JP4090607B2 - 連結画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のデジタル複写機などを相互通信可能にピアツーピアに接続させ、マスター機となる任意の装置が複写対象の原稿を読み取り、スレーブ機となる他の装置に対して原稿情報を供給し、所定印刷を分担・並行して行う連結画像形成装置に関し、より詳細には、マスター機の操作パネルの入力により、接続されるすべての装置(スレーブ機)のユーザコードの設定が同時に行われる連結画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば1枚の複写原稿から100枚の印刷を効率的に処理するためのシステムとして、デジタル複写機などの画像形成装置を通信ネットワークを介して複数連結し、それぞれ並行複写を行う、いわゆる連結コピー動作が知られている。換言すれば、この連結コピー動作は、たとえば1枚の原稿から100枚の印刷を行う場合、操作機となるマスター機で複写原稿を読み取り、記録紙画像を作成後、マスター機で50枚、スレーブ機で50枚というように分担させ、スレーブ機に転送し、マスター機とスレーブ機の印刷を並行して行うことにより、約半分の時間で印刷できる機能である。
【0003】
なお、連結動作機能に関連する参考技術文献として、たとえばスレーブ機とマスター機の記録紙排紙面をそれぞれ逆にする『画像形成システム』が特開平10−112769号公報に、また、多量のコピーを効率的に行う『画像形成装置』が特開平10−126537号公報に開示されている。
【0004】
ところで、上記連結動作を行う際に、ユーザコードを設定することが行われているものもある。このユーザコードは、装置を使用するに際に、あらかじめ決められたコード名(あるいは番号)を登録しておき、装置の使用に先立ってそれをそれぞれの装置上で入力することにより、利用者を制限したり、課金などを行うための利用者管理を目的とするための認証コード(利用者ごとの課金カウンタ管理用情報コード)として登録される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に示されるような従来の技術にあっては、ユーザコードを、連結された装置上の操作手段を介してそれぞれに同様の操作で設定するため、その入力作業などに手間がかかったり、設定ミスも発生しやすく、操作性を低下させるという問題点があった。
【0006】
また、ユーザコードを設定する際、登録対象のユーザコードが、連結されたすべての装置に反映するかどうかは登録作業にあたって非常に重要な情報であるものの、その設定状況が的確に把握することができないので、ユーザコード設定の確認に手間取るという問題点があった。
【0007】
さらに、ユーザコードの設定作業は、通常、その装置を使用するにあたっての特権レベルのユーザが行っており、ユーザコード設定をすべての装置で可能にするかあるいは特定の装置で可能にするかといった選択ができない。この場合、それぞれの装置で設定作業を行うとその設定状況が様々になるケースが増えるので、管理上および利用上の自由度の幅が限定されてしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、連結された装置間においてマスター機の操作パネルの入力により、接続されるすべての装置(スレーブ機)のユーザコードの設定を同時に行うことにより、設定時の操作性の向上を図ることを第1の目的とする。
【0009】
また、連結された装置間においてユーザコード登録がすべての装置に行われない場合に、マスター機の操作パネルにその旨の情報を表示することにより、他の装置の設定確認を容易にすることを第2の目的とする。
【0010】
さらに、ユーザコードの設定を全装置か特定の装置かで可能にするかを選択可能にすることにより、連結された装置の利用方法に選択の幅を持たせ、かつ管理上の改善を図ることを第3の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る画像形成装置にあっては、自装置としてのマスター機から情報を受信することでマスター機の動作に反映した動作を行うスレーブ機にネットワークを介して接続される画像形成装置において、自装置の動作の利用制限を制御するための認証コードの入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた前記認証コードにより自装置の動作の利用制限を制御するための設定を行う設定手段と、前記スレーブ機が当該スレーブ機の動作の利用制限を制御するための設定を行うために、前記受付手段により受け付けられた認証コードを、前記スレーブ機へ送信するように制御する制御手段と、を備えるものである。
【0012】
また、請求項2に係る画像形成装置にあっては、自装置をマスター機とし、当該マスター機から情報を受信することでスレーブ機として当該マスター機の動作に反映した動作を行う他の画像形成装置とネットワークを介して接続された画像形成装置において、自装置の動作の利用制限を制御するための認証コードの入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた前記認証コードにより自装置の動作の利用制限を制御するための設定を行う設定手段と、前記他の画像形成装置が該他の画像形成装置の動作の利用制限を制御するための設定を行うために、前記受付手段により受け付けられた認証コードを前記他の画像形成装置へ送信するように制御する制御手段と、を備えるものである。
【0013】
また、請求項3に係る画像形成装置にあっては、自装置をマスター機とし、当該マスター機から画像情報を受信することでスレーブ機として画像処理を行う他の画像形成装置とネットワークを介して接続された画像形成装置において、自装置の利用制限を制御するための認証コードの入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた前記認証コードにより自装置の利用制限の設定を行う設定手段と、前記他の画像形成装置の利用制限の設定を行うために、前記受付手段により受け付けられた前記認証コードを前記他の画像形成装置へ送信するように制御する制御手段と、を備えるものである。
【0014】
また、請求項4に係る画像形成装置にあっては、前記認証コードの送信に対する応答がない場合に、警告を行う警告手段を、さらに備えるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の連結画像形成装置として好適な実施の形態を図面を参照し、詳細に説明する。
【0016】
[画像形成装置の構成]、[操作パネルの構成]、[画像形成装置の制御系(第1の構成例)、(第2の構成例)]、[画像形成装置の画像処理部の構成]、[複写機ネットワークシステムの構成]、[ネットワークコピー機のハード構成]、[連結画像形成装置の構成・動作]、[用語の説明・定義]の順に説明を行う。
【0017】
[画像形成装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成図である。ADF(自動原稿送り装置)101の原稿台102上に原稿画像面を上にして置かれた原稿束(図示せず)は、後述する操作パネル201上のプリントキー202が押下されると最下位紙の原稿から給送ローラ103および給送ベルト104によってコンタクトガラス105上の所定の原稿読取位置に給送される。
【0018】
コンタクトガラス105上に給送された原稿は、読み取りユニット106によって原稿画像が読み取られた後、給送ベルト104および排送ローラ107によって排出される。さらに、原稿セット検知センサ108にて原稿台102上に次の原稿が有ると検知された場合、次の原稿は、前の原稿と同様な動作が繰り返されることで一連の動作が行われる。なお、給送ローラ103、給送ベルト104および排送ローラ107は、図示せぬ搬送モータによって駆動される。
【0019】
また、第1トレイ109、第2トレイ110および第3トレイ111に積載された記録紙は、それぞれ、第1給紙部112、第2給紙部113および第3給紙部114によって給紙され、縦搬送ユニット115によってレジストローラに送られ、感光体ドラム116に当接する直前の位置まで搬送される。これと並行して、読み取りユニット106にて読み取られた原稿画像は画像データとして、書き込みユニット117から出力されるレーザ光によって感光体ドラム116に書き込まれ、現像ユニット118によってトナー像として可視像化される。
【0020】
次に、記録紙は、レジストローラが上記トナー像に対して所定位置となるようなタイミングで再起動することにより、さらに搬送ベルト119によって感光体ドラム116の回転と等速で搬送されることで、感光体ドラム116上のトナー像が転写される。記録紙に転写されたトナー像は、定着ユニット120で熱定着される。続いて、画像を定着(以下、作像と記す)された記録紙は、排紙ユニット121によって後処理装置であるフィニッシャー122に排出される。
【0021】
後処理装置のフィニッシャー122は、装置本体の排紙ユニット121によって搬送された記録紙を、排紙トレイ126方向やステイプル処理部(図面左下)方向に導くことができる。このときの導き方は、切り換え板124を使用して行われる。切り換え板124を上に切り替えることにより、排紙ローラ123および搬送ローラユニット132を経由して通常の排紙トレイ126側に排紙することができる。また、切り換え板124を下方向に切り替えることで、搬送ローラ125、127を経由して、ステイプル台128に搬送することができる。
【0022】
ステイプル台128に積載された記録紙は、一枚排紙される毎に紙揃え用のジョガー129によって紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ130によって綴じられる。ステープラ130で綴じられた記録紙群は自重によってステイプル完了排紙トレイ131に収納される。
【0023】
一方、通常の排紙トレイ126は前後に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な排紙トレイ126は、原稿毎、あるいは、後述する画像メモリ501に用いて電子ソーティングされたコピー一部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けるものである。
【0024】
記録紙の両面に画像を作像する場合は、第1トレイ109、第2トレイ110および第3トレイ111から給紙され作像された記録紙を排紙トレイ126側に導かないで、経路切り換えのための分岐爪133を上側にセットすることで、一旦、両面給紙ユニット134にストックする。
【0025】
その後、両面給紙ユニット134にストックされた記録紙は、両面給紙ユニット134から再び給紙され、感光体ドラム116に形成されたトナー画像が転写された後、経路切り換えのための分岐爪133を下側にセットすることにより、排紙トレイ126に導かれる。このように両面給紙ユニット134は、記録紙の両面に作像する場合に使用される。
【0026】
感光体ドラム116、搬送ベルト119、定着ユニット120、排紙ユニット121および現像ユニット118は、メインモータ(図示せず)によって駆動され、第1給紙部112、第2給紙部113および第3給紙部114は、メインモータの駆動をそれぞれ、第1給紙クラッチ(図示せず)、第2給紙クラッチ(図示せず)および第3給紙クラッチ(図示せず)によって伝達することにより駆動される。縦搬送ユニット115は、メインモータの駆動を中間クラッチ(図示せず)によって伝達することにより駆動される。
【0027】
次に、画像読み取りユニット106における画像の読み取り動作、および書き込みユニット117における画像の書き込み動作、すなわち、画像を記録面上に潜像形成するまでの動作について説明する。ここで潜像とは、感光体面上に画像を光情報に変換して照射することにより生じる電位分布である。
【0028】
まず、読み取りユニット106は、原稿を載置するコンタクトガラス105と、光学走査系とで構成されている。光学走査系は、露光ランプ135、第1ミラー136、レンズ137、CCDイメージセンサ138、第2ミラー139および第3ミラー140等で構成されている。露光ランプ135および第1ミラー136は、第1キャリッジ(図示せず)上に固定され、第2ミラー139および第3ミラー140は、第2キャリッジ(図示せず)上に固定されている。原稿画像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジと第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に走査される。この光学走査系は、スキャナ駆動モータ(図示せず)によって駆動される。
【0029】
また、原稿画像は、CCDイメージセンサ138によって読み取られ、電気信号に変換・処理される。なお、レンズ137およびCCDイメージセンサ138を左右方向(図1において)に移動させることにより、画像倍率が変わる。すなわち、指定された倍率に対応してレンズ137およびCCDイメージセンサ138の左右方向の位置(結像関係)が設定される。
【0030】
書き込みユニット117は、レーザ出力ユニット141、結像レンズ142およびミラー143で構成され、レーザ出力ユニット141の内部には、レーザ光源であるレーザダイオード(図示せず)およびポリゴンモータ(図示せず)によって高速で定速回転する回転多面鏡(以下、ポリゴンミラーと記し、図示せず)が備わっている。
【0031】
レーザ出力ユニット141により照射されるレーザ光は、定速回転するポリゴンミラーで光走査され、結像レンズ142を通り、ミラー143で折り返され、感光体ドラム116の面上に集光し、結像する。
【0032】
上記光走査されたレーザ光は感光体ドラム116が回転する方向と直交する方向(主走査方向)に露光走査され、後述する画像処理ユニット402のセレクタ502(図6参照)より出力された画像信号のライン単位の記録を行う。感光体ドラム116の回転速度と記録密度に対応した所定の周期で主走査を繰り返すことによって、感光体ドラム116の面上に画像(静電潜像)が形成される。
【0033】
上述のように、書き込みユニット117から出力されるレーザ光が、感光体ドラム116に照射される。感光体ドラム116の一端近傍のレーザビームを照射する位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサ(図示せず)が配置されている。この主走査同期信号をもとに主走査方向の画像記録開始タイミングの制御、および、後述する画像信号の入出力を行うための制御信号の生成を行う。
【0034】
[操作パネルの構成]
次に、図2および図3を参照して、ユーザに対する表示、並びにユーザからの機能設定入力制御を行う操作・表示手段としての操作パネル201の構成について説明する。図2は、操作パネル201を示す図である。図2に示す如く、操作パネル201には、スタートキーであるプリントキー202、クリア/ストップキー203、テンキー204、液晶タッチパネル205、初期設定キー207およびモードクリアキー208、割り込みキー209がある。なお、液晶タッチパネル205は、部数および画像形成装置の状態を示す各種メッセージの表示や、さらに各種情報の入力等に使用される。
【0035】
本実施の形態では、液晶タッチパネル205としてドット表示器を使用しているため、そのときの最適な表示をグラフィカルに行うことができる。なお、この実施の形態では、液晶タッチパネル205をドット表示器を使用するが特に本例に限定されるものではない。
【0036】
また、図3は、操作パネル201の液晶タッチパネル205の表示画面例を示した説明図である。オペレータが液晶タッチパネル205に表示されたキーにタッチすることで、選択された機能を示すキーが黒く反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(たとえば変倍であれは変倍値等)は、キーにタッチすることで、詳細機能の設定画面が表示される。
【0037】
また、図3において、画面左上は、「コピーできます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その右側には、セットした枚数を表示するコピー枚数表示部、その下の画像濃度を自動的に調整する自動濃度キー、記録紙を自動的に選択する自動用紙選択キー、コピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定するソートキー、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するスタックキー、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するステープルキー、倍率を等倍にセットする等倍キー、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー、両面モードを設定する両面キー、とじ代モード等を設定する消去/移動キー、スタンプや日付やページ等の印字を設定する印字キーである。同図においては、選択されているモードはキーが網掛け画像で表示されている。
【0038】
[画像形成装置の制御系]
次に、図4および図5を参照して、上記画像形成装置の制御系について詳細に説明する。
【0039】
(第1の構成例)
図4は上記画像形成装置の制御系を示し、図示の如く、画像形成装置全体を制御するメインコントローラ401を中心に各部が配置されている。メインコントローラ401には、システムバスを介して、画像読み取り部402、画像書き込み部403、メモリユニット404、CSS407、時計408が接続され、また、システムコントローラ401には、直接、利用者制限機器405、人体検知センサ406、操作パネル201が接続されている。そして、画像読み取り部402、画像書き込み部403、メモリユニット404は、画像データバスにより互いに接続されている。
【0040】
上記メモリユニット404は、圧縮ブロック、DRAMブロック、DMAブロックからなる。メモリユニット404内のDRAMブロックは、画像読み取り部402から読み取った画像信号を記憶するためのもので、システムコントローラー407からの要求に応じて、画像書き込み部403に保存されている画像データを転送することができる。また、圧縮ブロックは、一般的に用いられているデータ圧縮であるMH、MR、MMR方式などの圧縮機能を具備しており、一旦読み取った画像を圧縮し、メモリ(DRAM)の使用効率の向上を図っている。また、画像書き込み部403からの読み出すアドレスとその方向を変えることにより画像の回転を実現している。なお、このメモリユニット404は、通常のコピー機能を実現することだけを考えれば、必要とはならない。
【0041】
上記時計404は、ある特定の時間(設定時間)に達したなら、機械をブートしたり、シャットダウンするようなウィークリータイマー機能を実現する場合のみ必要である。また、人体検知センサ406は、予熱モード時に機械の前にユーザが近づいてきたときに自動的に予熱モードを解除する機能を実現する場合のみ必要である。CSS407は、遠隔診断、すなわち、機械のエラーが発生した場合は自動的にサービスセンターに通報したり、機械の実行状態/使用状態を遠隔地からモニターする機能を有する。これらは、上記機能が必要な場合のみ装着されればよい。
【0042】
(第2の構成例)
図5は、画像形成装置の制御系の他の構成例を示す図である。上記した第1の構成例(図4)では、システムコントローラ401のCPUが、画像読み取り部402、画像書き込み部403、メモリユニット404、CSS407の制御を行う中央制御方式であるが、本発明はこれに限られるものではなく、たとえば、図5に示す如く、画像読み取り部402、画像書き込み部403、メモリユニット404がそれぞれCPUを備え、システムコントローラから各コントローラへのコマンドを制御信号線で伝達する分散制御方式としてもよい。なお、画像形成装置の制御系の構成は、上記構成例1および2に限られるものではなく、他の構成としてもよい。
【0043】
[画像形成装置の画像処理部(IPU)の構成]
図6は、本発明の実施の形態に係る画像処理部(画像読み取り部402と画像書き込み部403)の構成を示す図である。以下、図6を参照して画像処理部の構成を説明する。まず、露光ランプからの照射光は原稿面を照射し、結像レンズ(図示せず)により読み取りユニット106のCCDイメージセンサ138に結像される。読み取りユニット106のCCDイメージセンサ138は、受光した原稿像を光電変換して画像データ(アナログ電気信号)を生成し、この画像データは、A/Dコンバータ503によってデジタル信号に変換され、そして、シェーディング補正回路504でシェーディング補正が施された後、MTFγ補正回路505でMTF補正およびγ補正処理等が施される。
【0044】
セレクタ502は、MTFγ補正回路505から第1印字合成部506を介して入力した画像データを、第2印字合成部507を介して変倍回路508へ、あるいは、メモリコントローラ510へ、切り替えて供給するものであり、変倍回路508を経由した画像データは変倍率に合わせて拡大縮小され、書き込みユニット117に送られる。
【0045】
一方、メモリコントローラ510とセレクタ502の間は、双方向に画像データを入出力可能な構成となっている。図6には特に明示していないが、画像処理部(IPU)には、読み取りユニット106から入力される画像データ以外にもI/Oポート514やSCSIドライバ515を介して外部から供給される画像データ、たとえば、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から入力したデータも処理できるよう、複数のデータの入出力の選択を行う機能を有しているものとする。
【0046】
また、画像処理部は、メモリコントローラ510等への各種情報(指令)の設定や、読み取りユニット106および書き込みユニット117の制御を行うためのCPU511と、CPU511のプログラムやデータを格納したROM512およびRAM513とを備えている。さらにCPU511は、メモリコントローラ510を介して、画像メモリ501のデータの書き込みあるいは読み出しが行える構成である。
【0047】
次に、図7を参照して、セレクタ502における1ページ分の画像データについて詳細に説明する。図7は、1ページ分の画像データのタイミングチャートである。フレームゲート信号(以下、/FGATEと略記する)は、1ページの画像データの副走査方向の有効期間を表している。主走査同期信号(以下、/LSYNCと略記する)は1ライン毎であり、/LSYNCが立ち上がった後の所定クロックで画像データが有効となる。
【0048】
主走査方向の画像データが有効であることを示す信号が、ラインゲート信号(以下、/LGATEと略記す)である。これら/FGATE、/LSYNCおよび/LGATEは、画素同期信号(以下、VCLKと略記す)に同期しており、VCLKの1周期に対し1画素のデータが送られてくる。
【0049】
なお、詳細な説明は省略するが、IPUは、画像入力、画像出力のそれぞれに対して別個の/FGATE、/LSYNC、/LGATEおよびVCLKの発生機構を有しており、読み取った原稿画像(画像データ)の直接出力を行う場合等の位相調整等を行うことにより、様々な画像入出力の組み合わせが実現可能な構成である。
【0050】
次に、図5および図8を参照して、メモリコントローラ510および画像メモリ501について詳細に説明する。図8は、メモリコントローラ510および画像メモリ501の詳細な構成を示した図である。メモリコントローラ510は、入力データセレクタ701、画像合成部702、1次圧縮/伸長部703、出力データセレクタ704、2次圧縮/伸長部705を有している。上記各部への制御データの設定は、CPU511によって行われる。なお、図6に示したアドレス、データは画像データのアドレスおよびデータを示しており、CPU511に接続される制御データのデータ、アドレスは省略してある。
【0051】
画像メモリ501は、1次記憶装置706および2次記憶装置707から構成される。1次記憶装置706は、入力した画像データの転送速度に略同期して画像メモリ501への書き込み、または、画像出力時の画像メモリ501からの読み出しが高速に行えるように、たとえば、DRAM等の高速アクセスが可能なものを使用する。また、1次記憶装置706は、処理を行う画像データの大きさにより複数のエリアに分割して画像データの入出力を同時に実行可能な構成(図示を省略するが、メモリコントローラ510とのインターフェース部)を採用している。
【0052】
各分割したエリアに画像データの入力、出力をそれぞれ並列に実行可能とするためにメモリコントローラ510とのインターフェースにリード用とライト用の二組のアドレス・データ線で接続されている。これによりエリア1に画像を入力(ライト)する間にエリア2より画像を出力(リード)するという動作が可能になる。
【0053】
2次記憶装置707は、入力された画像の合成、ソーティングを行うためのデータを保存しておく大容量のメモリである。1次記憶装置706および2次記憶装置707共に高速アクセス可能な素子を使用すれば、1次記憶装置706、2次記憶装置707の区別なくデータの処理が行え、かつ、メモリコントローラ510の制御も比較的簡単になるが、DRAM等の素子は高価であるため、1次記憶装置706のアクセス速度を高速として、入出力データの処理を行う構成にしている。なお、1次記憶装置706と同様に2次記憶装置707にもDRAM等の高速素子を使用してもよいことはもちろんである。
【0054】
上述のように画像メモリ501を1次記憶装置706および2次記憶装置707で構成することにより、大量の画像データの入出力、保存、加工等の処理が可能な画像形成装置を安価、かつ、比較的簡単な構成で実現することが可能になる。なお、集約コピー機能のおける集約画像は、1次記憶装置706上に複数の原稿画像を1枚の記録紙へ書き込む形式に並べて保存されている。
【0055】
次に、メモリコントローラ510の動作の概略を説明する。まず、画像入力(画像メモリ501への保存)について説明する。
【0056】
入力データセレクタ701は、複数のデータの内から、画像メモリ(1次記憶装置706)への書き込みを行う画像データの選択を行う。入力データセレクタ701によって選択された画像データは、画像合成部702に供給され、画像合成部702で既に画像メモリ501に保存されているデータと合成される。画像合成部702によって処理された画像データは、1次圧縮/伸長部703によりデータ圧縮を施され、圧縮後のデータが1次記憶装置706に書き込まれる。1次記憶装置706に書き込まれたデータは、必要に応じて2次圧縮/伸長部705でさらに圧縮を行った後に、2次記憶装置707に保存される。
【0057】
次に、画像出力(画像メモリ501からの画像データの読み出し)について説明する。まず、画像出力時は、1次記憶装置706に記憶されている画像データの読み出しを行う。出力対象となる画像が1次記憶装置706に格納されている場合にも、1次圧縮/伸長部703で1次記憶装置706の画像データの伸長を行い、伸長後のデータ、あるいは、伸長後のデータと入力データとの画像合成を行った後のデータを出力データセレクタ704で選択し、出力する。
【0058】
画像合成部702は、1次記憶装置706のデータと、入力データとの合成(画像データの位相調整機能を有する)、合成後のデータの出力先の選択(画像出力、1次記憶装置706へのライトバック、両方の出力先への同時出力も可能)等の処理を行う。
【0059】
出力対象となる画像が1次記憶装置706に格納されていない場合には、2次記憶装置707に格納されている出力対象画像データを2次圧縮/伸長部705で伸長を行い、伸長後のデータを1次記憶装置706に書き込んでから、以下、上述の画像出力動作を行う。
【0060】
[複写機ネットワークシステムの構成]
図9は、本発明の実施の形態に係るデジタル複写機を複数台接続した複写機ネットワークシステムを示している(なお、複写機ネットワークを構成するデジタル複写機を「ネットワークコピー機」と称する)。図9に示すように、複数台のデジタルコピー機がネットワークインターフェースを介して互いに接続されている。同図では、8台のデジタル複写機をネットワーク化した例をしているが、接続するデジタル複写機の台数はこれに限定されるものではなく、何台を接続する構成としてもよいし、基本的に相互通信が可能であれば異なる機種であってもよい。
【0061】
[ネットワークコピー機のハード構成]
図10は、上記ネットワークコピー機のハード構成を示す図であり、特に、2台のネットワークコピー機として前述した如く構成されたデジタル複写機1000(「デジタルPPC−I」と「デジタルPPC−II」)を接続した例を示している。同図に示すように1台のデジタル複写機のハード構成は、図4のハード構成例1とほぼ同様な構成であるが、さらに、読み取った画像を外部のネットワーク上に転送、あるいは、ネットワーク上からの画像データをメモリユニット内のDRAMブロック部に保存するために、ネットワーク手段としてSCSI(Small Computer System Interface)およびSCSIコントローラを備えている。
【0062】
ネットワーク通信手段には、たとえば、イーサネットを物理手段として用い、データ通信にOSI(Open System Interface)参照モデルのTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)通信を用いるなど、種々の手段が考えられる。また、同図のような構成を用いることにより、上述のように画像データの転送はもちろんのこと、ネットワーク上に存在する各機械の機内状態通知や後述するリモート出力コマンドのような制御コマンド、設定コマンドの転送も行っている。
【0063】
次に「デジタルPPC−I」で読み取った画像を「デジタルPPC−II」の画像書き込み部に転送する動作(以下、「リモート出力」と称する)を図10および図11を参照して説明する。図11は、「デジタルPPC−I」と「デジタルPPC−II」のソフトウェアの概念図を示している。
【0064】
図11において、「コピーアプリ」は複写動作を実行するためのコピーシーケンスを実行するアプリケーション、「入出力制御」はデータを論理/物理変換するレイア(デバイスドライバー)、操作パネルコントローラは、MMI(Man Machine Interface)を実行するレイア(LCD表示やLED点灯/消灯、キー入力スキャン等を論理レベルで行うレイア)、「周辺機コントローラ」は自動両面ユニット、ソータや、ADFなどのPPCに装着される周辺機のコントロールを論理レベルで実行するレイアを示し、「画像形成部コントローラ」、「画像読みとり装置コントローラ」、「メモリユニット」は前述の如くである。
【0065】
また、「デーモンプロセス」はネットワーク上にある他の機械からプリント要求が依頼された場合に、メモリユニット内に保存されている画像データを読み出し、「画像形成部」に画像データを転送する役目を行うアプリケーションとして存在している。当然のことながら、「デーモンプロセス」がメモリユニットから画像を読み出し、プリント動作を実行する前に、ネットワーク上の他の機械からの画像転送は終了しておかなければならない。
【0066】
また、操作パネル、周辺機、画像形成部、画像読みとり装置、メモリユニットはそれぞれのPPCが保有するリソース(資源)として扱われる。同図の「デジタルPPC−I」が自身の各リソースを使用して複写動作を実行する場合(プリントスタートキ−押下時)には、「システムコントローラ」に対して、「画像形成装置」、「画像読みとり装置」、あるいは、必要に応じて、「周辺機」、「メモリユニット」の各リソースを「システム制御」部に要求する。
【0067】
「システム制御」部は、「コピーアプリ」からの要求に対して、リソースの使用権の調停を行い、「コピーアプリ」にその調停結果(使用可否)を通知する。「デジタルPPC−I」がスタンドアローンで使用される場合(ネットワーク接続されない状態)では、システムが保有するリソースは全て「コピーアプリ」が占有可能状態であるため、即時に複写動作が実行される。一方、この実施の形態の如く、ネットワーク上に存在する別の機械(以下、遠隔デジタルPPC)のリソースを使用してプリント動作を実行する遠隔デジタルPPCの「システムコントローラ」に対してリソースの使用権を要求する。
【0068】
遠隔デジタルPPCのシステムコントローラは、要求に従ってリソースの調停を行い、その結果を要求元の機械のアプリケーションに通知する。アプリケーションは使用権が許可された場合は、画像の読み取りを実行し、自身のメモリユニット内への画像記憶を行い、該記憶が終了すると、外部インターフェース(本実施例ではSCSI)を介して、リモート出力先の機械のメモリユニットに画像転送を行う。画像転送が終了すると、リモート出力先の機械の「デーモンプロセス」に対してプリント実行するための各条件(給紙口、排紙口、プリント枚数など)を送信した後に、「プリント開始」コマンドを送信する。リモート出力先の「デーモンプロセス」は「プリント開始」コマンドを受信すると、自身(リモート出力を実行する機械)の「システムコントローラ」に対してプリント開始を要求し、リモート出力がシステムコントローラによって実行される。
【0069】
「デジタルPPC−I」によって「デジタルPPC−II」のメモリユニットが使用されている場合は、「デジタルPPC−II」のメモリユニットは、「デジタルPPC−II」(あるいは、図9に示すような複数のデジタルPPCがネットワーク上に接続される場合は「デジタルPPC−I」以外のデジタルPPC)のアプリケーションの使用は不可状態となる。
【0070】
[連結画像形成装置の構成・動作]
次に、以上説明してきたデジタル複写機(画像形成装置)を連結する際における本発明の特徴となる構成・動作について図13〜図18を用いて説明する。
【0071】
(システムのデータ入出力)
図13は、本発明の実施の形態に係る連結画像形成装置間におけるモード変更情報のデータの流れを示す説明図である。この図は、たとえば先に説明した図10のネットワークコピー機1000(この例では2台)を双方向通信可能な連結インターフェイス(SCSI−I/F、あるいはLANなど)1302によって接続し、簡略的に示したものである。また、ネットワークコピー機1000はそれぞれ操作パネル201と操作パネルインターフェイス1301を介して接続されている。
【0072】
さらに付言する。ネットワークコピー機1000aは、操作パネル201aがシステムコントローラ401aと操作パネルインターフェイス1301aを介して接続され、操作パネル201a上で入力された連結動作開始や、連結動作終了などの情報がシステムコントローラ401aに伝えられる。また、システムコントローラ401aはそれらの情報を操作パネルインターフェイス1301aを介して行う。同様に、ネットワークコピー機1000bも、システムコントローラ401bと操作パネル201bが、操作パネルインターフェイス1301bを介して接続され入出力情報のやりとりを行う。
【0073】
ネットワークコピー機1000aとネットワークコピー機1000bとは連結インターフェイス1302によって双方向通信可能の接続されている。ネットワークコピー機1000aのシステムコントローラ401aは連結インターフェイス1302を介してネットワークコピー機1000bの入力情報を獲得することおよびネットワークコピー機1000bの操作パネル201bへの表示を指示することができる。同様に、ネットワークコピー機1000bはシステムコントローラ401bを介してネットワークコピー機1000aの操作パネル201aの入力情報を獲得することおよびネットワークコピー機1000aの操作パネル201aへの表示を指示することができる。
【0074】
(マスター機とスレーブ機の動作)
上述したように連結インターフェイス1302によって接続されたネットワークコピー機1000aとネットワークコピー機1000bは、対等(ピアツーピア;peer−to−peer)の関係にあり、電源投入後の初期状態ではどちらが親機(マスター機)となるかは定まっていない。また、ネットワークコピー機1000ごとに操作パネル201が接続されているのは先に述べた通りである。すなわち、オペレータが一方のネットワークコピー機1000の操作パネル201でユーザコード登録を行うことにより、そのネットワークコピー機1000がマスター機、他方のネットワークコピー機1000がスレーブ機となる。
【0075】
図14は、マスター機側における動作処理例を示すフローチャートである。まず、ユーザコードの入力処理を行い(S1401)、マスター機(自機)側にユーザコードを登録する(S1402)。続いて、連結されているスレーブ機に同じユーザコードを送信する(S1403)。その後、スレーブ機にユーザコードを送ったマスター機は、スレーブ機からの応答有無を判断する(S1404)。ここで、スレーブ機から応答があれば、ユーザコードの登録に成功した旨を操作パネル201上に、連結されたすべての装置でユーザコードが登録されたことを表示する(S1405)。一方、ステップS1404においてタイムアウト(応答なし)であれば、ユーザコードの登録に失敗したことを操作パネル201上に表示する(S1406)。
【0076】
図15は、スレーブ機側における動作処理例を示すフローチャートである。まず、マスター機からユーザコードの通知があったか否かを判断し(S1501)、ユーザコードの通知があったと判断した場合に、そのユーザコードを登録する(S1502)。そして、その登録が完了したことをマスター機に通知する(S1503)。
【0077】
なお、ユーザコードとは、先の述べた通り、装置を使用するに際に、あらかじめ決められたコード名(あるいは番号)を登録しておき、装置の使用に先立ってそれを入力することにより、利用者を制限したり、課金などを行うための利用者管理を目的とするための認証コード(利用者ごとの課金カウンタ管理用情報コード)である。
【0078】
(動作例1)
図16は、本発明の実施の形態に係る連結動作時におけるユーザコード設定例を示すフローチャートである。ユーザコードの設定を行う場合は、連結の対象となる複数の画像形成装置(ネットワーク複写機1000)のいずれか1台の操作パネル201上で、ユーザコードの登録作業を行う(S1601)。そして、登録したユーザコード情報を連結されている他の装置に通知する(S1602)。さらに通知していない他の連結されている装置があるか否かを判断し(S1603)、その装置からの応答を待つ。ユーザコード通知と応答待ちを、連結対象となっている他の画像形成装置すべてに対して行う。
【0079】
したがって、上述したように連結動作時において、接続された1つの装置からのユーザコード設定によって、すべての装置に対してユーザコード(利用者ごとの課金カウンタ管理用情報コード)の設定(登録、変更、削除を含む)が実現し、その連結動作時における操作性が著しく向上する。
【0080】
(動作例2)
図17は、図16においてユーザコード通知に対する無応答時の動作例を示すフローチャートである。まず、通知した連結された装置からの応答があるか否かを判断する(S1701)。ここで、他の画像形成装置へのユーザコード通知に対しての応答があった場合、ユーザコード登録を行った装置は、操作パネル201上に、たとえば「ユーザコード登録成功」といったメッセージ表示を行う(S1702)。一方、他の画像形成装置へのユーザコード通知に対しての応答がないと判断した場合、たとえば「ユーザコード登録は失敗しました。接続を確認して下さい。」の警告メッセージを操作パネル201に表示する(S1703)。
【0081】
したがって、上述したユーザコード設定時に、接続された1台の装置からのユーザコード設定が、すべての装置におけるユーザコードの設定ができたか否かを操作パネル201上のメッセージによって確認することができるので、連結動作におけるユーザコード設定操作の利便性が向上する。
【0082】
(動作例3)
ここでは、装置上の不揮発性RAMに、ユーザコードを登録するきことが可能か否かの領域を確保しておく。連結された装置のうち、ユーザコードの登録が可能な装置については上記領域に可能であることの情報を書き込んでおき、他の装置には登録不可の情報を書き込んでおく。そして、任意の装置の操作パネル上からユーザ登録を行う。以下、フローチャートを用いて説明する。
【0083】
図18は、図16のユーザコード設定の可否を判断・処理する例を示すフローチャートである。まず、操作パネル201上からユーザコードの入力を開始する(S1801)。そして、ユーザコードの登録が可能な装置であるか否かを判断する(S1802)。ここで、ユーザコードの登録が可能である装置であると判断した場合、連結された装置全体のユーザコードの登録を行う(S1803)。一方、ユーザコード登録が不可能な装置であると判断した場合、操作パネル201に、たとえば「ユーザコード登録はできません。」という旨の警告メッセージを表示する(S1804)。
【0084】
したがって、上述したユーザコード設定時に、接続された1台の装置からのユーザコード設定が可能となるか否かを利用者が選択(特定)できることにより、ユーザコード設定時における管理上の効率が向上する。すなわち、ユーザコード登録作業を1台の装置にのみ限定することにより、特定の1台のみの管理によって、すべての装置のユーザコード管理を集中して行うことが実現し、管理上における効率が改善される。
【0085】
[用語の説明・定義]
次に、本明細書で使用する用語およびデジタル複写機に関連する用語について説明する。
【0086】
[画像読みとり装置(画像読み取り部)]:デジタルPPCで用いられる「画像読みとり装置」としては、光源を原稿に照射し、その反射光を「固体撮像素子=CCD」で電気信号に変換し、「必要な画像処理」を行う機能を持った装置が使用されている。ここで、「必要な画像処理」とは、量子化(CCDで電気信号に変換されたアナログデータを2値あるいは多値データに変換する)、シェーディング補正(原稿を照射する光源の照射ムラや、CCDの感度ばらつきを補正する)・MTF補正(光学系によるボケを補正する)・変倍処理(画像の読みとり密度を変化させ、読み取った画像データを用いてデータ補間する等の処理を示す)等をいう。
【0087】
[画像形成部]:デジタルPPCで用いられる[画像形成部」は、電気信号で送られた画像イメージを電子写真、感熱、熱転写、インクジェット等の手段により普通紙、感熱紙などに形成する装置である。
【0088】
[ビデオ信号]、[画像データ]:前述の「画像読みとり装置」で変換された画像の電気信号、「画像形成部」へ入力される画像の電気信号、および、画像の電気信号と同期をとるための信号をまとめて「ビデオ信号」あるいは「画像データ」と表現する。
【0089】
[制御信号]、[コマンド]:「ビデオ信号」を「画像読みとり装置」、「画像形成部」、「アプリケーション」間でやりとりするためには、装置間で情報を伝達し合う必要がある。この手段を「制御信号」または「コマンド」発行と表現する。
【0090】
[拡張機能]、[アプリケーション(アプリと略す)]、[メモリ機能]、[メモリユニット]:デジタルPPCの大きな特徴は、画像を電気信号に変換して読み込み、電気信号を画像形成装置で復元することである。このとき読み取った電気信号をさまざまに変化(画像処理)、伝達する手段を持つことによって、従来のアナログPPC以外の分野に応用可能となる。FAX、ページプリンター、スキャナ、ファイルシステムなどの機能を実現できるほか、最近では、PPC機能の実行時においても、読み取った画像データを一旦、DRAMなどの記憶装置に記憶させ、必要に応じて画像データを読み出すことによって、複数の複写時には1スキャンで複数プリントを実行したり、あるいは、複数の原稿を1枚の記録紙にプリントする機能(=以下メモリ機能)等も実現されている。これらのデジタルPPCシステムならでは実現できる機能を「拡張機能」あるいは「アプリ」と表現する。なお、メモリユニットはネットワーク上にある機械間の画像データ転送時の緩衝手段としても利用している。
【0091】
[システムコントローラ]、「システム]:複写モードを実行する上で、画像書き込み部で画像形成するために、紙搬送処理、電子写真プロセス処理、異常状態や給紙カセット状態(紙の有無など)等の機内監視、および、画像読みとり部で画像を読みとるために、スキャナ動作や光源のON/OFFなどを制御するコントローラを総称して「システムコントローラ」と表現する。さらに、最近のデジタルPPCでは拡張機能を1つ搭載するのみではなく複数アプリを同時搭載するようになってきた。このように、1つの資源を共有するデジタルPPCを「システム」と表現し、このシステムを制御するコントローラを「システムコントローラ」と表現する場合もある。
【0092】
[資源]、[リソース]:複数のアプリから共有される機能ユニット単位を「資源」、「リソース」と表現する。前述の「システムコントローラ」は、このリソース単位でシステム制御を行っている。本件のデジタルPPCで管理している資源は「画像読みとり装置」、「画像形成部」、「操作パネル」、「メモリ」、「周辺機(=ADF、ソーター、自動両面ユニットなど)」などがある。
【0093】
[利用者制限]:特に電子写真プロセスを使用しているPPCは、消費量が多いため、無制限に使用を許可したくない場合がある。このとき、「利用者」を特定、限定、管理するために、「コインラック」、「キーカウンター」、「キーカード」、「プリペードカード」、等の「利用者制限機器」や「暗証コード」等を使用する。
【0094】
[ユーザ設定]:システムが複雑になると、ユーザ毎の個別対応が必要となる。工場出荷時にこれらの対応を全て満足することは不可能であるため、市場での対応が不可欠となる。従って、通常は、不揮発RAMを装備し、顧客の要求に応じたシステム設定を可能としているが、この機能を「ユーザ設定」と表現する。
【0095】
[アイドル状態]:ユーザよる操作が行われていない状態が一定期間継続した状態を「アイドル状態」、それ以外の状態を「ビジー状態」と表現する。「ビジー状態」から「アイドル状態」に遷移するまでの時間はユーザ設定可能である。たとえば、複写動作中はもちろん、複写動作が終了しても一定期間、ユーザによる無操作状態が継続しないと「アイドル状態」には遷移しない。
【0096】
[ウィークリータイマー]:各曜日ごとに設定されたON/OFF時間に合わせ電源をON/OFFする機能である。
【0097】
[予熱]:定着温度を一定温度(たとえば10℃)下げて制御し、操作パネル表示を消すことにより、消費電力を節約するモードである。このモードの設定は、操作パネルでのキー入力や、機械設定によっては動作および操作が無くなってから一定時間後に自動的に設定される。このモードの解除は、操作パネルでのキー入力や、機械設定によって人体検知センサにより機械の前に人が立ったことを検出したときに解除される。
【0098】
[リロード]:定着温度があらかじめ設定してある定着可能温度に到達しコピーが可能である状態をリロードという。
【0099】
[割り込みモード]:コピー動作実行中および操作中において一時的にコピー作業を割り込んでコピーするときのモードである。このモードを設定することによりその前のコピーモード、およびコピー途中であればその途中経過情報を不揮発RAMに記憶し、割り込みモードに移行し、モードを初期化する。コピー動作実行後、割り込みモード解除すると、不揮発RAMに記憶したモードおよび情報を戻して割り込みモード設定前の状態を復帰させ、再スタートにて、割り込み前のモードを継続する事ができる。このモードの設定/解除は操作パネル201のキーにて行うことができる。
【0100】
[予約モード]:複数のコピーアプリを起動させ、システムコントローラによりリソース管理を行う。あるコピーアプリが画像形成動作中にあり、操作パネルや画像読み取り装置が開放されていれば、別のコピーアプリに使用を許可し、設定の操作や原稿の読み取りを行う。
【0101】
[CSS](あるいは[遠隔診断システム]、[画像形成装置管理システム]):図12は、画像形成装置管理システムの構成を示している。サービス拠点に設置されている管理装置1203とユーザの元に設置されているPPC1200等の機器とを公衆回線網1202を介して接続している。ユーザ側には管理装置1203との通信を制御するための通信コントロール装置1201が設置されており、ユーザ元のPPC1200はこの通信コントロール装置1201に接続されている。通信コントロール装置1201には、電話機やファクシミリが接続可能になっており、ユーザの既存の回線に挿入する形で設置が可能になっている。通信コントロール装置1201には、複数のPPCが接続可能になっているが、もちろん単数の場合もある。
【0102】
これらのPPCは同型のものである必要はなく異なる機種でもかまわず、PPC以外の機器でもかまわない。ここでは説明の便宜上、1台の通信コントロール装置には最大5台のPPCが接続可能であるとする。通信コントロール装置と複数のPPCはRS−485規格によりマルチドロップ接続されている。通信コントロール装置と各PPC間の通信制御は基本型データ伝送制御手順により行われる。通信コントロール装置を制御局としたセントラライズド制御のポーリング/セレクティング方式でデータリンクの確立を行うことにより、任意のPPCとの通信が可能になっている。各PPCはアドレス設定スイッチによって固有の値を設定できるようになっており、これによって各PPCのポーリングアドレス、セレクティングアドレスが決定される。
【0103】
[予約コピー]は、複数のコピーアプリを起動させ、それぞれが独立した動作をするものとする。共有資源である、操作パネル、周辺機、画像書き込み部、画像読み取り装置、メモリはシステムコントローラにより調停される。複数のコピーアプリは、操作パネルが提供する仮想画面にそれぞれの操作画面情報を書き込むことが可能である。操作パネルはシステムコントローラから指示される操作パネルオーナーアプリの仮想画面の画面情報を実画面に展開する。
【0104】
[動作予約]:動作予約の段階では、複写機において定着の加熱中等の時はコピー動作が開始できないが、モード設定および原稿のセットを終了させ予約することにより、定着加熱終了後、コピー動作可になった時点で自動的にコピー動作を開始する機能のことである。この実施の形態では、定着加熱中を動作予約可能対象としているが、これ以外にも時間の経過と共に動作可能になるものについては、対象になる資格がある。LCTトレイ上昇時間、ポリゴンモータ回転安定時間、トナー補給動作中等考えられる。
【0105】
ところで、本発明は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【0106】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る画像形成装置(請求項1〜3)によれば、マスター機側の認証コードの動作の利用制限に連動し、接続されたスレーブ機に対し、スレーブ機の認証コードを送信するよう制御することにより、それぞれのスレーブ機に設定するという手間が省けるので、スレーブ機に対して認証コードの設定が実現し、操作性が著しく向上する。
【0107】
また、本発明に係る画像形成装置(請求項4)によれば、認証コードの送信に対する応答がない場合、警告を行うことにより、接続されたスレーブ機において認証コードの設定ができたか否かを警告によって確認することができるので、認証コード設定操作の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図2】操作パネルの構成を示す説明図である。
【図3】操作パネルの液晶タッチパネルの表示画面例を示す説明図である。
【図4】図1に示した画像形成装置の制御系の構成例を示す図である。
【図5】図1に示した画像形成装置の制御系の他の構成例を示す図である。
【図6】図4の画像処理部を示した構成図である。
【図7】1ページ分の画像信号を示すタイミングチャートである。
【図8】図6に示したメモリコントローラおよび画像メモリの詳細な構成を示す説明図である。
【図9】複写機ネットワークシステムを示す説明図である。
【図10】ネットワークコピー機のハード構成を示す説明図である。
【図11】複数のコピーアプリを起動させた場合のソフトウエア概念図である。
【図12】画像形成装置管理システムの構成を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る連結画像形成装置間におけるモード変更情報のデータの流れを示す説明図である。
【図14】マスター機側における動作処理例を示すフローチャートである。
【図15】スレーブ機側における動作処理例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態に係る連結動作時におけるユーザコード設定例を示すフローチャートである。
【図17】図16においてユーザコード通知に対する無応答時の動作例を示すフローチャートである。
【図18】図16のユーザコード設定の可否を判断・処理する例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
106 読み取りユニット
201 操作パネル
202 プリントキー
204 テンキー
207 初期設定キー
401 システムコントローラ
402 画像読み取り部
403 画像書き込み部
404 メモリユニット
501 画像メモリ
508 変倍回路
511 CPU
512 ROM
513 RAM
514 I/Oポート
515 SCSIドライバ
701 入力データセレクタ
1000 ネットワークコピー機
1301 操作パネルインターフェイス
1302 連結インターフェイス
Claims (4)
- 自装置としてのマスター機から情報を受信することでマスター機の動作に反映した動作を行うスレーブ機にネットワークを介して接続される画像形成装置において、
自装置の動作の利用制限を制御するための認証コードの入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた前記認証コードにより自装置の動作の利用制限を制御するための設定を行う設定手段と、
前記スレーブ機が当該スレーブ機の動作の利用制限を制御するための設定を行うために、
前記受付手段により受け付けられた認証コードを、前記スレーブ機へ送信するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 自装置をマスター機とし、当該マスター機から情報を受信することでスレーブ機として当該マスター機の動作に反映した動作を行う他の画像形成装置とネットワークを介して接続された画像形成装置において、
自装置の動作の利用制限を制御するための認証コードの入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた前記認証コードにより自装置の動作の利用制限を制御するための設定を行う設定手段と、
前記他の画像形成装置が該他の画像形成装置の動作の利用制限を制御するための設定を行うために、前記受付手段により受け付けられた認証コードを前記他の画像形成装置へ送信するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 自装置をマスター機とし、当該マスター機から画像情報を受信することでスレーブ機として画像処理を行う他の画像形成装置とネットワークを介して接続された画像形成装置において、
自装置の利用制限を制御するための認証コードの入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた前記認証コードにより自装置の利用制限の設定を行う設定手段と、
前記他の画像形成装置の利用制限の設定を行うために、前記受付手段により受け付けられた前記認証コードを前記他の画像形成装置へ送信するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記認証コードの送信に対する応答がない場合に、警告を行う警告手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の画像形成装置。
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