JP3967677B2 - 乾燥処理装置および基板処理装置 - Google Patents

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    • Y10S134/902Semiconductor wafer

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)を純水等の処理液(洗浄液)によって洗浄し、続いて当該基板に付着した処理液を回転運動によって振切った後に、当該基板を乾燥させる乾燥処理、および当該乾燥処理装置を備える基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板処理装置では、種々の薬液による薬液処理、純水などの洗浄液による洗浄処理等の表面処理が順次実施される。そして、純水による仕上げの洗浄が行われた後に、最終処理として乾燥処理が実行される。このような基板の乾燥処理として、例えば、基板1枚ずつに対して基板処理を実施するいわゆる枚葉式の基板処理装置において、従来より、基板を高速に回転させてその遠心力により水分を基板上から振り切って除去する振切り乾燥(スピンドライ)が知られている。
【0003】
しかし、さらに乾燥効率を高めるため、振切り乾燥を行う前に基板に付着した水分の表面張力を小さくするような物質の蒸気を基板と接触させる乾燥方式(例えば、特許文献1、2)や、振切り乾燥を行う際に基板が置かれる雰囲気を大気圧より低い圧力に調整する乾燥方式(例えば、特許文献3)が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平05−243205号公報
【特許文献2】
特開2001−023946号公報
【特許文献3】
特開平07−283126号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板上に形成されたパターンのさらなる微細化・複雑化にともない、特許文献1〜3に記載された乾燥方式を使用しても当該パターンのライン間やホール内部およびレジスト膜の内部などの微細構造の内部に侵入した水分を確実に乾燥することが困難となっている。
【0006】
そこで、本発明では、洗浄処理が終了した基板を回転させることによって基板に付着した純水を振切った後において、基板上に形成された微細構造の内部に進入した洗浄液を確実に乾燥することができる乾燥処理装置、および当該乾燥処理装置を備える基板処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、表面に付着した洗浄液を回転運動によって振切った後の基板を乾燥させる乾燥処理装置であって、収容器と、前記収容器内に設けられ、前記基板を気体雰囲気中で保持する保持手段と、前記収容器内に有機溶剤を吐出して、前記基板付近に有機溶剤を含む雰囲気を形成する有機溶剤吐出手段と、前記収容器内を排気して減圧雰囲気とする減圧手段と、前記有機溶剤吐出手段と前記減圧手段とを制御して、前記減圧手段を動作させて前記収容器内を減圧雰囲気とし、減圧雰囲気の前記収容器内に有機溶剤を吐出した後、前記有機溶剤の蒸気の吐出を停止し、かつ、前記減圧手段による排気を停止して、一定時間、前記収容器内を略同一圧力に保持し、前記一定時間経過後に前記減圧手段を動作させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の乾燥処理装置であって、前記収容器内に配置され、表面に複数の貫通孔を有する拡散板をさらに備え、前記拡散板は、前記有機溶剤吐出手段と前記保持手段との間に配置されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の乾燥処理装置において、前記有機溶剤は、イソプロピルアルコールであることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、表面に付着した洗浄液を回転運動によって振切った後の基板を乾燥させる乾燥処理装置であって、第1の収容器と、前記第1の収容器内に設けられ、前記基板を気体雰囲気中で保持する第1の保持手段と、前記第1の収容器内に設けられ、前記第1の保持手段に保持された前記基板を加熱する加熱手段と、前記第1の収容器内にプロセスガスを吐出する第1のプロセスガス吐出手段と、前記第1の収容器内を減圧する第1の減圧手段と、前記第1のプロセスガス吐出手段と、前記減圧手段と、を制御して、前記減圧手段を動作させて前記第1の収容器内を低酸素雰囲気とし、前記プロセスガスの吐出を停止し、かつ、前記減圧手段による排気を停止して、一定時間、前記第1の収容器内を略同一圧力に保持し、前記一定時間経過後に前記減圧手段を動作させる制御手段と、を備え、前記加熱手段は、前記プロセスガスの吐出によって低酸素雰囲気とされた前記第1の収容器内にて前記基板を加熱することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の乾燥処理装置であって、前記加熱手段によって加熱された基板を低酸素雰囲気とされた前記第1の収容器内にて冷却する冷却手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の乾燥処理装置であって、前記冷却手段は、前記第1の収容器内に設けられ、前記第1の保持手段によって気体雰囲気中で保持された基板に向けて冷却ガスを吐出する冷却ガス吐出手段、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項5に記載の乾燥処理装置であって、前記冷却手段は、前記第1の収容器外と前記第1の保持手段との間で前記基板を授受して搬送する第1の搬送手段に設けられており、前記第1の保持手段付近に前記第1の搬送手段を移動させて前記基板を冷却することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項5に記載の乾燥処理装置であって、前記冷却手段は、第2の収容器と、前記第2の収容器内に設けられ、前記基板を気体雰囲気中で保持する第2の保持手段と、前記第2の収容器内に設けられ、前記第2の保持手段によって保持された前記基板を冷却する冷却部と、前記第2の収容器内にプロセスガスを吐出する第2のプロセスガス吐出手段と、前記第2の収容器内を減圧する第2の減圧手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項4ないし請求項8のいずれかに記載の乾燥処理装置であって、前記加熱手段によって、基板を摂氏200度から摂氏300度の範囲で加熱することを特徴とする。
【0018】
また、請求項10の発明は、請求項1に記載の乾燥処理装置であって、前記収容器内に設けられ、前記保持手段に保持された前記基板を加熱する加熱手段と、前記収容器内にプロセスガスを吐出するプロセスガス吐出手段と、をさらに備え、前記制御手段は、さらに、前記第1のプロセスガス吐出手段と、前記減圧手段と、を制御して、前記減圧手段を動作させて前記収容器内を低酸素雰囲気とし、前記プロセスガスの吐出を停止し、かつ、前記減圧手段による排気を停止して、一定時間、前記収容器内を略同一圧力に保持し、前記一定時間経過後に前記減圧手段を動作させ、前記加熱手段は、前記プロセスガスの吐出によって低酸素雰囲気とされた前記収容器内にて前記基板を加熱することを特徴とする乾燥処理装置。
【0019】
また、請求項11の発明は、請求項10に記載の乾燥処理装置であって、前記有機溶剤吐出手段と前記加熱手段とを排他的に能動化させる排他的制御手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0020】
また、請求項12の発明は、基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、基板表面の洗浄液を回転によって振切る回転振切り手段を備える第1の装置と、前記第1の装置の外部に設けられて、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の乾燥処理装置として構成された第2の装置と、を備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項13の発明は、請求項12に記載の基板処理装置であって、前記乾燥処理装置は、バックエンド工程にて使用することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
<1.第1の実施の形態>
<1.1.基板処理装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態における基板処理装置1の全体構成を模式的に示す正面図である。基板処理装置1は、レジスト膜をマスクとして使用するドライエッチング処理において、レジスト膜の一部が飛散し、配線パターンの底や側壁に付着して硬化したポリマー残渣を除去する装置である。図1に示すように、基板処理装置1は、主として、複数の除去処理ユニット30を有する除去処理部20と、複数の乾燥処理ユニット100を有する乾燥処理部50と、インデクサ10とから構成されている。なお、図1および以降の各図にはそれらの方向関係を明確にするため、必要に応じてZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平平面とするXYZ直交座標系を付している。
【0024】
インデクサ10は、未処理の基板Wを複数収容したキャリア(カセット)Cが載置される搬入部11と、処理済みの基板Wを複数収容したキャリアCが載置される搬出部13と、受渡し部15とを有する。
【0025】
搬入部11はテーブル状の載置台を有し、装置外の例えばAGV(Automatic Guided Vehicle)等の搬送機構によって2個のキャリアCが当該載置台上に搬入される。キャリアCは例えば25枚の基板Wを水平姿勢にて互いに間隔を隔てて鉛直方向に積層配置した状態で保持する。搬出部13もテーブル状の載置台を有し、該載置台に2個のキャリアCが載置され、当該2個のキャリアCは装置外の搬送機構によって搬出される。
【0026】
受渡し部15は、搬入部11、搬出部13のキャリアCの並び方向に沿って移動し、かつキャリアCに対して基板Wを搬入、搬出する搬入搬出機構17と、受渡し台19とを有する。搬入搬出機構17は、図示を省略する搬入搬出用アームを備え、水平方向に沿った移動の他に鉛直方向を軸とする回転動作や鉛直方向に沿った昇降動作や該搬入搬出用アームの進退動作を行うことができる。これにより、搬入搬出機構17はキャリアCに対して基板Wの搬出入を行うとともに、受渡し台19、49に対して基板Wを授受する。
【0027】
除去処理部20は、図1に示すように、主として、基板に付着したポリマーを除去する複数の除去処理ユニット30と、受渡し台19と各除去処理ユニット30との間で基板Wの授受を行う搬送ユニット26とを有している。
【0028】
除去処理ユニット30は、インデクサ10のキャリアCの並び方向と直交する方向において2つ並ぶことで除去処理ユニット30の列を形成し、この除去処理ユニット30の列が間隔を開けて合計2列、キャリアCの並び方向に沿って並んでいる。ここで、除去処理ユニット30は、処理室21に配置された回転保持部31に基板を保持して回転させつつ、基板上に形成されたポリマー残渣のみを選択して溶解する除去液(例えば、有機アルカリ液を含む液体、無機酸を含む液体、フッ化アンモン系物質を含む液体)を基板に向けて吐出することにより、基板W上に付着した当該ポリマー残渣のみを除去して洗浄する装置である。また、この除去処理ユニット30では、純水による基板洗浄と回転による振切り乾燥も行われる。
【0029】
処理室21は、処理室21内の雰囲気とその外部の雰囲気とを遮断する密閉構造を有しており、当該処理室21内の雰囲気が搬送路TP1、インデクサ10、およびインターフェース40に漏出することを防止できる。また、処理室21の搬送路TP1側の壁面には、シャッター25が設けられている。ここで、シャッター25は、搬送ユニット26から処理室21内の回転保持部31に基板Wを搬入または搬出する場合には図示を省略する開閉機構によって開放され、それ以外のときは閉鎖されている。さらに、処理室21内の雰囲気は不図示の排気機構によって、装置外の排気ダクトへ排出されている。そのため、ポリマ除去処理によって発生する処理液のミストや蒸気などを含んだ雰囲気が処理室21から搬送路TP1に漏出することを防止できる。
【0030】
搬送ユニット26は、搬送路TP2の長手方向(上述した除去処理ユニット30の列の形成方向)に沿って走行する搬送ロボットである。搬送ユニット26のアーム27aは図示を省略する伸縮機構によってアーム27aの長手方向に伸縮自在に設けられている。また、アーム27aは図示を省略する回転機構によってZ軸と略平行な回転軸を中心に回転可能に設けられている。したがって、搬送ユニット26は、アーム27aを回転および伸縮されることによって、4つの除去処理ユニット30のそれぞれに対して基板Wを授受するとともに、受渡し台19、49に対して基板Wを授受する。
【0031】
インターフェース40は、除去処理部20と乾燥処理部50とに挟み込まれるようにして設けられており、基板Wが載置される受渡し台49を有する。
【0032】
乾燥処理部50は、図1に示すように、インターフェース40に隣接して設けられ、基板Wを収容して乾燥処理を行う4つの乾燥処理ユニット100と、受渡し台49に対して基板Wを授受するとともに4つの乾燥処理ユニット100に対して基板Wを授受する搬送ユニット56とを有している。
【0033】
乾燥処理ユニット100は、インデクサ10のキャリアCの並び方向と直交する方向において2つ並ぶことで乾燥処理ユニット100の列を形成し、この乾燥処理ユニット100の列が間隔を開けて合計2列、キャリアCの並び方向に沿って並んでいる。そして、これら乾燥処理ユニット100の列と列との間に挟み込まれた搬送路TP2に搬送ユニット56が配置されている。
【0034】
搬送ユニット56は、搬送路TP2の長手方向(上述した乾燥処理ユニット100の列の形成方向)に沿って走行する搬送ロボットである。搬送ユニット56のアーム57aは図示を省略する伸縮機構によってアーム57a方向に伸縮自在に設けられている。また、アーム57aは図示を省略する回転機構によってZ軸と略平行な回転軸を中心に回転可能に設けられている。したがって、搬送ユニット56は、アーム57aを回転および伸縮されることによって、4つの乾燥処理ユニット100のそれぞれに対して基板Wを授受するとともに、受渡し台49に対して基板Wを授受する。なお、乾燥処理ユニット100の詳細については後述する。
【0035】
制御部90は、プログラムや変数等を格納するメモリ91と、メモリ91に格納されたプログラムに従った制御を実行するCPU92とを備えている。CPU92は、メモリ91に格納されているプログラムに従って、回転保持部31の回転制御、搬送ユニット26、56の駆動制御、シャッター25、59の開閉制御、後述するバルブ135、145、146、155、165の開閉制御や、加熱プレート112の出力制御等を所定のタイミングで行う。
【0036】
<1.2.乾燥処理ユニットの構成>
図2は、本実施の形態における乾燥処理ユニット100を模式的に示す正面図である。乾燥処理ユニット100は、(1)減圧雰囲気にて基板W付近に有機溶剤の蒸気を供給して、基板Wに付着した水分を乾燥させる有機溶剤乾燥処理と、(2)減圧雰囲気にて基板Wを加熱して基板Wに付着した水分を乾燥させる加熱乾燥処理とをそれぞれ排他的に能動化(換言すれば、選択的に能動化)することができるユニットである。
【0037】
図2に示すように、乾燥処理ユニット100は、主として、処理室51と、処理室51の内側に配置されて乾燥処理を実施する収容器105と、収容器105内の雰囲気110(以下、「収容器内雰囲気110」とも呼ぶ)を収容器105外部に排出して減圧雰囲気とするポンプ153と、収容器105内に配置されて基板Wに向けて乾燥溶剤の蒸気を吐出する吐出ノズル141と、収容器105内に配置されて基板Wを加熱する加熱プレート112とから構成されている。
【0038】
処理室51は、その内側の雰囲気が外部に流出することを遮断する密閉構造を有している。すなわち、当該処理室51内の雰囲気が冷却処理ユニット200、搬送路TP2、およびインターフェース40に漏出することを防止できる。また、処理室51の搬送路TP2側の壁面には、図1に示すように、シャッター59が設けられている。ここで、シャッター59は、搬送ユニット56から処理室51内に基板Wが搬入または搬出される場合には図示を省略する開閉機構によって開放され、それ以外のときは閉鎖されている。
【0039】
さらに、処理室51内の雰囲気は不図示の排気機構によって、装置外の排気ダクトへ排出されている。そのため、収容器105から処理液のミストや蒸気などを含んだ雰囲気が処理室51に流入した場合であっても搬送路TP2に漏出することを防止できる。
【0040】
収容器105は、処理室51の内側に設けられており、その内部で乾燥処理が実施される。図2に示すように、収容器105は、上部蓋115とベース部117とから構成されている。上部蓋115は、その下部に開口部を有する略円筒状の部材である。また、上部蓋115は昇降機構116と接続されており、当該開口部の高さがベース部117の上面位置と略同一となる位置を下端位置として上下方向に昇降可能に設けられている。
【0041】
さらに、ベース部117と上部蓋115とが接触する部分には図示を省略する密閉機構が設けられている。これにより、上部蓋115の内面とベース部117とによって囲まれる空間の雰囲気(以下、「収容器内雰囲気」とも呼ぶ)110は、処理室51内の雰囲気から密閉される。したがって、昇降機構116によって上部蓋115を下端位置まで下降させて当該密閉機構によって収容器内雰囲気110を密閉するとともに、後述するポンプ153によって収容器内雰囲気110を外部に排出することによって、収容器内雰囲気110を減圧雰囲気とすることができる。
【0042】
加熱プレート112は、ベース部117上に固定して設けられた略円柱状の部材であり、その内部には電熱線等の熱源が配置されている。また、加熱プレート112の上面には、複数(具体的には3以上)の支持ピン111が立設されており、基板Wは当該複数の支持ピン111によって支持されることによって略水平姿勢で気体雰囲気中に静置して保持される。この複数の支持ピン111は、図示を省略する昇降機構によって各支持ピン111の上端位置が略同一高さとなるように連動して上昇・下降するように設けられている。したがって、前述したシャッター59(図1参照)を開放して上部蓋115を上昇させるとともに、各支持ピン111を上昇させて基板Wを受け渡し位置まで上昇させることによって、加熱プレート112と搬送ユニット56との間で基板Wを授受することができる(図4参照)。
【0043】
また、加熱プレート112によって基板Wを加熱する際には、支持ピン111を下降させる。これにより、加熱プレート112の上面に基板Wの裏面を近接させることができる。そのため、加熱プレート112の熱エネルギーを基板Wに伝達することができ、基板Wを加熱することができる。なお、図2において、基板Wを加熱する際、加熱プレート112の上面に基板Wを近接させる場合について図示しているが、加熱プレート112の上面と基板Wの裏面とを接触させてもよい。
【0044】
略円筒形状を有する上部蓋115の軸心付近であって、当該上部蓋115の内側上部付近には、基板Wに向けて有機溶剤の蒸気を吐出する吐出ノズル141が設けられている。図2に示すように、吐出ノズル141は、配管142およびバルブ145を介して、有機溶剤148が貯留された貯留槽147の上部空間と連通されている。また、図2に示すように、配管143は、その一端が、貯留槽147に貯留された有機溶剤148部分に浸漬しており、バルブ146を介してプロセスガス供給源149と連通されている。
【0045】
これにより、有機溶剤148に対してプロセスガスの気泡を供給することができ、当該プロセスガスによって有機溶剤148をバブリングすることができる。そのため、バルブ146およびバルブ145が開放されると、このバブリングによってプロセスガス中に有機溶剤148の気相(蒸気)を混合することができる。そして、配管142を介して吐出ノズル141から支持ピン111に支持された基板Wに向けて有機溶剤の蒸気を吐出することができる。
【0046】
なお、本実施の形態において、有機溶剤としてイソプロピルアルコール(以下、「IPA」とも呼ぶ)を使用しているが、純水より表面張力が小さく、かつ、蒸発潜熱の小さいものであれば、低分子アルコール、シリコーン、フッ素系溶剤のハイドロフィオロエーテル(HFE)等の有機溶剤の蒸気を使用してもよい。
【0047】
また、本実施の形態において、プロセスガスとして窒素ガスを使用しているが、化学的に安定なガス(不活性ガス)であれば、ヘリウムガスやアルゴンガスを使用してもよい。
【0048】
また、有機溶剤として防爆性を有するIPAを使用する場合、加熱プレート112による加熱処理と、吐出ノズル141から有機溶剤を吐出処理とが同時に能動化されことを防止する必要がある。そのため、本実施の形態のメモリ91には、加熱プレート112の出力値をゼロ以上にする出力制御と、バルブ145を開放する開放制御とを排他的に能動化するプログラムが格納されている。そして、当該プログラムがCPU92に読み込まれることにより、制御部90によって加熱プレート112によって基板Wを加熱して乾燥させる処理と、有機溶剤の蒸気を吐出して基板Wの乾燥させる処理とが排他的に能動化される。
【0049】
さらに、上部蓋115の内側上部付近には、吐出ノズル141と隣接して吐出ノズル131が設けられている。吐出ノズル131は、基板Wに向けて冷却ガスやプロセスガスを吐出するノズルである。図2に示すように、配管132は、(1)配管132、分岐配管162およびバルブ165を介して冷却ガス供給源167と、また、(2)配管132およびバルブ135を介してプロセスガス供給源137とそれぞれ連通接続されている。したがって、バルブ165を閉鎖しつつバルブ135を開放することによって、収容器内雰囲気110にプロセスガスを吐出することができる。また、バルブ135を閉鎖しつつバルブ165を開放することによって、基板Wに向けて冷却ガスを吐出することができる。
【0050】
ここで、本実施の形態では、冷却ガスとして、冷却されたヘリウムガスを使用しているが、これに限定されるものでなく、化学的に安定(不活性)であって比熱の高い気体であればよい。また、本実施の形態の図2において、プロセスガス供給源137は、プロセスガス供給源149と別のものを使用しているが、共通のプロセスガス供給源から同一のプロセスガスを供給してもよい。
【0051】
吐出ノズル131、141と加熱プレート112との間には、拡散板120が配設されている。図4は、本実施の形態における拡散板を模式的に示す上面図である。図2および図4に示すように、拡散板120は、上部蓋115の内径と略同一な大きさを有する略円形状の板材であり、拡散板120の表面には多数の貫通孔121が設けられている。これにより、吐出ノズル141から基板Wに向けて吐出される有機溶剤の蒸気は、多数の貫通孔121によって拡散されて基板Wに到達する。
【0052】
そのため、拡散板120を使用しない場合と比較して、基板Wの表面に有機溶剤の蒸気を均等に供給することができ、基板W上に付着した水分だけでなく、基板Wに形成された微細パターンのライン間やホール内部およびレジスト膜の内部に侵入した水分も確実に有機溶剤の蒸気と置換して基板Wを乾燥することができる。また同様に、吐出ノズル131から吐出される冷却ガスも、拡散板120によって拡散して基板Wの表面に均等に供給することができる。そのため、効率的に基板Wを冷却することができる。
【0053】
ベース部117には、2つの排気口151が設けられている。そして、これら排気口151は、配管152、ポンプ153およびバルブ155を介して排気ドレイン157と連通接続されている。したがって、収容器105内を密閉状態にするとともに、バルブ155を開放しつつポンプ153を動作させて収容器内雰囲気110を収容器105外部に排出することによって、収容器内雰囲気110を減圧雰囲気とすることができる。
【0054】
<1.3.基板処理手順>
ここでは、本実施の形態の基板処理装置1を使用して、基板Wに付着したポリマー残渣を除去する基板処理の手順について説明する。基板処理装置1による処理は、主として、(1)除去処理部20において、基板Wに付着したポリマ残渣を除去する除去工程と、(2)乾燥処理部50において、基板Wを乾燥する乾燥工程とから構成される。この装置1は、基板を枚葉で(すなわち1枚ずつ)順次に処理する枚葉式の処理装置である。
【0055】
なお、乾燥処理部50の構成要素である乾燥処理ユニット100は、前述のように有機溶剤乾燥処理と加熱乾燥処理とをそれぞれ排他的に能動化することができるが、本実施の形態では、収容器内雰囲気110を減圧雰囲気とし、基板W付近に有機溶剤の蒸気を供給することによって基板Wを乾燥させる有機溶剤乾燥処理について説明する。
【0056】
まず、キャリアCに収容された複数の基板Wが搬入部11に搬入される(図1参照)。この基板Wは薄膜を有し、該薄膜はパターン化されたレジスト膜をマスクとしてドライエッチングを施されている。これにより、当該基板Wにはレジスト膜や薄膜に由来する反応生成物(ポリマー)が付着している。
【0057】
具体的には、搬入部11のキャリアCから搬入搬出機構17により基板Wが1枚取り出され、受渡し台19に載置される。次に、受渡し台19に載置された基板Wは搬送ユニット26により持ち出される。続いて、搬送ユニット26は、4つの除去処理ユニット30のうちの所定の除去処理ユニット30のシャッター25まで移動する。続いて、当該シャッター25が開放されることによって生ずる開口部を介して、搬送ユニット26から処理室21内の回転保持部31に基板Wが搬入される。そして、基板Wの搬入が完了するとシャッター25が閉鎖されることにより、処理室21内が密閉されるため、処理室21内にてポリマ除去処理を行う際に発生する処理液のミストや蒸気が処理室21外に漏出するのを防止する。
【0058】
次に、除去処理ユニット30において基板W上に付着したポリマー残渣の除去を行う。まず、回転保持部31に基板Wを保持して回転させつつ、基板上に形成されたポリマー残渣のみを選択する除去液を基板に向けて吐出する。これにより、配線パターンの底や側壁に付着したポリマー残渣が溶解する。続いて、除去液の吐出を停止するとともに、基板Wを回転させつつ基板Wに純水(一般には洗浄液)を吐出して洗浄処理を実施する。これにより、基板Wに付着した除去液や溶解された反応生成物などの汚染物質が基板W上から洗い流される。そして、洗浄処理が終了すると、基板Wへの純水の供給を停止し、回転保持部31の回転速度を上げることによって基板W上に付着した水分を回転の遠心力によって振切る。これにより、基板Wに付着した水分は、ほぼ乾燥するが、基板W上のラインやホールなどの微細構造内に入り込んでいる水分はまだ残存している。
【0059】
除去処理ユニット30でのポリマ除去処理が完了すると、ポリマ除去処理が完了した基板Wは、除去処理ユニット30から乾燥処理ユニット100に搬送される。具体的に言うと、まず、搬送ユニット26によって除去処理ユニット30から搬出されて受渡し台49に載置される。次に、当該基板Wは搬送ユニット56によって受渡し台49から持ち出されて、いずれかの乾燥処理ユニット100に搬入される。
【0060】
すなわち、乾燥処理ユニット100において、処理室51のシャッター59を開放するとともに、収容器105の上部蓋115が昇降機構116によって矢印AR1方向に上昇させられ、搬送ユニット56から上昇した状態の支持ピン111に基板Wを支持する(図4参照)。そして、基板Wの搬入が完了すると、シャッター59を閉鎖するとともに、上部蓋115を下降させて収容器105内の気密性を確保する。
【0061】
続いて、乾燥処理ユニット100において、基板Wの乾燥処理が実行される。乾燥処理ユニット100では、収容器内雰囲気110をポンプ153によって排気ドレイン157に排出することによって収容器内雰囲気110を減圧雰囲気としつつ、吐出ノズル141から有機溶剤の蒸気を供給することによって、支持ピン111に支持された基板Wを効率的に乾燥させる。
【0062】
図5は、有機溶剤の蒸気の供給量、プロセスガスの供給量、およびポンプ153の出力と、収容器内雰囲気110の圧力との関係を示したものである。図5(a)〜(d)の横軸は、時刻tに対応し、図5(a)の縦軸は各時刻tにおける有機溶剤の蒸気の単位時間あたりの供給量Viに、図5(b)の縦軸は各時刻tにおけるプロセスガスの単位時間あたりの供給量Vpに、図5(c)の縦軸は各時刻tにおけるポンプ153の出力Wpに、図5(d)の縦軸は各時刻tにおける収容器内雰囲気110の圧力Pにそれぞれ対応する。
【0063】
乾燥処理を開始する時刻t11より前の時点では、ポンプ153の出力値Wpは「ゼロ」であるため、収容器内雰囲気110の圧力Pは大気圧とほぼ等しい値P11となる。また、バルブ145およびバルブ135はそれぞれ閉鎖されているため、有機溶剤の蒸気の供給量Viおよびプロセスガスの供給量Vpはいずれも「ゼロ」である。さらに、収容器105内はプロセスガス雰囲気とされている。
【0064】
時刻t11において、ポンプ153の出力Wpが制御部90によってWp11に設定されると、ポンプ153の出力Wpは、「ゼロ」からWp11に向かって徐々に増加する。これにより、収容器内雰囲気110は、排気ドレイン157に排出されるため、収容器内雰囲気110の圧力Pは、値P11から徐々に低下して減圧雰囲気となる。
【0065】
続いて、収容器内雰囲気110の圧力PがP13となる時刻t12において、ポンプ153の出力Wpが「ゼロ」に設定されるとともに、バルブ145およびバルブ146が開放される。そして、吐出ノズル141から基板Wに向けて吐出される有機溶剤の蒸気の単位時間あたりの供給量Vpは、「ゼロ」から徐々に増加して値Vp11となる。
【0066】
なお、吐出ノズル141から吐出される有機溶剤の蒸気は、吐出ノズル141の下方に配置された拡散板120上にほぼ均一に分布して多数設けられた貫通孔121を介して基板Wに到達する。これにより、有機溶剤の蒸気は、拡散板120によって拡散されるため、基板Wに対して有機溶剤の蒸気を均等に供給することができ、基板W付近を有機溶剤の蒸気を含む雰囲気とすることができる。また、ポンプ153の出力を「ゼロ」とし、収容器内雰囲気110に対して有機溶剤の蒸気の供給を開始する時点における圧力P13は、基板Wの乾燥時間やポンプ153の排気能力に応じて決定される値であり、実験等により予め求めておく。
【0067】
有機溶剤の蒸気が供給されて収容器内雰囲気110の圧力PがP12となる時刻t13において、バルブ145およびバルブ146が閉鎖されるとともに、収容器内雰囲気110に対する有機溶剤の蒸気の供給が停止されて、収容器内雰囲気110の圧力が一定値P12に保持される。すなわち、時刻t13からt14において、収容器内雰囲気110には、有機溶剤の蒸気およびプロセスガスが供給されず、また、ポンプ153の出力Wが「ゼロ」に設定されており、収容器内雰囲気110は、排気ドレイン157に排気されないため、収容器内雰囲気110の圧力は、大気圧よりも低い一定値P12に保持される。
【0068】
これにより、収容器105内の上部から下部に向かって流れる気流を抑制することができる。そのため、基板W付近の有機溶剤の蒸気を含む雰囲気が気流によって揺らぐことなく安定して存在することができる。その結果、基板W上に付着した水分だけでなく、基板W上に形成された微細パターンのライン間およびホール内部やレジスト膜の内部に侵入した水分と有機溶剤の蒸気との置換効率をさらに向上させ、乾燥効率を向上させることができる。
【0069】
なお、収容器内雰囲気110の圧力を大気圧よりも低い一定値P12に保持する時間T1(時刻t13から時刻t14までの時間)は、基板Wの材料や、収容器内雰囲気110の圧力等によって定まる値であり、予め実験等によって求めてもよい。
【0070】
続いて、時刻t13から時間T1だけ経過した時刻t14において、ポンプ153の出力Wpが制御部90によってWp11に設定されると、ポンプ153の出力Wpは、「ゼロ」から徐々に増加して一定値Wp11となる。これにより、収容器内雰囲気110に含まれる有機溶剤の蒸気および水分の蒸気は、ポンプ153によって排気ドレインに排出される。
【0071】
さらに、収容器内雰囲気110の圧力PがP13となる時刻t15において、ポンプ153の出力WpをWp11に保持した状態でバルブ135が開放される。これにより、収容器内雰囲気110に供給されるプロセスガスの単位時間あたりの供給量Vpが、「ゼロ」から徐々に増加して一定値Vp11となる。そのため、収容器内雰囲気110に含まれる有機溶剤の蒸気および水分の蒸気は、プロセスガスと置換されて排気ドレイン157に排出される。
【0072】
続いて、収容器内雰囲気110の有機溶剤の蒸気がほぼ排気ドレイン157に排出された時刻t16において、ポンプ153の出力Wpが制御部90によって「ゼロ」に設定され、ポンプ153の出力Wpは、Wp11から徐々に減少して「ゼロ」となる。これにより、収容器内雰囲気110の圧力は、急激に増加する。続いて、収容器内雰囲気110の圧力PがP14となる時刻t17においてバルブ135が閉鎖されてプロセスガスの供給が停止される。そして、収容器内雰囲気110の圧力Pが大気圧とほぼ等しい値P11となる時刻t18において乾燥処理ユニット100による乾燥処理が完了する。
【0073】
乾燥処理ユニット100での乾燥処理が完了すると、基板処理が全て完了するので当該処理済みの基板Wは搬出部13に向って搬送される。具体的には、まず、加熱プレート112に立設されたの支持ピン111を上昇させ、昇降機構116によって上部蓋115を矢印AR1方向に上昇させるとともに(図4参照)、シャッター59が開放される。そして、搬送ユニット56によって支持ピン111に支持された基板Wが乾燥処理ユニット100から搬出される。次に、基板Wを受け取った搬送ユニット56は受渡し台49に当該基板Wを載置する。
【0074】
続いて、搬送ユニット26は受渡し台49上に載置された処理済の基板Wを持ち出し、受渡し台19に載置する。受渡し台19に載置された処理済の基板Wは搬入搬出機構17によって持ち出され、搬出部13に載置されているキャリアCに搬入される。そして、搬出部13に載置されたキャリアCは、図示を省略する搬送機構によって基板処理装置1外に搬出される。
【0075】
なお、受渡し台19および受渡し台49は、例えば多段の載置台など、複数の基板載置手段によって構成すれば、処理済みの基板Wと未処理の基板Wとを同時にインターフェース40に存在させることができるため、スループットの低下を防止できる。
【0076】
<1.4.第1の実施の形態における基板処理装置の利点>
第1の実施の形態の収容器内雰囲気110では、ポンプ153によって収容器105内の雰囲気を減圧雰囲気としつつ、収容器105に配置された基板Wに向けて有機溶剤の蒸気を供給することができる。そのため、基板W上に付着した水分だけでなく、基板Wに形成された微細構造、すなわち微細パターンのライン間やホール内部およびレジスト膜の内部に侵入した水分も、確実に有機溶剤の蒸気と置換し、基板Wを乾燥することができる。
【0077】
また、吐出ノズル141と基板Wとの間に拡散板120を設けることにより、吐出ノズル141から基板Wに向けて吐出される有機溶剤の蒸気は、拡散板120上に設けられた貫通孔121によって拡散されて基板Wに到達する。そのため、拡散板120を設けない場合と比較して有機溶剤の蒸気を効率的に拡散することができ、基板W付近に均等に有機溶剤の蒸気を供給することができる。
【0078】
また、本実施の形態の乾燥処理では、収容器内雰囲気110を減圧雰囲気にして、基板W付近に有機溶剤の蒸気を供給し、続いて、ポンプ153の出力Wpを「ゼロ」にするとともに、収容器内雰囲気110に対する有機溶剤の蒸気の供給を停止して収容器内雰囲気110の圧力を一定値P12に保持する。これにより、基板W付近に有機溶剤の蒸気を安定して存在させることができる。そのため、基板W上に形成された微細パターンのライン間およびホール内部やレジスト膜の内部に侵入した水分と有機溶剤の蒸気とをさらに効率的に置換し、乾燥効率を向上させることができる。
【0079】
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、基板処理装置1を使用し、(1)除去処理部20において基板Wに処理液(除去液、純水)を供給することによって基板Wに付着したポリマ残渣を除去し、続いて、(2)乾燥処理部50において、減圧雰囲気下にて基板Wを加熱することによって基板W表面の水分を乾燥させている。すなわち、第2の実施の形態の基板処理は、第1の実施の形態と比較して、乾燥処理部50において実施される乾燥処理が異なるのみで、ハードウェア構成および除去処理部20で実施されるポリマ残渣を除去処理は、第1の実施の形態のものと同様である。そこで、本実施の形態では、この相違点を中心に説明する。
【0080】
<2.1.乾燥処理手順>
ポリマ除去処理が完了した後、搬送ユニット26、受渡し台49および搬送ユニット56を介して収容器105内に基板Wが支持されると、収容器105内において加熱プレート112による基板Wの乾燥処理が実行される。
【0081】
図6は、本実施の形態の乾燥工程における冷却ガスの供給量、加熱プレートの出力、プロセスガスの供給量およびポンプの出力の制御タイミングと収容器内雰囲気の圧力とを示す図である。図6(a)〜(e)の横軸は、時刻tに対応し、図6(a)の縦軸は、各時刻tにおける冷却ガスの単位時間あたりの供給量Vcに、図6(b)の縦軸は、各時刻tにおける加熱プレート112の出力(電力)Whに、図6(c)の縦軸は、各時刻tにおけるプロセスガスの単位時間あたりの供給量Vpに、図6(d)の縦軸は各時刻tにおけるポンプ153の出力Wpに、図6(e)の縦軸は各時刻tにおける収容器内雰囲気110の圧力Pにそれぞれ対応する。
【0082】
乾燥処理が開始される時刻t21より前の時点において、ポンプ153の出力値Wpは「ゼロ」であるため、収容器内雰囲気110の圧力Pは大気圧とほぼ等しい値P21となる。また、加熱プレート112の出力値Whは、「ゼロ」に設定されている。また、バルブ135は閉鎖されているため、プロセスガスの供給量Vpは「ゼロ」である。さらに、収容器105内はプロセスガス雰囲気とされている。
【0083】
時刻t21において、ポンプ153の出力Wpは、「ゼロ」からWp21に向かって徐々に増加する。これにより、収容器内雰囲気110は、排気ドレイン157に排出されるため、収容器内雰囲気110の圧力Pは、値P21から徐々に低下して減圧雰囲気となる。また、時刻t21において、制御部90によって加熱プレート112の出力値Whが、Wh21に設定される。これにより、加熱プレート112の出力値Whは、「ゼロ」からWh21に向かって徐々に増加し、加熱プレート112の上面が昇温する。そのため、加熱プレート112の上面から基板Wの裏面に向けて熱移動が生じ、基板W温度が上昇する。
【0084】
なお、本実施の形態では、特に基板Wに配線と絶縁膜を形成する工程(以下、「バックエンド工程」とも呼ぶ)での乾燥処理を対象としている。そのため、シリコン層にトランジスタやコンデンサ等の回路素子を形成する工程(以下、基板上に配線層を形成する工程と、それ以降の工程の総称として「フロントエンド工程」とも呼ぶ)のように基板Wを加熱して乾燥してもウォータマークの影響をほとんど受けず、良好に基板Wを乾燥することができる。
【0085】
また、前述のように、乾燥工程が開始される時刻t21より前の時点において、収容器105内には不活性なプロセスガスが供給され、収容器内雰囲気110の酸素はプロセスガスと置換されている。すなわち、収容器内雰囲気110には、低酸素雰囲気が形成されている。そのため、基板W温度が昇温しても基板W上に形成されたAlやCu等の配線パターンに使用される金属が酸化されることを防止できる。
【0086】
また、本実施の形態の乾燥工程において、基板Wの温度が摂氏300度より高くになると、低酸素雰囲気であっても基板W上に形成されたAlやCu等の配線パターンに使用される金属が酸化することが知られている。そのため、本実施の形態では、基板Wを加熱して乾燥させる際、基板Wの温度は、純水の沸点より高い摂氏200度から低酸素雰囲気であっても配線パターンが酸化する温度よりも低い摂氏300度までの範囲内(好ましくは、摂氏240度から260度までの範囲内)としている。
【0087】
続いて、収容器内雰囲気110の圧力PがP22となる時刻t22において、ポンプ153の出力Wpが「ゼロ」に設定される。これにより、収容器内雰囲気110が収容器105の外部に排出されるのが停止されて収容器内雰囲気110の圧力が一定値P22に保持される。
【0088】
すなわち、時刻t22からt24において、収容器内雰囲気110にはプロセスガスが供給されず、また、収容器内雰囲気110は排気ドレイン157に排出されないため、収容器内雰囲気110の圧力は、大気圧よりも低い一定値P22に保持される。また、時刻t22からt24において、基板Wは加熱され続ける。これにより、収容器105内の上部から下部に向かって流れる気流を抑制することができる。
【0089】
そのため、基板W付近の雰囲気がゆらぐことを防止し、加熱プレート112から基板Wへの熱移動を良好に行うことができる。その結果、基板Wを効率的に加熱することができ、基板W上に付着した水分だけでなく、基板W上に形成された微細パターンのライン間およびホール内部やレジスト膜の内部に侵入した水分をも効率的に乾燥することができる。
【0090】
なお、収容器内雰囲気110の圧力を一定値P22に保持する時間T2(時刻t22から時刻t24までの時間)は、基板Wの材料や収容器内雰囲気110の圧力等によって定まる値であり、予め実験等によって求めてもよい。
【0091】
続いて、時刻t22から時間T2だけ経過した時刻t24において、ポンプ153の出力Wpが制御部90によってWp21に設定されると、ポンプ153の出力Wpは、「ゼロ」から徐々に増加して一定値Wp21となる。これにより、収容器内雰囲気110に含まれる水分の蒸気は、ポンプ153によって排気ドレインに排出され続ける。
【0092】
さらに、基板Wから水分の蒸発が完了した時刻t25において、ポンプ153の出力WpをWp21に保持した状態で、図2に示すバルブ135が開放される。これにより、収容器内雰囲気110に供給されるプロセスガスの単位時間あたりの供給量Vpは、「ゼロ」から徐々に増加して一定値Vp21となる。そのため、収容器内雰囲気110に含まれる水分の蒸気は、プロセスガスと置換されて排気ドレイン157に排出され続ける。
【0093】
また、時刻t25において、冷却ガス供給源167に連通されるバルブ165が開放されるとともに、加熱プレート112の出力Whが制御部90によって「ゼロ」に設定される。これにより、冷却ガスの単位時間あたりの供給量Vcが「ゼロ」から徐々に増加してVc21になるとともに、加熱プレート112の出力WhがWh21から徐々に減少して「ゼロ」になる。そのため、基板Wの加熱を停止するとともに基板Wに対して冷却ガスを吐出することができ、基板Wを冷却することができる。また、収容器内雰囲気110には、化学的に不活性なプロセスガスおよび冷却ガスが満たされており低酸素雰囲気が形成されている。そのため、基板Wを加熱する場合と同様に、基板Wを冷却する場合も、基板W上に形成されたAlやCu等の配線パターンに使用される金属が酸化されることを防止できる。
【0094】
続いて、収容器内雰囲気110の水分の蒸気がほぼ排気ドレイン157に排出された時刻t26において、ポンプ153の出力Wpは制御部90によって「ゼロ」に設定され、ポンプ153の出力WpはWp21から徐々に減少して「ゼロ」になる。これにより、収容器内雰囲気110の圧力が急激に増加する。続いて、収容器内雰囲気110の圧力PがP24となる時刻t27においてバルブ135が閉鎖されてプロセスガスの供給が停止される。そして、収容器内雰囲気110の圧力Pが大気圧とほぼ同一な値P21となる時刻t28において、乾燥処理ユニット100による乾燥処理が完了する。
【0095】
乾燥処理ユニット100での乾燥処理が完了すると、基板処理がすべて完了するため、当該処理済みの基板Wは搬出部13に向かって搬送される。具体的には、図4に示すように、加熱プレート112に立設された支持ピン111を上昇させ、昇降機構116によって上部蓋115を矢印AR1方向に上昇させるとともに、シャッター59を開放する。次に、支持ピン111に支持された基板Wが、搬送ユニット56によって乾燥処理ユニット100から搬出される。乾燥処理ユニット100から搬出された処理済みの基板Wは、第1の実施の形態と同様に、受渡し台49、搬送ユニット26、受渡し台19、搬入搬出機構17を介して、搬出部13に載置されているキャリアCに搬入される。そして、基板処理が終了した基板Wを配置するキャリアCは、図示を省略する搬送機構によって基板処理装置1外に搬出される。
【0096】
<2.2.第2の実施の形態における基板処理装置の利点>
第2の実施の形態では、収容器105内の酸素をプロセスガスによって置換した雰囲気を、ポンプ153によって減圧することにより、減圧された低酸素雰囲気にて基板Wを加熱して乾燥することができる。そのため、加熱によって基板W温度が昇温しても、基板W上に形成されたAlやCu等の配線パターンに使用される金属が酸化されることを防止できる。また、同様に低酸素雰囲気にて基板Wを冷却することができるため、昇温した基板Wを冷却する際も、基板W上に形成されたAlやCu等の配線パターンに使用される金属が酸化されることを防止できる。
【0097】
<3.第3の実施の形態>
ここでは、第3の実施の形態における基板処理装置500について説明する。図7は、本発明の第3の実施の形態におけるおける基板処理装置500の全体構成を模式的に示す正面図である。図8は、第3の実施の形態における乾燥処理ユニット100および冷却処理ユニット200を模式的に示す上面図である。図9から図11は、図8に示す乾燥処理ユニットおよび冷却ユニットをV−V線から見た断面を示す図である。
【0098】
第3の実施の形態における基板処理装置500は、第1の実施の形態の基板処理装置1と同様に、基板Wに付着したポリマー残渣を除去する装置である。図7から図11に示すように、第3の実施の形態における基板処理装置500のハードウェア構成は、第1の実施の形態の基板処理装置1と比較して、後述するように、乾燥処理部50において乾燥処理ユニット100に加えて冷却処理ユニット200が追加され、加熱処理と冷却処理とがそれぞれ別の処理ユニットで実施される点で相違するが、それ以外の点では、第1の実施の形態の基板処理装置1と同様である。そこで、本実施の形態では、第1の実施の形態のハードウェア構成との相違点、すなわち乾燥処理部50に追加された冷却処理ユニット200を中心に説明する。
【0099】
なお、以下の説明において、第1の実施の形態の基板処理装置1における構成要素と同様な構成要素については同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1の実施の形態において説明済みであるため、本実施の形態では説明を省略する。
【0100】
<3.1.乾燥処理部の構成>
乾燥処理部50は、図7に示すように、インターフェース40に隣接して設けられ、基板Wを加熱して乾燥する2つの乾燥処理ユニット100と、基板Wを冷却ガスによって冷却する2つの冷却処理ユニット200と、乾燥処理ユニット100および冷却処理ユニット200に対して基板Wを授受する搬送ユニット56とを有している。
【0101】
ここで、基板処理装置500における基板Wの流れに関してインデクサ10を上流側、乾燥処理部50を下流側と呼ぶことにすると、乾燥処理ユニット100および冷却処理ユニット200は、インデクサ10のキャリアCの並び方向と直交する方向において、上流側に乾燥処理ユニット100が、下流側に冷却処理ユニット200が並ぶことでユニットの列を形成し、このユニットの列が間隔を開けて合計2列、キャリアCの並び方向に沿って並んでいる。そして、これらユニットの列と列との間に挟み込まれた搬送路TP2に搬送ユニット56が配置されている。
【0102】
本実施の形態の乾燥処理ユニット100では、第2の実施の形態と同様に、減圧雰囲気下にて基板Wを加熱することによって基板が乾燥される。処理室51は、処理室51内の雰囲気と外部とを遮断する密閉構造を有している。図7および図8に示すように、処理室51の搬送路TP2側の壁面には、シャッター59が、処理室51の冷却処理ユニット200側の壁面にはシャッター58が、それぞれ設けられている。
【0103】
ここで、シャッター59は、搬送ユニット56によって処理室51内に基板Wを搬入する場合には図示を省略する開閉機構によって開放され、それ以外のときは閉鎖されている。また、シャッター58は、後述するように、乾燥処理ユニット100において基板Wの加熱処理が終了した後、乾燥処理ユニット100から冷却処理ユニット200に対して基板Wを搬出する場合には、図示を省略する開閉機構によって開放され、それ以外のときは閉鎖されている。
【0104】
また、冷却処理ユニット200は、図8、図9に示すように、主として、処理室61と、処理室61の内側に配置されて冷却処理を実施する収容器205と、収容器205内の雰囲気(以下、「収容器内雰囲気210」とも呼ぶ)を収容器205外に排出して収容器内雰囲気210を減圧雰囲気とするポンプ253と、収容器205内に配置され、基板Wを冷却する冷却プレート212とから構成されている。
【0105】
処理室61は、処理室61内の雰囲気と外部とを遮断する密閉構造を有しており、当該処理室61内の雰囲気が乾燥処理ユニット100、搬送路TP2、およびインターフェース40に漏出することを防止できる。また、処理室61の乾燥処理ユニット100側の壁面にはシャッター68が設けられており、処理室61の搬送路TP2側の壁面には、シャッター69が設けられている。
【0106】
ここで、シャッター68は、乾燥処理ユニット100において基板Wの加熱処理が完了した後に、乾燥処理ユニット100から冷却処理ユニット200に基板Wを搬出する場合には、図示を省略する開閉機構によって開放され、それ以外のときは閉鎖されている。また、シャッター69は、冷却処理ユニット200において後述する基板Wの冷却処理が完了した後に、搬送ユニット56によって処理室61外に基板Wを搬出する場合には図示を省略する開閉機構によって開放され、それ以外のときは閉鎖されている。
【0107】
また、冷却処理ユニット200の内側空間と乾燥処理ユニット100の内側空間とは、図10に示すように、処理室51に設けられたシャッター58と処理室61に設けられたシャッター68とを開放することにより、開口部260を介して連続した空間となる。したがって、シャッター58とシャッター68とを同時に開放した状態にすることにより、後述する搬送ユニット66によって乾燥処理ユニット100と冷却処理ユニット200との間で基板Wを授受することができる。
【0108】
収容器205は、処理室61の内側に設けられており、その内部で冷却処理が実施される。図9に示すように、収容器205は、上部蓋215とベース部217とから構成されている。上部蓋215は、その下部に開口部を有する略円筒状の部材である。また、上部蓋215は、昇降機構216と接続されており、当該開口部の高さがベース部217の上面位置と略同一となる位置を下端位置として上下方向に昇降可能に設けられている。
【0109】
さらに、ベース部217と上部蓋215とが接触する部分には図示を省略する密閉機構が設けられている。これにより、上部蓋215の内面とベース部217とによって囲まれる空間の雰囲気(以下、「収容器内雰囲気」とも呼ぶ)210は、処理室61内の雰囲気から密閉される。したがって、昇降機構216によって上部蓋215を下端位置まで下降させて当該密閉機構によって収容器内雰囲気210を密閉するとともに、後述するポンプ253によって収容器内雰囲気210を外部に排出することによって、収容器内雰囲気110を減圧雰囲気とすることができる。
【0110】
冷却プレート212は、ベース部217上に固定して設けられた略円柱状の部材である。冷却プレート212の上面には、複数(具体的には3以上)の支持ピン211が立設されており、基板Wは当該複数の支持ピン211に支持されることによって静置して保持される。この複数の支持ピン211は、図示を省略する昇降機構によって各支持ピン211の上端位置が略同一高さとなるように連動して上昇・下降可能に設けられている。したがって、上部蓋215を上昇させるとともに、支持ピン211を上昇させて基板Wを受渡し位置まで上昇させることによって、冷却プレート212と後述する搬送ユニット66との間で基板Wの授受を行うことができる(図11参照)。
【0111】
また、冷却プレート212によって基板Wを冷却する際には、支持ピン211を下降させる、これにより、冷却プレート212の上面と基板Wと裏面を近接、または接触させることができる。そのため、基板Wから冷却プレート212に向かって熱の移動が生じて基板Wを冷却することができる。
【0112】
また、冷却プレート212の内部には、冷却管212aが配設されている。図12に示すように、冷却管212aは、その表面積を増加させるため、冷却プレート212の内部を複数回折り返すように蛇行して配設されている。また、冷却管212aの一端は、配管218aおよびバルブ219cを介して冷却媒体供給源219aに連通されている。また、冷却管212aの他端は、配管218bを介して排液ドレイン219bに連通されている。そのため、バルブ219cを開放することによって、冷却管212aに冷却媒体を供給することができる。そのため、冷却管212aに供給された冷却媒体が冷却プレート212の上面を介して基板Wと熱交換(基板Wから冷却媒体への熱移動)することができ、基板Wの冷却することができる。そして、熱交換に使用された冷却媒体は、冷却管212aから排液ドレイン219bに排出される。
【0113】
なお、本実施の形態では、冷却媒体として水を使用しているが、これに限定されるものでなく、熱伝導の高い流体であれば他のものであっても良い。また、図12では、冷却管212aにおいて熱交換に使用された冷却媒体は排液ドレイン219bに排出されているが、これに限定されるものでなく、配管218bから排出された冷却媒体を基板Wを冷却するのに必要とされる温度まで冷却し、再度、冷却管212aに供給して冷却処理に使用してもよい。さらに、冷却プレート212では、上述のように冷却構造として冷却媒体を冷却管212aに供給する構造を採用しているが、ペルチェ素子などを利用してもよい。
【0114】
また、略円筒形状を有する上部蓋215の軸心付近であって、当該上部蓋215の内側上部付近には、基板Wに向けてプロセスガスを吐出する吐出ノズル231が設けられている。図9に示すように、吐出ノズル231は、配管232およびバルブ235を介してプロセスガス供給源237に連通されている。そのため、バルブ235を開放することによって収容器205内にプロセスガスを供給することができ、収容器内雰囲気210をプロセスガス雰囲気とすることができる。なお、本実施の形態では、プロセスガスとして窒素ガスを使用しているが、化学的に安定なガス(不活性ガス)であれば、ヘリウムガスやアルゴンガスを使用してもよい。
【0115】
ベース部217には、図9に示すように、2つの排気口251が設けられている。そして、これら排気口251は、配管252、ポンプ253およびバルブ255を介して排気ドレイン257と連通接続されている。したがって、収容器205内を密閉状態にするとともに、バルブ255を開放しつつポンプ153を動作させ、収容器内雰囲気210を収容器205外部に排出することによって、収容器内雰囲気110を減圧雰囲気とすることができる。
【0116】
図8、図9に示すように、処理室61内のシャッター68と収容器205との間には、基板Wを搬送する搬送ユニット66が配設されている。搬送ユニット66は、乾燥処理ユニット100の収容器105と冷却処理ユニット200の収容器205との間で基板Wを搬送する搬送ロボットである。
【0117】
搬送ユニット66のアーム67aは、アーム支持部67bの上部に取り付けられ、図示を省略する回転機構によって軸Jを中心に矢印AR4方向に回転することができる。また、アーム67aは、軸Jからアーム67aの先端方向(矢印AR3方向)に伸縮自在に設けられている。そのため、シャッター58、68を開放するとともに、アーム67aを回転および伸縮されることによって、乾燥処理ユニット100の収容器105と冷却処理ユニット200の収容器205との間で基板Wを搬送することができる。
【0118】
<3.2.基板処理手順>
ここでは、本実施の形態の基板処理装置500によって基板Wに付着したポリマー残渣を除去する基板処理の手順について説明する。基板処理装置500による処理は、主として、(1)除去処理部20において、基板Wに付着したポリマ残渣を除去する除去工程と、(2)乾燥処理部50の乾燥処理ユニット100において基板Wを加熱する加熱工程と、(3)乾燥処理部50の冷却処理ユニット200において基板Wを冷却する冷却工程とから構成される。
【0119】
なお、除去処理部20における除去工程は、第1の実施の形態において説明済みである。そこで、本実施の形態では、乾燥処理部50における加熱工程および冷却工程について説明する。
【0120】
除去処理部20におけるポリマ除去処理が完了した基板Wは、搬送ユニット26によって受渡し台49に載置される。そして、当該基板Wは搬送ユニット56によって受渡し台49から持ち出され、いずれかの乾燥処理ユニット100に搬入される。すなわち、乾燥処理ユニット100において、処理室51のシャッター59が開放されるとともに、収容器105の上部蓋115を昇降機構116によって矢印AR1方向に上昇させることによって、搬送ユニット56から上昇した状態の支持ピン111に基板Wが支持される(図4参照)。そして、シャッター59を閉鎖するとともに、上部蓋115を下降させて収容器105内の気密性を確保する。
【0121】
収容器105内に基板Wが支持されると、第2の実施の形態と同様に、収容器105内において加熱プレート112による基板Wの乾燥処理が実行される。
【0122】
図13は、本実施の形態の加熱工程における加熱プレートの出力、プロセスガスの供給量およびポンプの出力の制御タイミングと収容器内雰囲気の圧力とを示す図である。図13(a)〜(d)の横軸は、時刻tに対応し、図13(a)の縦軸は、各時刻tにおける加熱プレート112の出力(電力)Whに、図13(b)の縦軸は、各時刻tにおけるプロセスガスの単位時間あたりの供給量Vpに、図13(c)の縦軸は各時刻tにおけるポンプ153の出力Wpに、図13(d)の縦軸は各時刻tにおける収容器内雰囲気110の圧力Pにそれぞれ対応する。
【0123】
乾燥処理を開始する時刻t31より前の時点において、ポンプ153の出力値Wpは「ゼロ」であるため、収容器内雰囲気110の圧力Pは大気圧とほぼ等しい値P31となる。また、加熱プレート112の出力値Whは、一定値Wh31に設定されている。さらに、バルブ135は閉鎖されているため、プロセスガスの供給量Vpは「ゼロ」である。さらに、収容器105内はプロセスガス雰囲気とされている。
【0124】
時刻t31において、ポンプ153の基板Wpは、「ゼロ」からWp31に向かって徐々に増加する。これにより、収容器内雰囲気110は、排気ドレイン157に排出されるため、収容器内雰囲気110の圧力Pは、値P31から徐々に低下して減圧雰囲気となる。
【0125】
また、時刻t31において、制御部90によって加熱プレート112の出力値Whが、Wh31に設定される。これにより、加熱プレート112の出力値Whは、「ゼロ」からWh31に向かって徐々に増加し、加熱プレート112の上面が昇温する。そのため、加熱プレート112の上面から基板Wの裏面に向けて熱移動が生じ、基板W温度が上昇する。
【0126】
なお、本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、バックエンド工程での乾燥処理を対象としている。そのため、基板Wを加熱して乾燥してもウォータマークの影響をほとんど受けず、良好に基板Wを乾燥することができる。
【0127】
また、第2の実施の形態と同様に、乾燥工程が開始される時刻t31より前の時点において、収容器105内には不活性なプロセスガスが供給され、収容器内雰囲気110の酸素はプロセスガスと置換されて、収容器内雰囲気110には低酸素雰囲気が形成されている。そのため、基板W温度が昇温しても基板W上に形成されたAlやCu等の配線パターンに使用される金属が酸化されることを防止できる。
【0128】
さらに、第2の実施の形態と同様に、基板Wを加熱して乾燥させる際、基板Wの温度は、純水の沸点より高い摂氏200度から、低酸素雰囲気であっても配線パターンが酸化する温度よりも低い摂氏300度までの範囲内(好ましくは、摂氏240度から260度までの範囲内)としている。
【0129】
続いて、収容器内雰囲気110の圧力PがP32となる時刻t32において、ポンプ153の出力Wpが「ゼロ」に設定される。これにより、収容器内雰囲気110が収容器105の外部に排出されるのが停止されて収容器内雰囲気110の圧力が一定値P32に保持されつつ、加熱プレート112の出力Whは、一定値Wh31に保持される。
【0130】
すなわち、時刻t32からt34において、収容器内雰囲気110にはプロセスガスが供給されず、また、ポンプ153の出力Wが「ゼロ」に設定されており、収容器内雰囲気110は、排気ドレイン157に排出されないため、収容器内雰囲気110の圧力は、一定値P32に保持される。また、時刻t32からt34において、基板Wは加熱され続ける。これにより、収容器105内の上部から下部に向かって流れる気流を抑制することができる。
【0131】
そのため、第2の実施の形態と同様に、基板W付近の雰囲気がゆらぐことを防止し、加熱プレート112から基板Wへの熱移動を良好に行うことができる。その結果、基板Wを効率的に加熱することができ、基板W上に付着した水分だけでなく、基板W上に形成された微細パターンのライン間およびホール内部やレジスト膜の内部に侵入した水分をも効率的に乾燥することができる。
【0132】
なお、収容器内雰囲気110の圧力を一定値に保持する時間T3(時刻t32から時刻t34までの時間)は、基板Wの材料や収容器内雰囲気110の圧力等によって定まる値であり、予め実験等によって求めてもよい。
【0133】
続いて、時刻t32から時間T3だけ経過した時刻t34において、ポンプ153の出力Wpが制御部90によってWp31に設定されると、ポンプ153の出力Wpは、「ゼロ」から徐々に増加して一定値Wp31となる。これにより、収容器内雰囲気110に含まれる水分の蒸気は、ポンプ153によって排気ドレインに排出される。
【0134】
さらに、基板Wから水分の蒸発が完了した時刻t35において、ポンプ153の出力WpをWp31に保持した状態で、図9に示すバルブ135が開放される。これにより、収容器内雰囲気110に供給されるプロセスガスの単位時間あたりの供給量VPが、「ゼロ」から徐々に増加して一定値Vp31となる。そのため、収容器内雰囲気110に含まれる水分の蒸気は、プロセスガスと置換されて排気ドレイン157に排出される。
【0135】
また、基板Wから水分の蒸発が完了した時刻t35において、加熱プレート112の出力Whが制御部90によって「ゼロ」に設定される。これにより、加熱プレート112の出力WhがWh31から徐々に減少して「ゼロ」になる。
【0136】
続いて、収容器内雰囲気110の有機溶剤の蒸気がほぼ排気ドレイン157に排出された時刻t36において、ポンプ153の出力Wpが制御部90によって「ゼロ」に設定され、ポンプ153の出力Wpは、W31から徐々に減少して「ゼロ」となる。これにより、収容器内雰囲気110の圧力は増加する。続いて、収容器内雰囲気110の圧力PがP34となる時刻t37においてバルブ135が閉鎖されてプロセスガスの供給が停止される。そして、収容器内雰囲気110の圧力Pが値P32となる時刻t38において、乾燥処理ユニット100による乾燥処理が完了する。
【0137】
乾燥処理ユニット100での乾燥処理が完了すると、加熱された基板Wは、搬送ユニット66によって乾燥処理ユニット100から冷却処理ユニット200に搬送される。まず、搬送ユニット66によって乾燥処理ユニット100の処理室51から基板Wが搬出される。すなわち、処理室51のシャッター58および処理室61のシャッター68が開放されて、処理室51の内側空間と処理室61の内側空間とが開口部260を介して連通する。
【0138】
次に、昇降機構116によって収容器105の上部蓋115が矢印AR1方向に上昇し、支持ピン111が上昇するとともに、搬送ユニット66のアーム67aが回転および伸縮することによって、基板Wが加熱プレート112からアーム67aに授受される(図10参照)。そして、処理室51から搬送ユニット66が処理室51から退避すると、上部蓋115が下降するとともに、シャッター58、68が閉鎖される。
【0139】
続いて、搬送ユニット66によって冷却処理ユニット200の収容器205に基板Wが搬入される。すなわち、昇降機構216によって収容器205の上部蓋215が矢印AR2方向に上昇し、支持ピン211が上昇するとともに、搬送ユニット66のアーム67aが回転および伸縮することによって、基板Wがアーム67aから冷却プレート212に授受される(図11参照)。そして、上部蓋215の下方から搬送ユニット66が退避すると、上部蓋215が下降し、上部蓋215とベース部217との接合部に配設された密閉機構(図示省略)によって収容器205が密閉される。
【0140】
続いて、支持ピン211が下降して基板の裏面と冷却プレート212の上面とが接触または近接(本実施の形態では接触)することによって基板Wの冷却工程が開始される。図14は、冷却媒体供給源219a(図12参照)から供給される冷却媒体の供給量およびプロセスガス供給源237(図9参照)から供給されるプロセスガスの供給量と、収容器内雰囲気210の圧力との関係を示したものである。図14(a)〜(c)の横軸は、時刻tに対応し、図14(a)の縦軸は各時刻tにおける冷却媒体の単位時間あたりの供給量Vcに、図14(b)の縦軸は各時刻tにおけるプロセスガスの単位時間あたりの供給量Vpに、また、図14(c)の縦軸は各時刻tにおける収容器内雰囲気210の圧力Pにそれぞれ対応する。
【0141】
なお、冷却処理を開始する時刻t41より前の時点において、プロセスガス供給源237から供給されるプロセスガスを収容器内雰囲気210に供給するとともに、ポンプ253によって収容器内雰囲気210が排気ドレイン257に排出されている。これにより、収容器205内に存在していた酸素はプロセスガスと置換されて、収容器205内には、プロセスガスで満たされた減圧雰囲気(すなわち減圧された低酸素雰囲気)が形成されている。また、時刻t41より前の時点において、バルブ219cは閉鎖されている。そのため、冷却プレート212の冷却管212aには冷却媒体が供給されていない。
【0142】
時刻t41において、バルブ219cが開放されて、冷却媒体供給源219aから冷却管212aに供給される冷却媒体の単位時間あたりの供給量Vcが「ゼロ」からVc41に向かって徐々に増加する。これにより、基板Wの熱は、冷却プレート212の上面を介して冷却管212aに供給される冷却媒体に移動するため、基板Wは冷却される。また、時刻t41からt45において、ポンプ253の出力Wpは「ゼロ」であり、また、プロセスガス供給源237から収容器内雰囲気210に供給されるプロセスガスの単位時間あたりの供給量Vpは「ゼロ」であるため、収容器内雰囲気210は、収容器205外部に排出されず、収容器内雰囲気210の圧力は一定値P42に保持されている。
【0143】
これにより、収容器205の上部から下部に向かって流れる気流を抑制することができる。そのため、基板W付近の雰囲気がゆらぐことを防止して冷却プレート212から基板Wへの熱移動を良好に行うことができ、その結果、基板Wを効率的に冷却することができる。
【0144】
なお、収容器内雰囲気210の圧力を一定値P42に保持して基板Wを冷却する時間T4(時刻t41からt45までの時間)は、基板Wの材料や収容器内雰囲気110の圧力等によって定まる値であり、予め実験等によって求めてもよい。
【0145】
また、本実施の形態では、前述のように、減圧された低酸素雰囲気にて加熱された基板Wを冷却している。そのため、基板W温度が高温であっても基板W上に形成されたAlやCu等の配線パターンに使用される金属が酸化されることを防止できる。
【0146】
次に、時刻t41から時間T4だけ経過した時刻t45において、バルブ235が開放される。これにより、収容器内雰囲気210に供給されるプロセスガスの単位時間当たりの供給量Vpが「ゼロ」から徐々に増加して一定値Vp41となる。そのため、収容器内雰囲気110にプロセスガスが供給されて、収容器内雰囲気110の圧力が急速に増加する。
【0147】
続いて、収容器内雰囲気210の圧力PがP43となる時刻t47において、バルブ235が閉鎖されることによって、収容器内雰囲気210に対するプロセスガスの供給が停止するとともに、バルブ219cが閉鎖されることによって冷却管212aに対する冷却媒体の供給が停止する。そして、収容器内雰囲気210の圧力Pが大気圧とほぼ等しい値P41となる時刻t48において冷却処理が完了する。
【0148】
冷却処理ユニット200での冷却処理が完了すると、基板処理がすべて完了するため、当該処理済みの基板Wは搬出部13に向かって搬送される。具体的には、昇降機構216によって上部蓋215を矢印AR2方向に上昇させ、冷却プレート212に立設されたの支持ピン211を上昇させることによって基板Wを上昇させるとともに、シャッター69を開放する。
【0149】
次に、支持ピン211に支持された基板Wが、搬送ユニット56によって冷却処理ユニット200から搬出される。続いて、冷却処理ユニット200から搬出された処理済みの基板Wは、第1の実施の形態と同様に、受渡し台49、搬送ユニット26、受渡し台19、搬入搬出機構17を介して、搬出部13に載置されているキャリアCに搬入される。そして、基板処理が終了した基板Wを配置するキャリアCは、図示を省略する搬送機構によって基板処理装置1外に搬出される。
【0150】
<3.3.第3の実施の形態における基板処理装置の利点>
第3の実施の形態では、乾燥処理ユニット100において、収容器内雰囲気110を減圧された低酸素雰囲気とし、基板Wを加熱して乾燥させるとともに、冷却処理ユニット200において、収容器内雰囲気210を減圧された低酸素雰囲気とし、乾燥処理ユニット100で加熱された基板Wを冷却する。そのため、基板Wを加熱および冷却する際に、基板W上に形成されたAlやCu等の配線パターンに使用される金属が酸化されることを防止できる。
【0151】
<4.第4の実施の形態>
続いて、第4の実施の形態における基板処理装置について説明する。なお、本実施の形態の基板処理装置のハードウェア構成は、第1の実施の形態の基板処理装置1と比較して、後述するように、乾燥処理部50に含まれる搬送ユニット56が冷却構造を有する点を除き、第1の実施の形態の基板処理装置1と同様である。そこで、本実施の形態では、この相違点を中心に説明する。
【0152】
なお、以下の説明において、第1の実施の形態の基板処理装置1における構成要素と同様な構成要素については同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1の実施の形態において説明済みであるため、本実施の形態では説明を省略する。
【0153】
<4.1.乾燥処理部の構成>
図15は、第4の実施の形態の搬送ユニット56が有するアーム57aの先端部57cを模式的に示す上面図である。アーム57aは、第1の実施の形態で説明したように、アーム57aの長手方向に伸縮自在に設けられており、Z軸と略平行な回転軸を中心に回転可能に設けられている。したがって、搬送ユニット56は、アーム57aを回転および伸縮し、基板Wをアーム57aの先端部57cの上面と接触して載置することによって、4つの乾燥処理ユニット100のそれぞれに対して基板Wを授受するとともに、受渡し台49に対して基板Wを授受することができる。なお、基板Wをアーム57aの先端部57cに載置する際、図示を省略する吸着機構によって基板Wをアーム57aの先端部に真空吸着して保持してもよい。
【0154】
本実施の形態では、冷却媒体によって基板Wを冷却する冷却構造を採用している。アーム57aの先端部57cの内部には、図15に示すように、冷却管334が配設されている。冷却管334は、その表面積を増加させるため、アーム57aの先端部57cの内部を複数回折り返すように蛇行して配設されている。また、冷却管334の一端は、配管332を介して冷却媒体供給源337に連通されており、他端は、配管333を介して排液ドレイン338に連通されている。そのため、冷却管334に冷却媒体を供給することによってアーム57aの先端部57cの上面に載置された基板Wを効率的に冷却することができる。
【0155】
すなわち、蛇行して配設された冷却管334に供給された冷却媒体がアーム57aの先端部57cの上面を介して基板Wと熱交換(基板Wから冷却媒体への熱移動)を行うことができる。また、熱交換に使用されて加温された冷却媒体は、冷却管334から排液ドレイン338に排出される。そのため、基板Wの冷却には加温されていない冷却媒体を使用することができ、基板Wを効率的に冷却することができる。
【0156】
なお、本実施の形態では、冷却媒体として水を使用しているが、これに限定されるものでなく、熱交換に適している流体であれば他のものであっても良い。また、本実施の形態において、アーム57aの先端部57cの内部に配設された冷却管334には、その上面に基板Wが載置されているいないに関わらず、常に冷却媒体が供給されているが、これに限定されるものでなく、接触または非接触センサによってアーム57aの先端部57cに基板Wが載置されたことが検知された場合に、冷却管334に対して冷却媒体を供給するようにしてもよい。
【0157】
また、図15に示すように、冷却管334において熱交換に使用された冷却媒体は排液ドレイン219bに排出されて廃棄されているが、これに限定されるものでなく、配管333から排出された冷却媒体を基板Wを冷却するのに必要とされる温度まで冷却し、再度、冷却管334に供給して冷却処理に使用してもよい。さらに、アーム57aの先端部57cでは、上述のように冷却構造として冷却媒体を冷却管334に供給する構造を採用しているが、ペルチェ素子などの電子的冷却素子を利用してもよい。
【0158】
また、図15に示すように、アーム57aの先端部57cには、基板Wの裏面の中心部付近と接触するように接触式の温度計335(例えば、測温抵抗体によって構成される温度計)が配置されている。これにより、基板Wの温度を正確にモニタリングすることができる。
【0159】
<4.2.基板処理手順>
ここでは、本実施の形態の基板処理装置によって基板Wに付着したポリマー残渣を除去する基板処理の手順について説明する。本実施の形態の基板処理は、主として、(1)除去処理部20において、基板Wに付着したポリマ残渣を除去する除去工程と、(2)乾燥処理部50の乾燥処理ユニット100において基板Wを加熱する加熱工程と、(3)乾燥処理部50の搬送ユニット56に基板Wを載置して冷却する冷却工程とから構成される。
【0160】
なお、除去処理部20における除去工程は、第1の実施の形態において説明済みである。また、乾燥処理部50の乾燥処理ユニット100における加熱工程は、第2の実施の形態において説明済みである。そこで、本実施の形態では、乾燥処理部50の搬送ユニット56における基板Wの冷却工程について説明する。
【0161】
乾燥処理ユニット100にて乾燥処理が完了すると、加熱された基板Wは、搬送ユニット56が有する冷却構造によって冷却される。冷却工程では、まず、吐出ノズル141から基板Wに向けてプロセスガスが吐出される。続いて、加熱プレート112に立設された支持ピン111を上昇させて基板Wを受渡し位置まで上昇させ、昇降機構116によって上部蓋115を矢印AR1方向に上昇させるとともに、シャッター59が開放される。これにより、上部蓋115を上昇させても基板W付近の雰囲気をプロセスガス雰囲気に維持することができ、基板W付近を低酸素雰囲気とすることができる。
【0162】
次に、アーム57aを伸張することによって、アーム57aの先端部57cを加熱プレート112の上方まで移動させる。そして、支持ピン111に支持された基板Wを、冷却媒体が供給され続けているアーム57aの先端部57cの上面に載置する。これにより、加熱によって昇温した基板Wから冷却管334の冷却媒体に向けて熱移動が生じて基板Wの温度は急激に降温する。なお、このときも、基板Wに向けてプロセスガスが吐出され続けている。
【0163】
このように、本実施の形態では、アーム57aに設けられた冷却構造によって基板Wを冷却する際、基板W付近を低酸素雰囲気とすることができる。そのため、冷却時に基板W上に形成されたAlやCu等の配線パターンに使用される金属が酸化されることを防止できる。また、本実施の形態では、搬送ユニット56によって基板Wを乾燥処理ユニット100から搬出する作業とともに、基板Wを冷却することができる。すなわち、基板Wの搬出作業と冷却工程とを同時に実施することができる。そのため、基板処理全体としてサイクルタイムを減少することができる。
【0164】
続いて、温度計335によって基板Wが所定の温度になったことが検出されると、冷却された基板Wは、搬送ユニット56から受渡し台49に授受されて冷却処理を終了する。ここで、本実施の形態では、温度計335によって測定される基板Wの温度に基づいて冷却処理を行っているが、これに限定されるものでなく、例えば、一定時間だけ基板Wをアーム57aの先端部57cに載置して冷却してもよい。なお、基板Wを冷却する時間は、基板Wの大きさや基板W上に形成された微細パターンの材料等により定まる値であり、予め実験等によって求めてもよい。
【0165】
そして、第1の実施の形態と同様に、受渡し台49、搬送ユニット26、受渡し台19、搬入搬出機構17を介して、搬出部13に載置されているキャリアCに搬入される。そして、基板処理が終了した基板Wを配置するキャリアCは、図示を省略する搬送機構によって基板処理装置1外に搬出される。
【0166】
<4.3.第4の実施の形態における基板処理装置の利点>
第4の実施の形態では、乾燥処理ユニット100において、収容器内雰囲気110を減圧された低酸素雰囲気として基板Wを加熱して乾燥させ、続いて、乾燥処理ユニット100から基板Wを搬出する作業を行う際に、合わせて搬送ユニット56に設けられた冷却構造によって基板Wを冷却することができるため、基板処理のサイクルタイムを低減することができる。
【0167】
また、第4の実施の形態では、低酸素雰囲気にて基板Wを冷却することができる。そのため、冷却処理時に基板W上に形成されたAlやCu等の配線パターンに使用される金属が酸化されることを防止できる。
【0168】
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。
【0169】
(1)第1ないし第4の実施の形態において、基板Wを乾燥させる場合、(A)減圧雰囲気にて基板Wに対して有機溶剤の蒸気を吐出して乾燥する乾燥処理と、(B)減圧雰囲気にて基板Wを加熱して乾燥する乾燥処理とのどちらか一方を使用して基板Wを乾燥させる手順について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、(B)の加熱による乾燥処理を施した後に、(A)の有機溶剤の蒸気による乾燥処理を順次実施してもよいし、また、処理順序を入れ替えて、(A)の乾燥処理を実施した後、(B)の乾燥処理を実施してもよい。
【0170】
(2)また、第1ないし第4の実施の形態において、プロセスガスを吐出する吐出ノズル131、231は、それぞれ収容器105および収容器205の内側上部に配設されているが、これに限定されるものでなく、上部蓋115および上部蓋215の下部に配設し、基板W上面付近にプロセスガスが供給されるようにしてもよい。
【0171】
(3)第1、第2および第4の実施の形態の除去処理ユニット30、乾燥処理ユニット100は平面的に配置されているが、これに限定されるものでなく、高さ方向(Z軸方向)に積層して配置してもよい。また第3の実施の形態の除去処理ユニット30、および乾燥処理ユニット100と冷却処理ユニット200とを1組とするユニット対も同様に、高さ方向に積層して配置してもよい。これにより、基板処理装置の床面積を縮小することができる。
【0172】
(4)第2および第4の実施の形態では、収容器105内および収容器205内の圧力(以下、「収容器内圧力」とも呼ぶ)を一定に保持して基板Wを冷却する際、予め実験等によって求めた時間だけ冷却し、続いて、収容器105内および収容器205内にプロセスガスを供給することによって収容器内圧力が大気圧と略同一となるようにしているが、これに限定されるものでなく、接触式の温度計や非接触式の温度計を使用して基板Wの温度を計測し、当該温度に基づいて、プロセスガスを供給するタイミングを決定してもよい。
【0173】
(5)第1の実施の形態において、吐出ノズル141から基板Wに向けて有機溶剤の蒸気を吐出して、基板Wに付着した水分を有機溶剤の蒸気と置換することによって基板Wを乾燥させているが、これに限定されるものでなく、有機溶剤の蒸気を吐出する代わりに液体状の有機溶剤を霧状にして基板Wに吐出してもよい。
【0174】
(6)第2の実施の形態において、冷却ガス供給源167から供給される冷却ガスと、プロセスガス供給源137から供給されるプロセスガスとは、共通の吐出ノズル131から収容器105内に向けて供給されるが、これに限定されるものでない。例えば、吐出ノズル131、141の他に追加の吐出ノズルを設けてルを設け、吐出ノズル131からは冷却ガスが、また、当該他の追加の吐出ノズルからはプロセスガスがそれぞれ吐出されるようにしてもよい。
【0175】
(7)第3の実施の形態において、収容器205内に配置された吐出ノズル231と冷却プレート212上に支持された基板Wとの間に、第1の実施の形態で説明した拡散板120を配置してもよい。これにより、吐出ノズル231から吐出されるプロセスガスを拡散することができるため、収容器内雰囲気210を効率的にプロセスガス雰囲気とすることができる。
【0176】
(8)また、第3の実施の形態の乾燥処理部50では、2つの乾燥処理ユニット100と2つの冷却処理ユニット200とにより構成されているが、乾燥処理ユニット100および冷却処理ユニット200の数が同数なら、それぞれのユニット数は2つに限定されない。
【0177】
(9)さらに、第3の実施の形態の冷却構造では、冷却工程が実施する場合には、冷却管212aに対して冷却媒体を供給し、また、冷却工程が実施されていない場合には、冷却管212aに対して冷却媒体を供給しない方式を採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、冷却媒体を廃棄せず再利用する冷却構造を採用する場合には、第3の実施の形態のように、バルブ219cによって冷却管212aに冷却媒体を供給するタイミングを制御することなく、常に冷却媒体を供給し続ける冷却方式を採用してもよい。このような構成を取ることにより、制御部90の処理負担を軽減することができる。
【0178】
(10)第4の実施の形態において、アーム57aの先端部57cの内部に配設された冷却管334には、常に冷却媒体が供給されているが、これに限定されるものでなく、接触または非接触センサによってアーム57aの先端部57cに基板Wが載置されたことが検知された場合に、冷却管334に対して冷却媒体を供給するようにしてもよい。
【0179】
(11)また、第4の実施の形態において、アーム57aの先端部57cに載置された基板Wの温度を測定する際、接触式の温度計が使用されているが、これに限定されるものでなく、非接触式の温度計(例えば、放射温度計)を使用してもよい。
【0180】
【発明の効果】
請求項1ないし請求項4に記載の発明によれば、収容器内を減圧雰囲気として基板付近に有機溶剤を含む雰囲気を形成することにより、基板上に形成されたライン間およびホール内部に入り込んだ純水や基板上に形成された膜の内部の純水が有機溶剤と置換する。そのため、目的にあわせて内部を効率的に乾燥することができる。
【0181】
特に、請求項2に記載の発明によれば、拡散板の表面に設けられた複数の貫通孔を通過した有機溶剤は、拡散して基板付近に到達する。そのため、基板付近をさらに効率的に有機溶剤の雰囲気とすることができる。
【0182】
また、請求項1ないし請求項3に記載の発明によれば、有機溶剤を吐出した後、一定時間、収容器内の圧力を略同一に保持することにより、基板上に形成されたライン間およびホール内部に入り込んだ純水や基板上に形成された膜の内部の純水と有機溶剤との置換効率を向上させることができるため、さらに効率的に基板を乾燥することができる。
【0183】
特に、請求項3に記載の発明によれば、有機溶剤が純水より表面張力が小さく、さらに蒸発潜熱の小さいイソプロピルアルコールであるため、効率的に基板を乾燥することができる。
【0184】
また、請求項4ないし請求項9に記載の発明によれば、第1の収容器内にプロセスガスを吐出しつつ減圧することにより、第1の保持手段に保持された基板を低酸素かつ減圧された雰囲気で基板を加熱して乾燥することができる。そのため、加熱する際に基板が酸化されることを防止しつつ、効率的に基板を乾燥することができる。
【0185】
特に、請求項5に記載の発明によれば、第1の収容器内において、加熱された基板を低酸素雰囲気にて冷却することができるため、冷却処理においても基板が酸化することを防止できる。
【0186】
特に、請求項6に記載の発明によれば、プロセスガス雰囲気とされた第1の収容器内にて、冷却ガスを基板に向けて吐出することによって基板を冷却することができる。そのため、冷却する際に基板が酸化されることを防止できる。
【0187】
特に、請求項7に記載の発明によれば、第1の搬送手段を第1の保持手段の付近に移動させ、基板を冷却することにより、低酸素雰囲気にて基板を冷却することができるため、冷却の際に基板が酸化されることを防止できる。
【0188】
特に、請求項8に記載の発明によれば、加熱された基板を減圧雰囲気とされた第2の収容器内にて冷却することができるため、冷却の際に基板が酸化されることを防止できる。
【0189】
特に、請求項9に記載の発明によれば、基板を摂氏200度から摂氏300度の範囲で加熱するため、加熱の際に基板上に形成された膜が酸化することを防止できる。
【0190】
また、請求項4ないし請求項9に記載の発明によれば、第1の収容器内を減圧し、一定時間、当該第1の収容器内の圧力を略同一にしつつ、基板を加熱することにより、基板上に形成されたライン間およびホール内部に入り込んだ純水や基板上に形成された膜の内部の水分を安定して蒸発することができるため、さらに効率的に基板を乾燥することができる。
【0191】
また、請求項10に記載の発明によれば、(1)収容器内を減圧雰囲気とし、基板付近に有機溶剤を含む雰囲気を形成して基板を乾燥する処理と、(2)プロセスガス雰囲気として減圧するとともに、保持手段に保持された基板を減圧された収容器内にて加熱して乾燥する処理とを能動化させることができる。そのため、基板上に形成された膜の種類に応じて、それぞれの乾燥処理を選択することができきる。
【0192】
特に、請求項11に記載の発明によれば、有機溶剤吐出手段と加熱手段とを排他的に能動化させることができる。そのため、有機溶剤が防爆性を有する場合であっても、安全に乾燥処理を実施することができる。
【0193】
さらに、請求項12および請求項13に記載の発明によれば、基板処理装置が請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の乾燥処理装置を備えているため、回転振切り手段によって洗浄液の振切りを済ませた後の基板を受け入れて、請求項1から請求項11のいずれかに記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における基板処理装置の全体構成を模式的に示す平面図である。
【図2】第1の実施の形態における乾燥処理ユニットを模式的に示す正面図である。
【図3】第1の実施の形態における乾燥処理ユニットを模式的に示す正面図
【図4】第1の実施の形態における拡散板を模式的に示す上面図である。
である。
【図5】第1の実施の形態におけるイソプロピルアルコールの供給量、プロセスガスの供給量およびポンプの出力の制御タイミングと収容器内雰囲気の圧力とを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における冷却ガスの供給量、加熱プレートの出力、プロセスガスの供給量およびポンプの出力の制御タイミングとチャンバ内雰囲気の圧力とを示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における基板処理装置の全体構成を模式的に示す平面図である。
【図8】第3の実施の形態における乾燥処理ユニットおよび冷却ユニットを模式的に示す上面図である。
【図9】図8の乾燥処理ユニットおよび冷却ユニットをV−V線から見た断面を示す図である。
【図10】図8の乾燥処理ユニットおよび冷却ユニットをV−V線から見た断面を示す図である。
【図11】図8の乾燥処理ユニットおよび冷却ユニットをV−V線から見た断面を示す図である。
【図12】第3の実施の形態における冷却プレートを模式的に示す上面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態における加熱プレートの出力、プロセスガスの供給量およびポンプの出力の制御タイミングと収容器内雰囲気の圧力とを示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態における加熱プレートの出力、プロセスガスの供給量およびポンプの出力の制御タイミングと収容器内雰囲気の圧力とを示す図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態における搬送ユニットのアームを模式的に示す上面図である。
【符号の説明】
1、500 基板処理装置
10 インデクサ
20 除去処理部
40 インターフェース
50 乾燥処理部
51、61 処理室
58、59、68、69 シャッター
90 制御部
100 乾燥処理ユニット
112 加熱プレート
120 拡散板120
147 有機溶媒供給源
153、253 ポンプ
167 冷却ガス供給源
200 冷却処理ユニット
212 冷却プレート
260 開口部
337 冷却媒体供給源
C カセット
W 基板

Claims (13)

  1. 表面に付着した洗浄液を回転運動によって振切った後の基板を乾燥させる乾燥処理装置であって、
    (a) 収容器と、
    (b) 前記収容器内に設けられ、前記基板を気体雰囲気中で保持する保持手段と、
    (c) 前記収容器内に有機溶剤を吐出して、前記基板付近に有機溶剤を含む雰囲気を形成する有機溶剤吐出手段と、
    (d) 前記収容器内を排気して減圧雰囲気とする減圧手段と、
    (e) 前記有機溶剤吐出手段と前記減圧手段とを制御して、
    前記減圧手段を動作させて前記収容器内を減圧雰囲気とし、
    減圧雰囲気の前記収容器内に有機溶剤を吐出した後、
    前記有機溶剤の蒸気の吐出を停止し、かつ、前記減圧手段による排気を停止して、一定時間、前記収容器内を略同一圧力に保持し、
    前記一定時間経過後に前記減圧手段を動作させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする乾燥処理装置。
  2. 請求項1に記載の乾燥処理装置であって、
    前記収容器内に配置され、表面に複数の貫通孔を有する拡散板、
    をさらに備え、
    前記拡散板は、前記有機溶剤吐出手段と前記保持手段との間に配置されることを特徴とする乾燥処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の乾燥処理装置において、
    前記有機溶剤は、イソプロピルアルコールであることを特徴とする乾燥処理装置。
  4. 表面に付着した洗浄液を回転運動によって振切った後の基板を乾燥させる乾燥処理装置であって、
    (a) 第1の収容器と、
    (b) 前記第1の収容器内に設けられ、前記基板を気体雰囲気中で保持する第1の保持手段と、
    (c) 前記第1の収容器内に設けられ、前記第1の保持手段に保持された前記基板を加熱する加熱手段と、
    (d) 前記第1の収容器内にプロセスガスを吐出する第1のプロセスガス吐出手段と、
    (e) 前記第1の収容器内を減圧する第1の減圧手段と、
    (f) 前記第1のプロセスガス吐出手段と、前記減圧手段と、を制御して、
    前記減圧手段を動作させて前記第1の収容器内を低酸素雰囲気とし、
    前記プロセスガスの吐出を停止し、かつ、前記減圧手段による排気を停止して、一定時間、前記第1の収容器内を略同一圧力に保持し、
    前記一定時間経過後に前記減圧手段を動作させる制御手段と、
    を備え、
    前記加熱手段は、前記プロセスガスの吐出によって低酸素雰囲気とされた前記第1の収容器内にて前記基板を加熱することを特徴とする乾燥処理装置。
  5. 請求項4に記載の乾燥処理装置であって、
    (g) 前記加熱手段によって加熱された基板を低酸素雰囲気とされた前記第1の収容器内にて冷却する冷却手段、
    をさらに備えることを特徴とする乾燥処理装置。
  6. 請求項5に記載の乾燥処理装置であって、
    前記冷却手段は、
    前記第1の収容器内に設けられ、前記第1の保持手段によって気体雰囲気中で保持された基板に向けて冷却ガスを吐出する冷却ガス吐出手段、
    を備えることを特徴とする乾燥処理装置。
  7. 請求項5に記載の乾燥処理装置であって、
    前記冷却手段は、前記第1の収容器外と前記第1の保持手段との間で前記基板を授受して搬送する第1の搬送手段に設けられており、前記第1の保持手段付近に前記第1の搬送手段を移動させて前記基板を冷却することを特徴とする乾燥処理装置。
  8. 請求項5に記載の乾燥処理装置であって、
    前記冷却手段は、
    (g-1) 第2の収容器と、
    (g-2) 前記第2の収容器内に設けられ、前記基板を気体雰囲気中で保持する第2の保持手段と、
    (g-3) 前記第2の収容器内に設けられ、前記第2の保持手段によって保持された前記基板を冷却する冷却部と、
    (g-4) 前記第2の収容器内にプロセスガスを吐出する第2のプロセスガス吐出手段と、
    (g-5) 前記第2の収容器内を減圧する第2の減圧手段と、
    を備えることを特徴とする乾燥処理装置。
  9. 請求項4ないし請求項8のいずれかに記載の乾燥処理装置であって、
    前記加熱手段によって、基板を摂氏200度から摂氏300度の範囲で加熱することを特徴とする乾燥処理装置。
  10. 請求項1に記載の乾燥処理装置であって、
    (f) 前記収容器内に設けられ、前記保持手段に保持された前記基板を加熱する加熱手段と、
    (g) 前記収容器内にプロセスガスを吐出するプロセスガス吐出手段と、
    さらに備え、
    前記制御手段は、さらに、前記第1のプロセスガス吐出手段と、前記減圧手段と、を制御して、
    前記減圧手段を動作させて前記収容器内を低酸素雰囲気とし、
    前記プロセスガスの吐出を停止し、かつ、前記減圧手段による排気を停止して、一定時間、前記収容器内を略同一圧力に保持し、
    前記一定時間経過後に前記減圧手段を動作させ、
    前記加熱手段は、前記プロセスガスの吐出によって低酸素雰囲気とされた前記収容器内にて前記基板を加熱することを特徴とする乾燥処理装置。
  11. 請求項10に記載の乾燥処理装置であって、
    前記有機溶剤吐出手段と前記加熱手段とを排他的に能動化させる排他的制御手段、
    をさらに備えることを特徴とする乾燥処理装置。
  12. 基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、
    (a) 基板表面の洗浄液を回転によって振切る回転振切り手段を備える第1の装置と、
    (b) 前記第1の装置の外部に設けられて、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の乾燥処理装置として構成された第2の装置と、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  13. 請求項12に記載の基板処理装置であって、
    前記乾燥処理装置は、バックエンド工程にて使用することを特徴とする基板処理装置。
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