JP4115522B2 - 新規な5−アミノサリチル酸のアゾ誘導体 - Google Patents
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Description
本発明は、新規な5−アミノサリチル酸のアゾ誘導体、これらの化合物を含む薬剤組成物、これらの製造方法、および炎症性腸疾患の治療または予防へのこれらの使用に関する。
従来技術の説明
炎症性腸疾患(IBD)は、胃腸管に関する未知の病因の慢性炎症疾患の群に対する一般名である。IBDは、主要な2グループ、潰瘍性大腸炎およびクローン病に分けられる。これらのどちらも再発性であり、周期的な発生と終息が特徴である。再発は外科手術の後でも起こり、そのためこの選択肢は、この疾患の特定の合併症または難治の場合のために保留されている。
スルファサラジンは、最初は1940年代にリウマチ様関節炎の治療のために開発されたが、現在では炎症性腸疾患のために最も広く処方される薬剤である。スルファサラジンは、アゾ結合によりスルファピリジンに結合したサリチラート(5−アミノサリチラート)から成る。スルファサラジンは、結腸細菌により分割され、5−アミノサリチル酸(5−ASA)とスルファピリジンを生成することが証明されている。スルファピリジンは、結腸でほとんど完全に吸収、代謝され、尿中に排出されるが、5−ASAは結腸ではほとんど吸収されない。スルファサラジンの副作用の大部分は、スルファピリジン部分に帰せられる(Das et al.,New Engl.J.Med.1973;289:491-495)。1977年に、アザド・カーンらは、潰瘍性大腸炎において、活性部分は5−ASAであり(Azad Khan,A.K.et al.,Lancet 1977;2:892-5)、スルファピリジンはキャリヤーとして働くだけであり、結腸内で5−ASAの遊離を助けることをことを実証した。この発見の後、数種の新しい5−ASAベースの薬剤、例えば5−ASA単体またはその他のアゾ化合物(例えばオルサラジン(Olsalzine)、バルサラジン(Balsalazine)、イプサラジド(Ipsalazide))の徐放または緩効性配合が開発されている。しかし、症状の完全な終息をもたらし、引き続き再発を防止できるいかなる薬剤も現在存在しない。
最近、高レベルのPAFが潰瘍性大腸炎の患者からの結腸組織の試料中に検出され(Wengrower et al.,Gastroenterology,1987;92))、PAFがこの疾患に鍵となる役割をはたし得るとの示唆があり、またPAFの静脈内投与が大腸炎(Genzalez-Crusi et al.,Am.J.Pathol.1983;112:127-35及びHseuh et al.,Am.J.Pathol.1986;122:231-9)及び胃炎(Rosam et al.,Nature 1986;319:54-6及びWallace et al.,Prostaglandins 1986;31:989-98)を誘発することが認められている。
本発明は、スルファサラジンと同様に結腸内で代謝され、PAF拮抗体活性を有する5−ASAおよび芳香族アミンを放出できる4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ部分を含む一連の化合物を開示する。本発明の化合物を用いることによって、スルファピリジンの副作用が避けられるだけでなく、5−ASAのキャリヤーとしてPAF拮抗体を用ることにより、本発明の化合物は現在の治療よりもさらに炎症性腸疾患の治療に有効である。これまでPAF拮抗体と5−アミノサリチル酸を同じ分子中に結合した化合物は文献に記載されていないので、このような方法は、完全に新規である。
発明の詳細な説明
本発明は、一般式Iで表される、5−アミノサリチル酸の新規なアゾ誘導体、並びにこれらの塩および溶媒和物に関する。
式中、
4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェノルアゾ部分は、ベンゼン環の3位または4位にあってもよく、
mは1又は2を表し、
R1は、C1〜C4−アルキル又はC3〜C7−シクロアルキルを表し、
a、b及びcは、CR2(式中、それぞれのR2は独立して水素またはC1〜C4−アルキルを表す)を表し、
Xは、式(i)又は(ii)の基
(式中、これらの基は、それぞれB及びZを介して式Iのフェニル環に結合して、おり、
Aは、−CO−、−SO2−、−NHCO−又は−OCO−を表し、
Bは、式(iii)の基を表し、またAが−CO−又は−SO2−を表す場合には、Bは式(iv)、(v)、(vi)たは(vii)の基も表すことができ、
nは0、1、2又は3を表し、
pは0又は1を表し、
R3は、水素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はアリールを表し、
R4は、水素、C1〜C4−アルキル、−COOR5又は−CONR5R6を表し、
またAが−CO−又は−SO2−を表す場合には、R4は−NR5R6、−NR7C(=O)OR5、−NR7C(=O)R5、−NR7C(=O)NR5R6又は−NR7SO2R5も表すことができ、
又はR3及びR4は、一緒になってC2〜C6−ポリメチレン鎖を形成し、
R5は、C1〜C4−アルキル、アリール又はアリール−C1〜C4−アルキルを表し、
R6及びR7は、独立して、水素またはC1〜C4−アルキルを表し、
Wは、−OC(=O)−、−C(=O)−、−NR6C(=O)−又は−SO2−を表し、
R8はアリールを表し、
R9は、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、−C(=O)OR5−、−C(=O)R5、−C(=O)NR5R6又は−SO2R5を表し、
R10は、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、アリール又はアリール−C1〜C4−アルキルを表し、
Zは、−(CH2)qCO−又は−(CH2)r−を表し、
qは、0、1又は2を表し、
rは、1または2を表し、
R11は、水素またはハロゲンを表し、
R12及びR13は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキル−C1〜C6−アルキルを表し、
又はR12及びR13は一緒になってC2〜C6−ポリメチレン鎖を表し、
R14は、−COR15、−COOH、−COOR15、−CONR16R17、−C1〜C6−アルキル−OR15、−C1〜C6−アルキル−OC(=O)R15又は−C1〜C6−アルキル−OC(=O)NR16R17を表し、
R15は、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル、C3〜C7−シクロアルキル又はC1〜C6−ハロアルキルを表し、
R16及びR17は、独立して、水素、またはR15のために開示されたいずれかのものを表す)を表わし、
上記の定義中のアリールは、すべて、フェニル、又はハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ヒドロキシ、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C4−ハロアルコキシ、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニルオキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、C1〜C4−アルキルスルホニル、C1〜C4−アルキルスルフィニル、C1〜C4−アルキルチオ若しくはC1〜C4−アルキルカルボニルアミノから独立して選定した1個、2個、3個もしくは4個の基で置換されたフェニルを表す。
また、本発明は、式Iの化合物または薬剤的に受容できるこれらの塩もしくは溶媒和物の有効量を、一種またはこれ以上の薬剤的に受容できる賦形剤と混合して成る薬剤組成物を提供する。
さらに、本発明は、ヒトを含む動物中の炎症性腸疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための、式Iの化合物または薬剤的に受容できるこれらの塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明は、さらに、ヒトを含む動物中の炎症性腸疾患の治療または予防のための、式Iの化合物または薬剤的に受容できるこれらの塩または溶媒和物の使用も提供する。
本発明は、式Iの化合物または薬剤的に受容できるこれらの塩もしくは溶媒和物の有効量のこれらを必要とする患者への投与を含んで成る、ヒトを含む動物中の炎症性腸疾患の治療または予防のための方法も提供する。
また、本発明は、
(a)式IIのアミン
〔式中、アミノ基はベンゼン環の3位または4位にあってもよく、またa、b、c、m、R1及びXは上記に定義されている〕を相当するジアゾニウム塩に変換し、次いでこれをサリチル酸と反応させるか、又は
(b)式IIのアミンを5−ニトロソサリチル酸と反応させるか、又は
(c)次式のニトロソ誘導体
〔式中、NO基はベンゼン環の3位または4位にあってもよく、またa、b、c、m、R1及びXは上記に定義されている〕を、5−アミノサリチル酸を反応させ、また
(d)希望する場合には、ステップ(a)、(b)又は(c)の後に、式Iの化合物を酸または塩基と反応させて相当する塩を得ることから成る、
式Iの化合物の製造方法を提供する。
式Iの化合物は、1個またはこれ以上の非対称中心を有することができ、これは立体異性体を生成することができる。本発明は、それぞれの立体異性体ならびにこれらの混合物にも関する。さらに、本発明の一部の化合物は、シス/トランス異性を示す場合もある。本発明は、それぞれの幾何異性体およびこれらの混合物も含む。
上記の定義において、基または基の一部としての用語C1〜Cn−アルキルは、1個からn個の炭素原子を含む直線または分枝状のアルキル基を意味する。従って、nが4の場合には、これは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル及びt−ブチルを含む。nが6の場合には、これは、なかでもメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル及びヘキシルを含む。
C2〜C6アルケニル基は、2個から6個の炭素原子を有し、さらに1個またはそれ以上の二重結合を有する直線または分枝状のアルキル基を意味する。その例には、ビニル、1−及び2−プロペニル、1−、2−及び3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、1−、2−、3−及び4−ペンテニル、並びに1−、2−、3−、4−及び5−ヘキセニルが含まれる。
C2〜C6−アルキニル基は、2個から6個の炭素原子を含み、さらに1個またはそれ以上の三重結合を有する直線または分枝状のアルキル基を意味する。その例には、なかでもエチニル、1−及び2−プロピニル、1−、2−及び3−ブチニル、1−、2−、3−及び4−ペンチニル、並びに1−、2−、3−、4−及び5−ヘキシニルが含まれる。
用語のハロゲン又はその略語のハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。
基または基の一部としてのC3〜C7−シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを表す。
C2〜C6−ポリメチレン鎖は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン又はヘキシレンを表す。
基または基の一部としての用語C1〜C4−アルコキシは、エーテル官能基の酸素原子への上記のようなC1〜C4−アルキル基の結合から誘導された基を意味する。その例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、及びt−ブトキシが含まれる。
用語C1〜Cn−ハロアルキルは、同一または異なっていてもよい1個またはそれ以上のハロゲン原子(すなわち、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)によるC1〜Cn−アルキル基の1個またはそれ以上の水素原子の置換により生成する基を表す。nが4の場合には、その例には、トリフルオロメチル、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、1−及び2−クロロエチル、1−及び2−フルオロエチル、1−及び2−ヨードエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、1−、2−及び3−フルオロプロピル、1−、2−及び3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、1−、2−、3−及び4−フルオロブチル、1−、2−、3−及び4−クロロブチル、並びにノナフルオロブチルが含まれる。nが6の場合には、その例には、トリフルオロメチル、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、1−及び2−クロロエチル、1−及び2−フルオロエチル、1−及び2−ヨードエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、1−、2−及び3−フルオロプロピル、1−、2−及び3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、1−、2−、3−及び4−フルオロブチル、1−、2−、3−及び4−クロロブチル、ノナフルオロブチル、1−、2−、3−、4−及び5−フルオロペンチル、1−、2−、3−、4−及び5−クロロペンチル、1−、2−、3−、4−、5−及び6−フルオロヘキシル、並びに1−、2−、3−、4−、5−及び6−クロロヘキシルが含まれる。
C1〜C4−ハロオキシ基は、同一または異なっていてもよい1個またはこれ以上のハロゲン原子によるC1〜C4−アルコキシ基の1個またはそれ以上の水素原子の置換により生成する基を表す。その例には、トリフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、クロロエトキシ、フルオロエトキシ、ヨードエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、フルオロプロポキシ、クロロプロポキシ、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、フルオロブトキシ、及びノナフルオロブトキシが含まれる。
C1〜C4−アルキルカルボニル基は、カルボニル基へのC1〜C4−アルキル基の結合から生成する基を表す。その例には、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、及びブタノイルが含まれる。
C1〜C4−アルキルカルボニルオキシ基は、エーテル官能基の酸素原子へのC1〜C4−アルキルカルボニル基の結合から生成する基を表す。その例には、アセトキシ、プロピオニルオキシ、イソプロピオニルオキシ、及びブタノイルオキシが含まれる。
C1〜C4−アルコキシカルボニル基は、カルボニル基へのC1〜C4−アルコキシ基の結合から生成する基を表す。その例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル及びt−ブトキシカルボニルが含まれる。
C1〜C4−アルキルスルホニル基は、スルホニル基へのC1〜C4−アルキル基の結合から生成する基を表す。その例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、s−ブチルスルホニル、及びt−ブチルスルホニルが含まれる。
C1〜C4−アルキルスルフィニル基は、スルフィニル基へのC1〜C4−アルキル基の結合から生成する基を表す。その例には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、s−ブチルスルフィニル、及びt−ブチルスルフィニルが含まれる。
C1〜C4−アルキルチオ基は、チオエーテル官能基の硫黄原子へのC1〜C4−アルキル基の結合から生成する基を表す。その例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、及びt−ブチルチオが含まれる。
C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ基は、C1〜C4−アルキルカルボニル基によるアミノ基の水素原子の置換から生成する基を表す。その例には、アセトアミド、プロパンアミド及びイソプロパンアミドが含まれる。
C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル基は、C1〜C4−アルコキシ基によるC1〜C4−アルキル基の水素原子の置換から生成する基を表す。その例には、なかでもメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、イソブトキシメチル、s−ブトキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−イソブトキシエチル、2−s−ブトキシエチル、2−t−ブトキシエチル、1−メトキシエチル、1−エトキシエチル、1−プロポキシエチル、1−イソプロポキシエチル、1−ブトキシエチル、1−イソブトキシエチル、1−s−ブトキシエチル、及び1−t−ブトキシエチルが含まれる。
アリール−C1〜C4−アルキル基は、上記に定義したアリール基によるC1〜C4−アルキル基の水素原子1個の置換から生成する基を表す。その例には、なかでも、ベンジル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、1−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、3−フェニルブチル、2−フェニルブチル及び1−フェニルブチルであり、ここで、フェニル基はアリール基の定義に記載したように置換されていてもよい。
本発明の好ましい実施例において、Xは式(i)の基を表し、従って式Ia
(式中、a、b、c、A、B、m及びR1は一般式Iに定義してある。)により表される化合物が生じる。
式Iaの化合物の範囲内で、Aが−CO−を表すものが好ましい。さらに好ましくは、Aが−CO−を表し、かつBが式(iii)、(v)又は(vii)の基を表す。さらに好ましくは、下記の式Iaの化合物のグループである。
1)Aが−CO−を表し、Bが式(iii)の基を表し、かつpが0を表すもの、
2)Aが−CO−を表し、Bが式(v)の基を表し、かつR3がC1〜C4−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はアリールを表すもの、及び
3)Aが−CO−を表し、Bが式(vii)の基を表すもの。
本発明の別の好ましい実施例では、Xは式(ii)の基を表し、これにより式Ib
〔式中、a、b、c、m、R1、R11、R12、R13、R14及びZは、一般式Iに定義してある。〕で表される化合物が生じる。
式Ibの化合物の範囲内で、mが1を表すものが好ましい。mが1を表し、R12がC1〜C6−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7シクロアルキル−C1〜C6−アルキルを表し、かつR13が水素を表す式Ibのこれらの化合物がより好ましい。さらに好ましくは、mが1を表し、R12がC1〜C6−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7シクロアルキル−C1〜C6−アルキルを表し、R13が水素を表わし、かつR14が−COR15、−COOR15又は−C1〜C6−アルキル−OR15を表す式Ibのこれらの化合物である。特に好ましい式Ibの化合物は、mが1を表し、R12がC1〜C6−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7シクロアルキル−C1〜C6−アルキルを表し、R13が水素を表わし、R14が−COR15、−COOR15又は−C1〜C6−アルキル−OR15を表わし、かつR15がC1〜C6−アルキルを表すこれらの化合物である。
式Iの化合物は、塩基性の窒素原子を含み、従ってその結果、これらは酸と塩を形成できるが、これも本発明の範囲内に入る。これらの塩の性質に関して制限はないが、ただし、治療の用途に使用される場合には、これらは、この分野で広く公知のように、薬剤として受容できること、すなわち、これらは遊離の化合物と比較して活性の低下または毒性の増加がない薬剤であることが条件である。これらの塩の例には、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、過塩素酸、硫酸または燐酸との塩、および有機酸、例えばメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フマル酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸との塩、ならびにその他のこの分野の専門家に広く公知の鉱酸および有機酸との塩が含まれる。
本発明の化合物は、またカルボキシル基を含み、その結果、これらは、塩、好ましくは薬剤として受容できる塩を形成することができる。これらの塩の例には、無機陽イオン、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、亜鉛などとの塩、および薬剤的に受容できるアミン、例えばアンモニア、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、リシン、アルギニン、N−メチルグルカミン、プロカイン等で形成される塩が含まれる。
塩は、通常の方法により、遊離の式Iの化合物を十分の量の希望する酸または塩基と反応させて生成させて調製される。遊離化合物およびこれらの塩は、一部の物理化学的性質、例えば極性溶剤中への溶解度が異なるが、これらは、本発明の目的に対しては等価である。
本発明の化合物は、非溶媒和でも、溶媒和の形、例えば水和の形でも存在できる。一般に、薬剤として受容できる溶媒、例えば水、エタノール及び類似物質との溶媒和した形は、本発明の目的に対しては非溶媒和の形と等価である。
本発明の一部の化合物は、異なるジアステレオ異性体および/または光学異性体として存在できる。ジアステレオ異性体は、通例の方法、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶化により分離できる。光学異性体は、光学分割のいずれの通例の方法を用いて分割しても、光学的に純粋の中間体を得ることができる。このような分割は、一般式Iの生成物ではもちろん、いかなるキラル合成中間体でも実施できる。光学分割法は、キラル相におけるクロマトグラフィーによる分離またはジアステレオ異性体対の形成、二種の鏡像異性体の分割および引き続く回収を含む。光学的に純粋な異性体は、鏡像特異性合成を用いてそれぞれ個別に得ることもできる。本発明は、個別の異性体、および合成によるか又は物理的な混合物により得られたかを問わずこれらの混合物(すなわちラセミ混合物)も含む。
さらに、本発明の一部の化合物は、シス/トランス異性も示すことがある。幾何異性体は、通常の方法、例えばクロマトグラフィー又は再結晶により分離できる。このような分離は、式Iの製品についても、あるいはこれらの合成の中間体についても実施できる。個別の異性体は、立体特異性合成によっても得ることができる。本発明は、それぞれの幾何異性体およびこれらの混合物も含む。
本発明は、また式Iの化合物の製造のための方法も提供する。一般に、これらは下記のスキームに記載の方法を用いて得ることができる。
式中、
4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ部分は、ベンゼン環の3位または4位にあってもよい。
アミノ基は、ベンゼン環の3位または4位にあってもよい。また、
a、b、c、m、R1及びXは上記に定義したものである。
式Iの化合物は、式IIの化合物から製造でき、その第1ステップとして、例えば亜硝酸または亜硝酸ナトリウムと、塩酸の存在下で好適な溶剤、例えば水または水/酢酸混合物中、好ましくは−15℃と+5℃の間の温度、反応時間は30分から2時間の間で処理して、IIを相当するジアゾニウム塩へ変換することを含む経路によって製造できる。最後に、アゾ結合の生成のために有機合成で通常用いられる条件下で、ジアゾニウム塩をサリチル酸を用いて処理して式Iの化合物が得られる。一般に、この反応はわずかにアルカリ性の状態で、0℃から室温の間の温度において、好ましくは30分から12時間の反応時間で実施される。
あるいは、式Iの化合物は、アゾ結合生成のための文献に記載されているその他の方法、例えば報告された条件下でアミンをニトロソ化合物とカプリングさせることにより製造することができ、一般に反応物質を好適な溶剤、例えば酢酸中で加熱して製造できる。このような縮合は、5−ニトロソサリチル酸を式IIの化合物と反応させるか、又は5−アミノサリチル酸を式IIの化合物のニトロソ誘導体(すなわち、NH2基の代わりにNO基を有する他はIIと類似した化合物)と反応させるかのいずれかにより実施できる。IIのニトロソ誘導体は、標準の方法、例えばIIのアミノ基の部分酸化によるか、又は以下に説明するように、正確には式IIの化合物の前駆体である相当するニトロ誘導体(すなわち式IIIの化合物)の部分還元により製造できる。
式IIのアミンは、下記の手順を用いて製造できる。この分野の専門家には明白なように、所定の式IIの化合物を製造するために用いる正確な方法は、その化学構造により異なるであろう。
一般に、式IIの化合物は、下記のスキームに示すように、式IIIの化合物中に存在するニトロ基の還元により製造できる。
式中、
ニトロ基およびアミノ基は、ベンゼン環の3位または4位にあってもよく、また、a、b、c、m、R1及びXは上記に定義したものである。
この還元は、分子中に存在するその他の官能基に適合した、芳香族ニトロ基のためのいかなる公知の還元剤を用いても実行できる。好適な還元剤の例には下記のものがある。好ましくは室温と溶剤の沸点温度との間の温度、さらに好ましくは50〜60℃の間の温度において、好適な溶剤、例えばエタノール−水混合物中、広範囲のpH条件におけるZn。好適な溶剤、例えば水と有機溶剤、例えばテトラヒドロフラン、エタノール又はピリジンとの混合物中のNa2S2O4。好適な有機溶剤、例えば水とアルコール、例えばエタノールとの混合物中で広範囲のpH条件におけるSnCl2。広範囲のpH条件におけるSn又はFe。好適な有機溶剤、例えばエタノール中の好適な触媒、例えばSn、Co又はPd塩の存在下のNaBH4。Pd/Cの存在下でのギ酸またはギ酸アンモニウム。
あるいは、還元は、好ましくは室温と溶剤の沸点温度との間の温度、好ましくは大気圧と10気圧との間の圧力において、好ましくは1〜48時間の間の反応時間で、好適な溶剤、例えばアルコール中で触媒、例えば活性炭担持パラジウムの存在下で水素化して実行できる。
式IIIのニトロ化合物は、スキーム1、2及び3に要約した以下に説明する方法のいくつかにより製造できる。
式中、
ニトロ基は、ベンゼン環の3位または4位にあってもよい。
Qは、3−又は4−ニトロフェニル基を表す。
Gは、好適な脱離基、例えばクロロ又は−OPhを表す。
Pは、アミノ保護基、例えばt−ブトキシカルボニル基を表す。
Yは、基CO2H(式XIXの酸を生じる)又は基SO2Cl(式XXのスルホニルクロリドを生じる)を表し、また
a、b、c、m、n、R1、R7、R8、R10、R11、R12、R13、R14、W及びZは上記に定義したものである。
Xが式(i)の基を表す式IIIのニトロ化合物は、スキーム1に示すように、一般に式IVの化合物から、式QBCOCl(VI)の酸塩化物、式QBSO2Cl(VII)のスルホニルクロリド、式QBOC(=O)G(VIII)の化合物、式QBNHC(=O)G(IX)の化合物または式QBN=C=O(X)の化合物との反応により製造できる。この反応は、プロトン捕捉性アミン、例えばトリエチルアミン又はピリジンの存在下で、好適な溶剤中で実行されるが、あるいは塩基自身を溶剤として使用する方法もある。好適な溶剤の例には、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン及びクロロホルム、エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン、並びに芳香族炭化水素、例えばベンゼン及びトルエンが含まれる。反応は、好ましくは0℃と溶剤の沸点との間の温度で行う。酸塩化物の代わりに、相当する無水物も使用できる。式Xのイソシアナート誘導体は、あらかじめ調製しておくか、または公知の方法、例えばトリエチルアミンの存在下でのジフェニルホスホリルアジドとの反応により式QBCO2H(V)の相当する酸誘導体からその場で生成させてもよい。
あるいは、Xが式(i)の基、かつAが−CO−を表す式IIIの化合物は、式IVのアミンと式QBCOOH(V)のカルボン酸との脱水法によっても製造できる。この方法は、便利なアミド結合形成の反応、例えば適当な縮合剤、例えばジイミド、すなわちジシクロヘキシルカルボジイミドの単独または1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとの組み合わせの存在下でアミンを酸と反応させて実行できる。この反応は、不活性溶剤、例えばハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン若しくはクロロホルム、エーテル、例えばテトラヒドロフラン若しくはジオキサン、アセトニトリル、又は置換アミド、例えばジメチルホルムアミド中で行う。この反応は、好ましくは0〜60℃の間の温度で好ましくは6〜24時間の反応時間で行う。
あるいは、Xが式(i)の基、かつBが式(iv)または(vii)の基を表す式IIIの化合物は、スキーム2に示すように、式XIII〜XVIIIの化合物を用いて処理して式XI又はXIIの化合物から製造できる。この反応は、IVをIIIに変換する場合に上記と同じ実験条件で行う。
式XI及びXIIの化合物は、IIIの合成の場合にスキーム1で記載した一般的方法を用いて製造できるが、ただし、スキーム2に記載するように、式XIXの酸(またはその相当する酸塩化物または無水物)からか、またはアミノ官能がアミノ保護基(P)を用いてブロックされている式XXのスルホニルクロリドから出発した点が異なる。アミノ保護基としては、この分野で公知のいかなるアミノ保護基、例えばグリーン(Greene T.W.,”Protective Groups in Organic Synthesis”,John Wiley & Sons,New York,1981)に記載されているもの、例えばt−ブトキシカルボニル基が使用できる。この場合、式XI及びXIIの化合物を得るためには、保護基を除くための引き続くステップが必要となるであろう。脱プロトンは、公知の方法、例えば上記の一般引用文献に記載されている方法を用いて行う。
Xが式(ii)の基を表す式IIIのニトロ誘導体は、スキーム3に示すように、式Q(CH2)qCOC1(XXII)の酸塩化物または式Q(CH2)rL(XXIII)(式中、q及びrは上記に定義されており、Qは4−又は3−ニトロフェニル基、かつLは良い脱離基、例えばクロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスロニルオキシ又はトリフルオロメタンスルホニルオキシを表す)との反応により、式XXIの化合物から製造できる。この反応は、好適な非プロトン性溶剤、例えばテトラヒドロフラン中で塩基、例えば水素化ナトリウムを用いて処理し、引き続き好ましくは0℃と溶剤の沸点との間の温度において式XXII又はXXIIIの化合物を用いて処理して実行できる。
あるいは、式IIのアミノ化合物は、式IIIのニトロ化合物の製造のためのスキーム1、2及び3に記載の手順と同様の手順を用いて直接得ることができ、これを下記のスキームに要約する。
このように、式IIの化合物は、アミンIVを、化合物V−Xに類似しているがニトロ基のかわりにアミノ置換基を有する式V’−X’の化合物を用いて、同じ実験条件下で処理して製造できる。さらに、式IIの化合物は、XI又はXIIを、XIII−XVIIIと類似しているがニトロ基のかわりにアミノ置換基を有する化合物XIII’−XVIII’と同じ実験条件下で反応させて得ることもできる。同様に、化合物IIは、化合物XXIを、XXII及びXXIIIと類似しているがニトロ基の代わりにアミノ基を有する化合物XXII’又はXXIII’を用いて処理して製造できる。
ある場合には、非保護の形のアミノ基を直接用いて上記の反応を実行できるが、一般には、化合物V’−X’、XIII’−XVIII’及びXXII’−XXIII’の重合を防ぐために、このアミノ基を保護する必要があり、その方が便利である。この分野で利用できるいかなるアミノ保護基、例えばT.W.グリーン(上記文献)に記載されているものがこの場合に使用できる。この場合、式IIのアミンは、報告された条件下、保護されたアミンII’の脱保護により得られる。
式IVの化合物は、下記のスキーム4に記載の方法で製造できる。
式中、a、b、c、m及びR1は上記に定義してある。Pはアミノ保護基、例えばt−ブトキシカルボニル基を表し、Jはハロゲン又はC1〜C6−アルコキシを表す。
第1ステップ(ステップA)では、式XXIVの化合物は、プロトン捕捉剤であるアミン、例えばトリエチルアミンの存在下で、例えばハロゲン化炭化水素のような好適な溶剤、例えばクロロホルム中で、好適な温度、好ましくは室温から溶剤の沸点の間の温度において、化合物XXVと反応させて式XXVIの化合物とする。
式XXVIの化合物を還元(ステップB)すると、式XXVIIの化合物となる。この還元は、触媒、例えば活性炭担持パラジウムの存在下で、好適な溶剤、例えばアルコール中、好ましくは室温から溶剤の沸点の間の温度、常圧から10気圧までの圧力において、好ましくは反応時間1〜48時間で水素化して行うことができる。あるいは、この還元は、好適な還元剤、例えばNa2S2O4を用いて好適な溶剤、例えば水と有機溶剤、例えばテトラヒドロフラン、エタノール又はピリジンとの中で行うこともできる。
ステップCにおいて、式XXVIIの化合物は、式R1C(=NH)OR18・HTのイミノエーテル塩(XXIX、式中、R1は上記のものを表し、R18はC1〜C6−アルキル、Tはハロゲンを表す)と一緒に、例えばアルコールのような好適な溶剤、例えばエタノール中で反応させて式XXVIIIの化合物とする。この反応は、好ましくは室温と溶剤の沸点の間の温度、好ましくは反応時間6〜48時間で行う。あるいは、イミノエーテルの代わりに、式R1COOH(XXX)のカルボン酸、式R1COT(XXXI)の酸ハロゲン化物、式(R1CO)2O(XXXII)の酸無水物または式R1C(OR18)3(XXXIII)のトリアルキルオルトエステル(式中、R1、T及びR18は上記のものを表す)を用いることもできる。
最後に、式XXVIIIの化合物のピペリジン窒素原子を脱保護すると(ステップD)、式IVの化合物となる。この脱保護に使用する試薬および用いる反応条件は、存在する保護基の性質により左右される。すなわち、保護基がt−ブトキシカルボニル基の場合には、脱保護は、酸(例えば、無機酸、例えば塩酸、リン酸、硫酸または類似のもの、あるいは有機酸、例えばトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸)を用いて、好適な溶剤、例えば水、アルコール(例えばメタノール)、エーテル(例えばテトラヒドロフラン又はジオキサン)又はハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン)中、好ましくは0℃から室温の間の温度において処置して行うことができる。
式XXIの化合物は、特許出願WO92/03422及びWO92/03423中に開示された方法に従って製造できる。
式V、V’、XIII、XIII’及びXIXの酸ならびに式VII、VII’、XIV、XIV’及びXXのスルホニルクロリドは、市場で入手可能であるか、文献中に広く記載されているか、又は、この分野の専門家に広く公知であり市場で入手できる製品や文献中にすでに報告されている製品から出発する広く利用されている方法により製造できる。これらの方法の例には、アルキル化、アシル化、芳香族環のニトロ化、二重結合への共役付加、二重結合生成のためのウイッティッヒ反応、スルホンアミドの製造、還元アミノ化、および類似の方法が含まれる。これらの反応は、すべてそれ自身が公知であり、かつ報告された条件に従って実行できる。
式VIII、IX、XVI及びXVIIの化合物は、通常の方法、例えばクロロギ酸フェノールを用いる処理を用いて、相当するアルコールとアミンから容易に製造できる。
式X及びXVIIIのイソシアナートは、それぞれ式V及びXIIIの相当する酸から、下記のステップから成る連続反応により製造できる。例えば、ジフェニルホスホリルアジドを用いる処置によるアシルアジドへの酸の変換、および引き続くイソシアナートへの上記のアシルアジドのクルチウス転位がある。カルボン酸からイソシアナートを製造するためのこの連続反応は、文献に広く記載されており、報告された条件に従って実行できる。
式XXII、XXIII、XXIV、XXV及びXXIX〜XXXIIIの化合物は、市場で入手可能であるか、文献に広く記載されているか、または市場で入手できる製品から出発してこの分野で公開されている方法と類似した方法により製造できる。
上記のように、本発明の一部の化合物は、シス/トランス異性化を示すことがあり、すなわち、Xが式(i)の基を表しBが式(v)の基を表すこれらの式Iの化合物である。多くの場合、これらの化合物は、2種の異性体の混合物として得られ、これらは純粋の形の個別の化合物を得るために分離する必要がある。このような分離は、式Iの最終製品で行うことができるけれども、合成のこれ以前の段階、例えば式II又は式Vの相当する化合物について行う方が好ましい。それにもかかわらず、混合物からの分離により個別の異性体を得ることが可能であっても、これらのプリカーサーを製造するために有用な立体選択的方法があることが大いに望ましいであろう。
本発明の好ましい化合物の一種の製造において鍵となる中間体は、シス3−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルプロペン酸である。この形式の化合物は、一般に、ウイッティッヒ−ヘルナー反応を用いて、文献に報告されている標準条件下で製造され、これには、ベンゾフェノン誘導体、この場合には4−ニトロベンゾフェノンのトリエチルホスホノアセタートを用い、塩基たとえば水素化ナトリウムの存在下、室温から溶剤の沸点の間の温度における処理が含まれる。しかし、この反応から得られる生成物は、常に3−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルプロペン酸のシスとトランス異性体の混合物であり、純粋のシス異性体を得るためにこれを分離しなければならない。最近、この反応の実験条件を変更することにより、この酸のシス異性体をはるかに高い立体選択率で得ることができることを意外にも発見した。この反応は、電子吸引性基、例えばハロゲン、トリフルオロメチル、エステル又はシアノ基を2個の芳香族環の一方の4位に有するその他のシス−ジフェニルプロペン酸を得るためにも利用できる。我々の最善の知識から見て、これはベンゾフェノン誘導体のための立体特異性ウイッティッヒ反応の最初の報告である。
従って、シス3−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルプロペン酸を製造するための新規な立体選択的な方法を提供することも本発明の別の目的である。この方法は、4−ニトロベンゾフェノンを、C1〜C6−アルキルトリメチルシリルアセタートとバルキーなアミデュア(amidure)、例えばジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン又はテトラメチルピペリジンをブチルリチウムと一緒に処理して生成するものとを処理して製造されるC1〜C6−アルキルトリメチルシリルアセタートの陰イオンと、温度−78℃〜−10℃において、好適な溶剤、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル又はジメトキシエタン中で反応させ、引き続き得られたエステルを加水分解することを含む。
本発明の化合物は、炎症性腸疾患の治療または予防に有用である。上記のように、これらの化合物は、結腸内で細菌分解を受け、5−アミノサリチル酸および式IIのPAF拮抗体を遊離する。PAF拮抗体としての式IIの化合物の活性は、試験1及び2を用いて試験できる。炎症性腸疾患の治療における式Iの化合物の効果は、試験3を用いて測定できる。
試験1−PAFにより誘発される血小板凝集の抑制
血小板凝集試験は、ボーン(Born,J.Physiol.,1962,162,67)の方法により行った。ニュージーランド種雄ラビット(体重2〜2.5kg)から心臓穿刺により、3.16%クエン酸ナトリウム中(血液9容に対して1容)に血液を採取した。血液を300Gで10分間、4℃で遠心分離して血小板に富む血漿(PRP)を得た。さらに3000Gで10分間遠心分離して得た血小板の少ない血漿(PPP)を用いてPRPを希釈した。血小板数を3×105細胞/mm3に調整した。C18−PAF(15nM)により血小板凝集を誘発し、凝集計クロノログ(Chronolog)560を用いてこれを測定した。活性はIC50値、すなわち血小板凝集反応を50%抑制するために必要な薬剤の濃度として表した。その結果を下記の表Iに記載し、その中で、試験した化合物は下記のものである。
試験2−正常血圧ラットにおけるPAF誘発高血圧の抑制
体重180〜220gの雄スプラーグ−ドーリーラットをペントバルビタールナトリウムを用いて麻酔した(50mg/Kg,腹腔内)。ベックマン(Beckman)R611記録計器に接続したスタタン(Stathan)圧力トランスデューサーを用いて、左頸動脈からの血圧を記録した。右および左の大腿静脈にカテーテルを挿入して、供試化合物およびPAF(0.5μg/Kg)を注入した。供試化合物は、PAFの3分前に、静脈内注射(1mL/Kg、生理食塩水中に溶解)した。血圧を監視し、対照群に対するPAF誘発高血圧の抑制割合を算出した。結果はID50値、すなわち高血圧を50%抑制するために必要とした供試化合物の投与量で表した。結果は表IIに記載したが、ここで供試化合物は試験1と同一のものである。
試験3−トリニトロベンゼンスルホン酸が誘発したラットにおける炎症性腸疾患
体重220〜240gの雄スプラーグ−ドーリーラットを用いた。試験の前36時間、動物に試料を摂取させなかった。この期間に、リットルあたりにグルコース200g、NaCl0.30g、KCl74.6mg並びにセンノシドA及びB2mg/mLを含む調剤15mLを含む水を飲ませた。次いで、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS、20%エタノール1mL中に60mg)の単回結腸内点滴により結腸炎を誘発させた。供試化合物を用いる処置は、TNBS投与(0日日)の2日前から開始し、6日目までの試験期間中継続した。供試化合物は、100mg/Kgの投与量で強制経口投与した。7日目に、プロスタグランジンE2(PGE2)、トロンボキサンB2(TBX2)及びロイコトリエンB4(LTB4)の管腔内放出を測定するために、ラットを結腸内透析し、これを炎症マーカーとして使用した。透析液中のエイコサノイド濃度を比放射性免疫試験法により測定した。次いで、動物を屠殺し、すでに定まっている基準(Videla et al.,Gut,1994,35:1090-1097)に従って、結腸の損傷を巨視的および組織学的に検査した。実施例3の供試化合物を用いて得た結果を図1〜4に要約する。
図1は、7日目における結腸損傷の総損傷得点(巨視的および組織学的評価)の結果を示す。
図2、3及び4は、7日目におけるエイコサノイド(PEG2、TXB2、及びLTB4)の結腸内放出を示す。
これらの図の結果は、式Iの化合物の投与が、対照群と比較すると、TNBS結腸損傷を著しく低下させることを示している(p<0.05)。その上、式Iの化合物を用いる処理は、試験した炎症マーカー(PGE2、TXB2及びLTB4)のすべての結腸内での放出を著しく低下させるので、これらマーカーの放出に影響を及ぼすことも示している(3ケースともp<0.05)。従って、我々は、ラットにおける炎症性腸疾患の実験的な誘発により起きる損傷の軽減において本発明の化合物の有効性を証明した。
本明細書で開示した化合物の活性により、本発明は、さらに、本発明の化合物と賦形剤および場合によればその他の助剤を必要ならば含む組成物も提供する。
本発明の製品は、通常、ヒトを含む哺乳動物に経口により投与される。しかし、これらには他の投与方法、例えば、非経口または直腸投与も適用でき、後者は、直腸に極限した炎症性腸疾患を有する患者のために選択される経路である。
経口投与のための本発明による固体組成物には、圧縮錠剤、分散性粉剤、顆粒剤およびカプセル剤が含まれる。錠剤の場合に、活性成分は、少なくとも1種の不活性希釈剤、例えばラクトース、デンプン、マンニトール、微結晶性セルロース又はリン酸カルシウム;顆粒化および崩壊剤、例えばコーンスターチ、ゼラチン、微結晶性セルロース又はポリビニルピロリドン;および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクと混合させる。錠剤は、消化管中における崩壊および吸収を遅らせ、結腸における局所作用をさせるための公知の技術により被覆してもよい。胃溶剤皮および腸溶剤皮の被覆錠剤は、砂糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース又はアクリル樹脂を用いて製造できる。持続作用性錠剤は、退行性浸透(retrogressive osmosis)を与える賦形剤、例えばガラクツロン酸ポリマーを用いて得ることができる。経口使用のための調剤は、吸収性の材料、例えばゼラチンの硬質カプセル剤としても調製でき、その際、活性成分は不活性固体希釈剤および潤滑剤、またはのり状材料、例えばエトキシル化飽和グリセリドと混合させる。軟質カプセル剤も可能であり、その際、活性成分は水または油状媒体、例えばやし油、液体パラフィン又はオリーブ油と混合させる。
水を加えることによる懸濁液の製造に好適な分散性粉剤および顆粒は、活性成分を、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントゴム、キサンタンゴム、アラビアゴム、及び一種以上の保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル又はp−ヒドロキシ安息香酸プロピルと混合させて製造する。その他の賦形剤、例えば甘味剤、矯正剤および着色剤も存在してもよい。
経口投与のための液状組成物には、通常使用される不活性希釈剤、例えば蒸留水、エタノール、ソルビット、グリセリン、又はプロピレングリコールを含む乳化液、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシル剤を含む。このような組成物は、湿潤剤、懸濁剤、甘味料、矯正剤、保存剤および緩衝剤などのアジュバントを含んでいてもよい。
本発明による非経口投与のための注射のための調剤には、無毒性で非経口に受容性の希釈剤または溶剤中の滅菌した水性または非水性液剤、懸濁剤または乳剤が含まれる。水溶液または懸濁媒体の例は、注射用蒸留水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液である。非水性溶剤または懸濁剤の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物性油、例えばオリーブ油、またはアルコール、例えばエタノールである。これらの組成物は、湿潤剤、保存剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含んでいてもよい。これらは、あらゆる公知の方法により滅菌しても、または使用の直前に滅菌水またはその他の滅菌した注射用媒体に溶解できる滅菌固体組成物の形に製造しもよい。すべての成分が滅菌されている場合には、これらが滅菌環境内で製造された場合には、注射剤は滅菌に保たれる。
本発明の製品は、また、懸濁液や乳化液はもちろん水性や油性の溶液を含む座薬または浣腸薬の形で直腸に投与してもよい。このような組成物は、この分野の専門家には広く公知の標準手順に従って調製される。例えば、座薬は、活性成分を通常の座薬ベース、例えばココアバター又はその他のグリセリドと混合して製造できる。
投与の量および頻度は、患者の症状、年齢および体重、ならびに投与経路に従って変化する。例えば、本発明の化合物は、ヒトの患者に経口または直腸経由で、大人に対して日量約10〜約10000mg、好ましくは100〜5000mgを投与し、これは、単回投与でも分割投与でもよい。しかし、特殊な場合で、かつ治療する医師の判断により、さらに広範囲での投与も必要となるかもしれない。
以下に、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、浣腸剤および注射用薬剤の代表的な配合の例を記載する。これらは、標準的な手順で製造でき、炎症性腸疾患の治療に有用である。
下記の実施例は、本発明の範囲を限定することなく説明するものである。
参考例1
1−t−ブトキシカルボニル−4−(アミノメチル)ピペリジン
CHCl3(300ml)中の4−(アミノメチル)ピペリジン(40g、0.35モル)の冷(0℃)溶液に、CHCl3(300ml)中のジ−t−ブチルジカルボナート(39.2g、0.17モル)の溶液を加え、反応混合物を低温で48時間攪拌した。得られた溶液をH2Oを用いて洗浄し、水相をCHCl3用いて2回抽出した。一緒にした有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶剤を除去すると、粗生成物54.1gが得られ、これは次のステップにそのままで直接使用した。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):4.11(ブロードd、J=13.4Hz、2H)、2.69(m、4H)、1.45(s、9H)、1.8−0.8(複合シグナル、7H)。
参考例2
4−〔〔1−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジル〕メチルアミノ〕−3−ニトロピリジン
CHCl3(300ml)中の参考例1で得られた生成物(34.66g、0.16モル)及びトリエチルアミン(24.75ml)の冷(0℃)溶液に、CHCl3(250ml)中の4−クロロ−3−ニトロピリジン(30.7g、0.19モル)を加え、混合物を室温で48時間攪拌した。得られた溶液を0.5N NaOHを用いて洗浄し、水相をCHCl3用いて2回抽出した。一緒にした有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮すると、粗生成物63gが得られた。これをシリカゲル上のクロマトグラフィー(EtOAc)により精製すると、黄色の固体26.3g(48%)が得られた。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):9.20(s、1H)、8.30(d、J=5.5Hz、1H)、8.19(m、1H)、6.72(d、J=5.5Hz、1H)、4.18(ブロードd、J=13.4Hz、2H)、3.26(t、J=5.9Hz、2H)、2.72(ブロードt、J=12.7Hz、2H)、1.46(s、9H)、1.8−0.8(複合シグナル、5H)。
参考例3
3−アミノ−4−〔〔1−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジル〕メチルアミノ〕ピリジン
MeOH(500ml)中の参考例2で得られた生成物(26.2g、0.077モル)の溶液を大気圧、10%Pd/C(3.83g)の存在下で18時間水素化した。触媒を濾別し、濾液を濃縮すると粗生成物(22.9g、96%)が得られ、これをそのままで次のステップに使用した。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):7.65(d、J=5.5Hz、1H)、7.64(s、1H)、6.59(d、J=5.5Hz、1H)、4.10(ブロードd、J=13.4Hz、2H)、3.9(s、3H)、3.25(d、J=6.5Hz、2H)、2.74(ブロードt、J=12.0Hz、2H)、1.46(s、9H)、1.8−0.8(複合シグナル、5H)。
参考例4
1−〔〔1−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン
EtOH(350ml)中の参考例3で得られた生成物(22.9g、0.07モル)の溶液に、エチルアセトイミダート・ヒドロクロリド(9.2g、0.074モル)を加え、混合物を4時間加熱、還流した。第二の等量のエチルアセトイミダート・ヒドロクロリド(9.2g、0.074モル)を加え、混合物をさらに18時間加熱、還流した。最後に、第三の等量のエチルアセトイミダート・ヒドロクロリド(9.2g、0.074モル)を加え、混合物を4時間以上加熱した。得られた溶液を真空中で濃縮し、残留物をCHCl3と0.5N NaOHの間で分配した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、残留物となるまで濃縮し(30g)、これをシリカゲル上のクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH、10%)により精製すると、標記の化合物が黄色の固体として得られた(23.4g、95%)。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.98(s、1H)、8.38(d、J=5.5Hz、1H)、8.22(d、J=5.5Hz、1H)、4.10(ブロードd、J=13.4Hz、2H)、3.96(d、J=7.3Hz、2H)、2.64(ブロードt、J=12.7Hz、2H)、2.63(s、3H)、1.46(s、9H)、2.2−1.0(複合シグナル、5H)。
参考例5
1−〔(4−ピペリジル)メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン
MeOH(200ml)中の参考例4で得られた生成物(23.1g、0.07モル)の冷(0℃)溶液に、6.5N HCl(g)/ジオキサン溶液(44ml)を滴下して加えた。添加が終了した後に、混合物を室温で2時間攪拌し、乾燥するまで蒸発させた。残留物を氷浴中で冷却し、1N NaOHを加え、得られた溶液をCHCl3を用いて抽出した(3回)。一緒にした有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮すると黄色の固体(15.8g、98%)となった。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.96(s、1H)、8.35(d、J=5.5Hz、1H)、7.20(d、J=5.5Hz、1H)、3.95(d、J=7.3Hz、2H)、3.06(ブロードd、J=12.0Hz、2H)、2.61(s、3H)、2.51(ブロードt、J=12.7Hz、2H)、2.2−1.0(複合シグナル、6H)。
参考例6
3−メチル−3−(4−ニトロフェニル)酪酸
a)3−メチル−3−フェニルブチロニトリル
DMSO(250ml)中の1−クロロ−2−メチル−2−フェニルプロパン(150g、0.889モル)及びNaCN(54.46g)の混合物を100℃で3週間加熱した。得られた溶液を最初の体積の半分まで濃縮し、H2O(400ml)を加え、Et2Oを用いて抽出した(3回)。一緒にした有機抽出液を乾燥および濃縮すると、粗生成物(115.1g)が得られ、これをそのままで次のステップに使用した。
b)3−メチル−3−フェニル酪酸
上記のa)で得られた生成物に、ゆっくりとH2O(375ml)及びH2SO4(300ml)を加え、混合物を48時間加熱、還流した。次いで、H2Oを加え、得られた溶液をCHCl3を用いて抽出した。有機相を2N NaOHを用いて洗浄し(3回)、水相を5N NClを用いて酸性化し、CHCl3を用いて抽出した。一緒にした有機抽出液を乾燥し、、濃縮すると、標記の生成物が得られた。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):10.8(m、1H)、7.29(s、5H)、2.61(s、2H)、1.43(s、6H)。
c)標記の化合物
冷却(0℃)した濃H2SO4(18.5ml)に、3−メチル−3−フェニル酪酸(10g、56ミリモル)を加えた。次いで、H2SO4(6.2ml)中のHNO3(3ml)の冷溶液を滴下して加え、次いで反応混合物を0℃で30分間、さらに室温で30分間攪拌した。混合物を氷中に注ぎ、得られた溶液を冷蔵庫内で一晩放置した。沈殿物を濾過し、H2Oを用いて洗浄し、乾燥すると、粗生成物(14.5g)が得られた。これをシリカゲル上のクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH,3%)により精製すると、標記の化合物(5.9g、47%)が得られた。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.16(d、J=6.5Hz、2H)、7.55(d、J=6.5Hz、2H)、3.5(m、1H)、2.70(s、2H)、1.50(s、6H)。
参考例7
1−〔〔1−〔3−メチル−3−(4−ニトロフェニル)ブタノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−C〕ピリジン
DMF(180ml)中の参考例5から得られた生成物(6g、26ミリモル)、3−メチル−3−(4−ニトロフェニル)酪酸(5.8g、26ミリモル、参考例6で入手)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.46g)の混合物に、0℃、窒素雰囲気中でジシクロヘキシルカルボジイミド(5.28g)を加え、反応混合物を室温で18時間攪拌した。この白色の不溶性物質を濾別し、溶媒を真空中で除去した。残留物をクロロホルム中に取込み、飽和NaHCO3溶液、水および塩水を用いて洗浄し、乾燥、濃縮した。残留物(8.3g)をシリカゲル上のクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH,10%)により精製すると、標記の化合物3.21gが油状で得られた(28%)。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.96(s、1H)、8.37(d、J=5.5Hz、1H)、8.11(d、J=8.4Hz、2H)、7.51(d、J=8.4Hz、2H)、7.18(d、J=5.5Hz、1H)、4.55(m、1H)、3.95(d、J=7.1Hz、2H)、3.83(m、1H)、2.59(s、3H)、3−0.5(複合シグナル、9H)、1.50(s、6H)。
参考例8
1−〔〔1−〔3−(4−アミノフェニル)−3−メチルブタノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−C〕ピリジン
MeOH(100ml)中の参考例7で得られた生成物(2.27g、5.2ミリモル)の溶液を、大気圧において10%Pd/C(0.25g)の存在下で18時間水素化した。触媒を濾別し、溶剤を除去すると、粗生成物1.26gが得られた。これをシリカゲル上のクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH,10%)により精製すると、標記の化合物1.1gが白色の固体として得られた(52%)。
融点172−173℃(C24H31N5O・0.75H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.96(s、1H)、8.38(d、J=5.5Hz、1H)、7.18(m、3H)、6.62(d、J=5.5Hz、2H)、4.65(m、1H)、3.86(d、J=7.1Hz、2H)、3.63(m、2H)、3.50(m、1H)、2.59(s、3H)、3−0.5(複合シグナル、9H)、1.25(s、6H)。
参考例9
シス及びトランス3−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルプロペン酸
THF(375ml)中の50%NaH(24.66g、0.51モル)の冷(0℃)懸濁液に、トリエチルホスホンアセタート(88.2ml、44ミリモル)を滴下して加えた。この混合物を45分間攪拌し、THF(525ml)中の4−ニトロベンゾフェノン(102g、0.45ミリモル)を加えた。得られた混合物をアルゴン雰囲気中で18時間加熱、還流し、次いで冷却し、H2OとEtOAcとの間で分配した。有機相を乾燥し濃縮すると、残留物(115g)が得られた。この粗物質をMeOH(600ml)中に溶かし、H2O(288ml)中のK2CO3(87.2g)の溶液を加え、得られた混合物を4時間加熱、還流した。MeOHを除去し、水を加え、溶液をヘキサンを用いて抽出した。次いで、5N HClを用いて水溶液を酸性pHとし、CHCl3を用いて抽出した。溶媒を蒸発させると、シス及びトランス異性体の6:4の混合物として褐色の固体が得られた。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.20(m、2H)、7.33(m、7H)、6.70(m)、6.44(s、0.6H)、6.38(s、0.4H)。
EtOAc(34g、30%)から再結晶して純粋のシス異性体が得られた。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.23(d、J=8.0Hz、2H)、7.33(m、7H)、6.70(m)、6.44(s、1H)。
あるいは、純粋のシス異性体は立体選択的に次のようにして製造できる。乾燥THF200ml中のヘキサン(60ml、0.096モル)中のBuLi 1.6Mの冷却(−78℃)溶液に、ジシクロヘキシルアミン(19.2ml)を滴下して加え、得られた溶液を−78℃で30分間攪拌した。次いで、エチルトリメエチルシリルアセタート(17.46ml、0.095モル)を滴下して加え、次いで30分間攪拌した後に、THF(250ml)中の4−ニトロベンゾフェノン(20.7g、0.091モル)を加えた。得られた混合物を−78℃で30分間攪拌し、次いで室温まで温めた。溶媒を除去し、残留物を0.5N HClとEtOAcの間で分配した。不溶性の物質を濾別して廃棄し、有機相を分離し、乾燥および蒸発すると、粗生成物35gが得られた。HPLC分析(リクロスファー(Licrospher)100CNカラム、溶離液:MeOH−リン酸緩衝液pH=6.8、40:60、λ=220で紫外線検出、1ml/分のフラックス)により、シス/トランス比8:1及び原料のケトン10%が認められた。この粗生成物をMeOH153ml中に溶かし、水(74ml)中のK2CO3(26.5g)の溶液を加え、得られた混合物を18時間加熱、還流した。MeOHを除去し、残留物を5N HClを用いて酸性化し、CHCl3を用いて抽出した。有機相を乾燥し、濃縮すると、粗生成物30gが得られた。これをEtOH(100ml)から再結晶すると、シス異性体16g(2ステップで66%)が得られた(リクロスファーRP−18カラム、MeOH−リン酸緩衝液60:40、λ=220で紫外線検出、1ml/分のフラックス、を用いるHPLC分析によると、トランス異性体は僅か1%しか含まれていなかった)。
純粋のトランス異性体は次のようにして得られる。アセトニトリル(20ml)中のトランス−ケイ皮酸エチル(4.4g、27ミリモル)、4−ブロモニトロベンゼン(6g、29.7モル)、トリフェニルホスフィン(0.26g)、トリブチルアミン(8ml)及び酢酸パラジウム(57mg)の混合物をアルゴン下で還流しながら2日間加熱した。冷却した混合物を0.5N NaOHとCHCl3との間で分配し、有機相を分離し、乾燥および濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,20%)により精製すると、白色固体(2.4g、31%)が得られた。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.18(d、J=8.0Hz、2H)、7.33(m、8H)、6.39(s、1H)。
参考例10
シス及びトランス1−〔〔1−〔3−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルプロペノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン
3−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルプロペン酸のシス/トランス混合物(参考例9で得られたもの)を用いたことを除いて、参考例7に記載した手順に従って、標記の化合物が白色の固体として得られた(85%)。
融点106−112℃(C28H27N5O3・0.5H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.95(s、1H)、8.37(d、J=5.5Hz、1H)、8.18(dd、J=8.6Hz、J=3.2Hz、2H)、7.37(m、8H)、6.49(s、0.5H)、6.40(s、0.5H)、4.66(m、1H)、3.84(m、3H)、2.57(s、3H)、2.8−0.5(複合シグナル、7H)。
参考例11a及び11b
a)シス−1−〔〔1−〔3−(4−アミノフェニル)−3−フェニルプロペノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン
b)トランス−1−〔〔l−〔3−(4−アミノフェニル)−3−フェニルプロペノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン
参考例10で得られた化合物から出発したことを除いて、参考例8に記載した手順に従って、標記の化合物を異性体のシス/トランスの混合物として得、これをシリカゲル上のクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH,10%)により分離すると、下記が得られた。
遅く溶離する異性体、シス異性体(参考例11a)(54%):
融点121−135℃(C28H29N5O・3/2H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.95(s、1H)、8.36(d、J=5.5Hz、1H)、7.29(s、5H)、7.07(m、3H)、6.65(d、J=6.5Hz、2H)、6.07(s、1H)、4.70(m、1H)、3.82(m、3H)、2.57(s、3H)、2.8−0.5(複合シグナル、9H)。
早く溶離する異性体、トランス異性体(参考例11b)(22%):
融点223−224℃(C28H29N5O・1/2H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.96(s、1H)、8.38(d、J=5.5Hz、1H)、7.30(s、5H)、7.07(m、3H)、6.60(d、J=6.5Hz、2H)、6.17(s、1H)、4.60(m、1H)、3.81(m、3H)、2.55(s、3H)、2.8−0.5(複合シグナル、9H)。
シス/トランス混合物の代わりに純粋のシス又はトランス3−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルプロペン酸(参考例9に記載)を用いたことを除いて参考例10に記載の手順に従い、次いで上記のようにして得られた化合物を還元して、標記の化合物が純粋のシス又はトランスの形で得られた。
参考例12
1−〔〔1−(N−フェニルアミノ)アセチル−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4.5−c〕ピリジン
MeOH(60ml)中の1−〔〔1−〔(N−t−ブトキシカルボニル)−N−フェニルアミノ)アセチル−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン(3.9g、8.4ミリモル)(参考例5の生成物と〔N−(t−ブトキシカルボニル)−N−フェニルアミノ〕酢酸から、参考例7に記載の手順に従って得られる)の溶液を6.2N HCl(g)/ジオキサン溶液(7.5ml)を用いて2.5時間室温で処理した。溶媒を除去し、1N NaOHを用いて残留物を塩基性とし、クロロホルムを用いて抽出した。有機相を乾燥し、濃縮すると、標記の化合物2.5g(86%)が得られ、これはそのままで次のステップに使用した。
1H NMR(80MHz、CDCl3+CD3OD)δ(TMS):8.88(s、1H)、8.33(d、J=5.5Hz、1H)、7.35(m、4H)、6.70(m、2H)、4.64(m、1H)、3.98(m、5H)、2.63(s、3H)、3.1−1.0(複合シグナル、8H)。
参考例13
1−〔〔1−〔〔N−(4−ニトロフェニルスルホニル)−N−フェニルアミノ〕アセチル−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン
ピリジン(40ml)中の参考例12で得られた生成物(2.5g、6.9ミリモル)の溶液に、4−ニトロソベンゼンスルホニルクロリド(1.54g)を加え、得られた混合物を60℃で18時間加熱した。溶媒を除去し、得られた残留物を0.5N NaOHとクロロホルムの間で分配した。有機相を分離、乾燥および濃縮すると、粗生成物が得られた。これをシリカゲル上のクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH,10%)により精製すると、黄色の固体2.93gが得られた(78%)。
融点110−115℃(C27H28N6O5S・1/2H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3+CD3OD)δ(TMS):8.99(s、1H)、8.39(d、J=5.5Hz、1H)、8.25(d、J=8.8Hz、2H)、7.82(d、J=8.8Hz、2H)、7.25(m、6H)、4.54(m、1H)、4.52(s、2H)、3.98(d、J=7.2Hz、2H)、3.90(m、1H)、2.62(s、3H)、3.3−1.0(複合シグナル、7H)。
参考例14
1−〔〔1−〔〔N−(4−アミノフェニルスルホニル)−N−フェニルアミノ〕アセチル−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン
参考例13で得られた生成物から出発したことを除いて、参考例8に記載された手順に従って、標記化合物を白色の固体として得た(78%)。
融点147−157℃(C27H30N6O3S・H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):8.79(s、1H)、8.38(d、J=5.5Hz、1H)、7.45(d、J=8.8Hz、2H)、7.26(m、6H)、6.94(d、J=8.8Hz、2H)、4.36(m、1H)、4.35(s、2H)、4.00(d、J=7.2Hz、2H)、3.98(m、1H)、2.63(s、3H)、3.3−1.0(複合シグナル、9H)。
参考例15
N−(4−ニトロベンゾイル)−N−〔4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)−フェニルスルホニル〕−L−ロイシンエチルエステル
乾燥THF(80ml)中のN−〔4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホニル〕−L−ロイシンエチルエステル(2.4g、5.4ミリモル、WO92/03423の記載から得られる)の溶液に、50%NaH(0.23g)を加え、得られた混合物を50℃で1.5時間加熱した。次いで、これを室温に冷却し、THF(20ml)中の4−ニトロベンゾイルクロリド(1.2g、6.4ミリモル)を加え、混合物を52時間攪拌した。溶媒を除去し、残留物を0.5N NaOHとクロロホルムの間に分配した。有機相を分離、乾燥、濃縮すると、粗生成物2.8gが得られた。これをカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH,10%)により精製すると、標記の化合物1.9gが得られた(65%)。
融点68−71℃(C29H31N5O7S);
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):9.02(s、1H)、8.40(d、J=5.5Hz、1H)、8.11(d、J=8.8Hz、2H)、7.87(d、J=8.8Hz、2H)、7.53(d、J=8.8Hz、2H)、7.11(d、J=8.8Hz、2H)、7.10(d、J=5.5Hz、1H)、5.38(s、2H)、4.85(t、J=6.7Hz、1H)、4.28(q、J=7.1Hz、2H)、2.58(s、3H)、2.11(t、J=6.7Hz、2H)、1.78(quint、J=6.7Hz、1H)、1.30(t、J=7.1Hz、3H)、0.94(d、J=7.3Hz、3H)、0.86(d、J=7.3Hz、3H)。
参考例16
N−(4−アミノベンゾイル)−N−〔4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)−フェニルスルホニル〕−L−ロイシンエチルエステル
MeOH(100ml)中の参考例15で得られた生成物(1.91g、0.0032モル)の溶液を、常圧、10%Pd/C(0.3g)の存在下で18時間水素化した。触媒を濾別し、溶媒を除去すると、粗生成物1.62gが得られた。これをカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH:NH3、60:4:0.2)により精製すると、白色の固体0.6g(33%)が得られた。
融点91−94℃(C29H33N5O5S);
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):9.00(s、1H)、8.35(d、J=5.5Hz、1H)、7.98(d、J=8.8Hz、2H)、7.32(d、J=8.8Hz、2H)、7.10(m、3H)、6.40(d、J=8.8Hz、2H)、5.33(s、2H)、4.95(dd、J=8.0Hz、J=4.5Hz、1H)、4.20(q、J=7.1Hz、2H)、2.54(s、3H)、2.0(m、5H)、1.32(t、J=7.1Hz、3H)、0.86(d、J=7.3Hz、3H)、0.74(d、J=7.3Hz、3H)。
参考例17
N−(4−ニトロベンジル)−N−〔4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)−フェニルスルホニル〕−L−ロイシンエチルエステル
乾燥THF(30ml)中のN−〔4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホニル〕−L−ロイシンエチルエステル(3g、6.7ミリモル、WO92/03423の記載から得られる)の氷浴中で冷却した溶液に50%NaH(0.28g)を加え、得られた混合物を0℃で0.5時間攪拌した。次いで、THF(20ml)中の4−ニトロベンジルメシラート(2.3g、9.9ミリモル)の溶液を加え、反応混合物を室温で18時間攪拌した。溶媒を除去し、残留物を0.5N NaOHとクロロホルムの間に分配した。有機相を分離、乾燥、濃縮すると、粗生成物6gが得られた。これをカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH:NH3,60:2:0.2)により精製すると、黄色の固体2.12g(55%)が得られた。
融点60−65℃(C29H33N5O6S・0.5H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):9.03(s、1H)、8.48(d、J=5.5Hz、1H)、8.15(d、J=8.7Hz、2H)、7.75(d、J=8.7Hz、2H)、7.57(d、J=8.7Hz、2H)、7.17(m、3H)、5.40(s、2H)、4.65(ABシステム、J=17Hz、J=25Hz、2H)、4.50(m、1H)、3.79(m、2H)、2.60(s、3H)、1.43(m、3H)、1.00(t、J=7.1Hz、3H)、0.87(d、J=5.6Hz、3H)、0.58(d、J=5.6Hz、3H)。
参考例18
N−(4−アミノベンジル)−N−〔4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)−フェニルスルホニル〕−L−ロイシンエチルエステル
参考例17で得られた化合物から出発したことを除いて、参考例16の記載の手順に従って、標記の化合物を白色の固体(43%)として得た。
融点69−73℃(C29H35N5O4S);
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):9.01(s、1H)、8.36(d、J=5.5Hz、1H)、7.69(d、J=8.7Hz、2H)、7.12(m、5H)、6.49(d、J=8.7Hz、2H)、5.36(s、2H)、4.58(m、1H)、4.35(ABシステム、J=15.7Hz、J=28Hz、2H)、3.80(m、2H)、3.60(m、2H)、2.58(s、3H)、1.47(m、3H)、1.00(t、J=7.1Hz、3H)、0.81(d、J=5.6Hz、3H)、0.60(d、J=5.6Hz、3H)。
参考例19
N−(4−ニトロベンジル)−N−〔(S)−1−イソブチル−2−エトキシエチル〕−4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホンアミド
N−〔(S)−1−イソブチル−2−エトキシエチル〕−4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホンアミド(WO92/03422の記載から得られる)を用いたことを除き、参考例17に記載の方法に従って、標記の化合物を黄色の油状物として得た(48%)。
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):9.03(s、1H)、8.38(d、J=5.5Hz、1H)、8.10(d、J=8.7Hz、2H)、7.75(d、J=8.7Hz、2H)、7.52(d、J=8.7Hz、2H)、7.10(m、3H)、5.38(s、2H)、4.46(s、2H)、4.07(quint、J=6.2Hz、1H)、3.29(m、4H)、2.59(s、3H)、1.45(m、1H)、1.05(m、2H)、0.78(m、9H)。
参考例20
N−(4−アミノベンジル)−N−〔(S)−1−イソブチル−2−エトキシエチル〕−4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホンアミド
参考例19で得られた化合物を用いたことを除き、参考例16に記載した手順に従って、標記の化合物を白色の固体として得た(46%)。
融点67−72℃(C29H37N5O3S・0.5H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3)δ(TMS):9.04(s、1H)、8.37(d、J=5.5Hz、1H)、7.75(d、J=8.7Hz、2H)、7.10(m、5H)、6.47(d、J=8.7Hz、2H)、5.35(s、2H)、4.22(dd、J=16、19Hz、2H)、4.05(m、1H)、3.16(m、6H)、2.59(s、3H)、1.45(m、1H)、1.10(m、2H)、0.90(t、J=7.0Hz、3H)、0.77(d、J=6.1Hz、3H)、0.69(d、J=6.1Hz、3H)。
実施例1
1−〔〔1−〔3−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)フェニル〕−3−メチルブタノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4.5−c〕ピリジン
25mlフラスコ中に参考例8で得られた生成物0.92g(2.2ミリモル)を装入した。次いで、このフラスコを氷浴を用いて冷却し、水(11ml)中の発煙HCl(0.9ml)の溶液を加えた。フラスコを氷浴中に保持し、水(1.6ml)中のNaNO2(0.21g、3ミリモル)の溶液を滴下して加え、混合物を30分間攪拌した。ビーカー中にサリチル酸0.33g(2.3ミリモル)を装入し、2N NaOH6ml及び水1.5mlから成る溶液を加えた。18℃に冷却したこの溶液に、これを低温に保ちながらジアゾニウム塩を滴下して加えた。溶液の色はだんだんと深赤橙色に変化し、反応の終結に近づくと大量の橙色−黄色の固体が沈殿した。ジアゾニウム塩溶液の添加の終わり近くでは、添加の終了までpHが塩基性のままであるようにpHを調節し、かつ最終的には、pH=3とした。CHCl3を用いて抽出し、溶媒を除去すると、粗生成物が得られ、これをシリカゲル上のクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH20%)により精製すると、橙色の固体0.6gが得られた(55%)。
融点185−190℃(C31H34N6O4・H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3+CD3OD)δ(TMS):8.88(s、1H)、8.48(m、2H)、7.95(m、3H)、7.48(m、4H)、7.00(d、J=8.9Hz、1H)、4.59(m、1H)、4.08(m、1H)、3.82(d、J=7.1Hz、2H)、3.55(m、1H)、2.57(s、3H)、3−0.5(複合シグナル、9H)、1.61(S、J=3H)、1.56(S、3H)。
実施例2
トランス−1−〔〔1−〔3−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)フェニル〕−3−フェニルプロペノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン
参考例11bで得られた化合物から出発したことを除いて、実施例1に記載の方法に従って、標記の化合物を橙色の固体として得た(44%)。
融点228−232℃(C35H32N6O4・4H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3+CD3OD)δ(TMS):8.93(s、1H)、8.45(m、2H)、7.92(m、3H)、7.40(m、9H)、7.30(d、J=8.9Hz、1H)、6.39(S、1H)、4.65(m、1H)、4.28(m、1H)、3.94(m、3H)、2.61(s、3H)、3−0.5(複合シグナル、7H)。
実施例3
シス−1−〔〔1−〔3−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)フェニル〕−3−フェニルプロペノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン
参考例11aで得られた化合物から出発したことを除いて、実施例1に記載の方法に従って、標記の化合物を橙色の固体として得た(61%)。
融点278−287℃(C35H32N6O4・H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3+CD3OD)δ(TMS):8.86(s、1H)、8.47(m、2H)、8.01(m、3H)、7.37(m、9H)、7.00(d、J=8.9Hz、1H)、6.33(S、1H)、4.61(m、1H)、4.39(m、1H)、3.95(m、1H)、3.74(d、J=7.1Hz、2H)、2.54(s、3H)、3−0.5(複合シグナル、7H)。
実施例4
1−〔〔1−〔〔N−〔〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)フェニル〕スルホニル〕−N−フェニルアミノ〕アセチル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン
参考例14で得られた化合物から出発したことを除いて、実施例1に記載の方法に従って、標記の化合物を橙色の固体として得た(25%)。
融点195−200℃(C34H33N7O6S・2H2O・0.5DMF);
1H NMR(80MHz、DMSO−d6)δ(TMS):9.06(s、1H)、8.33(m、7H)、7.82(m、7H)、7.26(m、5H)、6.80(d、J=8.9Hz、1H)、4.14(m、5H)、2.88(s、3H)、3−1(複合シグナル、9H)。
実施例5
N−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)ベンゾイル〕−N−〔4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホニル〕−L−ロイシンエチルエステル
参考例16で得られた化合物から出発したことを除いて、実施例1に記載の方法に従って、標記の化合物を橙色の固体として得た(30%)。
融点173−180℃(C36H36N6O8S・1.5H2O);
1H NMR(80MHz、DMSO−d6)δ(TMS):9.10(s、1H)、8.34(m、2H)、7.74(m、5H)、7.35(m、4H)、6.91(d、J=8.7Hz、2H)、5.73(s、2H)、5.60(m、2H)、5.02(m、1H)、4.19(q、J=7.08Hz、2H)、2.59(s、3H)、1.91(m、3H)、1.21(t、J=7.0Hz、3H)、0.89(t、J=6.1Hz、3H)、0.82(d、J=6.1Hz、3H)。
実施例6
N−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)ベンジル〕−N−〔4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホニル〕−L−ロイシンエチルエステル
参考例18で得られた化合物を用いたことを除いて、実施例1に記載の方法に従って、標記の化合物を橙色の固体として得た(18%)。
融点177−176℃(C36H38N6O7S・2H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3+CD3OD)δ(TMS):8.97(s、1H)、8.53(s、1H)、8.37(m、1H)、8.00(d、J=9.0Hz、1H)、7.75(m、4H)、7.18(m、6H)、5.43(S、2H)、4.58(dd、J=10.7、13Hz、2H)、4.52(m、1H)、4.06(m、2H)、3.89(q、J=7.08Hz、2H)、2.60(s、3H)、1.57(m、3H)、1.08(t、J=7.0Hz、3H)、0.95(t、J=5.1Hz、3H)、0.64(d、J=5.1Hz、3H)。
実施例7
N−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)ベンジル〕−N−〔(S)−1−イソブチル−2−エトキエチル〕−4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホンアミド
参考例20で得られた化合物を用いたことを除いて、実施例1に記載の方法に従って、標記の化合物を橙色の固体として得た(35%)。
融点170−173℃(C36H40N6O6S・H2O);
1H NMR(80MHz、CDCl3+CD3OD)δ(TMS):8.95(s、1H)、8.51(s、1H)、8.37(m、1H)、8.00(d、J=9.0Hz、1H)、7.66(m、4H)、7.33(m、3H)、7.00(d、J=8.5Hz、3H)、5.35(S、2H)、4.42(s、2H)、4.22(m、1H)、3.33(m、5H)、2.57(s、3H)、1.55(m、1H)、1.28(m、3H)、0.95(t、J=7.1Hz、3H)、0.85(t、J=6.0Hz、3H)、0.77(d、J=6.0Hz、3H)。
Claims (16)
- 式I
〔式中、
4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェノルアゾ部分は、ベンゼン環の3位または4位にあってもよく、
mは1又は2を表し、
R1は、C1〜C4−アルキル又はC3〜C7−シクロアルキルを表し、
a、b及びcは、CR2(式中、それぞれのR2は独立して水素またはC1〜C4−アルキルを表す)を表し、
Xは、式(i)又は(ii)の基
(式中、これらの基は、それぞれB及びZを介して式Iのフェニル環に結合しており、
Aは、−CO−、−SO2−、−NHCO−又は−OCO−を表し、
Bは、式(iii)の基を表し、またAが−CO−又は−SO2−を表す場合には、Bは式(iv)、(v)、(vi)又は(vii)の基も表すことができ、
nは0、1、2又は3を表し、
pは0又は1を表し、
R3は、水素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はアリールを表し、R4は、水素、C1〜C4−アルキル、−COOR5又は−CONR5R6を表し、またAが−CO−又は−SO2−を表す場合には、R4は−NR5R6、−NR7C(=O)OR5、−NR7C(=O)R5、−NR7C(=O)NR5R6又は−NR7SO2R5も表すことができ、
又はR3及びR4は、一緒になってC2〜C6−ポリメチレン鎖を形成し、
R5は、C1〜C4−アルキル、アリール又はアリール−C1〜C4−アルキルを表し、
R6及びR7は、独立して、水素またはC1〜C4−アルキルを表し、
Wは、−OC(=O)−、−C(=O)−、−NR6C(=O)−又は−SO2−を表し、
R8はアリールを表し、
R9は、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、−C(=O)OR5、−C(=O)R5、−C(=O)NR5R6又は−SO2R5を表し、
R10は、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、アリール又はアリール−C1〜C4−アルキルを表し、
Zは−(CH2)qCO−又は−(CH2)r−を表し、
qは0、1又は2を表し、
rは1又は2を表し、
R11は水素またはハロゲンを表し、
R12及びR13は、独立して、水素、C1〜C6−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキル−C1〜C6−アルキルを表し、
又はR12及びR13は一緒になってC2〜C6−ポリメチレン鎖を表し、
R14は、−COR15、−COOH、−COOR15、−CONR16R17、−C1〜C6−アルキル−OR15、−C1〜C6−アルキル−OC(=O)R15又は−C1〜C6−アルキル−OC(=O)NR16R17を表し、
R15は、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル、C3〜C7−シクロアルキル又はC1〜C6−ハロアルキルを表し、
R16及びR17は、独立して、水素、またはR15のために開示されたいずれかのものを表す)を表し、
上記の定義中のアリールは、すべて、フェニル、又はハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ヒドロキシ、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C4−ハロアルコキシ、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニルオキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、C1〜C4−アルキルスルホニル、C1〜C4−アルキルスルフィニル、C1〜C4−アルキルチオ若しくはC1〜C4−アルキルカルボニルアミノから独立して選定した1個、2個、3個もしくは4個の基で置換されたフェニルを表す〕
で示される化合物またはこれらの塩もしくは溶媒和物。 - Xが式(i)の基を表す請求項1記載の化合物。
- Aが−CO−を表す請求項2記載の化合物。
- Bが式(iii)、(v)又は(vii)の基を表す請求項3記載の化合物。
- Bが式(iii)の基を表し、かつpが0を表す請求項4記載の化合物。
- Bが式(v)の基を表し、かつR3がC1〜C4−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はアリールを表す請求項4記載の化合物。
- Bが式(vii)の基を表す請求項4記載の化合物。
- Xが式(ii)の基を表す請求項1記載の化合物。
- mが1を表す請求項8記載の化合物。
- R12が、C1〜C6−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキル−C1〜C6−アルキルを表し、かつR13が水素を表す請求項9記載の化合物。
- R14が、−COR15、−COOR15又は−C1〜C6−アルキル−OR15を表す請求項10記載の化合物。
- R15がC1〜C6−アルキルを表す請求項11記載の化合物。
- (a)1−〔〔1−〔3−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)フェニル〕−3−メチルブタノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン、
(b)トランス−1−〔〔1−〔3−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)フェニル〕−3−フェニルプロペノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン、
(c)シス−1−〔〔1−〔3−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)フェニル〕−3−フェニルプロペノイル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン、
(d)1−〔(1−〔〔N−〔〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)フェニル〕スルホニル〕−N−フェニルアミノ〕アセチル〕−4−ピペリジル〕メチル〕−1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジン、
(e)N−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)ベンゾイル〕−N−〔4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホニル〕−L−ロイシン エチルエステル、
(f)N−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)ベンジル〕−N−〔4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホニル〕−L−ロイシン エチルエステル、
(g)N−〔4−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニルアゾ)ベンジル〕−N−〔(S)−1−イソブチル−2−エトキエチル〕−4−(1H−2−メチルイミドアゾ〔4,5−c〕ピリジルメチル)フェニルスルホンアミド、
又はこれらの塩もしくは溶媒和物、
から選択される請求項1記載の化合物。 - 請求項1に記載した式Iの化合物または薬剤的に受容できるこれらの塩もしくは溶媒和物の有効量を、一種またはこれ以上の薬剤的に受容できる賦形剤と混合して成る薬剤組成物。
- ヒトを含む動物の炎症性腸疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための請求項1に記載した式Iの化合物または薬剤的に受容できるこれらの塩もしくは溶媒和物の使用。
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