流生成回路(124)は出力回路(23)の出力トランジスタ(Q1)と同極性のトランジスタから構成され、コレクタ−エミッタが入力定電圧(Vz)と出力回路(23)の出力トランジスタ(Q1)との間に直列に接続され、遅延回路(22)の出力によりコレクタ−エミッタ電流が制御される電流出力トランジスタ(Q2)を有することを特徴とする。
【0017】
また、電流生成回路で生成される電流は、出力回路を駆動すべき所望の電流値に設定されたことを特徴とする。
【0018】
さらに、遅延回路(22)は、入力定電圧(Vz)が印加される入力端子と出力回路との間に直列に設けられた抵抗(R1)と、抵抗(R1)と出力回路(23)との接続点と基底電位(GND)とされる基底電位端子との間に設けられ、入力低電圧(Vz)を遅延させる容量素子(C1)とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、電流生成回路(124)により、出力回路(23)で生成される電源電圧に応じて電流を生成し、生成した電流を出力回路(23)に駆動電流として供給することにより、出力回路(23)に遅延回路(22)を通さずに駆動電流を供給できるため、遅延回路(22)による減衰の影響を排除できる。
【0020】
また、複数の負荷(12−1〜12−n)に電源を供給する場合、遅延回路(12)を、複数の負荷(12−1〜12−n)で共通に設け、出力回路(23−1〜23−n)及び定電流生成回路(124−1〜124−n)を、複数の負荷(12−1〜12−n)夫々に対して設けたことを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、複数の負荷(12−1〜12−n)の夫々に出力回路(23−1〜23−n)及び定電流生成回路(124−1〜124−n)を設けることにより、複数の負荷(12−1〜12−n)に対して遅延回路(22)による減衰の影響を排除できる。
【0022】
なお、参照符号は、あくまでも参考であり、これによって特許請求の範囲が制限されるものではない。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例の回路構成図を示す。同図中、図4と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0024】
図1は、本実施例の電源供給回路111が内蔵されたアンプIC100の回路構成図を示している。アンプIC100は、電源供給回路111及びアンプ12から構成される。本実施例の電源供給回路111は、図4に示す従来の電源供給回路11に電流生成回路124を設けた構成とされている。
【0025】
電流生成回路124は、NPNトランジスタQ2、PNPトランジスタQ3、Q4から構成されている。トランジスタQ2は、電源端子Tvと出力回路23との間に接続され、出力回路23を構成するトランジスタQ1が駆動されることにより、駆動される。
【0026】
トランジスタQ3、Q4は、カレントミラー回路を構成しており、トランジスタQ2のベース電流に応じた電流をトランジスタQ3のコレクタから出力する。トランジスタQ3のコレクタから出力された電流Ic3は、遅延回路22とトランジスタQ1のベースとの接続点に供給される。
【0027】
トランジスタQ3のコレクタ電流Ic3は、トランジスタQ1のベース供給すべき所望の電流IBに設定されている。トランジスタQ3のコレクタ電流Ic3は、例えば、トランジスタQ3、Q4のエミッタ面積などによって設定される。
【0028】
電流生成回路124は、出力回路23を構成するトランジスタQ1の動作状態に応じて駆動される。このとき、出力回路23の動作は、電源電圧Vccの立ち上がり時に遅延回路22によって遅延される。電流生成回路124は、出力回路23の動作に応じて駆動されているため、出力回路23の動作の遅延によって、電流制御回路124の動作も遅延する。これによって、電流生成回路124の駆動によってショックノイズが発生することはない。
【0029】
図2は本発明の一実施例の動作説明図を示す。図2(A)は電源電圧Vcc、図2(B)はトランジスタQ1のエミッタ電位を示す。
【0030】
時刻t0で電源電圧Vccが立ち上がると、トランジスタQ1のエミッタ電位が遅延回路22の抵抗R1及びキャパシタC1によって決定される時定数τにより遅延して立ち上がる。
【0031】
このとき、トランジスタQ1のベース電流IBは、電流生成回路124から供給され、抵抗R1には電流は流れないため、式(2)の第2項の(IB×R1)は、「0」となる。したがって、トランジスタQ1のエミッタ電位VEは、トランジスタQ1のベース−エミッタ間順方向電圧をVFとすると、
VE=Vz−VF ・・・(4)
で表せる。
【0032】
すなわち、従来に比べて(IB×R1)だけアンプ12に印加できる電圧を上昇させることができる。したがって、アンプ12の最大振幅を(IB×R1)に応じた分だけ拡大できる。
【0033】
また、本発明は複数のアンプ12を内蔵したICにも適用可能である。
【0034】
図4は本発明の他の実施例の回路構成図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0035】
本実施例のアンプ回路200は、内部に複数のアンプ12−1〜12−nを有する。複数のアンプ12−1〜12−nには、複数のアンプ12−1〜12−n夫々に出力回路23−1〜23−n及び電流生成回路124−1〜124−nが設けられている。
【0036】
電流生成回路124−1は、出力回路23−1にベース電流IBを供給し、電流生成回路124−2は、出力回路23−2にベース電流IBを供給する。同様にして電流生成回路124−nは、出力回路23−nにベース電流IBを供給する。
【0037】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、電流生成回路(124)により、出力回路(23)で生成される電源電圧に応じて電流を生成し、生成した電流を出力回路(23)に駆動電流として供給することにより、出力回路(23)に遅延回路(22)を通さずに駆動電流を供給できるため、遅延回路(22)による減衰の影響を排除できる。
【0038】
また、本発明によれば、複数の負荷(12−1〜12−n)の夫々に出力回路(23−1〜23−n)及び定電流生成回路(124−1〜124−n)を設けることにより、複数の負荷(12−1〜12−n)に対して遅延回路(22)による減衰の影響を排除できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の回路構成図である。
【図2】 本発明の一実施例の動作説明図である。
【図3】 本発明の他の実施例の回路構成図である。
【図4】 従来の一例の回路構成図である。
【図5】 従来の一例の動作説明図である。
【符号の説明】
101 電源供給回路
11 定電圧生成回路、12 遅延回路、
13、13−1〜13−n 出力回路、
14、14−1〜14−n アンプ回路
21 定電流源
111、111−1〜111−n 定電流生成回路

Claims (4)

  1. 入力定電圧に基づいて電源電圧を生成し、負荷に供給する電源供給回路において、
    前記入力定電圧を遅延させる遅延回路と、
    前記遅延回路で遅延された電圧から前記電源電圧を生成し、前記負荷に供給する出力回路と、
    前記出力回路で生成される電源電圧に基づいて電流を生成し、生成された電流を前記出力回路の駆動電流として供給する電流生成回路とを有し、
    前記出力回路は、コレクタ−エミッタが前記電流生成回路前記負荷との間に接続され、前記遅延回路の出力によりコレクタ−エミッタ電流が制御される出力トランジスタを有し、
    前記電流生成回路は、前記出力回路の前記出力トランジスタと同極性のトランジスタから構成され、コレクタ−エミッタが前記入力定電圧と前記出力回路の前記出力トランジスタとの間に直列に接続され、前記遅延回路の出力によりコレクタ−エミッタ電流が制御される電流出力トランジスタを有することを特徴とする電源供給回路。
  2. 前記電流生成回路で生成される電流は、前記出力回路を駆動すべき所望の電流値に設定されたことを特徴とする請求項1記載の電源供給回路。
  3. 前記遅延回路は、前記入力定電圧が印加される入力端子と前記出力回路との間に直列に設けられた抵抗と、
    前記抵抗と前記出力回路との接続点と基底電位とされる基底電位端子との間に設けられ、前記入力低電圧を遅延させる容量素子とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の電源供給回路。
  4. 複数の負荷に電源を供給する場合、
    前記遅延回路を、前記複数の負荷で共通に設け、
    前記出力回路及び前記定電流生成回路を、前記複数の負荷夫々に対して設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の電源供給回路。
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