JP2007112935A - 光拡散性樹脂組成物、成形品および導光体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環状オレフィン系樹脂(A)99〜99.999重量%と、中空粒子(B)0.001〜1重量%とを含有し(ただし、(A)+(B)=100重量%とする)、前記環状オレフィン系樹脂(A)の屈折率nAと前記中空粒子(B)の屈折率nBとの差の絶対値が│nB−nA│≧0.04であり、前記中空粒子(B)の平均粒子径が2.0μm以上であることを特徴とする光拡散性樹脂組成物、ならびにこの光拡散性樹脂組成物を成形してなる成形品および導光体。
【選択図】なし
Description
中空粒子(B)の屈折率nBとの差の絶対値│nB−nA│が0.04以上であり、前記中
空粒子(B)の平均粒子径が2.0μm以上であることを特徴とする。
前記中空粒子(B)は有機架橋粒子であることが好ましく、また、前記中空粒子(B)の空孔率は0.01〜60体積%であることが好ましい。
(A)環状オレフィン系樹脂:
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂(A)としては、下記式(I)で表される環状オレフィンの(共)重合体が挙げられる。
(1)上記式(I)で表される環状オレフィンの開環重合体
(2)上記式(I)で表される環状オレフィンと共重合性単量体との開環共重合体
(3)上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体
(4)上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体
(5)上記式(I)で表される環状オレフィンと不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体
(6)上記式(I)で表される環状オレフィンと、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体との付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体
(7)上記式(I)で表される環状オレフィンとアクリレートとの交互共重合体
が挙げられる。
上記式(I)における1価の有機基としては、炭素数1〜30の炭化水素基、炭化水素
基以外の1価の極性基が挙げられる。上記1価の極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基などの極性を有する2価の有機基からなる連結基を介して結合した炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの極性基のうち、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が特に好ましい。
上記式(I)で表される環状オレフィンとしては、たとえば、以下の化合物が例示できるが、これらの化合物に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
上記式(II)中、Rは炭素数が好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1または2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは、通常0〜5であり、nの値が小さい環状オレフィンほど、ガラス転移温度が高い環状オレフィン系樹脂が得られるため好ましく、nが0である環状オレフィンは合成が容易である点で特に好ましい。
上記開環重合体(1)および開環共重合体(2)は、メタセシス触媒の存在下で、上記環状オレフィンを開環重合させる、または上記環状オレフィンと共重合性単量体とを開環
共重合させることにより得ることができる。
上記共重合性単量体としては、シクロオレフィンが挙げられ、炭素数が好ましくは4〜20、より好ましくは5〜12のシクロオレフィンが望ましい。より具体的には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどを挙げることができる。これらのシクロオレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい
上記環状オレフィンと上記共重合性単量体との使用割合は、重量比(環状オレフィン/共重合性単量体)で100/0〜50/50が好ましく、100/0〜60/40が好ましい。なお、「環状オレフィン/共重合性単量体=100/0」は、環状オレフィンの単独重合における使用割合を意味する。
開環(共)重合反応において用いられるメタセシス触媒は、下記の化合物(a)と化合物(b)との組合せからなる触媒である。
(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(b)デミングの周期律表IA族元素(例えば、Li、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)およびIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)から選ばれる少なくとも1つの元素を含む化合物であって、前記元素と炭素との結合または前記元素と水素との結合を少なくとも1つ有する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
上記化合物(a)の具体例としては、WCl6、MoCl6、ReOCl3など、特開平
1−132626号公報の第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
iHなど、特開平1−132626号公報の第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
上記添加剤(c)と化合物(a)との割合は、モル比〔(c):(a)〕で、通常0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1である。
開環(共)重合反応において、溶媒は、後述する分子量調節剤溶液を構成する溶媒や、
環状オレフィンおよび/またはメタセシス触媒の溶媒として使用される。このような溶媒としては、たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;クロロベンゼンなどのハロゲン化アリール;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
<分子量調節剤>
得られる開環(共)重合体の分子量は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によって調節することも可能であるが、分子量調節剤を反応系に共存させることによっても調節することができる。
上記開環共重合体は、環状オレフィンと共重合性単量体とを開環共重合させて得ることができるが、さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下で環状オレフィンを開環共重合させてもよい。
上記開環(共)重合体は、そのままでも用いることができるが、さらにこれを水素添加して得られる水素添加(共)重合体(3)は、耐衝撃性に優れた樹脂として有用である。
上記水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられる触媒を使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。これらの触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
水素添加(共)重合体(3)の水素添加率は、500MHzの条件で1H−NMRによ
り測定した値が、通常50%以上、好ましく70%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れ、長期にわたって安定した特性を有する導光体などの成形品を得ることができる。
(4)水素添加(共)重合体:
上記水素添加(共)重合体(4)は、上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加することにより得ることができる。
、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土などのルイス酸、ブレンステッド酸が挙げ
られる。
(5)飽和共重合体:
上記飽和共重合体(5)は、付加重合触媒の存在下で、上記環状オレフィンに不飽和二重結合含有化合物を付加重合させることにより得ることができる。付加重合法は従来公知の方法を適用できる。
不飽和二重結合含有化合物としては、たとえば、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン系化合物を挙げることができ、これらのうち、炭素数が好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜8のオレフィン系化合物が望ましい。
付加重合触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物と、助触媒として有機アルミニウム化合物との組み合わせが挙げられる。
VO(OR)aXb、またはV(OR)cXd
〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。〕
で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物が挙げられる。
また、飽和共重合体(5)の分子量の調節は、通常、水素を用いて行うことができる。
上記付加型(共)重合体(6)は、上記環状オレフィンに、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体を付加重合させることにより得ることができる。
上記ビニル系環状炭化水素系単量体としては、たとえば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体、4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体、スチレン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体、d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体、4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体、4−ビニルシクロヘプタン
、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。これらの単量体のうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。また、これらの単量体は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記シクロペンタジエン系単量体としては、たとえば、シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらの単量体のうち、シクロペンタジエンが好ましい。また、これらの単量体は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記付加型(共)重合体(6)の水素添加(共)重合体は、上記付加型(共)重合体(6)を、上記水素添加(共)重合体(3)と同様の方法により水素添加することにより得ることができる。
上記交互共重合体(7)は、ルイス酸等の存在下で上記環状オレフィンとアクリレートとをラジカル重合させることにより得ることができる。
上記アクリレートとしては、たとえば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート;グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート;ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート;イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
また、フリーラジカルを発生する公知の有機過酸化物またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることもできる。
gが好ましく、0.3〜3dl/gがさらに好ましく、0.4〜1.5dl/gが特に好ましい。また、テトラヒドロフランを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、カラム:東ソー(株)製TSKgel G7000HXL×1、TSKgel GMHXL×2およびTSKgel G2000HXL×1の4本直列)で測定したポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が好ましくは8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)が好ましくは20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000である。
にある環状オレフィン系樹脂は、成形加工性に優れ、かつ耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性に優れた成形品を得ることができる。
本発明に用いられる中空粒子(B)は、内部に空洞を有し、外殻が無機または有機のポリマー成分からなる粒子である。中空粒子の外形状は特に限定されないが、実質的に表面に角部を有しない球状の中空粒子は、得られる光拡散性成形品の光拡散性と明るさとのバランスが優れる点で好ましい。また、中空粒子(B)の内部は、1つの空洞であってもよいし、複数の空洞を有していてもよい。
上記中空粒子(B)の平均粒子径は、2.0μm以上、好ましくは2.0〜6.0μm、より好ましくは3.0〜5.0μm、特に好ましくは3.0〜4.0μmである。平均粒子径が上記範囲にあると、光拡散性に優れ、導光方向に色分散を生じにくい成形品を得ることができる。
。これらの中空粒子のうち、環状オレフィン系樹脂(A)との親和性や成形加工性などを考慮すると有機架橋粒子が好ましい。
上記架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼンなどの非共役ジビニル化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの多価アクリレート化合物等、2個以上、好ましくは2個の共重合性二重結合を有する化合物が好ましい。
(1)発泡剤を含有する有機架橋粒子を調製し、その後、この発泡剤を発泡させる方法
(2)ブタンなどの揮発性物質を封入した有機架橋粒子を調製し、その後、この揮発性物質をガス化膨張させる方法
(3)架橋性モノマーと他の重合性モノマーとの重合体を溶解し、これに空気などの気体ジェットを吹き付け、重合体に気泡を封入した後、この重合体を粒子化する方法
(4)アルカリ膨張性の物質を含有する有機架橋粒子を調製し、その後、この有機架橋粒子にアルカリ性液体を浸透させてアルカリ膨張性の物質を膨張させる方法
(5)ポリメタクリレートの微粒子をシード粒子として用い、このシード粒子の存在下でスチレンを乳化重合する方法
(6)他の重合性モノマーを水中に微分散させて水中油滴エマルジョンを作製し、これに架橋性モノマーを添加して重合する方法
(7)有機架橋粒子をシード粒子として用い、このシード粒子上に非相溶性の架橋性ポリマーを重合、架橋する二段階架橋方法
(8)架橋性モノマーと他の重合性モノマーとの重合体の重合収縮により製造する方法
(9)有機架橋粒子を噴霧乾燥する方法
などが挙げられる。
本発明に係る光拡散性樹脂組成物は、上記環状オレフィン系樹脂(A)を99〜99.999重量%、好ましくは99.8〜99.99重量%の範囲で、上記中空粒子(B)を0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.2重量%の範囲で含有する。ただし、環状オレフィン系樹脂(A)と中空粒子(B)との合計を100重量%とする。中空粒子(B)を上記範囲で配合すると、光拡散性と光透過性とのバランスに優れた成形品が得られる。
また、上記光拡散性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、たとえば、特開平9−221577号公報、特開平10−287732号公報に記載されている特定の炭化水素系樹脂、または公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合してもよい。また、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどの公知の酸化防止剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、あるいはベンジルマロネート系化合物などの紫外線吸収剤を添加することによって上記光拡散性樹脂組成物を安定化することができる。さらに、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
(1)環状オレフィン系樹脂(A)を可溶な溶媒に溶解した状態で中空粒子(B)を分散させ、公知の方法で溶媒を除去して上記樹脂組成物を得る方法
(2)環状オレフィン系樹脂(A)を溶融させた状態で中空粒子(B)を分散させる方法などが挙げられる。
後の溶液、水素添加後の溶液、触媒除去後の溶液、濃縮された溶液、ペレット状の環状オレフィン系樹脂(A)を溶解した溶液などを用いることができる。
本発明に係る光拡散性樹脂組成物は、光拡散性の成形品を成形した場合に目視で判別できる大きさ、好ましくは50μm以上の大きさの異物が可能な限り存在しないことが好ましい。このような異物の含有量は5個/10g以下、好ましくは3個/10g以下、さらに好ましくは0個/10gが望ましい。
均一性を有する成型品が得られやすい点で、減圧乾燥機または窒素などの不活性ガスの循環による乾燥機を使用することが好ましい。
本発明に係る成形品は、上記光拡散性樹脂組成物を公知の方法で成形することにより製造できる。この成形品の形状は、特に限定されないが、光学特性を十分に発揮できる点で平板状が好ましく、厚みが均一なもの、厚みが連続的に変化するクサビ形状のもの、意匠のついたものなど、その用途に応じて適宜設定することができる。
(1)射出成形:
射出成形に使用される射出成形機は特に規定されないが、たとえば、シリンダーの方式としてはインライン方式、プリプラ方式;駆動方式としては油圧式、電動式、ハイブリッド式;型締め方式としては直圧式、トグル式;射出方向としては横型、縦型などが挙げられる。また、型締め方式は射出圧縮できるものでもよい。シリンダー径および型締め力は目的の成形品の形状により決まるが、一般に成形品の投影面積が大きいほど型締め力を大きく、成形品の容量が大きい場合はシリンダー径の大きなものを選ぶことが好ましい。
のスクリュー形状は適宜選択でき、スクリュー表面には、クロム系、チタン系、窒化物系、炭素系など、公知のコーティングを施すことも可能である。また、計量や射出動作の安定性を目的にスクリューの回転や圧力制御などの機構を設けることも可能である。また、シリンダー内や樹脂組成物を貯蔵するホッパー内を減圧にしたり、シリンダーおよびホッパーを窒素などの不活性ガスでシールしたりすることは、成形品が安定に得られるという観点から好ましい。
公知の合金類が挙げられ、表面を焼き入れ処理、クロム、チタン、ダイヤモンドなどによる公知のコーティング処理、またはニッケル系金属、銅合金などによるパターン加工のための金属メッキを施してもよい。
金型キャビティー内を減圧にして射出成形する場合、減圧度は、ゲージ圧で、−0.08MPa以下が好ましく、さらに好ましくは−0.09MPa以下、特に好ましくは−0.1MPa以下である。上記範囲を超える減圧度では減圧度が不足し、光透過性および光拡散性に優れた成形品を得ることができないことがある。
間隔を狭くする方法が適用できる。
射出成形のその他の条件は、特に限定されるものではないが、通常、シリンダー温度が260℃〜350℃、金型温度は、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tgに基づいて、通常Tg−1℃〜Tg−40℃、好ましくはTg−5℃〜−25℃の範囲が好ましい。また、射出速度は、本発明の成形品の大きさや成形機のシリンダーサイズにより異なるが、たとえば、シリンダー径が28mmの場合、通常80mm/sec以上、好ましくは90〜250mm/secの高速が好ましい。保圧は、成形品の形状が保持できる程度の最小圧・時間に適宜調整してかけることが好ましい。
本発明の成形品を押出成形する方法としては、通常の押出機で光拡散性樹脂組成物を溶
融して、これをギアポンプで定量的に計量し、スリット状の出口を持つダイを通して押し出し、シート状またはフィルム状に引き伸ばされた樹脂組成物を、ロールまたはベルトなど(以下、まとめて「ロール等」という。)の鏡面または意匠性の模様を刻んだ表面に接触させることにより、シートまたはフィルム(以下、まとめて「シート等」という。)の表面に鏡面または特定の意匠形状を転写し、このシート等を冷却した後、裁断機で裁断したり、巻き取り機で巻き取ったりして、定尺で所定の寸法のシート等を得る方法が挙げられる。
転写に使用するロール等は、平滑なシート等を作成する場合には、鏡面状に研磨されていることが好ましく、表面研磨状態は、表面粗さで、最大粗さ0.1μm(0.1s)以下であることが好ましい。最大粗さが上記範囲を超えると、ロール等の表面の粗さがシート等の表面に転写されるため、シート等の外観上の欠点となることがあるため好ましくない。使用するロール等の材質は、鉄、ステンレス、ハードクロームメッキを施した鉄などが好ましい。また、離型性を改良するために、溶射などにより、酸化アルミニウムや酸化クロムなどの金属酸化物やタングステンやタングステンカーバイドなどの超硬金属などで鉄やステンレスに処理を施すことも好ましい。
上記立体模様は、特に限定されるものではなく、たとえば、プリズム形状、半円状、楕円形状、矩形形状、V字型形状の溝または山形状、半球状、半楕円状、円錐状、多角錐状、円錐台状、多角錐台状などの凸あるいは凹形状、ランダムな凸凹形状、格子形状、分岐溝形状、その他任意のパターン形状などが挙げられる。これらの機能も特に限定されるものではないが、集光、散乱、回折、偏光などの光学的機能を与えるものが好ましく用いられる。
などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」は、特に断らない限り、「重量部」および「重量%」である。
(固有粘度:ηinh)
クロロホルムを溶媒として、重合体濃度0.5g/dlの試料を調製し、30℃の条件下でウベローデ粘度計にて測定した。
東ソー株式会社製HLC−8020ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、カラム:東ソー(株)製TSKgel G7000HXL×1、TSKgel GMHXL×2およびTSKgel G2000HXL×1の4本直列)を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒で測定し、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、Mnはポリスチレン換算の数平均分子量を表す。
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を用いて、昇温速度20℃/分、窒素気流下で測定した。
架橋粒子:
架橋粒子を60メッシュの金網でふるいにかけたものに、屈折率標準液(Cargille社製)を滴下して混合した後、光学顕微鏡で観察し、粒子の輪郭が見えなくなる標準液の屈折率を、架橋粒子の屈折率値とした。測定は20℃で実施した。
環状オレフィン系樹脂:
環状オレフィン系樹脂を射出成形して40mm×60mm×3.2mmの平板を作製し、(Tg+5)℃で30分間アニールを行った。その後、さらに25℃、50RH%の環境下に1週間放置した後、25℃、50RH%の環境下で屈折率計(カールツァイスイエナ社製 PR−2)を用いて屈折率を測定した。
粒度分布測定装置(日機装社製 マイクロトラックUAP150)を用いて光散乱法により粒度分布を測定した。得られた粒度分布を対数確率紙にプロットし、累積が50%となった粒径を平均粒子径とした。
空孔率は粒子の断面を電子顕微鏡で観察し、その画像を処理することにより算出した。(A)単一の空孔よりなる中空粒子の場合
粒子の外径をd1、中空部の外径をd2とし、空孔率を次式で算出した。
(B)複数の空孔よりなる中空粒子の場合
粒子の断面の画像解析を行い、中空部の占める面積Aを算出した。次式で、複数の空孔を単一の空孔とみなしたときの相当径d3を算出した。
みなし相当径d3と外径d1より空孔率を次式で算出した。
空孔率=(d3/d1)3×100
<環状オレフィン系樹脂の合成>
[合成例1]
環状オレフィンとして8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン250部と、分子量調節剤として1−ヘキセン41部
と、開環重合反応用溶媒としてトルエン750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度1.5モル/L)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングズテン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.7部とを添加し、この溶液を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体を含む溶液を得た。
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]3を0.48部添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより水
素添加反応させた。得られた反応溶液(水素添加重合体を含む溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。
その後、回収した水素添加重合体をトルエンに溶解して濃度20%の溶液を調製し、孔径1μmのフィルターでろ過した後、再度、多量のメタノール中に注いで水素添加重合体を凝固させ、回収した。この再溶解/析出・回収操作を3回繰り返し、最後に得られた水素添加重合体を、減圧下、100℃で12時間乾燥した後、溶融押出機を用いて造粒してペレットを調製した。
00%であった。
2、Mwは75,000、Mw/Mnは3.5、Tgは164℃であった。
[合成例2]
環状オレフィンとして8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン225部とビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
25部とを使用し、分子量調節剤として1−ヘキセンを43部使用した以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「環状オレフィン系樹脂A2」という)の水素添加率は、実質的に100%であった。
wは62,000、Mw/Mnは3.5、Tgは141℃であった。
[合成例3]
環状オレフィンとして8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン250部、開環重合反応用溶媒としてシクロヘキサン750部を使用した以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「環状オレフィン系樹脂A3」という)の水素添加率は、実質的に100%であった。
wは65,000、Mw/Mnは3.0、Tgは145℃であった。
<架橋粒子の調製>
[調製例1]
スチレン98部、メタクリル酸2部、t−ドデシルカプタン10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05部、過酸化カリウム0.4部、および水200部を2リットルのフラスコに入れ、攪拌しながら窒素ガス中にて70℃に昇温して6時間重合を行った。これにより重合収率98%で平均粒子径0.31μmのシードポリマー粒子を得た。
[調製例2]
シードポリマー粒子の添加量を7部に変更した以外は、調製例1と同様にして粉体状の架橋粒子b1を得た。この架橋粒子b1は、平均粒子径0.8μm、空孔率47%の中空粒子であった。また、この架橋粒子b1の28℃における屈折率1.59であった。
ジビニルベンゼン50部の代わりに、をジビニルベンゼン5部とスチレン45部とを使用した以外は、調製例1と同様にして架橋粒子c1を得た。この架橋粒子c1は、平均粒子径が3.3μmであったが、空孔は認められなかった(空孔率0%)。また、この架橋粒子c1の28℃における屈折率は1.59であった。
<樹脂組成物の製造>
環状オレフィン系樹脂を予め100℃で4時間、真空乾燥した。その後、表1および表2に示す割合で環状オレフィン系樹脂と架橋粒子とをタンブラー型ブレンダーで予備混合した。
<射出成形>
金型キャビティー(1)(80mm×60mm、厚み1mmの両鏡面平板)を用い、射出成形機(住友重機械工業(株)製SG75M−S、シリンダー径28mm、型締め75トン)にて射出成形した。射出成形速度は100mm/sec、シリンダー温度は樹脂のTg+140℃〜Tg+160℃の範囲の温度、金型温度は樹脂のTg−20℃〜Tg−10℃の範囲の温度とした。以下、ここで作製した射出成形品を「射出成形品(1)」という。
十分に清掃した、コートハンガー型マニホールドを有する650mm幅のTダイを50mmφの90mm押出機(ジーエムエンジニアリング(株)製GM−90)に取り付けた。ダイスリップ部にとりつけたアルミニウム製のカバーから、純度99.9%の窒素を0
.6m3/hrの流速で流して窒素封止しながら、Tダイと押出機を昇温した。
<光学特性の評価>
射出成形品(1)および押出成形品(1)を下記の方法により評価した。
射出成形品(1)および押出成形品(1)それぞれについて、村上色彩技術研究所製ヘーズ・透過率計HM−150を使用して、全光線透過率をJIS K7361−1に準拠して、ヘイズをJIS K7136に準拠して測定した。
射出成形品(1)および押出成形品(1)それぞれについて、村上色彩技術研究所製自動変角光度計GP−200を用いて、−90°から+90°までの拡散透過率分布を測定して、光透過率が0.1%以下となる角度を求めた。
射出成形品(1)および押出成形品(1)それぞれについて、成形品の端部より1500cd/m2の光を入光させ、端部から30mmにおけるYI値〔YI(30)〕と端部
から60mmにおけるYI値〔YI(60)〕とを測定し、これらの差〔YI(60)−YI(30)〕を算出した。この値が小さいほど色相がより均一であることを意味する。
射出成形品(1)および押出成形品(1)それぞれについて、成形品の端部より1500cd/m2の光を入光させ、端部から30mmにおける輝度〔L(30)〕と、端部か
ら60mmにおける輝度〔L(60)〕を測定し、これら輝度の比〔L−R=L(60)/L(30)〕を算出した。この値が小さいほど輝度がより均一であることを意味する。
<樹脂組成物の製造>
表3および表4に示す割合で環状オレフィン系樹脂と架橋粒子とを予備混合した以外は、実施例1〜7および比較例1〜7と同様にして光拡散性の樹脂組成物を得た後、窒素を封入したアルミ袋中で保管した。
金型キャビティー(1)の代わりに、40mm×30mm、厚み0.8mmで、片面は鏡面、もう一方の面にはピッチ250μm、深さ10μmのプリズムパターンを有する金型キャビティー(2)を使用した以外は、実施例1〜5および比較例1〜4と同様にして射出成形した。以下、ここで作製した射出成形品を「導光体A」という。
実施例6〜7および比較例5〜7と同様にしてシートを作製し、超音波カッターで80mm×150mmの押出成形品を切り出した後、ピッチ250μm、高さ10mmのプリズムパターンを有し、Tg+30℃〜Tg+50℃の範囲の温度に加熱した熱プレスを用いて、上記押出成形品の片面にプリズムを形成した。以下、このプリズムを有する押出成形品を「導光体B」という。
導光体AおよびBを下記の方法により評価した。
導光体の端部より、光度1200mcdの白色LED四灯を用いて光を入光させ、下記の光学特性を評価した。
光源(導光体入光面の端部)から3.5mmの位置における光源起因の輝線を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
A 輝線は観察されなかった。
B 弱い輝線が観察された。
C 明確な輝線が観察された。
導光体のプリズム面を矩形面積で均等に9分割して各領域の輝度を測定し、プリズム面における最大輝度に対する最小輝度の割合(%)を求めた。この値が100%に近いほどプリズム面の輝度が均一であることを意味する。
Claims (6)
- 環状オレフィン系樹脂(A)99〜99.999重量%と、中空粒子(B)0.001〜1重量%とを含有し(ただし、(A)+(B)=100重量%とする)、
前記環状オレフィン系樹脂(A)の屈折率nAと前記中空粒子(B)の屈折率nBとの差の絶対値│nB−nA│が0.04以上であり、
前記中空粒子(B)の平均粒子径が2.0μm以上である
ことを特徴とする光拡散性樹脂組成物。 - 前記屈折率nAとnBとが、nB>nAの関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光拡散性樹脂組成物。
- 前記中空粒子(B)が有機架橋粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散性樹脂組成物。
- 前記中空粒子(B)の空孔率が0.01〜60体積%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物を射出成形してなる、液晶表示装置のエッジライト型バックライト用導光体。
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