JP4117589B2 - 環状オレフィン樹脂製押出成形物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状オレフィン樹脂製押出成形物及びその製造方法に係り、特に平滑性に優れた環状オレフィン樹脂製押出成形物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
環状オレフィン樹脂の押出成形により、シート、フィルム等が得られるということは公知である(特開平3−223328号参照)。
【0003】
その押出成形方法としては、Tダイ成形、インフレーション成形、異形成形等のような、環状オレフィン樹脂を単軸(又は2軸)等の押出機により溶融状態でダイから押出し、これを連続的に引取る等して所望の断面形状を有する成形物にする方法が一般的である。
【0004】
ここで、押出機による押出成形に用いられるダイの材質としては、SUS316のようなステンレス鋼及びS45Cのような炭素鋼が一般的に用いられているが、このような材質のダイにより環状オレフィン樹脂製のシート又はフィルム等の押出成形物を作製した場合、その表面にダイラインが発生し、表面平滑性に優れた押出成形物が得られないという問題があった。ここで「ダイライン」とは、ダイの特定の位置に対応する成形物の位置に樹脂の押出方向に沿って連続的に発生する肉眼で観察可能な縞を意味する。具体的には、成形物における表面凹凸の高さが約0.3μm〜100μm(これ以下の凹凸では肉眼での観察不可能)である成形物に形成される縞をいう。
【0005】
ダイラインは、樹脂の種類によって出やすい(目立つ)ものと、出にくい(目立たない)ものがあるが、環状オレフィン樹脂の場合はダイラインが出やすいという問題があった。このダイラインは、押出成形の条件を変化させることによっても防止することが出来ず、従来の環状オレフィン樹脂製押出成形物では、成形物の外観状の均一性及び厚みの均一性等が問題とされる用途、特に光学用途等のような厳しい表面均一性が求められている用途に適用することは困難であった。
【0006】
なお、フィルムなどの薄い成形物であれば、環状オレフィン樹脂溶液のキャストによる流延法によってダイラインの無い成形体を形成することが可能であるが、かかる方法は溶剤の乾燥に時間と加熱を要するため生産性が低く、また乾燥工程を経ても溶剤が成形体中に残留してしまう等の問題があり、充分なものとはいえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、ダイライン発生原因の解明及びダイラインのない環状オレフィン樹脂製成形物を溶融押出法により得るという試みとして、溶融押出時における樹脂温度を変化させるという検討を行った。しかし、樹脂温度を上げると、ダイラインの一本一本は小さくなり比較的見えにくくなるが、樹脂の分解物に由来すると思われるダイライン原因物質が増加してダイの出口付近に付着するため、運転時間が長くなるに従いダイラインの数が多くなった。逆に、樹脂温度を下げた場合には、ダイラインの数は減少するものの一本一本のダイラインが大きくなり目立つようになった。また、未だ環状オレフィン樹脂の押出成形時におけるダイラインの発生原因までは解明されておらず、ダイラインのない溶融押出成形物も得られていない。
【0008】
一方、押出形成物がシート又はフィルム形状である場合には、一般に樹脂を単軸(又は2軸)等の押出機等により溶融状態でTダイから押出し、これを引取(キャスト)ロールで引き取ることにより製造する方法が採られている。この溶融樹脂を引き取る際、溶融状態の樹脂を引取ロールにエアで押し付けることも行われている。
【0009】
しかしながら、従来のシート等の片面のみにロールが接するような成形方法では、両面ともに平滑(光沢)性に優れたシートを得ることができない。特に、近年の光学用途等のように、極めて高い表面平滑性が要求されている分野においては、両面ともに平滑(光沢)性に優れた環状オレフィン樹脂製シートが必要とされており問題となってきている。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、光学用途等においても適用可能となる程度の優れた表面平滑性を有する環状オレフィン樹脂製成形物を、環状オレフィン樹脂の溶融押出により提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、環状オレフィン樹脂の溶融押出方法において、ダイラインの発生を防止することであり、これにより長時間にわたる連続成形を可能とし、表面平滑性の高い環状オレフィン樹脂成形物の生産性を飛躍的に向上させることにある。
【0012】
本発明の他の目的とするところは、表面平滑性に優れているシート又はフィルム形状の環状オレフィン樹脂製押出成形物及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【発明を解決するための手段】
すなわち、本発明の環状オレフィン樹脂製押出成形物は、表面粗さが最大粗さRt表記で0.3μm以下である。
【0014】
本発明の環状オレフィン樹脂製押出成形物は、シート又はフィルム形状とすることができ、かかる場合には、その環状オレフィン樹脂製押出成形物は、その両面の表面粗さが平均粗さRa表記で0.2μm以下であることが好ましい。
【0015】
更に、本発明の環状オレフィン樹脂製押出成形物においては、表面粗さが、平均粗さRa表記で0.15μm以下であり且つ最大粗さRt表記で0.25μm以下であることが好ましい。
【0016】
また、本発明の環状オレフィン樹脂製押出成形物の製造方法は、環状オレフィン樹脂を溶融し、溶融状態の環状オレフィン樹脂を剥離強度75N以下のリップ部を有するダイを通して押出し、環状オレフィン樹脂を成形することを特徴とするものである。
【0017】
更にまた、本発明のシート又はフィルム形状の環状オレフィン樹脂製押出成形物の製造方法は、環状オレフィン樹脂を溶融し、溶融状態の環状オレフィン樹脂をダイを通して押出し、押出された環状オレフィン樹脂を、対向する少なくとも2本のロールとロール間のニップ間隔を一定にするために設けられた押圧手段とからなる平滑化ロールによって引き取り、環状オレフィン樹脂をシート又はフィルム形状に成形することを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
<押出成形物の表面粗さ>
本発明における環状オレフィン樹脂製押出成形物は、表面粗さが、最大粗さRt表記で0.3μm以下、好ましくは0.25μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下のものである。最大粗さRtがこの範囲にある場合には、成形物表面上にダイラインが実質的に存在しない。
【0019】
ここで、「最大粗さRt」は、以下のようにして求めることができる。まず、押出成形物の表面状態を、触針式表面粗さ計(JIS B 0651など)を用いて押出成形物の引き取り方向と垂直な方向に一定長さ(例えば、測定長5mm)測定し、測定曲線(「断面曲線」ともいう)を作成する。次いで、得られた測定曲線を一定の基準長さ(例えば、0.8mm)に区切り、各基準長さ内における最大谷深さRvi及び最大山高さRpiをそれぞれ求め、それらの中で最大の値である最大谷深さ及び最大山高さをRv及びRpとし、以下の一般式、
Rt=Rv+Rp
によって算出する。
【0020】
上述のように、本発明における表面平滑性に優れた環状オレフィン樹脂製押出成形物はダイラインがないことを特徴とするのであるが、更に、押出成形物がシート又はフィルム形状のものである場合には、ダイラインに加え、成形物表面の微視的凹凸もない成形物であることが好ましい。ここで、成形物表面の微視的凹凸に関する表面粗さは、「平均粗さRa」によって表すことができる。
【0021】
すなわち、本発明におけるシート又はフィルムは、少なくともその一方の面、好ましくは両面の表面粗さが、平均粗さRa表記で0.2μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.15μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下である。平均粗さRaがこの範囲にある場合には、成形物表面に微視的凹凸が観察されない。なお、本発明でいう平均粗さRaとは、JIS B 0601−1994によって定義される「算術平均粗さRa」と同様のものであり、具体的には、上述した最大粗さRt算出時に用いた測定曲線をカットオフ値0.8mmで位相補償型高域フィルターを通して粗さ曲線を求め、この粗さ曲線からその平均線の方向に一定の基準長さを抜き取り、この抜き取り部分の平均線から粗さ曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均することにより求められる。
【0022】
<環状オレフィン樹脂>
次に、本発明の押出成形物に用いられる環状オレフィン樹脂とは、主鎖及び/または側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。重合体の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、中でもシクロアルカン構造が耐久性や耐薬品性に優れ最も好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランスされ好適である。
【0023】
本発明に使用される環状オレフィン樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%、最も好ましくは100重量%である。環状オレフィン樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が少ないと耐熱性に劣り好ましくない。環状オレフィン樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
【0024】
かかる脂環式構造を有する重合体樹脂の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役系ジエン系重合体、(4)側鎖脂環式構造を有する炭化水素重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物がより好ましい。
【0025】
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122137号公報などで開示される方法によってノルボルネン系単量体を重合したものが用いられる。具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物の付加型重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性や誘電特性を高度にバランスさせる上で、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体と共重合可能なビニル単量体との付加型重合体などが好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物が特に好ましい。
【0026】
ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン; 5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン; 5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド; トリシクロ[4.3.0.12, 5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12, 5]デカ−3−エン; トリシクロ[4.4.0.12, 5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12, 5]ウンデカ−3,8−ジエンまたはこれらの部分水素添加物(またはシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12, 5]ウンデカ−3−エン; 5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン; テトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン; 8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12, 5.17, 10]−ドデカ−3−エン; テトラシクロ[7.4.0.110, 13.02, 7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.111, 14.03, 8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタシクロ[6.5.1.13, 6.02, 7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.13, 6.110, 13.02, 7]ペンタデカ−4,11−ジエン; シクロペンタジエンの4量体; などのノルボルネン系単量体などが挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上組合わせて用いられる。
【0027】
ノルボルネン系単量体またはノルボルネン系単量体と共重合可能なビニル系単量体との重合方法及び水素添加方法は、格別な制限はなく公知の方法に従って行うことができる。
【0028】
ノルボルネン系単量体の開環(共)重合体は、ノルボルネン系単量体を、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系;あるいは、チタン、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系等を用いて、溶媒中または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2 の重合圧力で開環(共)重合させることにより得ることができる。
【0029】
ノルボルネン系単量体とビニル系化合物との付加共重合体は、例えば、単量体成分を、溶媒中または無溶媒で、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物(好ましくはハロゲン含有有機アルミニウム化合物)とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2 の重合圧力で共重合させる方法により得ることができる。
【0030】
水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法により得ることができる。
【0031】
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開昭64−66216号公報に開示されているシクロロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
【0032】
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−136057号公報や特開平7−258318号公報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを用いることができる。
【0033】
(4)側鎖に脂環式構造を有する炭化水素系重合体
側鎖に脂環式構造を有する炭化水素系重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素単量体の重合体及びその水素添加物並びにポリスチレンなどの側鎖に芳香環を有する炭化水素系重合体の水素添加物などを用いることができる。
【0034】
本発明で使用される環状オレフィン樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレン換算の数平均分子量で通常5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、特に好ましくは10,000〜100,000;重量平均分子量で通常10,000〜1,000,000、好ましくは15,000〜500,000、特に好ましくは20,000〜200,000である。また分子量分布は、通常1.0〜10、好ましくは1.0〜6、特に好ましくは1.1〜4である。このような範囲にあるときに、得られるシートの機械強度とシートの成形加工時の加工性がバランス良く好適である。
【0035】
本発明で使用される環状オレフィン樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、成形品の使用環境から高い方が好ましく、通常40〜400℃、好ましくは60〜300℃、より好ましくは80〜250℃である。Tgがこの範囲にあるときに、成形性が良好で、所望の形状のシートを効率的に得ることができる。
【0036】
本発明に使用される環状オレフィン樹脂の5%加熱減量温度(窒素雰囲気中で、5℃/分の昇温速度で測定)は、好ましくは280℃以上、特に好ましくは350℃以上である。5%加熱減量温度が低すぎると、溶融成形時において流動性を向上させる目的で、樹脂温度を高温にすると樹脂の分解が起き、成形品内に分解による気泡の包含等の成形不良が発生しやすいという問題がある。5%加熱減量温度が上記範囲にある場合には、溶融成形時において流動性を向上させる目的で、樹脂温度を高温にしても気泡の含有などの成形不良が発生しにくく好適である。
【0037】
本発明に使用される環状オレフィン樹脂の温度260℃における溶融粘度は、通常1×101 〜1×105 ポイズ、好ましくは1×102 〜1×104 ポイズである。溶融粘度がこの範囲にあるときに、シートの成形性と、シートの機械強度がバランスして好適である。
【0038】
<添加剤>
本発明に用いられる環状オレフィン樹脂には、必要に応じて、その他のポリマー、各種配合剤、充填剤を、単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0039】
上記成分(その他のポリマー、配合剤および充填剤)を用いる場合には、脂環構造含有重合体樹脂の製造工程で添加してもよいし(例えば、合成後の樹脂中に含まれる合成の際に使用した溶剤を凝固法や直接乾燥法により除去し、これに前述した各種添加剤を必要量添加する方法)、樹脂の製造後に二軸押出機等で混練する際に添加してもよい。
【0040】
<環状オレフィン樹脂の予備乾燥>
本発明の環状オレフィン樹脂は、通常ペレットとして溶融押出工程に用いられる。すなわち、樹脂材料は、通常、直径1〜7mm程度、長さ3〜8mm程度のペレットとして供給され、これを押出成形法により所望の形状に成形加工される。環状オレフィン樹脂の場合では、概ね200℃以上の温度の溶融状態で所定の直径のストランド状に押出し、次いで適当なストランドカッターにより所望の長さに刻んでペレット化する。
【0041】
ここで、ペレットとして用いられる場合には、目視では見えないような微細なボイドやクラック状の欠陥のない成形物を得るためにペレットを予備乾燥して用いることが好ましい。予備乾燥したペレットを用いて得られたシートは、成形後においてもミクロボイドの発生がなく、さらに、例えば、70℃以上、相対湿度80%以上、20時間以上の高温高湿度下での耐久試験後にもミクロボイドが発生しない。また、この予備乾燥処理は、射出成形する場合にも有効であることも確認されている。
【0042】
予備乾燥の条件としては、温度が高く、乾燥時間の長い方が効果的であるが、温度が樹脂のガラス転移温度(Tg)を越えて高すぎるとペレット同士が熱融着して使用しにくくなることと、数時間で効果が飽和することから、好ましくは(Tg−30)〜(Tg−5)℃、特に好ましくは(Tg−20)〜(Tg−5)℃で、好ましくは1時間以上、特に好ましくは2時間以上処理することが望ましい。乾燥は、真空乾燥でも、空気または窒素雰囲気下での常圧乾燥でも効果がある。また、乾燥処理終了から成形に使用するまでの時間は短い方が好ましい。
【0043】
<成形物>
本発明の押出成形物としては、フィルム、シートの他に、スプリットファイバー、ネット、繊維、板材、チューブ、管、袋、被覆電線、発泡材等を挙げることができる。
【0044】
<押出成形物の製造方法>
次に、本発明の環状オレフィン樹脂製押出成形物の好適な製造方法を図1の溶融押出フィルム又はシート成形装置に基づいて説明する。なお、図1は、成形物がフィルム又はシートである場合について示しているが、本発明はこの方法に限られるものではない。
【0045】
図1に、溶融押出フィルム又はシート成形装置1の一例を示す。成形材料である環状オレフィン樹脂2は、上述のように通常ペレット状の形状で用いられ、ホッパー3から供給される。ホッパー3から供給された成形材料は、シリンダー4内で加熱溶融されながら、スクリュー(図示せず)によりアダプタ部5へと移動し加圧されていき、アダプタ部5からダイ6(Tダイ)を通って押出される。Tダイ6から押出された短冊状の溶融樹脂は通常は複数の冷却ロール7により冷却され、シート又はフィルム8となり、巻取り機9により巻き取られる。
【0046】
各種添加剤や他のポリマーとの溶融混練に引き続いてシート溶融押出成形をすることも可能であり、この場合には、図1の単軸押出機の替わりに、2軸押出機もしくは溶融混練機(図示せず)等と必要に応じてギヤポンプ(図示せず)などの加圧機が併用される。また、樹脂の合成後、ペレット化することなしに、直接乾燥機等からの溶融樹脂をシートに成型することも可能であり、この場合にも、図1の単軸押出機の替わりに、ギヤポンプなどの加圧機が使用される。このような方法を用いた場合でも、本発明の押出成形物の製造は可能である。
【0047】
<押出機等>
単軸押出機、2軸押出機または溶融混練機を用いる場合には、ホッパー内部とシリンダーの溶融ゾーンを真空または窒素パージにより、酸素濃度を下げることも好ましい。より無色透明性に優れ、劣化の少ないシートが得られるからである。この場合の酸素分圧は好ましくは5000Pa以下、特に好ましくは2000Pa以下、一層好ましくは1000Pa以下である。
【0048】
単軸押出機や2軸押出機で用いるスクリューの形状は適宜選択され、特に限定されない。単軸押出機の場合には、ポリエチレンやポリプロピレン等のシート押出成形で用いられるものと同様のメータリングタイプのスクリュー又はフルフライトスクリューを使用できる。単軸押出機の場合、スクリューは通常直径40〜200mm程度のものが使用され、L/Dは通常20〜35、好ましくは25〜30であり、圧縮比は好ましくは2.5〜4である。スクリューの回転数は使用する樹脂の溶融粘度と温度の関係、溶融温度、必要な吐出量、動力の容量により適宜選択される。
【0049】
樹脂の溶融温度は、吐出量、所望のシートの厚みなどによって適宜選択され、特に限定されないが、好ましくは成形材料のガラス転移温度(Tg)を基準として、通常は(Tg+30)〜(Tg+180)℃、好ましくは(Tg+50)〜(Tg+150)℃、特に好ましくは(Tg+60)〜(Tg+140)℃である。この範囲にあるときに、シートの成形加工性と、得られるシートの面精度(表面粗さ)、無色透明性のバランスに優れるからである。
【0050】
<ダイ>
加圧された溶融樹脂は、適当なダイから短冊状の溶融樹脂として押出される。ダイは、シートやフィルムを成形するために通常に用いられる形状のものでよい。例えば、フィルムやシートを成形する際には、コートハンガー型、ストレートマニホールド型の他、50〜500mm程度の小幅のシートではフィッシュテール型ダイが好適に使用でき、特に300mm以下の幅のシートを成形する場合にはチョークバー付きマニュホールド型ダイ(Tダイ)が一般的であり好適である。
【0051】
具体的なダイの構造を例示すると、成形物がシート又はフィルムの場合には、図2に示すようなTダイを用いることができる。ここで、符号100はダイ本体を、101はリップ部を、102は調節ボルトを、103は樹脂入口を示す。また、成形物がインフレーションフィルムである場合にはインフレーションダイを、成形物がパイプである場合にはストレートヘッドダイを用いることができる。
【0052】
ダイの温度はアダプタ部の樹脂温度とほぼ同程度に設定される。ダイの開孔部の幅は目的とするシート又はフィルムの厚みに応じて適宜選択され、通常は0.1〜3mm程度である。
【0053】
本願のシート又はフィルム成形方法は、シート又はフィルムの幅に関係なく、例えば、50mm程度の狭い幅のものから2000mm以上の広い幅のものまで適用可能である。また、厚みは、10μm〜3mm位まで適応可能である。
【0054】
ダイは、通常ステンレス鋼やダイス鋼やS45C等の炭素鋼等によって形成されている。そして、本発明において好適に用いられるダイは、剥離強度が75N以下、好ましくは50N以下になるリップ部を持つものである。かかる剥離強度を有するダイを用いた場合、これにより、溶融された環状オレフィン樹脂の熱分解物及び高温溶融物のリップ部への付着を防止することができ、成形物の表面にダイラインが発生しないようになる。
【0055】
ここで、剥離強度は、まず、樹脂ペレットをリップ部と同じ表面を持つテストピースにのせ、300℃のギヤオーブン中に60分間放置した後、室温まで冷却し、次に、測定装置(万能引張圧縮試験機;TCM500(新興通信工業(株)製))を用い、圧縮用ロードセル500kgf、圧縮速度1mm/minの条件で、テストピースの表面に対して25°の角度から厚み0.5mmのステンレス鋼板からなる圧子を押し当ててペレットをリップ部から剥がす試験を行うことで測定した。
【0056】
かかる剥離強度を有するダイは、ダイ(特にリップ部)をWC、W2C等の炭化タングステンなどの炭化物で平均粗さRa(前記した成形物の平均粗さRaと同様の方法で算出)が0.5μmのもの、窒化チタン(TiN)等のチタン化合物、窒化クロムでRaが0.05μm以下のもの等のセラミック材でコートすることにより、又はH−CrメッキでRaが0.01μm以下のものでコートすることにより作製される。コートする方法としては、リップ部への蒸着、溶射等の方法を採ることができる。
【0057】
また、かかる剥離強度を有するダイは、リップ部を前記のごときセラミック材、Fe−B−Mo合金(東洋鋼板製;V52、C50等)、Co−Cr−B合金(日立金属製;H50等)の鋼材で形成することにより得られる。セラミック材としてはジルコニア系の化合物を用いることも可能である。また、電解研摩などの研摩方法によって表面粗さを調整することによっても得ることが出来る。なお、ここでリップ部とは、押出成形用ダイにおいて溶融プラスチック材料の通過するときに材料と接触するダイの開口部分をいう。
【0058】
本発明においては、溶融状態の樹脂は、リップ部がセラミックでコートされているか、またはセラミック材で作製されたダイを通過するため、樹脂の熱分解物及び樹脂高温溶解物の粒状物がダイの出口付近で発生しない。したがって、クリーニングを行う必要が無く、又、クリーニングによってリップ部にキズをつけることも無いため、ダイラインのない成形物の押出成形が長時間且つ連続的に可能となる。
【0059】
さらに、リップ部の表面精度については1S以下であることが好ましく、より好ましくは0.8S、最も好ましくは0.4S以下である。ここで、表面精度の単位「S」とは、前記した成形物の表面粗さにおける平均粗さRaを求める方法と同様の方法で算出されたダイランド表面の平均粗さRa[μm]を4倍した値を表し、例えば、Ra=0.05μmの場合には、表面精度0.2S(0.05×4)となる。
【0060】
押出成形用ダイのうち、リップ部以外の、溶融プラスチック材料と接する部分(ダイ内で溶融樹脂の流れる部分に接するダイの表面)を前記剥離強度の範囲になるようにセラミックコート、又はセラミック材等にすることも好ましく、かかる場合には、表面平滑性に一層優れた押出成形物が得られる。
【0061】
上述のように、押出機10のホッパー3に供給されたペレット状の環状オレフィン樹脂2は、シリンダー4内で加熱溶融された後にダイ6から押出され、その後、ロールで引き取る等の方法により所望の形状に成形される。
【0062】
<平滑化ロール>
押出成形物がシート又はフィルム形状の場合には、押出された環状オレフィン樹脂を、対向する少なくとも2本のロールとロール間のニップ間隔を一定にするために設けられた押圧手段とからなる平滑化ロールによって引き取ることが好ましく、また、これらの対向する2本のロールは、キャスティングロールとタッチロールとからなることが好ましい。
【0063】
<キャスティングロール>
ここで、キャスティングロールとは、通常位置が固定され、ロール直径は通常100〜600mm程度であり、ロールは円筒状になっていて内部に冷却又は加熱するために熱(冷)媒が流れるような空隙を有するようなロールである。幅(長さ)は目的とするシートの幅よりも広いものが適宜選択される。
【0064】
キャスティングロールの材質は、特に限定されない。例えばゴム、炭素鋼、ステンレス鋼などが挙げられる。本願発明の場合には表面精度に優れたシートの成形をするために、キャスティングロールの表面精度を高くすることが好ましく、前記した成形物の表面粗さにおける平均粗さRaを求める方法と同様の方法で算出されたキャスティングロールの平均粗さRaで0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下さらに好ましくは0.05μmm以下にするのが好ましい。
【0065】
キャスティングロールの温度は、通常は樹脂のガラス転移温度(Tg)を基準として、(Tg−30)〜(Tg+30)℃、好ましくは(Tg−20)〜(Tg+20)℃である。この範囲にある時に、シートの成形加工時の熱効率に優れ、得られるシートの平坦性と表面平滑性に優れるからである。回転数(引き取り速度)は押出速度に応じて適宜選択される。
【0066】
図3にダイの出口からキャスティングロールにかけての模式図を示す。ダイ出口11からでた溶融状態の樹脂は、キャスティングロール12に引っ張られながら空気中で少し冷却され、キャスティングロール12に巻き付いていく。この際に、溶融状態の樹脂は表面張力で縮まろうとする力が働き、ダイの出口よりも溶融樹脂の幅が狭くなるネックインという現象が起こり、それに対応して、シートの両端(ミミ)が厚くなるという現象が起こる。この厚みの不均一は、シートの品質の劣化、シートのうち使用できる部分の減少を招き好ましくない。ここで、ダイの出口からキャスティングロールまでの距離をエアーギャップ(図3のLで示される長さ)というが、ネックインを軽減し、シートの品質と歩留まりを改良するためには、エアーギャップを短くすることが好ましく、ダイとキャスティングロールの相対的な位置を調整することにより達成される。
【0067】
<タッチロール>
本願の発明においては、キャスティングロール12に巻き付いた樹脂に対して、キャスティングロール12の反対側から、タッチロール13によって押えることが好ましい(図3参照)。
【0068】
タッチロール13は通常円筒状であり、また、タッチロール13とキャスティングロール12とのニップ間隔を一定に保つために、タッチロール13はキャスティングロール12に向かって押圧手段14によって押圧されている。図3ではキャスティングロールよりも直径の小さいタッチロールが例示されているが、これに限定されない。
【0069】
なお、押圧手段14としては、ロール間のニップ間隔を一定にすることができるようなものであれば、特に制限はなく、例えば、スプリングや油圧ピストン等が挙げられる。
【0070】
タッチロールの幅(長さ)は、目的とするシートの幅よりも広いものが適宜選択される。タッチロールの材質は特に限定されない。例えばゴム、炭素鋼、ステンレス鋼セラミックなどが挙げられる。
【0071】
本願発明の場合には表面精度に優れたシートの成形をするために、タッチロールの表面精度を高くすることが好ましく、前記した成形物の表面粗さにおける平均粗さRaを求める方法と同様の方法で算出されるタッチロールの平均粗さRaを、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下にすることが好ましい。
【0072】
タッチロールの温度は、ロールの内部の空隙に冷(熱)媒を通すことによって調節される。タッチロールの温度は通常樹脂のガラス転移温度(Tg)を基準として、(Tg−100)〜(Tg+30)℃、好ましくは(Tg−90)〜(Tg+20)℃である。またキャスティングロールの温度に比べて、通常は、同温〜50℃低く、好ましくは5〜40℃低く設定する。この範囲にある時に、シートの成形加工時の熱効率に優れ、フィルム又はシートのタッチロールへの無用な巻付きを防ぎ、且つ平坦性と表面平滑性に優れるシートが得られる。
【0073】
ロールの回転数は適宜選択される。また、タッチロールの表面の線速度と、キャスティングロールの線速度との比は適宜選択され通常0.5〜3倍である。タッチロールがシートを押える(シートへタッチする)線圧は、スプリング、油圧ピストン等の押圧手段により調整でき、好ましくは5〜150kgf/cm、特に好ましくは10〜100kgf/cmである。
【0074】
<特殊なタッチロール>
特殊な形状のタッチロールも使用可能である。本願の発明においては、ネックインに対応する厚みむらに起因する、押圧むらを防ぎ、幅方向に対して一様な品質を得るために、図4(a)又は図4(b)に示すような、タッチロールの太さに段差またはテーパーを設けて両端の直径を細くしたタッチロール(図4(a))、両側(図中の灰色部)にゴムなどの弾性体の帯を設けたタッチロール(図4(b))を用いることが好ましい。押出された環状オレフィン樹脂における両端(ミミ)の肉厚部の影響を排除し、中心部を均一に押圧することができる。
【0075】
両端の直径を細くしたタッチロールは、両端の直径を段差状または段々と細くする。細くしない部分の幅は、所望のシートの幅に対して、60〜98%、好ましくは70〜95%である。細くする直径の差は、通常、0.01〜3mm、好ましくは0.02〜2mmである。その他の仕様は上記の円筒状のタッチロールと同様である。
【0076】
両端に弾性体を巻き付けたタッチロールは、両端にゴム、樹脂等の弾性体を巻き付け、全体として、上記の円筒状のタッチロールと同様の形状にしたものである。弾性体を巻きつけていない部分の幅は、所望のシートの幅に対して、60〜98%、好ましくは70〜95%である。
【0077】
弾性体の厚みは、0.2〜100mm、好ましくは0.5〜20mmである。
【0078】
このような弾性体部分のロールの表面精度は、前記した成形物の表面粗さにおける平均粗さRaを求める方法と同様の方法で算出されるロール部分の平均粗さRa表示で、1μm以下、好ましくは(0.5μm以下)とすることが好ましい。その他の仕様は上記の円筒状のタッチロールと同様である。
【0079】
また、別のタッチロールとして図5に示すような、フレキシブルなロール面を持つタッチロールを使用することもできる。このタッチロールは、フレキシブルスリーブ15とラバーロール16とからなり、ラバーロール16がフレキシブルスリーブ15によって被われており、熱媒体がラバーロール16とフレキシブルスリーブ15との間に流れている。フレキシブルスリーブ15の表面は平滑である。ラバーロール16がキャスティングロール12に押し付けられることによって、フレキシブルスリーブ15がキャスティングロール12に円弧状に両圧着され、フィルム又はシートを引き取る。
【0080】
前記の平滑化ロールによって引き取られた押出成形物は、第三のロール等で冷却され次いで一旦巻取り機で巻き取るか、または巻き取らずにそのままで、後工程へと移っていく。巻取り機は特に限定は無い。
【0081】
<後工程>
得られた成形物は単独で使用しても良く、または同様の若しくは他のポリマー等からなるフィルムや金属箔(または金属層)布、紙、網等を積層して使用しても良い。積層方法としては、格別の制限は無いが、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、蒸着法、メッキ法、気相反応蒸着法等を挙げることができる。なお、積層に際しては必要に応じて接着剤層を介在させてもよく、また、得られたシート又はフィルムを必要に応じて、さらに単軸または二軸方向に延伸しても良い。
【0082】
<用途>
上記の押出成形物は、表面平滑性に優れる他、機械的強度、耐薬品性、水蒸気バリアー性等に優れるため、食品、薬品(錠剤、粉末剤、薬液など)、タバコ、電子部品、日用品、雑貨などの包装材料;偏光フィルム、位相差フィルム、液晶基板、光拡散フィルム、プリズムフィルムなどの光学用材料;自動車の窓材やルーフ材、航空機用窓材、自動販売機用窓材、ショウウィンドウ材等の窓材;レジスト容器用バッグ、医療用薬液バッグ、輸液バッグなどの薬液バッグ用材料;電気絶縁フィルム、フィルムコンデンサー、導電性フィルムなどの電気用フィルム;外装材、屋根材などの建築材料;などとして用いられる。
【0083】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0084】
【実施例1】
(環状オレフィン樹脂)
ジシクロペンタジエン85重量%とエチルテトラシクロドデセン15重量%との開環重合体の水素添加物で、重量平均分子量(Mw)が52,600、分子量1,000以下の成分の割合が0.5重量%で、重合体の水添率(1 H−NMRにより測定)が99.9%であり、ガラス転移温度(DSC法により測定)が103℃、5%加熱限界温度が375℃で、260℃における溶融粘度が2×103ポイズの環状オレフィン樹脂100重量部に対して、酸化防止剤としてフェノール系老化防止剤[ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)]0.2重量部を二軸混練機押出機により添加し、ペレット状成形材料(490K)とした。
【0085】
(シートの成形)
上記のペレットを用いて、図1に示す様な構成の溶融押出シート成形装置(単軸押出機)によりシートを形成した。なお、製造条件は以下の通りであり、引取手段としては、キャスティングロールのみを用いた。Tダイのリップ部の剥離強度は、リップ部と同じ表面を持つテストピースを用いて、測定機としてTCM500を用い上記した条件と同様の条件で測定した。
・スクリュー:メータリングタイプ
・樹脂の溶融温度:260℃
・ダイ:Tダイ
(リップ部材質;WC、平均粗さRa;0.14μm、剥離強度;46N)
・シートの厚み:100μm
・キャスティングロール面の平均粗さRa…0.05μm
・キャスティングロールの温度…135℃
【0086】
〈フィルム評価〉
得られたシートの表面粗さ、すなわち最大粗さRt及び平均粗さRaを、上述した方法(各シートの測定長さは5mm;基準長さは0.8m)に従って算出した。なお、表面粗さの測定には、針先の曲率半径が5μm(角度60度)の触針式表面粗さ計(TENCOR社製、P−10型)を用いた。また、シート表面のダイラインについては目視による観察を行い、その有無を判定した。
【0087】
【実施例2】
引取手段として、面の平均粗さRaが0.05μm、温度が143℃であるキャスティングロールと、面の平均粗さRaが0.14μm、温度110℃であるタッチロール(タッチ線圧;47kgf/cm)とを用い、ダイをTダイ(リップ部材質;WC、平均粗さRa;0.14μm、剥離強度;44N)とした他は、実施例1と同様の条件でシートを得た。次いで、実施例1と同様の方法でフィルムの評価を行った。
【0088】
【実施例3】
引取手段として、面の平均粗さRaが0.05μm、温度が145℃であるキャスティングロールと、面の平均粗さRaが0.14μm、温度130℃であるタッチロール(タッチ線圧;93kgf/cm)とを用い、ダイをTダイ(リップ部材質;WC、平均粗さRa;0.14μm、剥離強度;35N)とした他は、実施例1と同様の条件でシートを得た。次いで、実施例1と同様の方法でフィルムの評価を行った。
【0089】
【実施例4】
引取手段として、面の平均粗さRaが0.05μm、温度が145℃であるキャスティングロールと、面の平均粗さRaが0.14μm、温度110℃であるタッチロール(タッチ線圧;20kgf/cm)とを用い、ダイをTダイ(リップ部材質;WC、平均粗さRa;0.14μm、剥離強度;46N)とした他は、実施例1と同様の条件でシート得た。次いで、実施例1と同様の方法でフィルムの評価を行った。
【0090】
【比較例1】
ダイをTダイ(リップ部材質;H−Cr、平均粗さRa;0.14μm、剥離強度;80N)とした他は、実施例1と同様の条件でシートを得た。次いで、実施例1と同様の方法でフィルムの評価を行った。
【0091】
上記の方法で形成された各フィルムの評価結果を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
表1から明らかなように、本発明の環状オレフィン樹脂製押出成形物にはダイラインが生じておらず、また、引き取り手段としてキャスティングロールとタッチロールとを用いると表面平滑性が非常に優れたフィルムを得ることが可能となる。
【0094】
【発明の効果】
上記のように、本発明の環状オレフィン樹脂製押出成形物は、極めて優れた表面平滑性を有するため、光学用途等において好適に用いることができる。また、本発明の製造方法を用いると、かかる環状オレフィン樹脂製溶融押出シートの製造を容易に且つ連続して行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の環状オレフィン樹脂製押出成形物の製造に用いられる溶融押出シート成形装置の縦断面図である。
【図2】図2は、本発明の環状オレフィン樹脂製押出成形物の製造に用いられるTダイを示す概略図である。
【図3】ダイの出口とキャスティングロール及びタッチロールとの位置関係を示す模式図である。
【図4】図4(a)はタッチロールの太さに段差またはテーパーを設けて両端の直径を細くしたタッチロールの斜視図であり、図4(b)は両側にゴムなどの弾性体の帯を設けたタッチロールの斜視図である。
【図5】フレキシブルなロール面を持つタッチロールを用いた場合におけるキャスティングロールとタッチロールとの関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1 溶融押出フィルム又はシート成形装置
2 ペレット状環状オレフィン樹脂
3 ホッパー
4 シリンダー
5 アダプタ部
6 ダイ
7 冷却ロール
8 シート又はフィルム
9 巻取り機
10 押出機
11 ダイ出口
12 キャスティングロール
13 タッチロール
14 押圧手段
15 フレキシブルスリーブ
16 ラバーロール
100 ダイ本体
101 リップ部
102 調節ボルト
103 樹脂入口
Claims (3)
- 環状オレフィン樹脂を溶融し、溶融状態の環状オレフィン樹脂を、炭化タングステンでコートされ、且つ、表面精度が平均粗さRa表記で0.5μm以下であり、剥離強度75N以下のリップ部を有するダイを通して押出し、
キャスティングロールで引き取りつつ、
表面精度が平均粗さRa表記で0.2μm以下のタッチロールを用いて線圧20〜93kgf/cmで押さえて、
前記タッチロールの温度を、前記キャスティングロールの温度よりも、5〜40℃低く設定し、
環状オレフィン樹脂をシート又はフィルム形状に成形することを特徴とする、環状オレフィン樹脂製押出成形物の製造方法。 - 前記タッチロールが、その両端の直径が段差状に若しくは段々と細くなっており、細くしない部分の幅は、所望のシートの幅に対して、60〜98%である、請求項1記載の環状オレフィン樹脂製押出成形物の製造方法。
- 前記タッチロールが、両端に弾性体が巻き付けられ、弾性体が巻き付けられていない部分の幅は、所望のシートの幅に対して、60〜98%である、請求項1記載の環状オレフィン樹脂製押出成形物の製造方法。
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