JP2006116904A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フィルムの幅手方向に遅相軸を有し、均一なレタデーションを有する光学フィルムの製造方法を提供する。この光学フィルムを用いることにより、液晶表示装置の表示コントラストを高くし、良好な視野角特性を付与する。
【解決手段】 溶融流延製膜法で製膜された未延伸フィルムの両端をクリップで把持して幅手方向に延伸する連続的な光学フィルムの製造方法であり、該未延伸フィルムのクリップに把持される部分のフィルム厚みが、フィルム中央部側でクリップ把持部分に隣接する部分のフィルム厚みより10〜300%厚くなるように、ダイ24の幅手方向に配置された膜厚調整手段により調整する。また、未延伸フィルム中央部分の厚みが、フィルム中央部側でクリップ把持部分に隣接する部分のフィルム厚みより10〜100%厚くなるように、ダイ24の幅手方向に配置された膜厚調整手段により調整するのが、好ましい。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光学用フィルムの製造方法、特に溶融流延製膜法で製膜された均一なリタデーションを有する光学フィルムの製造方法に関するものである。
一般に、液晶表示装置(LCD)は、従来のCRT表示装置に比べて、省スペース、省エネルギーであることからモニターとして広く使用されている。さらにTV用としても普及が進んできている。このような液晶表示装置には、偏光フィルムや位相差フィルムなどの種々な光学フィルムが使用されている。
偏光フィルムは、延伸ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光子の片面または両面に、セルロースエステルフィルムを保護膜として積層されている。また、位相差フィルムは、視野角の拡大やコントラストの向上などの目的で用いられており、ポリカーボネ−ト、脂環式構造を有する重合体、セルロースエステルなどのフィルムを延伸してリタデーションが付与されたものや、透明基材上に液晶層を塗設されたものなどである。光学補償フィルムと呼ばれることもある。位相差フィルムの遅相軸が幅手方向であると、偏光板とロール・ツー・ロール貼合することができるので、従来のバッチ貼合から生産効率が著しく改善できる。
これらの光学フィルムでは、光学的な欠陥がなく、リタデーションが均一であることが要求される。特に、モニターやTVの大型化や高精細化が進み、これらの要求品質はますます厳しくなってきている。
光学フィルムの製造方法には、大別して溶液流延製膜法と溶融流延製膜法とがある。前者は、ポリマーを溶媒に溶かして、その溶液を支持体上に流延し、溶媒を蒸発し、さらに必要により延伸してフィルムにする方法である。膜厚の均一性に優れるなどの点から広く採用されてきたが、溶媒の乾燥のため、設備が大型化するなどの問題点を抱えていた。後者は、ポリマーを加熱溶融して支持体上に流延し、冷却固化し、さらに必要により延伸してフィルムにする方法であり、溶媒を乾燥する必要がないので、設備が比較的コンパクトにできるとの利点があるが、膜厚の均一性に劣り、均一なリタデーションが得られないという問題点があった。
ここで、従来の溶融流延製膜法に関わる特許文献には、つぎのようなものがある。
特開平10−10321号公報 特許文献1には、溶融流延製膜法を用いても膜厚の均一性の良好な光学フィルムを製造する方法が開示され、溶融樹脂を冷却ロールと無端ベルトで円弧上に挟み込んで冷却する方法が提案されている。この特許文献1の方法によれば、リタデーションが20nm以下、リタデーションのムラが±5nm以内の光学フィルムが得られることが記載されている。 特開2002−212312号公報 また、特許文献2には、溶融樹脂を2つの冷却ドラムで挟み込んで冷却するする方法が提案されている。この方法によれば、膜厚ムラが5μm以下、リタデーションが10nm以下、リタデーションのムラが2nm以下の光学フィルムが得られることが記載されている。 特開2003−236915号公報 特許文献3には、溶融した熱可塑性樹脂を特定の温度と時間の関係で、2本の冷却ドラムの周に沿って順に通過させる方法が提案されている。この方法によれば、膜厚ムラ10μm以下、リタデーションが10nm以下を有する光学フィルムが得られることが記載されている。 特開2003−305765号公報 特許文献4には、飽和ノルボルネン系樹脂の溶融体を、直径1m以上5m以下の冷却ドラム上に押出して、長手方向のリタデーションのムラが5nm以下である飽和ノルボルネン系樹脂フィルムとする方法が提案されている。具体的には、ダイとドラム間を15cm以上に広くし、1〜30%幅を減少させることにより端部の厚みを厚くし、冷却ドラム上からの剥離を容易にできることが記載されている。 特開平5−293884号公報 特許文献5には、延伸機から出てくる高分子シートの複屈折特性を測定するオンライン複屈折測定装置と、この測定結果を該延伸機の延伸機構にフィードバックして高分子の延伸率を制御する延伸制御系を備えた高分子延伸装置が提案されている。 特開平11−10728号公報 また、特許文献6には、縦延伸後または横延伸後のフィルム厚み及び配向度を独立に連続測定し、その演算結果に基づいて延伸状態を制御する延伸フィルム製造装置が提案されている。 特開平6−270227号公報 特許文献7には、リップ開口部の両端部が、中央部よりも大なる開口量を有するTダイが提案されている。
しかしながら、上記特許文献1及び2記載の方法で得られたフィルム(未延伸フィルム)を幅手方向に延伸したフィルムをクロスニコル下で観察すると、全体が均一な暗視野とならずに、明暗のムラが認められるという問題があった。これは、延伸したフィルムのリタデーションが均一でないことを示しており、リタデーションが均一であるなら、全面が暗視野となるのである。さらに、上記特許文献1及び2記載の方法では、フィルムの幅手方向の厚みプロファイルは、冷却ロールと無端ベルトの間隙や冷却ドラム間の間隙で決まってしまうため、延伸フィルムの幅手方向の厚み分布を制御できないという問題もあった。
また、特許文献3記載の方法で得られたフィルム(未延伸フィルム)を幅手方向に延伸したフィルムをクロスニコル下で観察すると、全体が均一な暗視野とならずに、明暗のムラが認められるという問題があった。さらにこの特許文献3の方法も、冷却ドラムに樹脂のガラス転移温度Tgの近傍で長時間冷却ドラムと接触させるため、自由にフィルムの厚みプロファイルを制御することができないという問題があった。
特許文献4記載の方法では、冷却ドラムとダイの間隙を大きくすると、溶融状態のフィルムにツレが入り、平面性を損ねるとの問題があった。
さらに、特許文献5及び6記載の方法は、いずれも延伸条件を制御する方法であり、フィルム幅手方向の厚み分布やリタデーション分布を制御することは困難であった。
特許文献7記載の方法は、冷却ロールで挟み込んでフィルム成形する際のフィルム中央部の光学的な歪を小さくするもので、延伸フィルムの厚みやリタデーションの均一性を改善することはできないという問題があった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、フィルムの幅手方向に遅相軸を有し、均一なリタデーションを有する光学フィルムを製造することができる光学フィルムの製造方法を提供しようとすることにある。
本発明者は、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、延伸前フィルムの幅手方向厚み分布に着目し、これを特定の厚み分布とすることで、延伸フィルムとした時のリタデーションの均一性が改良できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
上記の目的を達成するために、請求項1による光学フィルムの製造方法の発明は、溶融状態の熱可塑性樹脂をダイから押し出し、冷却ドラム上で冷却固化して未延伸フィルムとし、連続して該未延伸フィルムの両端をクリップで把持して幅手方向に延伸する連続的な光学フィルムの製造方法であって、該未延伸フィルムのクリップに把持される部分のフィルム厚みが、フィルム中央部側でクリップ把持部分に隣接する部分のフィルム厚みより10〜300%厚くなるように、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段により調整することを特徴としている。
請求項2による光学フィルムの製造方法の発明は、上記請求項1記載の光学フィルムの製造方法であって、未延伸フィルム中央部分の厚みが、フィルム中央部側でクリップ把持部分に隣接する部分のフィルム厚みより10〜100%厚くなるように、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段により調整することを特徴としている。
請求項3による光学フィルムの製造方法の発明は、上記請求項1または2記載の光学フィルムの製造方法であって、幅手方向に延伸された光学フィルムを膜厚検出手段により測定した厚みの測定値に基づいて、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段を制御することを特徴としている。
請求項4による光学フィルムの製造方法の発明は、上記請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の光学フィルムの製造方法であって、熱可塑性樹脂が、脂環式構造含有ポリマーであることを特徴としている。
請求項5による光学フィルムの製造方法の発明は、上記請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の光学フィルムの製造方法であって、熱可塑性樹脂が、セルロースの脂肪酸エステルであることを特徴としている。
請求項6による光学フィルムの製造方法の発明は、上記請求項1〜5のうちのいずれか一項記載の光学フィルムの製造方法であって、光学フィルムの厚みが20〜100μmであり、下記に示すフィルムの面内リタデーション(Ro)が20〜100nm、厚み方向リタデーション(Rt)が90〜200nmであることを特徴としている。
Ro=(nx−ny)×d
Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
(但し、nxは、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyは、フィルム面内の進相軸方向の屈折率、nzは、フィルムの厚み方向の屈折率、dは、フィルム厚さで単位はnmである。)
請求項1の光学フィルムの製造方法の発明によれば、溶融状態の熱可塑性樹脂をダイから押し出し、冷却ドラム上で冷却固化して未延伸フィルムとし、連続して該未延伸フィルムの両端をクリップで把持して幅手方向に延伸する連続的な光学フィルムの製造方法において、該未延伸フィルムのクリップに把持される部分のフィルム厚みが、フィルム中央部側でクリップ把持部分に隣接する部分のフィルム厚みより10〜300%厚くなるように、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段により調整するもので、クリップ把持部の厚みを上記の範囲とすることで、均一な延伸ができ、フィルムの幅手方向に遅相軸を有し、均一なリタデーションを有する光学フィルムを製造することができるという効果を奏する。
そして、本発明の製造方法により得られる光学フィルムを液晶表示装置に用いることで、液晶表示装置の表示コントラストを高くすることができ、良好な視野角特性を有する液晶表示装置が提供できるという効果を奏する。
請求項2による光学フィルムの製造方法の発明は、上記請求項1記載の光学フィルムの製造方法であって、未延伸フィルム中央部分の厚みが、フィルム中央部側でクリップ把持部分に隣接する部分のフィルム厚みより10〜100%厚くなるように、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段により調整するもので、フィルムの中央部の厚みを上記の範囲にすることで、延伸開始点をクリップ把持部近傍に固定できるため、安定な延伸となり、高度に均一な延伸が可能である。これによって、フィルムの幅手方向に遅相軸を有し、均一なリタデーションを有する光学フィルムを製造することができるという効果を奏する。
請求項3による光学フィルムの製造方法の発明は、上記請求項1または2記載の光学フィルムの製造方法であって、幅手方向に延伸された光学フィルムを膜厚検出手段により測定した厚みの測定値に基づいて、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段を制御するもので、溶融状態の熱可塑性樹脂をダイから押し出して未延伸フィルムを成形する工程で、一旦未延伸フィルムを巻き取ることなく、未延伸フィルムを延伸する工程までを連続して行なうことで、延伸後のフィルム厚みをモニターしながら、リアルタイムで未延伸フィルムの幅手厚み分布を制御することが可能となり、リタデーションの均一な光学フィルムが得られるという効果を奏する。
本発明の溶融流延製膜法による光学フィルムの製造方法に用いる熱可塑性樹脂としては、光弾性係数が小さいことから、セルロースエステルや脂環式構造含有ポリマーが好ましい。セルロースエステルは、偏光子である延伸ポリビニルアルコールとの接着性に優れるとの特徴を有する。脂環式構造含有ポリマーは、耐吸湿性があり、寸法変化が小さいとの特徴を有する。
請求項6による光学フィルムの製造方法の発明は、上記請求項1〜5のうちのいずれか一項記載の光学フィルムの製造方法であって、光学フィルムの厚みが20〜100μmであり、下記に示すフィルムの面内リタデーション(Ro)が20〜100nmであり、厚み方向リタデーション(Rt)が90〜200nmであることが、好ましい。
つぎに、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、溶融状態の熱可塑性樹脂をダイから押し出し、冷却ドラム上で冷却固化して未延伸フィルムとし、連続して該未延伸フィルムの両端をクリップで把持して幅手方向に延伸する連続的な光学フィルムの製造方法であって、幅手方向に延伸する前の未延伸フィルムのクリップに把持される部分のフィルム厚みが、フィルム中央部側でクリップ把持部分に隣接する部分のフィルム厚みより10〜300%厚くなるように、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段によりフィルム厚さを調整することを特徴とする。
延伸前フィルムが幅手方向に同じ厚みの場合、クリップに把持された部分が把持されない部分よりも延伸率が高くなり、幅手方向に均一な延伸ができなくなってしまう場合があるが、クリップ把持部の厚みを上記の範囲とすることで、均一な延伸ができるものと考えられる。この範囲より小さいと十分な効果が得られない場合があり、大きすぎると延伸の際に端部に割れが入り破断する場合がある。
さらに本発明では、幅手方向に延伸する前のフィルム中央部分の厚みが、フィルム中央部側でクリップ把持部分に隣接する部分のフィルム厚みより10〜100%厚くなるようにダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段によりフィルム厚さを調整することが好ましい。
中央部の厚みがクリップ把持部近傍と同じ場合、延伸開始は、幅手方向の任意の位置から始まるが、中央部の厚みを上記の範囲にすることで、延伸開始点をクリップ把持部近傍に固定でき、安定な延伸となり、高度に均一な延伸ができるのである。この範囲より小さいと、十分な効果が得られない場合があり、大きすぎると、フィルムの中央部分が延伸されない場合がある。
本発明では、溶融状態の熱可塑性樹脂をダイから押し出し、冷却ドラム上で冷却固化して未延伸フィルムとし、連続して該未延伸フィルムの両端を把持して幅手方向に延伸し、連続的に光学フィルムを製造する際に、幅手方向に延伸された光学フィルムを膜厚検出手段により測定した厚みの測定値に基づいて、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段を制御することが好ましい。
溶融状態の熱可塑性樹脂をダイから押し出し、冷却ドラム上で冷却固化する方法は、溶融流延製膜法と呼ばれている。溶融流延製膜法としては、ダイを用いた方法やインフレーション法などの溶融押し出し法、カレンダー法、熱プレス法、射出成形法などがあるが、本発明では、厚さムラが小さく、50〜500μm程度の厚さに加工しやすく、かつ、膜厚ムラやリタデーションのムラを小さくできるダイを用いた方法を採用している。
ダイは幅手方向に配置された膜厚調整手段を有しており、流延口から流延される溶融樹脂量を幅手方向に制御できる。膜厚調整手段としては、特に限定されないが、幅手方向に複数配置された調整ボルトやヒートボルトなどにより流延口の開口量を調整する方法、幅手方向に区分して配置されたヒーターなどにより、流延樹脂の温度を変化させて流量を調整する方式などが挙げられる。膜厚調整を行なう幅手方向の分割数(膜厚調整のための調整ボルトやヒートボルト、ヒーターの幅手方向の点数)は、多いほど細かな制御ができるので好ましい。好ましくは、幅手方向に50mmピッチ以内、さらに好ましくは25mm以内である。
本発明において、熱可塑性樹脂の溶融押出しの条件は、他のポリエステルなどの熱可塑性樹脂に用いられる条件と同様にして行なうことができる。
例えば、図6に示すように、熱風や真空または減圧下で乾燥した熱可塑性樹脂を1軸や2軸タイプの押出し機21を用いて、押し出し温度200〜300℃程度で溶融し、リーフディスクタイプのフィルター22などで濾過し、異物を除去した後、Tダイ24からフィルム状に流延し、冷却ドラム26上で固化させる。供給ホッパーから押出し機21へ導入する際は、真空下または減圧下や不活性ガス雰囲気下にして、酸化分解等を防止することが好ましい。
押出し流量は、ギヤポンプを導入するなどして、安定させることが好ましい。また、異物の除去に用いるフィルターは、ステンレス繊維焼結フィルターが好ましい。ステンレス繊維焼結フィルターは、ステンレス繊維体を複雑に絡み合った状態を作り出した上で圧縮し、接触箇所を焼結し、一体化したもので、その繊維の太さと圧縮量により密度を変え、濾過精度を調整できる。濾過精度を粗、密と連続的に複数回繰り返した多層体としたものが好ましい。また、濾過精度を順次上げていく構成としたり、濾過精度の粗、密を繰り返す方法をとることで、フィルターの濾過寿命が延び、異物やゲルなどの補足精度も向上できるので好ましい。
溶融流延製膜法において、ダイ24に傷や異物が付着するとスジ状の欠陥が発生する場合がある。このような欠陥のことをダイラインと呼ぶが、ダイライン等の表面の欠陥を小さくするためには、押出し機21からダイ24までの配管には樹脂の滞留部が極力少なくなるような構造にすることが好ましい。ダイ24の内部やリップにキズ等が極力無いものを用いることが好ましい。ダイ24周辺に樹脂から揮発成分が析出し、ダイラインの原因となる場合があるので、揮発成分を含んだ雰囲気は吸引することが好ましい。また、静電印加等の装置にも析出する場合があるので、交流を印加したり、他の加熱手段で析出を防止することが好ましい。
可塑剤などの添加剤は、あらかじめ樹脂と混合しておいてもよいし、押出し機21の途中で練り込んでもよい。均一に添加するために、スタチックミキサー23などの混合装置を用いることが好ましい。
冷却ドラム26の温度は、熱可塑性樹脂の常温からガラス転移温度(Tg)以下の範囲が好ましい。この範囲とすることにより、搬送張力などによる僅かなリタデーションのムラの発生を抑制できる。冷却ドラム26へ樹脂を密着させるために密着手段25を設ける。この密着手段25としては、静電印加により密着させる方法、風圧により密着させる方法、全幅あるいは端部をニップして密着させる方法、減圧で密着させる方法などを用いることが好ましい。
このような溶融流延製膜法で成形された熱可塑性樹脂フィルムは、溶液流延製膜法で成形された樹脂フィルムと異なり、厚み方向リタデーション(Rt)が小さいとの特徴があり、このような熱可塑性樹脂フィルムを延伸することにより面内方向リタデーション(Ro)を発現し易くできるとの特徴も有する。延伸倍率を大きくする必要がないので、破断の危険性が小さく安定に生産できる。
冷却ドラム26から剥離ロール27によって剥離した冷却固化されたフィルムはダンサーロール(フィルム張力調整ロール)を経て延伸機29に導き、そこでフィルムを幅手方向に延伸する。この延伸により、フィルム中の分子が配向される。フィルムを幅手方向に延伸する方法は、公知のテンターなどを好ましく用いることができる。特に延伸方向を幅手方向とすることで、偏光フィルムとの積層がロール形態で実施できるので好ましい。幅手方向に延伸することで、熱可塑性樹脂フィルムからなる光学フィルムの遅相軸は幅手方向になる。一方、偏光フィルムの透過軸も、通常、幅手方向である。偏光フィルムの透過軸と光学フィルムの遅相軸とが平行になるように積層した偏光板を液晶表示装置に組み込むことで、液晶表示装置の表示コントラストを高くすることができるとともに、良好な視野角が得られるのである。
上記延伸機29における延伸条件は、所望のリタデーション特性が得られるように、温度、倍率を選ぶことができる。通常、延伸倍率は1.1〜2.0倍、好ましくは1.2〜1.5倍であり、延伸温度は、フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度をTgとすると、通常、Tg〜Tg+50℃、好ましくはTg〜Tg+40℃の温度範囲で行なわれる。延伸倍率が小さすぎると、所望のリタデーションが得られない場合があり、逆に大きすぎると、フィルムが破断してしまう場合がある。延伸温度が低すぎると、フィルムが破断してしまう場合があり、高すぎると、所望のリタデーションが得られない場合がある。
フィルムの幅手方向の延伸は、制御された均一な温度分布下で行なうことが好ましい。好ましくは±2℃以内、さらに好ましくは±1℃以内、特に好ましくは±0.5℃以内である。
上記の方法で作製した熱可塑性樹脂フィルムのリタデーション調整や寸法変化率を小さくする目的で、フィルムを長さ方向や幅手方向に延伸または収縮させてもよい。長さ方向に収縮するには、例えば、幅手延伸を一時クリップアウトさせて長さ方向に弛緩させる、または横延伸機の隣り合うクリップの間隔を徐々に狭くすることによりフィルムを収縮させるという方法がある。後者の方法は一般の同時二軸延伸機を用いて、縦方向の隣り合うクリップの間隔を、例えばパンタグラフ方式やリニアドライブ方式でクリップ部分を駆動して滑らかに徐々に狭くする方法によって行なうことができる。必要により任意の方向(斜め方向)の延伸と組み合わせてもよい。長手方向、幅手方向とも0.5%から10%収縮させることで光学フィルムの寸法変化率を小さくすることができる。
光学フィルムの膜厚は、使用目的によって異なるが、仕上がりのフィルムとして、本発明において使用される膜厚範囲は30〜200μmで、最近の薄手傾向にとっては40〜120μmの範囲が好ましく、特に40〜100μmの範囲が好ましい。フィルムの平均膜厚は、所望の厚さになるように、押し出し流量、ダイ24の流延口の間隙、冷却ドラム26の速度等をコントロールすることで調整できる。
延伸後のフィルムは、巻取り機33によって巻き取る前に、製品となる幅にフィルム端部をスリッター30によりスリットして裁ち落とす。
ここで、本発明では、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段31を用いて延伸後フィルムの厚みを測定した結果に基づいて、厚みが均一になるようにダイ24の幅手方向に配置された膜厚調整手段(図示略)に反映させて調節する。溶融状態の熱可塑性樹脂をダイ24から押し出して、未延伸フィルムを成形する工程で、一旦未延伸フィルムを巻き取ることなく、未延伸フィルムを延伸する工程までを連続して行なうことで、延伸後のフィルム厚みをモニターしながら、リアルタイムで未延伸フィルムの幅手厚み分布を制御することが可能となり、リタデーションの均一な光学フィルムが得られるものである。
フィルム端部をスリッター30により製品となる幅にスリットして裁ち落とした後、巻き取られた光学フィルム(巻き)34中の貼り付きやすり傷防止のために、エンボスリング及びバックロールよりなるナール加工装置32により、ナール加工(エンボッシング加工)を両端に施してもよい。ナール加工の方法は凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱や加圧により加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、フィルムが変形しており製品として使用できないので切除されて、原料として再利用される。
以上のようにして得られた幅手方向に延伸された熱可塑性樹脂フィルムは、延伸により分子が配向されて、一定の大きさのリタデーションを持つ。通常、フィルムの面内方向リタデーション(Ro)は20〜200nm、厚み方向リタデーション(Rt)は90〜400nmであり、フィルムの面内方向リタデーション(Ro)が20〜100nm、厚み方向リタデーション(Rt)が90〜200nmであることが好ましい。また、RtとRoの比:Rt/Roは、0.5〜2.5が好ましく、特に1.0〜2.0が好ましい。
なお、フィルムの遅相軸方向の屈折率nx、進相軸方向の屈折率ny、厚み方向の屈折率nz、フィルムの膜厚をd(nm)とすると、
Ro=(nx−ny)×d
Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
として表される。
リタデーションのバラツキは小さいほど好ましく、通常±10nm以内、好ましくは±5nm以下、より好ましくは±2nm以下である。
遅相軸方向の均一性も重要であり、フィルム幅手方向に対して、角度が−5〜+5°であることが好ましく、さらに−1〜+1°の範囲にあることが好ましく、特に−0.5〜+0.5°の範囲にあることが好ましい。
本発明の光学フィルムの製造方法に用いる熱可塑性樹脂は、溶融流延製膜法により製膜可能であれば特に限定されない。例えば、ポリカーボネート、脂環式構造含有ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、セルロースエステルなどが挙げられる。中でも光弾性係数が小さいことから、セルロースエステルや脂環式構造含有ポリマーが好ましい。セルロースエステルは偏光子である延伸ポリビニルアルコールとの接着性に優れるとの特徴を有する。脂環式構造含有ポリマーは耐吸湿性があり、寸法変化が小さいとの特徴を有する。
セルロースエステルとしては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート及びセルロースアセテートプロピオネートブチレートが好ましい。上記セルロースエステルのアセチル基の置換度は、少なくとも1.5以上であることが、得られるフィルムの寸法安定性に優れるので好ましい。セルロースエステルのアシル基の置換度の測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することができる。セルロースエステルの分子量は、数平均分子量として50,000〜300,000、とくに60,000〜200,000であることが、得られるフィルムの機械的強度が強くできるので好ましい。
脂環式構造含有ポリマーとは、繰り返し単位中に、脂環式構造を有するポリマーであり、脂環式構造は主鎖、側鎖のいずれにあってもよい。脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、熱安定性に優れることからシクロアルカン構造が好ましい。
脂環式構造含有ポリマーは、ノルボルネン環構造を有するモノマー、モノ環状オレフィン、環状共役ジエン、ビニル芳香族化合物及びビニル脂環式炭化水素化合物等を含むモノマーを、メタセシス開環重合や付加重合などの公知の重合方法で重合し、必要に応じて炭素−炭素不飽和結合を水素添加することにより得ることができる。
本発明に用いる脂環式構造含有ポリマーは、シクロヘキサン溶液(ポリマーが溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、25,000〜50,000であることが好ましく、30,000〜45,000であることがさらに好ましい。分子量分布(Mw/Mn)は、1.2〜3.5であることが好ましく、さらに1.5〜3.0であることが好ましい。また、ガラス転移温度(Tg)は、80〜170℃であることが好ましい。脂環式構造含有ポリマーの特性を上記の範囲にすることで、良好な耐熱性と成形加工性とを得ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂中には、種々の目的で可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤、帯電防止剤、難燃剤、染料及び油剤などの添加剤を含有させることができる。
可塑剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリナフチルホスフェート、トリキシリルホスフェート、アリーレンビス(ジアリールホスフェート)エステル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート及びジ−2−エチルヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート及びブチルフタリルブチルグリコレート等のグリコール酸エステル系可塑剤、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸系可塑剤、ジプロピレングリコールベンゾエート、トリプロピレングリコールジベンゾエート、1,3−ジブチレングリコールジベンゾエート、テトラエチレングリコールジベンゾエート、トリメチロールプロパントリアセテート、トリメチロールプロパントリベンゾエート等の多価アルコールエステル系可塑剤、その他にトリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)などを挙げることができる。必要に応じて上記のうち2種類以上の可塑剤を併用して用いてもよい。これらの添加量は、可塑剤の効果とブリードアウトの兼ね合いから、熱可塑性樹脂に対して1%〜30%が好ましい。
また、ポリエステルエーテル、ポリエステル−ウレタン、ポリエステルなどもブレンドすることで可塑性を改良できるので好ましく用いることができる。
ポリエステルエーテルとしては、炭素原子8〜12個の芳香族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸(例えばテレフタール酸、イソフタール酸、ナフタレンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸)、炭素原子2〜10個の脂肪族グリコールまたは脂環式グリコール類(例えば、エチレンジオール、プロピレンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,5−ペンタンジオール)、エーテル単位の間に炭素原子2〜4個を有するポリエーテルグリコール類(例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、特に1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよ
びポリテトラメチレンエーテルグリコールを構成要素とするコポリエステルエーテル)が好ましい。ポリエステルエーテルの配合量は、主たる樹脂に対して5〜30質量%が好ましい。配合量をこの範囲とすることで良好な可塑性を呈するフィルムが得られる。
ポリエステル−ウレタンとしては、ポリエステルとジイソシアナートとの反応により得られるポリエステル−ウレタンが挙げられる。下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する。
Figure 2006116904
式中、lは2、3又は4を表わし、mは2、3又は4を表わし、nは1〜100を表わす。Rは下記に示す構造単位を表わす。
Figure 2006116904
ポリエステル−ウレタンを構成するポリエステルとしては、グリコール成分が、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、又は1,4−ブタンジオールであり、二塩基性酸成分が、コハク酸、グルタル酸、又はアジピン酸からなる両末端ヒドロキシル基を有するポリエステルであり、その重合度nは1〜100である。ポリエステルの分子量として、1,000〜4,500に当るものが特に望ましい。
ポリエステル−ウレタンを構成するジイソシアナート成分としてはエチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等のポリメチレンイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、p,p′−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート等が挙げられる。中でも、トリレンジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナートがポリウレタン化した場合、セルロースエステルとの相溶性が秀れているので好ましい。
ポリエステル−ウレタンの分子量は、2,000〜50,000が好ましく、さらに5,000〜15,000が好ましい。ポリエステル−ウレタンの合成は、上記のポリエステルとジイソシアナートとを混じ攪拌下加熱させる常法の合成法により、容易に得る事ができる。また、原料のポリエステルも常法により、相当する二塩基性酸、又はこれらのアルキルエステル類とグリコール類とのポリエステル化反応又はエステル交換反応による熱溶融縮合法が、或いはこれらの酸の酸クロリドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法により、末端基がヒドロキシル基となるよう適宜調整すれば容易に合成することができる。
ポリエステル−ウレタンの配合量は、主たる樹脂に対して5〜30質量%が好ましい。配合量をこの範囲とすることで良好な可塑性を呈するフィルムが得られる。
ポリエステルとしては、ポリエチレングリコールと脂肪族二塩基性酸とからなるポリエステルで、その平均分子量は700から10,000が好ましい。ポリエチレングリコールは一般式がHO−(CHCH−O)n−H(nは整数)で表される。nは4以下が好ましい。脂肪族二塩基性酸とは一般式がHOOC−R−COOH(Rは脂肪族二価炭化水素基)で表される蓚酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などであり、炭素数9以下が好ましい。ポリエステルの合成は常法により、上記二塩基性酸またはこれらのアルキルエステル類とグリコール類とのポリエステル化反応またはエステル交換反応による熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成することができる。
ポリエステルの配合量は、主たる樹脂に対して5〜30質量%が好ましい。配合量をこの範囲とすることで良好な可塑性を呈するフィルムが得られる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が適当であり、その具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン及びトリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。とくに2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕及びトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、その効果を得るために、熱可塑性樹脂に対し、質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmがとくに好ましい。
本発明において、使用し得る紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。本発明に有用な紫外線吸収剤の具体例として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、市販品として、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(何れもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を好ましく使用できる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
これらの紫外線吸収剤の配合量は、熱可塑性樹脂に対して、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、さらに0.1〜5質量%が好ましい。使用量が少なすぎると紫外線吸収効果が不十分の場合があり、多すぎるとフィルムの透明性が劣化する場合がある。紫外線吸収剤は熱安定性の高いものが好ましい。
本発明では、フィルムの滑り性を付与するために微粒子を添加することが好ましい。本発明で用いられる微粒子としては、溶融時の耐熱性があれば無機化合物または有機化合物どちらでもよく、例えば、無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、さらに好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムである。中でもヘイズを小さく抑えることができることから二酸化珪素が特に好ましく用いられる。二酸化珪素の具体例としては、アエロジル200V、アエロジルR972V、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル株式会社製)等の商品名を有する市販品が好ましく使用できる。
本発明により得られる光学フィルムは、偏光フィルムの少なくとも片面に貼り合わせることにより楕円偏光板とすることができる。
偏光フィルムは、従来から使用されている、例えば、ポリビニルアルコールフィルムの如きの延伸配向可能なフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して縦延伸したものである。偏光フィルム自身では、十分な強度、耐久性がないので、一般的にはその両面に保護フィルムとしての異方性のないセルローストリアセテートフィルムを接着して偏光板としている。本発明により得られる光学フィルムは、上記保護フィルム付きの偏光板に貼り合わせて作製してもよいし、また保護フィルムも兼ねて、直接偏光フィルムと貼り合わせて作製してもよい。
特に、本発明により得られる光学フィルムは幅手方向に遅相軸を有しているため、偏光フィルムと、裁断することなく長尺ロール同士で貼り合わすことができ、偏光板の生産性が飛躍的に向上する。
偏光板はその片面または両面に感圧性接着剤層(例えば、アクリル系感圧性接着剤層など)を介して剥離性シートを積層した貼着型のもの(剥離性シートを剥すことにより、液晶セルなどに容易に貼着することができる)としてもよい。
このようにして得られた本発明の偏光板は、種々の表示装置に使用できる。特に電圧無印加時に液晶性分子が実質的に垂直配向しているVAモードの液晶セルを用いた液晶表示装置が好ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
セルロースアセテートプロピオネート 100質量部
(アセチル基の置換度1.95、プロピオニル基の置換度0.7、
数平均分子量75,000、60℃で24時間真空乾燥済み)
トリフェニルフォスフェイト 10質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2質量部
チヌビン109(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.5質量部
チヌビン171(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.5質量部
チヌビン326(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.3質量部
酸化防止剤 0.01質量部
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール+ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
図6を参照すると、上記材料の混合物を2軸式押出し機21を用いて230℃で溶融混合し、ペレット化した。このペレットを用いてTダイ24からフィルム状に30℃の冷却ドラム26上に溶融温度250℃で溶融状態で押し出し、冷却固化させて未延伸樹脂フィルムを得た。この際、ダイ24の膜厚調整手段を用いて、未延伸樹脂フィルムの両端部が中央部より100%厚くなるように調整した(厚み断面イメージ図2参照)。
得られた樹脂フィルムを連続してテンター延伸機29に導入し、幅手方向に160℃で1.5倍延伸した後、幅手方向に3%緩和しながら30℃まで冷却し、その後クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落として、膜厚80μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルムよりなる光学フィルムを得た。
得られた光学フィルムについて、下記のようにして、リタデーションの均一性、面内方向リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)の評価を行なった。結果を下記の表1に示した。
(リタデーションの均一性)
得られたフィルムをクロスニコル下で観察し、下記基準でランク付けした。
ランク 基準
A 光の透過はなく全体に均一な暗視野
B 部分的に僅かに明暗が認められる
C 全体に僅かに明暗が認められる
D 一部明暗が認められる
E 全体に明暗が認められる
[面内方向リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)]
得られたフィルムについて、幅手方向に10か所、下記のようにして、面内方向リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)を測定し、それぞれ平均値で表した。
自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器株式会社製)を用いて23℃、55%RHの雰囲気下で590nmの波長において3次元屈折率測定を行ない、遅相軸方向の屈折率nx、進相軸方向の屈折率ny、厚み方向の屈折率nzを求める。厚み方向のリタデーション(Rt)及び面内方向のリタデーション(Ro)を下記の式から算出する。
Ro=(nx−ny)×d
Rt={(nx+ny)/2−nz}
但し、フィルムの遅相軸方向の屈折率nx、進相軸方向の屈折率ny、厚み方向の屈折率nz、フィルムの膜厚をd(nm)である。
実施例2
実施例1で未延伸樹脂フィルムの端部の膜厚を中央部より20%厚くした以外は、実施例1の場合と同様にして、膜厚80μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルムよりなる光学フィルムを得た。
得られた光学フィルムについて、実施例1の場合と同様にして、リタデーションの均一性、面内方向リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)の評価を行なった。得られた結果を下記の表1にあわせて示した。
実施例3
実施例1で未延伸樹脂フィルムの端部の膜厚を中央部より200%厚くした以外は、実施例1の場合と同様にして、膜厚80μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルムよりなる光学フィルムを得た。
得られた光学フィルムについて、実施例1の場合と同様にして、リタデーションの均一性、面内方向リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)の評価を行なった。得られた結果を下記の表1にあわせて示した。
実施例4
実施例1で未延伸樹脂フィルムの中央部の膜厚をクリップ把持部の内側の厚みより50%厚くした(厚み断面イメージ図3参照)以外は、実施例1の場合と同様にして、膜厚80μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルムよりなる光学フィルムを得た。
得られた光学フィルムについて、実施例1の場合と同様にして、リタデーションの均一性、面内方向リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)の評価を行なった。得られた結果を下記の表1にあわせて示した。
比較例1
セルロースアセテートプロピオネート 100質量部
(アセチル基の置換度1.95、プロピオニル基の置換度0.7、
数平均分子量75,000、60℃で24時間真空乾燥済み)
トリフェニルフォスフェイト 10質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2質量部
チヌビン109(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.5質量部
チヌビン171(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.5質量部
チヌビン326(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.3質量部
酸化防止剤 0.01質量部
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール+ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
上記材料の混合物を2軸式押出し機を用いて230℃で溶融混合し、ペレット化した。
つぎに、従来法による未延伸フィルムの製造装置のフローシートを示す図5を参照すると、このペレットを用いて、Tダイ1から溶融状態のセルロースアセテートプロピオネート樹脂2をフィルム状に第1冷却ドラム3(温度135℃)、第2冷却ドラム4(温度125℃)、第3冷却ドラム5(温度80℃)に順次密着させて搬送しながら冷却固化させた。得られた未延伸セルロースアセテートプロピオネート樹脂フィルムの幅手方向の厚みは、端部と中央部がいずれも同じ厚みであった(厚み断面形状のイメージ図1参照)。
得られた樹脂フィルムをテンター(図示略)に導入し、幅手方向に160℃で1.5倍延伸した後、幅手方向に3%緩和しながら30℃まで冷却し、その後クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落として、膜厚80μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルムよりなる光学フィルムを得た。
得られた光学フィルムについて、実施例1の場合と同様にして、リタデーションの均一性、面内方向リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)の評価を行なった。結果を下記の表1にあわせて示した。
比較例2
比較例1で、未延伸樹脂フィルムの端部の厚みを中央部より50%薄くした(厚み断面イメージ図4参照)以外は、同様にして膜厚80μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルムよりなる光学フィルムを得た。
得られた光学フィルムについて、実施例1の場合と同様にして、リタデーションの均一性、面内方向リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)の評価を行なった。得られた結果を下記の表1にあわせて示した。
実施例5
乾燥したノルボルネン系開環ポリマーの水素添加物(日本ゼオン株式会社製、ゼオノア1420R、ガラス転移温度140℃)を1軸押出し機21を用いて、溶融温度265℃でTダイ24からシート状に押し出し、30℃の冷却ドラム26上で冷却固化させて未延伸樹脂フィルムを得た。この際、ダイ24の膜厚調整手段を用いて、未延伸樹脂フィルムの両端部がクリップ把持部の内側より100%厚く、かつ、中央部がクリップ把持部内側近傍より50%厚くなるように調整した(厚み断面イメージ図3参照)。
得られた樹脂フィルムを連続してテンター延伸機29に導入し、幅手方向に170℃で1.5倍延伸した後、幅手方向に5%緩和しながら50℃まで冷却し、その後クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落として、膜厚60μmのノルボルネン系樹脂フィルムよりなる光学フィルムを得た。
得られた光学フィルムについて、実施例1の場合と同様にして、リタデーションの均一性、面内方向リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)の評価を行なった。得られた結果を下記の表1にあわせて示した。
Figure 2006116904
上記表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜5によれば、均一なリタデーション特性を有する光学フィルムを製造することができた。これに対し、比較例1と2では、フィルムのクロスニコル下での観察において、一部もしくは全体に明暗が認められ、均一なリタデーション特性を有するものではなかった。
実施例6
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で4倍に縦延伸して偏光フィルムを作った。
一方、保護フィルムとして80μmのコニカタック(コニカ製、セルローストリアセテートフィルム)を60℃、2mol/lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液中に2分間浸漬し水洗した後、100℃で10分間乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルローストリアセテートフィルムを作った。得られた偏光フィルムとセルローストリアセテートフィルムを完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液からなる接着剤を用いて貼り合わせ片面に保護フィルムを有する偏光フィルムを作製した。
つぎに、本発明の実施例1で得られた光学フィルムを50dyn/cmの処理量でコロナ処理を行ない、完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として用いて、上記保護フィルム付偏光フィルムの保護フィルムのない側に貼り合わせ偏光板を作製した。なお、光学フィルムの幅手方向と偏光フィルムの透過軸(幅手方向)とのなす角度は、平行になるように貼り合わせた。
得られた偏光板を用いて、下記のようにして視野角特性の評価を行なった。
(視野角特性の評価)
視野角特性の評価は、垂直配向型液晶セルについて下記により目視により評価した。
すなわち、垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置(VL−1530S、富士通株式会社製)の偏光板を剥がし、その代わりに、上記実施例6で作製した偏光板を観察者側の偏光板の透過軸が上下方向、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように粘着剤で貼り合わせた。この液晶表示装置を用いて、画面の法線方向に対して80度傾けた方向から画像を観察したところ、鮮明な画像が観察され、良好な視野角特性であった。
このように、本発明の方法によれば、均一なリタデーション特性を有する光学フィルムを提供することができ、そして、本発明の製造方法により得られる光学フィルムを液晶表示装置に用いることで、液晶表示装置の表示コントラストを高くすることができ、良好な視野角特性を有する液晶表示装置が提供できるものである。
従来法による光学フィルムの製造方法における未延伸フィルムの厚み方向拡大概略断面図である。 本発明の実施形態を示すもので、光学フィルムの製造方法における未延伸フィルムの厚み方向拡大概略断面図である。 本発明のいま1つの実施形態を示すもので、光学フィルムの製造方法における未延伸フィルムの厚み方向拡大概略断面図である。 未延伸フィルムの端部が薄い場合の比較例を示す未延伸フィルムの厚み方向拡大概略断面図である。 従来法による未延伸フィルムの製造装置のフローシートである。 本発明の光学フィルムの製造方法を実施する装置のフローシートである。
符号の説明
1:ダイ
2:溶融状態の熱可塑性樹脂
3:第1冷却ドラム
4:第2冷却ドラム
5:第3冷却ドラム
21:押出し機
22:フィルター
23:スタチックミキサー
24:ダイ(膜厚調整手段含む)
25:フィルム密着手段
26:冷却ドラム
27:剥離ロール
28:ダンサーロール
29:延伸機(延伸機)
30:スリッター
31:膜厚検出手段
32:エンボスリング及びバックロール
33:巻取り機
34:巻き取られた光学フィルム(巻き)

Claims (6)

  1. 溶融状態の熱可塑性樹脂をダイから押し出し、冷却ドラム上で冷却固化して未延伸フィルムとし、連続して該未延伸フィルムの両端をクリップで把持して幅手方向に延伸する連続的な光学フィルムの製造方法であって、該未延伸フィルムのクリップに把持される部分のフィルム厚みが、フィルム中央部側でクリップ把持部分に隣接する部分のフィルム厚みより10〜300%厚くなるように、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段によりフィルム厚さを調整することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 未延伸フィルム中央部分の厚みが、フィルム中央部側でクリップ把持部分に隣接する部分のフィルム厚みより10〜100%厚くなるように、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段によりフィルム厚さを調整することを特徴とする請求項1記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 幅手方向に延伸された光学フィルムを膜厚検出手段により測定した厚みの測定値に基づいて、ダイの幅手方向に配置された膜厚調整手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂が、脂環式構造含有ポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 熱可塑性樹脂が、セルロースの脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 光学フィルムの厚みが20〜100μmであり、下記に示すフィルムの面内リタデーション(Ro)が20〜100nm、厚み方向リタデーション(Rt)が90〜200nmであることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項記載の光学フィルムの製造方法。
    Ro=(nx−ny)×d
    Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
    (但し、nxは、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyは、フィルム面内の進相軸方向の屈折率、nzは、フィルムの厚み方向の屈折率、dは、フィルム厚さで単位はnmである。)
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