JP5029145B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セルロースエステルなどの熱可塑性樹脂を含む光学フィルムを溶融流延製膜法で製造する光学フィルムの製造方法に関する。
液晶表示装置は、従来のCRT表示装置に比べて、省スペース、省エネルギーであることからモニターとして広く使用されている。さらにTV用としても普及が進んできている。このような液晶表示装置には、偏光板用の保護フィルムや位相差フィルムなどの種々の光学フィルムが使用されている。
偏光板用の保護フィルムは、延伸ポリビニルアルコールなどからなる偏光フィルムに貼り付けて偏光フィルムを保護するためのフィルムであり、セルロースエステルなどの熱可塑性樹脂を含むフィルムが用いられている。また、位相差フィルムは、視野角の拡大やコントラストの向上などの目的で用いられるものであり、セルロースエステルなどの熱可塑性樹脂を含むフィルムを延伸するなどしてリタデーションが付与されたものである。光学補償フィルムと呼ばれることもある。
このような光学フィルムの製造方法として、セルロースエステルなどの熱可塑性樹脂を含む溶融物を流延ダイからフィルム状に押出し、押出されたフィルム状の溶融物を冷却固化し、さらに必要に応じて延伸等を行ってフィルムにする溶融流延製膜法が知られている。
一方、これらの光学フィルムでは、光学的な性能、特にリタデーションが均一であることが要求される。特に、モニターやTVの大型化や軽量化が進み、リタデーションの均一性がますます厳しく要求されるようになった。
溶融流延製膜法による光学フィルムの製造においては、フィルムの表面に数mmピッチで生じるすじ状の欠陥を除去してフィルムの平面性を高める等のために、押出されたフィルム状溶融物を主ロールとタッチロールとで挟圧する方法が知られている。
この際、フィルムにかかる圧力が樹脂の配向状態に影響を与え、得られるフィルムのリタデーションが変化するため、リタデーションの均一性が高い光学フィルムを得るためには、十分に均一な圧力で挟圧を行うことが重要になる。
挟圧の際における、フィルムにかかる圧力の均一化を図るため、金属内筒の外側に薄肉金属外筒をかぶせた二重筒構造の弾性タッチロールを用いる方法が知られている。また、圧力の均一性を更に高めるために、このような弾性タッチロールの中央部の外径を両端部の外径より大きくする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−235747号公報
しかし、特許文献1に記載されているような二重筒構造の弾性タッチロールを用いてフィルムの挟圧を行う場合、タッチロールの撓みによって、フィルムの幅方向中央部にかかる圧力が端部にかかる圧力よりも小さくなる傾向があり、フィルムの全体に均一な圧力をかけることは困難であった。
一方、タッチロールの中央部の外径を両端部の外径より大きくすれば、フィルムの中央部にかかる圧力が増加するため、圧力の均一性をある程度高めることができる。しかし、中央部と両端部の外径差に基づく周速度の違いによって、挟圧後のフィルムの表面に擦り傷が発生する場合があった。特に、製造するフィルムの幅が広い場合、圧力を均一化するためには中央部と両端部の外径差を大きくする必要があり、周速度の違いによる擦り傷の発生を回避することは困難であった。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、押出されたフィルム状溶融物を均一な圧力で挟圧すると共に擦り傷の発生を防止し、リタデーションの均一性及び外観品質に優れた光学フィルムを製造することができる光学フィルムの製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. 熱可塑性樹脂を含む溶融物を流延ダイからフィルム状に押出す押出工程と、押出されたフィルム状溶融物を主ロールとタッチロールとで挟圧する挟圧工程とを有する光学フィルムの製造方法において、前記押出工程は、押出された前記フィルム状溶融物を挟圧せずに冷却して非挟圧フィルムを得た場合に、前記挟圧工程で挟圧される挟圧領域に相当する領域における該非挟圧フィルムの厚みが、幅方向中央部で最大となり、該挟圧領域に相当する領域の端部で最小となるように前記フィルム状溶融物を押出す工程であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
2. 前記挟圧領域の幅をL、前記非挟圧フィルムの幅方向中央部の厚みをdC、前記非挟圧フィルムの前記挟圧領域に相当する領域の両端部の厚みをdE、としたとき、1×10-6≦(dC−dE)/L≦3×10-6であることを特徴とする前記1に記載の光学フィルムの製造方法。
3. 前記非挟圧フィルムは、前記挟圧領域に相当する領域の幅方向10mm毎の位置の厚みを測定したとき、隣り合う二つの位置における厚みの差の最大値が2μm以下であることを特徴とする前記1又は2に記載の光学フィルムの製造方法。
4. 前記挟圧領域は、前記フィルム状溶融物のうち、幅方向の両端部からそれぞれ200mm以上の端部領域を除去した領域であることを特徴とする前記1乃至3の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
5. 前記タッチロールは、金属外筒と内筒とを有する弾性タッチロールであることを特徴とする前記1乃至4の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
本発明によれば、押出されたフィルム状溶融物を挟圧せずに冷却して非挟圧フィルムを得た場合に、該非挟圧フィルムの厚みが幅方向中央部で最大となるように押出しを行う。このような条件で押出されたフィルム状溶融物は、挟圧時の厚みが幅方向中央部で最大となることから、タッチロールの撓みの影響を打ち消してフィルム状溶融物を均一な圧力で挟圧することができる。また、中央部と両端部の周速度に差が生じないことから、フィルム表面の擦り傷の発生も防止することができる。従って、リタデーションの均一性及び外観品質に優れた光学フィルムを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面(図1〜図4)を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、溶融流延製膜法によってセルロースエステルなどの熱可塑性樹脂を含む光学フィルムを製造するための製造方法に関するものである。ここで、溶融流延製膜法とは、セルロースエステルなどの熱可塑性樹脂を含む組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融し、その流動性を持った溶融物をフィルム状に流延して冷却固化することにより光学フィルムを得る方法である。
図1は本発明を実施するために用いる光学フィルムの製造装置の1例を示す図である。図1に示す光学フィルムの製造装置10は、押出機11、流延ダイ12、主ロール13、タッチロール14、冷却ロール15、16、剥離ロール17及び巻取り装置18を備えている。
本実施形態においては、セルロースエステルなどの熱可塑性樹脂を含むフィルム材料を混合した後、押出機11を用いて熱可塑性樹脂を含む溶融物を流延ダイ12からフィルム状に押出し、押出されたフィルム状溶融物21を主ロール13とタッチロール14とで挟圧する。その後、2本の冷却ロール15、16に順に外接させて冷却固化し、剥離ロール17によって剥離する。剥離されたフィルム22は巻取り装置18により巻き取られる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂は、溶融流延製膜法により製膜可能であれば特に限定されない。例えば、ポリカーボネート、脂環式構造含有ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、セルロースエステルなどが挙げられる。中でも、光弾性係数が小さいことなどから、セルロースエステルや脂環式構造含有ポリマーが好ましい。
以下、熱可塑性樹脂としてセルロースエステルを用いる場合を例に挙げて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(材料の調製)
先ず、混合機等を用いて材料の混合を行う。混合機は、V型混合機、円錐スクリュー型混合機、水平円筒型混合機等、一般的な混合機を用いることができる。
本発明においては、材料を混合した後に、その混合物を押出機11を用いて直接溶融して製膜するようにしてもよいし、一旦、フィルム構成材料をペレット化した後、該ペレットを押出機11で溶融して製膜するようにしてもよい。また、フィルム構成材料が、融点の異なる複数の材料を含む場合には、融点の低い材料のみが溶融する温度で一旦、いわゆるおこし状の半溶融物を作製し、半溶融物を押出機11に投入して製膜することも可能である。フィルム構成材料に熱分解しやすい材料が含まれる場合には、溶融回数を減らす目的で、ペレットを作製せずに直接製膜する方法や、上記のようなおこし状の半溶融物を作ってから製膜する方法が好ましい。
なお、本発明の光学フィルムの製造方法で使用する材料の詳細については後述する。
(押出工程)
押出工程は、押出機11を用いて、熱可塑性樹脂を含む溶融物を流延ダイ12からフィルム状に押出す工程である。
使用する押出機11は、市場で入手可能な種々の押出機を使用可能であるが、中でも溶融混練押出機が好ましい。単軸押出機でも2軸押出機でも良い。
押出機11内におけるフィルム構成材料の溶融温度は、フィルム構成材料の粘度や吐出量、製造するフィルムの厚み等によって好ましい条件が異なるが、一般的には、フィルムのガラス転移温度Tgに対して、Tg以上、Tg+100℃以下とすることが好ましい。押出時の溶融粘度は、10〜100000ポイズ、好ましくは100〜10000ポイズである。また、押出機11内でのフィルム構成材料の滞留時間は短い方が好ましく、例えば、5分以内とすることが好ましい。また、押出機11の内部は、窒素ガスやアルゴン等の不活性ガスで置換するか、あるいは減圧することにより、酸素の濃度を下げることが好ましい。
押出機11から吐出された溶融物は流延ダイ12に供給され、流延ダイ12からフィルム状に押出される。図2は、押出されたフィルム状溶融物21を挟圧せずに冷却して得た非挟圧フィルム20の長手方向(流延方向)に垂直な断面を模式的に示した図である。非挟圧フィルム20は、図1に示した光学フィルムの製造装置10からタッチロール14を除いて、流延ダイ12から押出されたフィルム状溶融物21を挟圧せずに冷却ロール15、16によってそのまま冷却することで得られる。ただし、非挟圧フィルムを作製する際、冷却の後にフィルムの延伸を行うと得られたフィルムの厚み分布が変化してしまう。本発明において非挟圧フィルムという場合は、このような延伸を行っていない、非挟圧で未延伸のフィルムを意味する。なお、図2においては、厚みの分布を分かりやすくするため誇張して図示している。
非挟圧フィルム20は、冷却固化に伴う収縮によって、挟圧時のフィルム状溶融物よりも厚みは薄くなる。しかし、厚みの収縮率はフィルムの幅方向においてほぼ均一であるため、冷却固化の前後における厚みの分布の違いは無視できるオーダーであると考えられる。従って、非挟圧フィルム20の厚みの分布を調整することによって、実際の挟圧時のフィルム状溶融物の厚み分布をコントロールすることができるのである。
フィルム状溶融物21は、光学フィルムとして使用するために後の挟圧工程で主ロール13とタッチロール14によって挟圧される挟圧領域と、挟圧領域の両端部にあり、タッチロール等によって挟圧されず、後に切断されて光学フィルムとして使用されない端部領域とを有している。
図2に示した非挟圧フィルム20において、領域23は、この挟圧領域に相当する領域であり、領域23の両端部にある領域24は、端部領域に相当する領域である。
本発明においては、押出されたフィルム状溶融物を挟圧せずに冷却して非挟圧フィルムを得た場合に、挟圧領域に相当する領域における該非挟圧フィルムの厚みが、幅方向中央部で最大となり、該挟圧領域に相当する領域の端部で最小となるようにフィルム状溶融物の押出しを行う。上述のように冷却固化の前後における厚みの分布の違いは無視できるオーダーであると考えられるため、このような条件で押出されたフィルム状溶融物は、挟圧時の厚みが幅方向中央部で最大となる。そのため、挟圧の際にタッチロールの撓みの影響を打ち消してフィルム状溶融物21の挟圧領域23を均一な圧力で挟圧することができる。
非挟圧フィルム20の、幅方向中央部23Cの厚みと挟圧領域に相当する領域の端部23Eの厚みの差は、わずかな量であっても効果が得られるが、挟圧の際の圧力を十分に均一化するためには、挟圧領域の幅をL、非挟圧フィルム20の幅方向中央部23Cの厚みをdC、非挟圧フィルム20の挟圧領域に相当する領域の両端部23Eの厚みをdE、としたとき、(dC−dE)/Lが1×10-6以上であることが好ましい。
一方、幅方向中央部23Cの厚みと挟圧領域に相当する領域の端部23Eの厚みの差が大きすぎると、逆にフィルム状溶融物の中央部にかかる圧力の方が大きくなってしまう。そのため、(dC−dE)/Lが3×10-6以下であることが好ましい。
従って、例えば、挟圧領域の幅Lが1500mmの場合は、(dC−dE)が1.5μm以上、4.5μm以下であることが好ましく、挟圧領域の幅Lが3000mmの場合は、(dC−dE)が3μm以上、9μm以下であることが好ましい。
また、幅方向中央部23Cから挟圧領域に相当する領域の端部23Eに向かって、厚みが一様に減少していくことが好ましいが、多少の凹凸は許容される。例えば、周期が数mm程度の凹凸であれば、挟圧の際のタッチロール等との接触によって矯正される。また、周期が10mm以上の比較的長い凹凸であれば、挟圧の際にタッチロールが弾性的に変形することによって矯正され得る。
しかし、数mm〜10mm程度の周期で振幅の大きな凹凸が存在すると、タッチロール等と十分に接触しなかったり、あるいは接触しても凹凸が十分に矯正されない場合がある。そうすると、矯正されずに残った凹凸によって挟圧の際の圧力に分布が生じ、得られる光学フィルムのリタデーションに分布が残ってしまう。そのため、非挟圧フィルム20は、挟圧領域に相当する領域23の幅方向10mm毎の位置の厚みを測定したとき、隣り合う二つの位置における厚みの差の最大値が2μm以下であることが好ましい。そうすることで、製造される光学フィルムのリタデーションの均一性を更に高めることができる。
流延ダイ12から押出されるフィルム状溶融物の厚みの分布は、流延ダイ12のリップ間隔(スリットギャップ)に依存する。従って、流延ダイ12のリップ間隔を、流延ダイ12の幅方向の各位置において適切に調整することによって、上述のような厚み分布を有する非挟圧フィルム20を得ることができる。
図3は、リップ間隔の調整機構を有する流延ダイ12の1例を示す図である。図3(b)は流延ダイ12を幅方向に垂直に切断した断面図であり、図3(a)は流延ダイ12を図3(b)のA方向から見た図である。
流延ダイ12のスリット32を形成する一対のリップのうち、一方は剛性がひくく変形しやすいフレキシブルリップ33であり、他方は剛性が高い固定リップ34である。そして、多数のヒートボルト35が流延ダイ12の幅方向(図3(b)の紙面に垂直な方向)に一定ピッチで配列されている。それぞれのヒートボルト35には、埋め込み電気ヒータ37と冷却媒体通路とを備えたブロック36が設けられ、各ヒートボルト35はブロック36を縦に貫通している。ヒートボルト35の基部はダイ本体31に固定され、先端はフレキシブルリップ33の外面に当接している。埋め込み電気ヒータ37への入力を増減してブロック36の温度を変化させることによりヒートボルト35の長さが変化し、それによってフレキシブルリップ33を変位させてリップ間隔を調整することができる。
ヒートボルト35は、非挟圧フィルム20に上述のような厚み分布を形成することができるようなピッチで設置されていればよく、例えば、20mm〜200mm程度の範囲で適切なピッチを選択すればよい。リップ間隔は、通常、500〜1500μmであり、700〜1200μmとすることが好ましい。
また、ヒートボルト35の代わりに、手動でボルトを締め付けることによってフレキシブルリップ33を変位させるようなリップ間隔の調整機構を有する流延ダイを用いることもできる。
(挟圧工程)
挟圧工程は、フィルムの表面に生じるすじ状の欠陥を除去してフィルムの平面性を高めること等を目的として、押出されたフィルム状溶融物21を主ロール13とタッチロール14とで挟圧する工程である。
上述のように、本発明においては、この挟圧工程で挟圧される挟圧領域23におけるフィルム状溶融物21の厚みが、幅方向中央部23Cで最大となり、挟圧領域の端部23Eで最小となるように押出されている。そのため、挟圧の際のタッチロールの撓みの影響を打ち消してフィルム状溶融物21の挟圧領域23を均一な圧力で挟圧することができる。
主ロール13は、キャストロールとも呼ばれ、流延ダイ12から押出されたフィルム状溶融物21を表面で支持し、タッチロール14との間でそのフィルム状溶融物21を挟圧して光学フィルムを製造するためのロールである。
主ロール13は、一般的に溶融流延製膜法によるフィルムの製造に用いるものであれば特に制限はなく、適宜選択して用いることができる。通常は、高剛性の金属ロールであり、表面に支持したフィルム状溶融物21を冷却する機能も有している。フィルム状溶融物21を均一に、かつ効率よく冷却するため、内部に水やオイルなどの冷却媒体が流れるような構造を備えていることが好ましい。表面の材質として、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどを用いることができる。更に表面の硬度を上げたり、樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムメッキや、ニッケルメッキ、非晶質クロムメッキなどや、セラミック溶射等の表面処理を施すことが好ましい。
また、タッチロール14についても特に制限はなく、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの金属ロールや、表面をゴム、樹脂等で被覆したロール等、公知のものを適宜選択して用いることができる。
主ロール13やタッチロール14の表面が平滑であるほど、得られるフィルムの表面も平滑にできるため好ましい。これらの表面粗さは、最大高さRy(JIS B0601:1994)が0.1μm以下とすることが好ましく、更にRyが0.05μm以下とすることが好ましい。
図2に示すように、流延ダイ12から押出されて主ロール13の表面で支持されるフィルム状溶融物21は、幅方向端部付近に、中心部よりも非常に厚みの大きい領域25が存在する場合がある。この領域25における厚みは、大きい場合は中心部の厚みの1.2倍〜5倍にもなる。この領域25は、通常は後の工程で切断され、光学フィルムとしては使用されないが、フィルム状溶融物21を挟圧する際に、この領域25を含めたフィルム状溶融物21の全体を挟圧してしまうと、領域25以外の必要な領域に対して均一に圧力をかけることが困難となってしまう。
そのため、フィルム状溶融物21に、かかる領域25が存在する場合には、領域25よりも内側の挟圧領域23のみを挟圧し、領域25を含んだ端部領域24は挟圧しないことが好ましい。かかる領域25は、通常、フィルム状溶融物21の幅方向の両端部から内側に向かって、10mmから200mmの幅で存在している。従って、挟圧領域23は、フィルム状溶融物21のうち、幅方向の両端部からそれぞれ200mm以上の端部領域24を除いた領域とすることが特に好ましい。
挟圧の際にかかる圧力が、得られるフィルムのリタデーションに及ぼす影響は、挟圧されるフィルム状溶融物21の厚みが薄くなるほど顕著に表れてくる。そのため、フィルム状溶融物21の幅方向中央部23Cの厚みが120μm以下の場合に、本発明の効果が大きく、100μm以下の場合に特に効果が大きい。一方、あまりに薄すぎるフィルムは強度的に弱く実用的ではない。かかる観点より、本発明はフィルム状溶融物21の幅方向中央部23Cの厚みが15μm〜120μmの場合に特に適しており、20μm〜100μmの場合に更に適している。
更に、フィルム状溶融物21にかかる圧力をできるだけ均一化するという観点からは、金属外筒と内筒とを有する二重筒構造の弾性タッチロールを用いることが好ましい。図4は、このような二重筒構造の弾性タッチロールの1例であるタッチロール14aの断面図である。タッチロール14aは、金属外筒41、内筒42及び冷却媒体の流路43を備えている。
金属外筒41の材質は、平滑で、適度な弾性があり、耐久性があることが好ましい。炭素鋼、ステンレス、チタン、電鋳法で製造されたニッケルなどが好ましく用いることができる。更にその表面の硬度をあげたり、樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムメッキや、ニッケルメッキ、非晶質クロムメッキなどや、セラミック溶射等の表面処理を施すことが好ましい。
内筒42は、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの軽量で剛性のある金属製であることが好ましい。内筒42に剛性をもたせることで、ロールの回転ぶれを抑えることができる。内筒42の肉厚は、金属外筒41の2〜10倍とすることで十分な剛性が得られる。内筒42には更にシリコーン、フッ素ゴムなどの樹脂製弾性材料が被覆されていてもよい。
金属外筒41の表面の温度の均一化を図るため、冷却媒体の流路43を備えていることが好ましい。この冷却媒体の流路43に水、オイル等の冷却媒体を流すことで金属外筒41の表面の温度の均一化を図ることができる。例えば、幅方向に行きと戻りが交互に流れるような構造にしたり、スパイラル状に流れるような構造にすることによって、金属外筒41の表面の温度分布を更に小さくすることができる。冷却のための冷却媒体は、特に制限はなく、使用する温度域に合わせて水やオイルを使用できる。
本発明によれば、タッチロール14の外径が均一であっても、挟圧時のフィルム状溶融物の厚みが幅方向中央部23Cで最大であるため、フィルム状溶融物21に対して均一な圧力を加えることができる。また、圧力を更に均一化するため、周速度の違いによってフィルムに擦り傷が発生しない程度に、タッチロール14の中央部の外径を両端部の外径より大きくしてもよい。
タッチロール14の表面温度は、製造するフィルムのガラス転移温度(Tg)より低いことが好ましい。Tgより高いと、フィルムとタッチロール14との剥離性が劣る場合がある。低すぎるとフィルムからの揮発成分がタッチロール14に析出する場合があるので、10℃〜Tg−10℃であることが更に好ましい。
(冷却工程)
本実施形態においては、挟圧工程の後、フィルム状溶融物21を2本の冷却ロール15、16に順に外接させて冷却固化させてフィルム22を得る。
冷却ロール15、16は高剛性の金属ロールであり、主ロール13と同様に、表面に支持したフィルムの冷却の均一化と冷却効率の向上のため、内部に水やオイルなどの冷却媒体が流れるような構造を備えていることが好ましい。冷却ロール15、16の直径は、表面に支持したフィルムを冷却するのに十分な大きさであればよく、通常は100mmから1m程度である。表面の材質として、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどを用いることができる。更に表面の硬度を上げたり、樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムメッキや、ニッケルメッキ、非晶質クロムメッキなどや、セラミック溶射等の表面処理を施すことが好ましい。
本実施形態における光学フィルムの製造装置10は、2本の冷却ロールを備えているが、冷却ロールの本数はこれに限定される物ではなく、更に多数の冷却ロールを備えた製造装置とすることもできる。
(巻取り工程等)
巻取り工程は、冷却ロール15、16で冷却固化した後、剥離ロール17によって冷却ロール16から剥離されたフィルム22を、巻取り装置18によって巻取る工程である。この工程によって本実施形態における光学フィルムの製造が完了する。
なお、本発明の光学フィルムの製造方法においては、光学フィルムの用途等に応じて適宜他の工程を備えていても良い。例えば、光学フィルムの用途に応じて所望のリタデーション特性を得るための延伸工程や、熱固定のための熱処理工程を備えていてもよい。また、巻取り工程の前に、フィルムの端部の張り付き傷を防止するためのナーリング加工工程(エンボッシング加工装置)や、不要な端部領域24を切断するための切断工程等を備えていても良い。
(光学フィルムの材料)
上述の通り、材料に用いる熱可塑性樹脂は特に限定されるものではないが、ここでは、熱可塑性樹脂としてセルロースエステルを用いる場合を例にとって詳細に説明する。
本発明の光学フィルムの製造方法で使用する材料は、セルロースエステル、必要により安定化剤、可塑剤、さらに必要に応じて紫外線吸収剤、滑り剤としてのマット剤等が含まれる。これらの材料は、目的とする光学フィルムの要求特性により適宜選択される。
(セルロースエステル)
本発明の光学フィルムの製造方法で使用する材料としてのセルロースエステルに特に制限はない。例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースフタレートなどを好ましく用いることができる。
また、セルロースエステル以外の高分子材料やオリゴマーを、適宜選択してセルロースエステルと混合してもよい。このような高分子材料やオリゴマーはセルロースエステルと相溶性に優れ、フィルムにしたときの全可視域(400nm〜800nm)に渡り高い透過率が得られるものが好ましい。
(安定化剤)
酸化や、光または熱による分解反応等による材料の変質を防止するため、安定化剤を含んでいることが好ましい。
安定化剤に特に制限はなく、例えば、ヒンダードフェノール酸化防止剤、酸捕捉剤、ヒンダードアミン光安定剤、過酸化物分解剤、ラジカル捕捉剤、金属不活性化剤、アミン類などが挙げられる。
安定化剤は、樹脂を溶融する前に混合しておくことが好ましい。混合は、公知の混合機等により行うことができる。セルロースエステル調製過程において混合してもよい。混合を樹脂の融点以下、安定化剤の融点以上の温度で混合することにより、安定化剤のみを溶融して樹脂の表面に安定化剤を吸着させるようにしてもよい。
(可塑剤)
光学フィルムの機械的性質向上、柔軟性付与、耐吸水性付与、水分透過率の低減等の観点から、可塑剤を含んでいることが好ましい。また、セルロースエステル単独の場合よりも溶融温度を低下させることができ、または同じ加熱温度においてセルロースエステル単独の場合よりも溶融粘度を低下させることができるという観点からも可塑剤を含んでいることが好ましい。
可塑剤としては、例えばリン酸エステル誘導体、カルボン酸エステル誘導体が好ましく用いられる。また、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、トリメチロールプロパントリベンゾエート、トリメチロールプロパントリス(3,4,5−トリメトキシベンゾエート)、アルキルフタリルアルキルグリコレート等を可塑剤として用いてもよい。
(紫外線吸収剤)
製造される光学フィルムの用途によっては、偏光子や表示装置等の紫外線による劣化を防止するため、紫外線吸収剤を含んでいることも好ましい。
紫外線吸収剤に特に制限はなく、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができる。
(マット剤)
光学フィルムには、滑り性、搬送性や巻取り性を向上させるためにマット剤を添加してもよい。マット剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙げることができる。
中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを低くできるので好ましい。二酸化ケイ素の微粒子としては、日本アエロジル株式会社製のアエロジル(AEROSIL)200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を挙げることができる。また、これらの微粒子を2種以上併用してもよい。
微粒子の平均粒径が大きい方が滑り性効果は大きく、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れる。通常は、微粒子の平均粒径として0.005〜1.0μmの範囲が好ましい。微粒子が凝集して二次粒子が形成されていても良い。微粒子の含有量は、セルロース樹脂に100質量部に対して0.005〜0.3質量部が好ましい。
(実施例1〜5)
図1に示した光学フィルムの製造装置10を用いて、セルロースエステルフィルムを製造した。流延ダイ12は、図3に示したヒートボルトによるリップ間隔の調整機構を有するものを用いた。また、タッチロール14は、図4に示した弾性タッチロール14aを用いた。
下記材料をV型混合機で30分混合した後、50mmφの2軸押出し機(PCM30、(株)池貝製)を用いて220℃で溶融させ、長さ4mm、直径3mmの円筒形のペレットを作製した。
セルロースアセテートプロピオネート(セルロース樹脂) 100質量部
(アセチル基の置換度1.95、プロピオニル基の置換度0.7、
数平均分子量75,000、温度140℃で5時間乾燥、
ガラス転移点:Tg=174℃)
トリメチロールプロパントリベンゾエート(可塑剤) 10質量部
IRGANOX−1010(チバスペシャルティケミカルズ社製)
(ヒンダードフェノール酸化防止剤、安定化剤) 1質量部
流延ダイ(Tダイ)を取り付けた単軸押出し機(GT−50、(株)プラスチック工学研究所製)に得られたペレットを供給すると共に、押出し機中間部のホッパー開口部から、下記の添加剤を添加した。
二酸化ケイ素の微粒子(日本アエロジル社製、マット剤) 0.05質量部
TINUVIN360(チバスペシャルティケミカルズ社製)
(紫外線吸収剤) 0.5質量部
先ず、図1に示した光学フィルムの製造装置10からタッチロール14を除いて、流延ダイ12からフィルム状溶融物12を押出し、挟圧せずにそのまま冷却固化して非挟圧フィルム20を得た。流延ダイ12の温度は、流延ダイ出口から押出される溶融物の温度が250℃になるように設定した。主ロール13は、直径300mm、幅2200mmのクロムメッキ鏡面ロールであり、温度を100℃に設定した。押出されたフィルム状溶融物21の幅は2000mmであった。
非挟圧フィルム20のうち、幅方向の両端部からそれぞれ250mmの端部領域に相当する領域24を除いた領域を挟圧領域に相当する領域23とし、流延ダイ12のリップ間隔を変化させて挟圧領域に相当する領域23におけるフィルムの厚みを調整した。調整後の非挟圧フィルム20の幅方向中心部23Cの厚みdCと、挟圧領域に相当する領域の端部23Eの厚みdEの差(dC−dE)は、1.2μm(実施例1)、1.5μm(実施例2)、4μm(実施例3)、4.5μm(実施例4)、5μm(実施例5)であった。幅方向中心部23Cの厚みdCは、いずれも約100μmとなるように調整した。
このとき、挟圧領域の幅Lは1500mmであるため、(dC−dE)/Lは、それぞれ0.8×10-6(実施例1)、1×10-6(実施例2)、2.7×10-6(実施例3)、3×10-6(実施例4)、3.3×10-6(実施例5)となる。
また、挟圧領域に相当する領域23の幅方向10mm毎の位置(151カ所)で厚みを測定し、隣り合う二つの測定位置における厚みの差を計算した。隣り合う二つの測定位置における厚みの差の最大値は、いずれも2μm以下であった。
次に、光学フィルムの製造装置10にタッチロール14を設置し、上記5種類の押出条件で押出したフィルム状溶融物21を、主ロール13とタッチロール14とで挟圧した後、冷却ロール15、16と接触させて冷却固化し、フィルム22を得た。
タッチロール14は、直径300mm、幅1500mmとした。タッチロール14の表面は、クロムメッキされ、更に面粗度0.1Sの鏡面仕上げが為されている。キャストロール14による挟圧は、フィルム状溶融物21が主ロール13の表面で支持されて中心角5°の円周部分を搬送された時点で行った。このときの荷重は15000Nであり、荷重を挟圧領域23の幅で除した線圧は100N/cmであった。
得られたフィルム22のリタデーション(面内リタデーション:Ro)の測定を行った。測定は、フィルム22の幅方向中央部から挟圧領域の両端部までを50mm間隔で行い、最大値と最小値の差(ΔRo)を求めた。
面内リタデーション(Ro)は、フィルムの遅相軸方向の屈折率をNx、進相軸方向の屈折率をNy、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Ro=(Nx−Ny)×dで表される。面内リタデーションの測定はKobra−WX150K(王子計測機器株式会社製)を用いて行った。測定波長は590nmとした。
面内リタデーション(Ro)の均一性の評価は、ΔRoが5nm以下の場合を非常に良好(◎)、5nmより大きく10nm以下の場合を良好(○)、10nmより大きい場合を問題有り(×)とした。
更に、外観検査によってフィルム表面の擦り傷の程度を評価した。
押出条件と評価結果を表1にまとめて示す。何れの場合もΔRoは10nm以下であり、良好なリタデーションの均一性を有していることが確認された。特に、(dC−dE)/Lが1×10-6〜3×10-6の条件(実施例2〜4)では、ΔRoは5nm以下であり非常に良好であった。また、何れのフィルムにも、挟圧によって発生したと思われる擦り傷は確認されなかった(外観評価:○)。
Figure 0005029145
(比較例1、2)
先ず、実施例1〜5と同様に、図1に示した光学フィルムの製造装置10からタッチロール14を除いて、流延ダイ12からフィルム状溶融物12を押出し、挟圧せずにそのまま冷却固化して非挟圧フィルムを得た。
流延ダイ12のリップ間隔を変化させて挟圧領域に相当する領域23におけるフィルムの厚みを調整した。調整後の非挟圧フィルムの幅方向中心部23Cの厚みdCと、挟圧領域に相当する領域の端部23Eの厚みdEの差(dC−dE)は、0μm(比較例1)、−4μm(比較例2)とした。挟圧領域の幅Lは1500mmであるため、(dC−dE)/Lは、0(比較例1)、−2.7×10-6(比較例2)であった。また、隣り合う二つの測定位置における厚みの差の最大値は、いずれも2μm以下であった。
次に、光学フィルムの製造装置10にタッチロール14を設置し、上記2種類の押出条件で押出したフィルム状溶融物21を、主ロール13とタッチロール14とで挟圧した後、冷却ロール15、16と接触させて冷却固化し、フィルム22を得た。得られたフィルム22のリタデーションの均一性と外観の評価を行った。挟圧等の条件や、評価方法は実施例1〜5と同じとした。
評価結果を表1に併せて示す。比較例1、2共に、ΔRoは10nmより大きくなり、リタデーションの均一性に優れた光学フィルムを製造することはできなかった。
(実施例6)
実施例3と同様の条件でフィルム22を製造した。非挟圧フィルム20の(dC−dE)/Lは、実施例3と同じく2.7×10-6であった。
ただし、実施例3と異なり、挟圧領域に相当する領域23の幅方向10mm毎の位置(151カ所)で厚みを測定した際、隣り合う二つの測定位置における厚みの差の最大値が3μmとなるように流延ダイ12のリップ間隔の微調整を行った。
得られたフィルムについて、厚みの測定と同じく、挟圧領域の幅方向10mm毎の位置(151カ所)で面内リタデーションを測定し、隣り合う二つの測定位置における面内リタデーションの差の最大値を求めた。また、上記実施例3で得られたフィルムについても同様の測定を行った。
結果を表2に示す。ΔRoについて実施例3と実施例6に差は見られず、いずれも良好なリタデーションの均一性を有していることが確認された。また、隣り合う二つの測定位置における面内リタデーションの差の最大値は、実施例6よりも実施例3の方が小さくなった。従って、非挟圧フィルム20の挟圧領域に相当する領域23の幅方向10mm毎の位置の厚みを測定したとき、隣り合う二つの位置における厚みの差の最大値を2μm以下とすることで、得られるフィルムのリタデーションの均一性が更に向上されることが確認された。
Figure 0005029145
本発明を実施するために用いる光学フィルムの製造装置の1例を示す図である。 非挟圧フィルム20の長手方向(流延方向)に垂直な断面を模式的に示した図である。 リップ間隔の調整機構を有する流延ダイ12の1例を示す図である。 二重筒構造の弾性タッチロールの1例を示す断面図である。
符号の説明
10 光学フィルムの製造装置
12 流延ダイ
13 主ロール
14、14a タッチロール
20 非挟圧フィルム
21 フィルム状溶融物
23 挟圧領域に相当する領域
23C 挟圧領域に相当する領域の幅方向中央部
23E 挟圧領域に相当する領域の端部
41 金属外筒
42 内筒

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂を含む溶融物を流延ダイからフィルム状に押出す押出工程と、押出されたフィルム状溶融物を主ロールとタッチロールとで挟圧する挟圧工程とを有する光学フィルムの製造方法において、
    前記押出工程は、押出された前記フィルム状溶融物を挟圧せずに冷却して非挟圧フィルムを得た場合に、前記挟圧工程で挟圧される挟圧領域に相当する領域における該非挟圧フィルムの厚みが、幅方向中央部で最大となり、該挟圧領域に相当する領域の端部で最小となるように前記フィルム状溶融物を押出す工程であり、
    前記挟圧領域の幅をL、前記非挟圧フィルムの幅方向中央部の厚みをdC、前記非挟圧フィルムの前記挟圧領域に相当する領域の両端部の厚みをdE、としたとき、1×10 −6 ≦(dC−dE)/L≦3×10 −6 であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂を含む溶融物を流延ダイからフィルム状に押出す押出工程と、押出されたフィルム状溶融物を主ロールとタッチロールとで挟圧する挟圧工程とを有する光学フィルムの製造方法において、
    前記押出工程は、押出された前記フィルム状溶融物を挟圧せずに冷却して非挟圧フィルムを得た場合に、前記挟圧工程で挟圧される挟圧領域に相当する領域における該非挟圧フィルムの厚みが、幅方向中央部で最大となり、該挟圧領域に相当する領域の端部で最小となるように前記フィルム状溶融物を押出す工程であり、
    前記非挟圧フィルムは、前記挟圧領域に相当する領域の幅方向10mm毎の位置の厚みを測定したとき、隣り合う二つの位置における厚みの差の最大値が2μm以下であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂を含む溶融物を流延ダイからフィルム状に押出す押出工程と、押出されたフィルム状溶融物を主ロールとタッチロールとで挟圧する挟圧工程とを有する光学フィルムの製造方法において、
    前記押出工程は、押出された前記フィルム状溶融物を挟圧せずに冷却して非挟圧フィルムを得た場合に、前記挟圧工程で挟圧される挟圧領域に相当する領域における該非挟圧フィルムの厚みが、幅方向中央部で最大となり、該挟圧領域に相当する領域の端部で最小となるように前記フィルム状溶融物を押出す工程であり、
    前記挟圧領域は、前記フィルム状溶融物のうち、幅方向の両端部からそれぞれ200mm以上の端部領域を除去した領域であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  4. 前記タッチロールは、金属外筒と内筒とを有する弾性タッチロールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
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