JP2007112935A - 光拡散性樹脂組成物、成形品および導光体 - Google Patents

光拡散性樹脂組成物、成形品および導光体 Download PDF

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JP2007112935A JP2005307221A JP2005307221A JP2007112935A JP 2007112935 A JP2007112935 A JP 2007112935A JP 2005307221 A JP2005307221 A JP 2005307221A JP 2005307221 A JP2005307221 A JP 2005307221A JP 2007112935 A JP2007112935 A JP 2007112935A
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Yoshihisa Mizuno
善久 水野
Kazuhiro Nakamura
和洋 中村
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Abstract

【課題】明るさと光拡散性能と色相均一性とのバランスに優れた導光体およびこの導光体に好適な光拡散性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】環状オレフィン系樹脂(A)99〜99.999重量%と、中空粒子(B)0.001〜1重量%とを含有し(ただし、(A)+(B)=100重量%とする)、前記環状オレフィン系樹脂(A)の屈折率nAと前記中空粒子(B)の屈折率nBとの差の絶対値が│nB−nA│≧0.04であり、前記中空粒子(B)の平均粒子径が2.0μm以上であることを特徴とする光拡散性樹脂組成物、ならびにこの光拡散性樹脂組成物を成形してなる成形品および導光体。
【選択図】なし

Description

本発明は、環状オレフィン系樹脂と中空粒子とを含有する光拡散性樹脂組成物、ならびにこの光拡散性樹脂組成物を成形してなる光拡散性成形品および液晶表示装置のエッジライト型バックライトに用いられる導光体に関する。
従来、エッジライト型バックライトの光源としては、冷陰極管または線状のライトガイドなどの線光源が用いられてきた。しかしながら、最近のバックライトの輝度向上や低消費電力化の要求に対して、LEDなどの点光源を一個または複数個用いた光源が主流となりつつある。この場合、光源の光が液晶表示装置などの画面全体に均一に拡がるように導光体が用いられる。
点光源を用いたバックライト用導光体を液晶表示装置の照明装置として使用する場合、光源近傍に輝線が発生し、局所的な輝度むらが生じるという問題がある。この問題の解決方法として、光散乱性の粒子を導光体中に分散させ、光源付近の輝度を均一化する手法が採られている(たとえば、特開平6−624330号公報(特許文献1)参照)。
従来、これらの光拡散機能を付与するための粒子として、ガラス、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、ジルコニア、シリコン樹脂などの無機粒子や、アクリルモノマーやスチレンモノマーなどを主成分として重合・架橋した有機ポリマー粒子が用いられている。
しかしながら、近年、ディスプレイの高輝度化に伴って高輝度のLEDが光源として用いられるようになり、光拡散性と光透過性という相反する性能の両立が特に求められており、従来公知の無機粒子あるいは有機粒子を分散した光拡散性樹脂組成物では、このような性能の両立が困難であった。
特開平6−624330号公報
本発明の目的は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、明るさ(高輝度)と光拡散性能と色相均一性とのバランスに優れた成形品、特に導光体を提供すること、およびこの成形品を製造するための光拡散性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、環状オレフィン系樹脂に、この環状オレフィン系樹脂と特定の範囲の屈折率差を有し、かつ特定の範囲の平均粒子径を有する中空粒子を分散させた樹脂組成物から、明るさと光拡散性能と色相均一性とのバランスに優れた板状成形品が得られることを見出し、さらに、この板状成形品が液晶表示装置用エッジライト型バックライトの導光体として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る光拡散性樹脂組成物は、環状オレフィン系樹脂(A)99〜99.999重量%と、中空粒子(B)0.001〜1重量%とを含有し(ただし、(A)+(B)=100重量%とする)、前記環状オレフィン系樹脂(A)の屈折率nAと前記
中空粒子(B)の屈折率nBとの差の絶対値│nB−nA│が0.04以上であり、前記中
空粒子(B)の平均粒子径が2.0μm以上であることを特徴とする。
前記屈折率nAとnBとは、nB>nAの関係を満たすことが好ましい。
前記中空粒子(B)は有機架橋粒子であることが好ましく、また、前記中空粒子(B)の空孔率は0.01〜60体積%であることが好ましい。
本発明に係る成形品および液晶表示装置のエッジライト型バックライト用導光体は、上記光拡散性樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする。
本発明によると、成形加工性および高温安定性に優れるとともに、明るさと光拡散性能と色相均一性とのバランスに優れた成形品が得られる樹脂組成物およびその成形品を得ることができる。この成形品は、液晶表示装置のエッジライト型バックライト用導光体として有用である。
本発明に係る光拡散性樹脂組成物は、環状オレフィン系樹脂(A)および中空粒子(B)を含有する。まず、これらの成分について説明する。
(A)環状オレフィン系樹脂:
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂(A)としては、下記式(I)で表される環状オレフィンの(共)重合体が挙げられる。
Figure 2007112935
式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基であり、R1とR2、またはR3とR4は、一体化して2価の有機基を形成してもよく、R1またはR2と、R3またはR4とは、互いに結合して単環構造または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。
より具体的な環状オレフィン系樹脂(A)としては、
(1)上記式(I)で表される環状オレフィンの開環重合体
(2)上記式(I)で表される環状オレフィンと共重合性単量体との開環共重合体
(3)上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体
(4)上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体
(5)上記式(I)で表される環状オレフィンと不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体
(6)上記式(I)で表される環状オレフィンと、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体との付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体
(7)上記式(I)で表される環状オレフィンとアクリレートとの交互共重合体
が挙げられる。
<環状オレフィン>
上記式(I)における1価の有機基としては、炭素数1〜30の炭化水素基、炭化水素
基以外の1価の極性基が挙げられる。上記1価の極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基などの極性を有する2価の有機基からなる連結基を介して結合した炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの極性基のうち、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が特に好ましい。
上記式(I)で表される環状オレフィンは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記式(I)で表される環状オレフィンとしては、たとえば、以下の化合物が例示できるが、これらの化合物に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン

8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン

8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
このような環状オレフィンのうち、上記式(I)において、R1およびR3がそれぞれ独立に、水素原子または炭素数が好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4、特に好ましくは1もしくは2の炭化水素基、好ましくはアルキル基、特に好ましくはメチル基であり;R2およびR4がそれぞれ独立に水素原子または1価の有機基であり、かつR2およびR4のうちの少なくとも1つが水素原子または上記1価の極性基であり;mは0〜3の整数が好ましく、pは0〜3の整数が好ましく、より好ましくはm+pが0〜4、特に好ましくはm+pが0〜2であり、最も好ましくはm=1、p=0である環状オレフィンが望ましい。m=1、p=0である環状オレフィンは、ガラス転移温度が高く、かつ機械的強度も優れた環状オレフィン系樹脂が得られる点で最も好ましい。
さらに、R2およびR4のうちの少なくとも1つが、下記式(II)で表される極性基である環状オレフィンは、高いガラス転移温度と低い吸湿性、各種材料との優れた密着性を有する環状オレフィン系樹脂が得られる点で好ましい。
−(CH2nCOOR (II)
上記式(II)中、Rは炭素数が好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1または2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは、通常0〜5であり、nの値が小さい環状オレフィンほど、ガラス転移温度が高い環状オレフィン系樹脂が得られるため好ましく、nが0である環状オレフィンは合成が容易である点で特に好ましい。
特に、上記式(II)で表される極性基は、アルキル基であるR1またはR3が結合している炭素原子に結合していることが、吸湿性の低い環状オレフィン系樹脂が得られる点で好ましい。
(1)開環重合体および(2)開環共重合体:
上記開環重合体(1)および開環共重合体(2)は、メタセシス触媒の存在下で、上記環状オレフィンを開環重合させる、または上記環状オレフィンと共重合性単量体とを開環
共重合させることにより得ることができる。
<共重合性単量体>
上記共重合性単量体としては、シクロオレフィンが挙げられ、炭素数が好ましくは4〜20、より好ましくは5〜12のシクロオレフィンが望ましい。より具体的には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどを挙げることができる。これらのシクロオレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい
上記環状オレフィンと上記共重合性単量体との使用割合は、重量比(環状オレフィン/共重合性単量体)で100/0〜50/50が好ましく、100/0〜60/40が好ましい。なお、「環状オレフィン/共重合性単量体=100/0」は、環状オレフィンの単独重合における使用割合を意味する。
<開環重合用触媒>
開環(共)重合反応において用いられるメタセシス触媒は、下記の化合物(a)と化合物(b)との組合せからなる触媒である。
(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(b)デミングの周期律表IA族元素(例えば、Li、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)およびIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)から選ばれる少なくとも1つの元素を含む化合物であって、前記元素と炭素との結合または前記元素と水素との結合を少なくとも1つ有する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
また、上記メタセシス触媒は、その活性を高めるために、後述の添加剤(c)を含んでいてもよい。
上記化合物(a)の具体例としては、WCl6、MoCl6、ReOCl3など、特開平
1−132626号公報の第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
上記化合物(b)の具体例としては、n−C49Li、(C253Al、(C252AlCl、(C251.5AlCl1.5、(C25)AlCl2、メチルアルモキサン、L
iHなど、特開平1−132626号公報の第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
上記添加剤(c)としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができ、さらに特開平1−132626号公報の第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に記載の化合物を使用することもできる。
上記化合物(a)と化合物(b)との割合は、金属原子比〔(a):(b)〕で、通常1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30である。
上記添加剤(c)と化合物(a)との割合は、モル比〔(c):(a)〕で、通常0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1である。
メタセシス触媒の使用量は、上記化合物(a)と環状オレフィンとのモル比〔(a):環状オレフィン〕が通常1:500〜1:50,000、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる量である。
<重合反応用溶媒>
開環(共)重合反応において、溶媒は、後述する分子量調節剤溶液を構成する溶媒や、
環状オレフィンおよび/またはメタセシス触媒の溶媒として使用される。このような溶媒としては、たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;クロロベンゼンなどのハロゲン化アリール;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量は、溶媒と環状オレフィンとの重量比(溶媒:環状オレフィン)が、通常1:1〜10:1、好ましくは1:1〜5:1となる量が望ましい。
<分子量調節剤>
得られる開環(共)重合体の分子量は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によって調節することも可能であるが、分子量調節剤を反応系に共存させることによっても調節することができる。
好適な分子量調節剤としては、たとえば、エチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。また、これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量は、開環重合反応に供される環状オレフィン1モルに対して、通常0.005〜0.6モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。
上記開環共重合体は、環状オレフィンと共重合性単量体とを開環共重合させて得ることができるが、さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下で環状オレフィンを開環共重合させてもよい。
(3)水素添加(共)重合体:
上記開環(共)重合体は、そのままでも用いることができるが、さらにこれを水素添加して得られる水素添加(共)重合体(3)は、耐衝撃性に優れた樹脂として有用である。
水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環(共)重合体を含む溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行うことができる。
<水素添加触媒>
上記水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられる触媒を使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト
/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。これらの触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、開環(共)重合体と水素添加触媒との重量比(開環(共)重合体:水素添加触媒)が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用することが好ましい。
上記水素添加(共)重合体(3)は、優れた熱安定性を有し、成形加工時や製品として使用する際の加熱によっても、その特性が劣化することはない。
水素添加(共)重合体(3)の水素添加率は、500MHzの条件で1H−NMRによ
り測定した値が、通常50%以上、好ましく70%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れ、長期にわたって安定した特性を有する導光体などの成形品を得ることができる。
また、上記水素添加(共)重合体(3)は、ゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、特に1重量%以下であることが好ましい。
(4)水素添加(共)重合体:
上記水素添加(共)重合体(4)は、上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加することにより得ることができる。
上記開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化する方法は、特に限定されず、たとえば、特開昭50−154399号公報に記載の酸性化合物を用いた公知の方法が採用できる。
上記酸性化合物として具体的には、AlCl3、BF3、FeCl3、Al23、HCl
、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土などのルイス酸、ブレンステッド酸が挙げ
られる。
環化された開環(共)重合体は、上記開環(共)重合体の水素添加反応と同様にして、水素添加することができる。
(5)飽和共重合体:
上記飽和共重合体(5)は、付加重合触媒の存在下で、上記環状オレフィンに不飽和二重結合含有化合物を付加重合させることにより得ることができる。付加重合法は従来公知の方法を適用できる。
<不飽和二重結合含有化合物>
不飽和二重結合含有化合物としては、たとえば、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン系化合物を挙げることができ、これらのうち、炭素数が好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜8のオレフィン系化合物が望ましい。
不飽和二重結合含有化合物の使用量は、環状オレフィンと不飽和二重結合含有化合物との重量比(環状オレフィン/不飽和二重結合含有化合物)で、90/10〜40/60が好ましく、85/15〜50/50がより好ましい。ただし、環状オレフィンと不飽和二重結合含有化合物との合計重量を100とする。
<付加重合触媒>
付加重合触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物と、助触媒として有機アルミニウム化合物との組み合わせが挙げられる。
上記チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタンなどを挙げることができ、ジルコニウム化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを挙げることができ、バナジウム化合物としては、下記式
VO(OR)ab、またはV(OR)cd
〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。〕
で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物が挙げられる。
上記電子供与体としては、アルコール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアナートなどの含窒素電子供与体などが挙げられる。
上記有機アルミニウム化合物としては、アルミニウム−炭素結合またはアルミニウム−水素結合を少なくとも1つ有する化合物が挙げられる。この有機アルミニウム化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれる化合物の使用量(2種以上を併用する場合はそれらの合計量)と有機アルミニウム化合物の使用量との割合は、チタン原子等に対するアルミニウム原子の比(Al/Ti等)で、通常2以上、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20である。
上記付加重合反応において用いられる溶媒としては、上記開環(共)重合反応において例示した溶媒を挙げることができる。
また、飽和共重合体(5)の分子量の調節は、通常、水素を用いて行うことができる。
(6)付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体:
上記付加型(共)重合体(6)は、上記環状オレフィンに、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体を付加重合させることにより得ることができる。
<ビニル系環状炭化水素系単量体>
上記ビニル系環状炭化水素系単量体としては、たとえば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体、4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体、スチレン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体、d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体、4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体、4−ビニルシクロヘプタン
、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。これらの単量体のうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。また、これらの単量体は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<シクロペンタジエン系単量体>
上記シクロペンタジエン系単量体としては、たとえば、シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらの単量体のうち、シクロペンタジエンが好ましい。また、これらの単量体は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記付加重合反応は、飽和共重合体(5)における付加重合反応と同様にして実施することができる。
上記付加型(共)重合体(6)の水素添加(共)重合体は、上記付加型(共)重合体(6)を、上記水素添加(共)重合体(3)と同様の方法により水素添加することにより得ることができる。
(7)交互共重合体:
上記交互共重合体(7)は、ルイス酸等の存在下で上記環状オレフィンとアクリレートとをラジカル重合させることにより得ることができる。
<アクリレート>
上記アクリレートとしては、たとえば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート;グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート;ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート;イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
上記環状オレフィンとアクリレートとの割合は、これらの合計を100モルとして、通常、環状オレフィンが30〜70モル、アクリレートが70〜30モルであり、好ましくは、環状オレフィンが40〜60モル、アクリレートが60〜40モルであり、特に好ましくは、環状オレフィンが45〜55モル、アクリレートが55〜45モルである。
上記ルイス酸の使用量は、アクリレート100モルに対して0.001〜1モルが好ましい。
また、フリーラジカルを発生する公知の有機過酸化物またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることもできる。
重合反応温度は、通常−20℃〜80℃、好ましくは5℃〜60℃である。また、重合反応用溶媒としては、上記開環(共)重合反応において例示した溶媒を挙げることができる。
なお、本発明における「交互共重合体」とは、環状オレフィンに由来する構造単位同士が隣接しない共重合体、すなわち、環状オレフィンに由来する構造単位の隣には必ずアクリレートに由来する構造単位が結合している共重合体を意味する。ただし、アクリレート由来の構造単位同士は隣接して存在していてもよい。
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂の固有粘度〔ηinh〕は、0.2〜5dl/
gが好ましく、0.3〜3dl/gがさらに好ましく、0.4〜1.5dl/gが特に好ましい。また、テトラヒドロフランを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、カラム:東ソー(株)製TSKgel G7000HXL×1、TSKgel GMHXL×2およびTSKgel G2000HXL×1の4本直列)で測定したポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が好ましくは8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)が好ましくは20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000である。
固有粘度〔ηinh〕、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)が上記範囲
にある環状オレフィン系樹脂は、成形加工性に優れ、かつ耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性に優れた成形品を得ることができる。
また、上記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常130℃以上、好ましくは130〜350℃、さらに好ましくは130〜250℃、特に好ましくは140〜200℃である。Tgが上記範囲にある樹脂は、高温条件下での使用やコーティングおよび印刷などの加熱を伴う二次加工においても変形しにくく、また、成形加工性に優れ、成形加工時の熱による樹脂の劣化も起こりにくい。
(B)中空粒子:
本発明に用いられる中空粒子(B)は、内部に空洞を有し、外殻が無機または有機のポリマー成分からなる粒子である。中空粒子の外形状は特に限定されないが、実質的に表面に角部を有しない球状の中空粒子は、得られる光拡散性成形品の光拡散性と明るさとのバランスが優れる点で好ましい。また、中空粒子(B)の内部は、1つの空洞であってもよいし、複数の空洞を有していてもよい。
上記中空粒子(B)の屈折率nBは、上記環状オレフィン系樹脂(A)の屈折率nAとの間で、屈折率差の絶対値│nB−nA│が0.04以上、好ましくは0.04〜0.09、さらに好ましくは0.05〜0.85、特に好ましくは0.06〜0.80の関係を満たす。なお、屈折率nAおよびnBはd線28℃で測定した値である。│nB−nA│が上記範囲にあると、光拡散性に優れ、光反射も小さい成形品が得られる。
さらに、屈折率nAとnBとは、光拡散性が良好となる点から、nB>nAの関係を満たすことが好ましい。
上記中空粒子(B)の平均粒子径は、2.0μm以上、好ましくは2.0〜6.0μm、より好ましくは3.0〜5.0μm、特に好ましくは3.0〜4.0μmである。平均粒子径が上記範囲にあると、光拡散性に優れ、導光方向に色分散を生じにくい成形品を得ることができる。
また、上記中空粒子(B)の空孔率は、0.01〜60体積%が好ましく、0.015〜55体積%がさらに好ましく、0.02〜50体積%が特に好ましい。空孔率が上記範囲にある中空粒子は、光拡散性能に優れ、また、環状オレフィン系樹脂中への分散性にも優れている。なお、上記空孔率は、中空粒子(B)を環状オレフィン系樹脂(A)中に分散させる前の値である。
上記中空粒子(B)としては、上記特性を有する粒子であれば、公知の無機中空粒子や有機中空粒子を用いることができる。無機中空粒子としては、たとえば、ガラス、SiO2、CaCO3、およびポリオルガノシロキサン系化合物などの無機粒子が挙げられる。有機中空粒子としては、アクリル系またはスチレン系などの有機架橋粒子などが挙げられる
。これらの中空粒子のうち、環状オレフィン系樹脂(A)との親和性や成形加工性などを考慮すると有機架橋粒子が好ましい。
上記有機架橋粒子として具体的には、特開昭62−127336号公報、特開平01−315454号公報、特開平04−126771号公報、特開2002−241448号公報で開示されている有機中空粒子が挙げられる。
また、上記有機中空粒子は、架橋性モノマーと他の重合性モノマーとを重合させることにより得ることができる。
上記架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼンなどの非共役ジビニル化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの多価アクリレート化合物等、2個以上、好ましくは2個の共重合性二重結合を有する化合物が好ましい。
上記多価アクリレート化合物としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパンなどのジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレートなどのトリアクリレート化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパンなどのジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタクリレート化合物が挙げられる。
上記架橋性モノマーのうち、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレートが好ましく、ジビニルベンゼンが特に好ましい。また、上記架橋性モノマーは単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
他の重合性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和脂肪酸;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド系モノマーなどを挙げることができる。
上記架橋性モノマーと他の重合性モノマーとを重合させて得た有機架橋粒子の内部に空洞を形成する方法として、公知の方法を採用できる。具体的には、
(1)発泡剤を含有する有機架橋粒子を調製し、その後、この発泡剤を発泡させる方法
(2)ブタンなどの揮発性物質を封入した有機架橋粒子を調製し、その後、この揮発性物質をガス化膨張させる方法
(3)架橋性モノマーと他の重合性モノマーとの重合体を溶解し、これに空気などの気体ジェットを吹き付け、重合体に気泡を封入した後、この重合体を粒子化する方法
(4)アルカリ膨張性の物質を含有する有機架橋粒子を調製し、その後、この有機架橋粒子にアルカリ性液体を浸透させてアルカリ膨張性の物質を膨張させる方法
(5)ポリメタクリレートの微粒子をシード粒子として用い、このシード粒子の存在下でスチレンを乳化重合する方法
(6)他の重合性モノマーを水中に微分散させて水中油滴エマルジョンを作製し、これに架橋性モノマーを添加して重合する方法
(7)有機架橋粒子をシード粒子として用い、このシード粒子上に非相溶性の架橋性ポリマーを重合、架橋する二段階架橋方法
(8)架橋性モノマーと他の重合性モノマーとの重合体の重合収縮により製造する方法
(9)有機架橋粒子を噴霧乾燥する方法
などが挙げられる。
上記有機中空粒子のガラス転移温度(Tg)は100℃以上であることが、本発明の樹脂組成物から得られる成形品の耐熱性を大きく損ねない点で望ましい。特に、本発明の樹脂組成物を、射出成形や押出成形など、環状オレフィン系樹脂を加熱溶融する温度で成形する場合、上記有機中空粒子が環状オレフィン系樹脂の加熱溶融温度で溶融しないことが望ましくい。また、本発明の樹脂組成物を有機溶媒を用いて調製する場合には、この有機溶媒に溶解しないことが好ましい。
〔光拡散性樹脂組成物〕
本発明に係る光拡散性樹脂組成物は、上記環状オレフィン系樹脂(A)を99〜99.999重量%、好ましくは99.8〜99.99重量%の範囲で、上記中空粒子(B)を0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.2重量%の範囲で含有する。ただし、環状オレフィン系樹脂(A)と中空粒子(B)との合計を100重量%とする。中空粒子(B)を上記範囲で配合すると、光拡散性と光透過性とのバランスに優れた成形品が得られる。
上記光拡散性樹脂組成物中において、中空粒子(B)の内部は中空の状態(空洞のまま)でもよいし、環状オレフィン系樹脂が浸入した状態でもよく、特に限定されない。
また、上記光拡散性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、たとえば、特開平9−221577号公報、特開平10−287732号公報に記載されている特定の炭化水素系樹脂、または公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合してもよい。また、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどの公知の酸化防止剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、あるいはベンジルマロネート系化合物などの紫外線吸収剤を添加することによって上記光拡散性樹脂組成物を安定化することができる。さらに、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
上記光拡散性樹脂組成物の調製方法、すなわち、上記環状オレフィン系樹脂(A)と中空粒子(B)との配合方法は、特に限定されず、公知の方法でブレンドすることができる。たとえば、
(1)環状オレフィン系樹脂(A)を可溶な溶媒に溶解した状態で中空粒子(B)を分散させ、公知の方法で溶媒を除去して上記樹脂組成物を得る方法
(2)環状オレフィン系樹脂(A)を溶融させた状態で中空粒子(B)を分散させる方法などが挙げられる。
上記(1)の調製方法において、環状オレフィン系樹脂(A)を含む溶液として、重合
後の溶液、水素添加後の溶液、触媒除去後の溶液、濃縮された溶液、ペレット状の環状オレフィン系樹脂(A)を溶解した溶液などを用いることができる。
また、ブレンド方法は特に限定されず、たとえば、公知の攪拌機を用いて混合する方法、あるいは環状オレフィン系樹脂(A)を含む溶液と中空粒子(B)とを同時に公知の押出機へ供給し、さらに同時に脱溶媒と分散とを行う方法が挙げられる。
一方、上記(2)の調製方法としては、たとえば、公知の単軸または二軸の押出機を用いる方法が挙げられる。押出機のシリンダー径は通常10〜100mmである。スクリューは公知のものを用いることができ、たとえば、単軸の場合は、フルフライト、サブフライトを組み合わせたもの、ダルメージを組み込んだもの、スクリューピッチまたは溝深さが同一スクリューにおいて変化するものが挙げられる。二軸の場合は、2条または3条のスクリュー、異方向または同方向回転のスクリュー、スクリューパーツを自由に組み合わせられるスクリューの場合にはスクリューパーツの形状をスクリュー、逆送りスクリュー、パドル式スクリュー、ヘリカルパドル式スクリューなどから自由に選択して組み込むことが可能である。
押出機は1台のみを使用してもよいが、2台以上を連結したもの、連続式およびバッチ式のニーダーと組み合わせたものを使用してもよい。押出機には、複数のフィーダーにより原料を供給してもよい。また、中空粒子(B)を押出機の途中から供給してもよい。
また、環状オレフィン系樹脂(A)と中空粒子(B)とを、公知のタンブラー式または回転式などのブレンダーや、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサーなどの混合機を用いて予め固体の状態で混合した後、押出機に供給して環状オレフィン系樹脂(A)中に中空粒子(B)を分散させてもよい。
上記環状オレフィン系樹脂(A)、または環状オレフィン系樹脂(A)と中空粒子(B)の双方を、予め、公知の方法で乾燥することが好ましい。乾燥方法としては、熱風乾燥、除湿乾燥、真空乾燥、窒素乾燥などが挙げられる。乾燥温度や乾燥時間は特に限定されるものではないが、通常、Tg−100℃〜Tg−20℃の範囲で任意に設定することが可能であり、乾燥時間は、通常2〜6時間の範囲で設定する。
押出機のホッパー、投入口、ベント口、ダイス面などを窒素またはアルゴンなどの不活性ガスでシール(封入)することも好ましい。
本発明に係る光拡散性樹脂組成物は、光拡散性の成形品を成形した場合に目視で判別できる大きさ、好ましくは50μm以上の大きさの異物が可能な限り存在しないことが好ましい。このような異物の含有量は5個/10g以下、好ましくは3個/10g以下、さらに好ましくは0個/10gが望ましい。
異物の含有量は、上記樹脂組成物をトルエン、シクロヘキサンなど樹脂溶解性を有する溶媒に溶解し、フィルターでろ過した後、顕微鏡で観察して、その大きさおよび個数を計数することにより測定できる。また、環状オレフィン系樹脂を上記溶媒に溶解し、フィルターでろ過した後、光散乱を原理とする市販の微粒子カウンターを使用して計数してもよい。
また、本発明に係る光拡散性樹脂組成物は、後述する成形加工に供する前に、予め、公知の方法で溶存する水分や酸素成分を除去することが好ましい。光拡散性樹脂組成物が粒子あるいはペレットなどの固体形状の場合でも公知の方法で乾燥を行うことができる。乾燥装置としては、熱風乾燥機、除湿乾燥機、窒素循環式乾燥機、除湿窒素循環式乾燥機、真空乾燥機など、公知の乾燥装置を用いることができる。これらの乾燥装置のうち、色相
均一性を有する成型品が得られやすい点で、減圧乾燥機または窒素などの不活性ガスの循環による乾燥機を使用することが好ましい。
乾燥温度や乾燥時間は特に限定されるものではないが、通常、Tg−100℃〜Tg−20℃の範囲で任意に設定することが可能であり、乾燥時間は、通常2〜6時間の範囲で設定する。
〔成形品および導光体〕
本発明に係る成形品は、上記光拡散性樹脂組成物を公知の方法で成形することにより製造できる。この成形品の形状は、特に限定されないが、光学特性を十分に発揮できる点で平板状が好ましく、厚みが均一なもの、厚みが連続的に変化するクサビ形状のもの、意匠のついたものなど、その用途に応じて適宜設定することができる。
平板状成形品の厚みは、通常0.2mm〜5.0mm、好ましくは0.8mm〜2.2mmである。大きさは特に限定されず、公知の液晶表示装置、透過スクリーンなどで採用されている大きさを任意に適用することができ、たとえば、1インチから40インチまで幅広く適用することが可能である。
また、上記成形品の表面には、反射防止、集光、入射光の効率化などを目的とした、プリズム、溝、シボなどの公知のパターンなどを形成することもできる。これらパターンは、成形加工時に転写させる方法、成形後にホットスタンプなどにより熱転写する方法、成形後に表面を切削する方法、または成形品表面に熱硬化あるいは紫外線硬化性樹脂などを印刷する方法など公知の方法により形成することができる。
このような成形品は明るさと光拡散性能と色相均一性とのバランスに優れ、光学部品として好適に用いられる。特に、液晶表示装置のエッジライト型バックライト導光体に好適である。この導光体は、LEDなどの点光源を用いた場合でも、光源近傍での輝線の発生による局部的な輝度のばらつきがなく、面内の輝度バランスのよいバックライトを作製することができる。
上記成形品の成形方法は、特に限定されないが、射出成形法または押出成形法が好ましい。
(1)射出成形:
射出成形に使用される射出成形機は特に規定されないが、たとえば、シリンダーの方式としてはインライン方式、プリプラ方式;駆動方式としては油圧式、電動式、ハイブリッド式;型締め方式としては直圧式、トグル式;射出方向としては横型、縦型などが挙げられる。また、型締め方式は射出圧縮できるものでもよい。シリンダー径および型締め力は目的の成形品の形状により決まるが、一般に成形品の投影面積が大きいほど型締め力を大きく、成形品の容量が大きい場合はシリンダー径の大きなものを選ぶことが好ましい。
シリンダーがインライン式の場合、圧縮比、長さ/直径の比、サブフライトの有無など
のスクリュー形状は適宜選択でき、スクリュー表面には、クロム系、チタン系、窒化物系、炭素系など、公知のコーティングを施すことも可能である。また、計量や射出動作の安定性を目的にスクリューの回転や圧力制御などの機構を設けることも可能である。また、シリンダー内や樹脂組成物を貯蔵するホッパー内を減圧にしたり、シリンダーおよびホッパーを窒素などの不活性ガスでシールしたりすることは、成形品が安定に得られるという観点から好ましい。
本発明の成形品は、公知の材質や構造を有する金型を用いて製造することができる。金型の好ましい材質としては、通常の炭素鋼、ステンレス鋼、またはこれらをベースにした
公知の合金類が挙げられ、表面を焼き入れ処理、クロム、チタン、ダイヤモンドなどによる公知のコーティング処理、またはニッケル系金属、銅合金などによるパターン加工のための金属メッキを施してもよい。
また、集光や反射防止などを目的として成形品表面にパターンを形成する場合には、金型の金属コーティング面もしくは金属メッキ面、またはスタンパ表面に、放電加工機、切削加工機などの公知の加工機で直接パターンを形成してもよいし、または電鋳などの方法でパターンを形成してもよい。
射出成形の際、成形品のソリの低減や安定した連続成形のために、金型のキャビティーを減圧にする方法または射出圧縮方法を適用することが好ましい。
金型キャビティー内を減圧にして射出成形する場合、減圧度は、ゲージ圧で、−0.08MPa以下が好ましく、さらに好ましくは−0.09MPa以下、特に好ましくは−0.1MPa以下である。上記範囲を超える減圧度では減圧度が不足し、光透過性および光拡散性に優れた成形品を得ることができないことがある。
上記範囲の減圧度は、公知の方法、たとえば真空ポンプを使用することにより達成することができ、キャビティー周囲やエジェクター機構部などに、Oリングなどの公知のシール材を使用することが好ましく、成形品への不純物混入などが生じない範囲で真空用のグリスなどを使用してもよい。また、真空ポンプ等の減圧装置と接続するための吸引口は、金型内の任意の場所に設けることができるが、通常、エジェクター機構部、スプルーおよびランナーの端部、入れ子構造部などに設けられる。また、真空吸引シーケンスは、金型の開閉に併せて電磁バルブなどで制御してもよいし、常時運転してもよいし、溶融樹脂充填時に金型キャビティー内を所望の減圧度でできる方法であれば特に制限されない。
金型キャビティー内を減圧にして射出成形する場合、キャビティーを閉じ減圧になった状態で溶融樹脂を射出するため、通常、射出遅延時間を設定する。射出遅延時間は、使用する真空ポンプの能力とキャビティーサイズに依存するが、通常、0.5〜3秒程度である。
一方、射出圧縮成形では、キャビティー間隔を成形品の厚みの1.5〜20倍に設定し、その隙間に溶融樹脂を射出し、シリンダー側で測定される樹脂の圧力を200〜2,000kgf/cm2の範囲に保持しながら、金型内の成形品面を圧縮し、キャビティーの
間隔を狭くする方法が適用できる。
また、金型のコアを成形品の厚みの1.1倍〜10倍に設定して可動状態とし、そこに溶融樹脂を射出して、射出開始あるいは射出終了後から、可動側コアを平均速度0.01mm/sec〜1mm/secで圧縮する方法も適用できる。
これらの射出圧縮方法は、公知の成形機を用いて行うことができる。
射出成形のその他の条件は、特に限定されるものではないが、通常、シリンダー温度が260℃〜350℃、金型温度は、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tgに基づいて、通常Tg−1℃〜Tg−40℃、好ましくはTg−5℃〜−25℃の範囲が好ましい。また、射出速度は、本発明の成形品の大きさや成形機のシリンダーサイズにより異なるが、たとえば、シリンダー径が28mmの場合、通常80mm/sec以上、好ましくは90〜250mm/secの高速が好ましい。保圧は、成形品の形状が保持できる程度の最小圧・時間に適宜調整してかけることが好ましい。
(2)押出成形:
本発明の成形品を押出成形する方法としては、通常の押出機で光拡散性樹脂組成物を溶
融して、これをギアポンプで定量的に計量し、スリット状の出口を持つダイを通して押し出し、シート状またはフィルム状に引き伸ばされた樹脂組成物を、ロールまたはベルトなど(以下、まとめて「ロール等」という。)の鏡面または意匠性の模様を刻んだ表面に接触させることにより、シートまたはフィルム(以下、まとめて「シート等」という。)の表面に鏡面または特定の意匠形状を転写し、このシート等を冷却した後、裁断機で裁断したり、巻き取り機で巻き取ったりして、定尺で所定の寸法のシート等を得る方法が挙げられる。
押出成形に用いる好ましい押出機としては、長さ(L)と径(D)との比(L/D)が28以上40以下であり、スクリュウ径が、押出量により決定するが、通常30mm〜125mmの押出機が挙げられる。L/Dが上記範囲にあると、好適な滞留時間が得られ、本発明の樹脂組成物を十分に溶融することができる。また、スクリュウ径が30mm未満であると、計量が安定せず、また生産性が低くなることがあり好ましくない。また、125mmを超えると、計量後、原料が滞留しやすくなるため好ましくない。
シート等の膜厚安定性などを図るために、ギアポンプを用いることも好ましい。ギアポンプとしては公知のものを用いることができるが、特に潤滑に使用した樹脂を排出する方式である外潤式が好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物を膜状に引き伸ばすためのダイとしては、Tダイが好ましく用いられ、その形状として、コートハンガーダイ、フィッシュテールダイなどが挙げられ、コートハンガーダイが特に好ましい。マニホールドの形状は特に制限はないが、滞留が小さいものが好ましい。また、Tダイの先端は、シャープエッジであることが好ましく、エッジに欠損があると、ダイラインの原因となりうるので好ましくない。特に、溶射などの手法によりタングステン−カーバイドなどの超硬コーティングを施すエッジ処理がダイラインの防止に好都合である。
Tダイからロール等に転写する際、できるだけTダイとロール等とを近づけて転写することが好ましく、その距離は50mm以下が好ましい。
転写に使用するロール等は、平滑なシート等を作成する場合には、鏡面状に研磨されていることが好ましく、表面研磨状態は、表面粗さで、最大粗さ0.1μm(0.1s)以下であることが好ましい。最大粗さが上記範囲を超えると、ロール等の表面の粗さがシート等の表面に転写されるため、シート等の外観上の欠点となることがあるため好ましくない。使用するロール等の材質は、鉄、ステンレス、ハードクロームメッキを施した鉄などが好ましい。また、離型性を改良するために、溶射などにより、酸化アルミニウムや酸化クロムなどの金属酸化物やタングステンやタングステンカーバイドなどの超硬金属などで鉄やステンレスに処理を施すことも好ましい。
また、本発明では、ロール等に立体模様を形成し、この立体模様をシート等の少なくとも片面に転写させてもよい。
上記立体模様は、特に限定されるものではなく、たとえば、プリズム形状、半円状、楕円形状、矩形形状、V字型形状の溝または山形状、半球状、半楕円状、円錐状、多角錐状、円錐台状、多角錐台状などの凸あるいは凹形状、ランダムな凸凹形状、格子形状、分岐溝形状、その他任意のパターン形状などが挙げられる。これらの機能も特に限定されるものではないが、集光、散乱、回折、偏光などの光学的機能を与えるものが好ましく用いられる。
ロール等へ立体模様を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。たとえば、切削する方法、放電加工による方法、レーザーによる加工、電鋳による方法、エッチングによる方法、硬化性樹脂を印刷する方法、サンドブラストによる方法、
などが挙げられる。
上記立体模様は、ロール等の基材を直接加工して形成することも可能であり、また、ロール等の基材を、公知のニッケルもしくは銅などの金属またはその化合物でメッキし、さらに光硬化性や熱硬化性の有機化合物を塗布した後、これらを加工することも可能である。さらに、スタンパを作製し、金属無端ベルトあるいは金属ロールと複層することも可能である。
得られたシート等をロール等から剥離する際に、テンションメーターなどで剥離力をコントロールしながらフィルムを引き取ることが好ましい。剥離力は、フィルムが撓んだり、切れたりしない程度に弱いことが好ましい。
具体的な転写の方法としては、片面にロールを使用し、ロールと反対側の面から、エア、窒素などの気圧でシート等をロール等に圧着するエアナイフ方式;静電気などを印加して電気的な力でロール等にシート等を付着させる方法;押えロールに機械的に接触させる方法などがある。これらの転写方法のうち、押えロールによる方法は、ロールとシート等との間に空気が入るのを防止し、しわなどの発生の危険性を除去できる点で好ましい。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」は、特に断らない限り、「重量部」および「重量%」である。
また、各種物性は以下の方法により測定した。
(固有粘度:ηinh
クロロホルムを溶媒として、重合体濃度0.5g/dlの試料を調製し、30℃の条件下でウベローデ粘度計にて測定した。
(分子量)
東ソー株式会社製HLC−8020ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、カラム:東ソー(株)製TSKgel G7000HXL×1、TSKgel GMHXL×2およびTSKgel G2000HXL×1の4本直列)を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒で測定し、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、Mnはポリスチレン換算の数平均分子量を表す。
(ガラス転移温度:Tg)
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を用いて、昇温速度20℃/分、窒素気流下で測定した。
(屈折率)
架橋粒子:
架橋粒子を60メッシュの金網でふるいにかけたものに、屈折率標準液(Cargille社製)を滴下して混合した後、光学顕微鏡で観察し、粒子の輪郭が見えなくなる標準液の屈折率を、架橋粒子の屈折率値とした。測定は20℃で実施した。
環状オレフィン系樹脂:
環状オレフィン系樹脂を射出成形して40mm×60mm×3.2mmの平板を作製し、(Tg+5)℃で30分間アニールを行った。その後、さらに25℃、50RH%の環境下に1週間放置した後、25℃、50RH%の環境下で屈折率計(カールツァイスイエナ社製 PR−2)を用いて屈折率を測定した。
(平均粒子径)
粒度分布測定装置(日機装社製 マイクロトラックUAP150)を用いて光散乱法により粒度分布を測定した。得られた粒度分布を対数確率紙にプロットし、累積が50%となった粒径を平均粒子径とした。
(空孔率)
空孔率は粒子の断面を電子顕微鏡で観察し、その画像を処理することにより算出した。(A)単一の空孔よりなる中空粒子の場合
粒子の外径をd1、中空部の外径をd2とし、空孔率を次式で算出した。
空孔率=(d2/d1)3×100
(B)複数の空孔よりなる中空粒子の場合
粒子の断面の画像解析を行い、中空部の占める面積Aを算出した。次式で、複数の空孔を単一の空孔とみなしたときの相当径d3を算出した。
d3=(4A/π)1/2
みなし相当径d3と外径d1より空孔率を次式で算出した。
空孔率=(d3/d1)3×100
<環状オレフィン系樹脂の合成>
[合成例1]
環状オレフィンとして8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン250部と、分子量調節剤として1−ヘキセン41部
と、開環重合反応用溶媒としてトルエン750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度1.5モル/L)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングズテン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.7部とを添加し、この溶液を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体を含む溶液を得た。
この重合反応における重合転化率は97%であった。
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6533を0.48部添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより水
素添加反応させた。得られた反応溶液(水素添加重合体を含む溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。
次いで、この反応溶液を多量のメタノール中に注いで水素添加重合体を凝固させ、回収した。
その後、回収した水素添加重合体をトルエンに溶解して濃度20%の溶液を調製し、孔径1μmのフィルターでろ過した後、再度、多量のメタノール中に注いで水素添加重合体を凝固させ、回収した。この再溶解/析出・回収操作を3回繰り返し、最後に得られた水素添加重合体を、減圧下、100℃で12時間乾燥した後、溶融押出機を用いて造粒してペレットを調製した。
このようにして得られた水素添加重合体(以下、「環状オレフィン系樹脂A1」という)の水素添加率を400MHzの条件で1H−NMRにより測定したところ、実質的に1
00%であった。
また、環状オレフィン系樹脂A1の28℃における屈折率は1.51、ηinhは0.5
2、Mwは75,000、Mw/Mnは3.5、Tgは164℃であった。
[合成例2]
環状オレフィンとして8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン225部とビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
25部とを使用し、分子量調節剤として1−ヘキセンを43部使用した以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「環状オレフィン系樹脂A2」という)の水素添加率は、実質的に100%であった。
環状オレフィン系樹脂A2の28℃における屈折率は1.51、ηinhは0.50、M
wは62,000、Mw/Mnは3.5、Tgは141℃であった。
[合成例3]
環状オレフィンとして8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン250部、開環重合反応用溶媒としてシクロヘキサン750部を使用した以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「環状オレフィン系樹脂A3」という)の水素添加率は、実質的に100%であった。
環状オレフィン系樹脂A3の28℃における屈折率は1.52、ηinhは0.50、M
wは65,000、Mw/Mnは3.0、Tgは145℃であった。
<架橋粒子の調製>
[調製例1]
スチレン98部、メタクリル酸2部、t−ドデシルカプタン10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05部、過酸化カリウム0.4部、および水200部を2リットルのフラスコに入れ、攪拌しながら窒素ガス中にて70℃に昇温して6時間重合を行った。これにより重合収率98%で平均粒子径0.31μmのシードポリマー粒子を得た。
次いで、得られたシードポリマー粒子3部、ポリビニルアルコール10部、ハイドロキノン0.05部、水500部、ベンゾイルパーオキサイド1部、ジビニルベンゼン(純度55%)50部、およびシクロヘキサノール5部を反応器に入れて30分間攪拌した後70℃に昇温して4時間重合を行い、架橋粒子を得た。その後、この架橋粒子の分散体に1%の硫酸アルミニウム水溶液を加えてろ過し、十分に水洗してシクロヘキサノールを除去した後、減圧乾燥して粉体状の架橋粒子B1を得た。
この架橋粒子B1は、平均粒子径3.3μm、空孔率48%の中空粒子であった。また、この架橋粒子B1の28℃における屈折率1.59であった。
[調製例2]
シードポリマー粒子の添加量を7部に変更した以外は、調製例1と同様にして粉体状の架橋粒子b1を得た。この架橋粒子b1は、平均粒子径0.8μm、空孔率47%の中空粒子であった。また、この架橋粒子b1の28℃における屈折率1.59であった。
[調製例3]
ジビニルベンゼン50部の代わりに、をジビニルベンゼン5部とスチレン45部とを使用した以外は、調製例1と同様にして架橋粒子c1を得た。この架橋粒子c1は、平均粒子径が3.3μmであったが、空孔は認められなかった(空孔率0%)。また、この架橋粒子c1の28℃における屈折率は1.59であった。
[実施例1〜7、比較例1〜7]
<樹脂組成物の製造>
環状オレフィン系樹脂を予め100℃で4時間、真空乾燥した。その後、表1および表2に示す割合で環状オレフィン系樹脂と架橋粒子とをタンブラー型ブレンダーで予備混合した。
二軸押出し機(TEM−37BS、東芝機械(株)製)を290℃〜300℃の範囲の温度に加熱し、ホッパーとシリンダー内を窒素で充満させた。温度が安定した後、スクリューを100rpmで回転させ、ホッパー部へ窒素を流しながら、環状オレフィン系樹脂と架橋粒子との予備混合物を20kg/hrの速度で供給して溶融混合を行い、光拡散性の樹脂組成物を得た。
得られた光拡散性樹脂組成物を100℃で4時間、真空乾燥した後、窒素を封入したアルミ袋中で保管した。
<射出成形>
金型キャビティー(1)(80mm×60mm、厚み1mmの両鏡面平板)を用い、射出成形機(住友重機械工業(株)製SG75M−S、シリンダー径28mm、型締め75トン)にて射出成形した。射出成形速度は100mm/sec、シリンダー温度は樹脂のTg+140℃〜Tg+160℃の範囲の温度、金型温度は樹脂のTg−20℃〜Tg−10℃の範囲の温度とした。以下、ここで作製した射出成形品を「射出成形品(1)」という。
<押出成形>
十分に清掃した、コートハンガー型マニホールドを有する650mm幅のTダイを50mmφの90mm押出機(ジーエムエンジニアリング(株)製GM−90)に取り付けた。ダイスリップ部にとりつけたアルミニウム製のカバーから、純度99.9%の窒素を0
.6m3/hrの流速で流して窒素封止しながら、Tダイと押出機を昇温した。
昇温開始から5時間後、280〜300℃の範囲の温度まで十分に昇温したことを確認した後、上記光拡散性樹脂組成物を押出機のホッパーに供給した。その後、樹脂組成物を溶融し、押出温度280〜300℃、吐出量100kg/hrでギアポンプにて定量供給し、上記Tダイを用いて樹脂組成物を膜状に引き伸ばした。次いで、ステンレスベルト(表面粗さ0.1s)とつや付きロール(表面粗さ0.1s)を用いて、3.2m/minの速度でシートを引き取り、シートの両面に鏡面状態を転写して剥離し、500mm幅、厚さ1mmのシートを作製した。冷却キャストドラムの温度は樹脂のTg−5℃〜Tg+20℃に設定した。
得られたシートから超音波カッターで80mm×150mmの押出成形品(1)を切り出した。
<光学特性の評価>
射出成形品(1)および押出成形品(1)を下記の方法により評価した。
(全光線透過率およびヘイズ)
射出成形品(1)および押出成形品(1)それぞれについて、村上色彩技術研究所製ヘーズ・透過率計HM−150を使用して、全光線透過率をJIS K7361−1に準拠して、ヘイズをJIS K7136に準拠して測定した。
(光拡散性)
射出成形品(1)および押出成形品(1)それぞれについて、村上色彩技術研究所製自動変角光度計GP−200を用いて、−90°から+90°までの拡散透過率分布を測定して、光透過率が0.1%以下となる角度を求めた。
(色相均一性)
射出成形品(1)および押出成形品(1)それぞれについて、成形品の端部より1500cd/m2の光を入光させ、端部から30mmにおけるYI値〔YI(30)〕と端部
から60mmにおけるYI値〔YI(60)〕とを測定し、これらの差〔YI(60)−YI(30)〕を算出した。この値が小さいほど色相がより均一であることを意味する。
(輝度均一性)
射出成形品(1)および押出成形品(1)それぞれについて、成形品の端部より1500cd/m2の光を入光させ、端部から30mmにおける輝度〔L(30)〕と、端部か
ら60mmにおける輝度〔L(60)〕を測定し、これら輝度の比〔L−R=L(60)/L(30)〕を算出した。この値が小さいほど輝度がより均一であることを意味する。
表1は射出成形品(1)についての評価結果、表2は押出成形品(1)についての評価結果を示す。
Figure 2007112935
Figure 2007112935
実施例1〜5と比較例1〜4、および実施例6〜7と比較例5〜7とをそれぞれ比較すると、本発明の光拡散性樹脂組成物から作製した成形品は、色相が均一であり、光透過性も均一であることがわかる。
[実施例8〜14、比較例8〜14]
<樹脂組成物の製造>
表3および表4に示す割合で環状オレフィン系樹脂と架橋粒子とを予備混合した以外は、実施例1〜7および比較例1〜7と同様にして光拡散性の樹脂組成物を得た後、窒素を封入したアルミ袋中で保管した。
<射出成形>
金型キャビティー(1)の代わりに、40mm×30mm、厚み0.8mmで、片面は鏡面、もう一方の面にはピッチ250μm、深さ10μmのプリズムパターンを有する金型キャビティー(2)を使用した以外は、実施例1〜5および比較例1〜4と同様にして射出成形した。以下、ここで作製した射出成形品を「導光体A」という。
<押出成形>
実施例6〜7および比較例5〜7と同様にしてシートを作製し、超音波カッターで80mm×150mmの押出成形品を切り出した後、ピッチ250μm、高さ10mmのプリズムパターンを有し、Tg+30℃〜Tg+50℃の範囲の温度に加熱した熱プレスを用いて、上記押出成形品の片面にプリズムを形成した。以下、このプリズムを有する押出成形品を「導光体B」という。
<導光体の評価>
導光体AおよびBを下記の方法により評価した。
導光体の端部より、光度1200mcdの白色LED四灯を用いて光を入光させ、下記の光学特性を評価した。
(光源起因の輝線)
光源(導光体入光面の端部)から3.5mmの位置における光源起因の輝線を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
A 輝線は観察されなかった。
B 弱い輝線が観察された。
C 明確な輝線が観察された。
(輝度均一性)
導光体のプリズム面を矩形面積で均等に9分割して各領域の輝度を測定し、プリズム面における最大輝度に対する最小輝度の割合(%)を求めた。この値が100%に近いほどプリズム面の輝度が均一であることを意味する。
表3は導光体A(射出成形品)についての評価結果、表4は導光体B(押出成形品)についての評価結果を示す。
Figure 2007112935
Figure 2007112935
実施例8〜12と比較例8〜11、および実施例13〜14と比較例12〜14とをそれぞれ比較すると、本発明の光拡散性樹脂組成物から作製した導光体は、点光源起因の輝線の発生も無く、面内の輝度も均一であることがわかる。
本発明の光拡散性樹脂組成物から作製される成形品は、液晶表示装置のエッジライト型バックライト用導光体として有用である。

Claims (6)

  1. 環状オレフィン系樹脂(A)99〜99.999重量%と、中空粒子(B)0.001〜1重量%とを含有し(ただし、(A)+(B)=100重量%とする)、
    前記環状オレフィン系樹脂(A)の屈折率nAと前記中空粒子(B)の屈折率nBとの差の絶対値│nB−nA│が0.04以上であり、
    前記中空粒子(B)の平均粒子径が2.0μm以上である
    ことを特徴とする光拡散性樹脂組成物。
  2. 前記屈折率nAとnBとが、nB>nAの関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光拡散性樹脂組成物。
  3. 前記中空粒子(B)が有機架橋粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散性樹脂組成物。
  4. 前記中空粒子(B)の空孔率が0.01〜60体積%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物を射出成形してなる、液晶表示装置のエッジライト型バックライト用導光体。
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