JP3895488B2 - デジタル複写機ネットワークシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LANなどのネットワークに接続されるデジタル複写機ネットワークシステムに関し、より詳細には、複数の装置を連結動作させる連結モードを選択キーによって指定する機能を有し、任意の画像形成装置が複写対象の原稿を読み取り、他の画像形成装置に対して原稿情報を供給し、指定されたモードに基づいて所定の処理を分担・並行して行う際に、連結動作対象の装置の記録紙サイズと紙種の確認、およびその残量を確認し、その確認結果に基づいて連結コピー動作の実行開始を制御するデジタル複写機ネットワークシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル複写機などの画像形成装置をLANなどの通信ネットワークやSCSIインターフェイスなどを介して複数台連結し、操作機(マスター機(親機))側で連結モードを選択し、1つのジョブをマスター機とその子機(スレーブ機)によって分担し、並行複写を行う、いわゆる連結コピー動作が可能な装置(システム)が知られている。換言すれば、この連結動作コピーは、たとえば1枚の原稿からたとえば100枚コピーする場合、それぞれ50枚ずつ分担し、連結されている装置を用いて並行・印刷を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に示されるような従来の技術にあっては、連結されている複数のデジタル複写機を用いて連結コピー動作を行う場合、記録紙のサイズや紙種および給紙方向などの指示操作、およびその応答(確認)がマスター機とスレーブ機との間で的確な情報としてやりとりが行われないので、同サイズであっても紙種が異なったり、連結されている装置がペーパーエンドやニアエンド時にも関わらずコピー動作が開始され、出力結果としてミスコピーを招来させてしまうことになる。このため、連結コピーを行う際における紙種などの確認をその都度装置ごとに確認するといった作業が発生し、操作性を低下させていた。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、連結コピー動作を行う前に、記録紙の異種類組み合わせによるミスコピー発生を回避すると共に、連結コピー時の紙種確認などの作業を簡略化し、その操作性を向上させることを第1の目的とする。
【0005】
また、連結コピー動作開始前に、連結機の記録紙残量を確認し、その確認結果に基づいて連結動作開始を制御することにより、連結動作開始後におけるコピー中断を回避し、かつ記録紙の補給を迅速可能にし、コピー作業の生産性を向上させることを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係るデジタル複写機ネットワークシステムにあっては、複数の画像形成装置を双方向通信可能に接続させ、かつ複数の画像形成装置を連結動作させる連結モードを選択するキーと、給紙段ごとに記録紙サイズおよび紙種・残量などの情報を表示し、少なくとも記録紙のサイズや紙種が指定可能なキーと、装置の状態を表示する機能とを有するタッチパネルからなる操作・表示手段とを備え、マスター機となる任意の画像形成装置が複写対象の原稿を読み取り、スレーブ機となる他の画像形成装置に対して原稿情報を供給し、前記操作・表示手段を介して指定された指定情報に基づいて所定の処理を分担・並行して行うデジタル複写機ネットワークシステムにおいて、前記連結モードが選択され、連結動作対象の画像形成装置間で指定された記録紙のサイズおよび紙種が合致した場合に連結動作を開始し、連結動作対象の装置に同一の記録紙サイズ・同一紙種がない場合、同一の記録紙サイズ・同一紙種がない給紙トレイの選択キーの入力を不可とし、この状態を前記選択キーのタッチパネルの半輝度表示により表示することを装置の状態に変化が生じた場合にすべての給紙トレイ毎に行うものである。
【0007】
また、請求項2に係るデジタル複写機ネットワークシステムにあっては、連結モードによって画像形成が分担されるすべての装置に対し、使用する記録紙の残量を確認し、前記すべての装置のうち1つの装置がペーパーエンド状態である場合、連結動作開始を禁止して前記タッチパネルに他機への記録紙補給の督促メッセージを表示するものである。
【0008】
また、請求項3に係るデジタル複写機ネットワークシステムにあっては、動作設定が残留確認セット状態で、かつその確認レベルが、前記ペーパーエンド状態とニアエンド状態との間で連結動作開始の禁止制御を切り換え可能にするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のデジタル複写機ネットワークシステムの実施の形態について添付図面を参照し、[画像形成装置の構成]、[操作部の構成]、[画像形成装置の制御系(第1の構成例)、(第2の構成例)]、[画像形成装置の画像処理部の構成]、[複写機ネットワークシステムの構成]、[ネットワークコピー機のハード構成]、[連結コピーモード動作例]、[用語の説明・定義]の順に説明を行う。
【0014】
[画像形成装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るデジタル複写機の構成図である。ADF(自動原稿送り装置)101の原稿台102上に原稿画像面を上にして置かれた原稿束(図示せず)は、後述する操作部201上のプリントキー202が押下されると最下位紙の原稿から給送ローラ103および給送ベルト104によってコンタクトガラス105上の所定の原稿読取位置に給送される。
【0015】
コンタクトガラス105上に給送された原稿は、読み取りユニット106によって原稿画像が読み取られた後、給送ベルト104および排送ローラ107によって排出される。さらに、原稿セット検知センサ108にて原稿台102上に次の原稿が有ると検知された場合、次の原稿は、前の原稿と同様な動作が繰り返されることで一連の動作が行われる。なお、給送ローラ103、給送ベルト104および排送ローラ107は、図示せぬ搬送モータによって駆動される。
【0016】
また、第1トレイ109、第2トレイ110および第3トレイ111に積載された記録紙は、それぞれ、第1給紙部112、第2給紙部113および第3給紙部114によって給紙され、縦搬送ユニット115によってレジストローラに送られ、感光体ドラム116に当接する直前の位置まで搬送される。これと並行して、読み取りユニット106にて読み取られた原稿画像は画像データとして、書き込みユニット117から出力されるレーザ光によって感光体ドラム116に書き込まれ、さらに現像ユニット118によってトナー像として可視像化される。
【0017】
次に、記録紙は、レジストローラが上記トナー像に対して所定位置となるようなタイミングで再起動することにより、さらに搬送ベルト119によって感光体ドラム116の回転と等速で搬送されることで、感光体ドラム116上のトナー像が転写される。記録紙に転写されたトナー像は、定着ユニット120で熱定着される。続いて、画像を定着(以下、作像と記す)された記録紙は、排紙ユニット121によって後処理装置であるフィニッシャー122に排出される。
【0018】
後処理装置のフィニッシャー122は、装置本体の排紙ユニット121によって搬送された記録紙を、排紙トレイ126方向やステイプル処理部(図面左下)方向に導くことができる。このときの導き方は、切り換え板124を使用して行われる。切り換え板124を上に切り替えることにより、排紙ローラ123および搬送ローラユニット132を経由して通常の排紙トレイ126側に排紙することができる。また、切り換え板124を下方向に切り替えることで、搬送ローラ125、127を経由して、ステイプル台128に搬送することができる。
【0019】
ステイプル台128に積載された記録紙は、一枚排紙される毎に紙揃え用のジョガー129によって紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ130によって綴じられる。ステープラ130で綴じられた記録紙群は自重によってステイプル完了排紙トレイ131に収納される。
【0020】
一方、通常の排紙トレイ126は前後に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な排紙トレイ126は、原稿毎、あるいは、後述する画像メモリ501によってソーティングされたコピー一部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けるものである。
【0021】
記録紙の両面に画像を作像する場合は、第1トレイ109、第2トレイ110および第3トレイ111から給紙され作像された記録紙を排紙トレイ126側に導かないで、経路切り換えのための分岐爪133を上側にセットすることで、一旦、両面給紙ユニット134にストックする。
【0022】
その後、両面給紙ユニット134にストックされた記録紙は、両面給紙ユニット134から再び給紙され、感光体ドラム116に形成されたトナー画像が転写された後、経路切り換えのための分岐爪133を下側にセットすることにより、排紙トレイ126に導かれる。このように両面給紙ユニット134は、記録紙の両面に作像する場合に使用される。
【0023】
感光体ドラム116、搬送ベルト119、定着ユニット120、排紙ユニット121および現像ユニット118は、メインモータ(図示せず)によって駆動され、第1給紙部112、第2給紙部113および第3給紙部114は、メインモータの駆動をそれぞれ、第1給紙クラッチ(図示せず)、第2給紙クラッチ(図示せず)および第3給紙クラッチ(図示せず)によって伝達することにより駆動される。縦搬送ユニット115は、メインモータの駆動を中間クラッチ(図示せず)によって伝達することにより駆動される。
【0024】
次に、画像読み取りユニット106における画像の読み取り動作、および書き込みユニット117における画像の書き込み動作、すなわち、画像を感光体ドラム116面上に潜像形成するまでの動作について説明する。ここで潜像とは、感光体ドラム116面上に画像を光情報に変換して照射することにより生じる電位分布である。
【0025】
まず、読み取りユニット106は、原稿を載置するコンタクトガラス105と、光学走査系とで構成されている。光学走査系は、露光ランプ135、第1ミラー136、レンズ137、CCDイメージセンサ138、第2ミラー139および第3ミラー140等で構成されている。露光ランプ135および第1ミラー136は、第1キャリッジ(図示せず)上に固定され、第2ミラー139および第3ミラー140は、第2キャリッジ(図示せず)上に固定されている。原稿画像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジと第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に走査される。この光学走査系は、スキャナ駆動モータ(図示せず)によって駆動される。
【0026】
また、原稿画像は、CCDイメージセンサ138によって読み取られ、電気信号に変換・処理される。なお、レンズ137およびCCDイメージセンサ138を左右方向(図1において)に移動させることにより、画像倍率が変わる。すなわち、指定された倍率に対応してレンズ137およびCCDイメージセンサ138の左右方向の位置(結像関係)が設定される。
【0027】
書き込みユニット117は、レーザ出力ユニット141、結像レンズ142およびミラー143で構成され、レーザ出力ユニット141の内部には、レーザ光源である所定の波長をもったレーザダイオード(図示せず)およびポリゴンモータ(図示せず)によって高速で定速回転する回転多面鏡(以下、ポリゴンミラーと記し、図示せず)が備わっている。
【0028】
レーザ出力ユニット141により照射されるレーザ光は、定速・高速回転するポリゴンミラーで光走査され、結像レンズ142を通り、ミラー143で折り返され、感光体ドラム116の面上に集光し、結像する。
【0029】
上記光走査されたレーザ光は感光体ドラム116が回転する方向と直交する方向(主走査方向)に露光走査され、後述する画像処理ユニット402のセレクタより出力された画像信号のライン単位の記録を行う。感光体ドラム116の回転速度と記録密度に対応した所定の周期で主走査を繰り返すことによって、感光体ドラム116の面上に画像(静電潜像)が形成される。
【0030】
上述のように、書き込みユニット117から出力されるレーザ光が、感光体ドラム116に照射される。感光体ドラム116の一端近傍のレーザ光を照射する位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサ(図示せず)が配置されている。この主走査同期信号をもとに主走査方向の画像記録開始タイミングの制御、および、後述する画像信号の入出力を行うための制御信号の生成を行う。
【0031】
[操作部の構成]
次に、図2、図3を参照して、ユーザに対する表示、並びにユーザからの機能設定入力制御を行う操作・表示手段としての操作部201の構成について説明する。図2は、操作部201を示す図である。図2に示す如く、操作部201には、スタートキーであるプリントキー202、クリア/ストップキー203、テンキー204、液晶タッチパネル205、初期設定キー207およびモードクリアキー208がある。なお、液晶タッチパネル205は、機能キー206、部数およびデジタル複写機の状態を示す各種メッセージの表示や、さらに各種情報の入力等に使用される。
【0032】
また、この実施の形態では、液晶タッチパネル205としてドット表示器を使用しているため、そのときの最適な表示をグラフィカルに行うことができる。なお、この実施の形態では、液晶タッチパネル205をドット表示器を使用するが特にこれに限定されるものではない。
【0033】
また、図3は、操作部201の液晶タッチパネル205の表示画面例を示した説明図である。オペレータが液晶タッチパネル205に表示されたキーにタッチすることで、選択された機能を示すキーが黒く反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(たとえば変倍であれは変倍値等)は、キーにタッチすることで、詳細機能の設定画面が表示される。
【0034】
また、図3において、画面左上は、「コピーできます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その右側には、セットした枚数を表示するコピー枚数表示部、その下の画像濃度を自動的に調整する自動濃度キー、記録紙を自動的に選択する自動用紙選択キー、コピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定するソートモードキー304、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するスタックモードキー303、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するステープルモードキー302、倍率を等倍にセットする等倍キー、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー、両面モードを設定する両面キー、とじ代モード等を設定する消去/移動キーである。また、この実施の形態では、特に、後述するようにネットワークを介して多量のプリント動作を複数に分けてプリントアウトするときに用いる連結モードキー301を設けている。同図においては、選択されているモードはキーが斜線で表示されている。
【0035】
また、図3に示すように、給紙トレイ数に対応した給紙トレイ状態の情報として、手動で給紙段を設定するためのキーが給紙段分表示されている。1つの給紙トレイ毎のサイズ(タテ/ヨコ方向の情報を含む)、トレイ残量、用紙種類などが表示される。トレイ残量は、下矢印がペーパーエンド状態を示し、横棒1本がニアエンド状態を示している。なお、選択されているモードは反転表示される。
【0036】
図4は、連結モードキー301の押下により連結モードが設定されているときの画面例である。この画面は、図3の状態から連結モードキー301を押下することにより、図4に示すような連結モードの設定画面に切り替わる。連結モードの設定画面は、図4に示すように連結されている各複写機の連結装置選択キー400(この例では8台とする)を押下することにより、選択する。その後、設定終了キー410を押下すると図5に示す画面に切り替わり、連結モードが設定される。この連結モードを解除するときは、再度連結モードキー301を押下することで解除され、図3の画面に戻される。
【0037】
図6は、手動(用紙検知による自動選択ではない)操作により記録紙の選択がなされている状態の画面例である。ここでは、たとえば手動用紙選択キー601が「1」のA4ヨコを手動にて選択している。なお、手動用紙選択キー601として、ここでは特殊紙(トレーシングペーパー、OHP用シート、ラベル紙など)A4タテ、再生紙A3タテ、B5ヨコの選択キーが用意されている。
【0038】
図7は、選択できない給紙段が半輝度表示されている画面例である。また、その半輝度で表示されているキーを押下し、選択しようとした場合に警告表示として、たとえば図8に示すように「同一トレイがないため使用できません」といった旨の警告表示を行う。
【0039】
図9は、連結動作開始時に、操作機(マスター機)以外の装置(スレーブ機)で記録紙の補給が必要な装置があった場合、動作を中断し、記録紙補給の警告として、たとえば「他機に用紙を補給して下さい」いった旨の表示を行った例を示すものである。また、図10は、ペーパーエンド時の動作切り替えを行うための設定画面例である。ここでは、動作開始時に記録紙残量のチェックレベルを設定する。すなわち、残量確認を行うか残量未確認かの設定と、残量確認時の確認レベルとしてエンド(記録紙なし)かニアエンドかを設定するものである。この画面に移行するためには、初期設定キー207を押下することによって可能となる。
【0040】
[画像形成装置の制御系]
次に、図11および図12を参照して、上記デジタル複写機の制御系について詳細に説明する。
【0041】
(第1の構成例)
図11は、上記デジタル複写機の制御系を示し、図示の如く、デジタル複写機全体を制御するメインコントローラ401を中心に各部が配置されている。システムコントローラ401には、システムバスを介して、画像読み取り部402、画像書き込み部403、メモリユニット404、CSS407、時計408が接続され、また、システムコントローラ401には、直接、利用者制限機器405、人体検知センサ406、操作部201が接続されている。そして、画像読み取り部402、画像書き込み部403、メモリユニット404は、画像データバスにより互いに接続されている。
【0042】
上記メモリユニット404は、圧縮ブロック、DRAMブロック、DMAブロックからなる。メモリユニット404内のDRAMブロックは、画像読み取り部402から読み取った画像信号を記憶するためのもので、システムコントローラ401からの要求に応じて、画像書き込み部403に保存されている画像データを転送することができる。また、圧縮ブロックは、一般的に用いられているデータ圧縮であるMH、MR、MMR方式などの圧縮機能を具備しており、一旦読み取った画像を圧縮し、メモリ(DRAM)の使用効率の向上を図っている。また、画像書き込み部403からの読み出すアドレスとその方向を変えることにより画像の回転を実現している。なお、このメモリユニット404は、通常のコピー機能を実現することだけを考えれば、必要とはならない。
【0043】
上記時計404は、ある特定の時間(設定時間)に達したなら、機械をブートしたり、シャットダウンするようなウィークリータイマー機能を実現する場合のみ必要である。また、人体検知センサ406は、予熱モード時に機械の前にユーザを近づいてきたときに自動的に予熱モードを解除する機能を実現する場合のみ必要である。CSS407は、遠隔診断、すなわち、機械のエラーが発生した場合は自動的にサービスセンターに通報したり、機械の実行状態/使用状態を遠隔地からモニターする機能を有する。これらは、上記機能が必要な場合のみ装着されればよい。
【0044】
(第2の構成例)
図12は、画像形成装置の制御系の他の構成例を示す図である。上記した第1の構成例(図11)では、システムコントローラ401のCPUが、画像読み取り部402、画像書き込み部403、メモリユニット404、CSS407の制御を行う中央制御方式であるが、本発明はこれに限られるものではなく、たとえば、図12に示す如く、画像読み取り部402、画像書き込み部403、メモリユニット404がそれぞれCPUを備え、システムコントローラから各コントローラへのコマンドを制御信号線で伝達する分散制御方式としてもよい。なお、画像形成装置の制御系の構成は、上記構成例1および2に限られるものではなく、他の構成としてもよい。
【0045】
[画像形成装置の画像処理部(IPU)の構成]
図16は、本発明の実施の形態に係る画像処理部(画像読み取り部402と画像書き込み部403)の構成を示す図である。以下、図16を参照して画像処理部の構成を説明する。まず、露光ランプからの照射光は原稿面を照射し、結像レンズ(図示せず)により読み取りユニット106のCCDイメージセンサ138に結像される。読み取りユニット106のCCDイメージセンサ138は、受光した原稿像を光電変換して画像データ(アナログ電気信号)を生成し、この画像データは、A/Dコンバータ503によってデジタル信号に変換され、そして、シェーディング補正回路504でシェーディング補正が施された後、MTFγ補正回路505でMTF補正およびγ補正処理等が施される。
【0046】
セレクタ502は、MTFγ補正回路505から第1印字合成部506を介して入力した画像データを、第2印字合成部507を介して変倍回路508へ、あるいは、メモリーコントローラ510へ、切り替えて供給するものであり、変倍回路508を経由した画像データは変倍率に合わせて拡大/縮小され、書き込みユニット117に送られる。
【0047】
一方、メモリーコントローラ510とセレクタ502の間は、双方向に画像データを入出力可能な構成となっている。図16には特に明示していないが、画像処理部(IPU)には、読み取りユニット106から入力される画像データ以外にもI/Oポート514やSCSIドライバ515を介して外部から供給される画像データ、たとえば、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から入力したデータも処理できるよう、複数のデータの入出力の選択を行う機能を有しているものとする。
【0048】
また、画像処理部は、メモリーコントローラ510等への各種情報(指令)の設定や、読み取りユニット106および書き込みユニット117の制御を行うためのCPU511と、CPU511のプログラムやデータを格納したROM512およびRAM513とを備えている。さらにCPU511は、メモリーコントローラ510を介して、画像メモリ501のデータの書き込みあるいは読み出しが行える構成である。
【0049】
次に、図18を参照して、セレクタ502における1ページ分の画像データについて詳細に説明する。図18は、1ページ分の画像データのタイミングチャートである。フレームゲート信号(以下、/FGATEと略記する)は、1ページの画像データの副走査方向の有効期間を表している。主走査同期信号(以下、/LSYNCと略記する)は1ライン毎であり、/LSYNCが立ち上がった後の所定クロックで画像データが有効となる。
【0050】
主走査方向の画像データが有効であることを示す信号が、ラインゲート信号(以下、/LGATEと略記す)である。これら/FGATE、/LSYNCおよび/LGATEは、画素同期信号(以下、VCLKと略記す)に同期しており、VCLKの1周期に対し1画素のデータが送られてくる。
【0051】
なお、詳細な説明は省略するが、IPUは、画像入力、画像出力のそれぞれに対して別個の/FGATE、/LSYNC、/LGATEおよびVCLKの発生機構を有しており、読み取った原稿画像(画像データ)の直接出力を行う場合等の位相調整等を行うことにより、さまざまな画像入出力の組み合わせが実現可能な構成である。
【0052】
次に、図17を参照して、メモリーコントローラ510および画像メモリ501について詳細に説明する。図17は、メモリーコントローラ510および画像メモリ501の詳細な構成を示した図である。メモリーコントローラ510は、入力データセレクタ701、画像合成部702、1次圧縮/伸長部703、出力データセレクタ704、2次圧縮/伸長部705を有している。上記各部への制御データの設定は、CPU511によって行われる。なお、図16に示したアドレス、データは画像データのアドレスおよびデータを示しており、CPU511に接続される制御データのデータ、アドレスは省略してある。
【0053】
画像メモリ501は、1次記憶装置706および2次記憶装置707から構成される。1次記憶装置706は、入力した画像データの転送速度に略同期して画像メモリ501への書き込み、または、画像出力時の画像メモリ501からの読み出しが高速に行えるように、たとえば、DRAM等の高速アクセスが可能なものを使用する。また、1次記憶装置706は、処理を行う画像データの大きさにより複数のエリアに分割して画像データの入出力を同時に実行可能な構成(図示を省略するが、メモリーコントローラ510とのインターフェース部)を採用している。
【0054】
各分割したエリアに画像データの入力、出力をそれぞれ並列に実行可能とするためにメモリーコントローラ510とのインターフェースにリード用とライト用の二組のアドレス・データ線で接続されている。これによりエリア1に画像を入力(ライト)する間にエリア2より画像を出力(リード)するという動作が可能になる。
【0055】
2次記憶装置707は、入力された画像の合成、電子ソーティングを行うためのデータを保存しておく大容量のメモリである。1次記憶装置706および2次記憶装置707共に高速アクセス可能な素子を使用すれば、1次記憶装置706、2次記憶装置707の区別なくデータの処理が行え、かつ、メモリーコントローラ510の制御も比較的簡単になるが、DRAM等の素子は高価であるため、1次記憶装置706のアクセス速度を高速として、入出力データの処理を行う構成にしている。なお、1次記憶装置706と同様に2次記憶装置707にもDRAM等の高速素子を使用してもよいことはもちろんである。
【0056】
上述のように画像メモリ501を1次記憶装置706および2次記憶装置707で構成することにより、大量の画像データの入出力、保存、加工等の処理が可能な画像形成装置を安価、かつ、比較的簡単な構成で実現することが可能になる。なお、集約コピー機能のおける集約画像は、1次記憶装置706上に複数の原稿画像を1枚の記録紙へ書き込む形式に並べて保存されている。
【0057】
次に、メモリーコントローラ510の動作の概略を説明する。まず、画像入力(画像メモリ501への保存)について説明する。
【0058】
入力データセレクタ701は、複数のデータの内から、画像メモリ(1次記憶装置706)への書き込みを行う画像データの選択を行う。入力データセレクタ701によって選択された画像データは、画像合成部702に供給され、画像合成部702で既に画像メモリ501に保存されているデータと合成される。画像合成部702によって処理された画像データは、1次圧縮/伸長部703によりデータ圧縮を施され、圧縮後のデータが1次記憶装置706に書き込まれる。1次記憶装置706に書き込まれたデータは、必要に応じて2次圧縮/伸長部705でさらに圧縮を行った後に、2次記憶装置707に保存される。
【0059】
次に、画像出力(画像メモリ501からの画像データの読み出し)について説明する。まず、画像出力時は、1次記憶装置706に記憶されている画像データの読み出しを行う。出力対象となる画像が1次記憶装置706に格納されている場合にも、1次圧縮/伸長部703で1次記憶装置706の画像データの伸長を行い、伸長後のデータ、あるいは、伸長後のデータと入力データとの画像合成を行った後のデータを出力データセレクタ704で選択し、出力する。
【0060】
画像合成部702は、1次記憶装置706のデータと、入力データとの合成(画像データの位相調整機能を有する)、合成後のデータの出力先の選択(画像出力、1次記憶装置706へのライトバック、両方の出力先への同時出力も可能)等の処理を行う。
【0061】
出力対象となる画像が1次記憶装置706に格納されていない場合には、2次記憶装置707に格納されている出力対象画像データを2次圧縮/伸長部705で伸長を行い、伸長後のデータを1次記憶装置706に書き込んでから、以下、上述の画像出力動作を行う。
【0062】
また、作業を分担するために他のデジタル複写機と画像データやコマンドの送受信を行う必要があるが、これは、この例では画像データの送受信用にSCSIインターフェースを、コマンドの送受信用にシリアル通信ラインを用いている。この場合、図16のメモリーコントローラ510がSCSIドライバ515を介して実現している。
【0063】
[複写機ネットワークシステムの構成]
図13は、本発明の実施の形態に係るデジタル複写機を複数台接続した複写機ネットワークシステムを示している(なお、複写機ネットワークを構成するデジタル複写機を「ネットワークコピー機」と称する)。図13に示すように、複数台のデジタルコピー機がネットワークインターフェースを介して互いに接続されている。同図では、8台のデジタル複写機をネットワーク化した例をしているが、接続するデジタル複写機の台数はこれに限定されるものではなく、何台を接続する構成としてもよいし、基本的に相互通信が可能であれば異なる機種であってもよい。
【0064】
[ネットワークコピー機のハード構成]
図14は、上記ネットワークコピー機のハード構成を示す図であり、特に、2台のネットワークコピー機(「デジタルPPC−I」と「デジタルPPC−II」)を接続した例を示している。なお、ここでは後述する動作の便宜上「デジタルPPC−I」をマスター機1400、「デジタルPPC−II」をスレーブ機1410と呼称する。同図に示すように1台のデジタル複写機のハード構成は、図11のハード構成例とほぼ同様な構成であるが、さらに、読み取った画像を外部のネットワーク上に転送、あるいは、ネットワーク上からの画像データをメモリユニット内のDRAMブロック部に保存するために、ネットワーク手段としてSCSI(Small Computer System Interface)およびSCSIコントローラを備えている。なお、上述の如く、マスター機1400とスレーブ機1410とは対等(ピアツーピア)の関係である。たとえば、図4の表示画面で指定した場合、操作機がマスター機に該当し、その他の指定機(複写機1、複写機4、複写機7)がスレーブ機となる。なお、この図14の場合の設定は便宜上のものである。
【0065】
ネットワーク通信手段には、たとえば、イーサネットを物理手段として用い、データ通信にOSI(Open System Interface)参照モデルのTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )通信を用いるなど、種々の手段が考えられる。また、同図のような構成を用いることにより、上述のように画像データの転送はもちろんのこと、ネットワーク上に存在する各機械の機内状態通知や後述するリモート出力コマンドのような制御コマンド、設定コマンドの転送も行っている。
【0066】
次に「デジタルPPC−I」で読み取った画像を「デジタルPPC−II」の画像書き込み部に転送する動作(以下、「リモート出力」と称する)を図14および図15を参照して説明する。図15は、「デジタルPPC−I」と「デジタルPPC−II」のソフトウェアの概念図を示している。
【0067】
図15において、「コピーアプリ」は複写動作を実行するためのコピーシーケンスを実行するアプリケーション、「入出力制御」はデータを論理/物理変換するレイア(デバイスドライバー)、操作部コントローラは、MMI(Man Machine Interface)を実行するレイア(LCD表示やLED点灯/消灯、キー入力スキャン等を論理レベルで行うレイア)、「周辺機コントローラ」は自動両面ユニット、ソータや、ADFなどのPPCに装着される周辺機のコントロールを論理レベルで実行するレイアを示し、「画像形成部コントローラ」、「画像読みとり装置コントローラ」、「メモリユニット」は前述の如くである。
【0068】
また、「デーモンプロセス」はネットワーク上にある他の機械からプリント要求が依頼された場合に、メモリユニット内に保存されている画像データを読み出し、「画像形成部」に画像データを転送する役目を行うアプリケーションとして存在している。当然のことながら、「デーモンプロセス」がメモリユニットから画像を読み出し、プリント動作を実行する前に、ネットワーク上の他の機械からの画像転送は終了しておかなければならない。
【0069】
また、操作部、周辺機、画像形成部、画像読み取り装置、メモリユニットはそれぞれのPPCが保有するリソース(資源)として扱われる。同図の「デジタルPPC−I」が自身の各リソースを使用して複写動作を実行する場合(プリントスタートキ−押下時)には、「システムコントローラ」に対して、「画像形成装置」、「画像読み取り装置」、あるいは、必要に応じて、「周辺機」、「メモリユニット」の各リソースを「システム制御」部に要求する。
【0070】
「システム制御」部は、「コピーアプリ」からの要求に対して、リソースの使用権の調停を行い、「コピーアプリ」にその調停結果(使用可否)を通知する。「デジタルPPC−I」がスタンドアローンで使用される場合(ネットワーク接続されない状態)では、システムが保有するリソースは全て「コピーアプリ」が占有可能状態であるため、即時に複写動作が実行される。一方、本実施の形態の如く、ネットワーク上に存在する別の機械(以下、遠隔デジタルPPC)のリソースを使用してプリント動作を実行する遠隔デジタルPPCの「システムコントローラ」に対してリソースの使用権を要求する。
【0071】
遠隔デジタルPPCのシステムコントローラは、要求に従ってリソースの調停を行い、その結果を要求元の機械のアプリケーションに通知する。アプリケーションは使用権が許可された場合は、画像の読みとりを実行し、自身のメモリユニット内への画像記憶を行い、該記憶が終了すると、外部インターフェース(本実施の形態ではSCSI)を介して、リモート出力先の機械のメモリユニットに画像転送を行う。画像転送が終了すると、リモート出力先の機械の「デーモンプロセス」に対してプリント実行するための各条件(給紙口、排紙口、プリント枚数など)を送信した後に、「プリント開始」コマンドを送信する。リモート出力先の「デーモンプロセス」は「プリント開始」コマンドを受信すると、自身(リモート出力を実行する機械)の「システムコントローラ」に対してプリント開始を要求し、リモート出力がシステムコントローラによって実行される。
【0072】
「デジタルPPC−I」によって「デジタルPPC−II」のメモリユニットが使用されている場合は、「デジタルPPC−II」のメモリユニットは、「デジタルPPC−II」(あるいは、図9に示すような複数のデジタルPPCがネットワーク上に接続される場合は「デジタルPPC−I」以外のデジタルPPC)のアプリケーションの使用は不可状態となる。
【0073】
[連結コピーモード動作例]
次に、以上のように構成されたデジタル複写機およびそのネットワークシステムにおける本発明の特徴となる動作例についてフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、たとえば、前述した図14の構成および図15のソフトウェアに基づいたネットワーク例を用いて説明する。
【0074】
(トレイ表示処理例)
図20は、本発明の実施の形態に係る給紙トレイの状態表示とキー押下可能かを報知するための半輝度表示の処理例を示すフローチャートである。まず、設定サイズ表示を記録紙サイズとその搬送方向(タテ/ヨコ)を表示する(S2001)。さらに、その残量表示として紙あり、エアエンド、ペーパーエンド状態を表示する(S2002)。さらに、その紙種を表示する(S2003)。
【0075】
続いて連結モードキー301の押下によって連結モードが設定されているか否かを判断する(S2004)。ここで、連結モードが設定されていると判断すると、さらに連結設定されている他の装置(スレーブ機)から同一サイズで、かつ紙種も同一のものが存在するか否かを判断(検索)する(S2005)。ここで、連結動作する装置すべてに同一サイズ・同一紙種が存在しない場合、半輝度表示を行う(S2006)。一方、ステップS2004で連結モードではない場合、あるいは連結動作する装置すべてに同一サイズで、かつ同一紙種が存在する場合、通常のキー表示を行う(S2007)。なお、これらのトレイ表示処理をすべての給紙トレイ毎に行う。また、このトレイ表示処理を、装置の状態に変化が生じた場合に実行する。
【0076】
(手動用紙選択例)
図21は、本発明の実施の形態に係る手動用紙選択例を示すフローチャートである。まず、手動用紙選択キー601が押下されたか否かを判断する(S2101)。ここで、手動用紙選択キー601が押下されたと判断すると、さらに連結モードキー301の押下によって連結モードが設定されているか否かを判断する(S2102)。連結モードが設定されていなければ、押下された用紙のキーを反転表示し(S2103)、さらにその他の反転表示を非反転表示化する(S2104)。
【0077】
一方、ステップS2102で連結モードではないと判断した場合、さらに半輝度表示であるか否かを判断する(S2105)。そして、半輝度表示でなければ、上記ステップS2103に進む。一方、ステップS2105において半輝度表示であると判断した場合(連結モード時)、あらかじめ設定してある一定の時間、半輝度表示されているキーの選択を不可とし、選択不可の旨の警告を表示する(S2106)。
【0078】
(紙残量チェック処理)
図22は、本発明の実施の形態に係る紙残量チェック処理例を示すフローチャートである。まず、スタートキー(プリントキー202)がONされたか否かを判断し(S2201)、スタートキーがONされたと判断したならば、さらに連結コピー動作を分担する各装置の選択されている紙の残量を検索し、記録紙があるか否かを判断する(S2202)。ここで、連結コピー対象の装置すべてに記録紙があると判断した場合、そのコピー動作を開始する(S2203)。
【0079】
一方、ステップS2205において連結コピー対象の装置すべてに記録紙がないと判断した場合、さらに動作設定が残留確認セット状態で、かつその確認対象レベルがペーパーエンドであるか否かを判断する(S2204)。そして、動作設定が残留確認セット状態で、かつその確認対象レベルがペーパーエンドであると判断したならば、さらにそれぞれの連結対象の装置で1台でもペーパーエンド状態の装置があるか否かを判断する(S2205)。ここで、1台でもペーパーエンドの装置がある場合には、たとえば「他機に用紙を補給して下さい」といった用紙補給メッセージを表示(図9参照)し、動作を開始しない(S2206)。このとき、ニアエンド状態は対象外となる。
【0080】
また、ステップS2204において動作設定が残留確認セット状態で、かつその確認対象レベルがペーパーエンドではないと判断した場合、さらに動作設定が残留確認セット状態で、かつその確認対象レベルがニアエンドであるか否かを判断する(S2207)。ここで、残量確認セット状態で、かつ確認対象レベルがニアエンドであると判断すると、さらに連結コピー動作対象の装置のうち少なくとも1台がニアエンドであるか否かを判断する(S2208)。ここで、ニアエンドであると判断するとステップS2506に進む。一方、ニアエンドでないと判断したならば、さらに連結コピー動作対象の装置のうち少なくとも1台がペーパーエンドであるか否かを判断し(S2209)、ペーパーエンドであればステップS2506に進み、ペーパーエンドでないと判断したならば動作を開始する。
【0081】
一方、ステップS2207において動作設定が残留確認セット状態で、かつその確認対象レベルがニアエンドではないと判断した場合、さらに連結コピー動作対象の装置すべてががペーパーエンドであるか否かを判断し(S2210)、ペーパーエンドであればステップS2506に進み、ペーパーエンドでないと判断したならば動作を開始する。
【0082】
なお、この実施の形態では、給紙トレイ(カセット)に積載している紙の高さを公知の手段によって検出することにより残量をチェックし、その残りが少ないレベルを記録紙のニアエンド状態(図3などの表示キーでは、横棒一本で表示している)としている。また、最大積載枚数に対し、一定枚数以下(全体の10パーセント以下)などの場合にニアエンド状態としている。
【0083】
[用語の説明・定義]
次に、本明細書で使用する用語およびこのデジタル複写機に関連する用語について説明する。
【0084】
[画像読み取り装置(画像読み取り部)]:デジタルPPCで用いられる「画像読み取り装置」としては、光源を原稿に照射し、その反射光を「固体撮像素子=CCD」で電気信号に変換し、「必要な画像処理」を行う機能を持った装置が使用されている。ここで、「必要な画像処理」とは、量子化(CCDで電気信号に変換されたアナログデータを2値あるいは多値データに変換する。)、シェーディング補正(原稿を照射する光源の照射ムラや、CCDの感度ばらつきを補正する)・MTF補正(光学系によるボケを補正する。)・変倍処理(画像の読みとり密度を変化させ、読み取った画像データを用いてデータ補間する等の処理を示す。)等をいう。
【0085】
[画像形成部]:デジタルPPCで用いられる[画像形成部」は、電気信号で送られた画像イメージを電子写真、感熱、熱転写、インクジェット等の手段により普通紙、感熱紙などに形成する装置である。
【0086】
[ビデオ信号]、[画像データ]:前述の「画像読みとり装置」で変換された画像の電気信号、「画像形成部」へ入力される画像の電気信号、および、画像の電気信号と同期をとるための信号をまとめて「ビデオ信号」あるいは「画像データ」と表現する。
【0087】
[制御信号]、[コマンド]:「ビデオ信号」を「画像読みとり装置」、「画像形成部」、「アプリケーション」間でやりとりするためには、装置間で情報を伝達し合う必要がある。この手段を「制御信号」または「コマンド」発行と表現する。
【0088】
[拡張機能]、[アプリケーション(アプリと略す)]、[メモリ機能]、[メモリユニット]:デジタルPPCの大きな特徴は、画像を電気信号に変換して読み込み、電気信号を画像形成装置で復元することである。このとき読み取った電気信号を様々に変化(画像処理)、伝達する手段を持つことによって、従来のアナログPPC以外の分野に応用可能となる。FAX、ページプリンター、スキャナ、ファイルシステムなどの機能を実現できるほか、最近では、PPC機能の実行時においても、読み取った画像データを一旦、DRAMなどの記憶装置に記憶させ、必要に応じて画像データを読み出すことによって、複数の複写時には1スキャンで複数プリントを実行したり、あるいは、複数の原稿を1枚の記録紙にプリントする機能(=以下メモリ機能)等も実現されている。これらのデジタルPPCシステムならでは実現できる機能を「拡張機能」あるいは「アプリ」と表現する。なお、メモリユニットはネットワーク上にある機械間の画像データ転送時の緩衝手段としても利用している。
【0089】
[システムコントローラ]、「システム]:複写モードを実行する上で、画像書き込み部で画像形成するために、紙搬送処理、電子写真プロセス処理、異常状態や給紙カセット状態(紙の有無など)等の機内監視、および、画像読みとり部で画像を読みとるために、スキャナ動作や光源のON/OFFなどを制御するコントローラを総称して「システムコントローラ」と表現する。さらに、最近のデジタルPPCでは拡張機能を1つ搭載するのみではなく複数アプリを同時搭載するようになってきた。このように、1つの資源を共有するデジタルPPCを「システム」と表現し、このシステムを制御するコントローラを「システムコントローラ」と表現する場合もある。
【0090】
[資源]、[リソース]:複数のアプリから共有される機能ユニット単位を「資源」、「リソース」と表現する。前述の「システムコントローラ」は、このリソース単位でシステム制御を行っている。本件のデジタルPPCで管理している資源は「画像読みとり装置」、「画像形成部」、「操作部」、「メモリ」、「周辺機(=ADF、ソーター、自動両面ユニット、ステープラ130、フィニッシャー122など)」などがある。
【0091】
[利用者制限]:特に電子写真プロセスを使用しているPPCは、消費量が多いため、無制限に使用を許可したくない場合がある。このとき、「利用者」を特定、限定、管理するために、「コインラック」、「キーカウンター」、「キーカード」、「プリペードカード」、等の「利用者制限機器」や「暗証コード」等を使用する。
【0092】
[ユーザ設定]:システムが複雑になると、ユーザ毎の個別対応が必要となる。工場出荷時にこれらの対応を全て満足することは不可能であるため、市場での対応が不可欠となる。従って、通常は、不揮発性RAMを装備し、顧客の要求に応じたシステム設定を可能としているが、この機能を「ユーザ設定」と表現する。
【0093】
[アイドル状態]:ユーザーよる操作が行われていない状態が一定期間継続した状態を「アイドル状態」、それ以外の状態を「ビジー状態」と表現する。「ビジー状態」から「アイドル状態」に遷移するまでの時間はユーザー設定可能である。たとえば、複写動作中はもちろん、複写動作が終了しても一定期間、ユーザーによる無操作状態が継続しないと「アイドル状態」には遷移しない。
【0094】
[ウィークリータイマー]:各曜日ごとに設定されたON/OFF時間に合わせ電源をON/OFFする機能である。
【0095】
[予熱]:定着温度を一定温度(たとえば10℃)下げて制御し、操作部表示を消すことにより、消費電力を節約するモードである。このモードの設定は、操作部でのキー入力や、機械設定によっては動作および操作が無くなってから一定時間後に自動的に設定される。このモードの解除は、操作部でのキー入力や、機械設定によって人体検知センサにより機械の前に人が立ったことを検出したときに解除される。
【0096】
[リロード]:定着温度があらかじめ設定してある定着可能温度に到達しコピーが可能である状態をリロードという。
【0097】
[割り込みモード]:コピー動作実行中および操作中において一時的にコピー作業を割り込んでコピーするときのモードである。このモードを設定することによりその前のコピーモード、およびコピー途中であればその途中経過情報を不揮発RAMに記憶し、割り込みモードに移行し、モードを初期化する。コピー動作実行後、割り込みモード解除すると、不揮発RAMに記憶したモードおよび情報を戻して割り込みモード設定前の状態を復帰させ、再スタートにて、割り込み前のモードを継続する事ができる。このモードの設定/解除は操作部201のキーにて行うことができる。
【0098】
[予約モード]:複数のコピーアプリを起動させ、システムコントローラによりリソース管理を行う。あるコピーアプリが画像形成動作中にあり、操作部や画像読み取り装置が開放されていれば、別のコピーアプリに使用を許可し、設定の操作や原稿の読み取りを行う。
【0099】
[CSS](あるいは[遠隔診断システム]、[画像形成装置管理システム]):図19は、画像形成装置管理システムの構成を示している。サービス拠点に設置されている管理装置1003とユーザの元に設置されているPPC1000等の機器とを公衆回線網1002を介して接続している。ユーザ側には管理装置1003との通信を制御するための通信コントロール装置1001が設置されており、ユーザ元のPPC1000はこの通信コントロール装置1001に接続されている。通信コントロール装置1001には、電話機やファクシミリが接続可能になっており、ユーザの既存の回線に挿入する形で設置が可能になっている。通信コントロール装置1001には、複数のPPCが接続可能になっているが、もちろん単数の場合もある。
【0100】
これらのPPCは同型のものである必要はなく異なる機種でもかまわず、PPC以外の機器でもかまわない。ここでは説明の便宜上、1台の通信コントロール装置には最大5台のPPCが接続可能であるとする。通信コントロール装置と複数のPPCはRS−485規格によりマルチドロップ接続されている。通信コントロール装置と各PPC間の通信制御は基本型データ伝送制御手順により行われる。通信コントロール装置を制御局としたセントラライズド制御のポーリング/セレクティング方式でデータリンクの確立を行うことにより、任意のPPCとの通信が可能になっている。各PPCはアドレス設定スイッチによって固有の値を設定できるようになっており、これによって各PPCのポーリングアドレス、セレクティングアドレスが決定される。
【0101】
[予約コピー]は、複数のコピーアプリを起動させ、それぞれが独立した動作をするものとする。共有資源である、操作部、周辺機、画像書き込み部、画像読み取り装置、メモリはシステムコントローラにより調停される。複数のコピーアプリは、操作部が提供する仮想画面にそれぞれの操作画面情報を書き込むことが可能である。操作部はシステムコントローラから指示される操作部オーナーアプリの仮想画面の画面情報を実画面に展開する。
【0102】
[動作予約]:動作予約の段階では、複写機において定着の加熱中等の時はコピー動作が開始できないが、モード設定および原稿のセットを終了させ予約することにより、定着加熱終了後、コピー動作可になった時点で自動的にコピー動作を開始する機能のことである。この実施の形態では、定着加熱中を動作予約可能対象としているが、これ以外にも時間の経過と共に動作可能になるものについては、対象になる資格がある。LCTトレイ上昇時間、ポリゴンモータ回転安定時間、トナー補給動作中等考えられる。
【0103】
ところで、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るデジタル複写機ネットワークシステム(請求項1)によれば、連結モードが選択され、連結動作対象の画像形成装置間で指定された記録紙のサイズおよび紙種が合致した場合に連結動作を開始することにより、連結動作によって分担した場合にける種類が異なる記録紙の混在を防止することができるので、ミスコピーの発生が低減する。特に、連結動作対象の装置に同一の記録紙サイズ・同一紙種がない場合、同一の記録紙サイズ・同一紙種がない給紙トレイの選択キーの入力を不可とし、表示することにより、給紙段の選択時に選択不可となるので、ミスコピーの発生が低減すると共に、動作前に選択不可であることが分かるので、無駄な操作がなくなり、その操作性が向上する。
【0105】
また、本発明に係るデジタル複写機ネットワークシステム(請求項2)によれば、連結モードによって画像形成が分担されるすべての装置に対し、使用する記録紙の残量を確認し、すべての装置のうち1つの装置がペーパーエンド状態である場合、連結動作開始を禁止することにより、分担する装置すべてが確実に可動することが可能になるので、ペーパーエンド状態のままで放置されることが少なくなり、その対応を促すことができ、総合的な生産性が向上する。
【0106】
また、本発明に係るデジタル複写機ネットワークシステム(請求項3)によれば、連結動作時に、ペーパーエンド状態とニアエンド状態との間で連結動作開始の禁止制御を切り換え可能にすることにより、ユーザが相反する操作を選択することが可能になるので、その操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタル複写機の構成図である。
【図2】操作部の構成を示す説明図である。
【図3】操作部の液晶タッチパネルの表示画面を示す説明図である。
【図4】操作部における連結モード設定および連結機を選択する場合の表示画面例を示す説明図である。
【図5】図4における連結機の設定後の表示画面例を示す説明図である。
【図6】操作部における記録紙の手動用紙選択時の表示画面例を示す説明図である。
【図7】手動用紙選択時に選択できない給紙段を半輝度で表示する画面例を示す説明図である。
【図8】手動用紙選択時に選択できない給紙段を選択する際に使用不可の警告表示画面例を示す説明図である。
【図9】連結コピー動作開始時に操作機(マスター機)以外の装置で用紙選択があり、動作中断の際に表示する警告画面例を示す説明図である。
【図10】ペーパーエンド時における動作切り替えの設定画面例を示す説明図である。
【図11】図1に示したデジタル複写機の制御系(構成例1)を示すブロック図である。
【図12】図1に示したデジタル複写機の制御系(構成例2)を示すブロック図である。
【図13】複写機ネットワークシステム例を示す説明図である。
【図14】ネットワークコピー機のハード構成を示す説明図である。
【図15】ネットワークコピー機のソフトウェア概念図である。
【図16】図4における画像処理部の詳細構成を示すブロック図である。
【図17】メモリーコントローラおよび画像メモリの詳細構成を示すブロック図である。
【図18】1ページ分の画像信号を示すタイミングチャートである。
【図19】画像形成装置の管理システムの構成を示す説明図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る給紙トレイの状態表示とキー押下可能かを報知するための半輝度表示の処理例を示すフローチャートである。
【図21】本発明の実施の形態に係る手動用紙選択例を示すフローチャートである。
【図22】本発明の実施の形態に係る紙残量チェック処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
122 フィニッシャ
130 ステープラ
201 操作部
205 液晶タッチパネル
301 連結モードキー
302 ステープルキー
400 連結装置選択キー
410 設定終了キー
401 システムコントローラ
601 手動用紙選択キー
1400 マスター機
1410 スレーブ機

Claims (3)

  1. 複数の画像形成装置を双方向通信可能に接続させ、かつ複数の画像形成装置を連結動作させる連結モードを選択するキーと、給紙段ごとに記録紙サイズおよび紙種・残量などの情報を表示し、少なくとも記録紙のサイズや紙種が指定可能なキーと、装置の状態を表示する機能とを有するタッチパネルからなる操作・表示手段とを備え、マスター機となる任意の画像形成装置が複写対象の原稿を読み取り、スレーブ機となる他の画像形成装置に対して原稿情報を供給し、前記操作・表示手段を介して指定された指定情報に基づいて所定の処理を分担・並行して行うデジタル複写機ネットワークシステムにおいて、
    前記連結モードが選択され、連結動作対象の画像形成装置間で指定された記録紙のサイズおよび紙種が合致した場合に連結動作を開始し、連結動作対象の装置に同一の記録紙サイズ・同一紙種がない場合、同一の記録紙サイズ・同一紙種がない給紙トレイの選択キーの入力を不可とし、この状態を前記選択キーのタッチパネルの半輝度表示により表示することを装置の状態に変化が生じた場合にすべての給紙トレイ毎に行うことを特徴とするデジタル複写機ネットワークシステム。
  2. 連結モードによって画像形成が分担されるすべての装置に対し、使用する記録紙の残量を確認し、前記すべての装置のうち1つの装置がペーパーエンド状態である場合、連結動作開始を禁止して前記タッチパネルに他機への記録紙補給の督促メッセージを表示することを特徴とする請求項1に記載のデジタル複写機ネットワークシステム。
  3. 動作設定が残留確認セット状態で、かつその確認レベルが、前記ペーパーエンド状態とニアエンド状態との間で連結動作開始の禁止制御を切り換え可能にすることを特徴とする請求項2に記載のデジタル複写機ネットワークシステム。
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