JP5347327B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学フィルムの製造方法に関する。
液晶表示装置は、従来のCRT表示装置に比べて、省スペース、省エネルギーであることからモニターとして広く使用されている。さらにTV用としても普及が進んできている。このような液晶表示装置には、偏光板保護フィルムや位相差フィルム、視野角拡大フィルムなどの種々の光学フィルムが使用されている。
また、プラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でも反射防止フィルムや防眩フィルム、保護フォルムなどの光学フィルムが使用されている。
これらの光学フィルムでは、厚みが均一であることが要求される。特に、モニターやTVの大型化や高精細化が進み、この要求品質は、ますます厳しくなってきている。
光学フィルムの製造方法には、大別して、溶融流延製膜法と溶液流延製膜法とがある。前者は、ポリマーを加熱溶解して支持体上に流延し、冷却固化し、さらに必要に応じて延伸してフィルムにする方法である。後者は、ポリマーを溶媒に溶かして、その溶液を支持体上に流延し、溶媒を蒸発し、さらに必要に応じて延伸してフィルムにする方法である。いずれの製膜法であっても、溶融したポリマーまたはポリマー溶液は支持体上で冷却固化や乾燥固化される。そして、支持体から剥離された後、ポリマーフィルムは、複数の搬送ロールを用いて搬送されながら、乾燥や延伸などの処理がなされる。
溶液流延製膜法は、溶媒を大量に使用することより、溶媒を回収するための設備とエネルギーが必要なために生産性が低いことが課題となっている。一方、溶融流延製膜法は、溶媒を使用しないことから、生産性の向上が期待できる。溶融流延製膜法は、生産性の観点より好ましいが、溶融流延して製膜したフィルムには、厚みムラが、溶液流延製膜法に比較して大きいという欠点がある。
そこで、溶融した熱可塑性樹脂を流延ダイのリップ部よりフィルム状に押出した後、該溶融樹脂を一対の回転ロールで挟むことにより面矯正しつつ冷却固化させて、厚みムラのない光学フィルムを製造する方法が知られている。しかしながら、そのような方法では、面矯正時の樹脂温度を制御できないために幅手方向および搬送方向の厚みムラを十分に防止することはできない。
一方、押出機で溶融した溶融樹脂を、ダイから走行又は回転する冷却支持体上にシート状に吐出して冷却固化する溶融製膜法において、ダイ出口の溶融樹脂の温度を非接触式温度センサーで測定し、当該溶融樹脂の温度が特定範囲になるように、ダイ出口部分を少なくとも加熱する加熱器を制御することが提案されている(特許文献1)。しかしながら、そのような方法において溶融樹脂は冷却支持体上に吐出されるのみであって、一対の回転ロールで挟まれることはないため、面矯正が不十分で、やはり幅手方向および搬送方向の厚みムラを十分に防止することはできない。
特開2006−328316号公報
そこで溶融した熱可塑性樹脂を流延ダイのリップ部よりフィルム状に押出した後、該溶融樹脂を一対の回転ロールで挟むことにより面矯正しつつ冷却固化させる溶融製膜法において、ダイ出口の溶融樹脂の温度を非接触式温度センサーで測定し、当該溶融樹脂の温度が特定範囲になるように、ダイ出口部分を少なくとも加熱する加熱器を制御することが考えられる。しかしながら、そのような方法においてダイ出口の溶融樹脂の温度を測定し、制御しても、溶融樹脂はその後、一対の回転ロールで挟まれるまでに必然的に冷却され、挟まれるときの温度を厳密には制御できないため、特に搬送方向の厚みムラを十分に防止することはできなかった。
本発明は、幅手方向および搬送方向の厚みムラが十分に防止された光学フィルム、ならびに該光学フィルムを溶融流延成膜法により製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、溶融した熱可塑性樹脂を含むフィルム構成材料を流延ダイのリップ部よりフィルム状に押出し、該溶融物を一対の回転ロールで挟むことにより冷却固化させて光学フィルムを製造する方法であって、
前記リップ部から押し出された溶融物が前記一対の回転ロールに挟まれる直前における溶融物温度を非接触式温度計で検出し、該検出された溶融物温度に基づいて、前記一対の回転ロールに挟まれる直前の溶融物温度制御されており、
前記一対の回転ロールに挟まれる直前の溶融物温度を制御する方法が、前記一対の回転ロールに挟まれる直前の溶融物にガス流を吹き付け、該ガス流の温度を調整する方法であり、
前記ガス流の温度を調整する方法として、ガス流として前記回転ロールの回転に伴って発生する同伴エア流を利用し、前記一対の回転ロールにおける対向部の入口近傍であって、前記一対の回転ロールのうち少なくとも一方の回転ロールの表面近傍に設けた遮蔽板の加熱温度を調整する方法が採用されており、
前記遮蔽板が、回転ロール軸方向に対する垂直断面において、該遮蔽板が表面近傍に設けられた回転ロールと同心円の円弧形状を有する、ことを特徴とする光学フィルムの製造方法、および該方法により製造されたことを特徴とする光学フィルムに関する。
本発明によれば、流延ダイのリップ部から押し出された溶融物が一対の回転ロールに挟まれる直前における溶融物温度を非接触式温度計で検出し、制御するので、冷却固化時の樹脂温度を比較的厳密に制御できるようになる。そのため、幅手方向および搬送方向の厚みムラを十分に防止できる。
また溶融物が一対の回転ロールに挟まれる直前における溶融物温度の制御方法として、温度調整されたガス流を当該溶融物に吹き付ける方法を採用すると、より一層厳密な溶融物温度の制御を安定して行えるため、幅手方向および搬送方向の厚みムラをより一層十分に防止できる。特に、回転ロールの回転に伴って発生する同伴エア流を利用し、該同伴エア流の温度調整を、所定の位置に設けた遮蔽板の加熱温度を調整することによって行うと、ガス流を発生させる設備を追加する必要が無いので、製造コストの観点からも有効である。
[光学フィルムの製造方法]
本発明に係る光学フィルムの製造方法は、いわゆる溶融流延法に基づくものであり、すなわち、溶融した熱可塑性樹脂を含むフィルム構成材料を流延ダイのリップ部よりフィルム状に押出し、当該溶融物を一対の回転ロールで挟むことにより冷却固化させて光学フィルムを製造する。
本発明に係る光学フィルムの製造方法は詳しくは、溶融押出工程を有し、通常はさらに、延伸・巻き取り工程を含むものである。以下、図1〜図6を用いて、各工程について詳しく説明する。図1は、本発明の光学フィルムの製造方法を実施する装置の一例の概略構成図である。図2は、図1における冷却用回転ロール近傍の要部拡大図である。図3は、図1における流延ダイから冷却用回転ロールまでの一実施形態の要部拡大図である。図4は、図3における遮蔽板を説明するための要部拡大図である。図5は、図1における流延ダイから冷却用回転ロールまでの一実施形態の要部拡大図である。図6は、図1における流延ダイから冷却用回転ロールまでの一実施形態の要部拡大図である。図1〜図6において、共通する符号は同様の部材を示すものとする。
(溶融押出工程)
本工程では、熱可塑性樹脂を含むフィルム構成材料を混合し、押出し機1を用いて、溶融した後、所望によりフィルタ2およびスタチックミキサー3を経由させて、流延ダイ4のリップ部41a,41bから溶融物42をフィルム状に押し出す。このとき、フィルム状溶融物42が第1回転ロール5と第2回転ロール6との間で所定の圧力で挟み込まれる限り、溶融物42は図1〜図6に示すように第1回転ロール5と第2回転ロール6との対向部47に直接的に吐出されてもよいし、または第1回転ロール5の外周面上に吐出され、当該第1回転ロール5の回転により搬送された後、対向部47で挟み込まれてもよい。第1回転ロール5は、前記一対の回転ロールの一方を構成するものであり、第1冷却ロールまたは冷却ドラムとも呼ばれるものである。第2回転ロール6は、前記一対の回転ロールの他方を構成するものであり、タッチロールとも呼ばれるものである。対向部47は第1回転ロール5と第2回転ロール6とが対向する部分であって、溶融物42がそれらの回転ロール間に挟み込まれることにより、第1回転ロール5と第2回転ロール6とが当該溶融物42を介して間接的に接触する部分である。
本発明においてはリップ部41a,41bから押し出された溶融物42が一対の回転ロール5,6に挟まれる直前における溶融物42の温度を非接触式温度計43a,43bで検出し、当該検出された溶融物温度に基づいて、一対の回転ロール5,6に挟まれる直前の溶融物温度を制御する。本発明では、溶融物42が一対の回転ロール5,6に挟まれる直前における溶融物温度を直接的に非接触式温度計で検出し、制御するので、溶融物42が挟まれるときの温度を比較的厳密に制御できる。その結果、幅手方向および搬送方向の厚みムラを十分に防止できる。
溶融物が一対の回転ロールに挟まれる直前とは、溶融物が温度検出されてから一対の回転ロールに挟まれるまでの間で温度低下をほとんど起こさない程度の距離だけ、対向部47の入口から溶融物42の流動方向と反対方向に離れた部位という意味である。例えば、図2に示すように、対向部47の入口から、溶融物42の流動方向と反対方向にp1だけ離れた部位の溶融物42の温度を検出する。p1は通常、5mm以下、好ましくは0.5mm以上5mm未満の距離である。以下、一対の回転ロールに挟まれる直前において温度が検出される部位の溶融物42を「溶融物P」と呼ぶものとする。
非接触式温度計43a,43bは溶融物と非接触でその表面温度を測定できるため、上記部位にある溶融物42の温度を検出できる限り、その設置位置は特に制限されるものではない。非接触式温度計は市販品として入手可能であり、例えば、TXシリーズ(林電工社製)等が使用可能である。非接触式温度計は、図1〜図6中において吐出された溶融物42の両側に設置されているが、これに限定されるものではなく、いずれか片側に設置されてもよい。好ましくは、少なくとも回転ロール6側の非接触式温度計43bは設置される。
そのような検出温度に基づいて、当該部位の溶融物温度を制御する。具体的には、フィルム構成材料に含まれる熱可塑性樹脂のガラス転移点をTgとしたとき、溶融物Pの温度はTg+80〜Tg+130℃、好ましくはTg+90〜Tg+120℃の範囲内のいずれかの値に設定される。本発明においては溶融物PをT(℃)に設定しようとするとき、当該溶融物Pの温度を検出して制御するので、当該溶融物Pの温度はT±0.5℃、特にT±0.2℃の範囲内で制御できる。
溶融物Pの温度制御方法としては、溶融物Pの温度が上記範囲内になる限り特に制限されず、例えば、以下に示す方法を採用することができる。以下に示す方法は単独で採用されてもよいし、または組み合わせて採用されてもよい。
方法(A);溶融物Pにガス流を吹き付け、該ガス流の温度を調整する方法;
方法(B);流延ダイの少なくともリップ部を温度調整する方法。
方法(A)において温度調整されたガス流を溶融物Pに吹き付けることによって、溶融物Pの厳密な温度制御を安定して行えるため、幅手方向および搬送方向の厚みムラをより一層十分に防止できる。
ガス流の温度を調整する方法として、以下に示す方法を採用することができる。
方法(a1);ガス流として前記回転ロールの回転に伴って発生する同伴エア流を利用し、一対の回転ロールにおける対向部の入口近傍であって、一対の回転ロールのうち少なくとも一方の回転ロールの表面近傍に設けた遮蔽板の加熱温度を調整する方法;または
方法(a2);ガス流としてガス流発生手段により発生させたガス流を用い、該ガス流の温度を調整する方法。
方法(a1)における同伴エア流は、図3中、46aおよび46bで表され、それぞれ回転ロール5,6の回転に伴って発生するものである。そこで、遮蔽板45a,45bを設置し、かつ当該遮蔽板の加熱温度を調整すると、同伴エア流46a,46bは、遮蔽板45a,45bと回転ロール5,6との間を通過する際に所定温度に加熱される。
遮蔽板は、同伴エア流の生成に際して流れ込むエアを遮蔽する板という意味である。
図3において、非接触式温度計43a,43bによって溶融物Pの温度が検出されると、検出値は温度制御手段44a,44bに逐次出力される。温度制御手段44a,44bは出力変動方式を採用していてもよいし、またはオン/オフ方式を採用していてもよい。温度制御の厳密性および安定性の観点から好ましくは、出力変動方式を採用してもよい。例えば、出力変動方式の温度制御手段44a,44bは、検出値が設定温度から例えば0.1℃変動していることを検知すると、当該変動を打ち消すように、遮蔽板45a,45bの加熱手段(図示せず)の出力設定温度を0.1℃変動させて再設定する。また例えば、オン/オフ方式の温度制御手段44a,44bを使用する場合は、検出値が設定温度から例えば1℃変動していることを検知すると、当該変動を打ち消すように、遮蔽板45a,45bの加熱手段(図示せず)の電源をオンまたはオフする。
そのような一連の温度制御作業、すなわち非接触式温度計による温度検出−温度制御手段への出力−温度制御手段による温度変動の検知−遮蔽板の設定温度の再設定(遮蔽板の加熱手段のオン/オフ)は、通常、0.1秒間〜5分間毎に、好ましくは0.1秒間〜1分間毎に行われる。
遮蔽板45a,45bは、図3に示すように、一対の回転ロール5,6における対向部47の入口近傍であって、回転ロール5,6の表面近傍に設置される。詳しくは遮蔽板45a,45bは、回転ロール5,6と流延ダイ4との間において、回転ロール5,6に対して径方向に所定の間隔をあけて設置される。遮蔽板は、図3において、回転ロール5,6の両方の表面近傍に設置されているが、一方の回転ロールの表面近傍に設置されてもよい。以下、遮蔽板45a,45bについて詳しく説明するが、それぞれ独立して選択・設定されてよい。好ましくは、少なくとも回転ロール6側の遮蔽板45bは設置される。
遮蔽板45a,45bの形状は、同伴エア流を加熱できる限り特に制限されず、例えば、湾曲板形状であっても、平板形状であってもよい。厚みムラをより一層十分に防止する観点から、遮蔽板45a(45b)は湾曲板形状を有することが好ましい。遮蔽板45a(45b)は、回転ロール5(6)の軸方向に対する垂直断面において、図3に示すように、当該遮蔽板が表面近傍に設けられた回転ロール5(6)と同心円の円弧形状を有することが特に好ましい。
遮蔽板と当該遮蔽板が表面近傍に設けられた回転ロールとの間隙(x,x;図4参照)は、特に制限されるものではなく、例えば0.3〜25mmであってよい。厚みムラをより一層十分に防止する観点からは、当該間隙は0.5〜10mm、特に0.5〜3mmに保つことが好ましい。
遮蔽板45a(45b)の寸法は特に制限されず、通常、回転ロール5(6)の大きさに依存して決定される。例えば、回転ロール5(6)の直径が200〜1000mmのとき、遮蔽板45a(45b)の寸法は回転ロール5(6)の回転方向の長さ(y(y);図4参照)で3〜400mmであってよく、厚みムラをより一層十分に防止する観点からは、10〜400mm、特に30〜400mmが好ましい。図4の紙面上における遮蔽板45a(45b)の表裏方向の長さは、リップ部41a,41bの全長以上の長さである。
遮蔽板45a(45b)は、厚みムラをより一層十分に防止する観点から、リップ部41a,41bより押し出されるフィルム状溶融物42との距離(z(z);図4参照)が1〜100mm、特に10〜30mmのところに設置されることが好ましい。
遮蔽板45a(45b)の加熱温度は、初期は、溶融物Pが制御されるべき温度と同温に設定され、その後は温度制御手段44a(44b)によって調整(再設定)されればよい。通常は、249.9〜250.1℃の範囲内である。遮蔽板45a(45b)の加熱手段(図示せず)は特に制限されず、例えば、カートリッジヒータ等によって加熱されてよい。
遮蔽板45a(45b)の材質は加熱されても変形しない程度の耐熱性を有するものであれば特に制限されず、例えば、ステンレス、アルミ、銅、炭素鋼等の金属、セラミックス等が挙げられる。
前記方法(a2)におけるガス流はガス流発生手段により発生させたものであり、ガスとしては、例えば、エア、窒素ガス、その他不活性ガスであってよい。当該ガス流の温度を調整することによって、溶融物Pの温度を制御する。
図5において、非接触式温度計43a,43bによって溶融物Pの温度が検出されると、検出値は温度制御手段44a,44bに逐次出力される。温度制御手段44a,44bは、図3においてと同様であり、出力変動方式を採用していてもよいし、またはオン/オフ方式を採用していてもよい。例えば、出力変動方式の温度制御手段44a,44bは、検出値が設定温度から例えば0.1℃変動していることを検知すると、当該変動を打ち消すように、ガス流発生手段48a,48bの加熱手段(図示せず)の出力設定温度を0.1℃変動させて再設定する。また例えば、オン/オフ方式の温度制御手段44a,44bを使用する場合は、検出値が設定温度から例えば0.1℃変動していることを検知すると、当該変動を打ち消すように、ガス流発生手段48a,48bの加熱手段(図示せず)の電源をオンまたはオフする。
そのような一連の温度制御作業、すなわち非接触式温度計による温度検出−温度制御手段への出力−温度制御手段による温度変動の検知−ガス流発生手段の設定温度の再設定(ガス流発生手段の加熱手段のオン/オフ)は、通常、0.1秒間〜10秒間毎に、好ましくは0.1秒間〜5秒間毎に行われる。図5は、温度調整されたガス流をガス流発生手段から溶融物42に吹き付けること以外、図3においてと同様である。
ガス流発生手段48a(48b)は、ガス流を発生させることができ、かつガス流の温度を調整できる限り特に制限されない。ガス流発生手段は、図5中において吐出された溶融物42の両側に設置されているが、これに限定されるものではなく、いずれか片側に設置されてもよい。好ましくは、少なくとも回転ロール6側のガス流発生手段48bは設置される。
ガス流発生手段48a(48b)は、溶融物表面に膜厚変動を起こさせない程度にガス流を溶融物Pに吹き付けることができる限り、その設置位置は特に制限されるものではないが、ガス流発生手段48a(48b)の供給口は溶融物Pから5mm以上離して設置してあることが好ましい。ガス流発生手段48a(48b)の供給口での風速は0.6〜30m/minが好ましい。風速はフィルムの幅手方向(TD方向ともいう)に均一であることが好ましく、幅手方向での風速の偏差は±30%以内に入っていることが好ましい。さらに好ましくは10%以内である。
ガス流発生手段48a(48b)の寸法は特に制限されず、特に図5の紙面上における表裏方向の長さは、リップ部41a,41bの全長以上の長さであってもよい。この場合、ガス流発生手段48a(48b)の供給口は幅手方向に連続的なスリット形状であっても良いし、幅手方向に分割されていても良い。また、ガス流発生手段48a(48b)として、小型のものを幅手方向において所定間隔で複数個並べて使用してもよい。
ガス流の加熱温度は、初期は、溶融物Pが制御されるべき温度と同温に設定され、その後は温度制御手段44a(44b)によって調整(再設定)されればよい。通常は、249.9〜250.1℃の範囲内である。ガス流の加熱手段(図示せず)は特に制限されず、例えば、カートリッジヒータ等によって加熱されてよい。
前記方法(B)において流延ダイの少なくともリップ部を温度調整することによって、溶融物Pの温度制御を行う。例えば図6において、非接触式温度計43a,43bによって溶融物Pの温度が検出されると、検出値は温度制御手段44に逐次出力される。温度制御手段44は、図3においてと同様であり、出力変動方式を採用していてもよいし、またはオン/オフ方式を採用していてもよい。例えば、出力変動方式の温度制御手段44は、検出値が設定温度から例えば0.1℃変動していることを検知すると、当該変動を打ち消すように、流延ダイ4の少なくともリップ部41a,41bの温度調整を行うジャケット49の加熱手段(図示せず)の出力設定温度を0.1℃変動させて再設定する。また例えば、オン/オフ方式の温度制御手段44を使用する場合は、検出値が設定温度から例えば0.1℃変動していることを検知すると、当該変動を打ち消すように、ジャケット49の加熱手段(図示せず)の電源をオンまたはオフする。
そのような一連の温度制御作業、すなわち非接触式温度計による温度検出−温度制御手段への出力−温度制御手段による温度変動の検知−ジャケットの設定温度の再設定(ジャケットの加熱手段のオン/オフ)は、通常、0.1秒間〜10秒間毎に、好ましくは0.1秒間〜2秒間毎に行われる。図6は、所定の温度に調整されたリップ部から溶融物42を吐出させること以外、図3においてと同様である。
ジャケット49による加熱温度は、溶融物Pが制御されるべき温度より高温に設定され、流延ダイのリップ部から吐出された溶融物が回転ロールと接触するまでの距離に依存するため、一概に規定できるものではない。例えば、流延ダイのリップ部から吐出された溶融物が回転ロールと接触するまでの距離が50〜300mmのとき、ジャケット49による加熱温度は、初期は、溶融物Pが制御されるべき温度より0.1〜10℃高い温度に設定され、その後は温度制御手段44によって調整(再設定)されればよい。ジャケット49の加熱手段(図示せず)は特に制限されず、例えば、電熱線ヒーターであってよい。
上記したいずれの溶融物Pの温度制御方法を採用する場合においても、共通する事項について以下、説明する。
溶融物が流延ダイのリップ部から吐出された後、回転ロールと接触するまでの距離は特に制限されるものではなく、例えば、50〜300mm、好ましくは50〜150mmである。
第1回転ロール5、第2回転ロール6に好ましい材質は、炭素鋼、ステンレス鋼、樹脂、などが挙げられる。また、表面精度は高くすることが好ましく表面粗さとして0.3S以下、より好ましくは0.01S以下とする。第2回転ロール6は押圧手段により、フィルムを第1回転ロール5に押し付けることが好ましい。このときの第2回転ロール6がフィルムを押し付ける線圧は、空圧ピストン等によって調整でき、好ましくは0.1〜100kN/m、より好ましくは1〜50kN/mである。
第1回転ロール5、第2回転ロール6の表面温度は特に制限されず、通常は、第1回転ロール5は80〜150℃、特に100〜130℃、第2回転ロール6は80〜150℃、特に100〜130℃に設定されることが好ましい。
第1回転ロール5、もしくは第2回転ロール6はフィルムとの接着の均一性を高めるためにロールの両端の直径を細くしたり、フレキシブルなロール面を持たせることもできる。
本発明の光学フィルムを構成する材料は、少なくとも熱可塑性樹脂を含み、必要により安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑り剤としてマット剤、リタデーション制御剤が含まれてよい。これらの材料は、目的とする光学フィルムの要求特性により適宜選択される。
熱可塑性樹脂は、光学フィルムの分野で従来より使用されている樹脂が使用可能であり、例えば、セルロース樹脂が好ましく使用される。セルロース樹脂は、セルロースエステルの構造を有するものであり、好ましくは脂肪酸アシル基、置換もしくは無置換の芳香族アシル基の中から選択される少なくとも1つの基を有する、セルロースの単独または混合酸エステルである。
セルロース樹脂の具体例として、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、及びセルロースフタレート等が挙げられる。これらの中で特に好ましいセルロース樹脂として、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートが挙げられる。セルロース樹脂は1種を単独で使用してもよいし、または2種以上組み合わせて使用してもよい。
混合脂肪酸エステルであるセルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートは、炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基またはブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすものが好ましい。置換度とは、アシル基に置換された水酸基の数をグルコース単位で示した数値と定義する。
式(I) 2.6≦X+Y≦3.0
式(II) 0≦X≦2.5
特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも1.9≦X≦2.5であり、0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。上記アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。
セルロース樹脂は公知の方法で合成することができる。
本発明で用いられるセルロース樹脂の原料セルロースは、木材パルプでも綿花リンターでもよく、木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ましい。製膜の際の剥離性の点からは綿花リンターが好ましく用いられる。これらから作られたセルロース樹脂は適宜混合して、あるいは単独で使用することができる。
セルロース樹脂の分子量は特に制限されず、例えば数平均分子量は6万〜20万、特に7万〜12万が好ましい。
セルロース樹脂中の異物を除去するために、フィルム構成材料の溶融物をフィルタ2で濾過することができる。
フィルタ2の材料としては、ガラス繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂等の従来公知のものが好ましく用いられるが、特にセラミックス、金属等が好ましく用いられる。絶対濾過精度としては50μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下のものが用いられる。これらは適宜組み合わせて使用することもできる。フィルタはサーフェースタイプでもデプスタイプでも用いることができるが、デプスタイプの方が比較的目詰まりしにくく好ましい。
フィルム構成材料に含有されてもよい安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤、リタデーション制御剤等の添加剤としては、光学フィルムの分野で従来から各添加剤として使用されているものが使用可能である。
安定化剤はフィルム構成材料の変質や分解に基づく揮発成分の発生や強度の劣化を抑制するものである。そのような安定化剤として、例えば、ヒンダードフェノール酸化防止剤、酸捕捉剤、ヒンダードアミン光安定剤、過酸化物分解剤、ラジカル捕捉剤、金属不活性化剤、アミン類などが挙げられる。
ヒンダードフェノール酸化防止剤として、例えば、米国特許第4,839,405号明細書第12〜14欄に記載されているものなどが使用可能である。具体例として、例えば、2,6−ジアルキルフェノール誘導体化合物が挙げられる。
ヒンダードフェノール酸化防止剤は、例えば、Ciba Specialty Chemicalsから、商品名"Irganox1076"及び"Irganox1010"として入手可能である。
酸捕捉剤としては、例えば、米国特許第4,137,201号明細書に記載されているエポキシ化合物が挙げられる。
ヒンダードアミン光安定剤として、例えば、米国特許第4,619,956号明細書の第5〜11欄及び米国特許第4,839,405号明細書の第3〜5欄に記載されているものなどが使用可能である。具体例として、例えば、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン化合物、またはそれらの酸付加塩もしくはそれらと金属化合物との錯体が挙げられる。
安定化剤の添加量は、熱可塑性樹脂に対して、好ましくは0.001重量%以上5重量%以下、より好ましくは0.005重量%以上3重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以上0.8重量%以下である。安定化剤は2種以上混合して使用してもよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
可塑剤は、機械的性質向上、柔軟性付与、耐吸水性付与、水分透過率の低減等のフィルムの改質の観点において好ましく使用されるものである。また可塑剤を添加することにより、フィルム構成材料の溶融温度を低下させることができたり、または同じ加熱温度において熱可塑性樹脂単独よりも、可塑剤を含むフィルム構成材料の溶融粘度を低下させることができる。
可塑剤としては、例えばリン酸エステル誘導体、カルボン酸エステル誘導体が好ましく用いられる。また、特開2003−12859号に記載の重量平均分子量が500以上10000以下であるエチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマー、アクリル系ポリマー、芳香環を側鎖に有するアクリル系ポリマーまたはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリル系ポリマーなども好ましく用いられる。
リン酸エステル誘導体としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることができる。
カルボン酸エステル誘導体としては、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等が挙げられる。フタル酸エステル誘導体としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等が挙げられる。クエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることができる。
その他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、トリメチロールプロパントリベンゾエート等も挙げられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートもこの目的で好ましく用いられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートのアルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。アルキルフタリルアルキルグリコレートとしてはメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることができる。
可塑剤の添加量は、熱可塑性樹脂に対して、好ましくは0.5重量%以上〜20重量%未満、より好ましくは1重量%以上〜11重量%未満である。可塑剤は2種以上混合して使用してもよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
紫外線吸収剤は、偏光子や表示装置の紫外線に対する劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、ベンゾフェノン系化合物や着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤を用いてもよい。
紫外線吸収剤は、例えば、市販のチヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(いずれもチバ−スペシャルティ−ケミカルズ社製)として入手可能である。
紫外線吸収剤の添加量は、熱可塑性樹脂に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。紫外線吸収剤は2種以上を併用して使用してもよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
マット剤は、フィルムの滑り性、搬送性、巻き取り性および強度を向上させるものである。マット剤はできるだけ微粒子のものが好ましく、微粒子としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙げることができる。中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを低くできるので好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子は有機物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下できるため好ましい。
表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどが挙げられる。微粒子の平均粒径が大きい方が滑り性効果は大きく、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れる。また、微粒子の二次粒子の平均粒径は0.005〜1.0μmの範囲である。好ましい微粒子の二次粒子の平均粒径は5〜50nm、さらに好ましくは、7〜14nmである。これらの微粒子はフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させる為に好ましく用いられる。微粒子の含有量は、熱可塑性樹脂に対して0.005〜0.3重量%が好ましい。
二酸化ケイ素の微粒子としては、日本アエロジル株式会社製のアエロジル(AEROSIL)200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を挙げることができ、好ましくはアエロジル200V、R972、R972V、R974、R202、R812である。これらの微粒子は2種以上併用してもよい。
マット剤は、フィルム構成材料の溶融前に添加するか、または予めフィルム構成材料中に含有させておくことが好ましい。例えば、予め溶媒に分散した微粒子とセルロース樹脂および/または可塑剤、紫外線吸収剤等の他の添加剤を混合分散させた後、溶媒を揮発させるか、または沈殿法によって、マット剤を予めフィルム構成材料中に含有させる。このようなフィルム構成材料を用いることにより、マット剤を熱可塑性樹脂中に均一に分散させることができる。
リタデーション制御剤は、特に光学フィルムとして、例えば位相差フィルムを製造する場合に、好ましく使用される。リタデーション制御剤としては、欧州特許911,656A2号明細書に記載されているような、二つ以上の芳香族環を有する芳香族化合物を使用することができる。また二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。該芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族性ヘテロ環であることが特に好ましく、芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。中でも1,3,5−トリアジン環が特に好ましい。
熱可塑性樹脂に、安定化剤、可塑剤及び上記その他添加剤を添加するときは、それらを含めた添加剤総量が、熱可塑性樹脂に対して1重量%以上30重量%以下、好ましくは5〜20重量%となるようにする。
フィルム構成材料には、セルロース樹脂以外の高分子材料やオリゴマーを、適宜選択して混合してもよい。このような高分子材料やオリゴマーはセルロース樹脂と相溶性に優れるものが好ましく、フィルムにしたときの全可視域(400nm〜800nm)に渡り透過率が80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは92%以上が得られるようにする。セルロース樹脂以外の高分子材料やオリゴマーの少なくとも1種以上を混合する目的は、加熱溶融時の粘度制御やフィルム加工後のフィルム物性を向上するために行なう意味を含んでいる。
本発明において、熱可塑性樹脂と、その他必要により添加される安定化剤等の添加剤は、溶融する前に混合しておくことが好ましい。混合は、混合機等により行なってもよく、また、前記したようにセルロース樹脂調製過程において混合してもよい。混合機を使用する場合は、V型混合機、円錐スクリュー型混合機、水平円筒型混合機等、一般的な混合機を用いることができる。
フィルム構成材料を混合した後に、その混合物を押出し機1を用いて直接溶融して製膜するようにしてもよいが、一旦、フィルム構成材料をペレット化した後、該ペレットを押出し機1で溶融して製膜するようにしてもよい。また、フィルム構成材料が、融点の異なる複数の材料を含む場合には、融点の低い材料のみが溶融する温度で一旦、いわゆるおこし状の半溶融物を作製し、半溶融物を押出し機1に投入して製膜することも可能である。フィルム構成材料に熱分解しやすい材料が含まれる場合には、溶融回数を減らす目的で、ペレットを作製せずに直接製膜する方法や、上記のようなおこし状の半溶融物を作ってから製膜する方法が好ましい。
押出し機1による溶融押出は、他のポリエステルなどの熱可塑性樹脂に用いられる条件と同様の条件で行なうことができる。材料は予め乾燥させておくことが好ましい。真空または減圧乾燥機や除湿熱風乾燥機などで水分を1000ppm以下、好ましくは200ppm以下に乾燥させることが望ましい。例えば、熱風や真空または減圧下で乾燥した熱可塑性樹脂を、押出し機1を用いて、押し出し温度200〜300℃程度で溶融し、リーフディスクタイプのフィルター2などで濾過し、異物を除去する。
供給ホッパー(図示略)から押出し機1へ導入する際は、真空下または減圧下や不活性ガス雰囲気下にして、酸化分解等を防止することが好ましい。
可塑剤などの添加剤を予め混合しない場合は、押出し機の途中で練り込んでもよい。均一に添加するために、スタチックミキサー3などの混合装置を用いることが好ましい。
押出し機1は、一般的にプラスチック押出機として入手可能なものが使用され、市場で入手可能な種々の押出し機が使用可能であるが、溶融混練押出し機が好ましく、単軸押出し機でも2軸押出し機でも良い。フィルム構成材料からペレットを作製せずに、直接製膜を行なう場合、適当な混練度が必要であるため2軸押出し機を用いることが好ましいが、単軸押出し機でも、スクリューの形状をマドック型、ユニメルト型、ダルメージ等の混練型のスクリューに変更することにより、適度の混練が得られるので、使用可能である。フィルム構成材料として、一旦、ペレットやおこし状の半溶融物を使用する場合は、単軸押出し機でも2軸押出し機でも使用可能である。押出し機内は、窒素ガス等の不活性ガスで置換するか、あるいは減圧することにより、酸素の濃度を下げることが好ましい。
押出し機1内のフィルム構成材料の溶融温度は、フィルム構成材料の粘度や吐出量、製造するシートの厚み等によって好ましい条件が異なるが、一般的には、フィルムのガラス転移温度(Tg)に対して、Tg以上、Tg+100℃以下、好ましくはTg+10℃以上、Tg+90℃以下である。押出し時の溶融粘度は、10〜100000ポイズ、好ましくは100〜10000ポイズである。押出し機1内でのフィルム構成材料の滞留時間は短い方が好ましく、5分以内、好ましくは3分以内、より好ましくは2分以内である。滞留時間は、押出し機1の種類、押出す条件にも左右されるが、材料の供給量やL/D、スクリュー回転数、スクリューの溝の深さ等を調整することにより短縮することが可能である。
押出し機1のスクリューの形状や回転数等は、フィルム構成材料の粘度や吐出量等により適宜選択される。本発明において押出し機1でのせん断速度は、1/秒〜10000/秒、好ましくは5/秒〜1000/秒、より好ましくは10/秒〜100/秒である。
押出し機1から押し出されたフィルム構成材料は、流延ダイ4に送られ、流延ダイ4からフィルム状に押し出される。
押出し機1から吐出された溶融物が供給される流延ダイ4はシートやフィルムを製造するために用いられるものであれば特に限定はされない。流延ダイ4の材質としては、ハードクロム、炭化クロム、窒化クロム、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタン、超鋼、セラミック(タングステンカーバイド、酸化アルミ、酸化クロム)などを溶射もしくはメッキし、表面加工としてバフ、#1000番手以降の砥石を用いるラッピング、#1000番手以上のダイヤモンド砥石を用いる平面切削(切削方向は樹脂の流れ方向に垂直な方向)、電解研磨、電解複合研磨などの加工を施したものなどがあげられる。
流延ダイ4のリップ部の好ましい材質は、流延ダイ4と同様である。
一対の回転ロール5,6で押圧されたフィルム状溶融物は、所望により、さらに第2冷却ロール7および第3冷却ロール8に順に外接させて搬送しながら、冷却固化されて未延伸フィルム10が得られる。
(延伸・巻き取り工程)
本工程では、第3冷却ロール8から剥離ロール9によって剥離された未延伸のフィルム10を、ダンサーロール(フィルム張力調整ロール)11を経て延伸機12に導き、そこでフィルム10を延伸した後、巻取り装置16により巻き取る。延伸により、フィルム中の分子が配向される。
延伸工程では、通常、フィルムの幅手方向への延伸が行われる。幅手方向だけでなく、搬送方向(長手方向またはMD方向ともいう)にも延伸することができる。
フィルムを幅手方向に延伸する方法は、公知のテンターなどを好ましく用いることができる。特に延伸方向を幅手方向とすることで、偏光フィルムとの積層がロール形態で実施できるので好ましい。幅手方向に延伸することで、本発明で得られた光学フィルムの遅相軸は幅手方向になる。
搬送方向の延伸は、1つまたは複数のロール群及び/又は赤外線ヒーター等の加熱装置を介して一段または多段縦延伸することが好ましい。延伸を搬送方向および幅手方向の両方向に行う場合、延伸は、例えばフィルムの搬送方向及び幅手方向に対して、逐次または同時に行なうことができる。本発明のフィルムのガラス転移温度をTgとすると、(Tg−30)℃以上(Tg+100)℃以下の温度範囲内で搬送方向に延伸されたフィルムを、(Tg−20)℃以上(Tg+20)℃以下の温度範囲内で幅手方向に延伸し、次いで熱固定することが好ましい。
2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的には搬送方向に1.0〜2.0倍、幅手方向に1.01〜2.5倍の範囲とすることが好ましく、搬送方向に1.01〜1.5倍、幅手方向に1.05〜2.0倍に範囲で行なうことが必要とされるリタデーション値を得るためにより好ましい。
延伸工程では公知の熱固定処理、冷却処理および緩和処理を行なってよく、目的とする光学フィルムに要求される特性を有するように適宜調整すればよい。
延伸後、フィルムの端部をスリッター13により製品となる幅にスリットして裁ち落とした後、エンボスリング14及びバックロール15よりなるナール加工装置によりナール加工(エンボッシング加工)をフィルム両端部に施し、巻取り機16によって巻き取ることにより、光学フィルム(元巻き)F中の貼り付きや、すり傷の発生を防止する。ナール加工の方法は、凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱や加圧により加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、変形しており、フィルム製品として使用できないので、切除されて、原料として再利用される。
[光学フィルム]
本発明で得られる光学フィルムは幅手方向および搬送方向の厚みムラが十分に防止されている。
例えば、上記延伸工程直前に得られた未延伸フィルム10について、幅手方向および搬送方向の膜厚変動は平均膜厚に対して±1.5%以内、好ましくは±1.0%以内、より好ましくは±0.5%以内である。膜厚変動はオンラインの膜厚計にて、搬送方向で1mごとに、幅手方向に10点の測定を行ない(合計500点)、平均膜厚に対しての最大の変動幅の割合で表したものである。「平均膜厚」とは全測定値の平均値を意味している。
本発明で得られる光学フィルムの厚さは、用途に応じて適宜選択されてよい。例えば、本発明の光学フィルムを位相差フィルムや偏光板保護フィルムとして使用する場合、厚さは、乾燥後で10〜500μmが好ましい。特に、下限は20μm以上、好ましくは35μm以上である。上限は150μm以下、好ましくは120μm以下である。特に好ましい範囲は25〜90μmである。
また光学フィルムのTgは特に制限されるものではないが、光学フィルムを位相差フィルムや偏光板保護フィルムとして使用する場合、使用環境での分子配向状態の変化を防止する観点から、乾燥後でTgは120℃以上、好ましくは135℃以上とすることが好ましい。フィルム製造時の消費エネルギーの低減および着色防止の観点から、Tgは250℃以下が好ましい。フィルムのTgはフィルムを構成する材料種及び構成する材料の比率を異ならしめることにより制御できる。
本発明に係る光学フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の各種ディスプレイ、特に液晶ディスプレイに用いられる機能フィルムとして有用であり、それらの中でも、偏向板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、視野角拡大等の光学補償フィルム等として特に適している。
本発明の光学フィルムを液晶ディスプレイの機能フィルムとして使用する場合、例えば、図7に示すような構成の液晶表示素子を製造できる。
図7において、21a、21bは保護フィルム、22a、22bは位相差フィルム、25a、25bは偏光子、23a、23bはフィルムの遅相軸方向、24a、24bは偏光子の透過軸方向、27は液晶セル、29は液晶表示装置を示している。26a、26bは偏光板を示し、保護フィルム、位相差フィルムおよび偏光子を含むものである。
そのような液晶表示素子において、本発明の光学フィルムは、保護フィルム21a、21bとして使用されてもよいし、または位相差フィルム22a、22bとして使用されてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(ペレットの作成)
セルロースアセテートプロピオネート 100質量部
(アセチル基の置換度1.95、プロピオニル基の置換度0.7、数平均分子量75000、温度100℃で5時間乾燥、ガラス転移温点Tg=136℃)
トリメチロールプロパントリス(3,4,5−トリメトキシベンゾエート)
10質量部
IRGANOX−1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 1質量部
SumilizerGP(住友化学社製) 1質量部
上記材料に、マット剤としてシリカ粒子(アエロジルR972V(日本アエロジル社製))0.05質量部、紫外線吸収剤として、TINUVIN360(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.5質量部を加え、窒素ガスを封入したV型混合機で30分混合した後、ストランドダイを取り付けた2軸押し出し機(PCM30(株)池貝社製)を用いて240℃で溶融させ、長さ4mm、直径3mmの円筒形のペレットを作製した。この時のせん断速度は、25(/s)に設定した。
(フィルムの製造)
フィルムを図1〜図4に示す製造装置で製造した。
装置条件を、以下、具体的に説明する。
遮蔽板として、図3〜図4に示す遮蔽板45a、45bを加熱して用いた。
遮蔽板45a;ロール5と同心円の円弧形状ステンレス製、厚み10mm、x=0.3mm、y=70mm、z=10mm、初期設定加熱温度=120℃
遮蔽板45b;ロール6と同心円の円弧形状ステンレス製、厚み10mm、x=0.3mm、y=70mm、z=10mm、初期設定加熱温度=120℃
流延ダイのリップクリアランス1.0mm、リップ部平均表面粗さRa0.01μmの流延ダイを用いた。流延ダイのリップ部は250℃に温度制御した。押出機中間部のホッパー開口部から、滑り剤としてシリカ微粒子を、0.1質量部となるよう添加した。
第1冷却ロール及び第2冷却ロールは直径40cmのステンレス製とし、表面にハードクロムメッキを施した。又、内部には温度調整用のオイル(冷却用流体)を循環させて、ロール表面温度を制御した。
弾性タッチロールは、直径30cmとし、内筒と外筒はステンレス製とし、外筒の表面にはハードクロムメッキを施した。外筒の肉厚は2mmとし、内筒と外筒との間の空間に温度調整用のオイル(冷却用流体)を循環させて弾性タッチロールの表面温度を制御した
弾性タッチロールの表面温度は100℃、第1冷却ロールの表面温度は100℃、第2冷却ロールの表面温度は30℃とした。弾性タッチロール、第1冷却ロール、第2冷却ロールの各ロールの表面温度は、ロールにフィルムが最初に接する位置から回転方向に対して90°手前の位置のロール表面の温度を非接触温度計を用いて幅方向に10点測定した平均値を各ロールの表面温度とした。
製膜スピードは、20m/minとした。
溶融物が流延ダイのリップ部から吐出された後、回転ロールと接触するまでの距離は100mmであった。
操作方法について、以下、具体的に説明する。
得られたペレット(水分率50ppm)を、1軸押出機において溶融させ、リーフディスク型金属フィルターを用いて加圧ろ過を行った。流延ダイのリップ部からフィルム状溶融物を、第1冷却ロールとタッチロールとの間に直接、押し出し、押圧し、ドロー比10で、膜厚100μmのキャストフィルムを得た。この際、リップ部から押し出された溶融物が第1冷却ロールとタッチロールとの間に挟まれる直前(p1=4mm)において、溶融物温度を非接触式温度計(林電工社製)で0.2秒毎に検出し、検出された溶融物温度に基づいて、第1冷却ロールとタッチロールとの間に挟まれる直前の溶融物温度を制御した。詳しくは、溶融物が第1冷却ロールとタッチロールとの間に挟まれる直前における溶融物Pの温度を250.0℃に設定し、遮蔽板の温度制御手段として出力変動方式のものを使用し、検出値が設定温度(T)から0.1℃変動していることを検知すると、当該変動を打ち消すように、遮蔽板の加熱手段(図示せず)の設定温度を0.1℃変動させて再設定させた。その結果、溶融物Pの温度はT±0.2℃の範囲内で制御された。
押圧時は第1冷却ロール上でフィルムを2mm厚の金属表面を有する弾性タッチロールにより線圧10kN/mで押圧した。
押圧時のタッチロール側のフィルム温度は、180℃±1℃であった。ここでいう押圧時のタッチロール側のフィルム温度は、第1冷却ロール上のタッチロールが接する位置のフィルムの温度を、非接触温度計を用いて、タッチロールを後退させてタッチロールがない状態で50cm離れた位置から幅方向に10点測定したフィルム表面温度の平均値を指す。このフィルムのガラス転移温度Tgは136℃であった。Tgはセイコー(株)製「DSC6200」を用いてDSC法(窒素中、昇温温度10℃/分)によりダイスから押し出されたフィルムのガラス転移温度を測定した。
得られたフィルムを予熱ゾーン、延伸ゾーン、保持ゾーン、冷却ゾーン(各ゾーン間には各ゾーン間の断熱を確実にするためのニュートラルゾーンも有する)を有するテンターに導入し、巾方向に160℃で1.3倍延伸した後、巾方向に2%緩和しながら70℃まで冷却し、その後クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落として、フィルム両端に幅10mm、高さ5μmのナーリング加工を施し、幅1430mmにスリットした膜厚80μmのフィルムF−1を得た。この際、予熱温度、保持温度を調整し延伸によるボーイング現象を防止した。
<実施例2>
遮蔽板を用いなかったこと、図1〜2および図6に示す装置を用いたこと、溶融物が第1冷却ロールとタッチロールとの間に挟まれる直前(p1=4mm)の溶融物温度の検出値に基づいて、遮蔽板の設定温度を調整する代わりに、流延ダイのリップ部の設定温度を調整したこと以外、実施例1と同様の方法により、フィルムを製造した。
詳しくは、溶融物が第1冷却ロールとタッチロールとの間に挟まれる直前における溶融物Pの温度を250.0℃に設定し、検出値が設定温度から0.1℃変動していることを検知すると、当該変動を打ち消すように、リップ部の設定温度を0.1℃変動させて再設定させた。その結果、溶融物Pの温度はT±0.5℃の範囲内で制御された。
<比較例1>
非接触式温度計により溶融物温度を検出する位置を、p1=100mmのところに変更したこと以外、実施例1と同様の方法により、フィルムを製造した。その結果、溶融物Pの温度はT±2.0℃の範囲内で制御された。
<比較例2>
非接触式温度計により溶融物温度を検出する位置を、p1=100mmのところに変更したこと以外、実施例2と同様の方法により、フィルムを製造した。その結果、溶融物Pの温度はT±4.0℃の範囲内で制御された。
<評価>
上記延伸工程直前に得られた未延伸フィルムの幅手方向および搬送方向の膜厚変動を評価した。膜厚変動はオンラインの膜厚計(Z5FM-200B;オムロン社製)により前記した方法にて測定した値に基づいて、平均膜厚に対しての最大の変動幅の割合で表した。膜厚変動は±1.5%以内を「可(合格)」とし、±1.0%以内を「良」、±0.5%以内を「優」とした。
Figure 0005347327
本発明に係る光学フィルムの製造方法を実施する装置の一例の概略構成図である。 図1における冷却用回転ロール近傍の要部拡大図である。 図1における流延ダイから冷却用回転ロールまでの一実施形態の要部拡大図である。 図3における遮蔽板を説明するための要部拡大図である。 図1における流延ダイから冷却用回転ロールまでの一実施形態の要部拡大図である。 図1における流延ダイから冷却用回転ロールまでの一実施形態の要部拡大図である。 液晶表示装置の構成図の概略を示す分解斜視図である。
符号の説明
1:押出し機、2:フィルター、3:スタチックミキサー、4:流延ダイ、5:第1回転ロール(第1冷却ロール)、6:第2回転ロール(タッチロール)、7:第2冷却ロール、8:第3冷却ロール、9:11:13:14:15:搬送ロール、10:未延伸フィルム、12:延伸機、16:巻取り装置、21a:21b:保護フィルム、22a:22b:位相差フィルム、23a:23b:フィルムの遅相軸方向、24a:24b:偏光子の透過軸方向、25a:25b:偏光子、26a:26b:偏光板、27:液晶セル、29:液晶表示装置、41a:41b:リップ部、42:溶融物、43a:43b:非接触式温度計、44a:44b:温度制御手段、45a:45b:遮蔽板、46a:46b:同伴エア流の方向、47:対向部、48a:48b:ガス流発生手段、49a:49b:温度調整用ジャケット。

Claims (4)

  1. 溶融した熱可塑性樹脂を含むフィルム構成材料を流延ダイのリップ部よりフィルム状に押出し、該溶融物を一対の回転ロールで挟むことにより冷却固化させて光学フィルムを製造する方法であって、
    前記リップ部から押し出された溶融物が前記一対の回転ロールに挟まれる直前における溶融物温度を非接触式温度計で検出し、該検出された溶融物温度に基づいて、前記一対の回転ロールに挟まれる直前の溶融物温度制御されており、
    前記一対の回転ロールに挟まれる直前の溶融物温度を制御する方法が、前記一対の回転ロールに挟まれる直前の溶融物にガス流を吹き付け、該ガス流の温度を調整する方法であり、
    前記ガス流の温度を調整する方法として、ガス流として前記回転ロールの回転に伴って発生する同伴エア流を利用し、前記一対の回転ロールにおける対向部の入口近傍であって、前記一対の回転ロールのうち少なくとも一方の回転ロールの表面近傍に設けた遮蔽板の加熱温度を調整する方法が採用されており、
    前記遮蔽板が、回転ロール軸方向に対する垂直断面において、該遮蔽板が表面近傍に設けられた回転ロールと同心円の円弧形状を有する、ことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 溶融物が前記一対の回転ロールに挟まれる直前における溶融物温度とは、前記一対の回転ロールにおける対向部の入口から溶融物流動方向と反対方向に5mm以下の距離だけ離れた部位の溶融物温度である請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 記遮蔽板と該遮蔽板が表面近傍に設けられた回転ロールとの間隙を0.5〜10mmに保つ請求項またはに記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 記遮蔽板の寸法が、該遮蔽板が表面近傍に設けられた回転ロールの回転方向の長さで10〜300mmである請求項のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
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