JP4586965B2 - 光拡散性樹脂組成物および拡散板 - Google Patents

光拡散性樹脂組成物および拡散板 Download PDF

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Description

本発明は、殻構造を有する有機架橋粒子を含有してなる光拡散性樹脂組成物、それを成形してなる光拡散性の板状の成形品に関するものである。
液晶表示装置の光源として用いられるバックライトには、その輝度の均一性を確保するために、通常、光拡散板が使用される。特に、大型の液晶表示装置の光源として用いられる、複数の冷陰極管の上に光拡散板を配置させた、いわゆる直下型のバックライトの場合には、輝度の均一性確保が重要な技術的課題となっており、透明な熱可塑性樹脂中に有機あるいは無機の微粒子を分散させた光拡散性の熱可塑性樹脂を用いた光拡散板が実質的に必須として用いられている。(例えば、特許文献1〜5)
従来、これらの拡散機能付与のための粒子には、ガラス、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、ジルコニア、シリコン樹脂などの無機粒子、アクリルモノマーやスチレンモノマーなどを主成分として重合・架橋した有機粒子状ポリマーが用いられている。
しかしながら、近年、これら光拡散板が大型の液晶ディスプレイに用いられるようになり、より拡散性能の良いものや、拡散性能とバックライトとしての明るさとのバランスの良いものが求められており、従来公知の無機粒子あるいは有機粒子を分散した光拡散性樹脂組成物では、このような性能上の問題が生じていた。
特開平4−279668 特開平5−179054 特開平8−134310 特開平8−199046 特開平8−327806
本発明は、耐熱、耐湿など環境安定性に優れると共に、明るさと光拡散性能のバランスが向上した光拡散性樹脂組成物およびそれを成形してなる光拡散板を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、環状オレフィン系樹脂に中空を有する粒子状物質(殻構造を有する有機架橋粒子)を分散させた組成物を得ることにより、光拡散性能と明るさのバランスが向上した板状の成形品が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明によれば、成形加工性、高温での安定性に優れると共に、光拡散性能に優れた光拡散性樹脂組成物および成形品を得ることが可能である。本発明の組成物および成形品は、直下型バックライトの導光板の拡散板として好適である。
本発明の光拡散性樹脂組成物には、環状オレフィン系樹脂を使用するが、係る環状オレフィン系樹脂としては、
(1)下記一般式(I)で表される特定単量体の開環重合体、あるいは、
(2)下記一般式(I)で表される特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体、
(3)以上の上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体
である。
〔式中、R〜Rは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていてもよい。RとRまたはRとRは、一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、RまたはRとRまたはRとは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。〕
<特定単量体>
上記特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
特定単量体のうち好ましいのは、上記一般式(I)中、R1およびRが水素原子または炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、RおよびRが水素原子または一価の有機基であって、RおよびRの少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する極性基を示し、mは0〜3の整数、pは0〜3の整数であり、より好ましくはm+p=0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくはm=1、p=0であるものである。m=1、p=0である特定単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記特定単量体の極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましい。
さらに、RおよびRの少なくとも一つが式−(CHCOORで表される極性基である単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂が高いガラス転移温度と低い吸湿性、各種材料との優れた密着性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定の極性基にかかる式において、Rは炭素原子数1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは、通常、0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量体はその合成が容易である点で好ましい。
また、上記一般式(I)において、R1またはRがアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、さらに好ましくは1〜2のアルキル基、特にメチル基であることが好ましく、特に、このアルキル基が上記の式−(CHCOORで表される特定の極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが、得られる環状オレフィン系樹脂の吸湿性を低くできる点で好ましい。
<共重合性単量体>
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。
シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましいのは5〜12である。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
特定単量体/共重合性単量体の好ましい使用範囲は、重量比で100/0〜50/50であり、さらに好ましくは100/0〜60/40である。
<開環重合触媒>
本発明において、(1)特定単量体の開環重合体、および(2)特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl、MoCl、ReOClなどの特開平1−132626号公報第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
(b)成分の具体例としては、n−CLi、(CAl、(CAlCl、(C1.5AlCl1.5、(C)AlCl、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を使用することができる。
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特定単量体」が、通常、1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲とされる。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
<重合反応用溶媒>
開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどの、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
<分子量調節剤>
得られる開環(共)重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節する。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
(2)開環共重合体を得るには、開環重合工程において、特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させてもよいが、さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。
以上のようにして得られる開環(共)重合体は、これをさらに水素添加して耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用な(3)水素添加(共)重合体として用いる。
<水素添加触媒>
水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、開環(共)重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10−6〜1:2となる割合で使用される。
このように、水素添加することにより得られる水素添加(共)重合体は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によっても、その特性が劣化することはない。ここに、水素添加率は、通常、50%以上、好ましく70%以上、さらに好ましくは90%以上である。
また、水素添加(共)重合体の水素添加率は、500MHz、H−NMRで測定した値が50%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、本発明の波長板として使用した場合に長期にわたって安定した特性を得ることができる。
なお、本発明の環状オレフィン系樹脂として使用される水素添加(共)重合体は、該水素添加(共)重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%以下であることが特に好ましい。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂の好ましい分子量は、固有粘度〔η〕inhで0.2〜5dl/g、さらに好ましくは0.3〜3dl/g、特に好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)は20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000の範囲のものが好適である。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量および重量平均分子量が上記範囲にあることによって、環状オレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の拡散板としての成形加工性が良好となる。
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、通常、130℃以上、好ましくは130〜350℃、さらに好ましくは130〜250℃、特に好ましくは140〜200℃である。Tgが130℃未満の場合は、高温条件下での使用、あるいはコーティング、印刷などの二次加工により変形するので好ましくない。一方、Tgが350℃を超えると、成形加工が困難になり、また成形加工時の熱によって樹脂が劣化する可能性が高くなる。
環状オレフィン系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば特開平9−221577号公報、特開平10−287732号公報に記載されている、特定の炭化水素系樹脂、あるいは公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合しても良い。
本発明の環状オレフィン系樹脂には、公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン;紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、あるいはベンジルマロネート系化合物などを添加することによって安定化することができる。また、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
次に、本発明の(B)殻構造を有する有機架橋粒子(以下「殻粒子」と略す)は、ポリマー成分からなる殻とその内部に中空を有するものである。殻構造を有する球状粒子を用いることにより、光拡散性の成形品とした場合の光拡散性と明るさのバランスの高いものが得られる。
好ましい(B)殻粒子の粒径は0.5μm〜5μm、さらに好ましきは0.6μm〜3μm、特に好ましくは、0.8μm〜2μmである。0.5μm未満では光の透過が大きく、一方、5μmを越えると拡散が少なくなるので好ましくない。また、(B)殻粒子は、実質的に表面に角を有しない球状であることが好ましい。
また、(B)殻粒子の中空率としては、(A)成分と混合前の粒子の状態で、中空部の体積分率が好ましくは0.01%〜60%、さらに好ましくは0.015〜55%、特に好ましくは0.02〜50%である。0.01%未満では拡散性能に劣り、一方、60%を超えると環状オレフィン系樹脂中での分散が困難となる。
(B)殻粒子内の孔は一つの空洞であってもよいし、多数の空孔の集まりである多孔性の粒子であってもかまわない。
かかる(B)殻粒子は、環状オレフィン系樹脂との親和性や成形加工性などから、アクリル系、スチレン系などの有機架橋粒子が挙げられる。
このような有機架橋粒子としては、例えば特開昭62-127336号公報、特開平01-315454号公報、特開平04-126771号公報、特開2002-241448号公報で開示されている、中空のものを使用することが可能である。
ここで、有機架橋粒子に用いる架橋性モノマーは、非共役ジビニル化合物の代表例であるジビニルベンゼンである。
また、架橋性モノマーとともに用いられる重合性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和脂肪酸;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド系モノマーなどを挙げることができる。
上記有機架橋粒子のガラス転移温度(Tg)は、100℃以上であることが、本発明の樹脂組成物から得られる成形品の耐熱性を大きく損ねない上で望ましい。特に、本発明の樹脂組成物が、射出成形や押出成形など、環状オレフィン系樹脂が加熱溶融される温度で成形される場合は、該架橋ポリマー粒子が該加熱温度で溶融しないことが望ましく、溶液状態でブレンドされる場合には該有機溶媒に溶解しないことが好ましい。
該有機架橋ポリマーを中空とする方法としては公知の方法が採用できる。例えば
(1)ポリマー粒子中に発泡剤を含有させておき、のちにこの発泡剤を発泡させる方法
(2)ポリマーにブタンなどの揮発性物質を封入しておき、のちにこの揮発性物質をガス化膨張させる方法
(3)ポリマーを溶解させこれに空気などの気体ジェットを吹き付け気泡を封入する方法
(4)ポリマー粒子の内部にアルカリ膨張性の物質を含有させておき、このポリマー粒子にアルカリ性液体を浸透させてアルカリ膨張性の物質を膨張させる方法
(5)ポリメタクリレートの微粒子を種粒子と用い、この種粒子の存在下においてスチレンを乳化重合する方法
(6)重合性モノマー成分を水中に微分散させて水中油滴エマルジョンを作成し、重合を行う方法
(7)架橋ポリマー粒子をシードとして、相溶性の異なるポリマーをそのシード上に重合、架橋する二段階架橋方法
(8)ポリマーの重合収縮により製造する方法
(9)架橋ポリマー粒子を噴霧乾燥する方法
などが挙げられ、好適に用いられる。
本発明の殻構造を有する粒子の殻を構成する物質と環状オレフィン系樹脂の間には、適度な屈折率差を有することが好ましい。好ましい屈折率差は、d線28℃の測定で0.01〜0.90、さらに好ましくは0.02〜0.70である。屈折率差が0.01未満では拡散性に乏しく、一方、0.90を超えると反射が大きくなりそれぞれ好ましくない。
本発明の光拡散性樹脂組成物において、以上の(A)環状オレフィン系樹脂と(B)殻粒子との割合は、(A)環状オレフィン系樹脂:90〜99.9重量%、好ましくは92〜99重量%、(B)殻粒子:10〜0.1重量%、好ましくは8〜1重量%〔ただし、(A)+(B)=100重量%〕である。(B)殻粒子の配合量が0.1重量%未満では、光の拡散性に劣り、一方10重量%を越えると、拡散板としたときの光透過性に劣るので好ましくない。
本発明の(B)殻粒子は、(A)環状オレフィン系樹脂中で、(B)殻粒子の内部が、中空の状態であるいは(B)殻粒子の内部に(A)環状オレフィン系樹脂が浸入した状態で分散していても良く、特に限定はされない。
本発明の脂組成物は、公知の方法でブレンドすることが可能であり特に限定されるものではない。
例えば、(A)環状オレフィン系樹脂を可溶な溶媒に溶解した状態で(B)殻粒子を分散し公知の方法で溶媒を除去して組成物を得る方法、(A)環状オレフィン系樹脂が溶融した状態で(B)殻粒子を分散させる方法などが挙げられる。
(A)環状オレフィン系樹脂を溶液状態で(B)殻粒子とブレンドする場合、その溶液は重合溶液、水素添加後の溶液、触媒を除去した溶液、濃縮された溶液、一度ペレットとしたものを溶解したもの用いることが可能である。ブレンドは公知の攪拌機を用いることが可能であり、特に限定されるものではない。
さらには、溶液状態の(A)環状オレフィン系樹脂溶液を公知の押出し機へフィードするのと同時に(B)殻粒子をフィードし、脱溶媒と分散と同時にする方法も用いることができる。
(A)環状オレフィン系樹脂が溶融した状態で(B)殻粒子を分散させる方法としては、公知の単軸、二軸の押出し機を用いることが可能である。押出機のシリンダー径は、通常、10〜100mmである。スクリューは公知のものが用いられ、例えば単軸の場合、フルフライト、サブフライトを組み合わせたもの、ダルメージを組み込んだもの、スクリューピッチあるいは溝深さがが同一スクリュー中で変わるものが挙げられる。二軸の場合、2条あるいは3条のスクリュー、異方向あるいは同方向回転、スクリューパーツが自由に組み合わされる方式の場合、スクリューパーツの形状を、スクリュー式、逆送りスクリュー、パドル式スクリュー、ヘリカルパドル式スクリューなどより自由に選択し組み込むことが可能である。
押出機は1台で運転することも可能であるが、押出機を2台以上連結させたもの、連続式およびバッチ式のニーダーと組み合わせたものを使用しても構わない。
(A)環状オレフィン系樹脂と(B)殻粒子は、公知のタンブラー式、回転式などのブレンダーや、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサーなどの混合機を用いてあらかじめ固体の状態で混合することも可能であり、複数のフィーダーを用いて共有することも可能である。また粒子は押出し機の途中からフィードすることも可能である。
(A)環状オレフィン系樹脂と(B)殻粒子のブレンドにおいては、樹脂あるいは樹脂と粒子の双方をあらかじめ公知の方法で乾燥することも好ましいものである。乾燥方法としては、熱風乾燥、除湿乾燥、真空乾燥、窒素乾燥など公知の方法を用いることが可能である。
また、押出し機のホッパー、投入口、ベント口、ダイス面などを窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスでシールすることも好ましい方法である。
本発明に用いる光拡散性樹脂組成物は、拡散板としたときに目視で判別できる異物が可能な限り存在しないことが好ましい。
かかる異物の含有量は、少なくとも50μm以上の異物が5個/10g以下、好ましくは3個/10g以下、さらに好ましくは0個/10gである。
異物の量の測定は、樹脂組成物をトルエン、シクロヘキサンなど本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂の溶解性がある溶媒に溶解し、フィルターでろ過後、顕微鏡で観察することにより、大きさと個数とを計数することにより行われる。また、同様に環状オレフィン系樹脂の溶解性がある溶媒に該樹脂を溶解させた試料を用いて光散乱を原理とする市販の微粒子カウンターを使用して計数することも可能である。
本発明の光拡散性を有する成形品は、平板状の物であり、目的により厚みが均一、厚みが連続的に変化するクサビ形状、意匠のついたものなど公知の形状を持つが、特に限定されるものではない。
通常その厚みは0.2mm〜5.0mm、好ましくは0.8mm〜2.2mmである。また、その大きさは特に限定されず、公知の液晶表示装置、透過スクリーンなどで採用されている大きさのものを任意に適用することができ、たとえば、1インチ〜40インチのものへ幅広く適用することが可能である。
また成形品の表面には、反射防止、集光、入射光の効率化などを目的とした公知の、プリズム、溝、シボなどのパターンなどを形成しても良い。これらパターンの形成は、成形加工時に転写させる方法、成形後ホットスタンプなどにより熱転写する方法、成形後に表面を切削する方法、あるいは成形品表面に熱硬化あるいは紫外線硬化性樹脂などを印刷する方法など公知の方法を用いることが可能である。
本発明の光拡散性を有する成形板の成形方法は公知の方法で行うことができ、好ましくは射出成形あるいは押出し成形により成形することができる。
本発明の光拡散性樹脂組成物は、射出成形にて光学部品に加工することが可能である。
射出成形に使用される射出成形機は特に規定されないが、例えばシリンダーの方式ではインライン方式、プリプラ方式、駆動方式では油圧式、電動式、ハイブリッド式、型締め方式としては直圧式、トグル式、射出方向では横型、縦型などが使用できる。また、型締めに関しては、射出圧縮が使用できるものであっても良い。シリンダー径および型締め力は目的の成形品の形状により決まるが、一般に成形品の投影面積が大きいほど型締め力を大きく、成形品の容量が大きい場合はシリンダー径の大きなものを選ぶことが好ましい。
射出成形機の可塑化工程においては、インライン式、プリプラ式のものが使用可能である。インライン式の場合、圧縮比、長さ/直径の比、サブフライトの有無などのスクリュー形状は適宜選択可能であり、スクリュー表面は、クロム系、チタン系、窒化物系、炭素系などの公知のコーティングを施すことも可能である。また、計量や射出動作の安定性を目的にスクリューの回転や圧力制御などの機構を設けることも可能である。また、シリンダーおよび成形材料を貯蔵するホッパー部分を窒素などの不活性ガスでシールする方法や減圧にする方法なども、本発明の光拡散性の成形品を安定的に得るという観点から好ましいものである。
本発明の光拡散性の成形品を作成するための金型の材質や構造は、公知のものを採用することが可能である。好ましい材質としては、通常の炭素鋼、ステンレス鋼、あるいはこれらをベースにした公知の合金類が用いられ、表面は焼き入れ処理あるいはクロム、チタン、ダイヤモンドなど公知のコーティング処理、あるいはニッケル系金属、銅合金などパターン加工のための金属メッキを施すことができる。
光の集光や反射防止などを目的として、成形品表面にパターンを形成するためには、上記金属類あるいはメッキ面、あるいはスタンパーとして、その表面に直接、放電加工機、切削加工機といった、公知の加工機でパターンを形成しても良く、電鋳などの方法でパターンを形成しても良い。
射出成形法においては、金型のキャビティーを減圧にする方法あるいは射出圧縮方法を用いることも好ましいものである。これらの方法を用いることにより、成形品のソリの低減や、連続成形の安定性に優れるものとなり、好ましいものである。
金型キャビティー内を減圧にして成形する方法において、本発明で好ましい減圧度は、ゲージ圧で、−0.08MPa以下、さらに好ましくは−0.09MPa以下、特に好ましくは−0.1MPa以下である。ゲージ圧が−0.08MPaを超えると、減圧度が不足し、本発明に記載の効果が得られないので好ましくない。
これらの減圧度を達成するためには、公知の方法の真空ポンプを使用することができ、キャビティー周囲やエジェクター機構部などにはOリングなど公知の方法のシール材を使用することが好ましく、成形品へ「コンタミ」などが生じない範囲で真空用のグリスなどを使用しても良い。また、減圧とするための吸引口は、金型内の任意の場所に設けることが可能であるが、通常、エジェクター機構部、スプルーおよびランナーの端部、入れ子構造部などに設けることが可能である。また、真空吸引シーケンスは、金型の開閉に併せて電磁バルブなどで制御しても良いし、常時運転としても良く、溶融樹脂充填時にキャビティー内が目的の減圧度となる方法なら特に制限されるものではない。
キャビティーを減圧にする成形方法においては、キャビティーが閉じ減圧になった状態で溶融樹脂を射出するため、通常、射出遅延時間を設定する。射出遅延時間は、使用する真空ポンプの能力とキャビティーサイズに依存するが、通常、0.5〜3秒程度である。
また、射出圧縮成形を用いる場合には、溶融樹脂を射出する際に、キャビティー間隔を成形品の厚みの1.5〜20倍にしておき、そこに溶融樹脂を射出し、シリンダー側で測った樹脂の圧力を200〜2,000kgf/cm2の圧力に保ちつつ、金型内の製品面に圧縮をかけ、キャビティーの間隔を狭くする方法が用いられる。
また、金型のコアを可動な状態としておき、コアを成形品の厚みの1.1倍〜10倍にしておき、溶融樹脂を射出し、その射出開始あるいは射出終了後から、可動側コアを平均速度0.01mm/sec〜1mm/secの速度で圧縮する方法も適用可能である。
これらの射出圧縮方法は、公知の成形機を用いて行うことが可能である。
チップ基板の成形条件は、特に限定されるものではないが、通常、シリンダー温度が260℃〜350℃、金型温度は、通常、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tg−1℃〜−40℃、好ましくはTg−5℃〜−25℃の範囲で成形することが好ましい。また、射出速度は、光拡散性成形品の大きさや成形機のシリンダーサイズにより異なるが、例えば、シリンダー径が28mmの場合、通常、80mm/sec以上、好ましくは60〜250mm/secの高速で成形することが好ましく、保圧は成形品の形状が保持できる程度の最小圧・時間に調整してかけることが好ましい。
本発明における光拡散性樹脂組成物の押出し加工方法としては、通常の押出機で原料を溶融させて、これをギアポンプで定量的に計量し、これをスリット状の出口を持ったダイを用いて押出し、膜状に引き伸ばされた樹脂原料を、鏡面に研磨、あるいは意匠性の模様を刻んだロールあるいはベルトなどを用いて、その面に接触させることにより、鏡面あるいは特定の意匠の形状を転写しこれを冷却後、裁断機で裁断する/または、巻き取り機で巻き取りを行い、定尺で所定の寸法のシートまたはフィルムを得るものである。
押出加工に用いる好ましい押出機としては、L/Dが28以上40以下であり、スクリュウ径は、押出量により決定するが、30mm〜125mmである。L/Dが28未満では滞留時間が短く、用いられる環状オレフィン系樹脂の溶融が不十分となり、一方、L/Dが40を越えると、滞留時間が長くなりすぎるので好ましくない。また、スクリュウ径が30mm未満であると、計量が安定せず、また生産性が低いため好ましくない。一方、125mmを超えると、計量後、原料が滞留しやすくなるため、好ましくない。
シートまたはフィルムの膜厚安定性などを図るために、ギアポンプを用いることも好ましいものである。ギアポンプとしては公知のものを用いることができるが、特に潤滑に使用した樹脂を排出する方式である外潤式が好ましく用いられる。
原料を膜状に引き伸ばすためのダイとしては、Tダイが好ましく用いられ、特にその形状として、コートハンガーダイ、フィッシュテールダイなどが挙げられるが、特に好ましくは、コートハンガーダイである。マニホールドの形状には、特に制限は無いが、滞留が小さいものが、好ましい。また、Tダイの先端は、シャープエッジであることが好ましく、エッジに欠損があると、ダイラインの原因となりうるので、好ましくない。特に好ましいエッジの処理としては、溶射などの手法により、タングステン−カーバイドのような超硬コーティングを施すのが、ダイラインの防止に好都合である。
Tダイから転写するロールは、できるだけ距離を近づけて転写することが好ましく、50mm以下の距離が好ましい。
転写に使用するロールあるいはベルトは、平滑なシートあるいはフィルムを作成する場合には、鏡面に研磨されたものが好ましく、表面研磨状態は、表面粗さで、最大粗さ0.1μm(0.1s)以下であることが好ましい。最大粗さが0.3s以上であると、表面の粗さが、フィルムまたはシートの表面に転写されるため、外観上の欠点となる可能性があるため、好ましくない。使用されるロールの材質は、鉄、ステンレス、ハードクロームメッキを施した鉄、鉄やステンレスに、離型性を改良するために、溶射その他の方法により、酸化アルミニウムや酸化クロムなどの金属酸化物や、タングステンやタングステンカーバイドなどの超硬金属などを処理を施すことも好ましい方法である。
本発明においては、ベルトあるいはロールに立体模様が形成されており、それをフィルムあるいはシートの少なくとも片面に転写させることも可能である。
本発明の立体模様は、特に限定されるものではない。例えば、プリズム形状、半円状、楕円形状、矩形形状、V字型形状の溝あるいは山形状、半球状、半楕円、円錐、多角錐、円錐台、多角錐台などの凸あるいは凹形状、ランダムな凸凹形状、格子形状、分岐溝形状、任意のパターン形状などが挙げられ、それらの機能も限定されるものではないが、集光、散乱、回折、偏光などの光学的機能を与えるものが好ましく用いられる。
転写ベルトあるいは転写ロールへ立体模様を形成する方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法によることが可能である。たとえば、切削する方法、放電加工による方法、レーザーによる加工、電鋳による方法、エッチングによる方法、硬化性樹脂を印刷する方法、サンドブラストによる方法、などが挙げられる。また、これらの加工は、基材へ直接することも可能であり、公知のニッケルあるいは銅といった金属あるいはその化合物をメッキした後、光や熱などの硬化性のある有機化合物を塗布した後に加工することも可能である。また、スタンパーとして作製し、金属無端ベルトあるいは金属ロールと複層することも可能である。
さらに、得られたフィルムまたはシートをロールから剥離する際に、テンションメーターなどで、剥離力をコントロールしながら、フィルムを引き取る方法も好ましいものである。剥離力は、フィルムが撓んだり、切れたりしない程度に弱いことが好ましい方法である。
転写の方法は、ロールを片面に使用し、ロールと反対側の面から、エア、窒素などの気圧でフィルムをロールに圧着するエアナイフ方式、静電気などの印加して電気的な力で、ロールに付着させる方法、押えロールに機械的に接触させる方法などがあり、押えロールによる方法は、ロールとフィルムの間に空気が入るのを防止し、しわなどの発生の危険性を除去できるのが好ましい。
本発明において環状オレフィン系樹脂は、公知の方法で溶存する水分や酸素の成分を除去することが好ましい。原料が粒子あるいはペレットなどの固体形状の場合、公知の方法で乾燥を行うことにより達成される。公知の乾燥装置としては、熱風乾燥機、除湿乾燥機、窒素循環式乾燥機、除湿窒素循環式乾燥機、真空乾燥機などを用いることができる。
乾燥温度や乾燥時間は特に限定されるものではないが、通常、Tg−100℃〜Tg−20℃の範囲で任意に設定することが可能であり、乾燥時間は、通常、2〜6時間の範囲で設定される。
また、押出し装置で空気に触れる部分を窒素で封止することも有効である。すなわち、ホッパー、ベント、ダイなどの各部をシールする方法も可能である。
また、本発明に使用される環状オレフィン系樹脂は、予め乾燥して用いることが好ましい。通常の熱風乾燥あるいは除湿乾燥機を用いることもできるが、光拡散性成形板の色相の観点から、減圧乾燥機あるいは窒素などの不活性ガスの循環による乾燥機を使用することが好ましい。
本発明の光拡散性の成形板は、液晶表示装置の直下型バックライトの拡散板として好適に使用することが可能である。ここで、直下型バックライトとは、光源の後方に反射板、前面に拡散板を配置し、光源からの光を反射拡散させて均一な平面光源とするものである。
本発明の光拡散性樹脂組成物からこのような拡散板を作成すると、表面の平均輝度が高いあるいは光源の消費電力が少ない状態で、面内の輝度バランスの良いバックライトを作成することが可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれらによって制限されるものではない。なお、以下において「部」および「%」は、特に断らない限り、重量部および重量%である。
また、各種測定方法について以下に記す。
<固有粘度:ηinh
溶媒にクロロホルムを使用し、0.5g/dlの重合体濃度で30℃の条件下、ウベローデ粘度計にて測定した。
<分子量>
東ソー株式会社製HLC−8020ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒で測定し、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、ここで、Mnはポリスチレン換算数平均分子量を表す。
<ガラス転移温度:Tg>
セイコーインスツルメンツ社製 DSC6200を用いて、昇温速度を毎分20℃、窒素気流下で測定を行った。
<屈折率>
アッベ屈折計を用いて23℃における値を測定した。
<架橋粒子の粒径/空孔率>
透過型電子顕微鏡による観察において無作為に抽出した100個の粒子の測定結果を平均して求めた。
<合成例1:環状オレフィン系樹脂>
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(特定単量体):250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤):41部と、トルエン(開環重合反応用溶媒):750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/l):0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングズテン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l):3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。
この重合反応における重合転化率は97%であった。
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより水素添加反応させた。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。
次いで、多量のメタノール中に該反応溶液を注いで水素添加重合体を凝固・回収した。
その後、回収された水素添加重合体をトルエンに溶解して濃度20%の溶液を調製し、孔径1μmのフィルターでろ過した後、再度多量のメタノール中に注いで水素添加重合体を凝固・回収した。係る再溶解/析出・回収を3回繰り返し、最後に得られた水素添加重合体は、減圧下、100℃で12時間乾燥した。さらに環状オレフィン系樹脂を、溶融押出機を用いて造粒してペレットを得た。
このようにして得られた水素添加重合体(以下、「環状オレフィン系樹脂A」という。)の水素添加率を400MHzのH−NMRで測定したところ、実質上100%であった。
環状オレフィン系樹脂Aのηinhは0.52、Mwは75,000、Mw/Mnは3.5、Tgは164℃であった。なお、屈折率は1.51であった。
<合成例2:環状オレフィン系樹脂>
特定単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン:225部とビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン:25部とを使用し、1−ヘキセン(分子量調節剤)の添加量を43部としたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「環状オレフィン系樹脂B」という。)の水素添加率は、実質上100%であった。
環状オレフィン系樹脂Bのηinhは0.50、Mwは62,000、Mw/Mnは3.5、Tgは141℃であった。なお、屈折率は1.51であった。
<合成例3:環状オレフィン系樹脂>」
特定単量体として8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(特定単量体):250部、開環重合反応用溶媒としてシクロヘキサン:750部を使用したこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「環状オレフィン系樹脂C」という。)の水素添加率は、実質上100%であった。
環状オレフィン系樹脂Cのηinhは0.50、Mwは65,000、Mw/Mnは3.0、Tgは145℃であった。なお、屈折率は1.52であった。
<合成例4:架橋粒子>
スチレン:98部、メタクリル酸:2部、t-ドデシルカプタン:10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:0.05部、過酸化カリウム:0.4部、水:200部を2リットルのフラスコに入れ、攪拌しながら窒素ガス中にて70℃に昇温して6時間重合を行った。これにより重合収率98%で平均粒子系0.31μmのシードポリマー粒子を得た。次いで、得られたシードポリマー粒子:7部、ポリビニルアルコール:10部、ハイドロキノン:0.05部、水:500部、ベンゾイルパーオキサイド:1部、ジビニルベンゼン(純度55%):50部、シクロヘキサノールを反応器に入れ30分間攪拌し、その後70℃に昇温して4時間重合を行った。その後、この架橋粒子の分散体に1%の硫酸アルミニウム水溶液を加えてろ過し、十分に水洗してシクロヘキサノールを除去した後に減圧乾燥して粉体状の架橋粒子Aを得た。
粒子の粒径は0.8μm、空孔率は0.067%であった。屈折率は1.59であった。
<合成例5:架橋粒子>
容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水:109.5部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王(株)製 商品名:F65):0.2部、重合開始剤として過硫酸ナトリウム:0.5部を投入した。その一方で、メタクリル酸メチル:90部、メタクリル酸:10部、分子量調整剤としてオクチルチオグリコレート:0.5部、乳化剤(花王(株)製 商品名:F65):0.1部および水:40部を混合攪拌してモノマー混合物の水性分散体を調製した。このモノマー混合物の水性分散体の20%を上記反応容器に投入し、反応容器内の液を攪拌しながら温度75℃まで昇温して1時間重合反応を行い、その後温度を75℃に保ちながら残りのモノマー混合物の水性分散体を連続的に2時間かけて反応容器に添加し、さらに、2時間熟成を行い、固形分40%、粒子径200nm、重量平均分子量70,000のシード粒子の水性分散体を得た。
容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水:186部を投入し、これに上記シード粒子の水性分散体を固形分で10部(水性分散体で25部)、重合開始剤として過硫酸ナトリウム:0.5部を投入した。その一方で、メタクリル酸メチル:69.5部、メタクリル酸:30部、ジビニルベンゼン(純度55%):0.5部、乳化剤(花王(株)製 商品名:F65):0.1部および水:40部を混合攪拌してモノマー混合物の水性分散体を調製した。次に、反応容器内の液を攪拌しながら温度80℃まで昇温、保持し、上記モノマー混合物の水性分散体を反応容器に連続的に3時間かけて投入した。その後、さらに2時間熟成を行ない、固形分31%、粒子径410nmのポリマー粒子の水性分散体を得た。
容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水:240部を投入し、これに前述のように調製したポリマー粒子の水性分散体を固形分で15部(水性分散体で48.4部)、スチレン:20部、重合開始剤として過硫酸ナトリウム:0.4部を投入した。その一方で、スチレン:69.5部、乳化剤(花王(株)製 商品名:F65):0.1部および水:40部を混合攪拌してモノマーの水性分散体を調製した。次に、反応容器内の液を攪拌しながら温度80℃まで昇温、保持して30分間でスチレンの重合を行い、ポリマー粒子にスチレンが複合したポリマー粒子を得た、続けてこの反応容器内の液を攪拌しながら80℃に保持して上記モノマーの水性分散体を反応容器に連続的に4時間かけて投入した。この際、モノマーの水性分散体を投入開始後2時間経過時に、アクリル酸:0.5部を反応容器に一括投入してスチレンと共重合させた。さらに上記モノマーの水性分散体をすべて反応容器に投入した直後に、ジビニルベンゼン:5部、スチレン:5部を一括投入し、ポリマー粒子の表層にスチレン、アクリル酸、ジビニルベンゼンを重合・積層させたコアシェル状のポリマー粒子を得た。すべてのモノマーの投入終およそ15分後に攪拌しながら25%水酸化アンモニウム:5部を一括投入して、温度を90℃に上げ、2時間攪拌熟成した。25%水酸化アンモニウム投入直前の(b)の未反応モノマーの(b)全体に対する重量比率は7%であった。その後、t−ブチルハイドロパーオキサイド:0.3部とホルムアルデヒド樹脂:0.1部を投入し、そのまま1時間攪拌放置した。その後、この架橋粒子の分散体に1%の硫酸アルミニウム水溶液を加えてろ過し、十分に水洗した後に減圧乾燥し、粒子径1050nm、内径860nm、空孔率55%の単一の空孔を有する架橋粒子Bを得た。屈折率は1.58であった。
<合成例6:架橋粒子>
合成例4において使用するジビニルベンゼン:50部をジビニルベンゼン:5部、スチレン:45部に変更した以外は合成例4と同様の走査を行い、架橋粒子Cを得た。架橋粒子Cの粒径は1μmで空孔は認められなかった(空孔率0%)。屈折率は1.59であった。
<実施例1〜4、比較例1〜2>
<組成物の製造方法>
環状オレフィン系樹脂はあらかじめ100℃×4時間の条件で真空乾燥を行った。その後、タンブラー型ブレンダーで所定量の架橋粒子と予備混合を行った。
二軸押出し機(TEM-37BS、東芝機械製)を所定温度(290℃〜300℃)に加熱し、ホッパーとシリンダー内を窒素で充満させた。温度が安定した後、スクリューを100rpmで回転させ、ホッパー部へ窒素を流しながら、20kg/hrの速度で溶融混合を行い光拡散性の樹脂組成物を得た。
さらに、光拡散性樹脂組成物は、100℃×4時間の条件で真空乾燥を行い、窒素でシールしたアルミ袋中に保管した。
<試験片の成形方法:射出成形>
金型キャビティー−(1)
80mm×150mm、厚み1mmの両鏡面平板
金型キャビティー−(2)
80mm×150mm、厚み1mmで片面は鏡面、もう片面は6μmのシボ模様を形成した金型
金型キャビティー−(3)
80mm×150mm、厚み1mmで片面は鏡面、もう片面は深さ10μmのV字溝を50μm毎に形成した金型
射出成形方法−(1)
下記の試験で使用するサンプルを射出成形にて行った。なお、射出成形速度は、100mm/sec、シリンダー温度は、樹脂のTg+140〜160℃、金型温度は樹脂のTg−10〜−20℃である。
※成形機
住友重機社製 SG75M−S(シリンダー径28mm、型締め75ton)
射出成形方法−(2):キャビティー減圧方法
キャビティー周囲に設けた10/1,000mmのクリアランスから減圧のための圧抜き孔を設け、外部より真空ポンプ[真空機工製社製G−50S(オイルロータリー真空ポンプ、吸引能50L/min)]を用いてキャビティを減圧にして射出成形を行った。射出開始時のキャビーティーの減圧度は、ゲージ圧で−0.08MPaであった。なお、射出成形速度は、100mm/sec、シリンダー温度は、樹脂のTg+140〜160℃、金型温度は樹脂のTg−10〜−20℃である。
※成形機
住友重機社製 SG75M−S(シリンダー径28mm、型締め75ton)
射出成形方法−(3):型締め圧縮成形
金型のキャビティーを5mmに広げた状態で、溶融樹脂を射出し、シリンダー側で測った樹脂圧を一定に保ちつつ、金型を3秒間押すことでキャビティーの間隔を1mmになるまで圧縮し、20秒間冷却後、金型を開き、成形品を得た。なお、射出成形速度は、100mm/sec、シリンダー温度は、樹脂のTg+140〜160℃、金型温度は樹脂のTg−10〜−20℃である。
※成形機
ソディック社製 TR80S2W(シリンダー径32mm、型締め100ton)
射出成形方法−(4):コア圧縮成形
金型の可動側コアを1.5mmに後退した状態で、溶融樹脂を射出し、充填完了時点より可動側コアを平均速度0.05mm/secで圧縮し、20秒間冷却後、金型を開き、成形品を得た。なお、射出成形速度は、100mm/sec、シリンダー温度は、樹脂のTg+140〜160℃、金型温度は樹脂のTg−10〜−20℃である。
※成形機
住友重機社製 SG75M−S(シリンダー径28mm、型締め75ton)
射出成形方法−(5):キャビティー減圧方法とコア圧縮成形の組み合わせ
金型の可動側コアを1.5mmに後退した状態で、キャビティー周囲に設けた10/1,000mmのクリアランスから減圧のための設けた圧抜き孔より真空ポンプ[真空機工製社製G−50S(オイルロータリー真空ポンプ、吸引能50L/min)]を用いてキャビティを減圧にした後、溶融樹脂を射出し、充填完了時点より可動側コアを平均速度0.05mm/secで圧縮し、20秒間冷却後、金型を開き、成形品を得た。
射出開始時のキャビーティーの減圧度は、ゲージ圧で−0.08MPaであった。なお、射出成形速度は、100mm/sec、シリンダー温度は、樹脂のTg+140〜160℃、金型温度は樹脂のTg−10〜−20℃である。
※成形機
住友重機社製 SG75M−S(シリンダー径28mm、型締め75ton)
十分に清掃された、650mm幅のTダイを50mmφ押出し機に取り付けた。ダイスおよび押出し機の昇温を始める前に、ダイスリップ部にとりつけたアルミニウム製のカバーから、純度99.9%の窒素を0.6m/hrの流速で流すことにより封止し、Tダイと押出し機の昇温を始めた。
昇温開始から5時間かけ十分に昇温した後、合成例1で得た樹脂を窒素循環式除湿乾燥機(日水加工株式会社製、SD−200)を用いて、100℃で3時間除湿乾燥を行ったものを押出機のホッパーに移送した
押出機として、ジーエムエンジニアリング株式会社製90mm押出機(GM−90)を用いて、押出温度280〜300℃で、吐出量100kg/hrで樹脂を溶融し、ギアポンプで定量供給し、コートハンガー型マニホールドを有する700mm幅のTダイを用いて、樹脂を膜状に引き伸ばし、ステンレスベルト(表面粗さ0.1s)とつや付きロール(表面粗さ0.1s)を用いて、3.2m/minの速度で、シートを引き取り、樹脂シートの両面に鏡面の状態を転写・剥離して、500mm幅、厚さ1mmのシートを作製した。冷却キャストドラムの温度設定はTg−5〜20℃に設定して成形を行った。
得られたシートから80×150mmにサンプルを超音波カッターで切り出し評価を行った。
下記の試験方法で評価した。
<全光線透過率、およびヘイズ>
スガ試験機製ヘイズコンピューターHGM2にて測定を行った。
<拡散性および隠蔽性>
村上色彩技術研究所製全角光度計GP−200を用いて、−90度から+90度までの拡散透過率分布を測定して以下の式に基づき拡散性および隠蔽性を評価した。
拡散性=70度における拡散透過率/0度における拡散透過率
隠蔽率=5度における拡散透過率/0度における拡散透過率
<そり>
テーラーホブソン社製フォームタリサーフS6で測定を行い最大そり量を測定した。
◎:5μm以下
○:5μmを超え10μm以下
△:10μmを超え50μm以下
×:50μmを超える。
表1に示す組成・成形方法で評価を行った。
実施例1〜4、比較例1〜2の比較により、本発明の光拡散性樹脂組成物により得られた光拡散性の成形品は光拡散性に優れていることがわかる。
<実施例5〜10>
次に、金型キャビティー(2)、金型キャビティー(3)の金型を用いてパターンを転写した成形品を作成した。
シボおよびプリズムパターンの転写性については、テーラーホブソン社製フォームタリサーフS6で行い、良好なもの(設計転写高さにに対して転写高さが95%以上)を5、不良のもの(設計転写高さに対して転写高さが80%以下)1とする5段階評価とした。
いずれの方法もパターンの転写性と光拡散性の両立が図られている。
<バックライト拡散板の評価>
<実施例11>
管径2mmの冷陰極管を短辺側に20mmの間隔で配置した上、5mmの隙間を設けて、実施例2で得られた平板を配置し、目視で発光状態を観察したところ、冷陰極管の管影は観察されず、面内で明るさは均一でありバックライトの拡散板として十分使用可能なものであった。
<比較例3>
実施例11と同様に、比較例1で得られた平板を配置したところ、例陰極管に沿って明るく、バックライトの拡散板としては使用不可能であった。
本発明の光拡散性樹脂組成物は、液晶ディスプレイのバックライト、特に液晶ディスプレイの直下型バックライトなどで用いられる拡散板として好適である。

Claims (3)

  1. (A)(1)下記一般式(I)で表される特定単量体の開環重合体、または(2)下記一般式(I)で表される特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体、以上の(3)上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体、からなる環状オレフィン系樹脂:90〜99.9重量%、ならびに(B)架橋性モノマーとしてジビニルベンゼンとともに、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリルリレート、シアン化ビニル化合物、不飽和脂肪酸およびアミド系モノマーから選ばれた重合性モノマーを用いて得られる、殻構造を有する有機架橋粒子:10〜0.1重量%〔ただし、(A)+(B)=100重量%〕を含有する光拡散性樹脂組成物。
    〔式中、R 〜R は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていてもよい。R とR またはR とR は、一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R またはR とR またはR とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。〕
  2. (B)殻構造を有する有機架橋粒子における殻部分の体積分率が99.99%〜40%である請求項1記載の光拡散性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の光拡散性樹脂組成物を成形してなる成形品。
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