JP3950571B2 - 撮影光学系 - Google Patents
撮影光学系 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3950571B2 JP3950571B2 JP06328999A JP6328999A JP3950571B2 JP 3950571 B2 JP3950571 B2 JP 3950571B2 JP 06328999 A JP06328999 A JP 06328999A JP 6328999 A JP6328999 A JP 6328999A JP 3950571 B2 JP3950571 B2 JP 3950571B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lens
- lens group
- optical system
- positive
- negative
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B13/00—Optical objectives specially designed for the purposes specified below
- G02B13/02—Telephoto objectives, i.e. systems of the type + - in which the distance from the front vertex to the image plane is less than the equivalent focal length
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Lenses (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀塩写真カメラ、ビデオカメラ、電子スチルカメラ、デジタルカメラ等に好適な撮影光学系(撮影レンズ)に関し、更に詳しくは、光学系内部の小型・軽量なレンズ群でフォーカスを行ったオートフォーカスに最適な高い光学性能を有した撮影光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に撮影レンズにおけるフォーカシングは、光学系全体、あるいは光学系の一部のレンズ群を光軸上を移動させて行っているものが多い。
【0003】
撮影レンズの内、特に長焦点距離を有する望遠レンズでは、短焦点距離を有する撮影レンズに比べて光学系全体が大きくレンズ重量が重くなる傾向を持っている。
【0004】
従って、望遠レンズで光学系全体を移動させてフォーカシングを行うと、大きな重量のレンズを、焦点距離が長い分だけ、より多く移動させることが必要となり、迅速にフォーカシングを行うことが機構的に困難となる。
【0005】
そのため、望遠レンズでは一部のレンズ群を光軸上移動させてフォーカシングを行うものが多く、特に、光学系の前方レンズ群以外で、レンズ径が比較的小さくレンズ重量の軽い中間部あるいは比較的後方部のレンズ群を移動させるインナーフォーカス方式を採用したものが種々提案されている。
【0006】
例えば、特開昭55−147606号公報では焦点距離300mm、Fナンバー2.8のインナーフォーカス式の望遠レンズを、特開昭59−65820号公報や特開昭59−65821号公報では焦点距離135mm、Fナンバー2.8程度のインナーフォーカス式の望遠レンズを提案している。
【0007】
これらで提案されているインナーフォーカス式の望遠レンズでは何れも物体側より順に正の屈折力の第1群、負の屈折力の第2群、そして正の屈性力の第3群の3つのレンズ群を有し、第2群を光軸上移動させてフォーカシングを行っている。
【0008】
一般的に望遠レンズでは、焦点距離を長くすればするほど、また、レンズ全長の短縮を図りコンパクトにするほど軸上色収差及び倍率色収差が拡大し像性能が悪化する傾向にある。その為、従来より近軸軸上光線と瞳近軸光線の光軸からの通過位置が比較的に高くなる前方レンズ群に、蛍石等の異常部分分散を持った低分散の正レンズと高分散の負レンズを用いて色収差の発生を低減した望遠レンズが種々提案されている。
【0009】
そして、近年開発が盛んなオートフォーカスカメラに装着することを前提とした望遠レンズでは、多くの場合、光学系の前方レンズ群以外で、レンズ重量が軽く鏡筒負荷トルクの小さくなる中間部あるいは、比較的後方のレンズ群を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行う、所謂インナーフォーカス方式を採用している。そして、より高速なオートフォーカスを実現する為に、フォーカスレンズ群の重量を更に軽減することが強く望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般にインナーフォーカス方式はフォーカス用のレンズ群が小型軽量である為、操作性が容易でしかも高速操作が可能となり、又無限遠物体と至近物体にフォーカスしたときのレンズ系全体の重心位置の変化が少なく、ホールディングしやすい等の利点がある。
【0011】
この反面、望遠レンズにおいてインナーフォーカス方式を採用すると、フォーカシングの際の球面収差及び色収差の変動が大きくなる傾向にある。特に色収差の変動を良好に補正するのは比較的難しく、近距離撮影時に結像性能を劣化させる原因となっている。
【0012】
そのためインナーフォーカス方式の望遠レンズでは、多くの場合、フォーカスレンズ群を前方レンズ群の残存色収差とフォーカシングに伴い自らが発生する色収差の変動を補正する様に正レンズと負レンズを少なくとも1枚ずつ用いて構成している。
【0013】
しかしながら更に高速なオートフォーカスを行うためには、従来のフォーカスレンズ群の重量では重すぎる。
【0014】
本発明は、フォーカスレンズ群の重量が軽い撮影光学系の提供を主目的としており、更には色収差を始めとする諸収差及びフォーカシングによるこれらの諸収差の変動を良好に補正し得る、特にオートフォーカスカメラに最適な高い光学性能を有した撮影光学系の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の撮影光学系は、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群を有し、フォーカシングに際し、該第2レンズ群が光軸上移動する撮影光学系において、該第2レンズ群は1つの負レンズより成り、
該第1レンズ群は、光軸に対して回転対称形状の回折格子からなる少なくとも1つの正の屈折力を有する回折面と、少なくとも1枚の正レンズと、少なくとも1枚の負レンズを有しており、
φ D :該第1レンズ群中の、正の屈折力を有する回折面の設計波長における設計回折次数の回折光に対する屈折力
φ:光学系全系の設計波長での屈折力
ν 1P :該第1レンズ群中の正レンズの材質のアッベ数の平均値
ν 1N :該第1レンズ群中の負レンズの材質のアッベ数の平均値
ν 2 :該第2レンズ群の負レンズの材質のアッベ数
としたとき、
0.005<φ D /φ<0.1 ‥‥‥(4)
50<ν 1 p<96 ‥‥‥(5)
25<ν 1N <60 ‥‥‥(6)
60<ν 2 ‥‥‥(3)
を満足することを特徴としている。
【0016】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記第1レンズ群中の回折面の内少なくとも1面は、平面または物体側へ凸面を向けたレンズ面に設けられていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の撮影光学系を望遠レンズに適用したときの摸式図であり、望遠レンズのリアフォーカシング(インナーフォーカシング)を想定したときの基準状態(無限遠物体合焦状態)での作用を説明する為の近軸屈折力配置を示している。
【0022】
図中L1は正の屈折力を有する第1レンズ群、L2はフォーカシングを行う負の屈折力を有する第2レンズ群である。第2レンズ群L2は単レンズから構成されている。IPは像面である。Pは近軸軸上光線、そしてQは瞳近軸光線である。近軸軸上光線Pが第2レンズ群を通過する光軸Laからの高さは正の値であり、一方、瞳近軸光線Qが通過する高さは負の値である。
【0023】
図2(A)、図2(B)は、それぞれ、図1のモデルにおける第2レンズ群の軸上色の収差係数及び倍率色の収差係数の波長依存性を説明する為の概念図である。(波長範囲はg線(波長435.8nm)〜C線(波長656.3nm)の可視域とし、基準波長をd線(波長587.6nm)としてある。)
そして図3は、光学ガラスの分散曲線であり、曲線GN1は比較的高屈折率のガラス(一般的に高分散傾向でありLaSF系、SF系等)、曲線GN3は比較的低屈折率のガラス(一般的に低分散傾向でありBK系、FK系等)及び曲線GN2はこれらの中間の屈折率のガラスの屈折率の波長依存性を示している。
【0024】
まず図1のモデルにおける負の屈折力を有するガラス材より成る単レンズから構成される第2レンズ群の軸上色の収差係数は、近軸軸上光線Pが第2レンズ群を通過する光軸からの高さが正の値であることから、短波長側で負の値、長波長側で正の値となり、全体として右上がりの傾向を示す。更に、収差係数の波長に関する変化は、第2レンズ群が単レンズであるが故に、図3で示しているような単レンズの屈折率の曲りの影響をそのまま受け、軸上色の収差係数の波長に関する2回微分が負の値となり、上に凸の曲線となる。(図2(A))
そして倍率色の収差係数は、瞳近軸光線Qが第2レンズ群を通過する光軸からの高さが負の値であることから、短波長側で正の値、長波長側で負の値となり、全体として左上がりの傾向を示す。更に、倍率色の収差係数の波長に関する2回微分は、同様に単レンズの屈折率の曲りの影響をそのまま受けて、軸上色の収差係数のときとは逆に正の値となり、下に凸の曲線となる。(図2(B))
次に、第1レンズ群の色の収差係数曲線について考える。まず、第1レンズ群全体を一つの単レンズと見なしたときのアッベ数νI(等価アッベ数)は、
【0025】
【数1】
【0026】
となる。
【0027】
但し、
φI:第1レンズ群全体の屈折力
φIi :第1レンズ群の第i番目の薄肉単レンズの屈折力
νIi :第1レンズ群の第i番目の薄肉単レンズの材質のアッべ数
上記の式の右辺の値は、多くの場合、第1レンズ群が本質的に正の屈折力を有することから正の値となり、等価アッべ数νIの符号は正として考えても特に差し支えない。
【0028】
このとき図1のモデルにおいて、第1レンズ群の軸上色の収差係数曲線は、近軸軸上光線Pが第1レンズ群を通過する光軸からの高さが正の値であることから、短波長側で正の値、長波長側で負の値となり、全体として左上がりの傾向を示し、倍率色の収差係数曲線は、瞳近軸光線Qが通過する高さが負の値であることから、短波長側で負の値、長波長側で正の値となり、全体として右上がりの傾向を示すことになる。
【0029】
従って、第1レンズ群を第2レンズ群の各収差係数曲線と逆の傾向を持たして打ち消すには、各収差係数曲線の全体の傾きは打ち消す方向にあるので、第1レンズ群の各収差係数曲線の曲りを第2レンズ群の曲りと逆方向に設定すれば良いことになる。
【0030】
つまり、第1レンズ群の軸上色の収差係数曲線は下に凸の曲りを持った曲線とし、倍率色の収差係数曲線は上に凸の曲りを持った曲線とすれば良く、このことは条件式(1)及び(2)を満足させることに他ならない。
【0031】
次に条件式(3)は、第2レンズ群の負の屈折力を有する単レンズの材質のアッベ数に関し、色収差を始めとする諸収差をフォーカシングによる変動を含めて良好にする為のものである。
【0032】
条件式(3)の下限を越えてアッベ数が小さくなると、第2レンズ群の軸上及び倍率の色の各収差係数曲線全体の傾きが強まると同時に、実存ガラスの存在範囲の関係から波長の変化に対して比較的大きな屈折率の曲りを持った比較的高屈折率側のガラスを選択せざるを得なくなる。この為、軸上及び倍率の色の各収差係数曲線の曲りも強まり、それらを打ち消す様に第1レンズ群の色の収差係数曲線全体の傾きと曲りを強めていくと、球面収差、コマ収差、批点収差等がバランスできなくなってくるので良くない。
【0033】
また、第1レンズ群と第2レンズ群が、それぞれ大きな絶対値の収差係数で打ち消しあうようになる為、物点移動に対する第1レンズ群の色収差の変動が大きくなると同時に、フォーカシングに伴う第2レンズ群の色収差の変動も大きくなり、近距離撮影時に結像性能が大きく悪化するので良くない。
【0034】
望ましくは、条件式(3)を次の数値範囲とするのが良く、これにより更にフォーカシング伴う色収差の変動を含め結像性能を良好にできる。即ち、
ν2 >60 ‥‥‥(3)′
本実施形態において更に良好な結像性能を得るためには、前述の条件式(1),(2)及び(3)を満足した上で、又は条件式(1),(2),(3)の代わりに第1レンズ群を下記の構成とするのが良い。
【0035】
即ち、第1レンズ群を、光軸に対して回転対称形状の回折格子からなる少なくとも1つの正の屈折力を有する回折面と、少なくとも1枚の正レンズと、少なくとも1枚の負レンズから構成し、下記の条件式を満足させることである。
【0036】
即ち、
0.005<φD/φ<0.1 ‥‥‥(4)
50<ν1p<96 ‥‥‥(5)
25<ν1N<60 ‥‥‥(6)
とすることである。
【0037】
但し、
φD :第1レンズ群中の、正の屈折力を有する回折面の設計波長における設計回折次数の回折光に対する屈折力
φ:光学系全系の設計波長での屈折力
ν1P:第1レンズ群中の正レンズの材質のアッベ数(νd 値)の平均値
ν1N:第1レンズ群中の負レンズの材質のアッベ数(νd 値)の平均値
である。
【0038】
まず、回折面の作用について説明する。図4は、前記図1の構成での第1レンズ群L1に配置された回折面の作用を説明する為の近軸屈折力配置の概略図である。Mは第1レンズ群L1を構成する屈折光学系部分、Dは回折面であり、Pは近軸軸上光線、そしてQは瞳近軸光線である。(ここでは、問題を簡単に扱う為、回折面Dは屈折光学系部分Mの物体側に配置されているものとし、屈折光学系部分Mはn個の薄肉レンズから構成され、かつ、屈折光学系部分M自体も薄肉系として考える。)
まず、第1レンズ群について任意の光の波長λに対する軸上色の収差係数L1及び倍率色の収差係数T1の式を立てると、
【0039】
【数2】
【0040】
となる。但し、
φD:回折面Dの設計波長、設計回折次数の回折光に対する屈折力
φMi:屈折光学系部分Mの第i番目の薄肉単レンズの設計波長での屈折力
hD:回折面Dへ入射する近軸軸上光線の高さ
hM:屈折光学系部分Mへ入射する近軸軸上光線の高さ
HD:回折面Dへ入射する瞳近軸光線の高さ
HM:屈折光学系部分Mへ入射する瞳近軸光線の高さ
νMi(λ)は屈折光学系部分Mの第i番目の薄肉単レンズの材質のアッべ数であり、屈折光学系部分Mの第i番目の薄肉単レンズの屈折率をNMi(λ)、光学系の設計波長をλ0 としたとき、次式で表すアッべ数である。
【0041】
即ち、
νMi(λ)=(NMi(λ0)−1)/(NMi(λ)−NMi(λ0))
‥‥‥(3a)
そして、νD (λ)はW.C.SweattのUltraHigh-Index法による回折面Dの設計回折次数の回折光に対する換算アッべ数であり、次式で表されることが知られている。
【0042】
即ち、
νD(λ) =λ0/(λ−λ0)‥‥‥(4a)
(1a)式、(2a)式を(3a)式、(4a)式を用いて書き直すと、
【0043】
【数3】
【0044】
【数4】
【0045】
が得られる。
(1a')式、(2a')式をλで微分すると、
【0046】
【数5】
【0047】
が得られ、更にλで微分すると、
【0048】
【数6】
【0049】
が得られる。
【0050】
(1a''')式、(2a''')から分るように、軸上色及び倍率色の各収差係数の波長に関する2回微分の値は、屈折光学系部分Mの構成に依存し、回折面Dは直接的には寄与していないことが分る。つまり、第1レンズ群の色の収差係数曲線の曲り具合を決めているのは屈折光学系部分Mであり、前述の(1)式及び(2)式であるところの、
d2L1(λ)/dλ2 >0,d2T1(λ)/dλ2 <0
を満足するためには、hM >0かつHM<0であるから、
【0051】
【数7】
【0052】
でなければならない。
【0053】
図3の光学ガラスの屈折率の波長依存性のグラフからも明らかな様に、(4a)式の屈折率の波長に関する2回微分d2NMi(λ)/dλ2 >0であり、また、NMi(λ0)−1>0である。
【0054】
従って、第1レンズ群の屈折光学系部分Mを構成するレンズの内、負レンズは屈折力を弱めると同時にd2NMi(λ)/dλ2 が小さく屈折率の曲りの小さいガラス(結果として比較的低屈折率寄りで比較的低分散寄りのガラス)を使用し、正レンズは屈折力を強めると同時にd2NMi(λ)/dλ2 が大きく屈折率の曲りの大きいガラス(結果として比較的高屈折率寄りで比較的高分散寄りのガラス)を使用するようにすれば、(4a)式の値を正の値とすることが出来る。
【0055】
ところが、もし、第1レンズ群を一般的な望遠レンズの第1レンズ群の構成である正レンズ3枚程度、負レンズ2枚程度から成る屈折光学系部分Mのみから構成した場合、第2レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体の傾きと曲り成分を、同時に第1レンズ群で打ち消すことは極めて困難である。
【0056】
つまり、前述したように、(4a)式を満足させる為に負レンズに比較的低屈折率寄り(結果的に比較的低分散寄り)のガラスを使用し、正レンズに比較的高屈折率寄り(結果的に比較的高分散寄り)のガラスを使用すると、それらの分散の影響により、第1レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体の傾きが大きくなっていく。
【0057】
その結果、第1レンズ群の色収差の発生量が多くなり、第2レンズ群の色収差を過剰に補正し、光学系全体の基準状態の色収差が大きく悪化する。更に、近距離物体へのフォーカシングに伴い、第1レンズ群の色収差の変動量が大きく増加するため、近距離物体時の色収差も大きく悪化することになる。
【0058】
逆に、従来通り、負レンズに比較的高分散寄り(結果的に比較的高屈折率)のガラスを使用し、正レンズに比較的低分散寄り(結果的に比較的低屈折率)のガラスを使用すると、第1レンズ群の色収差の発生量は少なくなるものの、主に負レンズに使用した高屈折率ガラスの屈折率の波長依存性(屈折率の曲りが強い)の影響で、第1レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線の曲りの方向は第2レンズ群の曲りの方向と同じになり、第2レンズ群の色収差を十分に打ち消すことができなくなってくる。(図5(A),図5(B))
従って、もし第1レンズ群を屈折光学系部分Mのみで構成する場合は、第2レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体の傾きと曲り成分を屈折光学系部分Mのみで同時に打ち消す必要上、屈折光学系部分Mは、正レンズ3枚程度、負レンズ2枚程度では構成できず、かなり複雑な構成にならざるを得なくなってくる。
【0059】
ところが、第1レンズ群に回折面Dを設けた場合は、屈折光学系部分Mは、正レンズ3枚程度、負レンズ2枚程度とすることができる。つまり、(1a'')式及び(2a'')式から分るように、各式の第1項目の回折面Dの屈折力を変化させるだけで比較的自由に収差係数曲線を傾かせることができ、屈折光学系部分Mは、少なくとも色収差に関しては収差係数曲線のほぼ曲りについてのみ制御すれば良い為である。
【0060】
更に、回折面Dは光軸から比較的離れた周辺部の格子のピッチを適切に設定することにより非球面としての効果を得ることができる為、条件式(1)及び(2)を満足させる際、屈折光学系部分Mの構成レンズの屈折力とその屈折率及びアッベ数を規定したことによって、僅かに失われた球面収差、コマ収差等の諸収差の補正自由度を回折面Dの非球面効果で十分に補うことができ、同時に、レンズ全長の短縮に伴って悪化する球面収差、コマ収差等の補正も十分に行うことができる。
【0061】
従って、第1レンズ群に回折面Dを設けることにより、回折面Dで軸上色及び倍率色の各収差曲線全体の傾きをほぼ制御でき、かつ、回折面Dの非球面効果により球面収差やコマ収差等の補正自由度が増すため、屈折光学系部分Mでの収差補正は、軸上色及び倍率色の各収差係数曲線の曲りの制御に重点を置いて行うことができるので、屈折光学系部分Mを比較的簡易なレンズ構成としたままで、高い光学性能を有したオートフォーカスに最適なコンパクトな望遠レンズを得ることができる。
【0062】
以下、条件式(4),(5)及び(6)について説明する。条件式(4)は、回折面Dの屈折力に関し、主に第1レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体に必要な傾きを与え、第2レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差曲線との関係を良好に保つためのものである。
【0063】
条件式(4)の下限値を越えて回折面Dの正の屈折力φDが弱まると、回折面Dの軸上色及び倍率色の各収差係数曲線(直線)の傾きが弱まって行く。その結果、第1レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体の傾きが強まり、第2レンズ群の軸上色収差及び倍率色収差に対して補正過剰となるので良くない。
【0064】
このとき、第1レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体の傾きを屈折光学系部分Mで弱めようとすると、屈折光学系部分Mを構成するレンズの内、特に負レンズに比較的高分散のガラス(結果として比較的高屈折率のガラス)を選択せざるを得なくなり、その結果、第2レンズの軸上色及び倍率色の各収差係数曲線の曲り成分を打ち消すことができなくなってくるので良くない。
【0065】
逆に、条件式(4)の上限値を越えて回折面Dの屈折力が強まると、回折面Dの軸上色及び倍率色の各収差係数曲線(直線)の傾きが強まって行く。その結果、第1レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体の傾きが弱まり、第2レンズ群の軸上色収差及び倍率色収差に対して補正不足となるので良くない。
【0066】
このとき、第1レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体の傾きを屈折光学系部分Mで強めようとすると、第2レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線の曲り成分を打ち消すのには有利となるものの、回折面D及び屈折光学系部分Mがそれぞれ大きな色収差の係数を持つ為、近距離被写体へのフォーカシングに伴い、第1レンズ群の色収差の変動量が大きなり、近距離時の色収差が大きく悪化することになるので良くない。
【0067】
条件式(5)及び(6)は、それぞれ屈折光学系部分Mを構成する正レンズと負レンズの材質のアッベ数(νd値)の平均値に関し、条件式(4)と同様に、主に第1レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体に必要な傾きを与え、第2レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差曲線との関係を良好に保つとともに、諸収差を良好に維持するためのものである。
【0068】
条件式(5)の下限値、または、条件式(6)の上限値をこえると、第1レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体の傾きが弱まり、特に、条件式(6)の上限値を越えた場合は、第2レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線の曲り成分と同方向の曲り成分が発生する。これらを補正する為には前述したように、正レンズの屈折力を強めると同時に負レンズの屈折力を弱める必要があり、このとき球面収差が大きく補正不足となるとともに、コマ収差、批点収差も悪化するので良くない。
【0069】
逆に、条件式(5)の上限値、または、条件式(6)の下限値をこえると、第1レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線全体の傾きが強まり、これらを補正する為に正レンズの屈折力をめ、かつ、負レンズの屈折力を強めていくと球面収差が大きく補正過剰となるとともに、コマ収差、批点収差も悪化するので良くない。
【0070】
更に望ましくは、条件式(5)及び(6)は次の数値範囲とするのが良い、即ち、
55<ν1p<75 ‥‥‥(5)′
27<ν1N<50 ‥‥‥(6)′
とすることである。
【0071】
本実施形態において、更に良好な結像性能を得るためには、次の条件式を満足するのが良く、第2レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線の曲り成分を更に良好に補正できる。
【0072】
即ち、
ΘgF<0.61 ‥‥‥(7)
但し、
ΘgF:第1レンズ群中の負レンズのg線、F線、C線に対する屈折率をそれぞれNg、NF、NCとしたとき、各負レンズの部分分散比
(Ng−NF)/(NF−NC)
の値を平均した値
条件式(7)を超えると、第2レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線の曲り成分を補正することができなくなるので良くない。
【0073】
又本発明においては第1レンズ群中の負レンズの内、最も物体側へ配置された負レンズについて次の条件式を満足するのが良く、第2レンズ群の軸上色及び倍率色の各収差係数曲線の曲り成分を更に良好に補正できる。
【0074】
即ち、
θgF <0.591 , θgd<1.3 …(8)
とすることである。
【0075】
但し、
θgF、θgd:第1レンズ群中の負レンズの内、最も物体側へ配置された負レンズのg線、F線、d線、C線に対する屈折率をそれぞれNg 、NF 、Nd、NCとしたとき、部分分散比
θgF=(Ng−NF)/(NF−NC)
θgd=(Ng−Nd)/(NF−NC)
である。
【0076】
次に本実施形態の具体的なレンズ構成について説明する。
【0077】
図6は本発明の数値実施例1のレンズ断面図、図7は本発明の数値実施例1の無限遠物体のときの収差図、図8は本発明の数値実施例1の物体距離3.5m(数値実施例をmm単位で表わしたとき)の収差図である。
【0078】
図9は本発明の数値実施例2のレンズ断面図、図10は本発明の数値実施例2の無限遠物体のときの収差図、図11は本発明の数値実施例2の物体距離3.5m(数値実施例をmm単位で表わしたとき)の収差図である。
【0079】
図12は本発明の数値実施例3のレンズ断面図、図13は本発明の数値実施例3の無限遠物体のときの収差図、図14は本発明の数値実施例3の物体距離3.5m(数値実施例をmm単位で表わしたとき)の収差図である。
【0080】
図15は本発明の数値実施例4のレンズ断面図、図16は本発明の数値実施例4の無限遠物体のときの収差図、図17は本発明の数値実施例4の物体距離3.5m(数値実施例をmm単位で表わしたとき)の収差図である。
【0081】
図中、L1は正の屈折力の第1群、L2は負の屈折力の第2群、L3は正又は負の屈折力の第3群、SPは絞り、Gはフィルターやフェースプレート等のガラスブロックである。
【0082】
第2群L2は自動焦点検出装置(不図示)からの駆動信号(焦点検出信号)に基づいて駆動手段(不図示)により又は手動により光軸上、矢印の如く像面側へ移動させて無限遠物体から至近物体へのフォーカス(合焦)を行っている。
【0083】
図6,図9の数値実施例1,2は物体側より順に物体側に凸面を向けた正の第11レンズと、像面側に凸面を向けた正の第12レンズとを回折面DRを挟んで接合した接合レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正の第13レンズ、像面側に凹面を向けた負の第14レンズ、物体側に凸面を向けた正の第15レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負の第16レンズより構成している。
【0084】
図12の数値実施例3は物体側より順に両レンズ面が凸面の正の第11レンズ、物体側に凸面を向けた正の第12レンズ、物体側に凹面を向けた負の第13レンズと像面側に凹面を向けた負の第14レンズとを回折面DRを挟んで接合した接合レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正の第15レンズ、そして物体側に凸面を向けたメニスカス状の負の第16レンズより構成している。
【0085】
図15の数値実施例4は物体側より順に両レンズ面が凸面の正の第11レンズ、物体側へ凸面を向けたメニスカス状の正の第12レンズ、両レンズ面が凹面の負の第13レンズ、物体側へ凸面を向けた正の第14レンズと、像面側へ凹面を向けた負の第15レンズとを回折面を向けたメニスカス状の負の第16レンズより構成している。
【0086】
本実施形態では、第1レンズ群に回折面を設けることにより全系の色収差(軸上、倍率色収差)を良好に補正している。
【0087】
本実施形態の第1レンズ群のレンズ構成は、はじめの2枚又は3枚の正レンズで光束をゆるやかに収斂させることにより、高次収差の発生を押さえ、さらに、次の負レンズによって、一度収差を補正している。
【0088】
光束の入射高Hが高いうちに補正するため補正の効果が高く、色収差の変動の補正にも有効となっている。
【0089】
そして次の正レンズにより更に収斂させ、その後ろのメニスカス状の負レンズにより、内向性コマ収差とメリディオナル像面の過剰傾向になる収差変動を良好に補正している。
【0090】
第2レンズ群L3は像面側に凹面を向けた単一の負レンズより成っている。これによってフォーカスレンズ群を軽量化し、高速なフォーカスを容易にしている。
【0091】
第3レンズ群L3は物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズと両レンズ面が凸面の正レンズとを接合した接合レンズより成る第31レンズ群L31、両レンズ面が凸面の正レンズと両レンズ面が凹面の負レンズとを接合した接合レンズ、両レンズ面が凹面の負レンズより成る第32レンズ群L32、両レンズ面が凸面の正レンズと負レンズとを接合した接合レンズ、そして両レンズ面が凸面の正レンズより成る第33レンズ群L33より成っている。
【0092】
これによって画面全体にわたり良好に補正している。尚、第32レンズ群は光軸に対して垂直方向に変位することにより像面上の像位置を補正可能で、手振れ補正レンズ群として用いることができる。
【0093】
次に本発明の数値実施例を示す。但し、各実施例において、riは物体側から数えて第i番目の面の曲率半径、diは物体側から数えて第i番目の基準状態の軸上面間隔を示し、ni、νiは物体側から数えて第i番目のレンズのd線に対する屈折率、アッベ数を示す。fは焦点距離、FNoはFナンバー、2ωは画角を示す。
【0094】
又前述の各条件式と数値実施例との関係を表−1に示す。なお、各実施例の回折面の位相形状ψは、次式によって表される。
【0095】
ψ(h,m)=(2π/mλ0)(C1h2+C2h4+C3h6…)
ここに、h:光軸に対して垂直方向の高さ
m:回折光の回折次数
λ0 :設計波長
Ci:位相係数(i=1,2,3…)
である。
【0096】
また、任意の波長λ、任意の回折次数mに対する回折面Dの屈折力φDは、最も低次の位相係数C1を用いて次のように表すことができる。
【0097】
φD(λ,m)=−2C1mλ/λ0
【0098】
【外1】
【0099】
【外2】
【0100】
【外3】
【0101】
【外4】
【0102】
【表1】
【0103】
各実施例において、回折光の回折次数mは1であり、設計波長λ0 はd線の波長(587.56nm)である。
【0104】
なお、本発明の実施例では、正の屈折力の回折面が1面であるが、更に回折面を追加しても良く、これにより、更に良好な光学性能が得られる。追加する回折面は、正の屈折力であっても負の屈折力であってもよく、特に負の屈折力の回折面を追加する場合は、光学系の像面寄りで瞳近軸光線の入射高が比較的高く、かつ、近軸軸上光線の入射高が比較的低くなる位置に配置するのが良い。
【0105】
これにより、倍率色収差を更に良好に補正することができる。また、各回折面はレンズの平面部に設けているが、球面レンズ或いは非球面をベースとしてもよく、両面に施してもよい。更に、接合レンズの接合面に施しても良く、ベースの材質は光を透過するものであれば、特にガラスでなくても良い。
【0106】
特に、第1レンズ群内の回折面については、軸上物点及び軸外物点からの光線が出来るだけ回折面へ垂直に入射するよう、平面または物体側へ凸面を向けたレンズ面あるいは物体へ緩い凹面を向けたレンズ面に設けるのがよく、これにより、回折効率の低下を緩和することが出来る。
【0107】
望ましくは、レンズ面の法線に対し、±15°未満で光線が入射するようなレンズ面に回折面を設定するのが良い。
【0108】
前述の実施例における回折光学素子部の回折格子形状101は図18に示すキノフォーム形状をしていた。図19は図18に示す回折光学素子の1次回折効率の波長依存特性を示している。実際の回折格子の構成は、前述した基材102の表面に紫外線硬化樹脂を塗布し、樹脂部に波長530nmで1次回折効率が100%となるような格子厚dの格子103を形成している。
【0109】
図19で明らかなように設計次数での回折効率は最適化した波長530nmから離れるに従って低下し、一方設計次数近傍の次数0次、2次回折光が増大している。この設計次数以外の回折光の増加は、フレアとなり、光学系の解像度の低下につながる。図20に図18の格子形状で前述の実施例を作成した場合の空間周波数に対するMTF特性を示す。この図で、低周波数領域のMTFが所望の値より低下していることがわかる。そこで他の実施例として図21に示す積層型の回折格子を本発明の実施例における回折光学素子部の格子形状とする。
【0110】
図22はこの構成の回折光学素子の1次回折効率の波長依存特性である。具体的な構成としては、基材上に紫外線硬化樹脂(nd=1.499、νd=54)からなる第1の回折格子104を形成し、その上に別の紫外線硬化樹脂(nd=1.598、νd=28)からなる第2の回折格子105を形成している。この材質の組み合わせでは、第1の回折格子部の格子厚d1はd1=13 .8μm、第2の回折格子部の格子厚d2はd=10.5μmとしている。
【0111】
図22からわかるように積層構造の回折格子にすることで、設計次数の回折効率は、使用波長域全域で95%以上の高い回折効率を有している。
【0112】
図23にこの場合の空間周波数に対するMTF特性を示す。積層構造の回折格子を用いることで、低周波数のMTFは改善され、所望のMTF特性が得られている。このように、本発明の実施例の回折光学素子として積層構造の回折格子を用いることで、光学性能はさらに改善される。
【0113】
なお前述の積層構造の回折光学素子として、材質を紫外線硬化樹脂に限定するものではなく、他のプラスチック材なども使用できるし、基材によっては、第1の回折格子部104を直接基材に形成してもよい。また各格子厚が異なる必要はなく、材料の組み合わせによっては図24に示すように2つの格子厚を等しくできる。この場合は、回折光学素子表面に格子形状が形成されないので、防塵性に優れ、回折光学素子の組み立て作業性が向上し、より安価な光学系を提供できる。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、色収差を始めとする諸収差及びフォーカシングによるこれらの諸収差の変動を良好に補正し、特にオートフォーカスカメラに最適な高い光学性能を有した撮影光学系を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明する為の近軸配置概略図
【図2】図1のモデルにおける第2レンズ群の軸上色の収差係数と倍率色の収差係数の波長依存性を説明する為の概念図
【図3】光学ガラスの屈折率の波長依存性を説明する概略図
【図4】第1レンズ群に配置された回折面の作用を説明する為の近軸配置概略図
【図5】従来の望遠レンズにおいて、第1レンズ群の軸上色の収差係数と倍率色の収差係数の波長依存性の傾向を説明する為の概念図
【図6】本発明の数値実施例1のレンズ断面図
【図7】本発明の数値実施例1の無限遠物体のときの収差図
【図8】本発明の数値実施例1の物体距離3.5m(数値例をmmで表わしたとき)の収差図
【図9】本発明の数値実施例2のレンズ断面図
【図10】本発明の数値実施例2の無限遠物体のときの収差図
【図11】本発明の数値実施例2の物体距離3.5m(数値例をmmで表わしたとき)の収差図
【図12】本発明の数値実施例3のレンズ断面図
【図13】本発明の数値実施例3の無限遠物体のときの収差図
【図14】本発明の数値実施例3の物体距離3.5m(数値例をmmで表わしたとき)の収差図
【図15】本発明の数値実施例4のレンズ断面図
【図16】本発明の数値実施例4の無限遠物体のときの収差図
【図17】本発明の数値実施例4の物体距離3.5m(数値例をmmで表わしたとき)の収差図
【図18】本発明に係る回折光学素子の説明図
【図19】本発明に係る回折光学素子の波長依存特性の説明図
【図20】本発明に係る回折光学素子MTF特性図
【図21】本発明に係る回折光学素子の説明図
【図22】本発明に係る回折光学素子の波長依存特性の説明図
【図23】本発明に係る回折光学素子のMTF特性図
【図24】本発明に係る回折光学素子の説明図
【符号の説明】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
SP 絞り
IP 像面
d d線
g g線
F F線
S.C 正弦条件
ΔS サジタル像面
ΔM メリディオナル像面
Claims (2)
- 物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群を有し、フォーカシングに際し、該第2レンズ群が光軸上移動する撮影光学系において、該第2レンズ群は1つの負レンズより成り、
該第1レンズ群は、光軸に対して回転対称形状の回折格子からなる少なくとも1つの正の屈折力を有する回折面と、少なくとも1枚の正レンズと、少なくとも1枚の負レンズを有しており、
φD:該第1レンズ群中の、正の屈折力を有する回折面の設計波長における設計回折次数の回折光に対する屈折力
φ:光学系全系の設計波長での屈折力
ν1P:該第1レンズ群中の正レンズの材質のアッベ数の平均値
ν1N:該第1レンズ群中の負レンズの材質のアッベ数の平均値
ν2:該第2レンズ群の負レンズの材質のアッベ数
としたとき、
0.005<φD /φ<0.1
50<ν1p<96
25<ν1N<60
60<ν2
を満足することを特徴とする撮影光学系。 - 前記第1レンズ群中の回折面の内少なくとも1面は、平面または物体側へ凸面を向けたレンズ面に設けられていることを特徴とする請求項1の撮影光学系。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06328999A JP3950571B2 (ja) | 1999-03-10 | 1999-03-10 | 撮影光学系 |
US09/519,991 US6381079B1 (en) | 1999-03-10 | 2000-03-07 | Optical system and optical apparatus having the same |
US10/084,333 US6628462B2 (en) | 1999-03-10 | 2002-02-28 | Optical system and optical apparatus having the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06328999A JP3950571B2 (ja) | 1999-03-10 | 1999-03-10 | 撮影光学系 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000258685A JP2000258685A (ja) | 2000-09-22 |
JP2000258685A5 JP2000258685A5 (ja) | 2005-02-24 |
JP3950571B2 true JP3950571B2 (ja) | 2007-08-01 |
Family
ID=13225029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06328999A Expired - Fee Related JP3950571B2 (ja) | 1999-03-10 | 1999-03-10 | 撮影光学系 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US6381079B1 (ja) |
JP (1) | JP3950571B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013097212A (ja) * | 2011-11-01 | 2013-05-20 | Tamron Co Ltd | インナーフォーカス式望遠レンズ |
US8587879B2 (en) | 2010-12-24 | 2013-11-19 | Tamron Co., Ltd. | Fixed focus lens |
Families Citing this family (27)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3950571B2 (ja) * | 1999-03-10 | 2007-08-01 | キヤノン株式会社 | 撮影光学系 |
JP3445554B2 (ja) * | 1999-04-02 | 2003-09-08 | ペンタックス株式会社 | インナーフォーカス式望遠レンズ |
JP4624581B2 (ja) * | 2001-03-15 | 2011-02-02 | 富士フイルム株式会社 | インナーフォーカス式レンズ |
DE10130212A1 (de) * | 2001-06-22 | 2003-01-02 | Zeiss Carl Jena Gmbh | Objektiv |
JP4411026B2 (ja) * | 2002-08-30 | 2010-02-10 | キヤノン株式会社 | 光学材料及び、光学素子、回折光学素子、積層型回折光学素子、光学系 |
JP4266732B2 (ja) * | 2002-08-30 | 2009-05-20 | キヤノン株式会社 | 積層型回折光学素子 |
JP2005181392A (ja) * | 2003-12-16 | 2005-07-07 | Canon Inc | 光学系 |
JP4579553B2 (ja) * | 2004-01-30 | 2010-11-10 | キヤノン株式会社 | 光学系及びそれを有する光学機器 |
JP4563061B2 (ja) | 2004-03-29 | 2010-10-13 | オリンパス株式会社 | 望遠レンズ及び望遠レンズ装置 |
JP4745707B2 (ja) * | 2005-04-22 | 2011-08-10 | キヤノン株式会社 | 光学系 |
JP2006317605A (ja) | 2005-05-11 | 2006-11-24 | Canon Inc | 撮影光学系及びそれを有する撮像装置 |
WO2007032509A1 (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-22 | Olympus Corporation | 結像光学系及びそれを有する電子撮像装置 |
JP4829590B2 (ja) | 2005-10-25 | 2011-12-07 | キヤノン株式会社 | 撮影光学系及びそれを有する撮像装置 |
JP4898379B2 (ja) * | 2006-10-11 | 2012-03-14 | キヤノン株式会社 | 撮影光学系及びそれを有する撮像装置 |
JP4847351B2 (ja) * | 2007-01-11 | 2011-12-28 | キヤノン株式会社 | 回折光学素子及びそれを用いた回折格子 |
JP5202014B2 (ja) * | 2008-02-08 | 2013-06-05 | キヤノン株式会社 | 光学系及びそれを用いた光学機器 |
JP5109712B2 (ja) * | 2008-02-25 | 2012-12-26 | 株式会社ニコン | 対物レンズ |
JP5317553B2 (ja) * | 2008-06-27 | 2013-10-16 | キヤノン株式会社 | 光学系及びそれを用いた光学機器、撮像装置並びに投影装置 |
JP5289028B2 (ja) * | 2008-12-19 | 2013-09-11 | キヤノン株式会社 | 撮影レンズ及びそれを有する撮像装置 |
JP5366673B2 (ja) | 2009-06-17 | 2013-12-11 | キヤノン株式会社 | 光学系及びそれを有する光学機器 |
KR101853809B1 (ko) * | 2010-09-08 | 2018-05-02 | 삼성전자주식회사 | 망원렌즈 시스템 |
JP2012078397A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Canon Inc | 回折格子を含む光学系および光学機器 |
JP5714925B2 (ja) * | 2011-01-31 | 2015-05-07 | ソニー株式会社 | インナーフォーカス式レンズ |
JP5587225B2 (ja) * | 2011-03-09 | 2014-09-10 | キヤノン株式会社 | 撮影光学系及びそれを有する撮像装置 |
JP5628090B2 (ja) * | 2011-05-20 | 2014-11-19 | ソニー株式会社 | インナーフォーカス式レンズ |
JP6112936B2 (ja) * | 2013-03-29 | 2017-04-12 | キヤノン株式会社 | 光学系および光学機器 |
JP6387630B2 (ja) * | 2014-03-12 | 2018-09-12 | 株式会社ニコン | 光学系および光学機器 |
Family Cites Families (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55143517A (en) * | 1979-04-26 | 1980-11-08 | Nippon Kogaku Kk <Nikon> | Inverse telephoto type wide angle photographic lens |
JPS6055805B2 (ja) | 1979-05-07 | 1985-12-06 | キヤノン株式会社 | 望遠レンズ |
JPS5965820A (ja) | 1982-10-07 | 1984-04-14 | Minolta Camera Co Ltd | 望遠レンズ系 |
US4610514A (en) | 1982-10-07 | 1986-09-09 | Minolta Camera Kabushiki Kaisha | Telephoto lens system |
JPS5965821A (ja) | 1982-10-07 | 1984-04-14 | Minolta Camera Co Ltd | 望遠レンズ系 |
JPS59116709A (ja) * | 1982-12-24 | 1984-07-05 | Olympus Optical Co Ltd | 望遠レンズのフオ−カシング方式 |
JPH03240010A (ja) * | 1990-02-17 | 1991-10-25 | Canon Inc | コンパクトな撮影レンズ |
JP3288768B2 (ja) * | 1992-10-26 | 2002-06-04 | 旭光学工業株式会社 | 望遠レンズ |
JP3577108B2 (ja) * | 1994-07-27 | 2004-10-13 | オリンパス株式会社 | 撮像光学系 |
US5847877A (en) | 1994-09-12 | 1998-12-08 | Olympus Optical Co., Ltd. | Diffractive optical element |
JPH08327896A (ja) * | 1995-05-26 | 1996-12-13 | Minolta Co Ltd | レンズ系 |
US6157488A (en) | 1995-08-29 | 2000-12-05 | Olympus Optical Company Ltd. | Diffractive optical element |
JPH09159911A (ja) * | 1995-12-07 | 1997-06-20 | Canon Inc | インナーフォーカス式の望遠レンズ |
JPH09203859A (ja) * | 1996-01-25 | 1997-08-05 | Canon Inc | 望遠レンズ |
JPH10186227A (ja) * | 1996-10-24 | 1998-07-14 | Asahi Optical Co Ltd | 望遠レンズ |
JPH10186226A (ja) * | 1996-10-24 | 1998-07-14 | Asahi Optical Co Ltd | 望遠レンズ |
JP3472097B2 (ja) | 1997-08-20 | 2003-12-02 | キヤノン株式会社 | 回折光学素子及びそれを用いた光学系 |
JP3320347B2 (ja) * | 1997-10-03 | 2002-09-03 | キヤノン株式会社 | 回折屈折型撮影光学系 |
JP3746894B2 (ja) * | 1998-02-05 | 2006-02-15 | ペンタックス株式会社 | 色消しレンズ系 |
US6392805B1 (en) * | 1998-03-23 | 2002-05-21 | Minolta Co., Ltd. | Diffractive optical element and an optical system having a diffractive optical element |
JP3342400B2 (ja) * | 1998-04-14 | 2002-11-05 | キヤノン株式会社 | 回折光学素子を有した光学系 |
JP4240340B2 (ja) * | 1998-08-24 | 2009-03-18 | フジノン株式会社 | 投影レンズ |
JP3950571B2 (ja) * | 1999-03-10 | 2007-08-01 | キヤノン株式会社 | 撮影光学系 |
-
1999
- 1999-03-10 JP JP06328999A patent/JP3950571B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2000
- 2000-03-07 US US09/519,991 patent/US6381079B1/en not_active Expired - Lifetime
-
2002
- 2002-02-28 US US10/084,333 patent/US6628462B2/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8587879B2 (en) | 2010-12-24 | 2013-11-19 | Tamron Co., Ltd. | Fixed focus lens |
US8908297B2 (en) | 2010-12-24 | 2014-12-09 | Tamron Co., Ltd. | Fixed focus lens |
JP2013097212A (ja) * | 2011-11-01 | 2013-05-20 | Tamron Co Ltd | インナーフォーカス式望遠レンズ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20020122264A1 (en) | 2002-09-05 |
JP2000258685A (ja) | 2000-09-22 |
US6628462B2 (en) | 2003-09-30 |
US6381079B1 (en) | 2002-04-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3950571B2 (ja) | 撮影光学系 | |
US10215972B2 (en) | Optical system and image pickup apparatus including the same | |
US8542447B2 (en) | Photographic optical system and image pickup apparatus having the same | |
US8654456B2 (en) | Photographic optical system and image pickup apparatus including the photographic optical system | |
JP5388446B2 (ja) | 光学系及びそれを有する光学機器 | |
US7715121B2 (en) | Optical system and optical apparatus including optical system | |
JP4745707B2 (ja) | 光学系 | |
JP4829590B2 (ja) | 撮影光学系及びそれを有する撮像装置 | |
JP4776988B2 (ja) | 光学系及びそれを有する光学機器 | |
JP5553566B2 (ja) | 光学素子、光学系、および光学機器 | |
US8000035B2 (en) | Wide-angle lens, optical apparatus, and method for focusing | |
JP6749632B2 (ja) | 大口径レンズ | |
US11372201B2 (en) | Optical system and imaging apparatus having the same | |
JP7171017B2 (ja) | 結像光学系 | |
JP3342400B2 (ja) | 回折光学素子を有した光学系 | |
JP2020140021A (ja) | コンバーターレンズ、交換レンズ、及び撮像装置 | |
JP2021105747A (ja) | 光学系および光学機器 | |
WO2022009588A1 (ja) | 光学系、光学機器、および光学系の製造方法 | |
EP0674205A1 (en) | Optical system capable of correcting image position | |
JP6579843B2 (ja) | 光学系および撮像装置 | |
JP2576607B2 (ja) | 小型のズームレンズ | |
JP4650715B2 (ja) | フロントテレコンバーターレンズ | |
JP5063226B2 (ja) | 光学系及びそれを有する光学機器 | |
JP6584184B2 (ja) | 光学系および撮像装置 | |
JP2004126397A (ja) | 望遠レンズ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040322 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040322 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050808 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050823 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051024 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070206 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070308 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070417 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070423 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140427 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |